JP2001040072A - 重合体及びホットメルトインク - Google Patents

重合体及びホットメルトインク

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JP2001040072A
JP2001040072A JP19329799A JP19329799A JP2001040072A JP 2001040072 A JP2001040072 A JP 2001040072A JP 19329799 A JP19329799 A JP 19329799A JP 19329799 A JP19329799 A JP 19329799A JP 2001040072 A JP2001040072 A JP 2001040072A
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carbon atoms
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unsaturated bond
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JP19329799A
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English (en)
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Shigeki Nomura
茂樹 野村
Takeharu Morita
健晴 森田
Koichi Shibayama
晃一 柴山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットメルトインクバインダとして用いた場
合、充分な堅牢性を有し、記録材によらず、耐水性、印
刷高速性等に優れる重合体、及び、上記重合体をバイン
ダとして用いたホットメルトインクを提供することを目
的とする。 【解決手段】 少なくとも1個の不飽和結合を有するビ
シクロ構造を、分子中に少なくとも1個有する化合物
を、メタセシス重合触媒を用いて重合してなる、数平均
分子量が500〜2万であり、下記一般式(1)で表さ
れる環構造を主鎖中に少なくとも3個有することを特徴
とする重合体。 (式中、n及びmは、同じであっても異なっていても良
く、それぞれ、0以上の整数を表し、n+m>1であ
る)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体、及び、上
記重合体をバインダとして用いたホットメルトインクに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータが急速に普及してき
ており、コンピュータで処理された文字、画像情報の出
力機器としてはプリンタが用いられている。プリンタに
は種々の方式のものがあり、代表的なものとして、電子
写真方式、インクジェット方式、熱転写方式、熱昇華方
式等がある。このうち、インクジェット方式、熱転写方
式は、いずれも安価であり小型でありながらカラー印刷
が可能であり、特に普及が著しい。
【0003】このうち、熱転写方式は、シート状のホッ
トメルトインクを用い、加熱ヘッドで溶融して被記録材
に転写する方式であり、この方式を用いたプリンタは、
小型化が容易であり、ワードプロセッサ等の内蔵プリン
タとして用いられている。最近は、加熱ヘッドの微細
化、加熱制御により、転写されるインクの量を制御する
方法が見い出されており、これにより階調豊かな画像を
得ることができる。ホットメルトインクに対しては、印
刷物としての充分な強度や高精細に対応できるようなシ
ャープに溶融する性能等が求められるため、インク材料
は、従来から用いられてきたワックス系材料から例えば
エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂系材料へと移行
しつつある。
【0004】一方、インクジェット方式はカラー写真に
匹敵する高品質画像を形成でき、しかも安価である等、
多くの利点を有する。現在、インクジェット記録方式で
主として用いられているインクは、水と微量のアルコー
ル等からなる水系溶媒に、色材を溶解及び/又は分散さ
せたものである。水は、毒性がなく、臭気等を発するこ
ともないため、上記インクは、オフィスや家庭でも安心
して使用することができる。
【0005】しかしながら、水系インクには、以下のよ
うな問題点がある。 (1)通常の紙や布に印字を行うと、インクの滲みが生
じるため、高細密な画像を得るためには専用の紙や布が
必要である。 (2)水に溶けやすいため、印刷物に水が付着すると画
像が滲む。又、汗等で濡れた手等で触れると手等にイン
クが付着する。 (3)記録材が水系溶媒を吸収するための時間を考慮し
て印刷する必要があり、印刷のスピードが遅くなる。
【0006】これらの問題点を解決する方法として、ホ
ットメルトインクを用いてインクジェット方式による記
録を行う方法がある。これは、常温で固体であるインク
を熱で溶融、液状化し、これを記録材に吹きつける方法
である。記録材に吹きつけられたインクは、記録材に付
着することにより冷却、固化し、像を形成する。ホット
メルトタイプのインクは無溶剤であるため、オフィスや
