JP2001038130A - 湿式集塵装置及びこの装置を用いた可燃性ダストの除去方法 - Google Patents

湿式集塵装置及びこの装置を用いた可燃性ダストの除去方法

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JP2001038130A
JP2001038130A JP11221371A JP22137199A JP2001038130A JP 2001038130 A JP2001038130 A JP 2001038130A JP 11221371 A JP11221371 A JP 11221371A JP 22137199 A JP22137199 A JP 22137199A JP 2001038130 A JP2001038130 A JP 2001038130A
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Takamitsu Miyamune
孝光 宮宗
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体素子の製造工程において発生する可
燃性ダストを除去する際に、より高い安全性を確保し得
る湿式集塵装置及びこの湿式集塵装置を用いた可燃性ダ
ストの除去方法を提供する。 【構成】 湿式集塵装置は、導入される気体を洗浄液と
接触させる気液接触手段と、気液接触手段に可燃性ダス
トを含む気体を吸引により導入し、外部に排出する吸排
気手段とからなる湿式集塵装置であって、気液接触手段
が、気体が導入される導入口部及び洗浄液と接触した気
体が導出される導出口部を有する気液接触容器内に配設
され、吸排気手段が、気液接触容器から隔離されるよう
前記導出口部に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体の結晶成
長工程等で生じる可燃性ダストを除去する湿式集塵装置
及びこの湿式集塵装置を用いた可燃性ダストの除去方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の製造技術の進歩は目
覚ましく、特に半導体発光素子や高移動度電子素子に利
用される化合物半導体の結晶成長法が実用化されてい
る。この成長法としては、液相エピタキシャル法、有機
金属化学気相成長法や分子線エピタキシー法(MBE
法)などが挙げられるが、特にMBE法は原子層レベル
での膜厚・膜質ドーパント制御などに優れているため、
これらの素子の製造方法として注目されており、量産技
術として一般化されている。
【0003】図6〜図8により、MBE法の概略を説明
する。図6は、MBE法による結晶成長装置の側面断面
概略図を示す。分子線エピタキシー装置100では、結
晶成長室110内の上部に結晶成長用の基板sが配置さ
れ、さらに基板sの対向位置に配設された複数の材料セ
ル101にGa、As、Al、P等の材料が充填され、
この材料セル101の温度制御等により基板s上へ照射
される材料分子線bの強度を制御して化合物の結晶成長
が行われる。
【0004】また、材料セル101と基板sとの間に
は、材料セル101から供給される材料分子線bの制御
を行うために、結晶成長室110内に出入可能な2つの
シャッタ102が設けられる。なお、図6では、左方の
シャッタ102が閉じられ、右方のシャッタ102が開
放された状態を示す。さらに、基板sへの不純物の混入
を極力防止するためのイオンポンプ等の高性能ポンプ
(図示しない)を取り付けたり、結晶成長室110の壁
面に液体窒素を充填できるクライオパネル103を設
け、結晶成長中はクライオパネル103に液体窒素を充
填して結晶成長室110内の到達真空度は極限まで高め
られる。
【0005】以上のようにMBE法では、材料セル10
1の温度制御と、材料セル101と基板s間のシャッタ
102の開閉と、結晶成長室110内の超高真空度とに
基づいて、非常に精密な膜厚・膜質・組成制御が行える
