JP2001038083A - 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置 - Google Patents

穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置

Info

Publication number
JP2001038083A
JP2001038083A JP11219664A JP21966499A JP2001038083A JP 2001038083 A JP2001038083 A JP 2001038083A JP 11219664 A JP11219664 A JP 11219664A JP 21966499 A JP21966499 A JP 21966499A JP 2001038083 A JP2001038083 A JP 2001038083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutter
buttonhole
actuator
support member
work cloth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11219664A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kondo
隆 近藤
Itaru Shibata
到 柴田
Akihiro Funahashi
暁洋 舟橋
Etsuzo Nomura
悦造 野村
Atsushi Kamano
淳 蒲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP11219664A priority Critical patent/JP2001038083A/ja
Publication of JP2001038083A publication Critical patent/JP2001038083A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アクチュエータによるカッタの復動を吸収部材
で規制吸収させるときのカッタのリバウンドを抑え、加
工布の二重切りを防止すること。 【解決手段】穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置
は、加工布を切断するカッタ13及びその駆動機構14
を備える。駆動機構14はカッタ13を支持する取付軸
40等と、カッタ13及び取付軸40等を加工布へ往復
動させるソレノイド45と、ソレノイド45によるカッ
タ13の復動を規制吸収すべく取付軸40に当接可能な
吸収部材49とを備える。本装置はソレノイド45によ
りカッタ13を往動させて穴かがり縫い目間を切断した
後、カッタ13を復動させて加工布から離間させボタン
穴を形成する。本装置はカッタ復動時に、取付軸40が
吸収部材49に当接するまでソレノイド45の駆動時間
を制御するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加工布に穴かが
り縫い目を形成する穴かがり縫いミシンに設けられ、形
成される穴かがり縫い目の間の布地を切断して加工布に
ボタン穴を形成する穴かがり縫いミシンのボタン穴形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のボタン穴形成装置の
一つのタイプとして、例えば、図16に示すものがあ
る。この装置は、カッタ100と、そのカッタ100に
対応して設けられた針板101と、駆動手段102を含
むカッタ駆動機構103とを備える。カッタ100は、
縫い針104等により形成される穴かがり縫い目の間の
布地を切断して加工布にボタン穴を形成するためのもの
である。針板101は、上面に加工布を支持すると共に
カッタ100の刃先が挿入されるカッタ穴101aを有
するものである。カッタ駆動機構103は、針板101
に支持された加工布に対してカッタ100を上下へ往復
動させるためのものである。
【0003】カッタ100は、縫い針104の近傍で取
付軸105に取り付けられる。この取付軸105は、駆
動手段102に対して作動腕106等を介して連結され
る。この作動腕106の中央部は、支軸107を介して
ミシン機枠(図示略)に揺動可能に支持される。作動腕
106の前端部は取付軸105に連結され、その後端部
はリンク108を介して駆動手段102に連結される。
作動腕106は、バネ109により上方へ付勢される。
この付勢力は、取付軸105からカッタ100に至る機
構重量を補償する程度のものである。
【0004】従って、このタイプの装置によれば、穴か
がり縫い目が形成された加工布を針板101の上に支持
した状態で、駆動手段102を作動させる。これによ
り、作動腕106が揺動し、取付軸105と共にカッタ
100が下降して、カッタ100が加工布を突き抜けて
カッタ穴101aに挿入・抜去される。このようにし
て、穴かがり縫い目の間の布地が切断され、加工布にボ
タン穴が形成される。
【0005】一方、別のタイプとして、例えば、実開平
7−27470号公報に開示されるボタン穴形成装置が
ある。図17に示すように、このタイプの装置は、上記
タイプの装置とは異なり、加工布を切断するためのカッ
タ201と、そのカッタ201の刃先210aに対向配
置されたハンマ202と、それらカッタ201とハンマ
202を協働させるためにカッタ201を上下に往復動
させるための駆動手段(図示略)とを備える。
【0006】このタイプの装置によれば、穴かがり縫い
目が形成される加工布をハンマ202の上に支持した状
態で、駆動手段によりカッタ201を往動させることに
より、カッタ201をハンマ202に当接させてそれら
の間で加工布を切断する。その後、カッタ201を復動
させることにより、カッタ201をハンマ202から離
間させる。これにより、穴かがり縫い目の間の布地が切
断さてれ、加工布にボタン穴が形成される。
【0007】ここで、従来は、ミシンモータ等を上記駆
動手段102等とし、そのモータから伝達される駆動力
をリンク機構等を介してカッタ100,201に機械的
に伝達させることにより、加工布を切断するようにして
いた。ところが、このような機械式の駆動手段102等
では、カッタ100,201の駆動力は充分に得られる
ものの、カッタ100,201等の動作が相対的に遅く
なる傾向があった。このため、穴かがり縫いミシンのサ
イクルタイムを現状よりも短縮化させることが困難であ
った。
【0008】そこで、上記機械式とは異なりミシンモー
タと別に設けられたアクチュエータを駆動手段102と
して設け、そのアクチュエータによりカッタ100,2