家庭でも安心して使用することができる。
【0007】ここで、ホットメルトインクを使用する
と、記録材は特に限定されず、フィルム、紙、布等、い
ずれに対しても特別な処理を必要とせず記録でき、又、
水に濡れても滲んだりしない。更に、インクは記録材に
付着すると同時に固化するため、記録材に吸収されるた
めの時間をおく必要がなく、高精細画像であっても極め
て高速な印刷が可能である。
【0008】このようなホットメルトインク材料とし
て、例えば、特開昭55−54368号公報では30〜
200℃の融点を持つ有機化合物が、又、特開昭58−
108271号公報及び特開平6−228480号公報
ではワックス系化合物が、それぞれ提案されている。
【0009】特開昭55−54368号公報では、上記
のとおり、特定の融点を有する有機化合物が提案されて
いるが、この方法によると、得られた印刷物のインクド
ット自体は有機低分子化合物の固化体であって、非常に
脆く、印刷された紙等を曲げたり擦ったりすると簡単に
画像が割れたり剥がれたりするため、印刷物としては堅
牢性に欠け、限られた用途でしか用いることができな
い。この画像堅牢性不足は、低分子材料の凝集力不足が
原因である。
【0010】又、特開昭58−108271号公報及び
特開平6−228480号公報においては、天然ワック
ス、変性ワックス等のワックス系の材料が提案されてい
る。ここで、ワックス系化合物とは、ポリエチレンを主
体とする比較的低分子量(数平均分子量が5000以
下)の線状高分子材料である。上記の低分子材料の固体
としての凝集力は、分子同士の分子間力のみに起因し、
強い凝集力を望むことはできないが、線状高分子の場合
には、分子同士の相互貫入による強固な固体凝集力を生
み出し、充分使用に耐える固体強度、ひいては印刷物の
堅牢性を発揮することが期待される。しかしながら、ポ
リエチレンのようなオレフィン系の線状高分子であり、
しかも分子量の高くないワックスを用いても、分岐構造
等を持つ重合体や極性基を有する重合体に比べて凝集力
が小さく、充分な堅牢性を発揮することはできない。
【0011】又、ワックスを用いると、自由度の高い主
鎖構造に起因するべたつきを生じるため、塵埃等を寄せ
つけるだけではなく、コピー機の給紙機を使用すると紙
詰まりを起こす等のトラブルが発生し、ビジネス等で使
用するインクとしては、致命的な問題点を有している。
【0012】これを回避するためには、ワックスよりも
更に分子量の高いポリエチレン等のポリオレフィンを使
用すれば、凝集力はある程度高まるが、一方、溶融時の
粘度が高くなり、インクジェットプリンタに用いる場合
にはプリンタヘッドからの吐出が不可能となる。又、一
般的な汎用熱可塑性高分子であるアクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂等の極性基を有する材料を用いると、極性基の
相互作用により凝集力は高まるが、他方、これら極性基
の相互作用により、分子量を低下させても溶融後の粘度
は高く、インクジェットプリンタに用いる場合にはプリ
ンタヘッドからの吐出ができなくなるという問題点があ
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ホットメルトインクバインダとして用いた場合、充
分な堅牢性を有し、記録材によらず、耐水性、印刷高速
性等に優れる重合体、及び、上記重合体をバインダとし
て用いたホットメルトインクを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
個の不飽和結合を有するビシクロ構造を、分子中に少な
くとも1個有する化合物を、メタセシス重合触媒を用い
て重合してなる、数平均分子量が500〜2万であり、
下記一般式(1)で表される環構造を主鎖中に少なくと
も3個有する重合体である。
【化4】 (式中、n及びmは、同じであっても異なっていても良
く、それぞれ、0以上の整数を表し、n+m>1であ
る)
【0015】以下に、本発明を詳述する。本発明の重合
体は、少なくとも1個の不飽和結合を有するビシクロ構
造を、分子中に少なくとも1個有する化合物を、メタセ
シス重合触媒を用いて重合してなる。ここでメタセシス
重合とは、メタセシス(複分解)反応を含む反応機構に
より重合を行うものである。この反応をビシクロ構造を
有し、環構造内に不飽和結合を含む化合物を単量体とし
て用いると、下記式(4)に示したように、不飽和結合
部分で複分解をおこし、単量体が重合する。
【化5】
【0016】上記少なくとも1個の不飽和結合を有する
ビシクロ構造を分子中に少なくとも1個有する化合物と
しては、ノルボルネン誘導体、ジシクロペンタジエン類
等が挙げられる。このうち、入手が容易である点から、
ノルボルネン誘導体が好ましく用いられる。
【0017】ノルボルネン誘導体は、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン骨格を有する化合物であり、
ノルボルネン誘導体としては、例えば、ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、及び、
これらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0018】このうち、ノルボルネンが主として用いら
