JP2001041876A - 紫外線耐久性に優れた蛍石および蛍石の紫外線耐久性評価方法 - Google Patents

紫外線耐久性に優れた蛍石および蛍石の紫外線耐久性評価方法

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JP2001041876A
JP2001041876A JP11211515A JP21151599A JP2001041876A JP 2001041876 A JP2001041876 A JP 2001041876A JP 11211515 A JP11211515 A JP 11211515A JP 21151599 A JP21151599 A JP 21151599A JP 2001041876 A JP2001041876 A JP 2001041876A
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Keita Sakai
啓太 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 KrFやArFエキシマレーザ等の紫外線に
対する耐久性に優れた蛍石、ならびに紫外線に対する耐
久性を正確にかつ適確に評価することができる蛍石のレ
ーザ耐久性の評価方法を提供する。 【解決手段】 KrFやArFエキシマレーザ等の紫外
線波長域のパルスレーザ光を、1mJ/cm2 /パルス
〜50mJ/cm2 /パルスのエネルギー密度で104
〜107 のパルス数照射した後に、150nm〜300
nmの波長域における内部透過率を測定して紫外線耐久
性を評価する。この方法により、蛍石のKrFやArF
エキシマレーザ等の紫外線に対する耐久性を正確に評価
することができ、紫外線耐久性に優れた蛍石をKrFや
ArFエキシマレーザを光源とする光学系に用いること
により、熱収差や透過率低下などの性能劣化の少なく、
照度の安定した光学系を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、KrF、ArF、
2 またはAr2 エキシマレーザ等の紫外線を光源とす
る光学系において硝材として用いられる紫外線耐久性に
優れた蛍石(フッ化カルシウム結晶)および蛍石の紫外
線耐久性評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化はとど
まるところを知らず、4ギガビットDRAM世代へ向け
ての研究開発が盛んに進められている状況である。この
半導体集積回路の高集積化に伴ない、露光装置とりわけ
投影光学系に要求される性能もさらに高レベルとなって
きている。露光装置の解像度は投影光学系の開口度(N
A)を大きくすることによって高めることができるが、
開口度を大きくすることにより焦点深度は浅くなる。し
たがって、開口度をある程度以上大きくすることはでき
ず、解像度を高めるためには露光波長を短波長化するこ
とが要求されている。
【0003】このような理由で4ギガビットDRAM世
代の露光装置の光源としてArFエキシマレーザが有望
視されているが、193nmという短い波長のため、硝
材として十分な透過率を有する材料が限られてくる。現
在までに、ArFエキシマレーザを光源とする光学系の
硝材としては合成石英や蛍石が開発されてきた。
【0004】蛍石のArFレーザ耐久性を満足させるた
めには、特開平10−1310号公報等に記載されてい
るように、結晶中の不純物を厳しく除外する必要があ
る。ppbレベルの不純物濃度管理をする場合、原料ロ
ット間や結晶炉の違い等によってレーザ耐久性の異なる
結晶ができてしまうことが十分考えられるため、品質保
証のためにレーザ耐久性の評価を頻繁に実施する必要が
ある。
【0005】その際、従来のレーザ耐久性評価方法は、
特開平7−281001号公報に記載されているよう
に、ArFエキシマレーザの場合、100mJ/cm2
以下のエネルギー密度では透過率の変化量とエネルギー
密度がほぼ比例関係にあることを前提として、高いエネ
ルギー密度でレーザを照射し、低いエネルギー密度で照
射した際の透過率低下量を予測するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高いエ
ネルギー密度でレーザを照射することにより、低いエネ
ルギー密度で照射した際の透過率低下量を予測する方法
を用いて、蛍石のレーザ耐久性の評価を実施したとこ
