JP2001039466A - 紙紐製造装置及び紙紐 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙紐製造装置において、帯状紙を簡易に折返
して扁平帯状とすること。 【解決手段】 帯状紙１の繰出し経路に折機１５を設置
してなる紙紐製造装置１０であって、折機１５の紙折返
し部１５Ｂが帯状紙１の両側部１Ａ、１Ａに衝合し、該
両側部１Ａ、１Ａを次第に立上げて行って次第に折返し
完了とするように該両側部１Ａ、１Ａを徐々に折返し成
形するサイドガイド面３２を備えたガイド断面をもつも
の。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は紙紐製造装置及び紙
紐に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動梱包機で用いることができ、
無公害で強靭な紙紐として、特開平9-295667号公報に記
載の如く、帯状紙を折返して扁平帯状としたものがあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、紙紐
製造装置において、帯状紙を簡易に折返して扁平帯状と
することにある。

【０００４】また、本発明の課題は、紙紐において、梱
包作業性が良く、高強度とすることにある。

【０００５】また、本発明の課題は、紙紐として、使用
性を向上することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、広い元幅をもつ帯状紙の左右の両側部を該紙の内側
に折返し、該紙の折返しの内面を接着して扁平帯状の紙
紐を製造する紙紐製造装置において、帯状紙の繰出し経
路に折機を設置してなり、該折機は入側の紙導入部と、
中間の紙折返し部と、出側の紙排出部とからなり、折機
の紙導入部は帯状紙を元幅断面状態で導入するガイド断
面をもち、折機の紙折返し部は帯状紙の両側部に衝合
し、該両側部を次第に立上げて行って次第に折返し完了
とするように該両側部を徐々に折返し成形するサイドガ
イド面を備えたガイド断面をもち、折機の紙排出部は帯
状紙を折返し完了断面状態で排出するガイド断面をもつ
ようにしたものである。

【０００７】請求項２に記載の本発明は、複数枚の帯状
紙を積層接着してなり、少なくとも最外側の帯状紙の左
右の両側部を該紙の内側に折返し、該紙の折返しの内面
を接着して扁平帯状をなすようにした紙紐である。

【０００８】請求項３に記載の本発明は、帯状紙の左右
の両側部を該紙の内側に折返し、該紙の折返しの内面を
接着して扁平帯状をなすようにした紙紐であって、該紙
紐の外面にエンボス模様を付してなるようにしたもので
ある。

【０００９】

【作用】請求項１の発明によれば下記の作用がある。 紙紐製造装置において、帯状紙は、折機の紙導入部か
ら紙折返し部を通る過程で、広幅の帯状紙の両側部を該
紙の内側に徐々に折返され、扁平帯状となって紙排出部
から排出され、その後、該紙の折返しの内面を接着され
て紙紐となる。上述の折機の存在により、帯状紙を折機
に単に通紙するだけで簡易に扁平帯状とすることができ
る。

【００１０】請求項２の発明によれば下記、の作用
がある。 紙紐は紙製であるから無公害でリサイクル可能となる
だけでなく、複数枚の帯状紙を積層接着したことにより
高強度となる。

【００１１】紙紐は、扁平であることに加え、該紙紐
の最外側の帯状紙の両側部が内側に折返されていて、そ
れら両側部が相対する合口部を該紙紐の腹面（上面又は
下面）に位置付け、該紙紐のエッジに位置付けることが
なく、該紙紐のエッジに上述の合口部が位置することに
よって折返しの接着部がその合口部から剥離し易くなっ
たり、該紙紐のエッジに上述の合口部が位置することに
よって該エッジのスムースを欠くことがないため、該紙
紐の自動梱包機での通紙性を良好にでき、梱包作業性を
向上できる。

【００１２】請求項３の発明によれば下記〜の作用
がある。 上述と同じ作用を有する。

【００１３】紙紐は、外面に縦筋状凹凸面等のエンボ
ス模様を備えることにより、その凹凸面が梱包物品に対
する結束の横ずれの抵抗となり、結束性を向上できる。

【００１４】紙紐の外面に感温型接着剤等のコーティ
ング処理を施す必要があるとき、縦筋状凹凸面等のエン
ボス模様がコーティング剤の付着性を向上し、紙紐の結
束端同士の熱融着接合性を向上する等、使用性を向上で
きる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は紙紐製造装置の一例を示す
模式図、図２は折機を示す模式図、図３は幅出機を示す
模式図、図４は紙紐の製造工程の一例を示す模式図、図
５は紙紐に付したエンボス模様の一例を示す模式図、図
６は紙紐の積層断面構成の一例を示す模式図である。

【００１６】紙紐製造装置１０は、広い元幅Ｗ1 をもつ
帯状紙１の左右の両側部１Ａ、１Ａを該帯状紙１の内側
に180 度折返し、該帯状紙１の折返しの内面を接着して
扁平帯状の紙紐２（紐幅Ｗ2 ）を製造するものである。