ことを特長とする。こうしたMBE法を用いる結晶成長
装置100では、基板sの外側にも材料分子線bが拡散
するため、クライオパネル103の壁面には、大きな物
では数センチ角の板状(フレーク状)のダストdが付着
する。特に、量産用の結晶成長装置100では、材料セ
ル101から多量の材料を飛ばすため、ダストdの量も
多くなり、そのまま稼動を続けると、結晶成長室110
内に多量のダストdが滞留する。このダストdは膜質に
も影響を及ぼすため、結晶成長室110内を定期的に清
掃して清浄さを保つ必要がある。
【0006】図7は、MBE法による半導体素子製造の
際の一般的な工程のフローチャートを示す。MBE法に
よる半導体素子製造の際には、まず、ウェハの成長工程
S1を行う。この工程には、材料分子線bの強度を設定
する工程等が含まれ、通常、連続したバッチ方式による
結晶成長が行われる。この際、真空度を良好に保つため
に結晶成長室110内のクライオパネル103には液体
窒素を充満させる。また、この工程の際、先程述べたよ
うなフレーク状のダストdがクライオパネル103の壁
面に形成される。
【0007】材料セル101内の材料枯渇により結晶成
長を止める際(S2)には、クライオパネル103内の
液体窒素を除去し、結晶成長室110内に吸着したガス
を取り除く工程S3を行う。このとき、クライオパネル
103の温度は結晶成長時に比べて高温になるため、熱
膨張や熱収縮により、付着していたフレーク状のダスト
dの一部が剥離、落下しやすい環境が生まれる。この状
態を図8に示す。ウェハの成長工程S1におけるウェハ
成長中に、このダストdの落下が生じると、高温に加熱
された材料セル101の周辺に落ちたフレーク状のダス
トdは蒸発し、クラスタとして材料分子線bと共に基板
sに照射されてしまう。
【0008】これにより、基板s上に欠陥結晶が形成さ
れ、素子の歩留まりを大幅に低下させる。さらに、この
ダストdには、結晶成長中の雰囲気に含まれる酸素等の
不純物ガス成分が含まれているため、ダストdのクラス
タが基板sに照射されると、これらの不純物元素が基板
s上の結晶内に取り込まれ、半導体発光素子等における
発光効率の低下を招く。
【0009】したがって、図7の液体窒素除去工程S3
の後に、材料セル101の周辺に落ちたダストdを取り
除くための結晶成長室内ダスト除去工程S4を行い、ダ
ストdの剥離及び落下を防ぐ。次いで、材料セル101
へ所定の材料を充填(材料充填工程S5)した後、ウェ
ハ成長工程S1へ戻る。結晶成長室内ダスト除去工程S
4におけるダストの除去は、半導体素子製造において良
好な膜質を維持する上できわめて有効であるが、可燃物
を使用する半導体素子製造過程で結晶成長室内ダスト除
去工程S4を実施するには、安全性の面で以下の問題が
ある。
【0010】すなわち、赤色に発光する半導体素子の材
料には、AlGaInPのような可燃物である燐(P)
を用いているため、フレーク状のダストdも可燃物とな
る。したがって、このような可燃物を結晶成長室110
から取り除くために、湿式集塵装置が用いられる。可燃
性ダストの除去に用いられる湿式集塵装置の概略構成を
図9に示す。
【0011】湿式集塵装置200は、集塵の対象となる
気体Gと洗浄液とを接触させる気液接触部210と、一
端が可燃性ダストの発生源Rの近傍に、他端が気液接触
部210内に、それぞれ開口した蛇腹構造を有する可撓
性ホース220と、ホース220を介して気液接触部2
10へ気体Gを吸引し外部へ排気する吸排気部230と
からなる。
【0012】吸排気部230と気液接触部210とは1
つの容器内を上下に仕切って構成され、吸排気部230
は、気液接触部210を通過した気体Gを拡散板231
を介して吸引し外部に排出する排気ファン232を有す
る。気液接触部210は、排気ファン232の駆動によ
り吸引された気体Gを泡沫として洗浄液と接触させ、気
体Gから可燃性ダストを分離し、底部のダスト溜め21
1に分離された可燃性ダストを蓄えることにより、補集