ろ、レーザ照射による透過率低下量と照射エネルギー密
度は必ずしも比例しないことが判明した。したがって、
前述した従来の手法を用いてレーザ耐久性を評価した場
合、正確にレーザ耐久性を評価できない可能性がある。
【0007】ところで、KrFやArFエキシマレーザ
を光源とする半導体露光装置のレンズに蛍石を用いる場
合、蛍石の内部透過率は、露光波長において99.5%
/cm以上、好ましくは99.8%/cm以上が必要と
されている。また、露光装置を10年間使用することに
相当する1011パルスのレーザ照射後の状態で、前記内
部透過率を満足することが併せて要求されている。
【0008】そのため、蛍石のレーザ耐久性を評価する
場合、1011パルス照射後の透過率低下量をいかに予測
するかが課題である。さらに、レーザ照射による透過率
低下量と照射エネルギー密度は、前述したように必ずし
も比例しないため、透過率低下のエネルギー依存性につ
いても求めておかなければならない。
【0009】1011パルス照射後の透過率低下量が正確
に予測できていない場合、レーザ耐久性の良好でない蛍
石が、KrFやArFエキシマレーザを光源とした光学
系に用いられてしまうことがある。その際、KrFやA
rFエキシマレーザの照射により蛍石の内部透過率が低
下するため、光吸収による温度上昇に起因した熱収差発
生、光学系全体の透過率低下などの性能劣化が生じる。
また、このような光学系を半導体露光装置の光学系に用
いた場合、光学系の透過率低下により照度が低下し、結
果として生産性が低下してしまい、また、熱収差による
結像性能の劣化も生じ、安定したデバイス製造ができな
くなる。
【0010】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、KrF
やArFエキシマレーザ等の紫外線に対する耐久性に優
れた蛍石を提供するとともにKrFやArFエキシマレ
ーザ等の紫外線に対する耐久性を正確にかつ適確に評価
することができる蛍石の紫外線耐久性評価方法を提供
し、さらに、前記蛍石を用いたKrFやArFエキシマ
レーザ等の紫外線を光源とする光学系および該光学系を
用いた半導体製造用露光装置を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、蛍石のレ
ーザ照射による透過率低下量について鋭意検討した。そ
の結果、レーザ照射による透過率低下は、あるパルス数
で飽和することを見出だし、さらに、飽和パルス数は照
射エネルギー密度に依存し、飽和した透過率低下量は照
射エネルギー密度の0.3乗におおよそ比例することを
見出だし、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】すなわち、本発明は、紫外線波長域のパル
スレーザ光を、1mJ/cm2 /パルス以上、50mJ
/cm2 /パルス以下のエネルギー密度で104 以上1
7以下のパルス数照射した際、150nm以上300
nm以下の波長域において、内部透過率が99.5%/
cm以上であることを特徴とする紫外線対応蛍石を提供
する。
【0013】本発明は、KrFエキシマレーザを、1m
J/cm2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パルス以
下のエネルギー密度で104 以上107 以下のパルス数
照射した際、248nmにおける内部透過率が99.9
%/cm以上であることを特徴とする蛍石を提供し、ま
た、ArFエキシマレーザを、1mJ/cm2 /パルス
以上、50mJ/cm2 /パルス以下のエネルギー密度
で104 以上107 以下のパルス数照射した際、193
nmにおける内部透過率が99.8%/cm以上である
ことを特徴とする蛍石を提供する。
【0014】さらに、本発明は、紫外線波長域のパルス
レーザ光を、エネルギー密度1mJ/cm2 /パルス以
上、50mJ/cm2 /パルス以下で照射した後、15
0nm以上300nm以下の波長域における内部透過率
を測定することを特徴とする蛍石の紫外線耐久性評価方
法を提供し、また、KrFエキシマレーザを、エネルギ
ー密度1mJ/cm2 /パルス以上、50mJ/cm2
/パルス以下で照射した後、248nmにおける内部透
過率を測定することを特徴とする蛍石のKrFエキシマ
レーザ耐久性評価方法を提供し、また、ArFエキシマ
レーザを、エネルギー密度1mJ/cm2 /パルス以
上、50mJ/cm2 /パルス以下で照射した後、19
3nmにおける内部透過率を測定することを特徴とする
