JP2001034918A - 薄膜磁気ヘッド及び浮上式磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及び浮上式磁気ヘッド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上部シールド層に大きな段差を発生させるこ
とがなく、また上部シールド層または下部シールド層と
スピンバルブ型薄膜磁気素子がショートする確率を低く
できる薄膜磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 フリー磁性層22、非磁性導電層23、
固定磁性層24、反強磁性層25が積層されるととも
に、フリー磁性層22に検出電流を与える導電層26、
26と、フリー磁性層22の磁化方向を揃える絶縁性バ
イアス層28、28とを備えたスピンバルブ型薄膜磁気
素子10と、スピンバルブ型薄膜磁気素子10の厚さ方
向両側に積層された一対のシールド層12、13を具備
してなり、一方のシールド層12に、スピンバルブ型薄
膜磁気素子10側に向けて突出する凸部12aが形成さ
れるとともに、絶縁性バイアス層28、28が凸部12
aのトラック幅方向両側に配置されたことを特徴とする
薄膜磁気ヘッド3を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド及
びこの薄膜磁気ヘッドを備えた浮上式磁気ヘッドに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドには、
磁気抵抗効果を示す素子を備えたMR(Magnetoresisti
ve)ヘッドと巨大磁気抵抗効果を示す素子を備えたGM
R(Giant Magnetoresistive)ヘッドとがある。GMR
ヘッドでは、巨大磁気抵抗効果を示す素子が多層構造と
されている。この巨大磁気抵抗効果を生み出す多層構造
にはいくつかの種類があるが、比較的構造が単純で、外
部磁界に対して抵抗変化率が高いものとして、フリー磁
性層と固定磁性層と非磁性導電層とを少なくとも備えた
スピンバルブ型薄膜磁気素子がある。このスピンバルブ
型薄膜磁気素子には、シングルスピンバルブ薄膜磁気素
子とデュアルスピンバルブ型薄膜磁気素子とがある。更
にフリー磁性層の磁化方向を揃える手段として、ハード
バイアス方式とエクスチェンジバイアス方式とがある。
最近では、磁気記録密度の高密度化に伴い、狭トラック
化に対応可能なエクスチェンジバイアス方式が主流にな
りつつある。
【0003】図31に、従来のエクスチェンジバイアス
方式のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子502を備
えた薄膜磁気ヘッド501を示す。また、図32に、図
31に示す薄膜磁気ヘッド501と、書き込み用のイン
ダクティブヘッド503とを備えてなる浮上式磁気ヘッ
ド500の要部の媒体対向面から見た構造を示す。浮上
式の磁気ヘッド500は、浮上式スライダ504のトレ
ーリング側の側端部504a上に、薄膜磁気ヘッド50
1とインダクティブヘッド503とが積層されて構成さ
れている。
【0004】薄膜磁気ヘッド501は再生専用の磁気ヘ
ッドであって、スピンバルブ型薄膜磁気素子502の厚
さ方向両側に絶縁層505、506を介して一対のシー
ルド層507、508が積層されてなるものである。な
お、図31及び図32において、図示Z方向は磁気記録
媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体からの漏
れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッド501
及びインダクティブヘッド503のトラック幅方向であ
る。
【0005】浮上式磁気ヘッド500は、図32に示す
ように、浮上式スライダ504の側端部504a上に絶
縁層509が積層され、この絶縁層509上に、下部シ
ールド層508、スピンバルブ型薄膜磁気素子502、
上部シールド層507、ギャップ層510及び上部コア
層511が順に積層されて構成されている。薄膜磁気ヘ
ッド501は、図32に示すように、スピンバルブ型薄
膜磁気素子502と、シールド層507、508とから
構成され、インダクティブヘッド503は、下部コア層
(上部シールド層)507とギャップ層510と上部コ
ア層511とから構成されている。インダクティブヘッ
ド503は、上部コア層511と下部コア層507とが
ギャップ層510を挟んで配置されてなり、書き込み磁
気ギャップG1を構成している。なお、上部シールド層
507は、インダクティブヘッド503の下部コア層と
兼用とされている。
【0006】この例のスピンバルブ型薄膜磁気素子50
2は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリ
ー磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆ
るボトム型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子502において
は、下部シールド層508にAl23などからなる絶縁
層506が積層され、この絶縁層506上に反強磁性層
512、固定磁性層513、Cuなどで形成された非磁
性導電層514及びフリー磁性層515が順次積層され
ている。また、フリー磁性層515上には、例えばNi
Fe合金からなる一対の強磁性層518、518を介し
て一対のバイアス層516、516が図示X1方向に沿
って離間して積層されている。更に、このバイアス層5
16、516上には、Cuなどで形成された一対の導電
層517、517が積層され、更に、導電層517、5
17及びフリー磁性層515を覆うAl23などからな
る絶縁層505が積層されている。そして、この絶縁層
505上に上部シールド層507が積層されている。
【0007】反強磁性層512は、PtMn合金等の反
強磁性材料からなるもので、固定磁性層513に接して
積層されていて、固定磁性層513と反強磁性層512
との界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現さ
せ、固定磁性層513の磁化方向を図示Y方向に固定さ
せる。またバイアス層516、516は、IrMn合金
等の反強磁性材料からなるもので、強磁性層518、5
18に接して積層されていて、バイアス層516と強磁
性層518との界面にて交換結合磁界(交換異方性磁
界)を発現させ、この交換結合磁界によりフリー磁性層
515の磁化方向が図示X1方向に揃えられ、フリー磁
性層515が単磁区化されてバルクハウゼンノイズが抑
制される。これにより、フリー磁性層515の磁化方向
と固定磁性層513の磁化方向とが交差する関係にな
る。また、一対のバイアス層516、516が互いに離
間して積層されるため、フリー磁性層515上にバイア
ス層516が積層されない部分が生じ、この部分が薄膜
磁気ヘッド501のトラック部G2となる。
【0008】この薄膜磁気ヘッド501では、ハードデ
ィスクなどの記録媒体からの洩れ磁界によって、図示X
1方向に揃えられたフリー磁性層515の磁化方向が変
動し、図示Y方向に固定された固定磁性層513の磁化
との関係でスピンバルブ型薄膜磁気素子の電気抵抗が変
化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、
記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の薄膜磁
気ヘッド501では、図31に示すように、一対のバイ
アス層516、516及び導電層517、517がフリ
ー磁性層515上に積層されているため、絶縁層505
の書き込みトラック部G2近傍に段差505aが生じ、
この段差505aが図32に示すように上部シールド層
507を介してギャップ層510に伝搬し、インダクテ
ィブヘッド503の書き込み磁気ギャップG1がいびつ
な形状になってしまい、このため磁気記録媒体に記録さ
れる磁気記録パターンがいびつな形状となって、再生時
にエラーの原因となる可能性があった。
【0010】また、浮上式磁気ヘッド500を製造する
際には、薄膜形成技術により基板上に複数の薄膜磁気ヘ
ッド501及びインダクティブヘッド503を形成し、
この基板を裁断し、更にギャップデプスを決めるため砥
石等で媒体対向面を研磨する必要がある。すなわち図3
2における紙面が研磨面となる。従来の薄膜磁気ヘッド
501では、この研磨の際にスメアリングが発生し、金
属からなるシールド層507、508の研磨面のごく一
部が砥石によって飴のごとく研磨面上に引き延ばされて
舌状のダレ507a、508aが生じることがある。そ
して場合によっては、この舌状のダレ507a、508
aが絶縁層505、506を跨いでフリー磁性層51
5、反強磁性層512若しくはバイアス層516等にま
で達して、シールド層507、508とスピンバルブ型
薄膜磁気素子502とがショートしてしまうという課題
があった。
【0011】特に最近では、磁気記録密度の高密度化に
対応するために、上下のシールド層507、508の間
隔すなわちギャップレングスを狭くする必要により、絶
縁層505、506を更に薄くする傾向にあり、この場
合にはたとえダレが小さくても反強磁性層512等まで
容易に達してしまい、シールド層507、508とスピ
ンバルブ型薄膜磁気素子502とのショートの発生確率
が高くなってしまうという課題があった。
【0012】また、バイアス層516及び導電層517
はいわゆるリフトオフ法により形成されるが、バイアス
層516はフリー磁性層515の磁化方向を確実に揃え
るために500Å程度の厚さとする必要があり、また導
電層517も検出電流を流すためある程度の厚さが必要
とされるので、バイアス層516と導電層517をリフ
トオフ法で形成する際にバリの発生率が高くなり、図3
1に示すように、このバリ519が絶縁層505を貫通
してシールド層507に接触し、シールド層507とス
ピンバルブ型薄膜磁気素子502との間でショートする
確率が高くなってしまうという課題があった。更に、バ
イアス層516には反強磁性材料を使用するが、この反
強磁性材料は一般的に比抵抗が高い材料が多く、この抵
抗の高い材料に上に導電層517が形成されるので、セ
ンス電流を効率よくフリー磁性層515に印加すること
ができないという課題もあった。
【0013】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、上部シールド層に大きな段差を発
生させることを防ぐことにより、上部シールド層上に形
成されるインダクティブヘッドのギャップのゆがみを低
減させて磁気記録の際のエラー発生を防ぐと共に、上部
シールド層または下部シールド層とスピンバルブ型薄膜
磁気素子がショートする確率を低くして歩留まりを向上
させることが可能な薄膜磁気ヘッド及びこの薄膜磁気ヘ
ッドを備えた浮上式磁気ヘッドを提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の薄膜磁
気ヘッドは、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層
及び該固定磁性層の磁化方向を固定する反強磁性層が積
層されるとともに、前記フリー磁性層に検出電流を与え
る一対の導電層と、前記フリー磁性層の磁化方向を揃え
る一対の絶縁性バイアス層とを備えたスピンバルブ型薄
膜磁気素子と、該スピンバルブ型薄膜磁気素子の厚さ方
向両側に積層された一対のシールド層を具備してなるも
ので、一方の前記シールド層に、前記スピンバルブ型薄
膜磁気素子側に向けて突出する凸部が形成されるととも
に、前記一対の絶縁性バイアス層が前記凸部のトラック
幅方向両側に配置されていることを特徴とする。なお、
前記絶縁性バイアス層は、一方のシールド層とフリー磁
性層若しくは導電層との間に配置されていることが好ま
しい。
【0015】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、一対の
絶縁性バイアス層をシールド層の凸部のトラック幅方向
両側に配置することにより、一対の絶縁性バイアス層の
一部若しくは全部が一方のシールド層に埋め込まれた形
になる。これにより、他方のシールド層に接するスピン
バルブ型薄膜磁気素子の面に生じる段差を小さくするこ
とが可能になり、他方のシールド層に段差が伝搬するこ
とがなく、例えばこの他方のシールド層上にギャップ層
及び上部コア層を積層してインダクティブヘッドを形成
した場合でも、ギャップ層に段差が生じることがなく書
き込み磁気ギャップがいびつな形状になることがない。
【0016】また、一対の絶縁性バイアス層の一部若し
くは全部がシールド層に埋め込まれるので、磁気記録密
度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子を薄くし
て狭ギャップ化した場合でも、絶縁性バイアス層を薄く
する必要がなく、フリー磁性層の磁化方向を一方向に確
実に揃えることが可能となる。また、絶縁性の高い絶縁
性バイアス層がシールド層に積層されており、ギャップ
デプスを決定するために媒体対向面を研磨した際にシー
ルド層の一部が引き延ばされてダレが生じたとしても、
このダレが絶縁性バイアス層を跨いでフリー磁性層まで
達する確率が低くなり、シールド層とスピンバルブ型薄
膜磁気素子とのショートの発生確率を低減させることが
可能になる。
【0017】また本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、
少なくとも前記凸部に絶縁層が積層されるとともに該絶
縁層の層面と前記一対の絶縁性バイアス層の層面とが同
一面とされ、この同一面に前記フリー磁性層が積層され
ていることが好ましい。
【0018】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、絶縁層
と前記一対の絶縁性バイアス層とにより同一面が形成さ
れ、この同一面に前記フリー磁性層が積層されるため、
フリー磁性層に段差が生じることがない。また、フリー
磁性層と絶縁性バイアス層が接しているので、これらの
層の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)が発現
し、この交換結合磁界によりフリー磁性層の磁化方向が
トラック幅方向に揃えられる。従って、この薄膜磁気ヘ
ッドにおいては、フリー磁性層の磁化方向をトラック幅
方向に確実に揃えることが可能となり、バルクハウゼン
ノイズの低減が可能になる。
【0019】更に本発明の薄膜磁気ヘッドは、先に記載
の薄膜磁気ヘッドであって、少なくとも前記フリー磁性
層のトラック幅方向両側に位置するとともに、前記一対
の絶縁性バイアス層に積層されて交換異方性磁界が発現
され、この交換異方性磁界により前記フリー磁性層の磁
化方向を揃える一対の強磁性層を備えたことを特徴とす
る。
【0020】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、製造時
に絶縁性バイアス層と強磁性層とを順次積層するため、
これらの層の界面に不純物等が混入することがなく、絶
縁性バイアス層と強磁性層との界面にて大きな交換結合
磁界が発現されて、この交換結合磁界によりフリー磁性
層の磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることが可
能になる。
【0021】また、一方のシールド層と強磁性層との間
に絶縁性バイアス層が配置されることになるので、ギャ
ップデプスを決定するために媒体対向面を研磨した際に
シールド層の一部が引き延ばされてダレが生じたとして
も、このダレが絶縁性バイアス層を跨いで強磁性層まで
達する確率が低くなり、シールド層とスピンバルブ型薄
膜磁気素子とのショートの発生確率を低減させることが
できる。
【0022】更にまた本発明の薄膜磁気ヘッドは、先に
記載の薄膜磁気ヘッドであって、他方の前記シールド層
に、スピンバルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出する別
の凸部が形成され、この凸部のトラック幅方向両側に前
記一対の導電層が配置されていることを特徴とする。な
お、導電層とシールド層との間に絶縁層が設けられてい
ることが好ましい。
【0023】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、一対の
導電層を、他方のシールド層の凸部の両側に配置するこ
とにより、一対の導電層の一部若しくは全部が絶縁層を
介して他方のシールド層に埋め込まれる形になる。これ
により、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄
膜磁気素子を薄くして狭ギャップ化した場合でも、導電
層の厚さを薄くする必要はなく、検出電流を効率よくフ
リー磁性層に与えることが可能となる。
【0024】また本発明の薄膜磁気ヘッドは、先に記載
の薄膜磁気ヘッドであって、前記一対の導電層が、互い
にトラック幅方向に離間しつつ前記フリー磁性層に接し
ていることを特徴とする。
【0025】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、一対の
導電層がフリー磁性層に接しているので、検出電流を効
率よくフリー磁性層に与えることが可能になる。
【0026】次に、本発明の薄膜磁気ヘッドは、フリー
磁性層の厚さ方向両側に各々非磁性導電層と固定磁性層
と反強磁性層とが積層されるとともに、前記フリー磁性
層に検出電流を与える一対の導電層と、前記フリー磁性
層の磁化方向を揃える一対の絶縁性バイアス層とを備え
るスピンバルブ型薄膜磁気素子と、該スピンバルブ型薄
膜磁気素子の厚さ方向両側に積層された一対のシールド
層を具備してなるものであって、一方の前記シールド層
