JP2001033578A - 制御棒監視制御システムおよびプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

制御棒監視制御システムおよびプログラムを記憶した記憶媒体

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JP2001033578A
JP2001033578A JP11208147A JP20814799A JP2001033578A JP 2001033578 A JP2001033578 A JP 2001033578A JP 11208147 A JP11208147 A JP 11208147A JP 20814799 A JP20814799 A JP 20814799A JP 2001033578 A JP2001033578 A JP 2001033578A
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Koki Yanagawa
幸喜 柳川
Makoto Eriguchi
誠 江里口
Yasuhiro Yamada
康弘 山田
Toyotaka Morita
豊崇 森田
Takuji Tawara
卓兒 田原
Atsuhiko Koizumi
敦彦 小泉
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】1台の計算機システムに処理を集中させること
なく、制御棒監視制御処理の効率および応答性を大幅に
向上させる。 【解決手段】予測された炉心状態および監視操作シーケ
ンスに基づいて制御棒を監視操作するための監視操作シ
ーケンスデータを作成するシーケンスデータ作成処理S
1〜S6と、作成された監視操作シーケンスデータに基
づいて制御棒を移動操作させるための制御信号を制御棒
移動装置に送信し、かつ炉心内の状態を表す状態データ
および制御棒の移動位置データを用いて制御棒の移動操
作状況を監視する監視操作処理S13〜S15と、監視
操作シーケンスデータおよび監視操作処理による移動操
作状況を含む監視情報に基づいて作成された移動操作状
況通知用ガイドデータを表示するガイドデータ表示処理
S17〜S19とを備える。各処理を計算機システム1
0a1、10a3及び10a4により分散して実行させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
ト等において制御棒の状態を監視制御する制御棒監視制
御システムおよびプログラムを記憶した記憶媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントにおいては、原子炉
制御用として、中性子吸収材から構成された複数の制御
棒およびこれら複数の制御棒を監視しながら操作制御す
るための制御棒監視制御システム(RWM)が設けられ
ている。
【0003】この制御棒監視制御システムは、制御棒の
移動状態(移動位置)を監視しながら、制御棒を操作し
て炉心内外に移動(挿入・引き抜き)させることによ
り、原子炉の出力制御、原子炉の出力分布の制御および
原子炉起動時・停止時の制御を行うようになっている。
【0004】ここで、従来の制御棒監視制御システムの
一例を図20に示す。
【0005】図20によれば、従来の制御棒監視制御シ
ステム150は、1台の計算機システム(コンピュータ
システム;集中型計算機システム)151から構成され
ている。
【0006】計算機システム151は、入力装置15
2、シーケンス入力用表示装置153、ガイド画面表示
用表示装置154、メモリ155および演算処理ユニッ
ト156を備えており、この演算処理ユニット156
は、メモリ155に記憶された制御棒監視制御プログラ
ム157に基づいて制御棒監視制御処理を行うようにな
っている。
【0007】すなわち、従来の制御棒監視制御システム
150によれば、運転員(オペレータ)が入力装置15
2を操作することにより、シーケンス入力用表示装置1
53の画面上で制御棒移動操作用(引き抜き操作・挿入
操作用)および監視用のシーケンスをオフラインで作成
・入力する。入力された制御棒監視操作シーケンスは、
演算処理ユニット156のシーケンス入力処理160に
より受信処理される。図21は、シーケンス入力用表示
装置153の制御棒監視操作シーケンス作成入力画面の
一例を示す図であり、この制御棒監視操作シーケンス作
成入力画面を介して操作対象となる制御棒グループ番号
および移動位置(ノッチ位置)を順次設定入力してい
き、その制御棒グループの監視シーケンスを設定入力し
ていくことにより作成される。
【0008】受信処理された制御棒監視操作シーケンス
は、演算処理ユニット156のシーケンス判定処理16
1により、予め規定されたフォーマットに一致している
か否かが判断される。
【0009】上記判断処理により制御棒監視操作シーケ
ンスが予め規定されたフォーマットに一致していた場合
には、演算処理ユニット156のシーケンス監視処理1
62および入出力処理163を介して図示しない制御棒
駆動装置に対して制御棒監視操作シーケンスに基づく制
御棒移動操作(引き抜き・挿入)用制御信号が送信さ
れ、制御棒駆動装置を介して制御棒移動操作(引き抜き
・挿入)がグループ単位で実行される。
【0010】このとき、演算処理ユニット156のシー
ケンス監視処理162により、上述した制御棒監視操作
シーケンスが実行されることにより、図示しない制御棒
位置検出器により検出された各制御棒の位置データ等に
基づいて実際の制御棒移動操作状況が監視されている。
この制御棒移動操作状況の監視シーケンスパターン(監
視パターン)としては、操作制御棒1本毎に個別に監視
するパターンや、複数の操作制御棒を原子炉の炉心軸に
水平な断面上で監視するパターン等があり、予めプラン
トや制御棒の操作方式等によって定められた最適な監視
パターンが選択・固定されている。
【0011】上記制御棒移動操作状況の監視情報および
制御棒監視操作シーケンスに基づいてシーケンスガイド
処理163が実行されることにより、オペレータに対し
て上記制御棒移動操作状況を監視させるための操作ガイ
ドデータが作成される。作成された操作ガイドデータ
は、シーケンスデータ処理164を介して画面データ
(制御棒操作ガイド画面データ)に変換され、シーケン
ス表示処理165によりガイド画面表示用表示装置15
4上に制御棒操作ガイド画面として表示される。
【0012】図22は、断面監視パターンが選択された
場合における原子炉の炉心軸に水平な断面を模式的に示
す炉心マップおよび制御棒移動操作状況を表す制御棒操
作ガイド画面を示す図である。なお、図22において、
“**"は、制御棒の位置を表し、横軸および縦軸の数
字は上記炉心マップ上の座標(位置アドレス;XX−X
X)を表しており、例えば、現在制御棒移動操作が行わ
れている(選択されている)制御棒や次の制御棒等が上
記座標として示されている。
【0013】一方、上記演算処理ユニット156のシー
ケンス監視処理162においては、得られた監視情報に
基づいて、実際の制御棒移動操作が制御棒監視操作シー
ケンスに従って行われているか否かが判断されており、
この判断の結果、上記制御棒監視操作シーケンスに含ま
れる制御棒操作以外の操作が行われと判断された場合
{例えば、制御棒挿入時における監視操作シーケンスか
ら逸脱した制御棒が3本以上存在した場合(挿入エラー
3本以上)}には、入出力処理166を介して対応する
制御棒の操作を阻止するための制御信号が送信され、制
御棒駆動装置を介して制御棒の移動操作が強制的に停止
される。
【0014】また、従来の制御棒監視制御システム15
0では、原子炉の停止余裕(制御棒が引き抜かれた際の
原子炉炉心の反応度を意味し、この反応度が所定のしき
い値を超えない場合には、原子炉の停止余裕が確保され
ているとされる)が確保されていることをテストする際
(以下、このテストを停止余裕テストと呼ぶ)に、予め
設定された停止余裕テスト用シーケンスに基づく停止余
裕テスト処理167が実行され、シーケンス監視処理1
62および入出力処理166を介して制御棒引き抜き用
制御信号が制御棒駆動装置に送信される。そして、制御
棒駆動装置の駆動により、予め定められた最大2本の制
御棒が引き抜かれる。このとき、シーケンス監視処理1
62により制御棒引き抜き操作状況が監視されており、
引き抜き異常が監視された場合には、入出力処理166
を介して対応する最大2本の制御棒の引き抜きを阻止す
るための制御信号が送信され、制御棒駆動装置を介して
対応する制御棒の引き抜き操作が強制的に停止される。
【0015】また、従来の制御棒監視制御システムにお
いては、上記制御棒監視制御システムを構成する計算機
システムの一部が故障した場合、計算機システムの自己
診断機能により計算機システムの異常を検出して警報を
出力するようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制御棒監視制御システムにおいては、後述する多数の問
題点がある。
【0017】第1の問題点として、従来の制御棒監視制
御システムでは、制御棒監視制御処理(シーケンス入力
処理161〜停止余裕テスト処理167)を1台の集中
型計算機システムによる集中処理で行っているため、こ
の集中型計算機システムの処理負担が増大して、各処理
の効率および応答性を低下させている。また、万が一集
中型計算機システムのハードウエアあるいはソフトウエ
ア(上記制御棒監視制御プログラム等)が故障した場合
には、上記制御棒監視制御処理に支障をきたす恐れがあ
る。
【0018】第1の問題点に関連して、従来の制御棒監
視制御システムでは、上述した制御棒監視制御処理機能
(制御棒監視制御プログラム)の一部、例えば制御棒監
視操作シーケンス作成処理機能、制御棒操作ガイド用画
面データ作成表示処理機能および制御棒操作・監視処理
機能の何れかを独立して他の機能と統合して拡張した
り、その処理内容(プログラム内容)を他の処理内容と
独立して追加・更新することが困難であり、拡張性・保
守性を低下させている。
【0019】第2の問題点として、従来の制御棒監視制
御システムにおいては、常に制御棒監視操作シーケンス
をオフラインで制御棒監視制御システムに入力しなけれ
ばならないため、オペレータは、新たな監視操作シーケ
ンスを入力する度に制御棒監視制御システムの設置場所
(例えば、原子力発電プラントの中央制御室)へ出向い
て入力操作を行う必要があり、監視操作シーケンス入力
効率が悪い。したがって、例えば、原子力発電プラント
に対して遠隔に位置する計算機システム等から監視操作
シーケンスを設定可能な制御棒監視制御システムが望ま
れている。
【0020】第3の問題点として、従来の制御棒監視制
御システムでは、単に計算機システム自体の異常を検出
するのみであり、具体的に上記制御棒監視制御処理機能
の中の何れの機能に異常が発生したのかを特定すること
はできない。したがって、異常機能の特定に多大な時間
を要する結果となり、制御棒監視制御システムの診断効
率を低下させている。
【0021】特に、計算機システムの動作がダウンした
場合、計算機システムのハードウエアの健全性を確認す
ることができなくなり、制御棒監視制御システムの信頼
性を低下させている。
【0022】第4の問題点として、従来の制御棒監視制
御システムにおいては、制御棒操作状況を監視するため
の監視方法を定める監視パターンは、上述した個別監視
パターンや断面監視パターン等の複数の監視パターンの
内の何れか1つに予め固定されているため、原子炉の運
転状態によっては、上記固定された監視パターンでは正
確に制御棒を監視することが困難な場合もあり、原子炉
運転状態に合わせて柔軟に監視パターンを選択可能にす
る構成が求められている。
【0023】第5の問題点として、従来の制御棒監視制