蛍石のArFエキシマレーザ耐久性評価方法を提供す
る。
【0015】さらに、本発明は、紫外線を光源とする光
学系において、前述した蛍石を用いることを特徴とする
光学系を提供し、さらに、該光学系を用いることを特徴
とする半導体製造用露光装置を提供する。
【0016】また、本発明は、前述した半導体製造用露
光装置をデバイス製造の露光工程に用いることを特徴と
するデバイス製造方法を提供する。
【0017】
【作用】本発明の蛍石のKrFやArFエキシマレーザ
等の紫外線に対する耐久性を評価する評価方法は、蛍石
のレーザ照射による透過率低下はあるレーザパルス数で
飽和し、その透過率低下の飽和するパルス数は照射エネ
ルギー密度に依存し、さらに、飽和した透過率低下量は
照射エネルギー密度のおおよそ0.3乗に比例するとい
う現象に基づくものであり、この評価方法によって、蛍
石のKrFやArFエキシマレーザ等の紫外線に対する
耐久性を正確にかつ適確に評価することが可能であり、
その結果、KrFやArFエキシマレーザ等の紫外線に
対する耐久性に優れた蛍石を提供することができる。
【0018】そして、このような紫外線耐久性に優れた
蛍石を、KrFやArFエキシマレーザを光源とする光
学系に用いることにより、熱収差や透過率低下などの性
能劣化の少なく、照度の安定した光学系を提供すること
ができる。さらに、該光学系を半導体製造用露光装置の
光学系に用いることにより、照度低下がなく、生産性に
優れた装置を提供することができる。また、熱収差によ
る結像性能の劣化が少ないため、安定したデバイス製造
が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】レーザ照射による蛍石の透過率低
下に関して、本発明者等の鋭意検討の結果、前述したよ
うに、蛍石のレーザ照射による透過率低下は、あるパル
ス数で飽和することがわかった。このとき、レーザのエ
ネルギー密度が高いほど、少ないパルス数で飽和した。
【0020】また、飽和した透過率低下量は、照射した
レーザのエネルギー密度に依存することも判明した。こ
のとき、飽和した透過率低下量は、照射エネルギー密度
の0.3乗におおよそ比例した。
【0021】さらに検討を進めた結果、高いエネルギー
密度のレーザを照射して透過率の低下した蛍石に、低い
エネルギー密度のレーザを照射すると、蛍石の透過率が
回復することが判明した。つまり、レーザ照射による透
過率低下は可逆的な反応であり、ある平衡状態が存在す
る。この平衡状態が、照射するエネルギー密度に依存す
るため、飽和した透過率低下量が照射エネルギー密度に
依存して変化すると考えられる。
【0022】このような検討の結果から、1011パルス
照射後の透過率低下量は、飽和に必要なパルス数を照射
すれば予測できることがわかった。例えば1mJ/cm
2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パルス以下の照射
エネルギー密度であれば、104 〜107 パルスという
短時間のレーザ照射により、透過率の低下量は飽和す
る。飽和した後、透過率は変化しないため、1011パル
ス照射後の透過率は、飽和した透過率低下量から知るこ
とができる。
【0023】また、レーザ耐久評価時と半導体露光装置
内での照射エネルギー密度が異なる場合には、飽和した
透過率低下量が、エネルギー密度の0.3乗におおよそ
比例する関係を用いて、換算すればよい。
【0024】結論として、任意の照射エネルギー密度の
レーザを1011パルス照射したときの蛍石の透過率低下
量は、1mJ/cm2 /パルス以上、50mJ/cm2
/パルス以下の照射エネルギー密度で、104 パルス以
上、好ましくは107 パルス照射することにより求める
ことができると考えた。すなわち、蛍石に対して、紫外
線波長域のパルスレーザ光を、1mJ/cm2 /パルス
〜50mJ/cm2 /パルスのエネルギー密度で104
以上107 以下のパルス数照射し、150nm〜300
nmの波長域において内部透過率を測定する。蛍石のレ
ーザ照射による透過率低下はあるパルス数で飽和し、そ
のパルス数はエネルギー密度に依存し、飽和した透過率
低下量はエネルギー密度の0.3乗におおよそ比例する
ことから、例えば、紫外線を光源とする露光装置におい
て、任意の照射エネルギー密度のレーザを10年間使用
することに相当する1011パルス照射後における150
nm以上300nm以下の波長域での内部透過率を、前