に、前記スピンバルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出す
る凸部が形成されるとともに、前記一対の絶縁性バイア
ス層が前記凸部のトラック幅方向両側に配置されている
ことを特徴とする。なお、前記絶縁性バイアス層は、一
方のシールド層とフリー磁性層若しくは導電層との間に
配置されていることが好ましい。
【0027】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、一対の
絶縁性バイアス層を、シールド層の凸部の両側に配置す
ることにより、一対の絶縁性バイアス層の一部若しくは
全部がシールド層に埋め込まれた形となる。これによ
り、他方のシールド層に接するスピンバルブ型薄膜磁気
素子の面に生じる段差を小さくすることが可能になり、
他方のシールド層に段差が伝搬することがなく、例えば
この他方のシールド層上にギャップ層及び上部コア層を
積層してインダクティブヘッドを形成した場合でも、ギ
ャップ層に段差が生じることがなく書き込み磁気ギャッ
プがいびつな形状になることがない。
【0028】また、一対の絶縁性バイアス層の一部若し
くは全部がシールド層に埋め込まれるので、磁気記録密
度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子及び両方
のシールド層の間隔を薄くして狭ギャップ化した場合で
も、絶縁性バイアス層を薄くする必要がなくバイアス磁
界の損失が無くなって、フリー磁性層の磁化方向を一方
向に確実に揃えることが可能となる。また、絶縁性の高
い絶縁性バイアス層がシールド層に積層されており、ギ
ャップデプスを決定するために媒体対向面を研磨した際
にシールド層の一部が引き延ばされてダレが生じたとし
ても、シールド層が絶縁性バイアス層により絶縁されて
いるので、シールド層とスピンバルブ型薄膜磁気素子と
がショートする確率を低減させることが可能になる。
【0029】更に本発明の薄膜磁気ヘッドは、先に記載
の薄膜磁気ヘッドであって、少なくとも前記フリー磁性
層のトラック幅方向両側に位置するとともに、前記一対
の絶縁性バイアス層に積層されて交換異方性磁界が発現
され、この交換異方性磁界により前記フリー磁性層の磁
化方向を揃える一対の強磁性層が備えられたことを特徴
とする。
【0030】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、製造時
に絶縁性バイアス層と強磁性層とを順次積層するため、
これらの層の界面に不純物等が混入することがなく、絶
縁性バイアス層と強磁性層との界面にて大きな交換結合
磁界が発現されて、この交換結合磁界によりフリー磁性
層の磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることが可
能になる。
【0031】また、一方のシールド層と強磁性層との間
に絶縁性バイアス層が配置されることになるので、ギャ
ップデプスを決定するために媒体対向面を研磨した際に
シールド層の一部が引き延ばされてダレが生じたとして
も、このダレが絶縁性バイアス層を跨いで強磁性層まで
達する確率が低くなり、シールド層とスピンバルブ型薄
膜磁気素子とのショートの発生確率を低減させることが
できる。
【0032】また本発明の薄膜磁気ヘッドでは、少なく
とも前記凸部に絶縁層が積層されるとともに該絶縁層に
一方の前記反強磁性層と一方の前記固定磁性層と一方の
前記非磁性導電層が積層され、これら凸部、一方の反強
磁性層、一方の固定磁性層及び一方の非磁性導電層のト
ラック幅方向両側に前記絶縁性バイアス層が配置され、
かつ一方の非磁性導電層の層面と一対の絶縁性バイアス
層の層面とが同一面とされ、この同一面に前記フリー磁
性層が積層されていることが好ましい。
【0033】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、絶縁層
と前記一対の絶縁性バイアス層とにより同一面が形成さ
れ、この同一面に前記フリー磁性層が積層されるため、
フリー磁性層に段差が生じることがない。また、フリー
磁性層と絶縁性バイアス層が接しているので、これらの
層の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)が発現
し、この交換結合磁界によりフリー磁性層の磁化方向が
トラック幅方向に揃えられる。従って、この薄膜磁気ヘ
ッドにおいては、フリー磁性層の磁化方向をトラック幅
方向に確実に揃えることが可能となり、バルクハウゼン
ノイズの低減が可能になる。
【0034】また本発明の薄膜磁気ヘッドは、先に記載
の薄膜磁気ヘッドであって、他方の前記シールド層に、
前記スピンバルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出する別
の凸部が形成され、この別の凸部のトラック幅方向両側
に前記一対の導電層が配置されていることを特徴とす
る。なお、導電層とシールド層の間には絶縁層が設けら
れていることが好ましい。
【0035】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、一対の
導電層を、他方のシールド層の凸部の両側に配置するこ
とにより、一対の導電層の一部若しくは全部が絶縁層を
介して他方のシールド層に埋め込まれる形になる。これ
により、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄
膜磁気素子を薄くして狭ギャップ化した場合でも、導電
層の厚さを薄くする必要はなく、検出電流を効率よくフ
リー磁性層に与えることが可能となる。
【0036】更にまた本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、他方の前記シールド層に、前記スピンバルブ型薄膜
磁気素子側に向けて突出する別の凸部が形成され、この
別の凸部に他方の前記反強磁性層と他方の前記固定磁性
層と他方の前記非磁性導電層が積層され、これら別の凸
部、他方の反強磁性層、他方の固定磁性層及び他方の非
磁性導電層のトラック幅両側に前記一対の導電層が配置
され、かつ他方の非磁性導電層の層面と一対の導電層の
層面とが同一面とされ、この同一面に前記フリー磁性層
が積層されていることが好ましい。
【0037】かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、他方の
非磁性導電層の層面と一対の導電層の層面とが同一面と
され、この同一面に前記フリー磁性層が積層されている
ので、導電層とフリー磁性層とが直に接して導電層から
検出電流をフリー磁性層に効率よく与えることが可能に
なる。
【0038】また、本発明の浮上式磁気ヘッドは、先に
記載の磁気ヘッドであって、スライダに、先のいずれか
に記載の薄膜磁気ヘッドを備えてなることを特徴とす
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1に本発明の第1の実施形態であ
る薄膜磁気ヘッドの断面図を示し、図2、図3及び図4
にこの薄膜磁気ヘッドを備えた浮上式磁気ヘッドを示
す。
【0040】図2に示す浮上式磁気ヘッド1は、スライ
ダ2と、スライダ2の端面2dに備えられた薄膜磁気ヘ
ッド3及びインダクティブヘッド4を主体として構成さ
れている。符号5は、スライダ2の磁気記録媒体の移動
方向の上流側であるリーディング側を示し、符号6は、
トレーリング側を示す。このスライダ2の媒体対向面7
には、レール2a、2a、2bが形成され、各レール同
士間は、エアーグルーブ2c、2cとされている。
【0041】図3及び図4に示すように、本発明の薄膜
磁気ヘッド3は、スライダ2の端面2d上に形成された
絶縁層11と、この絶縁層11上に積層された下部シー
ルド層12と、下部シールド層12に形成された本発明
に係るスピンバルブ型薄膜磁気素子10と、スピンバル
ブ型薄膜磁気素子10を覆う上部シールド層13とから
構成されている。上部シールド層13は、後述するイン
ダクティブヘッド4の下部コア層と兼用とされている。
【0042】インダクティブヘッド4は、下部コア層
(上部シールド層)13と、下部コア層13に積層され
たギャップ層14と、コイル15と、コイル15を覆う
上部絶縁層16と、ギャップ層14に接合され、かつコ
イル15側にて下部コア層13に接合される上部コア層
17とから構成されている。ギャップ層14を介して上
部コア層17と下部コア層13とが対向して配置されて
おり、この部分が書き込み磁気ギャップG1となる。コ
イル15は、平面的に螺旋状となるようにパターン化さ
れている。また、コイル15のほぼ中央部分にて上部コ
ア層17の基端部17bが下部コア層13に磁気的に接
続されている。また、上部コア層17には、アルミナな
どからなる保護層18が積層されている。なお、図1、
図3及び図4において、図示Z方向は磁気記録媒体の移
動方向であり、Y方向は磁気記録媒体からの漏れ磁界の
方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッド3及びインダク
ティブヘッド4のトラック幅方向である。
【0043】図1に示すように、本発明の薄膜磁気ヘッ
ド3は、スピンバルブ型薄膜磁気素子10と、このスピ
ンバルブ型薄膜磁気素子10の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。上部、下部シールド層13、12は磁性合金からな
るものである。また、図1に示すように、下部シールド
層12には、スピンバルブ型薄膜磁気素子10側に突出
する凸部12aが設けられ、上部シールド層13には、
スピンバルブ型薄膜磁気素子10側に突出する別の凸部
13aが設けられている。
【0044】スピンバルブ型薄膜磁気素子10は、フリ
ー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層及び反強磁性層が
1層づつ順に積層されて構成された、いわゆるトップ型
のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子である。このス
ピンバルブ型薄膜磁気素子10において、符号21は、
下部シールド層12の凸部12a上に設けられたAl2
3からなる絶縁層を示している。そして、この凸部1
2a及び絶縁層21の図示X1方向両側(トラック幅方
向両側)には、一対の絶縁性バイアス層28、28が配
置されている。絶縁性バイアス層28、28は、その上
面28a(層面)が絶縁層21の上面(層面)21aと
同一面を形成する厚さまで積層されている。一対の絶縁
性バイアス層28、28は、下部シールド層12の凸部
12aの図示X1方向両側に配置されることによって、
その一部が下部シールド層12に埋め込まれた形にな
る。
【0045】絶縁性バイアス層28、28及び絶縁層2
1上には、フリー磁性層22が積層されている。フリー
磁性層22は、絶縁層21及び絶縁性バイアス層28、
28によって下部シールド層12から絶縁されている。
そしてこのフリー磁性層22に、非磁性導電層23、固
定磁性層24及び反強磁性層25が順次積層されてい
る。また、反強磁性層25上には、フリー磁性層22に
検出電流を与える一対の導電層26、26が図示X1方
向(トラック幅方向)に沿って離間して積層され、更
に、導電層26、26及び反強磁性層25を覆うAl2
3などからなる絶縁層27が積層されている。そし
て、この絶縁層27上に上部シールド層13が積層され
ている。
【0046】また図1に示すように、一対の導電層2
6、26の間には、絶縁層27の凸部27a及び上部シ
ールド層13の凸部13aが位置することになる。すな
わち導電層26、26は、上部シールド層13の凸部1
3aのトラック幅方向両側に位置することになる。
【0047】絶縁性バイアス層28、28は、絶縁性反
強磁性材料からなるもので、フリー磁性層22に接して
いて、絶縁性バイアス層28、28とフリー磁性層22
との界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現さ
せ、この交換結合磁界によりフリー磁性層22の磁化方
向が図示X1方向に揃えられ、フリー磁性層22が単磁
区化されてバルクハウゼンノイズが抑制される。
【0048】絶縁性バイアス層28、28の厚さは、2
00〜1000Åの範囲とすることが好ましく、フリー
磁性層22の磁化方向を確実にX1方向に揃えるために
は500〜1000Åの範囲とすることがより好まし
い。また、絶縁性バイアス層28、28の厚さが200
Å未満では、スピンバルブ型薄膜磁気素子10に占める
絶縁材の厚さが薄くなることになり、浮上式磁気ヘッド
を製造する際の媒体対向面の研磨工程において、下部シ
ールド層12の一部が引き延ばされてダレが生じたとき
に、このダレが絶縁性バイアス層28、28を跨いでフ
リー磁性層22まで達する確率が高くなり、下部シール
ド層12とスピンバルブ型薄膜磁気素子10とのショー
トの発生確率が高くなるので好ましくないと共に、フリ
ー磁性層22の磁化方向を揃えるための交換結合磁界が
小さくなるので好ましくない。なお、絶縁性バイアス層
28、28の厚さは、下部シールド層12の凸部12a
の高さ及び絶縁層21の厚さを調整することによって決
定される。
【0049】この絶縁性バイアス層28、28は、Ni
O、α−Fe23等の酸化物絶縁性反強磁性材料からな
ることが好ましく、特にNiOを用いることが好まし
い。
【0050】また、反強磁性層25は反強磁性材料から
なるもので、固定磁性層24に積層されていて、固定磁
性層24と反強磁性層25との界面にて交換結合磁界
(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性層24の磁化
方向を図示Y方向に固定させる。これにより、フリー磁
性層22の磁化方向と固定磁性層24の磁化方向とが交
差する関係になる。反強磁性層25は導電性の材料であ
ることが好ましい。反強磁性層25が絶縁性の材料であ
ると、導電層26、26から検出電流をフリー磁性層2
2に与えることができなくなるので好ましくない。
【0051】反強磁性層25は、PtMn合金で形成さ
れていることが好ましい。PtMn合金は、従来から反
強磁性層として使用されているNiMn合金やFeMn
合金などに比べて耐食性に優れ、しかもブロッキング温
度が高く、交換結合磁界も大きい。また、PtMn合金
に代えて、X−Mn(ただし、Xは、Pd、Ru、I
r、Rh、Osのうちから選択される1種の元素を示
す。)の式で示される合金あるいはX’−Pt−Mn
(ただし、X’は、Pd、Ru、Ir、Rh、Os、A
u、Agのうちから選択される1種または2種以上の元
素を示す。)の式で示される合金で形成されていてもよ
い。
【0052】また、前記PtMn合金および前記X−M
nの式で示される合金において、PtあるいはXが37
〜63原子%の範囲であることが望ましい。より好まし
くは、47〜57原子%の範囲である。さらにまた、
X’−Pt−Mnの式で示される合金において、X’+
Ptが37〜63原子%の範囲であることが望ましい。
より好ましくは、47〜57原子%の範囲である。さら
に、前記X’−Pt−Mnの式で示される合金として
は、X’が0.2〜10原子%の範囲であることが望ま
しい。反強磁性層25として、上記した適正な組成範囲
の合金を使用し、これをアニール処理することで、大き
な交換結合磁界を発生する反強磁性層25を得ることが
できる。とくに、PtMn合金であれば、800(O
e)を越える交換結合磁界を有し、交換結合磁界を失う
ブロッキング温度が380℃と極めて高い優れた反強磁
性層25を得ることができる。
【0053】固定磁性層24は、強磁性体の薄膜からな
り、例えば、Co、NiFe合金、CoNiFe合金、
CoFe合金、CoNi合金などで形成されることが好
ましい。また、非磁性導電層23は、Cu、Cr、A
u、Agなどに代表される非磁性体からなることが好ま
しい。フリー磁性層22は、固定磁性層24と同様の材
質で形成されることが好ましい。尚、図1においてはフ
リー磁性層22は単一層とされているが、Co膜、Ni
Fe合金膜を積層してなる多層構造であっても良い。非
磁性導電層23を固定磁性層24とフリー磁性層22で
挟む構造の巨大磁気抵抗効果発生機構にあっては、固定
磁性層24とフリー磁性層22を同種の材質で構成する
方が、異種の材質で構成するよりも、伝導電子のスピン
依存散乱以外の因子が生じる可能性が低く、より高い磁
気抵抗効果を得ることが可能である。また、導電層2
6、26はCr、Ta、Au、Cu等からからなること
が好ましい。
【0054】この薄膜磁気ヘッド3では、ハードディス
クなどの記録媒体からの洩れ磁界によってフリー磁性層
22の磁化方向が変動すると、図示Y方向に固定された
固定磁性層24の磁化との関係でスピンバルブ型薄膜磁
気素子10の電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化
に基づく電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検
出される。
【0055】次に、この薄膜磁気ヘッド3の製造方法を
図5〜図10を参照して説明する。まず図5に示すよう
に、下部シールド層12上に絶縁層21を積層する。次
に図6に示すように、絶縁層21上にPEB(Post Exp
ose Bake)法等の手段によりリフトオフレジストLf1
を形成し、このリフトオフレジストLf1の両側をイオ
ンミリング法(物理的イオンビームエッチング法)によ
りエッチングしてエッチングして凸部12aを形成す
る。
【0056】次に図7に示すように、リフトオフレジス
トLf1及びリフトオフレジストLf1の両側(凸部1
2aの両側)に絶縁性バイアス層28を積層し、リフト
オフレジストLf1を除去する。このようにして一対の