れるのが好ましい。ノルボルネンが主として用いられる
と得られる重合体の溶融粘度が、ホットメルトインクバ
インダとして適当なものとなる。
【0019】上記ノルボルネン誘導体を用いてメタセシ
ス重合を行うと、主鎖中に前記一般式(1)で表される
環構造を有する重合体が得られる。
【0020】上記メタセシス重合触媒としては、例え
ば、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスニウム
等の公知のメタセシス重合性を示す有機金属錯体が挙げ
られる。このうち下記一般式(2)又は下記一般式
(3)で表されるルテニウムビニリデン錯体が好まし
い。ルテニウムビニリデン錯体は空気中及び水中で安定
である。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】上記一般式(2)又は一般式(3)中、R
1 及びR2 は、同じであっても異なっていても良く、そ
れぞれ、水素、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数
2〜20のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20の
カルボキシレート基、炭素数2〜20のアルコキシル
基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリールオ
キシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭
素数2〜20のアルキルチオ基を表し(これらは、炭素
数1〜5のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜5のア
ルコキシル基により置換されたフェニル基により置換さ
れたものを含む)、Z1 及びZ2 は、同じであっても異
なっていても良く、それぞれ、アニオン性配位子を表
し、L1 及びL2 は、同じであっても異なっていても良
く、それぞれ、中性電子供与体を表す(Z1 、Z2 、L
1 及びL2 は、その2基又は3基が多座キレート化配位
子を形成しているものを含む)。
【0024】上記一般式(2)又は一般式(3)で表さ
れるルテニウムビニリデン錯体としては、R1 及びR2
は、同じであっても異なっていても良く、それぞれ、水
素、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアル
キル基、フェニル基、炭素数1〜5のカルボキシレート
基、炭素数2〜6のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数2〜6のアルコキシカルボニル基を表し(これら
は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1
〜5のアルコキシル基により置換されたフェニル基によ
り置換されたものを含む)、Z1 及びZ2 は、同じであ
っても異なっていても良く、それぞれ、Cl、Br、炭
素数1〜5のカルボキシレート基、フェノキシ基、炭素
数1〜5のアルコキシル基、炭素数1〜5のアルキルチ
オ基等の(これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロ
ゲン基、炭素数1〜5のアルコキシル基、又は、炭素数
1〜5のアルキル基、ハロゲン基もしくは炭素数1〜5
のアルコキシル基により置換されたフェニル基により置
換されたものを含む)アニオン性配位子を表し、L2
びL2 は、同じであっても異なっていても良く、それぞ
れ、アリール基、炭素数1〜10のアルキルフォスフィ
ン基等の(これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロ
ゲン基、炭素数1〜5のアルコキシル基、又は、炭素数
1〜5のアルキル基、ハロゲン基もしくは炭素数1〜5
のアルコキシル基により置換されたフェニル基により置
換されたものを含む)中性電子供与体を表すものが好ま
しい。
【0025】上記ルテニウムビニリデン錯体のなかで
も、より好ましくは、R1 及びR2 は、同じであっても
異なっていても良く、それぞれ、水素、メチル基、エチ
ル基、フェニル基、又は、メチル基、エチル基もしくは
フェニル基により置換されたビニル基を表し、Z1 及び
2 は、同じであっても異なっていても良く、それぞ
れ、Cl、Brを表し、L1 及びL2 は、同じであって
も異なっていても良く、それぞれ、トリメチルフォスフ
ィン基、トリエチルフォスフィン基、トリフェニルフォ
スフィン基、トリシクロヘキシルフォスフィン基を表す
ものである。
【0026】上記一般式(2)又は一般式(3)で表さ
れるルテニウムビニリデン錯体は、重合しようとする単
量体が反応性が高いものに対しては一般式(2)が好ま
しく、反応性が低いものに対しては一般式(3)が好ま
しい。
【0027】上記ルテニウムビニリデン錯体の添加量
は、前記少なくとも1個の不飽和結合を有するビシクロ
構造を分子中に少なくとも1個有する化合物に対して、
モル換算で5〜3万倍であることが好ましく、より好ま
しくは30〜7000倍である。上記化合物に対するル
テニウムビニリデン錯体の添加量がモル換算で5倍未満