した可燃性ダストの再飛散を防止する構成となってい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した湿式集塵装置
200では、気液接触部210で捕らえきれなかった可
燃性ダストが気液接触部210と排気ファン232との
間の空間Uで酸素と反応して発火したり、気液接触部2
10における発火に伴って生成した物質と水との急激な
反応により排気能力以上の多量のガスが発生し、気液接
触部210と吸排気部230を構成する容器内部の圧力
上昇による容器破裂の危険がある。また、ホース220
の蛇腹部分が長いと、可燃性ダストがホース220内に
溜まりやすく、ホース220内に溜まった可燃性ダスト
が、反応性の高い可燃物の場合には、吸引時の摩擦熱等
により、酸素と反応して発火することがある。また、可
燃性材料を取り扱う半導体素子製造において、結晶成長
室110内のダスト除去は、作業者の安全性の確保が必
須であり、さらなる安全性の確保が切望されている。
【0014】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、半導体素子の製造工程において発生する
可燃性ダストを除去する際に、より高い安全性を確保し
得る湿式集塵装置及びこの湿式集塵装置を用いた可燃性
ダストの除去方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、導入
される気体を洗浄液と接触させる気液接触手段と、気液
接触手段に可燃性ダストを含む気体を吸引により導入
し、外部に排出する吸排気手段とからなる湿式集塵装置
であって、気液接触手段が、気体が導入される導入口部
及び洗浄液と接触した気体が導出される導出口部を有す
る気液接触容器内に配設され、吸排気手段が、気液接触
容器から隔離されるよう前記導出口部に接続されたこと
を特徴とする湿式集塵装置が提供される。
【0016】すなわち、可燃性ダストを除去するために
用いられる従来の湿式集塵装置では、気液接触手段及び
吸排気手段が、1つの容器内を区画してなる2つの場所
あるいは室内に配置されていたが、この発明では、気液
接触手段のみを独立した1つの容器内に配置し、吸排気
手段をこの気液接触容器から隔離したので、気液接触手
段が、吸排気手段の物理的あるいは電気的な可動部から
遠避けられる。したがって、気液接触手段で捕らえきれ
なかった可燃性ダストが気液接触容器内で酸素と反応し
て発火したり、発火物と水との急激な反応により気液接
触容器内に排気能力以上の多量の反応ガスが発生した場
合でも、発火あるいは破損の影響を気液接触手段あるい
は気液接触容器に一旦止めることができ、湿式集塵装置
を扱う使用者あるいは清掃を行う作業者の安全性が向上
する。
【0017】この発明における湿式集塵装置とは、気体
を洗浄液に接触させ、その気体中に分散、浮遊する微粒
子を分離捕集する装置を意味する。気体と洗浄液との接
触の形態としては、洗浄液を気体中に噴霧してその液滴
に接触させる方法、洗浄液の液面に気体を衝突させる方
法、あるいは気体を泡沫として洗浄液中を潜らせる方法
などが挙げられる。洗浄液は、捕集対象の微粒子が親水
性あるいは水溶性のダストであれば、水道水等の水であ
ってもよいが、撥水性の微粒子に対しては、界面活性剤
等で洗浄液の表面張力を減少させることが集塵効率を高
める上で好ましい。
【0018】この発明における湿式集塵装置の具体的な
構成としては、吸排気手段が、吸気口部及び排気口部を
有する吸排気容器内に収容され、この吸気口部と気液接
触容器の導出口部とが、狭搾した管または前記両口部を
介して接続された構成が挙げられる。吸排気容器の吸気
口部と気液接触容器の導出口部とが、狭搾した管を介し
て接続されることにより、気液接触容器内あるいは吸排
気容器内における発火あるいは破裂を緩衝し、周辺容器
へ発火や破裂が伝播するのを防止できる。狭搾した管
は、吸排気手段の吸排気能力を著しく低下させないよ
う、内径及び長さが設定されるのが好ましい。発生が予