01等を往動させるようにした装置が考えられる。ここ
で、例えば、ソレノイドをアクチュエータとして採用す
ることが考えられる。この場合、ソレノイドがカッタ1
00,201の往動を高速化できることから、薄めの加
工布の切断は速くて容易なものになるが、厚めの加工布
の切断は困難を伴うことが考えられる。たとえ切断でき
たとしても、復動時にカッタ100,201が布地に食
い込んで戻らなくなるおそれがある。即ち、切断された
加工布にカッタ100,201の刃先が食い込み、カッ
タ100,201がバネ109等の力だけでは戻らなく
なることが考えられる。これらのことは、特に、加工布
が複数枚重ね合わせられた場合に多く起こることが予想
される。
【0009】そこで、上記のように厚物や重ね合わせた
加工布を切断する場合のカッタ100,201の食い込
みを避けるために、復動時にもソレノイドを一時的に作
動させてカッタ100,201を加工布から離間させる
ことが考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように復動時にソレノイドを一時的に作動させてカッタ
100,201を加工布から離間させようとすると、ソ
レノイドによりカッタ100,201に与えられる駆動
力が大き過ぎてカッタの戻りに必要な運動エネルギーが
過剰になることが考えられる。このような戻りの運動エ
ネルギーを吸収してカッタ100,201の復動を所定
位置で規制するために、例えば、図16に示すように、
取付軸105の上端上方にバネ等の弾性部材を含む吸収
部材200を設けることが考えられる。そして、カッタ
100の復動時に取付軸105を吸収部材200に弾性
的に衝突させ、カッタ100の復動を所定位置で規制し
てその戻りの運動エネルギーを吸収部材200で吸収さ
せることができる。
【0011】ところが、上記のように復動時にソレノイ
ドを作動させる時間によっては、カッタ100の運動エ
ネルギーを吸収部材200で吸収しきれず、カッタ10
0が取付軸105と共に往動方向へ大きくリバウンドす
るおそれがある。このリバウンドが必要以上に大きくな
ると、カッタ100が再び加工布を切断することにな
り、即ち、二重切りとなり、穴かがり縫い目を適正に形
成することができなくなるおそれがある。
【0012】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、アクチュエータによる支持部材
の復動を吸収部材により規制吸収させたときの支持部材
のリバウンドを抑え、加工布がカッタで二重切りされる
のを未然に防止するようにした穴かがり縫いミシンのボ
タン穴形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、加工布に穴かがり縫い目
を形成するための縫製手段を備えた穴かがり縫いミシン
に設けられ、加工布を切断するためのカッタと、カッタ
を加工布に対して往復動可能に支持するための支持部材
と、カッタを支持部材と共に加工布に対して往復動させ
るためのアクチュエータと、アクチュエータによるカッ
タの復動を所定位置で規制吸収するために支持部材に当
接可能に設けられる吸収部材とを備え、アクチュエータ
によりカッタを往動させることにより、縫製手段により
形成される穴かがり縫い目の間の布地を切断し、アクチ
ュエータによりカッタを復動させることにより、加工布
からカッタを離間させてボタン穴を形成するようにした
穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置であって、アク
チュエータによりカッタを支持部材と共に復動させると
き、支持部材が吸収部材に少なくとも当接するまでアク
チュエータの駆動時間を制御するための駆動時間制御手
段を備えたことを趣旨とする。
【0014】上記発明の構成によれば、穴かがり縫いミ
シンに設けられるボタン穴形成装置において、加工布を
切断するカッタは、支持部材により加工布に対して往復
動可能に支持される。このカッタをアクチュエータによ
り支持部材と共に往動させることにより、穴かがり縫い
ミシンの縫製手段により形成される穴かがり縫い目の間
の布地が切断される。その後、アクチュエータにより支
持部材と共にカッタを復動させることにより、加工布か
らカッタが離間され、ボタン穴が形成される。そして、
アクチュエータによりカッタが復動されるときに、支持
部材を吸収部材に当接させることにより、そのカッタの
復動が所定位置で規制吸収される。この発明では、カッ
タが支持部材と共にアクチュエータにより復動されると
きに、支持部材が吸収部材に少なくとも当接するまで、
アクチュエータの駆動時間が駆動時間制御手段により制
御される。即ち、支持部材が吸収部材に少なくとも当接
するまでの間、カッタを復動させるのに必要なアクチュ
エータの駆動が継続されるのである。従って、カッタの
復動時にカッタが加工布から離間した後も、カッタの運
動エネルギーが吸収部材により規制吸収される間だけカ
ッタの運動が復動方向へ向けられ、往動方向へ向くこと
がない。
【0015】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、加工布に穴かがり縫い目を形成するための
縫製手段を備えた穴かがり縫いミシンに設けられ、加工
布を切断するために互いに対向配置されたカッタ及びハ
ンマと、カッタ及びハンマの少なくとも一方を往復動可
能に支持するための支持部材と、カッタ及びハンマを互
いに協働させるために支持部材を往復動させるアクチュ
エータと、アクチュエータによる支持部材の復動を所定
位置で規制吸収するために支持部材に当接可能に設けら
れる吸収部材とを備え、アクチュエータにより支持部材
を往動させてカッタ及びハンマを互いに当接させること
により、縫製手段により形成される穴かがり縫い目の間
の布地を切断し、アクチュエータにより支持部材を復動
させてカッタ及びハンマを互いに離間させることによ
り、加工布からカッタ及びハンマの少なくとも一方を離
間させてボタン穴を形成するようにした穴かがり縫いミ
シンのボタン穴形成装置であって、アクチュエータによ
り支持部材を復動させるとき、支持部材が吸収部材に少
なくとも当接するまでアクチュエータの駆動時間を制御
するための駆動時間制御手段を備えたことを趣旨とす
る。
【0016】上記発明の構成によれば、請求項1の発明
と異なり、ボタン穴形成装置において、カッタ及びハン
マの少なくとも一方が支持部材により往復動可能に支持
される。この支持部材をアクチュエータにより往動させ
てカッタ及びハンマを互いに当接させることにより、縫
製手段により形成される穴かがり縫い目の間の布地が切
断される。その後、アクチュエータにより支持部材を復
動させてカッタ及びハンマを互いに離間させることによ
り、加工布からカッタ及びハンマの少なくとも一方が離