御システムでは、例えば全制御棒を完全な挿入状態から
引き抜く際の操作手順・操作量を表す複数の監視操作シ
ーケンスにおける原子炉低出力領域の監視操作シーケン
スについては、上記原子炉低出力領域では、原子炉の運
転サイクル毎の制御棒操作手順の差異が少ないため、こ
の低出力領域において監視操作シーケンスを繰り返し作
成・入力することは、作成・入力時間の増大を招く結果
となる。また、誤設定・誤入力防止の観点からも、低出
力領域においては監視操作シーケンスを作成・入力する
ことなく制御棒監視操作処理を行うことが可能なシステ
ムが求められている。
【0024】上記第5の問題点と関連した第6の問題点
として、従来の制御棒監視制御システムでは、監視操作
シーケンスに基づいて完全な挿入状態から引き抜き操作
されている制御棒がどの位置(ノッチ位置)まで引き抜
かれると原子炉出力レベルが低出力領域から逸脱するか
を求めることができる制御棒監視制御システムが求めら
れている。
【0025】従来の制御棒監視制御システムにおいて
は、例えば制御棒位置検出器の故障等によって演算処理
ユニットに対して制御棒の位置データが入力されない際
には、その位置データ入力不可の制御棒を制御棒監視制
御システムの監視制御対象から除外することが考えられ
ている。
【0026】しかしながら、制御棒グループの制御棒操
作状況と監視操作シーケンスとが正確に対応しているか
否かを監視して判断するシーケンス監視処理は、制御棒
グループを構成する各制御棒の位置に基づいて行われて
いるため、除外制御棒を無制限に設定可能にしてしまう
と、例えば制御棒グループ内の全ての制御棒を除外して
シーケンス監視処理を妨げる恐れがあり、制御棒監視制
御システムの信頼性を低下させるという第7の問題点が
ある。
【0027】そして、従来の制御棒監視制御システムに
おいては、例えば原子炉の運転範囲等に応じて演算処理
ユニットに対して制御棒の位置データが入力されない際
には、その位置データ入力不可の制御棒の位置データの
代替値を、例えば上記監視操作シーケンス作成入力処理
の際に表示装置および入力装置を介して設定することも
考えられている。
【0028】しかしながら、原子炉の運転状態{原子炉
出力(出力レベル;炉心出力レベル)、炉心内の出力分
布、燃焼度および熱的制限値等}を管理する炉心管理
は、制御棒グループを構成する各制御棒の位置に基づい
て行われているため、代替値を無制限に設定可能にして
しまうと、例えば制御棒グループ内の全ての制御棒に対
して代替値が設定され、炉心管理が実際の制御棒操作状
況と無関係に行われる危険性があり、制御棒監視制御シ
ステムの信頼性を低下させるという第8の問題点があ
る。
【0029】さらに、従来の制御棒監視制御システムに
おけるシーケンス監視処理においては、実際の制御棒操
作状況が、監視操作シーケンスを逸脱したと判断された
場合に、制御棒の移動操作(挿入操作・引き抜き操作)
を強制的に停止させる制御処理を行っている。
【0030】しかしながら、上記強制停止制御処理は、
あくまで実際の制御棒移動操作が監視操作シーケンスか
ら逸脱したか否かに基づくものであり、実際の炉心状態
(炉内出力等)とは無関係に実行されるため、例えば、
制御棒挿入時(原子炉出力下降時で炉内出力分布の偏り
/歪み等の問題が生じない)、すなわち、原子炉が安全
な状態にあるにも拘わらず、制御棒挿入操作状況が監視
操作シーケンスを逸脱したと判断された際に常に制御棒
挿入操作阻止制御が実行されることになり、オペレータ
は、その都度、制御棒挿入操作を再開させるための操作
を行わなければならず、非常に使い勝手の悪いシステム
となるという第9の問題点がある。
【0031】そして、従来の制御棒監視制御システムに
おいては、原子炉の停止余裕を確認するための停止余裕
テスト時の制御棒操作の許容範囲は最大2本までに予め
固定されており、上記停止余裕テストの内容によって3
本以上の制御棒を操作制御する際には、制御棒監視制御
処理を行うことなく、停止余裕テストを実行している。
【0032】しかしながら、上記停止余裕テストでの制
御棒操作許容最大本数は、停止余裕テストの実運用に無
関係に設定されており、制御棒監視制御処理を行うこと
なく、すなわち、制御棒監視制御処理を除外した状態で
停止余裕テストを実行することは、安全性の面からも問
題があり、オペレータが停止余裕テストの実運用に即し
て制御棒操作許容最大本数を設定できる使い勝手の良い
システムが求められているという第10の問題点があ
る。
【0033】第10の問題点を解消するために、従来の
制御棒監視制御システムにおいて、停止余裕テストの運
用状況によって、3本以上の制御棒を操作制御する必要
があるか否かをオペレータが判断することも考えられて
いるが、この場合には、オペレータの上記判断処理にか
かる負担が増加し、また、上記判断は実際の原子炉の停
止余裕から判断されたわけではなく、あくまでオペレー
タの経験に基づくものであり、信頼性に欠けるという第
11の問題点がある。
【0034】一方、制御棒挿入操作時は原子炉出力を減
少させる操作であり、原子炉としては安全側に移行する
操作であるため、上述したように、従来の制御棒監視制
御システムでは、監視操作シーケンスから逸脱した制御
棒が3本まで(挿入エラー3本以下)であれば、そのエ
ラーを許容して制御棒挿入操作阻止用の制御信号の送信
は行わず、制御棒挿入操作に裕度を持たせている。
【0035】しかしながら、上記裕度範囲内で制御棒操
作を実施した場合において、挿入エラーが3本以上発生
して制御棒挿入操作阻止処理が行われても、上記挿入エ
ラーが発生した制御棒についての情報はオペレータに対
して通知されてはいないため、上記挿入エラーが発生し
た制御棒の監視操作シーケンスを正確な監視操作シーケ
ンスに修正するために多大な時間を要することになると
いう第12の問題点が生じている。
【0036】本発明は上述した第1〜第12の問題点を
全て解決するためになされたものである。
【0037】すなわち、本発明の第1の目的は、1台の
計算機システムに処理を集中させることなく、制御棒監
視制御処理の効率および応答性を大幅に向上させ、かつ
ハードウエアあるいはソフトウエアの故障にも、制御棒
監視制御処理に支障をきたすことなく柔軟に対応するこ
とが可能な制御棒監視制御システムおよび制御棒監視制
御用プログラムを記憶した記憶媒体を提供することにあ
る。
【0038】本発明の第2の目的は、原子力発電プラン
トに対して離れた場所に位置する計算機システム等から
遠隔で監視操作シーケンスを設定入力することを可能に
して、監視操作シーケンス入力効率を向上可能な制御棒
監視制御システムおよび制御棒監視制御用プログラムを
記憶した記憶媒体を提供することにある。
【0039】本発明の第3の目的は、制御棒監視処理機
能の内の少なくとも一部に異常が発生した際においてそ
の異常が発生した機能の特定を短時間で行うことがで
き、かつ制御棒監視制御システムを構成する計算機シス
テムがダウンしてもその計算機システムのハードウエア
の健全性を確認可能な制御棒監視制御システムおよび制
御棒監視制御用プログラムを記憶した記憶媒体を提供す
ることにある。
【0040】本発明の第4の目的は、制御棒監視制御シ
ステムにおける制御棒監視パターンをプラント(原子
炉)の状態に合わせて柔軟に選択可能な制御棒監視制御
システムおよび制御棒監視制御用プログラムを記憶した
記憶媒体を提供することにある。
【0041】本発明の第5の目的は、原子炉低出力領域
において監視操作シーケンスを作成・入力することなく
制御棒監視操作処理を実行可能な制御棒監視制御システ
ムおよび制御棒監視制御用プログラムを記憶した記憶媒
体を提供することにある。
【0042】本発明の第6の目的は、原子炉の低出力領
域逸脱時における制御棒の操作位置を求めることができ
る制御棒監視制御システムおよび制御棒監視制御用プロ
グラムを記憶した記憶媒体を提供することにある。
【0043】本発明の第7の目的は、位置信号入力不可
の制御棒を、シーケンス監視処理を妨げることなくバイ
パス可能な制御棒監視制御システムおよび制御棒監視制
御用プログラムを記憶した記憶媒体を提供することにあ
る。
【0044】本発明の第8の目的は、位置データ入力不
可の制御棒に対する位置データの代替値を、シーケンス
監視処理を妨げることなく設定可能な制御棒監視制御シ
ステムおよび制御棒監視制御用プログラムを記憶した記
憶媒体を提供することにある。
【0045】本発明の第9の目的は、制御棒挿入操作時
においては、制御棒挿入操作阻止を実行不可にして、オ
ペレータの使い勝手を向上させた制御棒監視制御システ
ムおよび制御棒監視制御用プログラムを記憶した記憶媒
体を提供することにある。
【0046】本発明の第10の目的は、停止余裕テスト
の実運用に即してオペレータが制御棒操作許容最大本数
を設定可能にして、オペレータの使い勝手を向上させた
制御棒監視制御システムおよび制御棒監視制御用プログ
ラムを記憶した記憶媒体を提供することにある。
【0047】本発明の第11の目的は、停止余裕テスト
の運用状況に応じて3本以上の制御棒を操作制御する必
要があるか否かを、実際の原子炉の停止余裕から判断可
能な制御棒監視制御システムおよび制御棒監視制御用プ
ログラムを記憶した記憶媒体を提供することにある。
【0048】本発明の第12の目的は、挿入エラーが発
生した制御棒についての情報をオペレータに対して通知
することを可能にして、挿入エラーが発生した制御棒の
監視操作シーケンスを修正する時間を短縮できる制御棒
監視制御システムおよび制御棒監視制御用プログラムを
記憶した記憶媒体を提供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】上述した各目的を実現す
るための本発明の請求項1に係る制御棒監視制御システ
ムによれば、複数の計算機システムを通信ネットワーク
を介して互いに通信可能に接続して構築されたハードウ
エア構成を有し、かつ原子炉内に配置された制御棒を、
制御棒移動装置を介して炉心内外へ移動操作する機能お
よび前記制御棒の移動操作状況を監視する機能を有する
制御棒監視制御システムであって、入力された監視操作
シーケンスに基づいて炉心内の出力レベルを含む炉心状
態を予測し、予測された炉心状態および前記監視操作シ
ーケンスに基づいて前記制御棒を監視操作するための監
視操作シーケンスデータを作成するシーケンスデータ作
成手段と、作成された監視操作シーケンスデータに基づ
いて前記制御棒を移動操作させるための制御信号を前記
制御棒移動装置に送信し、かつ前記炉心内の状態を表す
状態データおよび前記制御棒の移動位置データを用いて
前記制御棒の移動操作状況を監視する監視操作手段と、
前記監視操作シーケンスデータおよび前記監視操作手段
による前記移動操作状況を含む監視情報に基づいて作成
された移動操作状況通知用ガイドデータを表示するガイ
ドデータ表示手段とを備え、前記シーケンスデータ作成
手段、前記監視操作手段および前記ガイドデータ表示手
段を前記複数の計算機システムに分散して配置してい
る。
【0050】本発明の請求項2に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記シーケンスデータ作成手段により
作成された監視操作シーケンスデータを保存する処理、
および前記監視操作シーケンスデータを前記監視操作手
段へ送信する処理および前記保存された監視操作シーケ
ンスデータと前記監視操作手段から返送されてきた監視
操作シーケンスデータとの整合性をチェックし、整合性
がとれている場合にのみ前記監視操作手段に対して、前
記監視操作シーケンスデータが正常に伝送されたことを
表す正常伝送情報を送信する処理を行う整合性チェック
手段を備え、当該整合性チェック手段を前記複数の計算
機システムの内の何れか1台の計算機システムに搭載す