であると、得られる重合体の分子量が上がらず、逆に3
万倍を超えると、重合速度が遅くなる。
【0028】上記少なくとも1個の不飽和結合を有する
ビシクロ構造を分子中に少なくとも1個有する化合物
は、それだけで重合されても良いが、不飽和結合を有す
るビシクロ構造以外の環構造を有する化合物の少なくと
も1種と共に、共重合されても良い。
【0029】ビシクロ構造を有する化合物のみから得ら
れる主鎖に環構造を有する重合体の溶融温度は比較的高
いが、ビシクロ構造を有する化合物とビシクロ構造を有
しない化合物とを共重合することにより、得られる重合
体の溶融温度を低下させることができる。
【0030】例えば、数平均分子量が1万程度のノルボ
ルネン重合体の溶融温度はDSCの吸熱ピークにより9
5℃程度であるが、等量のシクロオクタジエンを反応系
中に存在させると、得られた重合体の吸熱ピークは80
℃まで低下する。
【0031】上記少なくとも1個の不飽和結合を有する
ビシクロ構造を分子中に少なくとも1個有する化合物の
含有量は全不飽和環状化合物のうち、10モル%以上で
あることが好ましい。10モル%未満であると、環構造
による凝集力向上効果やタックの防止効果等が少なくな
り、ワックス系化合物と同様の問題点が生じる。
【0032】上記不飽和結合を有するビシクロ構造以外
の環構造を有する化合物としては、炭素数4〜9の環状
炭化水素化合物誘導体であって、且つ、環構造内に不飽
和結合を少なくとも1個有するものが好ましく、例え
ば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエ
ン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプ
テン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロノ
ネン、及び、これらの置換体等が挙げられる。炭素数が
4未満である、例えばシクロプロペンを用いると、極め
て高い反応性を有するため、重合反応の制御が困難にな
り、炭素数が9を超えると、反応性が低下し、重合体を
効率よく得ることができない。
【0033】得られる重合体中に不飽和結合を有してい
ると、長期にわたり高温に曝されるような場合は、他の
分子の付加反応や架橋反応等が起こり溶融粘度等の性能
が変化する可能性がある。このような場合は、得られた
重合体の分子中に残存する不飽和結合を、水素添加反応
により飽和結合にすることが好ましい。
【0034】上記水素添加反応は、公知の金属触媒を用
いた接触還元法やヒドラジン還元法等の公知の方法を用
いて行うことができる。
【0035】本発明の重合体の重合温度は0〜100℃
が好ましく、より好ましくは10〜70℃である。重合
温度が0℃未満であると、モノマーの反応性が低く、重
合が進行しない。逆に重合温度が100℃を超えると、
触媒の分解が起こる。
【0036】上記重合は無溶媒系でも進行するが、固体
モノマーを反応させる場合や、均一に反応させるために
は、溶媒が用いられても良い。溶媒としては、芳香族炭
化水素、塩素化炭化水素、エーテル、脂肪族炭化水素、
アルコール、水等が挙げられ、具体的には、ベンゼン、
トルエン、p−キシレン、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテル、ペンタン、メタノール、エ
タノール、水等が好適に用いられる。これらは単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0037】重合反応は不活性気体雰囲気下にて行うこ
とが好ましい。但し、ルテニウムビニリデン錯体等の安
定な触媒を用いる場合には空気中で行っても良い。
【0038】本発明の重合体は数平均分子量が500〜
2万であるが、この分子量を調節するために、重合反応
時に連鎖移動剤を添加することが好ましい。前記メタセ
シス重合触媒の活性を損なわない好ましい連鎖移動剤と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸
アリル、酢酸ビニル、フェニルビニルスルフィド、エチ
ルビニルエーテル、トリエトキシビニルシラン等が挙げ
られ、好適に用いられる。これらの連鎖移動剤は単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】上記連鎖移動剤の添加量は、前記少なくと
も1個の不飽和結合を有するビシクロ構造を分子中に少
なくとも1個有する化合物に対して、連鎖移動剤1/5
00〜1/3モル当量の範囲であることが好ましく、よ
り好ましくは1/50〜1/5モル当量である。上記化
合物に対する連鎖移動剤の添加量が1/500モル当量
未満であると、連鎖移動剤の添加効果を得られず、逆に
1/3モル当量を超えると、重合体の収率が低くなるの
で好ましくない。
【0040】本発明の重合体は数平均分子量が500〜
2万であることが必要であり、好ましくは1000〜8
000である。重合体の数平均分子量が500未満であ
ると、本発明の重合体をバインダとして用いた場合、凝
集力が不足して、印刷物は充分な堅牢性が得られない。
逆に、重合体の数平均分子量が2万を超えると、溶融時
の粘度が高くなり、インクジェットヘッドからの吐出が
困難となる。