間され、ボタン穴が形成される。そして、アクチュエー
タにより支持部材が復動されるときに、支持部材を吸収
部材に当接させることにより、その支持部材の復動が所
定位置で規制吸収される。この発明では、支持部材がア
クチュエータにより復動されるときに、支持部材が吸収
部材に少なくとも当接するまで、アクチュエータの駆動
時間が駆動時間制御手段により制御される。即ち、支持
部材が吸収部材に少なくとも当接するまでの間、支持部
材を復動させるのに必要なアクチュエータの駆動が継続
されるのである。従って、支持部材の復動時にカッタ及
びハンマの少なくとも一方が加工布から離間した後も、
支持部材の運動エネルギーが吸収部材により規制吸収さ
れる間だけ支持部材の運動が復動方向へ向けられ、往動
方向へ向くことがない。
【0017】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明の構成
において、駆動時間制御手段により制御される駆動時間
を任意に変更するための駆動時間変更手段を備えたこと
を趣旨とする。
【0018】上記発明の構成によれば、請求項1又は請
求項2の発明の作用に加え、駆動時間制御手段により制
御されるアクチュエータの駆動時間が、駆動時間変更手
段により任意に変更されることから、厚物や重ね合わせ
た加工布の違いに応じてアクチュエータの駆動時間を任
意に設定することが可能になる。
【0019】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載
の発明の構成において、アクチュエータにより支持部材
を復動させるとき、アクチュエータによる駆動力を減衰
させるための減衰制御手段を備えたことを趣旨とする。
【0020】上記発明の構成によれば、請求項1乃至請
求項3の何れか一つの発明の作用に加え、支持部材を復
動させるときのアクチュエータによる駆動力が減衰制御
手段により減衰されることから、その減衰される駆動力
の分だけアクチュエータに必要な駆動エネルギーが削減
される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の穴かがり縫いミシ
ンのボタン穴形成装置を具体化した一実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明が適用される穴かがり縫い
ミシンMの外観を表す斜視図である。本実施の形態の穴
かがり縫いミシンMは、加工布Wに穴かがり縫い目70
(図6参照)を形成し、その穴かがり縫い目70の二つ
の縁かがり縫い目71,72の間の布地を切断してボタ
ン穴80を形成するいわゆるボタン穴用の穴かがり縫い
ミシンである。
【0023】図1に示すように、この穴かがり縫いミシ
ンMには、ミシンテーブル1に、ミシンモータ2、その
ミシンモータ2を起動又は停止させるためのペダル3、
穴かがり縫い目70及びボタン穴80を形成するための
種々のデータを入力するための操作パネル4及び後述す
る各部の駆動制御を行う制御装置5等が設けられる。
【0024】穴かがり縫いミシンMは、ベッド部6、脚
柱部7及びアーム部8を有し、図2に示すように、加工
布Wに穴かがり縫い目70を形成するための縫製手段と
しての縫製機構10と、加工布Wを布送りするための送
り台11と、送り台11を布送り方向へ駆動するための
送り台駆動機構12(図3参照)と、加工布Wの穴かが
り縫い目70の二つの縁かがり縫い目71,72の間の
布地を切断してボタン穴80を形成するためのカッタ1
3と、このカッタ13を上下に駆動するためのカッタ駆
動手段としてのカッタ駆動機構14(図4参照)とを備
える。
【0025】図2に示すように、縫製機構10は、アー
ム部8の頭部8aに設けられた針棒15及びその下端部
に着脱自在に装着された縫い針16と、針棒15を上下
に往復駆動すると共に左右に揺動駆動するための針棒駆
動機構(図示略)と、ベッド部6に設けられて縫い針1
6と協働して穴かがり縫い目70を形成する釜(図示
略)と、穴かがり縫いの際に加工布Wを一時的に押さえ
るための布押え機構(図示略)とを備える。そして、布
押え機構で加工布Wを一旦押さえた後、送り台11で加
工布Wを布送りしながらこの縫製機構10を駆動させる
ことにより、図6に示す穴かがり縫い目70を形成する
ことができる。図6に示すように、穴かがり縫い目70
は、左縁かがり縫い目71と右縁かがり縫い目72とを
有し、更に、その前端部には前閂止め縫い目73を、後
端部には後閂止め縫い目74をそれぞれ有する。尚、通
常の縫製時には、前閂止め縫い目73の一部、左縁かが
り縫い目71、後閂止め縫い目74、右縁かがり縫い目
72及び前閂止め縫い目73の残りの部分の順で縫い目
が形成される。又、図6に示す長さg,a,f等は操作
パネル4にて設定されるデータである。
【0026】次に、前述した送り台11と送り台駆動機
構12について説明する。図2,図3に示すように、送
り台11は前後に長い板状に形成され、その前端部に
は、穴かがり縫い目70及びボタン穴80を形成するた
めの長孔11aが形成される。ベッド部6の上面部分に
は左右一対の案内板20が嵌め込まれ、それらの案内板
20の間で送り台11が前後に移動可能にガイド支持さ
れる。
【0027】送り台駆動機構12は、送り台11の後端
部下面側に固定された可動部材21と、前後に長い連結
ロッド23により可動部材21に固定的に連結された可
動部材22と、可動部材22を次に述べる機構によって
前後に駆動する布送り用パルスモータ24とを備える。
【0028】連結ロッド23は、可動部材21,22の
左端部(図3の奥手側)を挿通して延び、可動部材2
1,22の前後両側において一対の軸受25を介してミ
シン機枠に前後に移動可能にガイド支持される。連結ロ
ッド23の右側には、前後に長いロッド26が固定的に
設けられ、このロッド26に可動部材22の右端部が軸
受22aを介して前後に移動自在にガイド支持されてい
る。
【0029】布送り用パルスモータ24の出力軸には駆
動プーリ27が固着され、駆動プーリ27の後方には従
動プーリ(図示略)がミシン機枠に固定的に設けられ、
これら両プーリに無端状のベルト28が掛け渡されてい
る。このベルト28の一部に前述の可動部材22が固定
され、パルスモータ24が駆動されることにより、可動
部材22,21と共に送り台11が前後に駆動される。
【0030】ところで、可動部材22には、前端部に布
押え31を取り付けた押え腕30の後端部が、左右方向
向きの軸心回りに回動可能に連結される。この布押え3
1は、前述した布押え機構を構成するものであり、付勢
部材(図示略)により押え腕30を介して下方へ付勢さ
れ、布押え31で送り台11上に加工布Wを押圧固定で
きるようになっている。
【0031】図4にカッタ駆動機構14の構成を側面図