るとともに、前記監視操作手段は、前記整合性得チェッ
ク手段の送信処理により正常伝送情報が送信されてきた
際に、前記制御棒を移動操作させるための制御信号を前
記制御棒移動装置に送信するようにしている。
【0051】本発明の請求項3に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記複数の計算機システムの内の何れ
か1台の計算機システムは、前記炉心内の状態を表す状
態データおよび前記制御棒の移動位置データに基づいて
前記炉心内の出力レベルを含む炉心管理データを演算す
る炉心管理データ演算手段と、演算された炉心管理デー
タを前記シーケンスデータ作成手段に対して送信する炉
心管理データ送信手段とを備えており、前記シーケンス
データ作成手段は、前記監視操作シーケンス入力用の画
面を表示する入力画面表示手段と、前記監視操作シーケ
ンス入力用画面上において前記監視操作シーケンスを作
成する監視操作シーケンス作成手段と、作成された監視
操作シーケンスを入力処理する入力処理手段と、炉心を
モデル化した物理モデルと、この物理モデルおよび前記
入力処理された監視操作シーケンスに基づいて前記炉心
の出力レベルを含む炉心状態を炉心予測データとして求
める予測手段と、前記炉心管理データ送信手段により送
信されてきた炉心管理データと前記予測手段により求め
られた炉心予測データとを比較して、入力された監視操
作シーケンスの適否を判定する判定手段と、この判定手
段の判定結果を前記監視操作シーケンス入力用画面上に
表示する判定結果表示手段とを備えている。
【0052】本発明の請求項4に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記各計算機システムに搭載され、自
計算機システムの動作状態を自己診断し、かつ他計算機
システムの内の少なくとも1台の動作状態を診断する診
断手段と、前記複数の計算機システムの内の少なくとも
1台に搭載され、前記各計算機システムの診断手段によ
り得られた診断結果を表示する診断結果表示手段とを備
えている。
【0053】本発明の請求項5に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記監視操作シーケンスには、前記制
御棒を監視するための所定の監視パターンが含まれてお
り、前記監視操作手段は、前記監視操作シーケンスデー
タにおける監視パターンに応じて前記制御棒を監視する
ようになっている一方、前記監視操作手段が搭載された
計算機システムは、複数の監視パターンを保持し、所定
のタイミングに応じて前記監視操作手段の監視パターン
を、前記複数の監視パターンの内の何れか1パターンに
切り替える監視パターン切替手段を備えている。
【0054】本発明の請求項6に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記シーケンス作成手段が搭載された
計算機システムは、原子炉低出力領域用としてプリセッ
トされた監視操作シーケンス(プリセットシーケンス)
を保持する保持手段と、保持されたプリセットシーケン
スを、前記監視操作シーケンス入力用画面上で作成され
る監視操作シーケンスとは異なる表示態様で当該監視操
作シーケンス入力用画面上に表示するプリセットシーケ
ンス表示手段とを備えている。
【0055】本発明の請求項7に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記シーケンス作成手段が搭載された
計算機システムは、前記炉心予測データの出力レベルに
基づいて原子炉低出力領域に対応する監視操作シーケン
スの範囲を求める手段と、前記監視操作シーケンス入力
用画面上で作成された監視操作シーケンスの変更要求を
入力する変更要求入力手段と、前記変更要求が前記原子
炉低出力領域に対応するシーケンス範囲内の監視操作シ
ーケンスを変更する要求である際に、前記変更要求を無
効にする手段とを備えている。
【0056】本発明の請求項8に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記制御棒は複数であり、かつ当該複
数の制御棒は複数のグループに分割されており、前記監
視操作手段は、前記監視操作シーケンスデータに応じて
前記複数の制御棒をグループ単位で監視するようになっ
ている一方、前記シーケンス作成手段が搭載された計算
機システムは、前記位置データが入力できない制御棒を
前記監視操作対象からバイパスする制御棒(バイパス制
御棒)として入力するバイパス制御棒入力手段と、入力
されたバイパス制御棒に基づいて、前記制御棒グループ
を構成する全ての制御棒がバイパス制御棒として入力さ
れたグループが存在するか否か判断する判断手段と、こ
の判断の結果、全ての制御棒がバイパス制御棒として入
力されている制御棒グループが存在すると判断された場
合、前記バイパス制御棒入力処理を無効にする手段とを
備えている。
【0057】本発明の請求項9に係る制御棒監視制御シ
ステムによれば、前記制御棒は複数であり、かつ当該複
数の制御棒は複数のグループに分割されており、前記監
視操作手段は、前記監視操作シーケンスデータに応じて
前記複数の制御棒をグループ単位で監視するようになっ
ている一方、前記シーケンス作成手段が搭載された計算
機システムは、前記位置データが入力できない制御棒に
おける当該位置データの代替値を入力する代替値入力手
段と、入力された代替値に基づいて前記制御棒グループ
を構成する全ての制御棒の位置データが代替値であるグ
ループが存在するか否か判断する判断手段と、この判断
の結果、全ての制御棒の位置データが代替値である制御
棒グループが存在すると判断された場合、前記代替値入
力処理を無効にする手段とを備えている。
【0058】本発明の請求項10に係る制御棒監視制御
システムによれば、前記制御棒は複数であり、かつ当該
複数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、
前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、前記
原子炉の運転モードが出力下降モードであることを検出
し、出力下降モード情報を前記監視操作手段に対して送
信する手段を備えており、前記監視操作手段は、前記制
御棒グループの移動操作状況を含む監視結果に応じて、
前記制御棒グループが前記監視操作シーケンスデータか
ら逸脱しているか否か判断する第1の判断手段と、この
判断の結果前記制御棒グループの移動操作が前記監視操
作シーケンスデータから逸脱し、かつ前記出力下降モー
ド情報が送信されている際に、前記制御棒グループの移
動操作が炉心内への挿入移動操作か否か判断する第2の
判断手段と、この第2の判断手段の判断の結果、制御棒
グループの移動操作が炉心内への挿入移動操作ではない
と判断された場合、前記制御棒移動操作阻止用の制御信
号を前記制御棒移動装置に対して送信する移動操作阻止
信号送信手段と、前記第2の判断手段の判断の結果、前
記制御棒グループの移動操作が炉心内への挿入移動操作
である場合、前記制御棒移動操作阻止用制御信号の前記
制御棒移動装置に対する送信処理をバイパスするバイパ
ス手段とを備えている。
【0059】本発明の請求項11に係る制御棒監視制御
システムによれば、前記出力下降モード検出送信手段
は、前記炉心管理データの出力レベルの変化に応じて前
記原子炉の運転モードが出力下降モードであることを検
出するようにしている。
【0060】本発明の請求項12に係る制御棒監視制御
システムによれば、前記制御棒は複数であり、かつ当該
複数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、
前記シーケンス作成手段が搭載された計算機システム
は、前記原子炉の停止余裕を確認するための停止余裕テ
スト時における制御棒操作本数を入力する入力手段と、
入力された制御棒操作本数を前記監視操作手段に対して
送信する操作本数送信手段とを備えており、前記監視操
作手段が搭載された計算機システムは、前記停止余裕テ
スト用シーケンスを予め記憶する停止余裕テスト用シー
ケンス記憶手段を備え、前記監視操作手段は、前記停止
余裕テスト用シーケンスを実行して制御棒グループの内
の少なくとも1本の制御棒を炉心外へ引き抜くための制
御信号を前記制御棒移動装置に対して送信する手段と、
前記停止余裕テスト用シーケンスに基づいて引き抜き操
作される第1の制御棒操作本数と前記操作本数送信手段
から送信された第2の制御棒操作本数とを比較し、この
比較の結果、第1の制御棒操作本数が第2の制御棒操作
本数を超えている場合に、前記制御棒の引き抜き移動操
作を阻止するための制御信号を前記制御棒移動装置に対
して送信する手段とを備えている。
【0061】本発明の請求項13に係る制御棒監視制御
システムによれば、前記制御棒は複数であり、かつ当該
複数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、
前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、前記
停止余裕テスト用シーケンスを予め記憶する停止余裕テ
スト用シーケンス記憶手段を備え、前記監視操作手段
は、前記停止余裕テスト用シーケンスを実行して制御棒
グループの内の少なくとも1本の制御棒を炉心外へ引き
抜くための制御信号を前記制御棒移動装置に対して送信
する手段と、前記炉心管理データ、前記位置データ、お
よび前記停止余裕テスト用シーケンスに従って引き抜き
操作される制御棒本数に基づいて前記原子炉の停止余裕
を計算し、計算した停止余裕に基づいて許可可能な制御
棒操作本数を決定する停止余裕計算手段と、決定された
許可可能制御棒操作本数と前記停止余裕テスト用シーケ
ンスに基づく制御棒操作本数とを比較し、この比較の結
果、前記停止余裕テスト用シーケンスに基づく制御棒操
作本数が許可可能制御棒操作本数を超えている場合に、
前記制御棒の引き抜き移動操作を阻止するための制御信
号を前記制御棒移動装置に対して送信する手段とを備え
ている。
【0062】本発明の請求項14に係る制御棒監視制御
システムによれば、前記制御棒は複数である一方、前記
監視操作手段は、前記複数の制御棒の移動操作状況を含
む監視結果に応じて、前記複数の制御棒の内の許容範囲
を超えた本数が前記監視操作シーケンスデータから逸脱
して操作エラーを発生したか否かを判断する判断手段
と、この判断手段の判断の結果、前記許容範囲を超えた
本数の制御棒が前記操作エラーを発生していると判断さ
れた場合、前記操作エラーを発生した制御棒の移動操作
を阻止するための制御信号を前記制御棒移動装置に対し
て送信する移動操作阻止手段と、前記操作エラーを発生
した制御棒の位置アドレス情報および前記操作エラーに
係る監視操作シーケンスを含む操作エラーデータを前記
ガイドデータ表示手段へ送信する手段とを備え、前記ガ
イドデータ表示手段は、前記監視操作シーケンスデー
タ、前記監視操作手段による前記移動操作状況を含む監
視情報および送信された操作エラーデータに基づいて、
前記操作エラーを発生した制御棒の位置アドレスおよび
前記操作エラーに係る監視操作シーケンスを外部へ通知
するためのエラー復旧ガイド情報を含む移動操作状況通
知用操作ガイドデータを作成する手段と、作成されたエ
ラー復旧ガイド情報を含む移動操作状況通知用操作ガイ
ドデータを表示する手段とを備えている。
【0063】本発明の請求項15に係るプログラムを記
憶した記憶媒体によれば、複数の計算機システムを通信
ネットワークを介して互いに通信可能に接続して構築さ
れたハードウエア構成を有し、かつ原子炉内に配置され
た制御棒を、制御棒移動装置を介して炉心内外へ移動操
作する機能および前記制御棒の移動操作状況を監視する