絶縁性バイアス層28、28を形成する。絶縁性バイア
ス層28、28はその上面(層面)28aが絶縁層21
の上面(層面)21aと同一面を形成するまで積層す
る。
【0057】次に図8に示すように、絶縁性バイアス層
28、28及び絶縁層21の上に、フリー磁性層22、
非磁性導電層23、固定磁性層24及び反強磁性層25
を順次積層する。次に図9に示すように、反強磁性層2
5上にリフトオフレジストLf2を形成し、このリフト
オフレジストLf2及びその両側に導電層26を積層す
る。
【0058】尚、フリー磁性層22を積層する前に、絶
縁性バイアス層28の上面28aを逆スパッタリング等
の手段によりエッチングする必要がある。これは、リフ
トオフレジストLf1の形成をスパッタリング装置等の
外部にて行うために、上面28aが一時的に大気圧雰囲
気に曝され、大気中の酸素等の不純物により上面28a
が汚染される。そして、この汚染された上面28aにフ
リー磁性層22を積層しても、これらの層の界面では交
換結合磁界が発現し得ないので、フリー磁性層22を積
層する前に絶縁性バイアス層28の上面28aをエッチ
ングして不純物を除去する必要があるからである。
【0059】最後に図10に示すように、リフトオフレ
ジストLf2を除去し、絶縁層27及び上部シールド層
13を積層する。リフトオフレジストLf2上に積層さ
れた導電層26はリフトオフレジストLf2と共に除去
されるため、反強磁性層25上に導電層26が積層され
ない部分が生じ、この部分に積層された絶縁層27に段
差が生じ、この段差によって上部シールド層13に凸部
13aが形成される。従って、導電層26、26は上部
シールド層13の凸部13aの両側に配置されることに
なる。また、絶縁層27の段差の高さは、導電層26、
26のみの厚さに相当する高さとなる。このようにして
上記の薄膜磁気ヘッド3が製造される。
【0060】この薄膜磁気ヘッド3においては、一対の
絶縁性バイアス層28、28が下部シールド層12及び
絶縁層21に埋め込まれ、その上にフリー磁性層22、
非磁性導電層23、固定磁性層24及び反強磁性層25
が積層され、更に一対の導電層26、26が積層されて
いるので、スピンバルブ型薄膜磁気素子の上面を構成す
る絶縁層27の段差が導電層26、26の厚さ分だけと
なり、従来の薄膜磁気ヘッドのトラック部G2近傍に生
じた段差よりも小さくなる。すなわち図4に示すよう
に、一対の絶縁性バイアス層28、28が下部シールド
層12の凸部12aのX1方向両側に配置されることに
よって、絶縁層27の段差が小さくなり、これにより上
部シールド層13に段差が生じることがなく、この上部
シールド層13上にギャップ層14及び上部コア層17
を積層してインダクティブヘッド4を形成した場合でも
ギャップ層14に段差が生じることがなく、インダクテ
ィブヘッド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形
状になることがない。
【0061】また、下部シールド層12とフリー磁性層
22との間に絶縁性バイアス層28、28が配置されて
いるので、ギャップデプスを決定するために媒体対向面
7を研磨した際に下部シールド層12の一部が引き延ば
されてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バイア
ス層28、28を跨いでフリー磁性層22まで達する確
率が低くなり、下部シールド層12とスピンバルブ型薄
膜磁気素子10とのショートの発生確率を低減させるこ
とができる。また、一対の絶縁性バイアス層28、28
が下部シールド層12及び絶縁層21に埋め込まれるの
で、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁
気素子10及び絶縁層21、27を薄くして狭ギャップ
化した場合でも、絶縁性バイアス層28、28を薄くす
る必要がなく、フリー磁性層22の磁化方向を一方向に
確実に揃えることができる。
【0062】またこの薄膜磁気ヘッド3においては、凸
部12a上の絶縁層21の層面21aと一対の絶縁性バ
イアス層28、28の層面28aとが同一面とされ、こ
の同一面にフリー磁性層22が積層されていので、フリ
ー磁性層22に段差が生じることがなく、フリー磁性層
22の磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることが
可能となり、バルクハウゼンノイズを低減できる。
【0063】更にこの薄膜磁気ヘッド3においては、一
対の導電層26、26が、上部シールド層13の凸部1
3aの両側に配置されてその一部が上部シールド層13
に埋め込まれた形になるので、磁気記録密度の高度化に
伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子10を薄くして狭トラ
ック化する場合にも、導電層26、26の厚さを薄くす
る必要はなく、検出電流を効率よくフリー磁性層22に
与えることが可能となる。
【0064】(第2の実施形態)図11に本発明の第2
の実施形態である薄膜磁気ヘッド103の断面図を示
す。尚、図11において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0065】図11に示すように、この薄膜磁気ヘッド
103は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子104と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子104の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図11に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子104側に突出する凸
部12aが設けられている。なお、図11において、図
示Z方向は磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁
気記録媒体からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄
膜磁気ヘッド103のトラック幅方向である。
【0066】このスピンバルブ型薄膜磁気素子104に
おいて、符号21は、下部シールド層12の凸部12a
上に設けられた絶縁層を示している。そして、この凸部
12a及び絶縁層21の図示X1方向両側(トラック幅
方向両側)には、一対の絶縁性バイアス層28、28が
配置されている。絶縁性バイアス層28、28は、その
上面28a(層面)が絶縁層21の上面(層面)21a
と同一面を形成する厚さまで積層されている。一対の絶
縁性バイアス層28、28は、下部シールド層12の凸
部12aの図示X1方向両側に配置されることによっ
て、その一部が下部シールド層12に埋め込まれた形に
なる。
【0067】絶縁性バイアス層28、28及び絶縁層2
1上には、フリー磁性層22が積層されている。フリー
磁性層22は、絶縁層21及び絶縁性バイアス層28、
28によって下部シールド層12から絶縁されている。
そしてこのフリー磁性層22に、非磁性導電層33、固
定磁性層34及び反強磁性層35が順次積層されてい
る。これら非磁性導電層33、固定磁性層34及び反強
磁性層35は、その形状がトラック幅に対応する幅を有
する断面視略台形状とされている。
【0068】また、非磁性導電層33、固定磁性層34
及び反強磁性層35の図示X1方向両側(トラック幅方
向両側)には、一対の導電層36、36がフリー磁性層
22上に積層されて配置されている。更に、導電層3
6、36及び反強磁性層35上にはAl23などからな
る絶縁層37が積層され、この絶縁層37上に上部シー
ルド層13が積層される。
【0069】絶縁性バイアス層28、28はフリー磁性
層22に接していて、これらの層28、22の界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、この交換
結合磁界によりフリー磁性層22の磁化方向を図示X1
方向に揃えさせる。
【0070】反強磁性層35は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層34に積層
されて、固定磁性層34と反強磁性層35との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層34の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層22の磁化方向と固定磁性層34の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0071】固定磁性層34、非磁性導電層33及び導
電層36、36は、前述した固定磁性層24、非磁性導
電層23及び導電層26、26と各々同等の材料からな
るものである。
【0072】この薄膜磁気ヘッド103では、ハードデ
ィスクなどの記録媒体からの洩れ磁界によってフリー磁
性層22の磁化方向が変動すると、図示Y方向に固定さ
れた固定磁性層34の磁化との関係でスピンバルブ型薄
膜磁気素子104の電気抵抗が変化し、この電気抵抗値
の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁
界が検出される。
【0073】上述の薄膜磁気ヘッド103の製造方法
は、先に説明した薄膜磁気ヘッド3の製造方法と一部重
複している。すなわち、前述した図5から図8での工程
は、上記の薄膜磁気ヘッド103の製造工程と共通す
る。この薄膜磁気ヘッド103では、フリー磁性層22
上に非磁性導電層33、固定磁性層34、反強磁性層3
5を順次積層した後(図8)、更に反強磁性層35上に
リフトオフレジストを形成する。そしてリフトオフレジ
ストの両側をイオンミリング法(物理的イオンビームエ
ッチング法)によりフリー磁性層22に達するまでまで
エッチングして、非磁性導電層33、固定磁性層34及
び反強磁性層35を断面視略台形状とする。そして、非
磁性導電層33、固定磁性層34、反強磁性層35の両
側に導電層36を積層し、リフトオフレジストを除去
し、更に絶縁層37及び上部シールド層13を積層して
この薄膜磁気ヘッド103が得られる。
【0074】この薄膜磁気ヘッド103においては、一
対の絶縁性バイアス層28、28が下部シールド層12
の凸部12aのX1方向両側に配置されているので、絶
縁層37の段差を小さくさせることができ、上部シール
ド層13に段差を生じることがなく、例えばこの上部シ
ールド層13上にギャップ層14及び上部コア層17を
積層してインダクティブヘッド4を形成した場合でもギ
ャップ層14に段差が生じることがなく、インダクティ
ブヘッド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形状
になることがない。
【0075】また、下部シールド層12とフリー磁性層
22との間に絶縁性バイアス層28、28が配置されて
いるので、ギャップデプスを決定するために媒体対向面
7を研磨した際に下部シールド層12の一部が引き延ば
されてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バイア
ス層28、28を跨いでフリー磁性層22まで達する確
率が低くなり、下部シールド層12とスピンバルブ型薄
膜磁気素子104とのショートの発生確率を低減させる
ことができる。また、一対の絶縁性バイアス層28、2
8が下部シールド層12及び絶縁層21に埋め込まれる
ので、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜
磁気素子104及び絶縁層21、37を薄くして狭ギャ
ップ化した場合でも、絶縁性バイアス層28、28を薄
くする必要がなく、フリー磁性層22の磁化方向を一方
向に確実に揃えることができる。
【0076】また、上記の薄膜磁気ヘッド103におい
ては、導電層36、36がフリー磁性層22に接してい
るので、検出電流をフリー磁性層22に効率よく与える
ことができ、薄膜磁気ヘッド103の検出感度を高める
ことができる。
【0077】また、絶縁性バイアス層28、28が下部
シールド層12及び絶縁層21に埋め込まれると共に、
導電層36、36が非磁性導電層33、固定磁性層3
4、反強磁性層35のトラック幅方向両側に位置するの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子104をより薄くで
き、薄膜磁気ヘッド103を狭トラック化させることが
できる。
【0078】(第3の実施形態)図12に本発明の第3
の実施形態である薄膜磁気ヘッド113の断面図を示
す。尚、図12において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0079】図12に示すように、この薄膜磁気ヘッド
113は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子114と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子114の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図12に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子114側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子114側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図12において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド113のトラック幅方向である。
【0080】このスピンバルブ型薄膜磁気素子114
は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
ボトム型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子114において、
符号21は、下部シールド層12の凸部12a上に設け
られた絶縁層を示している。そして、凸部12aの図示
X1方向両側には層間絶縁層31、31及び一対の導電
層46、46が順次積層されて配置されている。また、
層間絶縁層31、31は、凸部12aの傾斜側面上に延
在して絶縁層21に接している。また、導電層46、4
6は、その上面46a(層面)が絶縁層21の上面(層
面)21aと同一面を形成する厚さまで積層されてい
る。一対の導電層46、46は、下部シールド層12の
凸部12aの図示X1方向両側に配置されることによっ
て、その一部が下部シールド層12に埋め込まれた形に
なる。導電層46、46及び絶縁層21上には、反強磁
性層45が積層されている。従って、導電層46、46
及び反強磁性層45は、絶縁層21及び層間絶縁層3
1、31によって下シールド層12から絶縁されてい
る。
【0081】反強磁性層45には、固定磁性層44、非
磁性導電層43及びフリー磁性層22が順次積層されて
いる。また、フリー磁性層22上には、一対の絶縁性バ
イアス層38、38が図示X1方向(トラック幅方向)
に沿って離間して積層され、更に、絶縁性バイアス層3
8、38及びフリー磁性層22上にAl23などからな
る絶縁層47が積層され、この絶縁層47上に上部シー
ルド層13が積層されている。このようにフリー磁性層
22は、絶縁性バイアス層38、38と絶縁層47によ
り上部シールド層13と絶縁されている。
【0082】また図12に示すように、一対の絶縁性バ
イアス層38、38の間には、絶縁層47の凸部47a
及び上部シールド層13の凸部13aが位置することに
なる。すなわち、絶縁性バイアス層38、38は上部シ
ールド層13の凸部13aのトラック幅方向両側に位置
することになり、上部シールド層13に埋め込まれた形
になる。
【0083】絶縁性バイアス層38、38は先に説明し
た絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなるも
ので、フリー磁性層22に接していて、これらの層3
8、22の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を
発現させ、この交換結合磁界によりフリー磁性層22の
磁化方向を図示X1方向に揃えさせる。
【0084】反強磁性層45は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層44に接し
ていて、固定磁性層44と反強磁性層45との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層44の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層22の磁化方向と固定磁性層44の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0085】固定磁性層44、非磁性導電層43及び導
電層46、46は、前述した固定磁性層24、非磁性導
電層23及び導電層26、26と各々同等の材料からな
るものである。
【0086】この薄膜磁気ヘッド113は、第1の実施
形態の薄膜磁気ヘッド3の製造方法に類似した方法によ
り製造される。第1の実施形態の薄膜磁気ヘッド3の製
造方法との主たる相違点は、下部シールド層12の凸部
12aの両側に一対の導電層46、46を形成する点
と、導電層46及び凸部12a上に、反強磁性層45、
固定磁性層44、非磁性導電層43、フリー磁性層22
を順次積層する点と、フリー磁性層22上に一対の絶縁
性バイアス層38、38を形成する点、である。
【0087】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