に示す。ここで、カッタ13は、カッタ駆動機構14に
より上下に往復動される取付軸40の下端のホルダ41
に対して、ビス41aを介して取り付けられる。図4に
示すように、カッタ13は、縫い針16よりも僅かに後
方で取付軸40に取り付けられる。この取付軸40は、
カッタ駆動用ソレノイド(以下、単に「ソレノイド」と
いう)45のプランジャ45aに作動腕46等を介して
連結される。作動腕46は後端側が上方に屈曲した略L
字型に形成され、その中央部が、左右方向に伸びる支軸
46aを介してミシン機枠に揺動可能に支持される。作
動腕46の前端部はリンク47を介して取付軸40に連
結され、作動腕46の後上端部は、ソレノイド45から
突出したプランジャ45aに連結される。又、作動腕4
6の中央部分は、バネ部材48により上方へ付勢され
る。この実施の形態で、カッタホルダ41、取付軸4
0、作動腕46及びリンク47等は、カッタ13を加工
布Wに対して往復動可能に支持するための本発明の支持
部材に相当する。又、ソレノイド45は、カッタ13を
取付軸40等と共に加工布Wに対して往復動させるため
の本発明のアクチュエータに相当する。
【0032】ここで、ソレノイド45は、その通電状態
に応じてプランジャ45aを突出方向及び退避方向へ駆
動することができる双方向ソレノイドである。即ち、ソ
レノイド45は、加工布Wを切断するためにカッタ13
を下方へ往動させる往動用ソレノイドの機能と、加工布
Wからカッタ13を離間させるためにカッタ13を上方
へ復動させる復動用ソレノイドの機能を兼ね備えたもの
である。従って、ソレノイド45のプランジャ45aを
突出又は退避させることにより、作動腕46、リンク4
7及び取付軸40等を介してカッタ13を上下方向へ往
復動させることができる。この実施の形態では、図4に
2点鎖線で示すように、ソレノイド45のプランジャ4
5aが突出したときにカッタ13が加工布Wを切断する
ために下方へ往動(切断動作)し、図4に実線で示すよ
うに、プランジャ45aが退避したときにカッタ13が
上方へ復動(戻り動作)するようになっている。ここ
で、バネ部材48は、取付軸40からカッタ13に至る
機構の重量を補償する程度のものであればよく、省略す
ることも可能である。
【0033】取付軸40の上方には、吸収部材49が設
けられる。この吸収部材49は、ソレノイド45による
カッタ13の復動、即ち、戻り動作を所定位置で規制吸
収するために取付軸40の上端40aに当接可能に設け
られたものである。図5に吸収部材49の断面を示す。
この吸収部材49は、筒部49aと、その筒部49aの
上端にねじ込まれた調節ネジ49bと、筒部49aの下
端から調節ネジ49bに締め付けられた支持ネジ49c
と、その支持ネジ49cの下端頭部に支持された当接片
49dと、当接片49dと調節ネジ49bとの間に設け
られた圧縮バネ49eとを備える。当接片49dは、取
付軸40の上端40aに当接可能に配置され、圧縮バネ
49eとの協働により上端40aの当接に対して緩衝機
能を発揮する。即ち、戻り動作する取付軸40の上端4
0aが当接片49dに当接することにより、当接片49
dは圧縮バネ49eの付勢力に抗しながら支持ネジ49
cに沿って押し上げられる。このときの圧縮バネ49e
の付勢力により、取付軸40の上動、即ち、カッタ13
の戻り動作が規制吸収される。取付軸40の上端40a
と当接片49dとの距離は、調節ネジ49bにより調節
可能である。
【0034】図7は、上端面51aを長孔11aから突
出させて(図10参照)送り台11の下に配設される針
板51の構成を表す平面図である。図8は、剛体として
のカッタアンナイ53及び弾性体としてのゴム55をそ
の針板51から除去した針板本体57の構成を表す平面
図である。図9(A),(B)は、それぞれ図7のB−
B線、C−C線に沿った断面図である。
【0035】図8に示すように、針板本体57には、縫
い針16が右又は左に揺動駆動された状態でも貫通可能
なように左右方向に細長く形成された針穴59と、ボタ
ン穴80の形成時にカッタ13の刃先が挿入される前後
に長い長孔61とが形成される。図8及び図9に示すよ
うに、長孔61の周囲には、下方に窪んだ凹部63が形
成され、その凹部63の左右端縁に沿ってピン穴65が
等間隔に形成される。
【0036】凹部63内に対向配置される一対のカッタ
アンナイ53は、図7に示すように、前後方向両端が互
いに対向する方向に突出しており、この一対のカッタア
ンナイ53を突き合わせることにより、両者の間にカッ
タ穴67が形成される。図9(A),(B)に示すよう
に、カッタアンナイ53の高さは、凹部63に配設した
ときその上端面53aが針板本体57の上端面57aと
揃うように設定され、カッタ穴67の左右端縁を規定す
る部分には上方にテーパが施される。
【0037】この針板51は、カッタアンナイ53を凹
部63の中央で突き合わせて配置すると共に、全てのピ
ン穴65に針板本体57の上端面57aに達しない範囲
で下側からピン(図示略)を挿入した上で、凹部63に
流動状態のゴム55を上端面57aと同じ高さまで流し
込むことにより製造される。すると、ゴム55が固化し
てから上記ピンを抜去することにより、図7及び図9
(A)に示すように、ゴム55には上端面55aに開口
しない円筒状の中空部69が等間隔に形成される。この
ため、ゴム55の柔軟性が向上する。
【0038】次に、この実施の形態における穴かがり縫
いミシンのボタン穴形成装置の電気的構成を、図11に
示すブロック図に従って説明する。
【0039】図11は制御装置5の構成を示すものであ
り、制御回路81と、その制御回路81に電源を供給す
るための電源回路82とを備える。制御回路81は、中
央処理装置(CPU)83と、そのCPU83にそれぞ
れ接続されたリードオンリメモリ(ROM)84、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)85、入力回路86及び
出力回路87とを備える。ROM84は、このミシンM
の運転に必要な制御プログラム等を格納するものであ
る。カッタ13の駆動を制御するためのプログラムもそ
の制御プログラムに含まれる。CPU83は、前記制御
プログラム等に基づいてミシンMの制御に係る各種演算
を実行するものである。RAM85は、CPU83の演
算結果等を一時記憶するものである。出力回路87に
は、各種駆動回路88,89,90,91,92を介し
て前述したミシンモータ2、布送り用パルスモータ2
4、布押え用パルスモータ32、針振り用パルスモータ
33及びソレノイド45が接続される。布送り用パルス
モータ24は前述した送り台駆動機構を構成するもので
ある。布押え用パルスモータ32は、前述した布押え機
構を構成するものである。針振り用パルスモータ33
は、前述したように針棒15を左右に揺動駆動するため