機能を有する制御棒監視制御システムにおける前記複数
の計算機システムが読取り可能なプログラムを記憶した
記憶媒体であって、入力された監視操作シーケンスに基
づいて炉心内の出力レベルを含む炉心状態を予測する機
能、および予測された炉心状態および前記監視操作シー
ケンスに基づいて前記制御棒を監視操作するための監視
操作シーケンスデータを作成する機能を前記複数の計算
機システムの内の何れか1台の計算機システムに実行さ
せるためのプログラムを記憶する第1のメモリと、作成
された監視操作シーケンスデータに基づいて前記制御棒
を移動操作させるための制御信号を前記制御棒移動装置
に対して送信する機能、および前記炉心内の状態を表す
状態データおよび前記制御棒の移動位置データを用いて
前記制御棒の移動操作状況を監視する機能を前記複数の
計算機システムの内の何れか1台に実行させるためのプ
ログラムを記憶する第2のメモリと、前記監視操作シー
ケンスデータおよび前記移動操作状況を含む監視情報に
基づいて作成された移動操作状況通知用ガイドデータを
表示する機能を前記複数の計算機システムの内の何れか
1台に実行させるためのプログラムを記憶する第3のメ
モリとを備え、前記第1、第2および第3のメモリを前
記複数の計算機システムに分散して搭載している。
【0064】
【発明の実施の形態】本発明の制御棒監視制御システム
およびプログラムを記憶した記憶媒体の実施形態につい
て図面を参照して説明する。
【0065】(第1の実施の形態)図1は、本実施形態
に係る制御棒監視制御システム1のハードウエア構成を
示すものである。
【0066】図1において、符号2は原子力発電プラン
トの原子炉を示し、この原子炉2の炉心内には、その炉
心内の出力レベルや出力分布を制御するための複数の制
御棒3が炉心軸方向に沿って配置されている。
【0067】各制御棒3には、その各制御棒3を炉心軸
方向に沿って移動、すなわち、炉心内に挿入および炉心
外へ引き抜き動作させるための制御棒駆動装置4が設置
されている。なお、複数の制御棒3は、前掲図22に示
すような断面を有するように配置されており、これら複
数の制御棒3は、複数のグループ(例えば、グループ番
号1〜10A)に分けられている。
【0068】各制御棒3の炉心軸方向の位置は、制御棒
位置検出器5によってそれぞれ検出されており、検出さ
れた位置データs1は、それぞれ制御棒監視制御システ
ム1に送信されるようになっている。
【0069】また、原子炉2の炉心には、原子炉出力レ
ベルおよび原子炉の出力分布を計測するための複数の中
性子束検出器(局所出力領域モニタ;LPRM)7が各
制御棒3の周辺を含む所定位置にそれぞれ配置されてお
り、これらLPRM7により検出された信号(LPRM
信号)は、信号処理ユニット8に送信される。
【0070】一方、原子炉2内には、冷却材流量、冷却
材温度・圧力等の炉心状態が状態信号測定器9により測
定され、状態信号s2として信号処理ユニット8に送信
される。
【0071】信号処理ユニット8は、送信されてきたL
PRM信号をそれぞれ増幅処理し、増幅処理された複数
のLPRM信号を所定の個数毎にグループ化して各グル
ープ毎に平均化処理し、平均化処理した信号(APRM
信号)をデジタルデータ(中性子束データ)に変換して
制御棒監視制御システム1に送信するようになってい
る。
【0072】また、信号処理ユニット8は、送信されて
きた状態信号s2をデジタルデータ(炉状態データ)に
変換して制御棒監視制御システム1に送信するようにな
っている。
【0073】一方、制御棒監視制御システム1は、図1
に示すように、複数の計算機システム(本実施形態では
4台の計算機システムとする)10a1〜10a4を備
えている。
【0074】例えば、複数の計算機システム10a1〜
10a4の内の少なくとも1台の計算機システム10a
4は、原子力発電プラント内の例えば中央制御室に設置
されており、他の計算機システム10a1〜10a3
は、例えば原子力発電プラントから遠隔かつ分散配置さ
れた制御室にそれぞれ設置されている。
【0075】また、制御棒監視制御システム1は、分散
配置された複数の計算機システム10a1〜10a4を
データ通信可能に相互接続する通信ネットワーク(例え
ば広域ネットワーク(WAN))11を備えている。
【0076】計算機システム10a1〜10a4は、図
1に示すように、演算処理用のCPU15a1〜15a
4と、RAMおよびROM等の記憶媒体を含むメモリ1
6a1〜16a4と、外部機器に対する入出力インタフ
ェース処理用の外部入出力インタフェース17a1〜1
7a4と、通信ネットワーク11に対するデータ通信イ
ンタフェース処理用の通信インタフェース18a1〜1
8a4と、入力装置19a1〜19a4および表示装置
20a1〜20a4等のオペレータに対する入出力イン
タフェース機器が一体化されたコンソール21a1〜2
1a4とをそれぞれ備えており、これらCPU15a1
〜15a4、メモリ16a1〜16a4、外部入出力イ
ンタフェース17a1〜17a4、通信インタフェース
18a1〜18a4、入力装置19a1〜19a4およ
び表示装置20a1〜20a4は、それぞれデータ通信
可能にバス22により相互接続されている。
【0077】そして、本実施形態においては、制御棒監
視制御システム1の制御棒監視制御処理機能(プログラ
ムモジュール)を複数の機能(シーケンス作成処理機
能、シーケンス保存・整合処理機能、ガイド画面データ
作成・表示処理機能および制御棒操作・監視処理機能)
に分割し、分割した各機能を各計算機システム10a1
〜10a4にそれぞれ搭載することにより、分散型制御
棒監視制御システム1を構築している。
【0078】すなわち、原子力発電プラント内に設置さ
れた計算機システム10a4には、制御棒操作・監視処
理機能が割当てられており、この計算機システム10a
4の外部入出力インタフェース17a4と信号処理ユニ
ット8および制御棒駆動装置4とは、データ通信可能に
通信ケーブル等を介して接続され、信号処理ユニット8
から送信された中性子束データおよび炉状態データがそ
れぞれ入力されるようになっている。また、外部入出力
インタフェース17a4から制御棒駆動装置4に対して
制御棒移動操作(引き抜き・挿入)用制御データを出力
可能になっている。
【0079】図2は、各計算機システム10a1〜10
a4のメモリ16a1〜16a4に記憶されたソフトウ
エアを示す図である。
【0080】図2によれば、計算機システム10a1に
はシーケンス作成処理機能が割当てられており、そのメ
モリ16a1には、上記シーケンス作成処理機能を実行
するためのモジュール化されたプログラム(シーケンス
作成処理プログラムモジュール)PM1、原子炉出力お
よび出力分布等をシミュレートするための炉心をモデル
化した物理モデルMおよび監視操作シーケンス入力用の
画面を表示装置20a1に表示するためのGUIデータ
を含むデータファイル(シーケンス入力画面ファイル)
F1が予め記憶されている。
【0081】計算機システム10a2にはシーケンス保
存・整合処理機能が割当てられており、そのメモリ16
a2には、上記シーケンス保存・整合処理機能を実行す
るためのモジュール化されたプログラム(シーケンス保
存・整合処理プログラムモジュール)PM2が予め記憶
されている。さらに、計算機システム10a3にはガイ
ド画面データ作成・表示処理機能が割当てられており、
そのメモリ16a3には、上記ガイド画面データ作成・
表示処理機能を実行するためのモジュール化されたプロ
グラム(ガイド画面データ作成・表示処理プログラムモ
ジュール)PM3が予め記憶されている。
【0082】そして、計算機システム10a4のメモリ
16a4には、制御棒操作・監視処理機能を実行するた
めのモジュール化されたプログラム(制御棒操作・監視
処理プログラムモジュール)PM4aおよび入力された
中性子束データと炉状態データとに基づいて炉心内の出
力レベルおよび出力分布等を含む炉心管理データを演算
して他の計算機システム(例えば、シーケンス作成処理
機能が割当てられた計算機システム16a1)に送信す
るためのモジュール化されたプログラム(炉心管理デー
タ演算・送信処理プログラムモジュール)PM4bが予
め記憶されている。
【0083】そして、分散配置された計算機システム1
0a1〜10a4のメモリ16a1〜16a4には、そ
のメモリ16a1〜16a4に記憶されたプログラムモ
ジュールやデータに対して、分散化された全ての計算機
システム10a1〜10a4(CPU15a1〜15a
4)からアクセスすることを可能にしたネットワーク透
過性を実現するための通信インタフェースプログラムで
あるミドルソフトウエア(通信インタフェース用ミドル
ウエア)25がそれぞれ搭載されている。
【0084】図3は、各計算機システム10a1〜10
a4にそれぞれ割当てられたシーケンス作成処理機能、
シーケンス保存・整合処理機能、ガイド画面データ作成
・表示処理機能および制御棒操作・監視処理機能を構成
する処理要素(処理ブロック)をそれぞれ示す図であ
る。
【0085】図3によれば、シーケンス作成処理機能が
割当てられた計算機システム10a1のCPU15a1
は、シーケンス作成処理プログラムモジュールPM1
(以下、単にプログラムモジュールPM1と記載する)
および通信インタフェース用ミドルウエア25に基づい
て以下に述べるシーケンス作成処理S1〜S6を行う。
【0086】すなわち、CPU15a1は、メモリ16
a1からシーケンス入力画面ファイルF1を読み出し、
読み出したシーケンス入力画面ファイルF1を用いて表
示装置20a1上にGUI方式のシーケンス入力画面I
1表示し、かつシーケンス入力画面I1上の表示態様
(表示色等)を変化させるためのシーケンス入力画面表
示処理S1と、シーケンス入力画面I1上で作成された
監視操作シーケンスを受信処理するシーケンス入力処理
S2と、受信処理された監視操作シーケンスに基づいて
制御棒3を操作したと仮定した場合の炉心内の出力レベ
ルおよび出力分布等の炉心状態を表す炉心予測データ
を、例えばオペレータの炉心予測演算実行要求に応じて
物理モデルMを用いて演算する炉心予測処理S3と、計
算機システム10a4のCPU15a4における後述す
る炉心管理データ送信処理により通信インタフェース1
8a4および18a1を介して送信されてきた炉心管理
データとを比較判定し、その比較判定結果をシーケンス
画面表示処理S1を介して表示装置20a1のシーケン
ス入力画面I1上に表示する炉心データ比較判定処理S
4とをそれぞれ実行するようになっている。
【0087】また、CPU15a1は、オペレータの制
御棒操作データ作成要求に応じて、現在作成入力された
監視操作シーケンスに基づく制御棒監視操作シーケンス
データを作成するシーケンス作成処理S5と、オペレー
タからの伝送要求に対応する制御棒監視操作シーケンス
データをシーケンス保存・整合処理機能が割当てられた
計算機システム10a2に対して通信インタフェース1
8a1を介して伝送(ダウンロード)するシーケンス出
力処理S6とをそれぞれ実行するようになっている。
【0088】図4は、表示装置20a1上に表示される
シーケンス入力画面の一例を示す図である。図4によれ
ば、シーケンス入力画面I1の中央から下部には、監視
操作シーケンスを作成・入力するためのシーケンス作成
エリアA1が設定されており、その上部には、指定制御
棒監視操作シーケンスデータを伝送(ダウンロード)す
る際の操作エリア(ダウンロード操作エリア)A2が設
定されている。
【0089】シーケンス作成エリアA1は、オペレータ
のシーケンス作成処理に係る要求を入力するための複数
のグラフィカルな操作ボタンPF1〜PFnと、監視操
作シーケンス、すなわち、シーケンス名称、操作したい
制御棒グループ、制御棒グループの操作位置(ノッチ位