21を積層し、絶縁層21上にリフトオフレジストを形
成し、リフトオフレジストのトラック幅方向両側をエッ
チングして凸部12aを形成する。次に、エッチングし
て露出した下部シールド層上及びリフトオフレジスト上
に層間絶縁層31及び導電層46を積層し、リフトオフ
レジストを除去する。次に導電層46、46上に反強磁
性層45、固定磁性層44、非磁性導電層43及びフリ
ー磁性層22を順次積層する。そして、フリー磁性層2
2上にリフトオフレジストを形成し、リフトオフレジス
ト及びそのトラック幅方向両側に絶縁性バイアス層38
を形成し、リフトオフレジストを除去し、更に絶縁層4
7及び上部シールド層13を積層して、薄膜磁気ヘッド
113を得る。
【0088】尚、フリー磁性層22上に絶縁性バイアス
層38、38を積層する前に、フリー磁性層22の上面
を逆スパッタリング等によりエッチングすることが好ま
しい。これは、リフトオフレジストの形成をスパッタリ
ング装置等の外部にて行うために、フリー磁性層22が
一時的に大気圧雰囲気に曝され、大気中の酸素等の不純
物によりフリー磁性層22の上面が汚染される。そし
て、この汚染された上面に絶縁性バイアス層38、38
を積層しても、これらの層の界面では交換結合磁界が発
現し得ないので、絶縁性バイアス層38、38を積層す
る前にフリー磁性層22の上面をエッチングして不純物
を除去する必要があるからである。
【0089】この薄膜磁気ヘッド113においては、一
対の導電層46、46が下部シールド層12及び絶縁層
21に埋め込まれているので、スピンバルブ型薄膜磁気
素子114の上面を構成する絶縁層47の段差が絶縁性
バイアス層38、38の厚さ分だけとなり、従来の薄膜
磁気ヘッドのトラック部G2近傍に生じた段差よりも小
さくなる。すなわち、一対の導電層46、46が下部シ
ールド層12の凸部12aのX1方向両側に配置される
ことによって、絶縁層47の段差が小さくなり、これに
より上部シールド層13に段差が生じることがない。従
って、例えばこの上部シールド層13上にギャップ層1
4及び上部コア層17を積層してインダクティブヘッド
4を形成した場合でもギャップ層14に段差が生じるこ
とがなく、インダクティブヘッド4の書き込み磁気ギャ
ップG1がいびつな形状になることがない。
【0090】また、上部シールド層13とフリー磁性層
22との間に絶縁性バイアス層38、38が配置されて
いるので、ギャップデプスを決定するために媒体対向面
7を研磨した際に上部シールド層13の一部が引き延ば
されてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バイア
ス層38、38を跨いでフリー磁性層22まで達する確
率が低くなり、上部シールド層13とスピンバルブ型薄
膜磁気素子114とのショートの発生確率を低減させる
ことができる。
【0091】また、導電層46、46が下部シールド層
12に埋め込まれると共に、絶縁性バイアス層38、3
8が上部シールド層13に埋め込まれるので、磁気記録
密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子114
及び絶縁層21、47を薄くして狭ギャップ化した場合
でも、絶縁性バイアス層38、38及び導電層46、4
6を薄くする必要がなく、フリー磁性層22の磁化方向
を一方向に確実に揃えることができると共に検出電流を
効率よく流すことができ、薄膜磁気ヘッド113の検出
感度を高くできる。
【0092】(第4の実施形態)図13に本発明の第4
の実施形態である薄膜磁気ヘッド123の断面図を示
す。尚、図13において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0093】図13に示すように、この薄膜磁気ヘッド
123は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子124と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子124の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図13に示すように、上部シールド層13に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子124側に突出する凸
部13aが設けられている。なお、図13において、図
示Z方向は磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁
気記録媒体からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄
膜磁気ヘッド123のトラック幅方向である。
【0094】このスピンバルブ型薄膜磁気素子124
は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
ボトム型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子124において、
符号31は、下部シールド層12上に積層されたAl2
3などからなる絶縁層を示している。そして、絶縁層
31には、一対の導電層56、56が図示X1方向に沿
って互いに離間して積層されている。そして、導電層5
6、56及び絶縁層31上にはこれらの層を覆う反強磁
性層55が積層され、反強磁性層55上には固定磁性層
54、非磁性導電層53、フリー磁性層32が順次積層
されている。また、フリー磁性層32上には、一対の絶
縁性バイアス層48、48が図示X1方向に沿って互い
に離間して積層され、絶縁性バイアス層48、48及び
フリー磁性層32上にはこれらの層を覆うAl23など
からなる絶縁層57が積層され、絶縁層57上に上部シ
ールド層13が積層されている。このようにしてフリー
磁性層32は、絶縁層57及び絶縁性バイアス層48、
48によって上部シールド層13から絶縁されている。
【0095】一対の絶縁性バイアス層48、48同士の
間には、絶縁層57の凸部57a及び上部シールド層1
3の凸部13aが位置することになる。すなわち、絶縁
性バイアス層48、48は上部シールド層13の凸部1
3aのトラック幅方向両側に位置することになり、上部
シールド層13に埋め込まれた形になる。
【0096】絶縁性バイアス層48、48は先に説明し
た絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなるも
のであり、フリー磁性層32に接していて、これらの層
48、32の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)
を発現させ、この交換結合磁界によりフリー磁性層32
の磁化方向を図示X1方向に揃えさせる。
【0097】反強磁性層55は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層54に接し
ていて、固定磁性層54と反強磁性層55との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層54の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層32の磁化方向と固定磁性層54の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0098】フリー磁性層32、固定磁性層54、非磁
性導電層53及び導電層56は、前述したフリー磁性層
22、固定磁性層24、非磁性導電層23及び導電層2
6と各々同等の材料からなるものである。
【0099】この薄膜磁気ヘッド123は、以下のよう
にして製造される。まず、下部シールド層12上に絶縁
層31を積層し、絶縁層31上にリフトオフレジストを
形成し、絶縁層31及びリフトオフレジストに導電層5
6を形成し、リフトオフレジストを除去する。次に、導
電層56、56及び絶縁層31上に、反強磁性層55、
固定磁性層54、非磁性導電層53及びフリー磁性層3
2を順次積層する。更に、フリー磁性層32上にリフト
オフレジストを形成し、フリー磁性層32及びリフトオ
フレジストに絶縁性バイアス層48を積層し、リフトオ
フレジストを除去する。最後に、絶縁性バイアス層4
8、48及びフリー磁性層32上に絶縁層57を積層
し、絶縁層57上に上部シールド層13を積層して薄膜
磁気ヘッド13が得られる。尚、上記と同様な理由か
ら、絶縁性バイアス層48、48を積層する前に、フリ
ー磁性層32の上面を逆スパッタリング等によりエッチ
ングすることが好ましい。
【0100】この薄膜磁気ヘッド123においては、一
対の絶縁性バイアス層48、48が上部シールド層13
に埋め込まれているので、磁気記録密度の高度化に伴い
スピンバルブ型薄膜磁気素子124及び絶縁層31、5
7を薄くして狭ギャップ化した場合でも、絶縁性バイア
ス層48、48を薄くする必要がなく、フリー磁性層3
2の磁化方向を一方向に確実に揃えることができると共
に検出電流を効率よく流すことができ、薄膜磁気ヘッド
123の検出感度を高くできる。
【0101】また、上部シールド層13とフリー磁性層
32との間に絶縁性バイアス層48、48が配置されて
いるので、ギャップデプスを決定するために媒体対向面
7を研磨した際に上部シールド層13の一部が引き延ば
されてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バイア
ス層48、48を跨いでフリー磁性層32まで達する確
率が低くなり、上部シールド層13とスピンバルブ型薄
膜磁気素子124とのショートの発生確率を低減させる
ことができる。
【0102】(第5の実施形態)図14に本発明の第5
の実施形態である薄膜磁気ヘッド133の断面図を示
す。尚、図14において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0103】図14に示すように、この薄膜磁気ヘッド
133は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子134と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子134の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図14に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子134側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子134側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図14において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド133のトラック幅方向である。
【0104】このスピンバルブ型薄膜磁気素子134
は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
ボトム型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子134において、
符号21は、下部シールド層12の凸部12a上に設け
られた絶縁層を示している。また、絶縁層21上には断
面視略台形状の反強磁性層65が積層されている。
【0105】そして、凸部12a、絶縁層21及び反強
磁性層65の図示X1方向両側(トラック幅方向両側)
には、一対の絶縁性バイアス層58、58が配置されて
いる。絶縁性バイアス層58、58は、その上面58a
(層面)が反強磁性層65の上面(層面)65aと同一
面を形成する厚さまで積層されている。一対の絶縁性バ
イアス層58、58は、下部シールド層12の凸部12
aの図示X1方向両側に配置されることによって、その
一部が下部シールド層12に埋め込まれた形になる。
【0106】絶縁性バイアス層58、58及び反強磁性
層65上には、固定磁性層64、非磁性導電層63及び
フリー磁性層42が順次積層されている。これらの各層
64、63、42の形状は各々トラック幅に対応する幅
を有する断面視略台形状とされている。そして、固定磁
性層64、非磁性導電層63及びフリー磁性層42の図
示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対の強
磁性層19、19が配置されている。この強磁性層1
9、19は絶縁性バイアス層58、58上に積層される
と共にその上面19aがフリー磁性層42の上面42a
と同一面を形成するように積層されている。
【0107】そして、強磁性層19、19上には一対の
導電層66、66が積層され、この導電層66、66及
びフリー磁性層42を覆う絶縁層67が積層され、絶縁
層67上に上部シールド層13が積層されている。図1
4に示すように、一対の導電層66、66の間には、絶
縁層67の凸部67a及び上部シールド層13の凸部1
3aが位置することになる。すなわち、導電層67、6
7は凸部13aのトラック幅方向両側に位置することに
なり、上部シールド層13に埋め込まれた形になる。
【0108】絶縁性バイアス層58、58は、先に説明
した絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなる
ものであり、強磁性層19、19に接していて、これら
の層58、19の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁
界)を発現させ、強磁性層19の磁化方向を図示X1方
向に揃える。更にこの強磁性層19、19の漏れ磁界が
フリー磁性層42に印加されてフリー磁性層22の磁化
方向が図示X1方向に揃えられる。
【0109】反強磁性層65は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層64に接し
ていて、固定磁性層64と反強磁性層65との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層64の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層42の磁化方向と固定磁性層64の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0110】フリー磁性層42、固定磁性層64、非磁
性導電層63及び導電層66、66は、前述したフリー
磁性層22、固定磁性層24、非磁性導電層23及び導
電層26と各々同等の材料からなる。
【0111】次に、この薄膜磁気ヘッド133の製造方
法を図15〜図18を参照して説明する。まず図15に
示すように、下部シールド層12上に絶縁層21、反強
磁性層65、固定磁性層64、非磁性導電層63及びフ
リー磁性層42を順次を積層する。そして、フリー磁性
層42上にリフトオフレジストLf3を形成する。次に
図16に示すように、イオンミリング法(物理的イオン
ビームエッチング法)によって、リフトオフレジストL
f3の両側を、下部シールド層12の上部に至る深さま
でエッチングすることにより、凸部12aを形成すると
共にフリー磁性層42、非磁性導電層63、固定磁性層
64及び反強磁性層65を断面視略台形状とする。
【0112】次に図17に示すように、リフトオフレジ
ストLf3及びリフトオフレジストLf3の両側(凸部
12aの両側)に絶縁性バイアス層58、強磁性層19
及び導電層66を順次積層する。絶縁性バイアス層58
は反強磁性層65の上面と同じ位置まで、強磁性層はフ
リー磁性層42の上面の位置までそれぞれ積層する。最
後に図18に示すように、リフトオフレジストLf3を
除去した後に、絶縁層67及び上部シールド層13を順
次積層することによって薄膜磁気ヘッド133が得られ
る。
【0113】上述の薄膜磁気ヘッド133においては、
絶縁性バイアス層58、58が下部シールド層12の凸
部12aのX1方向両側に配置されているので、絶縁層
67の段差を小さくさせることができ、上部シールド層
13に段差を生じることがなく、例えばこの上部シール
ド層13上にギャップ層14及び上部コア層17を積層
してインダクティブヘッド4を形成した場合でもギャッ
プ層14に段差が生じることがなく、インダクティブヘ
ッド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形状にな
ることがない。
【0114】またこの薄膜磁気ヘッド113において
は、一対の導電層66、66が、上部シールド層13の
凸部13aの両側に配置されてその一部が上部シールド
層13に埋め込まれた形になるので、磁気記録密度の高
度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子134を薄くし
て狭ギャップ化する場合にも、導電層66、66の厚さ
を薄くする必要はなく、検出電流を効率よくフリー磁性
層42に与えることが可能となる。
【0115】更にこの薄膜磁気ヘッド133において
は、製造時に絶縁性バイアス層58、58及び強磁性層
19、19を順次積層するので、これらの層58、19
の界面に不純物等が混入することがなく、絶縁性バイア
ス層58と強磁性層19との界面にて大きな交換結合磁
界が発現され、この交換結合磁界によってフリー磁性層
42の磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることが
できる。
【0116】また、下部シールド層12と強磁性層1
9、19との間に絶縁性バイアス層58、58が配置さ
れているので、ギャップデプスを決定するために媒体対
向面7を研磨した際に下部シールド層12の一部が引き
延ばされてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バ