【００１７】紙紐製造装置１０は、図１に示す如く、帯
状紙１の繰出し経路に順に、原紙巻出機１１Ａ、１１
Ｂ、積層糊付機１２、第１繰出ロール１３、内面糊付機
１４、折機１５、幅出機１６、エンボスロール１７、プ
レスロール１８、外面糊付機１９、熱風乾燥機２０、冷
却ロール２１、第２繰出ロール２２を配置して構成され
ている。

【００１８】ここで、折機１５は、図２に示す如く、例
えば板金の折曲げ体により構成され、入側の紙導入部１
５Ａと、中間の紙折返し部１５Ｂと、出側の紙排出部１
５Ｃとからなる。紙導入部１５Ａは、帯状紙１を元幅断
面状態（Ｗ1 ）で導入するガイド断面をもつ。紙折返し
部１５Ｂは、帯状紙１の両側部１Ａ、１Ａに衝合し、該
両側部１Ａ、１Ａを次第に立上げて行って次第に折返し
完了とするように、帯状紙１の中央部を担持する平面状
の中央ガイド面３１と、中央ガイド面３１の両側縁部か
ら立上がって帯状紙１の両側部１Ａ、１Ａを徐々に該帯
状紙１の内側に180 度折返し成形するようにねじれるサ
イドガイド面３２、３２とを備えたガイド断面をもつ。
紙排出部１５Ｃは、帯状紙１を折返し完了断面状態（Ｗ
2 ）で排出するガイド断面をもつ。帯状紙１は、折機１
５の紙導入部１５Ａから紙折返し部１５Ｂを経て紙排出
部１５Ｃに単に通り抜けるだけで、両側部１Ａ、１Ａを
該帯状紙１の内側に180 度折返された折返し体３とな
る。

【００１９】また、幅出機１６は、図３に示す如く、幅
出ガイド４１と加圧ロール４２とからなり、折機１５か
ら排出される折返し体３を幅出ガイド４１の矩形状ガイ
ド溝４１Ａに通し、且つガイド溝４１Ａに一部侵入させ
て回転する加圧ロール４２により折返し体３の腹面（両
側部１Ａ、１Ａが相対する合口部３Ａが位置する面）を
ガイド溝４１Ａの溝底部に対して加圧することにより、
折返し体３の両側部をガイド溝４１Ａの溝側部に当てて
該両側部がなす幅（これがひいては紙紐２のＷ2 とな
る）を整える。

【００２０】然るに、紙紐製造装置１０による紙紐２の
製造手順は以下の通りである。 (A) 単層紙紐２の製造手順 (1) 広い元幅Ｗ1 をもつ帯状紙１を、一対の強制回転す
る第１繰出ロール１３により挟圧して原紙巻出機１１Ａ
から繰出す（図４（Ａ））。

【００２１】(2) 第１繰出ロール１３により繰出された
帯状紙１の内面に内面糊付機１４を用いて接着剤Ａを塗
布する（図４（Ｂ））。

【００２２】(3) 帯状紙１を折機１５に通し、折機１５
の紙折返し部１５Ｂによる前述の折返し作用により、帯
状紙１の両側部１Ａ、１Ａを該帯状紙１の内側に180 度
折返した繰返し体３を得る（図４（Ｃ））。

【００２３】(4) 折返し体３を幅出機１６に通し、幅出
機１６による前述の幅出し作用により、折返し体３の幅
を整える。

【００２４】(5) 折返し体３を一対の強制回転するエン
ボスロール１７に挟圧して通すことにより、折返し体３
の両外面（背面と腹面）に、エンボス模様４を付す。エ
ンボス模様４としては、例えば、紙紐２の長手方向に沿
うこととなる縦筋状凹凸面４Ａ（図５（Ａ））、格子状
凹凸面４Ｂ（図５（Ｂ））、斜め格子状凹凸面４Ｃ（図
５（Ｃ））等を採用できる。

【００２５】(6) 折返し体３を一対の強制回転するプレ
スロール１８に挟圧して通すことにより、折返し体３の
内面の接着の促進を図るとともに、扁平の完全を図る。

【００２６】(7) 折返し体３を外面糊付機１９の接着剤
中に浸漬させて通すことにより、折返し体３の両外面
に、梱包物品に対する結束時に両結束端の接合のために
機能することとなる感温型接着剤等の接着剤を付与し、
その後、熱風乾燥機２０を通してその接着剤を乾燥せし
め、更には、この折返し体３を冷却ロール２１を通して
冷却することにより、図４（Ｄ）の如くの紙紐２の完成
体とする。紙紐２は最後に、第２繰出ロール２２により
連続的に繰出される。

【００２７】(B) 積層紙紐２の製造手順 紙紐２の原紙として薄紙を用いる場合には、下記(1) 、
(2) の如く、複数枚（例えば 2枚）の原紙を積層接着し
て厚紙の帯状紙１を得た上で、紙紐２を製造する。