【0041】又、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比、即ち、分子量分布(Mw/Mn)は、
小さいほうが好ましく、1.8以下であるのが好まし
く、1に近いほどより好ましい。Mw/Mnが1に近い
ほど、分子量分布が小さく、より狭い温度範囲での溶融
が可能であり、本発明の重合体をバインダとして用いた
場合、印刷物の保存に充分な耐熱性を確保しつつ、溶融
する温度をある程度低温に設定できるため、インクの加
熱手段や輸送手段が簡易にでき、更に、消費するエネル
ギーを少なくすることができる。
【0042】本発明の重合体は前記一般式(1)で表さ
れる環構造を主鎖中に少なくとも3個有することが必要
である。3個未満であると環構造の効果がなく、本発明
の重合体をバインダとして用いた場合、タックが発生し
たり、凝集力が低下する。数平均分子量が大きくなると
それに応じて前記一般式(1)で表される環構造の数も
多くすることが好ましく、前記一般式(1)で表される
環構造の数は凝集力と溶融粘度の関係から適宜調整する
ことができる。
【0043】本発明の重合体において、前記一般式
(1)で表される環構造を構成する炭素は置換基を有し
ていても良く、各置換基は、同じであっても異なってい
ても良い。置換基としては特に限定されず、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−
ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オ
クチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、ラウリル基、イソノニル基、ベンジル基、フェ
ニル基、ステアリル基、アミド基等が挙げられる。この
うち、炭素数3以下のアルキル基が好ましい。置換基に
極性の高いものや、長鎖のものを用いると、溶融時の粘
度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難と
なる。置換基としてアミド基等の極性基を用いると、色
材との混合性が良くなるが、アミド基等の極性基を用い
る場合、極性基は2個以下であるか、1つの環のみに導
入するのが好ましい。
【0044】本発明の重合体は、前記一般式(1)にお
いて、nは1であって、且つ、mは2であることが好ま
しく、即ち、前記一般式(1)で表される環構造が下記
一般式(5)で表されることが好ましい。
【0045】
【化8】
【0046】本発明の重合体は、軟化温度が50〜18
0℃であることが好ましく、より好ましくは70〜12
0℃である。軟化温度が50℃未満であると、夏季の高
温により印字が溶解し、印刷後のインクが流れたり、他
の物品へのインクの付着が起こる。逆に、軟化温度が1
80℃を超えると、インクジェットプリンタにおけるイ
ンク搬送装置やインクジェットヘッドに耐熱性の特殊な
材料が必要となるだけでなく、加熱のための電力消費量
が大きくなる。
【0047】本発明の重合体の主鎖は特に限定されず、
飽和炭化水素であるのが好ましい。飽和炭化水素であれ
ば、長期安定性に優れる。
【0048】本発明の重合体の用途としては特に限定さ
れず、例えば、ホットメルトインクバインダが挙げられ
る。本発明の重合体をホットメルトインクバインダとし
て用いると、分子鎖の相互作用がポリエチレンのような
線状高分子や低分子有機物固体よりもより強固に発生
し、凝集力が向上し、結果として印刷物の耐擦傷性が向
上する。しかし、分子中に分岐構造を有したり、極性基
が側鎖に導入される場合に比べると分子間の相互作用は
小さいため、溶融粘度が極端に上昇することはなく、イ
ンクジェットヘッドからの吐出は充分に確保される。
【0049】又、本発明の重合体は主鎖に環構造が導入
されているため、主鎖のフレキシビリティが低下し、ワ
ックスをホットメルトインクバインダに使用した場合に
生じるタックを回避することができる。
【0050】本発明のホットメルトインクは、上述した
本発明の重合体を10〜99重量%含むホットメルトイ
ンクである。
【0051】本発明のホットメルトインクは、常温で固
体であり、加熱により液状化し、液状となったインク
は、記録材上に吐出され、記録ドットを形成する。ホッ
トメルトインク中における重合体の含有量が10重量%
未満であると、耐擦傷性の向上やタックの防止が充分で
なく、逆にホットメルトインク中における重合体の含有
量が99重量%を超えると、色材等の添加が困難にな
る。
【0052】本発明のホットメルトインクは、ホットメ
ルトインクバインダとして本発明の重合体を含む以外
に、本発明の目的達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、色材、ワックス、粘度調整材等を含んでいても良
い。
【0053】上記色材としては特に限定されず、公知の
顔料及び染料が挙げられる。上記顔料としては、無機顔
料、有機顔料のいずれでも良く、一般に印刷用に用いら
れているものを用いることができる。
【0054】上記顔料としては、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料、
イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン
系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジ
ゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料等が挙げ
られる。これらは単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0055】上記染料としては、例えば、アゾ染料、金
属錯体染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、イ
ンジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キ
サンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染
料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染
料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等が
挙げられる。これらは単独で用いられても良いし、2種
類以上が併用されても良い。
【0056】これらの顔料及び染料はインク中に1〜1
0重量%含有されるのが好ましい。1重量%未満では充
分な色濃度が得られず、10重量%を超えると、インク
ジェット記録装置のインクの吐出物性に影響が出るばか
りでなく、インクが高価になる。
【0057】上記ワックスとしては常温で固体であれば
特に限定されず、例えば、パラフィンワックス等の石油
ワックス類;キャンデリラワックス、カルナウバワック
ス等の植物性ワックス;ミツロウ等の動物性ワックス;
ポリエチレンワックス等の合成ワックス;鉱物ワック
ス、高級脂肪酸、高級アルコール、又は、これらのワッ
クスを変成したもの等が挙げられる。これらは単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0058】これらのワックスは、印刷物の堅牢性を失
わない程度の量で適宜用いられても良い。上記ワックス
をインクに添加することにより、融点又は溶融粘度を調
整することができる。
【0059】上記粘度調整材としては特に限定されず、
例えば、公知の合成樹脂、天然樹脂等が挙げられる。
【0060】更に、本発明のホットメルトインクは、本
発明の目的達成を阻害しない範囲で必要に応じて、分散
安定剤としての界面活性剤、安定剤としてのラジカル捕
捉剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等の各種添加
剤の1種もしくは2種以上を含んでいても良い。
【0061】本発明のホットメルトインクは、本発明の
重合体、色材、及び、その他の添加剤を公知の方法で混
合することにより、製造することができる。例えば、加
温状態でディゾルバ、メディアミル等を用いる方法、3
本ロールで混合する方法等を用いることができる。又、
加圧下でこれらの方法を用いても良い。得られた混合物
は濾過することが好ましく、その後、プリンタの所定の
インクフィーダに適合する形状に成形される。成形方法
としては、注型、射出成形、塗工等の公知の方法を用い
ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0063】(実施例1)ノルボルネン1g(11mm
ol)、下記式(6)で表されるルテニウムビニリデン
錯体2.2mg(2.7μmol)、及び、連鎖移動剤
として酢酸アリル0.26g(ノルボルネンに対して約
20mol%)をトルエン20mLと攪拌混合させて、
空気中室温にて反応させた。60時間後、エチルビニル
エーテル0.1mLを加えて重合を停止させた。得られ
た重合体はトルエン/メタノール系にて沈殿を3回繰り
返すことにより精製した。得られた重合体の収量は0.
73g(収率73%)であった。得られた重合体に対し
て後述の評価を行った。
【化9】
【0064】(実施例2)ノルボルネン0.5g(5m
mol)、シクロオクタジエン0.5g(5mmo
l)、上記式(6)で表されるルテニウムビニリデン錯
体2.2mg(2.7μmol)、及び、連鎖移動剤と
して酢酸アリル0.26g(ノルボルネン及びシクロオ
クタジエンに対して約20mol%)をトルエン20m
Lと攪拌混合させて、空気中室温にて反応させた。60
時間後、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合
を停止させた。得られた重合体はトルエン/メタノール
系にて沈殿を3回繰り返すことにより精製した。得られ
た重合体の収量は0.51g(収率51%)であった。
得られた重合体に対して後述の評価を行った。
【0065】(実施例3)実施例2で得た重合体0.2
gをトルエンに溶解し、p−トルエンスルホンヒドラジ
ド1gとトリエチルアミン1gとを加え、5時間加熱還
流した。反応混合物を冷却後、析出した沈殿(水素添加
された重合体)を濾過して取り出し、これをメタノール
で数回洗浄した後、更に少量のトルエンで洗浄した。得
られた重合体の収量は0.14g(収率70%)であっ
た。得られた重合体に対して後述の評価を行った。
【0066】(実施例4)ノルボルネン1g(11mm
ol)、下記式(7)で表されるルテニウムビニリデン
錯体2.5mg(2.7μmol)、及び、連鎖移動剤