想される可燃性ダストの性質あるいは量に応じて、上記
の狭搾した管を省略し、両口部、すなわち、吸排気容器
の吸気口部と気液接触容器の導出口部とを直結すること
も可能である。また、気液接触容器内あるいは吸排気容
器内において爆発が発生したときに、狭搾管の胴部ある
いは上記容器との接続部または上記両口部が最初に破壊
され、それによって爆発の応力が周辺容器へ及ぶのを防
止する安全装置として機能するよう、狭搾管及び上記両
口部を脆弱な構造としてもよい。
【0019】吸排気容器内が、吸排気手段を介して、吸
気口部を有する負圧室と、排気口部を有する正圧室とに
区画された構成とすることにより、気液接触容器内ある
いは吸排気容器内における発火あるいは破裂を、負圧室
でより効果的に緩衝することができる。気液接触容器
は、吸排気手段が駆動された際に外部からの空気の侵入
を防止し得る気密性を具備することが好ましい。気液接
触容器の気密性は、耐圧構造の容器により、あるいはO
リング等のシールパッキンの付設により実現され、可燃
性ダストと大気中の酸素の反応を回避できる。
【0020】気液接触容器が、容器内の圧力が設定値を
超えたとき、この圧力を自動的に外部に逃がす逆止弁を
有することにより、気液接触容器の破裂を防止できる。
気液接触容器が、容器内の圧力を検知する圧力センサー
と、圧力センサーによって検知された圧力に応じて吸排
気手段を制御する圧力−吸気制御部を有することによ
り、気液接触容器の破裂を防止できる。気液接触容器
が、導入される気体の酸素濃度を検知する酸素濃度セン
サーと、酸素濃度センサーによって検知された酸素濃度
に応じて吸排気手段を制御する酸素濃度−吸気制御部を
有することにより、可燃性ダストと容器内の酸素の反応
を回避できる。
【0021】導入口部が、可燃性ダストの発生源に連通
される導入管を有し、導入管が、不燃性材料からなる可
撓管で構成されることにより、可燃性ダストが導入管内
で燃焼しても安全性は確保される。導入管が、蛇腹状の
外管と、外管の蛇腹の内側を覆う平坦な内管とから構成
されることにより、可燃性ダストが導入管内に蓄積され
るのを防止できる。導入管が、着脱可能な接続部分を有
することにより、導入管内の可燃性ダストを容易に除去
できるとともに、導入管内の様子を随時確認できるの
で、導入管内での発火を未然に防止できる。本発明の導
入管は、最小限の長さで構成されることにより、導入管
内における摩擦熱の発生部位を減じるとともに、可燃性
ダストの蓄積量を最小限に抑えることができる。
【0022】この発明は、別の観点によれば、本発明の
湿式集塵装置を用いて、化合物半導体の結晶成長装置内
に生じる可燃性ダストを除去する可燃性ダストの除去方
法が提供される。この発明における化合物半導体の結晶
成長装置としては、分子線エピタキシー装置が挙げら
れ、特に、化合物半導体の結晶成長装置による結晶成長
工程に燐が使用されるもの、例えば、化合物半導体が赤
色発光素子であるような結晶成長装置が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1から図5を参照して、
本発明の湿式集塵装置の実施の形態を説明する。図1
は、本発明の湿式集塵装置の基本形態を示す概略構成図
である。湿式集塵装置10は、気液接触手段が内部に配
設された気液接触容器1と、吸排気手段としての排気フ
ァン21が内部に配設された吸排気容器2と、可燃性ダ
ストを含む気体を気液接触容器1へ導入するための導入
管3と、気液接触容器1と吸排気容器2とを接続する狭
搾管4とから主に構成される。
【0024】気液接触容器1は、Oリング17からなる
シールパッキンを介して開閉可能な蓋部18を有する気
密性容器として構成され、内部に洗浄液を収容する貯留
部11を有する。洗浄液貯留部11は、底部に配設され
たダスト溜め12と、洗浄液の供給口13及び排出口1
4とを有し、新しい洗浄液の補給あるいは洗浄液の循環
ができるよう、図示しない開閉弁及びポンプ等に接続さ
れている。気液接触容器1の側面上部には、導入管3が