置)データおよび制御棒グループの監視パターン等)を
それぞれ入力するためのシーケンス編集操作エリアW1
と、編集操作エリアW1を介して入力された監視操作シ
ーケンス(シーケンス名称、操作制御棒グループ、操作
位置データおよび監視パターン等)を表示するためのシ
ーケンス表示エリアW2と、上記炉心データ比較判定処
理S4の比較判定処理結果を表示するための比較判定結
果表示エリアW3とから構成されている。
【0090】操作ボタンPF1〜PFnにおける例えば
操作ボタンPF1は、新たに監視操作シーケンスを挿入
(入力)するための挿入ボタンであり、操作ボタンPF
2は、入力した監視操作シーケンスデータを変更するた
めのボタンである。また、操作ボタンPF3は、炉心予
測演算を要求するためのボタンであり、その他、入力し
た監視操作シーケンスの削除を要求するためのボタン
(PFn)、およびシーケンス初期化要求ボタン等が操
作ボタンPF4〜PFn−1に含まれている。
【0091】一方、ダウンロード操作エリアA2は、複
数作成された制御棒監視操作シーケンスを表示し、表示
された複数の監視操作シーケンスの中から、ダウンロー
ドしたい1つの監視操作シーケンスを選択指定するため
のシーケンス指定エリアW4と、指定された監視操作シ
ーケンスに基づいて作成された制御棒監視操作シーケン
スデータの伝送要求(ダウンロード要求)を入力するた
めのグラフィカルな伝送ボタン(F1)および伝送終了
ボタン(Fn)を含む伝送用操作ボタンと、制御棒監視
操作シーケンスデータが自計算機システム10a1から
他の計算機システムのどこまで伝送(ダウンロード)さ
れているか、すなわち、他計算機システムへのダウンロ
ード状態(伝送状態)を表すための伝送状態表示エリア
W5とから構成されている。
【0092】伝送状態表示エリアW5は、自計算機シス
テム(計算機システム10a1)以外の他計算機システ
ムの名称(計算機システム10a2→計算機システム1
0a3→計算機システム10a4)を所定の表示色(例
えば、赤色)で表示する領域を有しており、制御棒監視
操作シーケンスデータが自計算機システム10a1から
他の計算機システムにダウンロードされると、シーケン
ス入力画面表示処理S1により、ダウンロードされた計
算機システムの名称表示領域の色を他の計算機システム
の名称表示領域の表示色とは異なるように色替表示(例
えば、赤色→緑色)される。
【0093】また、シーケンス保存・整合処理機能が割
当てられた計算機システム10a2のCPU15a2
は、シーケンス保存・整合処理プログラムモジュールP
M2(以下、単にプログラムモジュールPM2と記載す
る)および通信インタフェース用ミドルウエア25に基
づいて以下に述べるシーケンス保存・整合処理S7〜S
8を行う。
【0094】すなわち、CPU15a2は、シーケンス
出力処理S6により伝送されてきた制御棒監視操作シー
ケンスデータを通信インタフェース18a2を介して制
御棒操作・監視処理機能が割当てられた計算機システム
10a4に送信し、かつ送信した制御棒監視操作シーケ
ンスデータをメモリ16a2に保存するシーケンス送信
保存処理S7と、異なる計算機システム10a2および
10a4間で制御棒監視操作シーケンスデータが正常に
伝送されたか否かをチェックするために、制御棒操作・
監視機能が割当てられた計算機システム10a4の後述
するシーケンス入出力処理により通信インタフェース1
8a4および18a2を介して返送されてきた制御棒監
視操作シーケンスデータとメモリ16a2に保存した制
御棒監視操作シーケンスデータとが一致しているか(整
合性がととれているか否か)を予め定めた監視タイミン
グ(例えば、所定のインターバル毎の周期的タイミン
グ、あるいはオペレータの入力装置19a2を介したチ
ェック要求送信タイミング)に応じて監視し、その監視
の結果、一致している(整合性がとれている)場合に
“伝送正常"を表す正常キーを通信インタフェース18
a2を介して計算機システム10a4に送信するシーケ
ンス整合処理S8とを行うようになっている。
【0095】そして、制御棒操作・監視処理機能が割当
てられた計算機システム10a4のCPU15a4は、
制御棒操作・監視処理プログラムモジュールPM4(以
下、単にプログラムモジュールPM4と記載する)およ
び通信インタフェース用ミドルウエア25に基づいて以
下に述べる制御棒操作・監視処理S10〜S15を行
う。
【0096】すなわち、CPU15a4は、外部入出力
インタフェース17a4を介して入力された中性子束デ
ータ、炉状態データおよび位置データs1を入力し、か
つ後述するシーケンス監視処理を介して制御棒監視操作
シーケンスデータを外部入出力インタフェース17a4
を介して制御棒駆動装置4に出力する入出力処理S10
と、入力処理された中性子束データ、炉状態データおよ
び位置データs1に基づいて炉心内の出力レベルおよび
出力分布等の炉心状態を管理するための炉心管理データ
を演算する炉心管理データ演算処理S11と、演算され
た炉心管理データを通信インタフェース18a4を介し
て計算機システム10a1へ送信する炉心管理データ送
信処理S12とをそれぞれ実行するようになっている。
【0097】さらに、CPU15a4は、計算機システ
ム10a2のシーケンス整合処理S8により送信されて
きた制御棒監視操作シーケンスデータを計算機システム
10a2へ返送し、かつ計算機システム10a2から送
信された正常キーに応じて制御棒監視操作シーケンスデ
ータをシーケンス監視処理に渡すシーケンス入出力処理
S13と、このシーケンス入出力処理S13を介して渡
された制御棒監視操作シーケンスデータに基づく制御棒
移動操作(引き抜き・挿入)用制御信号を入出力処理S
10および外部入出力インタフェース17a4を介して
制御棒駆動装置4に対して送信し、かつ炉心管理データ
演算処理S11により演算された炉心出力レベルおよび
出力分布等を含む炉心管理データおよび入出力処理S1
0を介して入力された位置データs1に基づいて、制御
棒操作監視シーケンスデータにおける監視パターン(例
えば、従来例で述べた個別監視パターン)により、対応
する制御棒グループの移動操作状況を監視するシーケン
ス監視処理S14とをそれぞれ実行するようになってい
る。
【0098】なお、本明細書における同一のCPUの異
なる処理間においてデータ等の情報を“渡す"という記
載は、例えば、CPUがある処理を行って得られた結果
に基づく命令等を表すデータをメモリの所定のアドレス
に格納し、CPUがこの所定アドレスに格納されたデー
タを読み出して、次の処理を行うことを意味している。
【0099】さらに、CPU15a4は、制御棒移動操
作状況を含む監視情報および制御棒監視操作シーケンス
データに基づいてオペレータに対して制御棒移動操作状
況を監視させるための操作ガイドデータを作成し、作成
した操作ガイドデータを通信インタフェース18a4を
介して計算機システム10a3に送信するシーケンスガ
イド処理S15とをそれぞれ実行するようになってい
る。
【0100】一方、ガイド画面データ作成・表示処理機
能が割当てられた計算機システム10a3のCPU15
a3は、ガイド画面データ作成・表示処理プログラムモ
ジュールPM3(以下、単にプログラムモジュールPM
3と記載する)および通信インタフェース用ミドルウエ
ア25に基づいて以下に述べるガイド画面データ作成・
表示処理S17〜S19を行う。
【0101】すなわち、CPU15a3は、計算機シス
テム10a4のシーケンスガイド処理S15により送信
されてきた操作ガイドデータを通信インタフェース15
a3を介して入力処理するガイドデータ入力処理S17
と、入力処理された操作ガイドデータに基づいて制御棒
操作ガイド画面データを作成するシーケンスデータ処理
S18と、作成された制御棒操作ガイド画面データを表
示装置20a3上に制御棒操作ガイド画面(前掲図22
参照)として表示するシーケンス表示処理S19とをそ
れぞれ実行するようになっている。
【0102】次に、本実施形態の全体動作について説明
する。
【0103】本実施形態によれば、制御棒監視・操作処
理を開始する際に、計算機システム10a1の表示装置
2a1には、例えば図4に示すシーケンス入力画面I1
が表示されている(シーケンス入力画面表示処理S1;
図4におけるステップST1参照)。
【0104】オペレータは、入力装置19a1を操作し
ながら、シーケンス入力画面I1上のシーケンス編集操
作エリアW1を介して監視操作シーケンスを作成・入力
する。作成・入力された監視操作シーケンスは、CPU
15a1のシーケンス入力処理S2により受信処理され
る(ステップST2)。また、シーケンス編集操作エリ
アW1を介して入力された監視操作シーケンスは、CP
U15a1のシーケンス入力画面表示処理S1により、
シーケンス表示エリアW2に対して所定の表示態様(例
えば緑色)で表示される。
【0105】このとき、CPU15a1は、炉心予測処
理S3として、オペレータから予測計算(予測演算)要
求が送信されてきたか否かを判断し(ステップST
3)、この判断の結果送信されていない場合(ステップ
ST3→NO)には、後述するステップST6の処理に
移行する。
【0106】一方、オペレータの操作ボタンPF3操作
により炉心予測演算要求が送信されてくると(ステップ
ST3→YES)、CPU15a1は、炉心予測演算要
求に応じて、入力された監視操作シーケンスおよび物理
モデルMに基づく炉心予測演算処理を実行し、炉心内の
出力分布等の炉心状態を表す炉心予測データを求める
(ステップST4)。
【0107】また、CPU15a1には、計算機システ
ム10a4の上述した入出力処理S10、炉心管理デー
タ演算処理S11および炉心管理データ送信処理S12
により、炉心管理データが送信されているため、CPU
15a1は、送信された炉心管理データと炉心予測デー
タとを比較して、上記監視操作シーケンスが実際の炉心
の炉心管理データに即しているか否か判定し、その比較
判定結果をシーケンス入力画面I1上の比較判定結果表
示エリアW3に表示する。
【0108】オペレータは、比較判定結果表示エリアW
3に表示された比較判定結果を見ながら、必要に応じて
変更ボタンPF2を操作して入力した監視操作シーケン
スを修正する(ステップST5)。このようにして、全
ての監視操作シーケンスの作成・入力が完了するまでス
テップST2〜ステップST5の処理を繰り返す(ステ
ップST6)。
【0109】このようにして、全ての監視操作シーケン
スの作成・入力が完了すると(ステップST6→YE
S)、作成入力された複数の監視操作シーケンスは、シ
ーケンス入力画面I1上のシーケンス指定エリアW4に
表示される。
【0110】このとき、CPU15a1は、オペレータ
から制御棒監視操作シーケンスデータ伝送要求が送信さ
れたか否か判断している(ステップST7)。
【0111】今、オペレータがシーケンス指定エリアW
4に表示された複数の入力監視操作シーケンスの中から
所定の監視操作シーケンスを指定して伝送ボタンF1を
操作したとすると、ステップST7の判断の結果はYE
Sとなり、CPU15a1は、伝送ボタンF1を介した
伝送要求に応じて、指定された監視操作シーケンスに基
づく制御棒監視操作シーケンスデータを作成し、作成し
た制御棒監視操作シーケンスデータを計算機システム1
0a2に対して伝送する(ステップST8)。
【0112】通信ネットワーク11等を介して制御棒監
視操作シーケンスデータが計算機システム10a2に対
して伝送されてくると、CPU15a2は、シーケンス
送信保存処理S7として、伝送された制御棒監視操作シ
ーケンスデータをメモリ16a2に保存し(ステップS
T9)、かつ制御棒監視操作シーケンスデータを通信ネ
ットワーク11等を介して計算機システム10a4に送
信する(ステップST10)。