記のように測定された透過率低下の飽和した状態での内
部透過率をもって知ることができ、露光装置において必
要とされる内部透過率99.5%/cm以上、好ましく
は99.8%/cm以上の蛍石を適確に得ることがで
き、この蛍石が紫外線耐久性に優れたものといえる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0026】(実施例1)不純物量が極端に少ない原料
を用いて、ルツボ降下法により、φ300mm、厚さ2
00mmの蛍石単結晶Aを作製した。また、特に厳しい
不純物管理をしていない原料を用いて、同様の蛍石単結
晶Bを作製した。作製した蛍石の各インゴットから、φ
30mm、厚さ30mmの円柱状のサンプル片を複数切
り出し、これらのサンプル片から、φ30mmで、厚さ
3mm、10mm、20mmの3種類のサンプルを複数
作製し、両面を研磨加工した。
【0027】準備したサンプルの248nmにおける透
過率を測定し、厚みに対して計測透過率をプロットし、
内部透過率を式(1)および式(2)から求めた。求め
た内部透過率は、結晶A、Bともに100.0%であっ
た。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】次に、前記した厚みの異なる3つのサンプ
ルにKrFエキシマレーザを照射した。照射エネルギー
密度は、50mJ/cm2 /パルス、10mJ/cm2
/パルス、1mJ/cm2 /パルスの3種類、周波数は
300Hz〜500Hzとした。103 〜108 パルス
照射後の内部透過率を照射前と同じ方法で求めた。
【0031】以上のように求めた結晶AおよびBの内部
透過率を、表1および表2にそれぞれ示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】この結果から、透過率低下の飽和するパル
ス数はエネルギー密度に依存し、飽和した透過率低下量
はエネルギー密度の約0.3乗に比例していることがわ
かる。
【0035】すなわち、結晶Aにおいては、エネルギー
密度が50mJ/cm2 /パルスのKrFエキシマレー
ザを103 パルス照射すると、内部透過率は99.9%
/cmとなり、それ以降のパルス照射によっても透過率
の低下はみられず、透過率低下は103 パルスの照射に
より飽和している。また、エネルギー密度が10mJ/
cm2 /パルスのKrFエキシマレーザを104 パルス
照射すると、内部透過率は99.9%/cmとなり、そ
れ以降のパルス照射によっても透過率の低下はみられな
い。同様に結晶Bにおいても、例えば、エネルギー密度
が10mJ/cm2 /パルスのKrFエキシマレーザを
104 パルス照射すると内部透過率は99.0%/cm
となり、それ以降のパルス照射によっては透過率の低下
はみられず、透過率低下は104 パルスで飽和してい
る。
【0036】したがって、1mJ/cm2 /パルス以
上、50mJ/cm2 /パルス以下の照射エネルギー密
度で、104 パルス以上、好ましくは107 パルス照射
することにより、蛍石の飽和した透過率低下量を知るこ
とができ、長時間のレーザ照射した後の蛍石の内部透過
率を判断することが可能となり、すなわち、蛍石のレー
ザ耐久性を正確にかつ適確に評価できることがわかる。
【0037】そして、本実施例における結晶Aは、表1
にみられるように、例えばKrFエキシマレーザを光源
とする露光装置において、10年間使用することに相当
する1011パルス照射後の248nmにおける内部透過
率は99.9%/cm以上を満たすものと判断でき、K
rFエキシマレーザに対する耐久性に優れた蛍石といえ
る。
【0038】(実施例2)不純物量が極端に少ない原料
を用いて、ルツボ降下法により、φ300mm、厚さ2
00mmの蛍石単結晶Cを作製した。また、特に厳しい
不純物管理をしていない原料を用いて、同様の蛍石単結
晶Dを作製した。作製した蛍石の各インゴットから、φ
30mm、厚さ30mmの円柱状のサンプル片を複数切
り出し、これらのサンプル片から、φ30mmで、厚さ
3mm、10mm、20mmの3種類のサンプルを複数
作製し、両面を研磨加工した。
【0039】準備したサンプルの193nmにおける透
過率を測定し、厚みに対して計測透過率をプロットし、
内部透過率を前述した式(1)および式(2)から求め
た。求めた内部透過率は、結晶Cは100.0%/c
m、結晶Dは99.9%/cmであった。
【0040】次に、前記した厚みの異なるサンプルにA