貫通する導入口部15と、狭搾管4の一端が開口する導
出口部16とが形成され、これらの管3、4と、各口部
15、16との間は気密に保たれる。なお、気液接触容
器1に、洗浄液の供給口13及び排出口14を設けない
場合には、蓋部18を開いて洗浄液の交換及びダストの
除去が行える。
【0025】吸排気容器2は、排気ファン21を介して
負圧室22と正圧室23とに区画された、気密性を有す
るファン収納ケースとして構成される。負圧室22の側
面上部には、狭搾管4の他端が開口する吸気口部24が
形成され、狭搾管4と吸気口部24との間は気密に保た
れる。さらに、正圧室23の側面上部には、排気口部2
5が形成される。導入管3は、ステンレス等の不燃性材
料で構成され、一端が可燃性ダストの発生源Rの近傍に
配置される。導入管3の他端は、口部孔部15を貫通し
て洗浄液貯留部11内に延出し、排気ファン21の駆動
により発生源Rから吸引された気体を泡沫として洗浄液
貯留部11内の洗浄液中に散気するための複数のノズル
を有するノズル部31で終端となる。狭搾管4は、気液
接触容器1と吸排気容器2とを隔離して接続する平行管
であり、気液接触容器1及び吸排気容器2の容積あるい
は排気ファン21の吸排気能力を考慮して内径及び長さ
が設定される。この例では、気液接触容器1の容積が約
0.06m3、吸排気容器2の容積が約0.025m3 、排気ファン
21の吸排気量が約0.05〜0.5m3 /min の場合、狭搾管
4は内径が約50mm、長さが約200mmのものが例示で
きる。
【0026】湿式集塵装置10は、例えば、前述した分
子線エピタキシー装置100に接続され、赤色発光素子
を製造する際に、AlGaInP等を材料として用いる
化合物結晶成長工程から発生する可燃性ダストを除去す
るのに用いられる。具体的には、分子線エピタキシー装
置100の結晶成長室110に導入管3を直接挿入する
か、後述するホースの一端を導入管3に接続し、ホース
の他端を結晶成長室110に挿入する。次いで、前述し
た結晶成長室内ダスト除去工程S4において排気ファン
21を駆動し、ダストの発生源Rとしての結晶成長室1
10から吸引した気体を気液接触容器1内で洗浄液と接
触させ、気体中のダストを分離してダスト溜め12に貯
留する。なお、結晶成長室110から吸引を行う際に
は、結晶成長室110に予め窒素ガスを供給して酸素が
パージされた環境を作り、その後、吸引を行うことによ
り、可燃性ダストと酸素の反応が避けられる。
【0027】上記したように、従来の湿式集塵装置20
0では、図9に示したように、気液接触部210と吸排
気部230とが1つの容器に配設されているため、気液
接触部210と吸排気部230との間に空気中の酸素が
滞留したり、吸排気部230の排気口部から気液接触部
210に空気中の酸素が容易に侵入したりすることがあ
り、窒素で置換された結晶成長室110から吸気して
も、気液接触部210で可燃性ダストが補集できなかっ
た場合には、可燃性ダストの発火の危険性がきわめて高
かった。
【0028】そこで、湿式集塵装置10のように、気液
接触容器1を吸排気容器2から独立した一室として構成
することにより、気液接触容器1への酸素の侵入を抑
え、気液接触容器1を排気ファン21の摺動摩擦部及び
リード接続部から遠避けることができる。さらに、吸排
気容器2が気密性を有するファン収納ケースとして構成
されるので、負圧室22への酸素の侵入を遮断し、気液
接触容器1で捕捉しきれなかった可燃性ダストの発火を
防止できる。また、気液接触容器1で捕らえきれなかっ
た可燃性ダストが気液接触容器1で酸素と反応して発火
したり、気液接触容器1での可燃性ダストと水との急激
な反応により排気ファン21の能力以上に多量のガスが
発生した場合でも、発火あるいは破裂の影響を最小限に
くい止めることができ、吸排気容器2及び排気ファン2
1の損傷を防止できる。気液接触容器1は、排気ファン
21の吸気により負圧となるが、気密性を有する容器と