【0113】そして、CPU15a2は、シーケンス整
合処理S8として、計算機システム10a4のCPU1
5a4によるシーケンス入出力処理S13により返送さ
れてきた制御棒シーケンスデータを入力し(ステップS
T11)、メモリ16a2に保存した制御棒監視操作シ
ーケンスデータと返送された制御棒監視操作シーケンス
データとを比較して一致しているか(整合性がとれてい
るか)否かを判断し(ステップST12)、この判断の
結果、一致している場合(ステップST12→YE
S)、CPU15a2は、正常キーを計算機システム1
0a4に出力する(ステップST13)。なお、ステッ
プST12の判断の結果、一致していない場合、すなわ
ち、“伝送異常"の場合には、CPU15a2は、予め
規定された回数だけ上記比較判定処理を繰り返し行い、
規定回数の全てにおいて、“伝送異常"の場合には、正
常キーを出力せずに処理を終了するようになっている。
【0114】一方、計算機システム10a4のCPU1
5a4は、CPU15a2のステップST10の処理に
より通信ネットワーク11等を介して送信されてきた制
御棒監視操作シーケンスデータを保持するとともに、通
信ネットワーク11等を介して正常キーが送信されてき
たか否か判断しており(シーケンス入出力処理S13;
ステップST14)、送信されない場合には(ステップ
S14→NO)、処理を終了する。
【0115】ステップST14により正常キーが送信さ
れてきたと判断された場合(ステップST14→YE
S)、CPU15a4は、制御棒監視操作シーケンスデ
ータに基づく制御棒移動操作(引き抜き・挿入)用制御
信号を外部入出力インタフェース17a4を介して制御
棒駆動装置4に対して送信する(ステップST15)。
この結果、上記制御棒監視操作シーケンスデータに対応
する制御棒グループ3は、制御棒駆動装置4の駆動によ
り当該制御棒監視操作シーケンスデータに基づくノッチ
位置まで移動(引き抜き・挿入)操作される。
【0116】一方、CPU15a4は、中性子束データ
および炉状態データに基づいて求められた炉心管理デー
タおよび位置データs1に基づいて、制御棒操作監視デ
ータとして定められた監視パターン(個別監視パター
ン)により制御棒グループの移動操作状況を監視してお
り(シーケンス監視処理S14;ステップST16)、
得られた制御棒移動操作状況を含む監視情報と制御棒監
視操作シーケンスデータに基づいて操作ガイドデータを
作成し、作成した操作ガイドデータを通信ネットワーク
11等を介して計算機システム15a3に出力する(シ
ーケンスガイド処理S15;ステップST17、ステッ
プST18)。
【0117】計算機システム10a3に出力された操作
ガイドデータに基づいて、CPU15a3の処理により
制御棒操作ガイド画面データが作成され(ガイドデータ
入力処理S17・シーケンスデータ処理S18;ステッ
プST19)、表示装置20a3上に制御棒操作ガイド
画面として表示される(シーケンス表示処理S19;ス
テップST20)。
【0118】一方、ステップST16のシーケンス監視
処理S14において、CPU15a4は、制御棒移動操
作状況を表す監視情報に基づいて、制御棒グループの移
動操作が制御棒監視操作シーケンスデータに従って正常
に行われているかを判断し(ステップST21)、この
判断の結果、正常に行われている場合(ステップST2
1→YES)には、後述するステップST24の処理に
移行する。
【0119】ステップST21の判断の結果、制御棒監
視操作シーケンスデータに対応する制御棒移動操作以外
の移動操作が行われと判断した場合(ステップST21
→NO)、CPU15a4は、制御棒監視操作シーケン
スデータから逸脱した制御棒の本数が所定の制御棒操作
阻止条件(例えば、挿入操作時における挿入エラー3本
以上)に一致しているか否か判断し(ステップST2
2)、この判断の結果一致しない場合(ステップST2
2→NO)には、エラー許容範囲内と判断して後述する
ステップST24の処理に移行する。
【0120】一方、ステップST22の判断の結果一致
した場合(例えば、挿入操作時において挿入エラーが3
本以上存在した場合;ステップST22→YES)、C
PU15a4は、制御棒グループの移動操作(引き抜き
・挿入)を強制的に停止(引き抜き阻止、挿入阻止)さ
せるための制御信号を外部入出力インタフェース17a
4を介して制御棒駆動装置4に対して送信する(ステッ
プST23)。
【0121】この結果、制御棒グループは、制御棒駆動
装置4の駆動により、その移動操作が強制的に停止され
る。
【0122】そして、CPU15a4は、ステップST
24の処理として、何れか1つの計算機システム10a
1〜10a4のコンソール21a1〜21a4(入力装
置19a1〜19a4)を介して制御棒操作・監視の終
了要求が送信されたか否か判断しており、この判断の結
果、操作・監視終了要求が送信されない場合には(ステ
ップST24→NO)、ステップST14の処理に戻
り、上述したステップST15〜ST23の処理を繰り
返し行う。
【0123】一方、ステップST24の判断の結果、操
作・監視終了要求が送信された場合には(ステップST
24→YES)、CPU15a4は、制御棒操作・監視
処理を終了する。
【0124】以上述べたように、本実施形態によれば、
従来の制御棒監視制御システムにおいて1台の集中型計
算機システムにより行っていた制御棒監視制御処理機能
を、主要な4つの処理機能(シーケンス作成処理機能、
シーケンス保存・整合処理機能、ガイド画面データ作成
・表示処理機能および制御棒操作・監視処理機能)に分
割し、分割した各機能を各計算機システム10a1〜1
0a4にそれぞれ搭載して制御棒監視制御システムを分
散型制御棒監視制御システム1として構築した場合で
も、制御棒監視操作シーケンス作成入力処理、作成入力
された監視操作シーケンスに基づく制御棒移動操作・監
視処理および監視操作シーケンス・監視内容に基づく操
作ガイド画面作成表示処理を集中型計算機システムの場
合と同様に実行することができる。
【0125】したがって、従来の1台の集中型計算機シ
ステムに基づく制御棒監視制御システムと比べて、各計
算機システムにかかる処理負荷を低減させることができ
るため、上記集中型制御棒監視制御システムとして大型
の計算機システムを用いることなく、小型の計算機シス
テムを用いて分散型制御棒監視制御システムを構築する
ことができる。
【0126】さらに、本実施形態によれば、上述したよ
うに、制御棒監視制御処理機能を、、シーケンス作成処
理機能、シーケンス保存・整合処理機能、ガイド画面デ
ータ作成・表示処理機能および制御棒操作・監視処理機
能に分割して各計算機システム10a1〜10a4にそ
れぞれ搭載しているため、各計算機システムにおける各
処理の効率および応答性を向上させることができる。
【0127】特に、本実施形態によれば、万が一、上記
計算機システム10a1〜10a4の1台の計算機シス
テムに故障が発生した場合でも、分散型システムの利点
を生かして、故障計算機システムの処理を他の計算機シ
ステムによりバックアップすることが可能であるため、
従来の集中型制御棒監視制御システムと比べて信頼性を
向上させることができる。
【0128】さらに、本実施形態によれば、上述したよ
うに、制御棒監視制御処理機能(プログラム)を、シー
ケンス作成処理機能(プログラムモジュール)、シーケ
ンス保存・整合処理機能(プログラムモジュール)、ガ
イド画面データ作成・表示処理機能(プログラムモジュ
ール)および制御棒操作・監視処理機能(プログラムモ
ジュール)に分割して各計算機システム10a1〜10
a4にそれぞれ搭載しているため、例えば何れか1つの
処理機能(プログラムモジュール)を独立して他の機能
(プログラムモジュール)と統合して拡張したり、その
処理内容(プログラム内容)を他の処理内容と独立して
追加・更新することも容易に行うことができ、制御棒監
視制御システムの拡張性・保守性を向上させることがで
きる。
【0129】そして、本実施形態では、例えば原子力発
電プラントに対して遠隔に位置する計算機システム10
a1において作成入力した監視操作シーケンスに基づい
て、原子力発電プラント内の例えば中央制御室に配置さ
れた計算機システム10a4を介して制御棒3の操作制
御および監視を行うことができるため、監視操作シーケ
ンスを入力する度に原子力発電プラントの中央制御室へ
出向いて入力操作を行う必要がなくなり、監視操作シー
ケンス入力効率を向上させることができる。
【0130】なお、本実施形態では、シーケンス作成エ
リアA1およびダウンロード操作エリアA2を同一のシ
ーケンス入力画面I1上において実現したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば2枚のシーケン
ス入力画面を用意し、この2枚のシーケンス入力画面の
内の一方にシーケンス作成エリアA1を、そして他方に
ダウンロード操作エリアA2をそれぞれ実現することも
可能である。
【0131】また、本実施形態では、制御棒監視操作デ
ータの受け渡しが正常に行われているか否かをチェック
するシーケンス整合処理S8を、計算機システム10a
2および10a4間で行ったが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、他の計算機システム間(例えば、計
算機システム10a1および10a2)において行うこ
とも可能である。
【0132】さらに、正常キーを統一するために、計算
機システム10a2から出力される制御棒監視制御シー
ケンスデータ中に毎回異なるキーを予め挿入し、比較結
果として送信する正常キーとして制御棒監視制御シーケ
ンスデータに挿入された同一のキーを送信するようにし
てもよい。
【0133】(第2の実施の形態)図6は、本発明の第
2の実施の形態に係る制御棒監視制御システム30を構
成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞれ
割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存
・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能
および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0134】図6によれば、計算機システム10a1の
CPU15a1は、上記シーケンス作成処理(S1〜S
6;ステップST1〜ST8参照)に加えて、例えば時
分割処理により、自計算機システム10a1のハードウ
エア構成要素(CPU自体、メモリ16a1、通信イン
タフェース18a2、外部入出力インタフェース17a
1、通信インタフェース18a2に接続された伝送ライ
ン等)の動作状態を監視して、その動作状態が正常か否
かを自己診断するとともに、少なくとも1つの他計算機
システム(例えば、計算機システム10a2、10a3
および10a4)のハードウエア構成要素の動作状態を
監視して正常か否かを診断し、その診断結果情報を、通
信インタフェース18a1および通信ネットワーク11
を介して計算機システム10a3に送信する診断処理S
30を行うようになっている。
【0135】同様に、計算機システム10a2のCPU
15a2は、上記シーケンス保存・整合処理(S7〜S
8;ステップST9〜ST13参照)に加えて、例えば
時分割処理により、自計算機システム10a2のハード
ウエア構成要素を自己診断するとともに、少なくとも1
つの他計算機システム(例えば、計算機システム10a
1、10a3および10a4)のハードウエア構成要素
を診断し、得られた診断結果情報を、通信インタフェー
ス18a2および通信ネットワーク11を介して計算機
システム10a3に送信する診断処理S31を行うよう
