JP2001034922A - 磁気ヘッドクリーニング媒体 - Google Patents

磁気ヘッドクリーニング媒体

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JP2001034922A
JP2001034922A JP11207797A JP20779799A JP2001034922A JP 2001034922 A JP2001034922 A JP 2001034922A JP 11207797 A JP11207797 A JP 11207797A JP 20779799 A JP20779799 A JP 20779799A JP 2001034922 A JP2001034922 A JP 2001034922A
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magnetic
magnetic head
tape
layer
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Satoshi Kawamura
智 川村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドのクリーニング効果を向上させる
と同時に、摺動部材の磁性脱落粉やゴミの再付着を防止
することにより磁気変換特性の劣化を防止し、更に、摩
擦係数の増大を抑制することにより走行性及び耐久性を
向上させる。 【解決手段】 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機
化合物を、非磁性支持体裏面に存在するバック層1上に
トップコートし、更に巻き取りの状態で研磨面側にパー
フルオロポリエーテル基をもつ有機化合物が移行できる
ようにする。上記パーフルオロポリエーテル層4による
保護・湿潤層が、摺動部材上に形成されるため、防摩擦
係数の増大と磁性脱落粉及びゴミ等の再付着の防止が可
能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録装置の磁
気ヘッドクリーニング媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、磁気ヘッドとの相対運
動のもとに磁化エネルギーから電気信号への変換を行っ
ており、これを磁気変換という。磁気変換特性は、磁気
記録媒体を走行させた際に脱落した磁性粉(以後、磁性
脱落粉とする。)及びゴミなどが磁気ヘッドの表面に蓄
積することにより劣化する。このことを防ぐため、磁気
ヘッドは、非磁性支持体表面に研磨剤を含有させた塗料
を塗布したクリーニングテープを用いて磁性脱落粉及び
ゴミを除去することで、クリーニングされている。しか
し、上記クリーニングテープは、単に磁気ヘッドの磁性
脱落粉及びゴミを除去するだけのものであり、磁性脱落
粉及びゴミの再付着を防ぐまでには至らない。
【0003】また、近年、高密度な磁気記録媒体が必要
とされているため、磁気記録媒体の磁性面の平滑性がよ
り高まる傾向にある。このため、磁気テープと固定ヘッ
ド及びテープガイド等の摺動部位との接触面積が大きく
なり、そのことにより、この部位における摩擦係数が増
大している。それに伴って走行性不良と繰り返し走行耐
久性及びスチル耐久性等各種耐久性不良とが生じるた
め、問題となっている。この傾向は、非磁性支持体上に
研磨層を有するだけの上記クリーニングテープを使用し
た際には十分に改善できない。
【0004】更に、VTR走行系としては、VHSに採
用されており、磁気記録媒体(以下、単に磁気テープと
する)の裏面側に摺動部材を多く有するMローディング
方式が知られている。かかる方式のVTRに使用される
磁気ヘッドクリーニング媒体は、裏面側に存在する摺動
部材に対する摩擦係数の増大と磁性脱落粉及びゴミ等の
再付着とを防止する能力をもつことも要求される。しか
し、上記クリーニングテープは、磁気テープ表面側に存
在する摺動部材をクリーニングするものの、裏面側に存
在する摺動部材に対する摩擦係数の増大と磁性脱落粉及
びゴミ等の再付着とを防止し、走行性及び耐久性を改善
するには至らない。
【0005】クリーニングテープにより摩擦係数の増大
と磁性脱落粉及びゴミ等の再付着との防止を行う方法と
して、パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を
研磨層へ含有させる方法又は研磨層の表面に塗布させる
方法が、特開平8−34995号で開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法は
磁気テープ表面側に存在する摺動部材に対しては摩擦係
数の増大と磁性脱落粉及びゴミ等の付着との防止に対す
る効果を発揮するが、裏面に存在する摺動部材に対して
はあまり効果を発揮しない。つまり、磁気テープ裏面側
に摺動部材が多く存在するVTR走行系等において、上
記の方法は、走行性不良、各種耐久性不良を十分に改善
することができなかった。
【0007】本発明はこのような従来の実状に鑑みて提
案されたものであり、磁気ヘッド等磁気テープ表面側に
存在する摺動部材に対するクリーニングと同時に、テー
プガイド等磁気テープ裏面側に存在する摺動部材に対す
る摩擦係数の増加を防止することによる走行性及び各種
耐久性の改善と、磁性脱落粉及びゴミ等の再付着防止に
よる磁気変換特性の劣化の防止とが可能である磁気ヘッ
ドクリーニング媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる磁気ヘッドクリーニング媒体は、