して構成されるので、外部からの酸素の侵入を防止でき
る。
【0029】本発明の湿式集塵装置は、前述した湿式集
塵装置10を基本形態として様々な変形が可能である。
図2は、本発明の湿式集塵装置の他の形態を示す概略構
成図である。湿式集塵装置20は、気液接触容器1に配
設された逆止弁5及び気液接触容器1内の圧力を検知す
る圧力センサー6、導入管3内の酸素濃度を検知する酸
素濃度センサー7、制御部8ならびに、導入管3を延長
するホース9が、前述した湿式集塵装置10に付加され
てなる。したがって、これら以外の各部の構成について
は説明を省略する。
【0030】逆止弁5は、気液接触容器1の上部に取り
付けられ、気液接触容器1内が規定圧力6kg/cm2に上昇
した場合に、この圧力を自動的に外部に逃がす。圧力セ
ンサー6は、そのプローブが気液接触容器1内の上部に
取り付けられるとともに、制御部8と電気的に接続され
る。圧力センサー6の設定圧力は、例えば、3〜6kg/c
m2の範囲である。
【0031】制御部8は、圧力センサー6が有する圧力
センサー回路(図示せず)が測定した気液接触容器1の
圧力に応じて排気ファン21を制御する。例えば、気液
接触容器1内部の圧力が設定値まで上昇した場合に排気
ファン21の吸引速度を低下もしくは停止する。これに
より可燃物と水との急激な反応で排気ファン21の排気
能力を上回る多量の反応ガスが発生した場合に、導入管
3からの気体吸引量を自動的に減じることができるの
で、気液接触容器1の高圧破裂を未然に防止できる。
【0032】酸素濃度センサー7は、そのプローブが導
入管3あるいはホース9内に配置されるとともに、制御
部8と電気的に接続される。酸素濃度センサー7の取り
付け位置は、導入管3あるいはホース9内であれば、特
に、限定されない。酸素濃度センサー7の設定酸素濃度
は、例えば、2〜4%に設定される。制御部8は、酸素
濃度センサー7が有する酸素濃度センサー回路(図示せ
ず)が測定した導入管3内の酸素濃度に応じて排気ファ
ン21を制御する。例えば、導入管3あるいはホース9
内の酸素濃度が設定値まで上昇した場合に、排気ファン
21の吸引速度を低下もしくは停止する。これにより、
多量の酸素が混入する危険性がある場合に、排気ファン
21の吸引量を自動的に減じることができるので、導入
管3あるいはホース9内における酸素との反応による可
燃物の発火を未然に防止できる。
【0033】また、上記したように、湿式集塵装置10
を用いて、導入管3から可燃物を吸引するときには、発
生源Rに窒素ガスを供給して酸素をパージした環境が作
られるが、その際の酸素のパージの度合いを酸素濃度セ
ンサー7で確認することもできる。吸引時の酸素パージ
の度合いをリアルタイムで確認するためには、酸素濃度
センサー7の取り付け位置を、発生源Rに近い吸引口部
付近とするのが好ましい。
【0034】逆止弁5、圧力センサー6及び酸素濃度セ
ンサー7は、上記したようにこれらすべてを装置10に
取り付けてもよいし、いずれか1つあるいは2つを装置
10に取り付けてもよい。また、圧力センサー6及び酸
素濃度センサー7は、圧力−吸気制御部及び酸素濃度−
吸気制御部としての上記した制御部8と電気的に接続さ
れ、それによって排気ファン21を自動制御する上記の
構成が成り立つが、圧力センサー6及び酸素濃度センサ
ー7からの信号、あるいは圧力計及び酸素濃度計の指示
を使用者が視覚及び/または聴覚で感知して排気ファン
21を制御する構成も本発明の実施の形態に含まれる。
【0035】ホース9は、気液接触容器1を発生源Rの
近傍に配置できない場合、あるいは、発生源Rから気液
接触容器1までの距離が比較的遠くかつ直線状の導入管
3を用いることができない場合の導入管3の延長用管路
として、導入管3の吸気側口部に接続される。ホース9
は、ステンレス等の不燃性材料の薄板からなる可撓管で
構成され、連続した蛇腹状の屈曲自在部位91を有す
る。
【0036】ホース9の変形例を図3〜図5に示す。図
3は、短い蛇腹状の屈曲自在部位91と平行管路92と