としてビニルフェニルスルフィド0.177g(ノルボ
ルネンに対して約10mol%)をトルエン100mL
と攪拌混合させて、空気中室温にて反応させた。24時
間後、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合を
停止させた。得られた重合体はトルエン/メタノール系
にて沈澱を3回繰り返すことにより精製した。得られた
重合体の収量は0.81g(収率81%)であった。得
られた重合体に対して後述の評価を行った。
【化10】
【0067】(実施例5)実施例4で得た重合体0.2
gをトルエンに溶解し、p−トルエンスルホンヒドラジ
ド1gとトリプロピルアミン1gとを加え、7時間加熱
還流した。反応混合物を冷却後、析出した沈澱(水素添
加された重合体)を濾過して取り出し、これをメタノー
ルで数回洗浄した後、更に少量のトルエンで洗浄した。
得られた重合体の収量は0.15g(収率75%)であ
った。得られた重合体に対して後述の評価を行った。
【0068】(比較例1)三井化学社製の商品名「三井
ハイワックス110P」を用いて後述の評価を行った。
【0069】(比較例2)アビエチン酸エチルを用いて
後述の評価を行った。
【0070】(比較例3)テクトロニクス社製のソリッ
ドインクジェットプリンタ用黒色インクを用いて下記の
評価を行った。上記インクは、ワックス約70重量%、
植物性樹脂約30重量%からなる。
【0071】(重合体の評価)
【0072】(1)分子量の測定 数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り、ポリスチレン換算で測定した。 GPC:LS8000システム(東ソー社製) カラム:ポリスチレンゲルKF−802、803、80
4(昭和電工社製) 溶媒:クロロホルム 流速:1mL/分
【0073】(2)溶融温度の測定 溶融温度は示差走査熱量計(DSC)により測定した。 測定装置:DSC220C(セイコー電子工業社製)
【0074】(3)耐擦傷性 得られた重合体を加熱溶融し、紙にホットメルトアプリ
ケータを用いて付着させた後、室温で指で擦って、剥が
れや割れの程度を目視で観察し、下記判定基準で耐擦傷
性を評価した。 〔判定基準〕 ○:剥がれや割れは発生しなかった。 △:強く擦ると剥がれや割れが発生した。 ×:容易に剥がれや割れが発生した。
【0075】(4)タックの有無 得られた重合体を加熱溶融し、ガラスシャーレに流し込
み、室温にて固化した。このようにしてシート状にした
重合体に上質再生紙を被せ、500g分銅で1分間加圧
し、500g分銅を取り除いた後、重合体に対する紙の
付着の有無を目視で観察し、下記判定基準でタックの有
無を評価した。 〔判定基準〕 ○:紙の付着はなかった。 ×:紙の付着があった。
【0076】(5)溶融粘度 得られた重合体を120℃で加熱溶融させた。一方、粘
度標準液体(B型粘度計にて500cps、ポリメチル
メタクリレートをテトラヒドロフランに溶解したもの)
を作成した。この双方に対し、パスツールピペットを先
端部が1cmの深さになるように投入し、先端部から気
泡を出し、この気泡が表面にまで到達する時間を比較
し、下記判定基準で溶融粘度を評価した。 〔判定基準〕 ○:気泡の到達が速かった。 ×:気泡の到達が遅かった。
【0077】尚、インクジェットで吐出できる限界の粘
度は通常50cps以下とされているが、バインダの場
合には、可塑剤等の添加により10倍程度まで粘度を低
下させ得るため、500cpsを使用限界粘度とした。
【0078】実施例1〜5、及び、比較例1〜3の評価
結果は表1に示すとおりであった。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の重合体は、上述の構成からなる
ので、バインダとして用いた場合、低粘度で、強固でタ
ックの生じないバインダが提供でき、優れたバインダを
工業的に、簡便且つ安価に製造することを可能にする。
更に、本発明のホットメルトインクは、上述の構成から
なるので、低粘度で、強固且つタックの生じないインク
であり、記録材を選ばず、耐水性が良好で、高速印字が
可能であり、印字の堅牢性、コピー給紙機への適合性に
優れたインクを提供できる。又、本発明のホットメルト
インクを用いればホットメルトインク型のインクジェッ
トプリンタを、デザイン用途だけでなく、一般のオフィ
ス用やポスター用等に広く使用できる。更に、本発明の
インクを用いれば、熱転写型プリンタ等においても、少
ない熱エネルギーで効率的且つ高速な印刷ができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 CA34 CA35 CA36 CA38 CA68 CB01 CB11 CB12 CD02 CE03 CE05 CG06 4J039 AD19 EA38 EA48 GA24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個の不飽和結合を有するビ
    シクロ構造を、分子中に少なくとも1個有する化合物
    を、メタセシス重合触媒を用いて重合してなる、数平均
    分子量が500〜2万であり、下記一般式(1)で表さ
    れる環構造を主鎖中に少なくとも3個有することを特徴