【００２８】(1) 原紙巻出機１１Ａから繰出される原紙
５Ａ（元幅Ｗ1 ）の裏面に積層糊付機１２により接着剤
を塗布し、この原紙５Ａと、原紙巻出機１１Ｂから繰出
される原紙５Ｂ（元幅Ｗ1 ）とを第１繰出ロール１３で
重ねて繰出すことにより、これらの原紙５Ａ、５Ｂを積
層接着した１枚状の帯状紙１（元幅Ｗ1 ）とする。

【００２９】(2) 以後、前述(A) の(2) 〜(7) を繰返
し、図４（Ｅ）の如くの紙紐２の完成体とする。

【００３０】尚、紙紐製造装置１０にあっては、図６に
示す如く、上述(A) 、(B) の紙紐２の製造過程で、帯状
紙１の折返しの内側に、他の帯状紙である狭幅の芯紙６
を抱き込むように積層接着し、断面強度の向上を図った
紙紐２を製造することもできる。

【００３１】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 紙紐製造装置１０において、帯状紙１は、折機１５の
紙導入部１５Ａから紙折返し部１５Ｂを通る過程で、広
幅の帯状紙１の両側部を該紙の内側に徐々に折返され、
扁平帯状となって紙排出部１５Ｃから排出され、その
後、該紙の折返しの内面を接着されて紙紐となる。上述
の折機１５の存在により、帯状紙１を折機１５に単に通
紙するだけで簡易に扁平帯状とすることができる。

【００３２】紙紐２は紙製であるから無公害でリサイ
クル可能となるだけでなく、複数枚の帯状紙１を積層接
着したことにより高強度となる。

【００３３】紙紐２は、扁平であることに加え、該紙
紐２の最外側の帯状紙１の両側部が内側に折返されてい
て、それら両側部が相対する合口部３Ａを該紙紐２の腹
面（上面又は下面）に位置付け、該紙紐２のエッジに位
置付けることがなく、該紙紐２のエッジに上述の合口部
３Ａが位置することによって折返しの接着部がその合口
部３Ａから剥離し易くなったり、該紙紐２のエッジに上
述の合口部３Ａが位置することによって該エッジのスム
ースを欠くことがないため、該紙紐２の自動梱包機での
通紙性を良好にでき、梱包作業性を向上できる。

【００３４】紙紐は、外面に縦筋状凹凸面４Ａ等のエ
ンボス模様４を備えることにより、その凹凸面４Ａが梱
包物品に対する結束の横ずれの抵抗となり、結束性を向
上できる。

【００３５】紙紐の外面に感温型接着剤等のコーティ
ング処理を施す必要があるとき、縦筋状凹凸面４Ａ等の
エンボス模様４がコーティング剤の付着性を向上し、紙
紐の結束端同士の熱融着接合性を向上する等、使用性を
向上できる。

【００３６】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、紙紐製造
装置において、帯状紙を簡易に折返して扁平帯状とする
ことができる。

【００３８】また、本発明によれば、紙紐において、梱
包作業性が良く、高強度とすることができる。

【００３９】また、本発明によれば、紙紐として、使用
性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は紙紐製造装置の一例を示す模式図であ
る。

【図２】図２は折機を示す模式図である。

【図３】図３は幅出機を示す模式図である。

【図４】図４は紙紐の製造工程の一例を示す模式図であ
る。

【図５】図５は紙紐に付したエンボス模様の一例を示す
模式図である。

【図６】図６は紙紐の積層断面構成の一例を示す模式図
である。

【符号の説明】

１ 帯状紙 １Ａ 側部 ２ 紙紐 ４ エンボス模様 ６ 芯紙（帯状紙） １０ 紙紐製造装置 １５ 折機 １５Ａ 紙導入部 １５Ｂ 紙折返し部 １５Ｃ 紙排出部 ３２ サイドガイド面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 広い元幅をもつ帯状紙の左右の両側部を
   該紙の内側に折返し、該紙の折返しの内面を接着して扁
   平帯状の紙紐を製造する紙紐製造装置において、 帯状紙の繰出し経路に折機を設置してなり、該折機は入
   側の紙導入部と、中間の紙折返し部と、出側の紙排出部
   とからなり、 折機の紙導入部は帯状紙を元幅断面状態で導入するガイ
   ド断面をもち、 折機の紙折返し部は帯状紙の両側部に衝合し、該両側部
   を次第に立上げて行って次第に折返し完了とするように
   該両側部を徐々に折返し成形するサイドガイド面を備え
   たガイド断面をもち、 折機の紙排出部は帯状紙を折返し完了断面状態で排出す
   るガイド断面をもつことを特徴とする紙紐製造装置。
2. 【請求項２】 複数枚の帯状紙を積層接着してなり、少
   なくとも最外側の帯状紙の左右の両側部を該紙の内側に
   折返し、該紙の折返しの内面を接着して扁平帯状をなす
   ようにした紙紐。
3. 【請求項３】 帯状紙の左右の両側部を該紙の内側に折
   返し、該紙の折返しの内面を接着して扁平帯状をなすよ
   うにした紙紐であって、該紙紐の外面にエンボス模様を
   付してなる紙紐。