が交互に連続したホース9を示す。図4は、平行管路9
2の部分に着脱可能な接続部分93を形成したホース9
を示す。接続部分93は、平行管路92の両端部を、互
いに嵌合、螺合、ボルト・ナット止め等の公知のロック
手段を用いて容易に着脱できるよう構成される。図5
は、蛇腹状の外管94と、外管94の蛇腹の内側を覆う
平坦な内管95とからなるホース9を示す。
【0037】上記したように、ホース9が不燃性金属材
料から構成されるので、可燃性ダスト吸引時に可燃性ダ
ストが内部で燃焼しても安全であり、かつ蛇腹構造を有
しているため金属製材料を用いてもある程度の可撓性を
維持できる。また、平行管路92を介在させてホース9
の大部分が蛇腹構造となるのを避けることにより、可燃
性ダスト吸引時に可燃性ダストがホース9の内部に溜ま
りにくくなる。これにより、ホース9内での発火の危険
性が減り、かつある程度の可撓性が維持されるので、ホ
ース9を扱う際の操作性の低下を最小限に抑えられる。
【0038】さらに、外管94の蛇腹の内側を、内管9
5で覆い、蛇腹部分の内側を平坦にすることで、吸引時
に可燃性ダストがホース9の蛇腹部分に溜まるのを防止
できる。さらに、ホース9が数ヶ所で着脱可能な接続部
分93を有しておれば、ホース9の内部を清掃する際、
ホース9内に溜まった可燃物の除去が容易になるととも
に、ホース9内部の様子を観察できるので、可燃性ダス
トの吸引時におけるホース9の内部での発火を未然に防
止できる。上記した導入管3及びホース9は、いずれの
形態のものを用いても、最小限の長さで構成されること
が好ましい。
【0039】
【発明の効果】可燃性ダストを除去するために用いられ
る従来の湿式集塵装置では、気液接触手段及び吸排気手
段が、1つの容器内を区画してなる2つの場所あるいは
室内に配置されていたが、この発明では、気液接触手段
を独立した1つの容器内に配置し、吸排気手段をこの気
液接触容器から隔離しているので、気液接触手段が、吸
排気手段の物理的あるいは電気的な可動部から遠避けら
れる。したがって、気液接触手段で捕らえきれなかった
可燃性ダストが気液接触容器内で酸素と反応して発火し
たり、発火物と水との急激な反応により気液接触容器内
に排気能力以上の多量の反応ガスが発生した場合でも、
発火あるいは破損の被害を気液接触手段あるいは気液接
触容器のみに止めることができ、湿式集塵装置を扱う使
用者あるいは清掃を行う作業者の安全性が向上する。
【0040】また、化合物半導体の結晶成長装置等で発
生する可燃性ダストが、発火の危険を伴わずに安全に吸
引除去され、その結果、得られる化合物半導体発光素子
における発光効率の低下や欠陥結晶形成を防止でき、可
燃物材料を用いる半導体製造工程における歩留まりが向
上する。また、不純物ガスの影響を敏感に受ける分子線
エピタキシー装置においては、不純物ガスの発生の一因
となる可燃性ダストを除去することは、半導体製造工程
における歩留まりを高める上で重要である。特に、赤色
発光素子としての赤色半導体レーザは、DVD用のレー
ザ光源として今後大いなる需要が予想されるので、安全
性の高い本発明の湿式集塵装置は、今後の化合物半導体
の製造においてきわめて有利なダスト除去手段を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式集塵装置の基本形態を示す概略構
成図。
【図2】本発明の湿式集塵装置の他の実施形態を示す概
略構成図。
【図3】図2の導入管の変形例を示す概略構成図。
【図4】図2の導入管の他の変形例を示す概略構成図。
【図5】図2の導入管のさらに他の変形例を示す概略構
成図。
【図6】MBE法による結晶成長装置の側面断面概略
図。
【図7】MBE法による半導体素子製造の際の一般的な
工程を示すフローチャート。
【図8】図6の結晶成長装置における可燃性ダストの剥
離・落下を説明する側面断面概略図。