rFエキシマレーザを照射した。照射エネルギー密度
は、50mJ/cm2 /パルス、10mJ/cm2 /パ
ルス、1mJ/cm2 /パルスの3種類、周波数は20
0Hz〜400Hzとした。103 〜108 パルス照射
後の内部透過率を照射前と同じ方法で求めた。
【0041】このように求めた結晶CおよびDの内部透
過率を表3および表4にそれぞれ示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】この結果からも、前述した実施例1と同様
に、透過率低下の飽和するパルス数はエネルギー密度に
依存し、飽和した透過率低下量はエネルギー密度の約
0.3乗に比例していることがわかる。
【0045】すなわち、結晶Cにおいては、例えば、エ
ネルギー密度が10mJ/cm2 /パルスのArFエキ
シマレーザを104 パルス照射すると、内部透過率は9
9.9%/cmとなり、それ以降のパルス照射によって
も透過率の低下はみられず、透過率低下は104 パルス
で飽和している。また、結晶Dにおいては、例えば、エ
ネルギー密度が10mJ/cm2 /パルスのArFエキ
シマレーザを104 パルス照射すると内部透過率は9
7.9%/cmとなり、それ以降のパルス照射によって
は透過率の低下はみられず、透過率低下は104 パルス
で飽和している。
【0046】したがって、1mJ/cm2 /パルス以
上、50mJ/cm2 /パルス以下の照射エネルギー密
度で、104 パルス以上、好ましくは107 パルス照射
することにより、蛍石のレーザ耐久性を正確にかつ適確
に評価できることがわかる。
【0047】そして、本実施例における結晶Cは、表3
にみられるように、例えばArFエキシマレーザを光源
とする露光装置において、10年間使用することに相当
する1011パルス照射後の193nmにおける内部透過
率は99.8%/cm以上を満たすものと判断でき、A
rFエキシマレーザに対する耐久性に優れた蛍石といえ
る。
【0048】(実施例3)本実施例は、KrFエキシマ
レーザを光源とする半導体製造用露光装置に蛍石をレン
ズ材料として用いたものに関するものである。
【0049】図1は本実施例の半導体製造用露光装置の
概略図であり、11は光源であり、KrFエキシマレー
ザを用いている。光源11から発せられる光束12は、
ミラー13により照明光学系14に導光され、照明光学
系14を通過した光束は第1物体であるレチクル15面
上を照明する。さらにレチクル15の情報をもった光束
が縮小投影光学系16を通り感光基板17へ投影され
る。
【0050】本実施例における半導体製造用露光装置の
照明光学系や投影光学系には、蛍石が石英とともに用い
られている。なお、ここで用いた蛍石は、実施例1に示
したレーザ耐久性評価方法により、1011パルス照射後
に248nmにおける内部透過率が99.9%/cm以
上を満たすと判断されたものであり、実施例1における
結晶Aに相当する。
【0051】本実施例における半導体製造用露光装置
を、定常業務において1年間使用した。使用後のレチク
ル面における照度を測定した結果、使用前に測定した照
度とほぼ同じ値であった。また、感光基板面(ウエハ
面)における照度を測定した結果、これも使用前に測定
した照度とほぼ同じ値であった。
【0052】本発明に基づく蛍石は、KrFエキシマレ
ーザ照射耐久性に優れているため、露光装置を長時間使
用した後でも十分な透過率を有している。したがって、
特に照明光学系において照度の低下がなく、スループッ
トに優れた露光装置を提供することができた。
【0053】(実施例4)本実施例は、ArFエキシマ
レーザを光源とする半導体製造用露光装置に蛍石をレン
ズ材料として用いたものに関するものである。
【0054】本実施例において用いる半導体製造用露光
装置は、図1に図示する半導体製造用露光装置と同様で
あるが、光源としてArFエキシマレーザを用いた点で
異なっている。本実施例の半導体製造用露光装置におい
ても照明光学系や投影光学系には蛍石が石英とともに用
いられている。なお、ここで用いた蛍石は、実施例2に
示したレーザ耐久性評価方法により、1011パルス照射
後に193nmにおける内部透過率が99.8%/cm
以上を満たすと判断されたものであり、実施例2におけ
る結晶Cに相当する。
【0055】本実施例における半導体製造用露光装置
を、定常業務において1年間使用した。使用後のレチク
ル面における照度を測定した結果、使用前に測定した照