イアス層58、58を跨いで強磁性層19、19まで達
する確率が低くなり、下部シールド層12とスピンバル
ブ型薄膜磁気素子134とのショートの発生確率を低減
させることができる。
【0117】(第6の実施形態)図19に本発明の第6
の実施形態である薄膜磁気ヘッド143の断面図を示
す。尚、図19において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0118】図19に示すように、この薄膜磁気ヘッド
143は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子144と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子144の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図19に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子144側に突出する凸
部12aが設けられている。なお、図19において、図
示Z方向は磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁
気記録媒体からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄
膜磁気ヘッド143のトラック幅方向である。
【0119】このスピンバルブ型薄膜磁気素子144
は、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層及び反強
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
トップ型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子144において
は、下部シールド層12の凸部12a上に絶縁層21が
設けられている。そして、凸部12a及び絶縁層21の
図示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対の
絶縁性バイアス層68、68が配置されている。絶縁性
バイアス層68、68は、その上面68a(層面)が絶
縁層21の上面(層面)21aと同一面を形成する厚さ
まで積層されている。一対の絶縁性バイアス層68、6
8は、下部シールド層12の凸部12aの図示X1方向
両側に配置されることによって、その一部が下部シール
ド層12に埋め込まれた形になる。
【0120】絶縁層21上には、フリー磁性層52、非
磁性導電層73、固定磁性層74及び反強磁性層75が
順次積層されている。これらの各層52、73、74、
75の形状は各々トラック幅に対応する幅を有する断面
視略台形状とされている。そして、フリー磁性層52、
非磁性導電層73及び固定磁性層74の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の強磁性層29、
29が配置されている。この強磁性層29、29は絶縁
性バイアス層68、68上に積層されると共にその上面
29aが固定磁性層74の上面74aと同一面を形成す
るように積層されている。すなわち、強磁性層29、2
9の厚さは、フリー磁性層52、非磁性導電層73及び
お固定磁性層74の厚さの合計と同一とされている。
【0121】そして、反強磁性層75の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の導電層76、7
6が強磁性層29、29上に積層されて配置されてい
る。そして、導電層76、76及び反強磁性層75上に
絶縁層77が積層され、絶縁層77上に上部シールド層
13が積層されている。
【0122】絶縁性バイアス層68、68は先に説明し
た絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなるも
のであり、強磁性層29、29に接していて、これらの
層68、29の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁
界)を発現させ、強磁性層29の磁化方向を図示X1方
向に揃えさせる。更にこの強磁性層29、29の漏れ磁
界がフリー磁性層52に印加されてフリー磁性層52の
磁化方向が図示X1方向に揃えられる。
【0123】反強磁性層75は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層74に接し
ていて、固定磁性層74と反強磁性層75との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層74の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層52の磁化方向と固定磁性層74の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0124】フリー磁性層52、固定磁性層74、非磁
性導電層73及び導電層76、76は、前述したフリー
磁性層22、固定磁性層24、非磁性導電層23及び導
電層76と各々同等の材料からなる。
【0125】薄膜磁気ヘッド143は、前述の第5の実
施形態の薄膜磁気ヘッド133の製造方法に類似した方
法により製造される。第5の実施形態の薄膜磁気ヘッド
133の製造方法との主たる相違点は、下部シールド層
12上に、絶縁層21、フリー磁性層52、非磁性導電
層73、固定磁性層74及び反強磁性層75を順次積層
する点である。
【0126】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
21、フリー磁性層52、非磁性導電層73、固定磁性
層74及び反強磁性層75を順次積層し、反強磁性層7
5上にリフトオフレジストを形成し、リフトオフレジス
トのトラック幅方向両側をエッチングして下部シールド
層12に凸部12aを形成すると共にフリー磁性層5
2、非磁性導電層73、固定磁性層74及び反強磁性層
75の形状を断面視略台形状とする。次に、エッチング
して露出した下部シールド層上及びリフトオフレジスト
上に絶縁性バイアス層68、強磁性層29及び導電層7
6を積層し、リフトオフレジストを除去する。そして、
導電層76及び反強磁性層75上に絶縁層77及び上部
シールド層13を積層して、薄膜磁気ヘッド143が得
られる。
【0127】上述の薄膜磁気ヘッド143においては、
絶縁性バイアス層68、68が下部シールド層12の凸
部12aのX1方向両側に配置されているので、絶縁層
77の段差を小さくさせることができ、上部シールド層
13に段差を生じることがなく、例えばこの上部シール
ド層13上にギャップ層14及び上部コア層17を積層
してインダクティブヘッド4を形成した場合でもギャッ
プ層14に段差が生じることがなく、インダクティブヘ
ッド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形状にな
ることがない。
【0128】またこの薄膜磁気ヘッド133において
は、製造時に絶縁性バイアス層68、68及び強磁性層
29、29を順次積層するので、これらの層68、29
の界面に不純物等が混入することがなく、絶縁性バイア
ス層68と強磁性層29との界面にて大きな交換結合磁
界が発現され、この交換結合磁界によってフリー磁性層
52の磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることが
できる。
【0129】更にこの薄膜磁気ヘッド143において
は、絶縁性バイアス層68、68の一部が凸部12aの
トラック幅方向両側に配置されるとともに、導電層7
6、76が反強磁性層75のトラック幅方向両側に配置
されているので、スピンバルブ型薄膜磁気素子144を
薄くすることができ、薄膜磁気ヘッド143の狭ギャッ
プ化が可能になって磁気記録密度の高度化に対応でき
る。
【0130】また、下部シールド層12と強磁性層2
9、29との間に絶縁性バイアス層68、68が配置さ
れているので、ギャップデプスを決定するために媒体対
向面7を研磨した際に下部シールド層12の一部が引き
延ばされてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性バ
イアス層68、68を跨いで強磁性層29、29まで達
する確率が低くなり、下部シールド層12とスピンバル
ブ型薄膜磁気素子144とのショートの発生確率を低減
させることができる。
【0131】(第7の実施形態)図20に本発明の第7
の実施形態である薄膜磁気ヘッド153の断面図を示
す。尚、図20において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0132】図20に示すように、この薄膜磁気ヘッド
153は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子154と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子154の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図20に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子154側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子154側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図20において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド153のトラック幅方向である。
【0133】このスピンバルブ型薄膜磁気素子154
は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
ボトム型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子154において
は、下部シールド層12の凸部12a上に絶縁層21が
設けられ、凸部12a及び絶縁層21の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の層間絶縁層4
1、41と導電層86、86が順次積層されて配置され
ている。層間絶縁層41、41は、凸部12aの傾斜側
面上に延在して絶縁層21に接している。また、導電層
86、86は、その上面86a(層面)が絶縁層21の
上面(層面)21aと同一面を形成する厚さまで積層さ
れている。一対の導電層86、86は、下部シールド層
12の凸部12aの図示X1方向両側に配置されること
によって、その一部が下部シールド層12に埋め込まれ
た形になる。
【0134】絶縁層21上には、反強磁性層85、固定
磁性層84、非磁性導電層83及びフリー磁性層62が
順次積層されている。これらの各層85、84、83、
62の形状は各々トラック幅に対応する幅を有する断面
視略台形状とされている。そして、反強磁性層85、固
定磁性層84、非磁性導電層83及びフリー磁性層62
の図示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対
の強磁性層39、39が導電層86、86上に積層され
て配置され、更にこの強磁性層39、39上には絶縁性
バイアス層78、78が積層されている。この強磁性層
39、39は絶縁性バイアス層78、78に接すると共
にその上面39aがフリー磁性層62の上面62aと同
一面を形成するように積層されている。すなわち、強磁
性層39、39の厚さは、フリー磁性層62、非磁性導
電層83、固定磁性層84及び反強磁性層85の厚さの
合計と同一とされている。
【0135】そして、絶縁性バイアス層78、78及び
フリー磁性層62上に絶縁層87が積層され、絶縁層8
7上に上部シールド層13が積層されている。図20に
示すように、一対の絶縁性バイアス層78、78の間に
は、絶縁層87の凸部87a及び上部シールド層13の
凸部13aが位置することになる。すなわち、絶縁性バ
イアス層78、78は凸部13aのトラック幅方向両側
に位置することになり、上部シールド層13に埋め込ま
れた形になる。
【0136】絶縁性バイアス層78、78は先に説明し
た絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなるも
のであり、強磁性層39、39に接していて、これらの
層78、39の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁
界)を発現させ、強磁性層39の磁化方向を図示X1方
向に揃えさせる。更にこの強磁性層39、39の漏れ磁
界がフリー磁性層62に印加されてフリー磁性層62の
磁化方向が図示X1方向に揃えられる。
【0137】反強磁性層85は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層84に接し
ていて、固定磁性層84と反強磁性層85との界面にて
交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定磁性
層84の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これによ
り、フリー磁性層62の磁化方向と固定磁性層84の磁
化方向とが交差する関係になる。
【0138】フリー磁性層62、固定磁性層84、非磁
性導電層83及び導電層86は、前述したフリー磁性層
22、固定磁性層24、非磁性導電層23及び導電層2
6と各々同等の材料からなるものである。
【0139】薄膜磁気ヘッド153は、前述の第5の実
施形態の薄膜磁気ヘッド133の製造方法に類似した方
法により製造される。第5の実施形態の薄膜磁気ヘッド
133の製造方法との主たる相違点は、リフトオフレジ
ストの両側をエッチングした後に、導電層86、強磁性
層39及び絶縁性バイアス層78を順次積層する点であ
る。
【0140】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
21、反強磁性層85、固定磁性層84、非磁性導電層
83及びフリー磁性層62を順次積層し、フリー磁性層
62上にリフトオフレジストを形成し、リフトオフレジ
ストのトラック幅方向両側をエッチングして下部シール
ド層12に凸部12aを形成すると共に絶縁層21、反
強磁性層85、固定磁性層84、非磁性導電層83及び
フリー磁性層62の形状を断面視略台形状とする。次
に、エッチングして露出した下部シールド層上及びリフ
トオフレジスト上に導電層86、強磁性層39及び絶縁
性バイアス層78を順次積層し、リフトオフレジストを
除去する。そして、絶縁性バイアス層78及びフリー磁
性層62上に絶縁層87及び上部シールド層13を積層
して、薄膜磁気ヘッド153が得られる。
【0141】この薄膜磁気ヘッド153においては、一
対の導電層86、86が下部シールド層12及び絶縁層
21に埋め込まれているので、スピンバルブ型薄膜磁気
素子154の上面を構成する絶縁層87の段差が絶縁性
バイアス層78、78の厚さ分だけとなり、従来の薄膜
磁気ヘッドのトラック部G2近傍に生じた段差よりも小
さくなる。すなわち、一対の導電層86、86が下部シ
ールド層12の凸部12aのX1方向両側に配置される
ことによって、絶縁層87の段差が小さくなり、これに
より上部シールド層13に段差が生じることがない。従
って、例えばこの上部シールド層13上にギャップ層1
4及び上部コア層17を積層してインダクティブヘッド
4を形成した場合でもギャップ層14に段差が生じるこ
とがなく、インダクティブヘッド4の書き込み磁気ギャ
ップG1がいびつな形状になることがない。
【0142】また、導電層86、86が下部シールド層
12に埋め込まれると共に、絶縁性バイアス層78、7
8が上部シールド層13に埋め込まれるので、磁気記録
密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子154
を薄くして狭ギャップ化した場合でも、絶縁性バイアス
層78、78及び導電層86、86を薄くする必要がな
く、フリー磁性層62の磁化方向を一方向に確実に揃え
ることができると共に検出電流を効率よく流すことがで
き、薄膜磁気ヘッド153の検出感度を高くできる。
【0143】また、上部シールド層13と強磁性層3
9、39との間に絶縁性バイアス層78、78が配置さ
れることになるので、ギャップデプスを決定するために
媒体対向面7を研磨した際に上部シールド層13の一部
が引き延ばされてダレが生じたとしても、このダレが絶
縁性バイアス層78、78を跨いで強磁性層39、39
まで達する確率が低くなり、上部シールド層13とスピ
ンバルブ型薄膜磁気素子154とのショートの発生確率
を低減させることができる。
【0144】(第8の実施形態)図21に本発明の第8
の実施形態である薄膜磁気ヘッド163の断面図を示
す。尚、図21において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0145】図21に示すように、この薄膜磁気ヘッド
163は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子164と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子164の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図21に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子164側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子164側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図21において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド163のトラック幅方向である。