【図9】従来の湿式集塵装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 気液接触容器(気液接触手段) 2 吸排気容器 3 導入管 4 狭搾管 5 逆止弁 6 圧力センサー 7 酸素濃度センサー 8 制御部(圧力−吸気制御部・酸素濃度−吸気制御
部) 9 ホース(導入管) 10 湿式集塵装置 20 湿式集塵装置 21 排気ファン(吸排気手段)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導入される気体を洗浄液と接触させる気
    液接触手段と、気液接触手段に可燃性ダストを含む気体
    を吸引により導入し、外部に排出する吸排気手段とから
    なる湿式集塵装置であって、 気液接触手段が、気体が導入される導入口部及び洗浄液
    と接触した気体が導出される導出口部を有する気液接触
    容器内に配設され、吸排気手段が、気液接触容器から隔
    離されるよう前記導出口部に接続されたことを特徴とす
    る湿式集塵装置。
  2. 【請求項2】 吸排気手段が、吸気口部及び排気口部を
    有する吸排気容器内に収容され、この吸気口部と気液接
    触容器の導出口部とが、狭搾した管または前記両口部を
    介して接続された請求項1に記載の湿式集塵装置。
  3. 【請求項3】 吸排気容器内が、吸排気手段を介して、
    吸気口部を有する負圧室と、排気口部を有する正圧室と
    に区画された請求項2に記載の湿式集塵装置。
  4. 【請求項4】 気液接触容器が、吸排気手段が駆動され
    た際に外部からの空気の侵入を防止し得る気密性を具備
    してなる請求項1から3のいずれか1つに記載の湿式集
    塵装置。
  5. 【請求項5】 気液接触容器が、容器内の圧力が設定値
    を超えたとき、この圧力を自動的に外部に逃がす逆止弁
    を有する請求項1から4のいずれか1つに記載の湿式集
    塵装置。
  6. 【請求項6】 気液接触容器が、容器内の圧力を検知す
    る圧力センサーと、圧力センサーによって検知された圧
    力に応じて吸排気手段を制御する圧力−吸気制御部を有
    する請求項1から5のいずれか1つに記載の湿式集塵装
    置。
  7. 【請求項7】 気液接触容器が、導入される気体の酸素
    濃度を検知する酸素濃度センサーと、酸素濃度センサー
    によって検知された酸素濃度に応じて吸排気手段を制御
    する酸素濃度−吸気制御部を有する請求項1から6のい
    ずれか1つに記載の湿式集塵装置。
  8. 【請求項8】 導入口部が、可燃性ダストの発生源に連
    通される導入管を有し、導入管が、不燃性材料からなる
    可撓管で構成された請求項1から7のいずれか1つに記
    載の湿式集塵装置。
  9. 【請求項9】 導入管が、蛇腹状の外管と、外管の蛇腹
    の内側を覆う平坦な内管とからなる請求項1から8のい
    ずれか1つに記載の湿式集塵装置。
  10. 【請求項10】 導入管が、着脱可能な接続部分を有す
    る請求項1から9のいずれか1つに記載の湿式集塵装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1つに記
    載の湿式集塵装置を用いて化合物半導体の結晶成長装置
    内に生じる可燃性ダストを除去する可燃性ダストの除去
    方法。
  12. 【請求項12】 化合物半導体の結晶成長装置が、分子
    線エピタキシー装置である請求項11に記載の可燃性ダ
    ストの除去方法。
  13. 【請求項13】 化合物半導体の結晶成長装置による結
    晶成長工程に燐化合物が用いられる請求項11または1
    2に記載の可燃性ダストの除去方法。
  14. 【請求項14】 化合物半導体が、赤色発光素子である
    請求項11から13のいずれか1つに記載の可燃性ダス
    トの除去方法。
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