    とする重合体。 【化1】 (式中、n及びmは、同じであっても異なっていても良
    く、それぞれ、0以上の整数を表し、n+m>1であ
    る)
  2. 【請求項2】 少なくとも1個の不飽和結合を有するビ
    シクロ構造を、分子中に少なくとも1個有する化合物
    と、不飽和結合を有するビシクロ構造以外の環構造を有
    する化合物の少なくとも1種とを、メタセシス重合触媒
    を用いて共重合することを特徴とする請求項1に記載の
    重合体。
  3. 【請求項3】 少なくとも1個の不飽和結合を有するビ
    シクロ構造を、分子中に少なくとも1個有する化合物
    が、ノルボルネン誘導体であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の重合体。
  4. 【請求項4】 不飽和結合を有するビシクロ構造以外の
    環構造を有する化合物が、炭素数4〜9の環状炭化水素
    化合物誘導体であって、且つ、上記環構造内に不飽和結
    合を少なくとも1個有することを特徴とする請求項2又
    は請求項3に記載の重合体。
  5. 【請求項5】 メタセシス重合触媒が、下記一般式
    (2)又は下記一般式(3)で表されるルテニウムビニ
    リデン錯体であることを特徴とする請求項1〜請求項4
    に記載の重合体。 【化2】 【化3】 {式(2)又は式(3)中、R1 及びR2 は、同じであ
    っても異なっていても良く、それぞれ、水素、炭素数2
    〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキル基、
    アリール基、炭素数2〜20のカルボキシレート基、炭
    素数2〜20のアルコキシル基、炭素数2〜20のアル
    ケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜20の
    アルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチ
    オ基を表し(これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハ
    ロゲン基、炭素数1〜5のアルコキシル基により置換さ
    れたフェニル基により置換されたものを含む)、Z1
    びZ2 は、同じであっても異なっていても良く、それぞ
    れ、アニオン性配位子を表し、L1 及びL2 は、同じで
    あっても異なっていても良く、それぞれ、中性電子供与
    体を表す(Z1 、Z2 、L1 及びL2 は、その2基又は
    3基が多座キレート化配位子を形成しているものを含
    む)}。
  6. 【請求項6】 メタセシス重合触媒が、一般式(2)又
    は一般式(3)において、R1 及びR2 は、同じであっ
    ても異なっていても良く、それぞれ、水素、メチル基、
    エチル基、フェニル基、又は、メチル基、エチル基もし
    くはフェニル基により置換されたビニル基を表し、Z1
    及びZ2 は、同じであっても異なっていても良く、それ
    ぞれ、Cl、Brを表し、L1 及びL2 は、同じであっ
    ても異なっていても良く、それぞれ、トリメチルフォス
    フィン基、トリエチルフォスフィン基、トリフェニルフ
    ォスフィン基、トリシクロヘキシルフォスフィン基を表
    すものであることを特徴とする請求項5に記載の重合
    体。
  7. 【請求項7】 更に、得られた重合体の分子中に残存す
    る不飽和結合を、水素添加反応により飽和結合にしてな
    ることを特徴とする請求項1〜請求項6に記載の重合
    体。
  8. 【請求項8】 重合体が、一般式(1)において、nは
    1であって、且つ、mは2であるものであることを特徴
    とする請求項1〜請求項7に記載の重合体。
  9. 【請求項9】 軟化温度が50〜180℃であることを
    特徴とする請求項1〜請求項8に記載の重合体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    の重合体を10〜99重量%含むことを特徴とするホッ
    トメルトインク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020013076A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 日本ゼオン株式会社 開環共重合体組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020013076A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 日本ゼオン株式会社 開環共重合体組成物
JPWO2020013076A1 (ja) * 2018-07-13 2021-08-02 日本ゼオン株式会社 開環共重合体組成物
JP7359148B2 (ja) 2018-07-13 2023-10-11 日本ゼオン株式会社 開環共重合体組成物

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