になっている。
【0136】さらに、計算機システム10a4のCPU
15a4は、上記炉心管理データ演算・送信処理(S1
0〜S12)および制御棒操作・監視処理(S10、S
13〜S15;ステップST14〜ST18、ST21
〜ST24参照)に加えて、例えば時分割処理により、
自計算機システム10a4のハードウエア構成要素を自
己診断するとともに、少なくとも1つの他計算機システ
ム(例えば、計算機システム10a1〜10a3)のハ
ードウエア構成要素を診断し、得られた診断結果情報
を、通信インタフェース18a4および通信ネットワー
ク11を介して計算機システム10a3に送信する診断
処理S32を行うようになっている。
【0137】また、計算機システム10a3のCPU1
5a3は、上記ガイド画面データ作成・表示処理(S1
7〜S19;ステップST19〜ST20参照)に加え
て、例えば時分割処理により、自計算機システム10a
3のハードウエア構成要素を自己診断するとともに、少
なくとも1つの他計算機システム(例えば、計算機シス
テム10a1、10a2および10a4)のハードウエ
ア構成要素を診断し、得られた診断結果情報をメモリ1
8a3に保存する診断処理S33と、予めメモリ18a
3に記憶された診断結果表示用画面ファイルに基づい
て、例えばオペレータからの入力装置21a3を介した
表示要求に応じて、上記診断結果表示用画面ファイルに
基づく診断情報表示画面I2を作成して表示装置20a
3上に表示するとともに、通信インタフェース18a3
を介して送信されてきた各計算機システム15a1、1
5a2および15a4の診断結果情報およびメモリ18
a3に保存した自計算機システム15a3の診断結果情
報に基づいて、各計算機システム15a1〜15a4の
動作状態(正常or異常)表す診断情報を上記診断情報
表示画面I2上に表示する診断結果表示処理S35とを
それぞれ行うようになっている。
【0138】なお、各通信インタフェース18a1〜1
8a4にそれぞれ接続された伝送ラインが正常か否か、
すなわち、伝送ラインの健全性を診断する手法について
は、特願平7−112173に記載された[光伝送路診
断方法]を用いて行うことが可能である。
【0139】図7は、表示装置20a3上に表示される
診断情報表示画面I2の一例を示す図である。図7によ
れば、診断情報表示画面I2の上部には、各計算機シス
テム10a1〜10a4の動作状態をそれぞれ個別に表
示するための状態表示エリアD1が設定されている。
【0140】状態表示エリアD1には、各計算機システ
ム10a1〜10a4の動作状態表示するための表示領
域Da1〜Da4がそれぞれ設けられている。
【0141】この表示領域Da1〜Da4は、対応する
計算機システム10a1〜10a4が正常であれば例え
ば緑色に点灯しており、計算機システム10a1〜10
a4の少なくとも1台のハードウエア要素の内の少なく
とも一部に故障が発生した場合には、診断結果表示処理
S35により、対応する表示領域が緑色から故障を表す
所定色(例えば赤色)に変化するようになっている。な
お、故障を識別するための表示態様としては、上述した
色替表示の他に、表示パターンの変化等も考えられる。
【0142】また、診断情報表示画面I2の下部におけ
る向かって左側には、診断結果表示処理S35により、
各計算機システム10a1〜10a4の動作状態を具体
的にメッセージで表示するための診断結果表示エリアD
2が設定されており、さらに、向かって右側には、診断
結果表示処理S35により故障が発生した計算機システ
ムを指定した場合のその計算機システムの故障の詳細情
報を表示するための異常詳細情報表示エリアD3が設定
されている。
【0143】すなわち、本実施形態の制御棒監視制御シ
ステム30によれば、複数の計算機システム10a1〜
10a4の内の何れか1台の計算機システムのハードウ
エア要素に故障(異常)が発生した場合でも、他の正常
な計算機システムのCPUの診断処理により上記異常を
検出し、その異常検出情報を、CPU15a3(CPU
15a3に異常が発生していた場合には他のCPU)の
診断結果表示処理S35により、表示装置20a3の診
断情報表示画面I2(状態表示エリアD1、診断結果表
示エリアD2および異常詳細情報表示エリアD3)に表
示することができるため、オペレータは、診断情報表示
画面I2を監視することにより、容易に計算機システム
の異常を発見することができる。
【0144】特に、本実施形態の制御棒監視制御システ
ム30によれば、計算機システム10a1のCPU15
a1が上記診断処理S30により計算機システム10a
2のハードウエア異常を検出した場合には、CPU15
a1は、ステップST8の処理において、異常が発生し
た計算機システム10a2をバイパスして、制御棒監視
操作シーケンスデータを直接計算機システム10a4に
伝送するようになっている。このとき、計算機システム
10a2のシーケンス整合処理S8および正常キーの送
信は行われず、計算機システム10a4は、計算機シス
テム10a1から直接入力されてきた制御棒監視操作シ
ーケンスに基づいて、ステップST15以降の処理を行
うようになっている。
【0145】また、計算機システム10a2のCPU1
5a2が上記診断処理S31により、計算機システム1
0a4のハードウエア異常を検出した場合には、CPU
15a2は、ステップST10の処理において、異常が
発生した計算機システム10a2に対して制御棒監視操
作シーケンスデータを伝送(ダウンロード)することを
禁止するようになっている。
【0146】以上述べたように、本実施形態によれば、
制御棒監視制御処理機能を構成する分割された各処理機
能(シーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整合処
理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能および制
御棒操作・監視処理機能)をそれぞれ搭載した各計算機
システムのCPUが自計算機システムおよび他計算機シ
ステムのハードウエア異常を検出できるように構成した
ため、どの処理機能(対応する計算機システム)に異常
が発生したのかを即座に特定することができる。したが
って、異常機能の特定に要する時間を大幅に低減するこ
とができ、制御棒監視制御システムの診断効率を向上さ
せることができる。
【0147】特に、上記複数の計算機システムの少なく
とも1台の動作がダウンした場合でも、正常な他の計算
機システムによりハードウエアの健全性を確認すること
ができるため、制御棒監視制御システムの信頼性を向上
させることができる。
【0148】(第3の実施の形態)図8は、本発明の第
3の実施の形態に係る制御棒監視制御システム40を構
成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞれ
割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存
・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能
および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0149】本実施形態に係る制御棒監視制御システム
40の計算機システム10a4のメモリ16a4には、
原子炉2の炉心における所定の出力レベルから定格出力
レベルまでの間の制御棒グループの監視パターンを、制
御棒監視操作シーケンスにおいて設定された監視パター
ン(例えば個別監視パターン)から断面監視パターンに
切り替えるための監視シーケンスが予め記憶されてい
る。
【0150】すなわち、制御棒3の移動操作の監視にお
いては、原子炉起動時から個別監視が不要な所定の出力
レベルまでの間においては、制御棒グループを構成する
個々の制御棒毎に移動操作を監視するのが望ましく、監
視パターンとしては、個別監視パターンが適当である。
【0151】しかしながら、所定の出力レベルから定格
出力レベルまでの間は、個別監視では、かえって監視処
理が面倒になるため、制御棒グループ単位で断面上で監
視することが望ましく、監視パターンとしては断面監視
パターンが適当である。
【0152】したがって、本実施形態では、原子炉の状
態(炉心出力レベル)に応じて、監視パターンを切り替
えるための監視シーケンスが予めメモリ16a4に記憶
されている。
【0153】さらに、計算機システム10a4のCPU
15a4は、シーケンス監視処理14A(図5における
ステップST16)として、図3および図5で説明した
処理に加えて、炉心監視データにおける出力レベルが上
記所定の出力レベルに到達したか否かを判断する処理を
行っている。
【0154】そして、本実施形態の計算機システム10
a4のCPU15a4は、上記判断処理において到達し
たと判断した場合に、現在の制御棒監視操作データとし
て設定された監視パターン(個別監視パターン)から断
面監視パターンに切り替える監視パターン切り替え処理
S40を行うようになっている。
【0155】本実施形態によれば、CPU15a4の制
御棒移動操作用制御信号送信処理(ステップST15参
照)に基づく制御棒駆動装置4の駆動により制御棒グル
ープが移動操作され、その制御棒グループの移動操作に
応じて炉心の出力レベルが変化する。
【0156】このとき、CPU15a4では、上記シー
ケンス監視処理14Aとして、個別監視パターンに基づ
く各制御棒の個別監視処理に加えて、現在の炉心から検
出された中性子束データおよび炉状態データに基づいて
求められた炉心管理データにより、現在の炉心の出力レ
ベルが監視されている。
【0157】したがって、炉心の出力レベルが所定の出
力レベルに到達した際には、メモリ16a4に記憶され
た断面パターン用監視シーケンスが読み出され、読み出
された監視シーケンスに基づいて、現在操作中の制御棒
グループが断面上においてグループ単位で監視される。
【0158】すなわち、本実施形態によれば、炉心の出
力レベル等の原子炉運転状態に応じて、制御棒監視パタ
ーンを柔軟に切り替えることができるため、制御棒監視
効率を向上させることができる。
【0159】なお、本実施形態では、原子炉炉心の出力
レベルに応じて制御棒監視パターンを切り替えるように
構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0160】例えば、制御棒パターン切替等の特殊な運
転用の監視パターンに対応するシーケンスや、停止余裕
試験、シングルロッドスクラム試験等の試験(テスト)
運転用の監視パターンに対応するシーケンスをメモリ1
6a4に予め記憶しておき、例えば、原子炉の運転状態
が通常運転から上記特殊運転やテスト運転等に切り替え
られた際に、その切り替え情報を、原子力発電プラント
の中央制御室に設置された原子炉運転状態把握用の主盤
パネルから計算機システム10a4のCPU15a4が
取りこみ、取りこんだ切替情報に基づく運転状態に対応
する監視パターンを選択・設定するように構成すれば、
原子炉運転状態に応じた適切な制御棒監視処理を行うこ
とが可能になる。
【0161】(第4の実施の形態)図9は、本発明の第
4の実施の形態に係る制御棒監視制御システム50を構
成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞれ
割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存
・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能
および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0162】本実施形態の制御棒監視制御システム50