の針棒駆動機構を構成するものである。入力回路86に
は、前述した操作パネル4、ペダル3の操作に応答して
オン・オフされるペダルスイッチ93及び各種センサ9
4が接続される。各種センサ94は、ミシンモータ2の
動作に伴う上軸(図示略)の動きを検出するためのセン
サ、各種パルスモータ24,32,33の動作に伴う送
り台11、布押え31及び針棒15の動きを検出するた
めのセンサ、並びに、ソレノイド45の動作に伴うカッ
タ13の切断動作及び戻り動作を検出するためのセンサ
等を含む。この実施の形態では、上記制御回路81が本
発明の駆動時間制御手段に相当する。
【0040】次に、上記のように構成した穴かがり縫い
ミシンのボタン穴形成装置の制御内容を、図12(a)
〜(h)に示すタイムチャートに従って説明する。この
タイムチャートは、1回の穴かがり縫いとボタン穴形成
を実行するために制御回路81がミシンモータ2、布送
り用パルスモータ24、布押え用パルスモータ32、針
振り用パルスモータ33及びソレノイド45に送出する
各種駆動信号等の挙動を示すものである。
【0041】図12(a)に示すように、時刻t0でペ
ダル3の操作によりペダルスイッチ93がオンされて制
御回路81にスタート信号が入力されると、図12
(b)に示すように、制御回路81は、時刻t0〜t1
の間で布押え31を降下させるために、布押え駆動信号
を所定時間だけ布押えパルスモータ32へ出力する。
【0042】時刻t1で布押え駆動信号の出力が停止さ
れると、図12(c)〜(e)に示すように、制御回路
81は、同時刻t1から送り台11、針棒15及び上軸
をそれぞれ駆動させるために、布送り駆動信号、針振り
駆動信号及び上軸駆動信号を布送り用パルスモータ2
4、針振り用パルスモータ33及びミシンモータ2へそ
れぞれ出力し始める。これら駆動信号の出力は、時刻t
5まで続けられる。
【0043】そして、各種駆動信号の出力が停止される
より前の時刻t3で、図12(f)に示すように、制御
回路81は、カッタ13を下降させて加工布Wを切断す
るために、カッタ下降駆動信号を、時刻t3〜t4の所
定時間(例えば「40ms」)だけソレノイド45へ出
力する。
【0044】そして、時刻t4でカッタ下降駆動信号の
出力を停止すると同時に、制御回路81は、加工布Wの
切断を終えたカッタ13を元の位置へ戻すために、カッ
タ戻り駆動信号を、時刻t4〜t5の所定時間(例えば
「40ms」)だけソレノイド45へ出力する。
【0045】このように、制御回路81がカッタ下降駆
動信号及びカッタ戻り駆動信号の出力を制御するのは、
図12(h)に示すように、時刻t3〜t5の間でカッ
タ13の下降と戻りを制御するためである。カッタ13
が実質的に元の位置に戻るのは、カッタ戻り駆動信号の
出力が停止される時刻t6より前の時刻t5である。即
ち、ソレノイド45によりカッタ13を取付軸40等と
共に元の位置へ復動させる際、制御回路81は、カッタ
13が元の位置に復帰した後も、時刻t5〜t6の間で
カッタ戻り駆動信号を出力させることにより、取付軸4
0の上端40aが吸収部材49に少なくとも当接するま
でソレノイド45の駆動時間を制御するようにしてい
る。この実施の形態で、上記駆動時間の制御を行う制御
回路81は、本発明の駆動時間制御手段に相当する。
【0046】即ち、制御回路81は、図12に示す時刻
t1〜t5の間で、図6に示す前閂止め縫い目73(前
閂止め縫い)の一部、左縁かがり縫い目71(左千鳥縫
い)、後閂止め縫い目74(奥閂止め縫い)、右縁かが
り縫い目72(右千鳥縫い)及び前閂止め縫い目73
(前閂止め縫い)の残りの部分の順で縫い目を形成する
ために、送り駆動信号、針振り駆動信号及び上軸駆動信
号を布送り用パルスモータ24、針振り用パルスモータ
33及びミシンモータ2へそれぞれ出力する。そして、
それら一連の縫い目形成が終了する直前に、制御回路8
1は、カッタ13で布地を切断してボタン穴80を形成
するために、カッタ下降駆動信号及びカッタ戻り駆動信
号を順次にソレノイド45へ出力する。これによりボタ
ン穴かがりの縫製を完了するのである。
【0047】以上説明したように本実施の形態の穴かが
り縫いミシンのボタン穴形成装置において、加工布Wを
切断するカッタ13は、取付軸40等により加工布Wに
対して往復動可能に支持される。このカッタ13をソレ
ノイド45により取付軸40と共に加工布Wへ向けて下
降動作、即ち往動させると、ミシンMにより形成された
穴かがり縫い目72,74の間の布地がカッタ13によ
り切断される。その後、ソレノイド45により取付軸4
0と共にカッタ13を戻り動作、即ち復動させると、カ
ッタ13が加工布Wから離間され、加工布Wにボタン穴
80が形成される。そして、ソレノイド45によりカッ
タ13が復動されるときに、取付軸40の上端40aを
吸収部材49に当接させると、カッタ13の復動が加工
布Wから離間した所定位置で吸収部材49により規制吸
収されることになる。
【0048】この実施の形態では、カッタ13が取付軸
40と共にソレノイド45により復動されるときに、そ
の取付軸40の上端40aが吸収部材49に少なくとも
当接するまで、ソレノイド45の駆動時間が駆制御回路
81により制御される。即ち、取付軸40が吸収部材4
9に少なくとも当接するまでの間、カッタ13を復動さ
せるのに必要なソレノイド45の駆動が継続されるので
ある。従って、カッタ13の復動時にカッタ13が加工
布Wから離間した後も、カッタ13の運動エネルギーが
吸収部材49により規制吸収される間だけカッタ13の
運動が復動方向へ向けられ、吸収部材49の反力で往動
方向へは向くことがない。このため、ソレノイド45に
よる取付軸40等及びカッタ13の復動を吸収部材49
で規制吸収させたときにその吸収部材49の反力により
取付軸40等及びカッタ13が往動方向へリバウンドす
ることを抑えることができ、加工布Wがカッタ13によ
り二重切りされるのを未然に防止することができるよう
になる。
【0049】つまり、本来、カッタ13を戻り動作させ
るためのソレノイド45の働きは、カッタ13が布地と
の摩擦で戻り難くなるのを防止するために、補助的に動
作させる程度のものである。このときのソレノイド45
の動作は、カッタ13が布地を抜ける間だけのものであ
る。しかし、このような動作を行うと、カッタ13の戻
り動作のための運動量が大きくなり、取付軸40の上端
40aが吸収部材49に衝突して吸収部材49でうまく
吸収されずにリバウンドしてしまうことが考えられる。
このリバウンドが大きいと、ボタン穴80の二重切りが
起こり、適正な穴かがりの縫い目71,72を形成する
ことができなくなる。そこで、この実施の形態の装置で
は、カッタ13の戻り動作に必要なソレノイド45の駆
動時間を、カッタ13の運動エネルギーが吸収部材49
