JP2001036994A - 静電型電気音響変換器 - Google Patents
静電型電気音響変換器Info
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Abstract
た耐熱性を有し、超小型化に対応できるマイクロフォン
等の電気音響変換器を提供する。 【解決手段】振動板に厚さが0.5〜5μmの非展延性
金属の薄膜を使用した静電型マイクロフォン等の電気音
響変換器を提供する。
Description
て、優れた広帯域周波数特性と、優れた耐熱性を有し、
超小型化にも対応できる静電型のマイクロフォン等の音
響変換器に関するものである。
は、古典的な振動によるカーボン粒子の粗密によって生
じる電気抵抗を検出するカーボン型のマイクロフォン
や、磁場の中の可動コイルの音波による振動により発生
する電流を検出するダイナミック型マイクロフォンや、
この可動コイルに交流を流して音を発生させるダイナミ
ック型スピーカーや、この可動コイルの代わりに直接音
圧を受けるリボンを使用したリボン型の音響変換器や、
ロッシェル塩等の圧電現象を利用したクリスタル型の音
響変換器等があったが、これらは、構造が複雑だった
り、周波数特性が充分でなかったり、周波数特性がよく
ても感度が悪かったりして、構造が簡単で充分な性能を
有するものがなかった。それに対して、静電型の音響変
換器は、コンデンサーの一方の電極を音圧によって振動
する可動電極として、音をコンデンサーの静電容量の変
化として検出するものであり、簡単な構造で、それなり
に、周波数特性もよく、感度もよいものであった。
換器において、一方の電極の金属板を音圧によって振動
させ、その静電容量の変化を検出ようとしても、これま
での金属板では、それなりの厚さがあり、充分な感度が
得られなかった。また、感度を高めるため、展延性の高
い金属の薄膜を使用することも考えられるが、展延性の
高い金属は、一般に剛性が低く変形し易く、また、高価
になるので、一般には使用することは困難であった。そ
こで、静電型音響変換器では、一般に音圧で振動する可
動電極として、ポリエステルフィルム等の合成高分子フ
ィルムを担体とした振動板と、その後面に配置された電
極板としての背極板とからなり、更に、この背極板の振
動板側の表面にエレクトレット層を形成させたエレクト
レットコンデンサーマイクロホンや、その他のコンデン
サー型の音響変換器が市場に出るようになった。
合成高分子フィルムを使用した音響変換器では、音圧に
対して精度よく振動させるため適正な張力で張ることが
必要になり、例えば、マイクロフォンを組み立てる時
に、一応の張力で張られた合成高分子フィルムの張力
を、それに圧接する支持リングのねじによる締めつけに
より、調整する等の特別の操作を必要とし、また、例え
ば、特開昭57−173300号公報に開示されたよう
に、一応の張力で張られた合成高分子フィルムに、支持
リングを圧接し、フィルムの張力が適正な値になった時
に接着剤に接着する等の複雑な構造になっていた。更
に、ポリエステルフィルム等は、耐熱性が低く、音響変
換器の組み立ての際の配線等のハンダ付け等の熱による
影響を受けるおそれがあった。
題を解決するため、振動板が厚さ0.5〜5μmの非展
延性金属薄膜であることを特徴とする静電型電気音響変
換器(以下「第1発明」という)、及び、振動板が厚さ
0.5〜5μmの非展延性金属薄膜であることを特徴と
する静電型マイクロフォン(以下「第2発明」という)
を提供する。
は、振動板に厚さ0.5〜5μmの非展延性金属薄膜を
使用することを特徴としている。一般に、展延性の高い
金属として、金、銀、アルミニウム、錫等があげられて
おり、これらを箔にした金箔、銀箔、アルミニウム箔、
錫箔等はよく知られている。しかし、これらの展延性の
高い金属は、一般的に剛性が低く、非常に薄い膜にする
と、衝撃的な音圧等によって、永久変形するおそれがあ
る。本発明では、このような展延性の高い金属を避け、
薄膜にしても充分な剛性を有する非展延性金属を使用し
ている。このような非展延性金属には、ニッケル、クロ
ム、チタン等をあげることができる。また、このような
非展延性金属薄膜であっても、その厚さが、0.5μm
未満であると、衝撃的な音圧等に対する強度が充分でな
く、また、5μmを超えると、感度があまり良くならな
い。また、ここでいう音響変換器は、マイロフォンのよ
うな音波を電気振動に変換する音響変換器、及び、スピ
ーカーのような電気振動を音波に変換する音響変換器の
双方を意味する。
振動板に厚さ0.5〜5μmの非展延性金属薄膜を使用
することを特徴としており、第1発明に係わる音響変換
器をマイクロフォホンに限定するものである。このマイ
クロフォンは、現在広く使用されているエレクトレット
コンデンサーマイクロホンだけでなく、広義のコンデン
サーマイクロホンを含む。また、普通の電話の受話器や
広い会場で使用されるマイクロフォン等を含むが、特
に、小型化に対応できるので、携帯電話器等や、更に小
さいマイクロフォンをも含む。
〜5μmの非展延性金属薄膜の製造方法には、例えば、
本出願人の一人である株式会社マテリアルデザインが、
平成11年特許願第109892号の明細書において開
示したように、支持体の表面に電着等により金属薄膜層
を形成させ、得られた金属薄膜層を支持体から分離する