度とほぼ同じ値であった。また、感光基板面(ウエハ
面)における照度を測定した結果、これも使用前に測定
した照度とほぼ同じ値であった。
【0056】本発明に基づく蛍石は、ArFエキシマレ
ーザ照射耐久性に優れているため、露光装置を長時間使
用した後でも十分な透過率を有している。したがって、
特に照明光学系において照度の低下がなく、スループッ
トに優れた露光装置を提供することができた。
【0057】(実施例5)次に、前述した本発明の半導
体製造用露光装置を用いた半導体デバイスの製造方法に
ついて説明する。
【0058】図2は、半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッ
ド、マイクロマシン等)の製造工程を示すフローチャー
トである。ステップ1(回路設計)ではデバイスのパタ
ーン設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計
したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステ
ップ3(ウエハ製造)でシリコン等からなるウエハを製
造する。ステップ4(ウエハプロセス)において、前記
用意したマスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によ
ってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5
(組立)において、ステップ4によって作製された回路
が形成されたウエハを半導体チップ化し、次いで、アッ
センブリ工程(ダイシング、ボンディング)を行ない、
パッケージング工程(チップ封入)等を行なう。ステッ
プ6(検査)においてステップ5で製作された半導体デ
バイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行な
う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これ
が出荷(ステップ7)される。
【0059】図3は、半導体デバイスの製造工程におけ
るウエハプロセスの詳細なフローチャートである。先
ず、ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させ
る。次いで、ステップ12(CVD)ではウエハ表面に
絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イ
オン打ち込み)ではウエハにイオン打ち込みを行なう。
ステップ15(CMP)では、CMP(化学的機械研
磨:Chemical Mechanical Polishing )装置によってウ
エハ表面を平坦に研磨する。ステップ16(レジスト処
理)では、平坦化されたウエハ表面にレジストを塗布す
る。ステップ17(露光)では前記説明した露光装置に
よってマスクの回路パターンをウエハに焼き付け露光す
る。はじめに、レチクルを搬送し、レチクルチャックに
チャッキングし、次いでレジストが塗布されたウエハ基
板を露光装置内にローディングし、アライメントユニッ
トでグローバルアライメント用のデータを読取り、計測
結果に基づいてウエハステージを駆動して所定の位置に
次々に露光を行なう。ステップ18(現像)では露光し
たウエハを現像する。ステップ19(エッチング)では
現像後にレジストが除去された部分をエッチングする。
ステップ20(レジスト剥離)ではレジストを剥離す
る。これらのステップを繰り返し行なうことによって、
ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0060】このような半導体デバイスの製造方法を用
いれば、従来は製造が難しかった高集積度のデバイスを
安定的に低コストで製造することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蛍石のKrF、ArFエキシマレーザ等の紫外線耐久性
を正確にかつ効率的に評価することができ、その結果、
KrFやArFエキシマレーザ等の紫外線に対する耐久
性に優れた蛍石を提供することができる。
【0062】また、本発明の紫外線耐久性に優れた蛍石
を光学系に用いることにより、光吸収のない、照度の安
定した光学系を得ることができる。
【0063】さらに、このような光学系を半導体製造用
露光装置の光学系として用いることにより、スループッ
トに優れ、安定した結像性能をもつ露光装置を提供する