で吸収されるまで制御するようにしたのである。
【0050】図13には、本実施の形態のボタン穴形成
装置と従来例のそれとのカッタ下降駆動信号、カッタ戻
り駆動信号及びカッタ動作実測値に関する挙動の関係を
比較してタイムチャートに示す。図13(a1)〜(a
3)は従来例の挙動を、図13(b1)〜(b3)は本
実施の形態の挙動をそれぞれ示す。このタイムチャート
からも明らかなように、従来例では、カッタが元の位置
に戻るまでの間だけ、即ち時刻t4〜t5の間だけカッ
タ戻り駆動信号を出力することから、カッタが元の位置
に戻った後に比較的大きなリバウンドが生じることが分
かる。これに対し、本実施の形態では、カッタ13が元
の位置に戻った後も、即ち時刻t5〜t6の間もカッタ
戻り駆動信号の出力が続くことから、カッタ13が元の
位置に戻った後にリバウンドが殆ど生じないことが分か
る。
【0051】一方、この実施の形態のボタン穴形成装置
では、図10(A)に示すように、カッタ穴67の最初
の幅は、カッタ13を下降させても加工布Wの食い込み
が生じない程度に充分に小さく設定される。カッタ駆動
機構14によりカッタ13を徐々に下降させると、カッ
タ13の刃先又は加工布Wの切断部がカッタアンナイ5
3のテーパ部と接触することにより、ゴム55を変形さ
せてカッタアンナイ53を外側へ移動させることができ
る。このため、図10(B)に示すように、カッタ穴6
7の幅を徐々に広げながら加工布Wの切断を行うことが
でき、カッタ穴67への加工布Wの食い込みを生じさせ
ることなく良好にボタン穴80を形成することができ
る。
【0052】よって、この実施の形態では、厚手の加工
布Wも上記食い込みを生じさせることなく良好に切断す
ることができ、カッタ駆動機構14に加わる負荷も軽減
することができる。従って、前述のようにソレノイド4
5を用いてカッタ駆動機構14を構成し、カッタ13の
動作を極めて迅速化することができる。このため、本実
施の形態の穴かがり縫いミシンMでは、上記のような意
味で、厚手の加工布Wにボタン穴80を良好に形成する
ことができ、縫製に要するサイクルタイムを良好に短縮
することができる。
【0053】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することもできる。
【0054】(1)前記実施の形態では、請求項1に記
載の発明を、図4に示すようなカッタ駆動機構14によ
り駆動されるカッタ13を備えたボタン穴形成装置に具
体化した。これに対し、請求項2に記載の発明を、図1
7に示すようなカッタ201及びハンマ202等を備え
たボタン穴形成装置に具体化することもできる。即ち、
加工布に穴かがり縫い目を形成するための縫製手段を備
えた穴かがり縫いミシンに設けられるボタン穴形成装置
は、加工布を切断するために互いに対向配置されたカッ
タ及びハンマと、カッタ及びハンマの少なくとも一方を
往復動可能に支持するための支持部材と、カッタ及びハ
ンマを互いに協働させるために支持部材を往復動させる
アクチュエータと、そのアクチュエータによる支持部材
の復動を所定位置で規制吸収するために支持部材に当接
可能に設けられる吸収部材とを備える。そして、アクチ
ュエータにより支持部材を往動させてカッタ及びハンマ
を互いに当接させることにより、縫製手段により形成さ
れる穴かがり縫い目の間の布地を切断し、アクチュエー
タにより支持部材を復動させてカッタ及びハンマを互い
に離間させることにより、加工布からカッタ及びハンマ
の少なくとも一方を離間させてボタン穴を形成するよう
に構成する。このようなボタン穴形成装置において、ア
クチュエータにより支持部材を復動させるとき、支持部
材が吸収部材に少なくとも当接するまでアクチュエータ
の駆動時間を制御するための駆動時間制御手段を設け
る。ここで、アクチュエータとして、前記実施の形態と
同様にソレノイドを採用することができる。駆動時間制
御手段として、前記実施の形態と同様の制御回路81を
採用することができる。このような構成によっても、前
記実施の形態と同等の作用及び効果を得ることができ
る。即ち、支持部材の復動時にカッタ及びハンマの少な
くとも一方が加工布から離間した後も、支持部材が吸収
部材に少なくとも当接するまでの間だけ支持部材の運動
が復動方向へ向けられ、往動方向へ向くことがない。こ
の結果、アクチュエータによるカッタ又はハンマの復動
を吸収部材により規制吸収させたときのカッタ又はハン
マのリバウンドを抑えることができ、加工布がカッタに
より二重切りされるのを未然に防止することができる。
【0055】(2)前記実施の形態では、図12(f)
〜(h)に示すように、カッタ下降駆動信号に対するカ
ッタ戻り駆動信号の出力時間を一定とした。これに対
し、図14(a)〜(c)に示すように、前記ミシンM
及びボタン穴形成装置の構成において、カッタ下降駆動
信号に対するカッタ戻り駆動信号の出力時間、即ちカッ
タ13の戻り動作のためのソレノイド45の駆動時間を
任意に変更するように構成することにより、請求項3に
記載の発明を具体化することができる。この場合、制御
装置5を構成する制御回路81及び操作パネル4を、駆
動時間を任意に変更するための本発明の駆動時間変更手
段として構成することができる。そして、操作パネル4
に設けられた特定のキー等を使用者が操作することによ
り、図14(b)に示すカッタ戻り駆動信号の出力時
間、特に時刻t3以降の継続時間を破線で示すように任
意に短縮したり、延長したりしてもよい。この構成によ
れば、厚物や重ね合わせた加工布の違いに応じてソレノ
イド45等のアクチュエータの駆動時間を任意に設定す
ることが可能になる。このため、前記実施の形態の効果
に加え、縫製及びボタン穴形成に必要なサイクルタイム
を、厚物や重ね合わせた加工布の違いに応じて最適なも
のに設定することができる。
【0056】(3)前記実施の形態では、図12(f)
〜(h)に示すように、カッタ下降駆動信号に対するカ
ッタ戻り駆動信号の出力レベルを一定値とした。これに
対し、図15(a)〜(c)に示すように、前記ミシン
M及びボタン穴形成装置の構成において、カッタ下降駆
動信号に対するカッタ戻り駆動信号の出力レベル、即ち
ソレノイド45による駆動力を徐々に減衰させるように
構成することにより、請求項4に記載の発明を具体化す
ることができる。この場合、制御装置5を構成する制御
回路81を、駆動力を減衰させるための本発明の減衰制
御手段として構成することができる。即ち、図15
(b)に示すカッタ戻り駆動信号の出力レベル、特に時
刻t3以降の出力レベルを、時刻t4までの間で徐々に
減衰させるようにしてもよい。この構成によれば、減衰
される駆動力の分だけソレノイド45等のアクチュエー
タに必要な駆動エネルギー、即ち消費電力が削減され