方法等があげられる。
板に、厚さ0.5〜5μmの非展延性金属薄膜を使用す
ると、ポリエステルフィルム等を使用した場合に比べ
て、製造が簡単になるだけでなく、優れた広帯域周波数
特性が得られる。更に、耐熱性が飛躍的に向上するの
で、リフロータイプが可能である。
リアルデザイン製「ECM用特殊振動板」)を使用し
た。図1は、このECM用特殊振動板の断面図である。
この図で、1はECM用特殊振動板、2はニッケル薄
膜、3は固定リング、4は導電性接着剤である。ニッケ
ル薄膜2は、厚さが2μmで、固定リング3に、導電性
接着剤4で接着され支持されている。固定リング3は、
ステンレススチール製で、厚さ0.5mm、外径8.6
mm、内径6.3mmの円環状をしている。
ある。この図で、1ないし4は、図1と同様に、それぞ
れ、ECM用特殊振動板、ニッケル薄膜、固定リング、
導電性接着剤を示し、5は測定ユニット、6は固定電極
ホルダー、7は絶縁スペーサー、8は固定筒、9は固定
電極、10はねじを示す。固定電極ホルダー6の先端部
に、固定電極9が電気的に絶縁されて設けられており、
固定電極ホルダー6の外径は約8.8mmで、その外周
のねじ10によって、固定筒8の中にねじ込むことがで
きるようになっている。測定ユニットの組み立ては、固
定電極ホルダー6の先端に、絶縁スペーサー7を載せ、
その先に、固定リング3を先にしてECM用特殊振動板
1を載せて、一緒に固定筒の中にねじ込むことによって
行われる。
ある。この図で、1ないし9は、図1及び図2と同一の
ものを示し、11はアース、12は荷電導線、13はレ
ーザードップラー振動計を示す。この図のように、測定
ユニット5を配置して、荷電導線12から交流信号を送
って、ニッケル薄膜2を加振し、その共振周波数をレー
ザードップラー振動計により測定した。一方、比較のた
めに、ニッケル薄膜2の代わりに、厚さ2μmのポリエ
ステルフィルムを用い、接着面を広くとるために内径を
3.6mmにして固定具に接着した他は、ニッケル薄膜
の場合と同様にして、その共振周波数を測定した。その
結果を表1に示した。なお、この表の共振周波数の単位
は、KHzである。
ルムに比較して、ニッケル薄膜は、明らかに共振周波数
が高くなっており、その高周波特性が改善され、優れた
広帯域周波数特性を有することが裏付けられている。
トレットコンデンサーマイクロホンの一つの実施例に関
する説明図である。この図で、1ないし9は、図1及び
図2と同一のものを示し、14はエレクトレットコンデ
ンサーマイクロホン、15はカプセル、16は外覆クロ
ス、17は開口部、18は導電性リング、19は背極
板、20はエレクトレット、21はホルダー、22はI
C、23はプリント基盤を示す。外部の音が、この静電
型マイクロフォン14の外覆クロス16を通過し、開口
部17からニッケル薄膜2に到達して、ニケッル薄膜2
を振動させると、ニッケル薄膜2と背極板19の上面に
設けられたエレクトレット20とで構成されるコンデン
サーの静電容量が変化する。その変化をIC22で処理
して電気信号としてプリント基盤23に送り、音信号と
して処理される。
は、前述のような構成であるので、従来のエレクトレッ
トコンデンサーマイクホン等の静電型電気音響変換器に
比べて、構造が簡単であって、優れた広帯域周波数特性
と、優れた耐熱性とを有し、マイクロフォン等の音響変
換器の性能を飛躍的に向上させることができ、また、超
小型化にも対応できるものであるので、情報関連機器の
品質の向上と価格の低廉化を通して、国民の生活の向上
と産業の発展に大きく貢献するものである。
である。
ある。
実施例に関する説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】振動板が厚さ0.5〜5μmの非展延性金
属薄膜であることを特徴とする静電型電気音響変換器 - 【請求項2】振動板が厚さ0.5〜5μmの非展延性金
属薄膜であることを特徴とする静電型マイクロフォン
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8240217B2 (en) | 2007-10-15 | 2012-08-14 | Kavlico Corporation | Diaphragm isolation forming through subtractive etching |
KR101357329B1 (ko) | 2012-10-24 | 2014-02-03 | 이오스 재팬, 인코포레이티드 | 정전형 스피커용 진동판 어셈블리 및 그 제조방법 |
-
1999
- 1999-07-16 JP JP23304499A patent/JP3491227B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101357329B1 (ko) | 2012-10-24 | 2014-02-03 | 이오스 재팬, 인코포레이티드 | 정전형 스피커용 진동판 어셈블리 및 그 제조방법 |
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JP3491227B2 (ja) | 2004-01-26 |
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