非磁性支持体の表面に研磨層が存在されると共に裏面に
バック層が形成されてなり、上記バック層には、パーフ
ルオロポリエーテル基をもつ有機化合物がトップコート
されていることを特徴とするものである。
【0009】以上のように構成された本発明にかかる磁
気ヘッドクリーニング媒体においては、トップコートさ
れた有機化合物中に存在するパーフルオロポリエーテル
基が、磁気テープに接する摺動部材の表面にフッ素系物
質から成る湿潤な保護層(以下、保護・湿潤層とす
る。)を形成する。上記保護・湿潤層が、磁気テープに
接する摺動部材の摩擦係数の増大と磁性脱落粉及びゴミ
等の再付着とを防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる磁気ヘッド
クリーニング媒体の具体的な実施の形態について図面を
参照して説明する。
【0011】本発明を適用した磁気ヘッドクリーニング
媒体は、図1に示すように、非磁性支持体1と、この非
磁性支持体1の一方の主面1a上に形成された研磨層2
と、非磁性支持体1の他方の主面1b上に形成されたバ
ック層3と、バック層3にトップコートされて作製され
たパーフルオロポリエーテル層4から構成されているク
リーニングテープである。
【0012】パーフルオロポリエーテル層4に使用され
るパーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物の分子
量は、特に限定しないが600から5000程度が望ま
しい。分子量が小さすぎる場合には、パーフルオロポリ
エーテル基の効果が小さくなり、保護・湿潤層の役割が
不十分になる。また、分子量が大きすぎる場合には、末
端基の効果が小さくなり、パーフルオロポリエーテル部
分の効果が大きくなるため、溶剤への溶解性が悪くな
る。
【0013】バック層にトップコートする際のパーフル
オロポリエーテル基をもつ有機化合物のトップコート量
(塗布量)は、バック層の単位表面積当たりの総重量で
表した場合に、5mg/m2〜200mg/m2とするこ
とが好ましい。
【0014】塗布量が5mg/m2未満であると、クリ
ーニングテープを使用することにより形成された衝動部
材の保護・湿潤層が不安定になるため、磁気ヘッドの摩
擦係数の増大の抑制と磁性脱落粉及びゴミ等の再付着防
止とが十分になされない。また、走行性及び各種耐久性
も向上しない。一方、塗布量が200mg/m2を越え
ると、クリーニングテープを使用した際にクリーニング
テープと磁気ヘッド等の衝動部材等とが貼り付いてしま
い、クリーニングテープの走行性そのものが問題となる
ため、クリーニングテープの使用自体が不可能になる。
【0015】上記パーフルオロポリエーテル基をもつ有
機化合物を塗布あるいは噴霧するバック層の表面粗さ
は、中心線平均粗さRaで、0.008μm〜0.03
0μmであることが望ましい。
【0016】バック層の表面粗さが0.008μm未満
であると、クリーニングテープを使用した際にクリーニ
ングテープと磁気ヘッド等の摺動部材とが貼り付いてし
まい、クリーニングテープの走行性そのものが問題とな
るため、クリーニングテープの使用自体が不可能にな
る。また、0.030μmを越えると、クリーニングテ
ープを使用することにより形成された摺動部材の保護・
湿潤層が不安定となるため、摩擦係数の増大と磁性脱落
粉及びゴミ等の再付着とが十分に防止されない。また、
走行性及び各種耐久性も向上しない。
【0017】非磁性支持体1の原料は、ポリエチレンテ
レフタレートの他、クリーニングテープの非磁性支持体
として従来から公知のものが使用可能であり、何ら制限
されるものではない。
【0018】研磨層2は、研磨剤及びバインダー及び添
加剤を混合して作製されたもの(以下、研磨性媒体とす
る。)を、非磁性支持体1の一方の主面1a上に塗布あ
るいは蒸着することにより形成される。この層に含まれ
る研磨剤が異物を除去することによっても磁気ヘッドな
どのクリーニングがおこなわれる。使用される研磨剤の
例としては、CoγFe23、αA123等が挙げられ
るが、これ以外にも従来から公知のものが使用可能であ
り、何ら制限されるものではない。
【0019】バインダーは、研磨剤及び添加物の分散性
とクリーニングテープの耐摩耗性及び耐熱性及び耐候性
等の向上、更にクリーニングテープと非磁性支持体との
貼り付きの防止等の目的で添加する。例としては、塩化
ビニル系共重合体、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体等が挙げられる。バインダーはこれら以
外にも従来から公知のものが使用可能であり、何ら制限
されるものではない。
【0020】添加剤は、摩擦による帯電のためにゴミの
吸着を防ぐこと(帯電防止剤)、及び摩擦係数を下げて
走行性を安定させること(潤滑剤)、及びテープに適当
な柔軟性をもたせること(可塑剤)等を目的として添加
される。例としては、カーボン、ステアリン酸、ブチル
ステアレート等が挙げられる。添加剤はこれら以外にも
従来から公知のものが使用可能であり、何ら制限される
ものではない。
【0021】バック層3は、上記バインダー及び添加剤
を混合して作製されたもの(以下、バック層塗料とす
る。)を、非磁性支持体1の一方の主面1b上に塗布あ
るいは蒸着することにより成る。バック層3により、ク
リーニングテープの走行性が向上することが知られてい
る。
【0022】パーフルオロポリエーテル層4は、バック
層3上にパーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物