る。このため、前記実施の形態のボタン穴形成装置より
も省エネルギータイプのボタン穴形成装置を提供するこ
とができる。
【0057】(4)前記実施の形態では、カッタ13の
取付軸40の上端40aに吸収部材49を当接可能に設
けたが、カッタホルダ41の上端に吸収部材を当接可能
に設けてもよい。
【0058】(5)前記実施の形態では、カッタ13を
往復動させるためのアクチュエータとして双方向タイプ
のソレノイド45を設けたが、カッタを往動させるため
のソレノイドと、カッタを復動させるためのソレノイド
とを個別に設けてもよい。
【0059】(6)前記実施の形態では、アクチュエー
タとしてソレノイド45を設けたが、このソレノイド4
5と同程度の出力を得ることができるものであれば、例
えば、エアシリンダをアクチュエータとして設けること
もできる。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
カッタの復動時に支持部材が吸収部材に少なくとも当接
するまでアクチュエータの駆動時間を制御するようにし
たので、支持部材の復動を吸収部材で規制吸収させたと
きの支持部材のリバウンドを抑えることができ、加工布
がカッタにより二重切りされるのを未然に防止すること
ができるという効果を発揮する。
【0061】請求項2に記載の発明の構成によれば、支
持部材の復動時に支持部材が吸収部材に少なくとも当接
するまでアクチュエータの駆動時間を制御するようにし
たので、請求項1に記載の発明と同様、カッタ又はハン
マの復動を吸収部材で規制吸収させたときのカッタ又は
ハンマのリバウンドを抑えることができ、加工布がカッ
タにより二重切りされるのを未然に防止することができ
るという効果を発揮する。
【0062】請求項3に記載の発明の構成によれば、制
御されるアクチュエータの駆動時間を任意に変更するよ
うに構成したので、請求項1又は請求項2に記載の発明
の効果に加え、縫製及びボタン穴形成に必要なサイクル
タイムを、厚物や重ね合わせた加工布の違いに応じて最
適なものに設定することができるという効果を発揮す
る。
【0063】請求項4に記載の発明の構成によれば、ア
クチュエータにより支持部材を復動させるとき、アクチ
ュエータによる駆動力を減衰させるようにしたので、請
求項1乃至請求項3の何れか一つの発明の効果に加え、
省エネルギータイプのボタン穴形成装置を提供すること
ができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、穴かがり縫いミシンの外
観を表す斜視図である。
【図2】同じく、ミシンの縫製機構の主要部を示す側面
図である。
【図3】同じく、ミシンの送り台駆動機構を示す斜視図
である。
【図4】同じく、ミシンのカッタ駆動機構の主要部を示
す側面図である。
【図5】同じく、吸収部材を示す断面図である。
【図6】同じく、ミシンが形成する穴かがり縫い目を示
す説明図である。
【図7】同じく、ミシンの針板を示す平面図である。
【図8】同じく、針板の針板本体を示す平面図である。
【図9】同じく、(A),(B)は、針板本体を示す断
面図である。
【図10】同じく、(A),(B)は、ボタン穴形成時
の動作を示す説明図である。
【図11】同じく、制御装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図12】同じく、各種駆動信号等の挙動を示すタイム
チャートである。
【図13】同じく、カッタ動作実測値等の挙動を示すタ
イムチャートである。
【図14】別の実施の形態に係り、カッタの駆動信号等
を示すタイムチャートである。
【図15】別の実施の形態に係り、カッタの駆動信号等
を示すタイムチャートである。
【図16】従来のボタン穴形成装置のカッタ駆動機構を
示す斜視図である。
【図17】従来の別タイプのボタン穴形成装置の主要部
を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 縫製機構(縫製手段) 13 カッタ 41 カッタホルダ(支持部材) 46 作動腕(支持部材) 47 リンク(支持部材) 45 ソレノイド(アクチュエータ) 49 吸収部材 81 制御回路(駆動時間制御手段、駆動時間変更手
段、減衰制御手段) W 加工布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舟橋 暁洋 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 野村 悦造 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 蒲野 淳 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 Fターム(参考) 3B150 AA24 BA06 CC04 CE04 CE07 EE03 EE08 EE16 GD22 GD25 GD26 GF02 GF03 HA04 JA02 JA07 JA11 LA13 LB01 NA07 NA15 NB02 NB03 NB12 NC02 NC06 NC11 QA01 QA04 QA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工布に穴かがり縫い目を形成するため
    の縫製手段を備えた穴かがり縫いミシンに設けられ、 前記加工布を切断するためのカッタと、 前記カッタを前記加工布に対して往復動可能に支持する
    ための支持部材と、 前記カッタを前記支持部材と共に前記加工布に対して往
    復動させるためのアクチュエータと、 前記アクチュエータによる前記カッタの復動を所定位置
    で規制吸収するために前記支持部材に当接可能に設けら
    れる吸収部材とを備え、前記アクチュエータにより前記
    カッタを往動させることにより、前記縫製手段により形
    成される穴かがり縫い目の間の布地を切断し、前記アク
    チュエータにより前記カッタを復動させることにより、
    前記加工布から前記カッタを離間させてボタン穴を形成
    するようにした穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置
    であって、 前記アクチュエータにより前記カッタを前記支持部材と
    共に復動させるとき、前記支持部材が前記吸収部材に少
    なくとも当接するまで前記アクチュエータの駆動時間を
    制御するための駆動時間制御手段を備えたことを特徴と
    する穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置。
  2. 【請求項2】 加工布に穴かがり縫い目を形成するため