【0146】このスピンバルブ型薄膜磁気素子164
は、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層及び反強
磁性層が1層づつ順に積層されて構成された、いわゆる
トップ型のシングルスピンバルブ型薄膜磁気素子であ
る。このスピンバルブ型薄膜磁気素子164において
は、下部シールド層12の凸部12a上に絶縁層21が
設けられ、凸部12a及び絶縁層21の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の相関絶縁層5
1、51と導電層96、96とが順次積層されて配置さ
れている。層間絶縁層51、51は、凸部12aの傾斜
側面上に延在して絶縁層21に接している。また、導電
層96、96は、その上面96a(層面)が絶縁層21
の上面(層面)21aと同一面を形成する厚さまで積層
されている。一対の導電層96、96は、下部シールド
層12の凸部12aの図示X1方向両側に配置されるこ
とによって、その一部が下部シールド層12に埋め込ま
れた形になる。
【0147】絶縁層21上には、フリー磁性層72、非
磁性導電層93、固定磁性層94及び反強磁性層95が
順次積層されている。これらの各層72、93、94、
95の形状は各々トラック幅に対応する幅を有する断面
視略台形状とされている。そして、フリー磁性層72、
非磁性導電層93、固定磁性層94及び反強磁性層95
の図示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対
の強磁性層49、49が導電層96、96上に積層され
て配置され、更にこの強磁性層49、49上には絶縁性
バイアス層88、88が積層されている。この強磁性層
49、49は絶縁性バイアス層88、88に接すると共
にその上面49aが反強磁性層95の上面95aと同一
面を形成するように積層されている。
【0148】そして、絶縁性バイアス層88、88及び
反強磁性層95上に絶縁層97が積層され、絶縁層97
上に上部シールド層13が積層されている。図21に示
すように、一対の絶縁性バイアス層88、88の間に
は、絶縁層97の凸部97a及び上部シールド層13の
凸部13aが位置することになる。すなわち、絶縁性バ
イアス層88、88は凸部13aのトラック幅方向両側
に位置することになり、上部シールド層13に埋め込ま
れた形になる。
【0149】絶縁性バイアス層88、88は先に説明し
た絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からなるも
のであり、強磁性層49、49に接していて、これらの
層88、49の界面にて交換結合磁界(交換異方性磁
界)を発現させ、強磁性層49の磁化方向を図示X1方
向に揃えさせる。更にこの強磁性層49、49の漏れ磁
界がフリー磁性層72に印加されてフリー磁性層72の
磁化方向が図示X1方向に揃えられる。
【0150】反強磁性層95は、前述した反強磁性層2
5と同等の材料からなるもので、固定磁性層94に積層
されていて、固定磁性層94と反強磁性層95との界面
にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固定
磁性層94の磁化方向を図示Y方向に固定させる。これ
により、フリー磁性層72の磁化方向と固定磁性層94
の磁化方向とが交差する関係になる。
【0151】フリー磁性層72、固定磁性層94、非磁
性導電層93及び導電層96は、前述したフリー磁性層
22、固定磁性層24、非磁性導電層23及び導電層2
6と同等の材料からなる。
【0152】薄膜磁気ヘッド163は、前述の第5の実
施形態の薄膜磁気ヘッド133の製造方法に類似した方
法により製造される。第5の実施形態の薄膜磁気ヘッド
133の製造方法との主たる相違点は、下部シールド層
12上に、絶縁層21、フリー磁性層72、非磁性導電
層93、固定磁性層94及び反強磁性層95を順次積層
する点と、リフトオフレジストの両側をエッチングした
後に、導電層96、強磁性層49及び絶縁性バイアス層
88を順次積層する点である。
【0153】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
21、フリー磁性層72、非磁性導電層93、固定磁性
層94及び反強磁性層95を順次積層し、反強磁性層9
5上にリフトオフレジストを形成し、リフトオフレジス
トのトラック幅方向両側をエッチングして下部シールド
層12に凸部12aを形成すると共に絶縁層21、フリ
ー磁性層72、非磁性導電層93、固定磁性層94及び
反強磁性層95の形状を断面視略台形状とする。次に、
エッチングして露出した下部シールド層上及びリフトオ
フレジスト上に導電層96、強磁性層49及び絶縁性バ
イアス層88を積層し、リフトオフレジストを除去す
る。そして、絶縁性バイアス層88及び反強磁性層95
上に絶縁層97及び上部シールド層13を積層して薄膜
磁気ヘッド163が得られる。
【0154】上述の薄膜磁気ヘッド163においては、
第7の実施形態の薄膜磁気ヘッド153の効果と同様な
効果が得られる。
【0155】(第9の実施形態)図22に本発明の第9
の実施形態である薄膜磁気ヘッド203の断面図を示
す。尚、図22において、前述した図1〜図4に示した
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該構
成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省略
する。
【0156】図22に示すように、この薄膜磁気ヘッド
203は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にスライダ2
に設けられてインダクティブヘッド4と共に浮上式磁気
ヘッドを構成するもので、スピンバルブ型薄膜磁気素子
204と、このスピンバルブ型薄膜磁気素子204の厚
さ方向両側に積層された上部シールド層13及び下部シ
ールド層12とからなる。また、図22に示すように、
下部シールド層12には、スピンバルブ型薄膜磁気素子
204側に突出する凸部12aが設けられている。な
お、図22において、図示Z方向は磁気記録媒体の移動
方向であり、Y方向は磁気記録媒体からの漏れ磁界の方
向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッド203のトラック
幅方向である。
【0157】このスピンバルブ型薄膜磁気素子204
は、フリー磁性層の厚さ方向両側に、非磁性導電層、固
定磁性層及び反強磁性層が各々積層されて構成された、
いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜磁気素子である。
このスピンバルブ型薄膜磁気素子204においては、下
部シールド層12の凸部12a上に絶縁層221と反強
磁性層225が積層され、凸部12a、絶縁層221及
び反強磁性層225の図示X1方向両側(トラック幅方
向両側)に、一対の絶縁性バイアス層228、228が
配置されている。絶縁性バイアス層228、228は、
その上面228a(層面)が反強磁性層225の上面
(層面)225aと同一面を形成する厚さまで積層され
ている。この絶縁性バイアス層228、228は、下部
シールド層12の凸部12aの図示X1方向両側に配置
されることによって、その一部が下部シールド層12に
埋め込まれた形になる。
【0158】また、反強磁性層225上には、固定磁性
層224、非磁性導電層223、フリー磁性層222、
非磁性導電層233、固定磁性層234及び反強磁性層
235が順次積層されている。これらの各層225、2
24、223、222、233、234、235の形状
は各々トラック幅に対応する幅を有する断面視略台形状
とされている。そして、固定磁性層224、234、非
磁性導電層223、233及びフリー磁性層222の図
示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対の強
磁性層219、219が絶縁性バイアス層228、22
8上に積層されて配置されている。強磁性層219、2
19は、その上面219aが固定磁性層234の上面2
34aと同一面を形成するように積層されている。この
ようにして強磁性層219、219の厚さは、固定磁性
層224、234、非磁性導電層223、233及びフ
リー磁性層222の厚さの合計と同一とされている。
【0159】また、反強磁性層235の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の導電層226、
226が強磁性層219、219上に積層されて配置さ
れている。そして、導電層226、226及び反強磁性
層235上に絶縁層227が積層され、絶縁層227上
に上部シールド層13が積層されている。
【0160】絶縁性バイアス層228、228は先に説
明した絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からな
るものであり、強磁性層219、219に接していて、
これらの層228、219の界面にて交換結合磁界(交
換異方性磁界)を発現させ、強磁性層219の磁化方向
を図示X1方向に揃えさせる。更にこの強磁性層21
9、219の漏れ磁界がフリー磁性層222に印加され
てフリー磁性層222の磁化方向が図示X1方向に揃え
られる。
【0161】反強磁性層225、235は、前述した反
強磁性層25と同等の材料からなるもので、固定磁性層
224、234にそれぞれ接していて、固定磁性層22
4、234と反強磁性層225、235のそれぞれの界
面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固
定磁性層224、234の磁化方向を図示Y方向に固定
させる。これにより、フリー磁性層222の磁化方向と
固定磁性層224、234の磁化方向とが交差する関係
になる。
【0162】フリー磁性層222、固定磁性層224、
234、非磁性導電層223、233及び導電層226
は、前述したフリー磁性層22、固定磁性層24、非磁
性導電層23及び導電層26と同等の材料からなる。
【0163】非磁性導電層223、233を固定磁性層
224、234とフリー磁性層222とで挟む構造の巨
大磁気抵抗効果発生機構にあっては、固定磁性層22
4、234とフリー磁性層222を同種の材質で構成す
る方が、異種の材質で構成するよりも、伝導電子のスピ
ン依存散乱以外の因子が生じる可能性が低く、より高い
磁気抵抗効果を得ることが可能である。この薄膜磁気ヘ
ッド203では、ハードディスクなどの記録媒体からの
洩れ磁界によってフリー磁性層222の磁化方向が変動
すると、図示Y方向に固定された固定磁性層224、2
34の磁化との関係でスピンバルブ型薄膜磁気素子20
4の電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく
電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出され
る。
【0164】この薄膜磁気ヘッド203は、前述の第5
の実施形態の薄膜磁気ヘッド133の製造方法に類似し
た方法により製造される。第5の実施形態の薄膜磁気ヘ
ッド133の製造方法との主たる相違点は、下部シール
ド層12上に、絶縁層221、反強磁性層225、固定
磁性層224、非磁性導電層223、フリー磁性層22
2、非磁性導電層233、固定磁性層234及び反強磁
性層235を順次積層する点である。
【0165】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
221、反強磁性層225、固定磁性層224、非磁性
導電層223、フリー磁性層222、非磁性導電層23
3、固定磁性層234及び反強磁性層235を順次積層
し、反強磁性層235上にリフトオフレジストを形成
し、リフトオフレジストのトラック幅方向両側をエッチ
ングして下部シールド層12に凸部12aを形成すると
共に絶縁層221、反強磁性層225、235、固定磁
性層224、234、非磁性導電層223、233及び
フリー磁性層222の形状を断面視略台形状とする。次
に、エッチングして露出した下部シールド層上及びリフ
トオフレジスト上に絶縁性バイアス層228、強磁性層
219及び導電層226を順次積層し、リフトオフレジ
ストを除去する。そして、導電層226及び反強磁性層
235上に絶縁層227及び上部シールド層13を積層
して、薄膜磁気ヘッド203が得られる。
【0166】上述の薄膜磁気ヘッド203においては、
絶縁性バイアス層228、228が下部シールド層12
の凸部12aのX1方向両側に配置されているので、絶
縁層227の段差を小さくさせることができ、上部シー
ルド層13に段差を生じることがなく、例えばこの上部
シールド層13上にギャップ層14及び上部コア層17
を積層してインダクティブヘッド4を形成した場合でも
ギャップ層14に段差が生じることがなく、インダクテ
ィブヘッド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形
状になることがない。
【0167】またこの薄膜磁気ヘッド203において
は、製造時に絶縁性バイアス層228、228及び強磁
性層219、219を順次積層するので、これらの層2
28、219の界面に不純物等が混入することがなく、
絶縁性バイアス層228と強磁性層219との界面にて
大きな交換結合磁界が発現され、この交換結合磁界によ
ってフリー磁性層222の磁化方向をトラック幅方向に
確実に揃えることができる。
【0168】また、下部シールド層12と強磁性層21
9、219との間に絶縁性バイアス層228、228が
配置されることになるので、ギャップデプスを決定する
ために媒体対向面7を研磨した際に下部シールド層12
の一部が引き延ばされてダレが生じたとしても、このダ
レが絶縁性バイアス層228、228を跨いで強磁性層
219、219まで達する確率が低くなり、下部シール
ド層12とスピンバルブ型薄膜磁気素子204とのショ
ートの発生確率を低減させることができる。
【0169】更にこの薄膜磁気ヘッド203において
は、絶縁性バイアス層228、228の一部が凸部12
aのトラック幅方向両側に配置されるとともに、導電層
226、226が反強磁性層235のトラック幅方向両
側に配置されているので、スピンバルブ型薄膜磁気素子
204を薄くすることができ、薄膜磁気ヘッド203の
狭ギャップ化が可能になって磁気記録密度の高度化に対
応できる。
【0170】(第10の実施形態)図23に本発明の第
10の実施形態である薄膜磁気ヘッド213の断面図を
示す。尚、図23において、前述した図1〜図4に示し
た構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該
構成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省
略する。
【0171】図23に示すように、この薄膜磁気ヘッド
213は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子214と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子214の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図23に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子214側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子214側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図23において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド213のトラック幅方向である。
【0172】このスピンバルブ型薄膜磁気素子214
は、フリー磁性層の厚さ方向両側に、非磁性導電層、固
定磁性層及び反強磁性層が各々積層されて構成された、
いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜磁気素子である。
このスピンバルブ型薄膜磁気素子214においては、下
部シールド層12の凸部12a上に絶縁層221と反強
磁性層225が設けられ、凸部12a、絶縁層221及
び反強磁性層225の図示X1方向両側(トラック幅方
向両側)に、一対の層間絶縁層231、231と導電層
236、236とが順次積層されて配置されている。層
間絶縁層231、231は、凸部12aの傾斜側面上に
延在して絶縁層221に接している。また、導電層23
6、236は、その上面236a(層面)が反強磁性層
225の上面(層面)225aと同一面を形成する厚さ
まで積層されている。一対の導電層236、236は、
下部シールド層12の凸部12aの図示X1方向両側に
配置されることによって、その一部が下部シールド層1
2に埋め込まれた形になる。
【0173】また、反強磁性層225上には、固定磁性
層224、非磁性導電層223、フリー磁性層222、
非磁性導電層233、固定磁性層234及び反強磁性層
235が順次積層されている。これらの各層225、2
24、223、222、233、234、235の形状
は各々トラック幅に対応する幅を有する断面視略台形状
とされている。そして、固定磁性層224、234、非
磁性導電層223、233及びフリー磁性層222の図