をトップコートすることにより成る。トップコートは、
塗布あるいは噴霧により行われる。
【0023】尚、上記パーフルオロポリエーテル基をも
つ有機化合物としては、式1で表される化合物以外に、
次の化2〜化5の構造式で表される化合物を使用するこ
とも可能である。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】上述したクリーニングテープを使用するこ
とにより、磁気テープ裏面側に存在する摺動部材に対し
て保護・湿潤層を形成することができる。上記保護・湿
潤層により、磁気テープ裏面側に存在する摺動部材に対
しても摩擦係数の増大と磁性脱落粉及びゴミ等の再付着
とが十分に防止される。そのため、磁気テープ裏面側に
摺動部材を多く有するMローディング方式を採用してい
るVTR走行系のクリーニングが効果的に行われる。
【0029】また、上記パーフルオロポリエーテル層4
は、クリーニングテープ巻き取り状態では上記研磨層2
と密着している。この状態の時に研磨層2上にもパーフ
ルオロポリエーテル基をもつ有機化合物が移行し、それ
により、上記有機化合物は磁気テープ表面側に存在する
摺動部材に対しても保護・湿潤層を形成することができ
る。これにより、磁気テープ表面側に存在する磁気ヘッ
ド等の摺動部材に対しても摩擦係数の増大と磁性脱落粉
及びゴミ等の再付着とが十分に防止される。
【0030】
【実施例】次に、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて説明する。
【0031】 実施例1 研磨層塗料組成 研磨性物質:CoγFe23 100重量部 αA123 10重量部 バインダー:塩化ビニル系共重合体 日本ゼオン社製、商品名MR−110 10重量部 ポリウレタン樹脂 日本ポリウレタン社製、商品名N−2304 10重量部 添加剤 :カーボン 3重量部 ステアリン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 溶剤 :メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 60重量部 以上を混合し、研磨層塗料とした。
【0032】 バック層塗料組成 バインダー:ポリウレタン樹脂 日本ポリウレタン社製、商品名N−2304 33重量部 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 UCC社製、商品名VAGH 34重量部 添加剤 :カーボンブラック(旭カーボン#80) 100重量部 溶剤 :メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 250重量部 シクロヘキサノン 250重量部 以上を混合し、バック層塗料とした。
【0033】非磁性支持体層には、7μm厚ポリエチレ
ンテレフタレートを使用した。また、ポリフルオロエー
テル層には、化6で表されるパーフルオロポリエーテル
基をもつ有機化合物を使用した。
【0034】
【化6】
【0035】上記ポリエチレンテレフタラートの一方に
研磨性媒体を2μmの厚さで、もう一方にバック層塗料
を1μmの厚さでそれぞれ塗布し、乾燥工程を経た後、
パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が100mg/m2になるようにバック層表面へトップ
コートし、クリーニングテープを得た。尚、この時クリ
ーニングテープのバック層の粗さRaは0.020μm
とした。
【0036】実施例2 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が5mg/m2になるようにバック層表面へトップコー
トした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテー
プを得た。
【0037】実施例3 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が10mg/m2になるようにバック層表面へトップコ
ートした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテ
ープを得た。
【0038】実施例4 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が200mg/m2になるようにバック層表面へトップ
コートした以外は、実施例1と同様にしてクリーニング
テープを得た。
【0039】比較例1 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が1mg/m2になるようにバック層表面へトップコー
トした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテー
プを得た。
【0040】比較例2 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が300mg/m2になるようにバック層表面へトップ
コートした以外は、実施例1と同様にしてクリーニング
テープを得た。
【0041】比較例3 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物をバック
層及び研磨層表面のいずれへもトップコートしなかっ
た。それ以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテ
ープを得た。