ことができる。加えて、該半導体製造用露光装置をIC
やLSI等の半導体チップ、CCD、液晶パネル、磁気
ヘッドなどのデバイス製造の露光工程に採用することに
より、高性能なデバイスを歩留まり良く低コストで大量
に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体製造用露光装置の概略図で
ある。
【図2】半導体デバイスの製造工程を示すフローチャー
トである。
【図3】半導体デバイスの製造工程におけるウエハプロ
セスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 光源 12 光束 13 ミラー 14 照明光学系 15 レチクル 16 投影光学系 17 感光基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/00 H01S 3/00 F // H01L 21/027 H01L 21/30 515D Fターム(参考) 2G050 AA02 AA07 BA09 CA01 DA03 EA03 EB07 2G086 FF06 HH07 KK04 4G076 AA05 BA17 BE20 CA34 CA40 DA11 5F046 BA03 CA04 CA08 CB12 5F072 AA06 JJ20 RR05 SS06 YY09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線波長域のパルスレーザ光を、1m
    J/cm2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パルス以
    下のエネルギー密度で104 以上107 以下のパルス数
    照射した際、150nm以上300nm以下の波長域に
    おいて、内部透過率が99.5%/cm以上であること
    を特徴とする紫外線対応蛍石。
  2. 【請求項2】 KrFエキシマレーザを、1mJ/cm
    2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パルス以下のエネ
    ルギー密度で104 以上107 以下のパルス数照射した
    際、248nmにおける内部透過率が99.9%/cm
    以上であることを特徴とする蛍石。
  3. 【請求項3】 ArFエキシマレーザを、1mJ/cm
    2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パルス以下のエネ
    ルギー密度で104 以上107 以下のパルス数照射した
    際、193nmにおける内部透過率が99.8%/cm
    以上であることを特徴とする蛍石。
  4. 【請求項4】 紫外線波長域のパルスレーザ光を、エネ
    ルギー密度1mJ/cm2 /パルス以上、50mJ/c
    2 /パルス以下で照射した後、150nm以上300
    nm以下の波長域における内部透過率を測定することを
    特徴とする蛍石の紫外線耐久性評価方法。
  5. 【請求項5】 KrFエキシマレーザを、エネルギー密
    度1mJ/cm2 /パルス以上、50mJ/cm2 /パ
    ルス以下で照射した後、248nmにおける内部透過率
    を測定することを特徴とする蛍石のKrFエキシマレー
    ザ耐久性評価方法。
  6. 【請求項6】 ArFエキシマレーザを、エネルギー密
    度1mJ/cm2/パルス以上、50mJ/cm2/パ
    ルス以下で照射した後、193nmにおける内部透過率
    を測定することを特徴とする蛍石のArFエキシマレー
    ザ耐久性評価方法。
  7. 【請求項7】 紫外線を光源とする光学系において、請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の蛍石を用いるこ
    とを特徴とする光学系。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光学系を用いることを特
    徴とする半導体製造用露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の半導体製造用露光装置を
    デバイス製造の露光工程に用いることを特徴とするデバ
    イス製造方法。
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