示X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対の強
磁性層229、229が導電層236、236上に積層
されて配置されている。強磁性層229、229は、そ
の上面229aが固定磁性層234の上面234aと同
一面を形成するように積層されている。このようにして
強磁性層229、229の厚さは、固定磁性層224、
234、非磁性導電層223、233及びフリー磁性層
222の厚さの合計と同一とされている。
【0174】また、反強磁性層235の図示X1方向両
側(トラック幅方向両側)には、一対の絶縁性バイアス
層238、238が強磁性層229、229上に積層さ
れて配置されている。そして、絶縁性バイアス層23
8、238及び反強磁性層235上に絶縁層237が積
層され、絶縁層237上に上部シールド層13が積層さ
れている。図23に示すように、一対の絶縁性バイアス
層238、238の間には、絶縁層237の凸部237
a及び上部シールド層13の凸部13aが位置すること
になる。すなわち、絶縁性バイアス238、238は凸
部13aのトラック幅方向両側に位置することになり、
上部シールド層13に埋め込まれた形になる。
【0175】絶縁性バイアス層238、238は先に説
明した絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からな
るものであり、強磁性層229、229に接していて、
これらの層238、229の界面にて交換結合磁界(交
換異方性磁界)を発現させ、強磁性層229の磁化方向
を図示X1方向に揃えさせる。更にこの強磁性層22
9、229の漏れ磁界がフリー磁性層222に印加され
てフリー磁性層222の磁化方向が図示X1方向に揃え
られる。
【0176】反強磁性層225、235は、前述した反
強磁性層25と同等の材料からなるもので、固定磁性層
224、234にそれぞれ接して積層されていて、固定
磁性層224、234と反強磁性層225、235のそ
れぞれの界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発
現させ、固定磁性層224、234の磁化方向を図示Y
方向に固定させる。これにより、フリー磁性層222の
磁化方向と固定磁性層224、234の磁化方向とが交
差する関係になる。
【0177】この薄膜磁気ヘッド213は、前述の第5
の実施形態の薄膜磁気ヘッド133の製造方法に類似し
た方法により製造される。第5の実施形態の薄膜磁気ヘ
ッド133の製造方法との主たる相違点は、下部シール
ド層12上に、絶縁層221、反強磁性層225、固定
磁性層224、非磁性導電層223、フリー磁性層22
2、非磁性導電層233、固定磁性層234及び反強磁
性層235を順次積層する点と、リフトオフレジストの
両側をエッチングした後に、導電層236、強磁性層2
29及び絶縁性バイアス層238を順次積層する点であ
る。
【0178】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
221、反強磁性層225、固定磁性層224、非磁性
導電層223、フリー磁性層222、非磁性導電層23
3、固定磁性層234及び反強磁性層235を順次積層
し、反強磁性層235上にリフトオフレジストを形成
し、リフトオフレジストのトラック幅方向両側をエッチ
ングして下部シールド層12に凸部12aを形成すると
共に絶縁層221、反強磁性層225、235、固定磁
性層224、234、非磁性導電層223、233及び
フリー磁性層222の形状を断面視略台形状とする。次
に、エッチングして露出した下部シールド層上及びリフ
トオフレジスト上に層間絶縁層231、導電層236、
強磁性層229及び絶縁性バイアス層238を順次積層
し、リフトオフレジストを除去する。そして、絶縁性バ
イアス層238及び反強磁性層235上に絶縁層237
及び上部シールド層13を積層して薄膜磁気ヘッド21
3が得られる。
【0179】この薄膜磁気ヘッド213においては、一
対の導電層236、236の一部が下部シールド層12
に埋め込まれているので、スピンバルブ型薄膜磁気素子
214の上面を構成する絶縁層237の段差を、従来の
薄膜磁気ヘッドのトラック部G2近傍に生じた段差より
も小さくさせることができ、上部シールド層13に段差
が生じることがない。従って、例えばこの上部シールド
層13上にギャップ層14及び上部コア層17を積層し
てインダクティブヘッド4を形成した場合でもギャップ
層14に段差が生じることがなく、インダクティブヘッ
ド4の書き込み磁気ギャップG1がいびつな形状になる
ことがない。
【0180】また、上部シールド層13と強磁性層22
9、229との間に絶縁性バイアス層238、238が
配置されることになるので、ギャップデプスを決定する
ために媒体対向面7を研磨した際に上部シールド層13
の一部が引き延ばされてダレが生じたとしても、このダ
レが絶縁性バイアス層238、238を跨いで強磁性層
229、229まで達する確率が低くなり、上部シール
ド層13とスピンバルブ型薄膜磁気素子214とのショ
ートの発生確率を低減させることができる。
【0181】また、導電層236、236の一部が下部
シールド層12に埋め込まれると共に、絶縁性バイアス
層238、238が上部シールド層13に埋め込まれる
ので、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜
磁気素子214を薄くして狭ギャップ化した場合でも、
絶縁性バイアス層238、238及び導電層236、2
36を薄くする必要がなく、フリー磁性層222の磁化
方向を一方向に確実に揃えることができると共に検出電
流を効率よく流すことができ、薄膜磁気ヘッド213の
検出感度を高くできる。
【0182】更に、上述の薄膜磁気ヘッド213におい
ては、絶縁性バイアス層238、38の一部が上部シー
ルド層13の凸部13aのトラック幅方向両側に配置さ
れるとともに、導電層236、236の一部が下部シー
ルド層12の凸部12aのトラック幅方向両側に配置さ
れているので、スピンバルブ型薄膜磁気素子214を薄
くでき、薄膜磁気ヘッド213の狭ギャップ化が可能に
なって磁気記録密度の高度化に対応できる。
【0183】(第11の実施形態)図24に本発明の第
11の実施形態である薄膜磁気ヘッド223の断面図を
示す。尚、図24において、前述した図1〜図4に示し
た構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該
構成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省
略する。
【0184】図24に示すように、この薄膜磁気ヘッド
223は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子224と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子224の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図24に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子224側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子224側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図24において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド223のトラック幅方向である。
【0185】このスピンバルブ型薄膜磁気素子224
は、フリー磁性層の厚さ方向両側に、非磁性導電層、固
定磁性層及び反強磁性層が各々積層されて構成された、
いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜磁気素子である。
このスピンバルブ型薄膜磁気素子224においては、下
部シールド層12の凸部12a上に絶縁層231と反強
磁性層245と固定磁性層244と非磁性導電層243
が積層され、凸部12a、絶縁層231、反強磁性層2
45、固定磁性層244及び非磁性導電層243の図示
X1方向両側(トラック幅方向両側)には、一対の絶縁
性バイアス層248、248が配置されている。また、
絶縁層231、反強磁性層245、固定磁性層244、
非磁性導電層243の各々の形状は、断面視略台形状と
されている。また、絶縁性バイアス層248、248
は、その上面248a(層面)が非磁性導電層243の
上面(層面)243aと同一面を形成する厚さまで積層
されている。一対の絶縁性バイアス層248、248
は、下部シールド層12の凸部12aの図示X1方向両
側に配置されることによって、その一部が下部シールド
層12に埋め込まれた形になる。
【0186】絶縁性バイアス層248、248及び非磁
性導電層243には、フリー磁性層232、非磁性導電
層253、固定磁性層254及び反強磁性層255が順
次積層されている。また、反強磁性層255上には、一
対の導電層246、246が図示X1方向に沿って離間
して積層されている。そして、導電層246、246及
び反強磁性層255上に絶縁層247が積層され、絶縁
層247上に上部シールド層13が積層されている。図
24に示すように、一対の導電層246、246の間に
は、絶縁層247の凸部247a及び上部シールド層1
3の凸部13aが位置することになる。すなわち、導電
層246、246は凸部13aのトラック幅方向両側に
位置することになり、上部シールド層13に埋め込まれ
た形になる。
【0187】絶縁性バイアス層248、248は先に説
明した絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からな
るものであり、フリー磁性層242に接していて、これ
らの層248、242の界面にて交換結合磁界(交換異
方性磁界)を発現させ、これによりフリー磁性層232
の磁化方向が図示X1方向に揃えられる。
【0188】反強磁性層245、255は、前述した反
強磁性層25と同等の材料からなるもので、固定磁性層
244、254にそれぞれ接していて、固定磁性層24
4、254と反強磁性層245、255のそれぞれの界
面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発現させ、固
定磁性層244、254の磁化方向を図示Y方向に固定
させる。これにより、フリー磁性層232の磁化方向と
固定磁性層244、254の磁化方向とが交差する関係
になる。
【0189】フリー磁性層232、固定磁性層244、
254、非磁性導電層243、253及び導電層246
は、前述したフリー磁性層22、固定磁性層24、非磁
性導電層23及び導電層26と各々同等の材料からな
る。
【0190】次に、この薄膜磁気ヘッド223の製造方
法を、図25〜図29を参照して説明する。まず図25
に示すように、下部シールド層12上に、絶縁層23
1、反強磁性層245、固定磁性層244、及び非磁性
導電層243を積層する。次に図26に示すように、非
磁性導電層243上にリフトオフレジストLf4を形成
し、イオンミリング法(物理的イオンビームエッチング
法)によって、リフトオフレジストLf4の両側を下部
シールド層12の上部に至る深さまでエッチングするこ
とにより、下部シールド層12に凸部12aを形成する
と共に絶縁層231、反強磁性層245、固定磁性層2
44、及び非磁性導電層243の形状を各々断面視略台
形状とする。
【0191】次に図27に示すように、リフトオフレジ
ストLf4を除去し、フリー磁性層232、非磁性導電
層253、固定磁性層254及び反強磁性層255を積
層する。次に図28に示すように、反強磁性層255上
にリフトオフレジストLf5を形成し、リフトオフレジ
ストLf5およびその両側に導電層246を積層する。
最後に図29に示すように、リフトオフレジストLf5
を除去し、絶縁層247及び上部シールド層13を順次
積層することによって薄膜磁気ヘッド223が得られ
る。
【0192】この薄膜磁気ヘッド223においては、一
対の絶縁性バイアス層248、248の一部が下部シー
ルド層12に埋め込まれると共に、導電層246、24
6が上部シールド層13に埋め込まれているので、スピ
ンバルブ型薄膜磁気素子224の上面を構成する絶縁層
247の段差が、従来の薄膜磁気ヘッドのトラック部G
2近傍に生じた段差よりも小さくなる。これにより上部
シールド層13に段差が生じることがなく、例えばこの
上部シールド層13上にギャップ層14及び上部コア層
17を積層してインダクティブヘッド4を形成した場合
でもギャップ層14に段差が生じることがなく、書き込
み磁気ギャップG1がいびつな形状になることがない。
【0193】また、下部シールド層12とフリー磁性層
232との間に絶縁性バイアス層248、248が配置
されているので、ギャップデプスを決定するために媒体
対向面7を研磨した際に下部シールド層12の一部が引
き延ばされてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性
バイアス層248、248を跨いでフリー磁性層232
まで達する確率が低くなり、下部シールド層12とスピ
ンバルブ型薄膜磁気素子224とのショートの発生確率
を低減させることができる。また、一対の絶縁性バイア
ス層248、248の一部が下部シールド層12に埋め
込まれるので、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバル
ブ型薄膜磁気素子224及び絶縁層231、247を薄
くして狭ギャップ化した場合でも、絶縁性バイアス層2
48、248を薄くする必要がなく、フリー磁性層23
2の磁化方向を一方向に確実に揃えることができる。
【0194】(第12の実施形態)図30に本発明の第
12の実施形態である薄膜磁気ヘッド233の断面図を
示す。尚、図30において、前述した図1〜図4に示し
た構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、当該
構成要素については簡略に説明するか若しくは説明を省
略する。
【0195】図30に示すように、この薄膜磁気ヘッド
233は、前記の薄膜磁気ヘッド3と同様にインダクテ
ィブヘッド4と共に浮上式磁気ヘッドを構成するもの
で、スピンバルブ型薄膜磁気素子234と、このスピン
バルブ型薄膜磁気素子234の厚さ方向両側に積層され
た上部シールド層13及び下部シールド層12とからな
る。また、図30に示すように、下部シールド層12に
は、スピンバルブ型薄膜磁気素子234側に突出する凸
部12aが設けられ、上部シールド層13には、スピン
バルブ型薄膜磁気素子234側に突出する凸部13aが
設けられている。なお、図30において、図示Z方向は
磁気記録媒体の移動方向であり、Y方向は磁気記録媒体
からの漏れ磁界の方向であり、X1方向は薄膜磁気ヘッ
ド233のトラック幅方向である。
【0196】このスピンバルブ型薄膜磁気素子234
は、フリー磁性層の厚さ方向両側に、非磁性導電層、固
定磁性層及び反強磁性層が各々積層されて構成された、
いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜磁気素子である。
このスピンバルブ型薄膜磁気素子234においては、下
部シールド層12の凸部12a上に絶縁層241と反強
磁性層245と固定磁性層244と非磁性導電層243
とが積層され、凸部12a、絶縁層241、反強磁性層
245、固定磁性層244及び非磁性導電層243の図
示X1方向両側(トラック幅方向両側)に、層間絶縁層
241、241と導電層256、256とが順次積層さ
れて配置されている。層間絶縁層241、241は、凸
部12aの傾斜側面上に延在して絶縁層241に接して
いる。また、絶縁層241、反強磁性層245、固定磁
性層244、非磁性導電層243の各々の形状は、断面
視略台形状とされている。また、導電層256、256
は、その上面256a(層面)が非磁性導電層243の
上面(層面)243aと同一面を形成する厚さまで積層
されている。この導電層256、256は、下部シール
ド層12の凸部12aの図示X1方向両側に配置される
ことによって、その一部が下部シールド層12に埋め込
まれた形になる。
【0197】導電層256、256及び非磁性導電層2
43には、フリー磁性層242が積層されている。そし
て、フリー磁性層242には、非磁性導電層263、固
定磁性層264、反強磁性層265及び絶縁層257が
順次積層されている。これらの各層263、264、2
65、257の形状は各々断面視略台形状とされてい
る。そして、非磁性導電層263、固定磁性層264、
反強磁性層265及び絶縁層257の図示X1両側に
は、絶縁性バイアス層258、258が配置されてい
る。そして、絶縁性バイアス層258、258及び絶縁
層257上には、上部シールド層13が積層されてい
る。一対の絶縁性バイアス層258、258同士の間に
は、絶縁層257及び上部シールド層13の凸部13a
が位置しており、これにより絶縁性バイアス層258、
258は凸部13aのトラック幅方向両側に位置するこ
とになり、上部シールド層13に埋め込まれた形にな
る。
【0198】絶縁性バイアス層258、258は先に説
明した絶縁性バイアス層28、28と同等の材料からな
るものであり、フリー磁性層242に接していて、これ
らの層258、242の界面にて交換結合磁界(交換異
方性磁界)を発現させ、これによりフリー磁性層242
の磁化方向が図示X1方向に揃えられる。
【0199】反強磁性層245、265は、前述した反
強磁性層25と同等の材料からなるもので、固定磁性層
244、264にそれぞれ接して積層されていて、固定