【0042】比較例4 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が5mg/m2になるように研磨層表面へトップコート
した以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープ
を得た。
【0043】比較例5 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が10mg/m2になるように研磨層表面へトップコー
トした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテー
プを得た。
【0044】比較例6 パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物を塗布量
が200mg/m2になるように研磨層表面へトップコ
ートした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングテ
ープを得た。
【0045】実施例5 表面粗さRaをカレンダー条件の処理条件及び添加剤の
条件を変化させることにより0.0008μmとした以
外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープを得
た。
【0046】実施例6 表面粗さRaをカレンダー工程の処理条件及び添加剤の
条件を変化させることにより0.0020μmとした以
外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープを得
た。
【0047】実施例7 表面粗さRaをカレンダー工程の処理条件及び添加剤の
条件を変化させることにより0.0030μmとした以
外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープを得
た。
【0048】比較例7 表面粗さRaをカレンダー工程の処理条件及び添加剤の
条件を変化させることにより0.0006μmとした以
外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープを得
た。
【0049】比較例8 表面粗さRaをカレンダー工程の処理条件及び添加剤の
条件を変化させることにより0.0032μmとした以
外は、実施例1と同様にしてクリーニングテープを得
た。
【0050】これら実施例及び比較例について、最終ク
リーニングテープの磁気ヘッドクリーニング媒体として
の評価結果を表1及び表2に示す。尚、評価方法は以下
に示す方法に従った。
【0051】<回転ヘッドクリーニング力>上述したク
リーニングテープが、磁気ヘッドの一種である回転ヘッ
ドに対して行うクリーニングの効果を示したものであ
る。ここではD2フォーマットのVTRであるSONY
DVR−10(以下、単にD2フォーマットのVTR
とする。)と加速効果を得るために8mm Hi−8テ
ープをD−2規格19.010mm幅でスリットし作製
したものである加速試験テープ(以下、単に加速試験テ
ープとする。)を使用した。
【0052】上記加速試験テープを走行させ、D2フォ
ーマットのVTRの回転ヘッド摺動面に対する磁性脱落
粉及びゴミの量が、回転ヘッド摺動面に対する面積比で
表した際に約50%蓄積するまでにした後に、試作した
クリーニングテープを20秒走行させ、回転ヘッド摺動
面に残存している磁性脱落粉及びゴミの量を測定するこ
とで表した。この時除去された磁性脱落粉及びゴミの量
が、図3に示すように80%以上の場合を○とし、80
%未満の場合を×とした。
【0053】<摩擦係数>上述したクリーニングテープ
と、摺動部材との間の摩擦を示したものである。摩擦係
数は、図2に示したように、D−2テープガイド6とD
−2固定ヘッド5の組み合わせからなる摺動部材に対し
て、長さ40mの試作したクリーニングテープを100
回摺動させて求めた。
【0054】<繰り返し走行耐久性>上述したクリーニ
ングテープでクリーニングを行った後、磁気テープを繰
り返し走行させ、その際の耐久性を示したものである。
D2フォーマットのVTRにおいて、試作したクリーニ
ングテープを20秒走行させた後、加速試験テープを繰
り返しスロー再生し、貼り付き現象が起きるまでの回数
を測定して求めた。スロー再生の条件は、1/30倍速
で1秒間とした。尚、回数の上限は500回とし、それ
以上は打ち切りとした。
【0055】<磁気ヘッド表面脱落ゴミ蓄積量>上述し
たクリーニングテープによりクリーニングを行った後
に、ゴミがどの程度再付着するかを示したものである。
試作したクリーニングテープをD2フォーマットのVT
Rで20秒走行させた後に加速試験テープを90分走行
させ、回転ヘッド摺動面に残存している磁性脱落粉及び
ゴミの量を測定することで表した。この時残存する磁性
脱落粉及びゴミの量が、図4に示すように回転ヘッド摺
動面に対する面積比で50%以上の場合を×とし、25
%以上50未満の場合を△とし、25%未満の場合を○
とした。
【0056】<スチル耐久性>上述したクリーニングテ
ープによりクリーニングを行った後に、磁気テープのス
チル・モードで再生を行い、その際の耐久性を示したも
のである。D2フォーマットのVTRにおいて加速試験
テープを用いてスチル・モードで連続再生を行った際、
回転ヘッド出力が出なくなるまでの時間で表した。尚、
時間の上限は300分とし、それ以上は打ち切りとし
た。
【0057】表1は実施例1〜実施例4及び比較例1〜
比較例6の結果を示したもので、パーフルオロポリエー