    の縫製手段を備えた穴かがり縫いミシンに設けられ、 前記加工布を切断するために互いに対向配置されたカッ
    タ及びハンマと、 前記カッタ及び前記ハンマの少なくとも一方を往復動可
    能に支持するための支持部材と、 前記カッタ及び前記ハンマを互いに協働させるために前
    記支持部材を往復動させるアクチュエータと、 前記アクチュエータによる前記支持部材の復動を所定位
    置で規制吸収するために前記支持部材に当接可能に設け
    られる吸収部材とを備え、前記アクチュエータにより前
    記支持部材を往動させて前記カッタ及び前記ハンマを互
    いに当接させることにより、前記縫製手段により形成さ
    れる穴かがり縫い目の間の布地を切断し、前記アクチュ
    エータにより前記支持部材を復動させて前記カッタ及び
    前記ハンマを互いに離間させることにより、前記加工布
    から前記カッタ及び前記ハンマの少なくとも一方を離間
    させてボタン穴を形成するようにした穴かがり縫いミシ
    ンのボタン穴形成装置であって、 前記アクチュエータにより前記支持部材を復動させると
    き、前記支持部材が前記吸収部材に少なくとも当接する
    まで前記アクチュエータの駆動時間を制御するための駆
    動時間制御手段を備えたことを特徴とする穴かがり縫い
    ミシンのボタン穴形成装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動時間制御手段により制御される
    駆動時間を任意に変更するための駆動時間変更手段を備
    えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の穴
    かがり縫いミシンのボタン穴形成装置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータにより前記支持部材
    を復動させるとき、前記アクチュエータによる駆動力を
    減衰させるための減衰制御手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の穴かがり
    縫いミシンのボタン穴形成装置。
JP11219664A 1999-08-03 1999-08-03 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置 Pending JP2001038083A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11219664A JP2001038083A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11219664A JP2001038083A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001038083A true JP2001038083A (ja) 2001-02-13

Family

ID=16739055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11219664A Pending JP2001038083A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001038083A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306875A (ja) * 2001-04-13 2002-10-22 Juki Corp ボタン穴かがりミシン
CZ303869B6 (cs) * 2001-02-23 2013-06-05 Juki Corporation Sicí stroj na knoflíkové dírky
CN113026217A (zh) * 2019-12-25 2021-06-25 本田技研工业株式会社 缝制装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ303869B6 (cs) * 2001-02-23 2013-06-05 Juki Corporation Sicí stroj na knoflíkové dírky
JP2002306875A (ja) * 2001-04-13 2002-10-22 Juki Corp ボタン穴かがりミシン
CN113026217A (zh) * 2019-12-25 2021-06-25 本田技研工业株式会社 缝制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100871007B1 (ko) 재봉틀의 실 조절 장치
CN109440312B (zh) 一种缝纫机上剪线和抬压脚装置的控制方法
EP1967629B1 (en) Sewing machine with upper thread cutting and holding mechanisms
EP1967630B1 (en) Sewing machine with upper thread cutting and holding mechanisms
JP2007252495A (ja) ミシン
JPH01303188A (ja) ベルトを縫付けるための縫製ミシン
JP2000271364A (ja) ミシンの布送り機構
JP5468236B2 (ja) 玉縁縫いミシン
JP3528251B2 (ja) ミシンの布押え装置
JP2001038083A (ja) 穴かがり縫いミシンのボタン穴形成装置
JP2001327782A (ja) 穴かがりミシンの布切り装置
JP2008220920A (ja) 玉縁縫いミシン
JP4737525B2 (ja) 鳩目穴かがりミシン
JP2009050638A (ja) ミシン
JP2003236280A (ja) ミシン
JP2000317176A (ja) 縫目ほつれ防止装置
JP2006263177A (ja) ミシン
JPH1157267A (ja) オーバーロックミシン
US4522135A (en) Looper and cam assembly for chain stitch sewing machine
JP2000262779A (ja) 千鳥縫いミシンの縫製方法および千鳥縫いミシン
JP2002066178A (ja) 穴かがりミシンのボタン穴形成装置。
JP2876884B2 (ja) ミシンの逆送り縫い制御装置
JPH04135596A (ja) 糸通過制御可能なミシン
JPH02109591A (ja) 縫目模様の重ね縫が可能なミシン
JPS6364995B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050426