磁性層244、264と反強磁性層245、265のそ
れぞれの界面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)を発
現させ、固定磁性層244、264の磁化方向を図示Y
方向に固定させる。これにより、フリー磁性層242の
磁化方向と固定磁性層244、264の磁化方向とが交
差する関係になる。
【0200】フリー磁性層242、固定磁性層244、
264、非磁性導電層243、263及び導電層256
は、前述したフリー磁性層22、固定磁性層24、非磁
性導電層23及び導電層26と同等の材料からなる。
【0201】次に、この薄膜磁気ヘッド233は、先に
説明した第11の実施形態の薄膜磁気ヘッド223の製
造方法に類似した方法で製造する。第11の実施形態の
薄膜磁気ヘッド223の製造方法と異なる点は、リフト
オフレジストの両側をエッチングして凸部12aを形成
した後に導電層256を積層する点と、フリー磁性層2
56、非磁性導電層263、固定磁性層264、薄膜磁
気ヘッド265及び絶縁層257を積層してさらに絶縁
層257上にリフトオフレジストを形成し、このリフト
オフレジストの両側側をエッチングした後に絶縁性バイ
アス層258、258を積層する点である。
【0202】すなわち、下部シールド層12上に絶縁層
241、反強磁性層245、固定磁性層244及び非磁
性導電層243を順次積層し、非磁性導電層243上に
リフトオフレジストを形成し、リフトオフレジストのト
ラック幅方向両側をエッチングして下部シールド層12
に凸部12aを形成すると共に絶縁層241、反強磁性
層245、固定磁性層244及び非磁性導電層243の
形状を各々断面視略台形状とする。次に、エッチングし
て露出した下部シールド層上及びリフトオフレジスト上
に層間絶縁層241、導電層256を順次積層し、リフ
トオフレジストを除去する。そして、フリー磁性層24
2、非磁性導電層263、固定磁性層264、反強磁性
層265及び絶縁層257を積層し、絶縁層257上に
リフトオフレジストを形成し、リフトオフレジストのト
ラック幅方向両側をエッチングして非磁性導電層26
3、固定磁性層264、反強磁性層265及び絶縁層2
57の形状を断面視略台形状とする。そして、リフトオ
フレジストの両側に絶縁性バイアス層258を積層し、
リフトオフレジストを除去し、上部シールド層13を積
層することにより薄膜磁気ヘッド233が得られる。
【0203】この薄膜磁気ヘッド233においては、一
対の絶縁性バイアス層258、258の一部が上部シー
ルド層13に埋め込まれると共に、導電層256、25
6が下部シールド層12に埋め込まれているので、スピ
ンバルブ型薄膜磁気素子234を薄くすることができ、
磁気記録の高密度化に対応させることができる。
【0204】また、この薄膜磁気ヘッド233において
は、絶縁性バイアス層258、258が非磁性導電層2
63、固定磁性層264、反強磁性層65及び絶縁層2
57の両側に配置されているので、スピンバルブ型薄膜
磁気素子234を薄くすることができ、薄膜磁気ヘッド
233を狭ギャップ化して磁気記録密度の高度化に対応
させることができる。
【0205】また、上部シールド層13とフリー磁性層
242との間に絶縁性バイアス層258、258が配置
されているので、ギャップデプスを決定するために媒体
対向面7を研磨した際に上部シールド層13の一部が引
き延ばされてダレが生じたとしても、このダレが絶縁性
バイアス層258、258を跨いでフリー磁性層242
まで達する確率が低くなり、上部シールド層13とスピ
ンバルブ型薄膜磁気素子234とのショートの発生確率
を低減させることができる。
【0206】また、一対の絶縁性バイアス層258、2
58の一部が上部シールド層13に埋め込まれるので、
磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素
子234を薄くして狭ギャップ化した場合でも、絶縁性
バイアス層258、258を薄くする必要がなく、フリ
ー磁性層242の磁化方向を一方向に確実に揃えること
ができる。
【0207】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
薄膜磁気ヘッドは、一方の前記シールド層に、前記スピ
ンバルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出する凸部が形成
されるとともに、前記一対の絶縁性バイアス層が前記凸
部のトラック幅方向両側に配置されているので、一対の
絶縁性バイアス層の一部若しくは全部が一方のシールド
層に埋め込まれた形となり、他方のシールド層に接する
スピンバルブ型薄膜磁気素子の面に生じる段差を小さく
することができ、他方のシールド層に段差が伝搬するこ
とを防止できる。従って例えば、この他方のシールド層
上にギャップ層及び上部コア層を積層してインダクティ
ブヘッドを形成した場合でも、ギャップ層に段差が生じ
ることがなく書き込み磁気ギャップG1がいびつな形状
になることがない。
【0208】また、一対の絶縁性バイアス層の一部若し
くは全部がシールド層に埋め込まれるので、磁気記録密
度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁気素子を薄くし
て狭トラック化した場合でも、絶縁性バイアス層を薄く
する必要がなく、フリー磁性層の磁化方向を一方向に確
実に揃えることができ、バルクハウゼンノイズを減少さ
せることができる。また、絶縁性の高い絶縁性バイアス
層がシールド層に積層されているので、ギャップデプス
を決定するために媒体対向面を研磨した際にシールド層
の一部が引き延ばされてダレが生じたとしても、このダ
レが絶縁性バイアス層を跨いでフリー磁性層まで達する
確率が低くなり、シールド層とスピンバルブ型薄膜磁気
素子とのショートの発生確率を低減させることが可能に
なる。
【0209】また本発明の薄膜磁気ヘッドは、少なくと
も前記フリー磁性層のトラック幅方向両側に位置すると
ともに、前記一対の絶縁性バイアス層に積層されて交換
異方性磁界が発現され、この交換異方性磁界により前記
フリー磁性層の磁化方向を揃える一対の強磁性層を備え
ており、かかる薄膜磁気ヘッドにおいては、製造時に絶
縁性バイアス層と強磁性層とを順次積層するため、これ
らの層の界面に不純物等が混入することがなく、絶縁性
バイアス層と強磁性層との界面にて大きな交換結合磁界
が発現されて、この交換結合磁界によりフリー磁性層の
磁化方向をトラック幅方向に確実に揃えることができ、
薄膜磁気ヘッドの検出感度をより高めることができる。
【0210】また、一方のシールド層と強磁性層との間
に絶縁性バイアス層が配置されることになるので、ギャ
ップデプスを決定するために媒体対向面を研磨した際に
シールド層の一部が引き延ばされてダレが生じたとして
も、このダレが絶縁性バイアス層を跨いで強磁性層まで
達する確率が低くなり、シールド層とスピンバルブ型薄
膜磁気素子とのショートの発生確率を低減させることが
できる。
【0211】更に本発明の薄膜磁気ヘッドでは、他方の
前記シールド層に、スピンバルブ型薄膜磁気素子側に向
けて突出する別の凸部が形成されるとともに別の絶縁層
が積層され、この凸部のトラック幅方向両側に前記一対
の導電層が配置されているので、一対の導電層の一部若
しくは全部が他方のシールド層に埋め込まれる形にな
り、磁気記録密度の高度化に伴いスピンバルブ型薄膜磁
気素子を薄くして狭ギャップ化した場合でも、導電層の
厚さを薄くする必要はなく、検出電流を効率よくフリー
磁性層に与えることができる。
【0212】更にまた本発明の薄膜磁気ヘッドでは、前
記一対の導電層が、互いにトラック幅方向に離間しつつ
前記フリー磁性層に接しているので、検出電流を効率よ
くフリー磁性層に与えることができ、薄膜磁気ヘッドの
検出感度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である薄膜磁気ヘッ
ドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態である浮上式磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。
【図3】 図2に示す浮上式磁気ヘッドの要部を示す断
面図である。
【図4】 図2に示す浮上式磁気ヘッドの要部を媒体対
向面側から見た模式図である。
【図5】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明
するための工程図である。
【図6】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明
するための工程図である。
【図7】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明
するための工程図である。
【図8】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明
するための工程図である。
【図9】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明
するための工程図である。
【図10】 図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を説
明するための工程図である。
【図11】 本発明の第2の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図12】 本発明の第3の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図13】 本発明の第4の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図14】 本発明の第5の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図15】 図14に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図16】 図14に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図17】 図14に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図18】 図14に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図19】 本発明の第6の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図20】 本発明の第7の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図21】 本発明の第8の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図22】 本発明の第9の実施形態である薄膜磁気ヘ
ッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図23】 本発明の第10の実施形態である薄膜磁気
ヘッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図24】 本発明の第11の実施形態である薄膜磁気
ヘッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図25】 図24に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図26】 図24に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図27】 図24に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図28】 図24に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図29】 図24に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を
説明するための工程図である。
【図30】 本発明の第12の実施形態である薄膜磁気
ヘッドを媒体対向面側から見た模式図である。
【図31】 従来の薄膜磁気ヘッドを媒体対向面側から
見た模式図である。
【図32】 図31に示す浮上式磁気ヘッドの要部を媒
体対向面側から見た模式図である。
【符号の説明】
1…浮上式磁気ヘッド、2…スライダ、3、103、1
13、123、133、143、153、163、20
3、213、223、233…薄膜磁気ヘッド、4…イ
ンダクティブヘッド、7…媒体対向面、10、104、
114、124、134、144、154、164、2
04、214、224、234…スピンバルブ型薄膜磁
気素子、11…絶縁層、12…下部シールド層(シール
ド層)、12a…凸部、13…上部シールド層(シール
ド層)、13a…凸部(凸部)、14 ギャップ層、1
7…上部コア層、21、31、221、231、241
…絶縁層、21a…一面(絶縁層の層面)22、32、
42、52、62、72、222、232、242…フ
リー磁性層、23、33、43、53、63、73、8
3、93、223、233、243、253、263…
非磁性導電層、24、34、44、54、64、74、
84、94、224、234、244、254、264
…固定磁性層、25、35、45、65、75、85、
95、225、235、245、255、265…反強
磁性層、26、36、46、56、66、76、86、
96、226、236、246、256…導電層、2
7、37、47、57、67、77、87、97、22
7、237、247、257…絶縁層、28、38、4
8、68、78、88、228、238、248、25
8…絶縁性バイアス層、28a…一面(絶縁性バイアス
層の層面)、19、29、39、49、219、229
…強磁性層、31、231、241…層間絶縁層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性
    層及び該固定磁性層の磁化方向を固定する反強磁性層が
    積層されるとともに、前記フリー磁性層に検出電流を与
    える一対の導電層と、前記フリー磁性層の磁化方向を揃
    える一対の絶縁性バイアス層とを備えたスピンバルブ型
    薄膜磁気素子と、 該スピンバルブ型薄膜磁気素子の厚さ方向両側に積層さ
    れた一対のシールド層を具備してなり、 一方の前記シールド層に、前記スピンバルブ型薄膜磁気
    素子側に向けて突出する凸部が形成されるとともに、前
    記一対の絶縁性バイアス層が前記凸部のトラック幅方向
    両側に配置されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記フリー磁性層のトラック
    幅方向両側に位置するとともに、前記一対の絶縁性バイ
    アス層に積層されて交換異方性磁界が発現され、この交
    換異方性磁界により前記フリー磁性層の磁化方向を揃え
    る一対の強磁性層を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 他方の前記シールド層に、前記スピンバ
    ルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出する別の凸部が形成
    され、この凸部のトラック幅方向両側に前記一対の導電
    層が配置されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記一対の導電層が、互いにトラック幅
    方向に離間しつつ前記フリー磁性層に接していることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 フリー磁性層の厚さ方向両側に各々非磁
    性導電層と固定磁性層と反強磁性層とが積層されるとと
    もに、前記フリー磁性層に検出電流を与える一対の導電
    層と、前記フリー磁性層の磁化方向を揃える一対の絶縁
    性バイアス層とを備えるスピンバルブ型薄膜磁気素子
    と、 該スピンバルブ型薄膜磁気素子の厚さ方向両側に積層さ
    れた一対のシールド層を具備してなり、 一方の前記シールド層に、前記スピンバルブ型薄膜磁気
    素子側に向けて突出する凸部が形成されるとともに、前
    記一対の絶縁性バイアス層が前記凸部のトラック幅方向
    両側に配置されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記フリー磁性層のトラック
    幅方向両側に位置するとともに、前記一対の絶縁性バイ
    アス層に積層されて交換異方性磁界が発現され、この交
    換異方性磁界により前記フリー磁性層の磁化方向を揃え
    る一対の強磁性層が備えられたことを特徴とする請求項
    5記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 他方の前記シールド層に、前記スピンバ
    ルブ型薄膜磁気素子側に向けて突出する別の凸部が形成
    され、この別の凸部のトラック幅方向両側に前記一対の
    導電層が配置されていることを特徴とする請求項5また
    は6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 スライダに、請求項1ないし請求項7の
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを備えてなることを特
    徴とする浮上式磁気ヘッド。
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