テルの存在量及び塗布する場所の違いによる試作クリー
ニングテープのクリーニング効果を比較している。
【0058】
【表1】
【0059】表1より、パーフルオロポリエーテルのバ
ック層へのトップコート量は、5mg/m2〜200m
g/m2が適当であることが判明した。
【0060】上述した範囲よりトップコート量が少ない
場合あるいは塗布を全くしない場合には、比較例1及び
比較例3に見られるように、繰り返し走行耐久性及びス
チル耐久性が悪くなり、ヘッド面ゴミ蓄積量も多いこと
が判明した。また、上述した範囲よりトップコート量が
多い場合には、比較例2に見られるように、クリーニン
グテープを使用した際にクリーニングテープと磁気ヘッ
ドドラム及び固定ヘッド等の衝動部材とが貼り付き、ク
リーニングテープの走行性そのものが問題となるため、
クリーニングテープの使用そのものが不可能となること
が判明した。
【0061】実施例1〜実施例4及び比較例4〜比較例
6より、パーフルオロポリエーテル基をもつ有機化合物
は、非磁性支持体のバック層にトップコートする方が、
研磨層へトップコートするよりも走行性及び耐久性の改
善効果が高いことが判明した。研磨層へトップコートし
た際には、スチル耐久性及びヘッド面ゴミ蓄積量は変わ
らないが、繰り返し走行耐久性が悪くなるためである。
【0062】表2は実施例5〜実施例7及び比較例7〜
比較例8の結果を示したもので、パーフルオロポリエー
テルをトップコートしたバック層の中心線平均粗さRa
の違いによる試作クリーニングテープのクリーニング効
果を比較している。
【0063】
【表2】
【0064】表2より、パーフルオロポリエーテルをト
ップコートした際のバック層の中心線平均粗さRaは、
0.008μm〜0.030μmが適当であることが判
明した。
【0065】この範囲よりRaが小さい際には、比較例
7に見られるように、クリーニングテープを使用した際
にクリーニングテープと磁気ヘッドドラム及び固定ヘッ
ド等の衝動部材とが貼り付き、クリーニングテープの走
行性そのものが問題となるため、クリーニングテープの
使用そのものが不可能となる事が判明した。また、この
範囲よりRaが大きい際には、比較例8に見られるよう
に、繰り返し走行耐久性及びスチル耐久性が悪くなり、
ヘッド面ゴミ蓄積量も多いことが判明した。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気ヘッドクリーニング媒体は、磁気ヘッドの
クリーニングを行うと同時に、パーフルオロポリエーテ
ルが形成する保護・湿潤層によって、磁性脱落粉やゴミ
の再付着を防止することができる。このことにより、磁
気変換特性の劣化の防止及び摩擦係数の増大の防止が可
能となり、走行性及び各種耐久性の向上等の点でこれま
で以上に優れた磁気ヘッドクリーニング媒体を提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドクリーニング媒体
の要部断面図である。
【図2】摩擦係数測定の方法を示した模式図である。
【図3】回転ヘッドに対するクリーニング効果の判定基
準を示した模式図である。
【図4】磁気ヘッド表面に再付着したゴミの蓄積量を示
した模式図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 研磨層、3 バック層、4 パ
ーフルオロポリエーテル層、5 D−2固定ヘッド 、
6 D−2テープガイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の表面に研磨層が形成され
    ると共に裏面にバック層が形成されてなり、 上記バック層には、パーフルオロポリエーテル基をもつ
    有機化合物がトップコートされていることを特徴とする
    磁気ヘッドクリーニング媒体。
  2. 【請求項2】 上記有機化合物は、下記の化1に示す構
    造式の化合物であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気ヘッドクリーニング媒体。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記有機化合物のトップコート量が5m
    g/m2〜200mg/m2であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッドクリーニング媒体。
  4. 【請求項4】 上記バック層の表面粗さが、中心線平均
    粗さRaで0.008μm〜0.030μmであること
    を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドクリーニング媒
    体。
  5. 【請求項5】 Mローディング方式の磁気記録再生装置
    に装着使用されることを特徴とする請求項1記載の磁気
    ヘッドクリーニング媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015028614A (ja) * 2013-06-25 2015-02-12 キヤノン株式会社 電子写真用中間転写体及び電子写真装置

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JP2015028614A (ja) * 2013-06-25 2015-02-12 キヤノン株式会社 電子写真用中間転写体及び電子写真装置

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