においては、原子炉の運転サイクル毎の出力変化の差異
が小さい原子炉低出力領域における監視操作シーケンス
(プリセットシーケンス)が予め設定(プリセット)さ
れており、このプリセット操作シーケンスは、計算機シ
ステム10a1のメモリ16a1に記憶されている。
【0163】そして、本実施形態の制御棒監視制御シス
テム50においては、計算機システム10a1のCPU
15a1のシーケンス入力画面表示処理S1(図4にお
けるステップST1参照)により表示されたシーケンス
入力画面I1上において、オペレータは、入力装置19
a1を操作して、例えばシーケンス編集操作エリアW1
上において、最初にシーケンス作成要求を入力するよう
になっている。
【0164】このとき、本実施形態の計算機システム1
0a1のCPU15a1は、シーケンス入力処理S2と
して、入力されたシーケンス作成要求を受信処理するよ
うになっている。
【0165】そして、CPU15a1は、受信処理され
たシーケンス作成要求に応じてメモリ16a1からプリ
セット監視操作シーケンスを読み出し、読み出したプリ
セット監視操作シーケンスをシーケンス入力画面表示処
理S1Aを介して表示装置20a1のシーケンス入力画
面I1上におけるシーケンス指定エリアW4に対して、
例えばオペレータから作成入力される操作シーケンスの
表示態様(例えば表示色:緑色)とは異なる表示態様
(表示色:例えば赤色)で表示するプリセットシーケン
ス処理S50を行うようになっている。
【0166】すなわち、本実施形態によれば、オペレー
タは、シーケンス入力画面I1上のシーケンス指定エリ
アW4を確認することにより、原子炉2の低出力領域に
対応する監視操作シーケンスが予め設定されていること
を認知することができるため、監視操作シーケンス作成
毎に低出力領域用の監視操作シーケンスを入力する必要
がなくなる。したがって、従来の制御棒監視制御システ
ムと比べて、監視操作シーケンスの作成・入力時間を減
少させることができ、かつ上記低出力領域に対応する監
視操作シーケンスの誤設定・誤入力を防止することがで
きる。
【0167】(第5の実施の形態)図10は、本発明の
第5の実施の形態に係る制御棒監視制御システム60を
構成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞ
れ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保
存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機
能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0168】本実施形態の制御棒監視制御システム60
の計算機システム10a1におけるCPU15a1は、
オペレータを介して行われる操作シーケンスの変更を制
限するシーケンス変更制限処理S60を行うようになっ
ている。
【0169】このシーケンス変更制限処理S60は、オ
ペレータの伝送ボタンF1操作によりシーケンス入力処
理S2(図5;ステップST7)を介して受信処理され
た制御棒監視操作シーケンスデータ伝送要求に応じて、
炉心予測処理S3Aを介して伝送指定された監視操作シ
ーケンスに基づく炉心出力レベルを含む炉心予測データ
を演算する処理と、得られた炉心予測データに基づいて
原子炉低出力領域(低出力領域レベル)に対応する監視
操作シーケンスの範囲を求める処理と、求めた範囲内の
操作シーケンスを変更する要求がオペレータから操作ボ
タンPF2およびシーケンス編集操作エリアW1を介し
て入力された際に、変更エラーを表すメッセージをシー
ケンス入力画面表示処理S1Bを介して表示装置20a
1のシーケンス入力画面I1上における例えば比較判定
結果表示エリアW3に表示する処理とをそれぞれ含んで
いる。
【0170】また、CPU15a1は、オペレータから
入力装置19a4を介してシーケンス変更制限解除要求
が送られない限り、上記シーケンス変更制限処理S60
を行うようになっている。
【0171】すなわち、本実施形態によれば、オペレー
タから監視操作シーケンスの一部を変更する要求が送信
された際に、その変更対象となる監視操作シーケンスが
炉心予測処理S3Aにより予め求められた原子炉低出力
領域に対応するシーケンス範囲であった場合には、その
変更要求が無効になり、シーケンス入力画面I1上の比
較判定結果表示エリアW3上に変更エラーメッセージが
自動的に表示されるため、オペレータは、比較判定結果
表示エリアW3を確認することにより、自らが入力した
変更対象となる監視操作シーケンスが、運転サイクル毎
に差異が少なくシーケンス変更の必要性がほとんどない
低出力領域の監視操作シーケンスであることを認知する
ことができるため、低出力領域に対応する監視操作シー
ケンス変更作業に係る誤設定・誤入力を防止することが
できる。
【0172】(第6の実施の形態)図11は、本発明の
第6の実施の形態に係る制御棒監視制御システム70を
構成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞ
れ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保
存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機
能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0173】本実施形態において、オペレータは、例え
ば制御棒位置検出器の故障等に応じて計算機システム1
0a4のCPU15a4に対して制御棒の位置データ
(炉心軸方向に沿った位置データ)が入力されない際に
は、その位置データ入力不可の制御棒を、バイパス対象
(除外対象)制御棒として、入力装置19a1を介して
例えばシーケンス入力画面I1上において入力するよう
になっている。
【0174】このとき、本実施形態の制御棒監視制御シ
ステム70の計算機システム10a1におけるCPU1
5a1は、図11および図12に示す除外制御棒処理S
70を行うようになっている。
【0175】すなわち、CPU15a1は、オペレータ
から入力装置19a1を介して入力された除外制御棒を
シーケンス入力処理S2を介して受信処理してメモリ1
6a1に記憶し(図12;ステップST30)、既に入
力されメモリ16a1に記憶された除外制御棒を読み出
して合わせることにより、全ての除外制御棒を求める
(ステップST31)。
【0176】続いて、CPU15a1は、求めた全除外
制御棒の位置アドレス(炉心軸に直交する断面上の位置
アドレス)に基づいて、各制御棒グループを構成する全
ての制御棒が除外されているグループがあるか否かを判
断する(ステップST32)。
【0177】この判断の結果、同一制御棒グループ内の
全ての制御棒が除外されているグループが存在した場合
には、ステップST32の判断はYESとなり、CPU
15a1は、上記バイパス対象制御棒入力処理を無効に
してエラーメッセージを作成し、シーケンス入力画面表
示処理S1Cを介して表示装置20a1のシーケンス入
力画面I1上における例えば比較判定結果表示エリアW
3に表示して(ステップST33)、処理を終了する。
【0178】一方、ステップST32の判断の結果、同
一制御棒グループ内の全ての制御棒が除外されているグ
ループが存在しない場合には、ステップST32の判断
はNOとなり、CPU15a1は、全除外制御棒の位置
アドレスおよび所属制御棒グループを含む除外制御棒デ
ータを作成し、作成した除外制御棒データを、シーケン
ス出力処理S6により、計算機システム10a2を介し
て計算機システム10a4に伝送して(ステップST3
4)、処理を終了する。
【0179】このとき、計算機システム10a4のCP
U15a4は、シーケンス監視処理S14(ステップS
T16)において、現在の監視対象である制御棒グルー
プの中で、伝送された除外制御棒データに含まれる制御
棒(除外制御棒)が存在するか否かを判断し、この判断
の結果、監視対象制御棒グループの中で除外制御棒が存
在する場合には、その除外制御棒のみをバイパスして制
御棒監視処理を継続して行うようになっている。
【0180】以上述べたように、本実施形態の制御棒監
視制御システム70によれば、制御棒グループ内の全て
の制御棒を除外することなく、位置データ入力不可の制
御棒のみをバイパスして制御棒監視処理を継続して実行
することができるため、制御棒監視制御システムの信頼
性を向上させることができる。また、原子炉の運転範囲
によって位置データ入力不可の制御棒が存在した場合で
も、その制御棒をバイパスしてシーケンス監視処理が実
行できるため、制御棒監視制御システムを適用可能な原
子炉の運転範囲を広くして、より安全かつ効果的に原子
炉を運転することができる。
【0181】(第7の実施の形態)図13は、本発明の
第7の実施の形態に係る制御棒監視制御システム80を
構成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞ
れ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保
存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機
能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0182】本実施形態において、オペレータは、例え
ば制御棒位置検出器の故障等に応じて計算機システム1
0a4のCPU15a4に対して制御棒の位置データが
入力されない際には、その位置データ入力不可の制御棒
(以下、代替制御棒と記載する)の位置データの代替値
(代替位置データ値)を入力装置19a1を操作して、
例えばシーケンス入力画面I1上において入力するよう
になっている。
【0183】このとき、本実施形態の制御棒監視制御シ
ステム80の計算機システム10a1におけるCPU1
5a1は、図13および図14に示す代替制御棒処理S
80を行うようになっている。
【0184】すなわち、CPU15a1は、オペレータ
から入力装置19a1を介して入力された代替制御棒の
代替位置データ値をシーケンス入力処理S2を介して受
信処理してメモリ16a1に記憶し(図12;ステップ
ST40)、既に入力されメモリ16a1に記憶された
代替制御棒の代替位置データ値をまとめて、全ての代替
制御棒およびその代替位置データ値を求める(ステップ
ST41)。
【0185】続いて、CPU15a1は、求めた全代替
制御棒の位置アドレスに基づいて、各制御棒グループを
構成する全ての制御棒の位置データ値が代替位置データ
値となるグループ、すなわち、各制御棒グループを構成
する全ての制御棒が代替制御棒となるグループがあるか
否かを判断する(ステップST42)。
【0186】この判断の結果、同一制御棒グループ内の
全ての制御棒の位置データ値が代替位置データ値に代替
されているグループが存在した場合には、ステップST
42の判断はYESとなり、CPU15a1は、前記代
替位置データ入力処理を無効にしてエラーメッセージを
作成し、シーケンス入力画面表示処理S1Dを介して表
示装置20a1のシーケンス入力画面I1上における例
えば比較判定結果表示エリアW3に表示して(ステップ
ST43)、処理を終了する。
【0187】一方、ステップST42の判断の結果、同
一制御棒グループ内の全ての制御棒が代替されているグ
ループが存在しない場合には、ステップST42の判断
はNOとなり、CPU15a1は、全代替制御棒の代替
位置データ値、位置アドレスおよび所属制御棒グループ
を含む代替制御棒データを作成し、作成した代替制御棒
データを、シーケンス出力処理S6により、計算機シス
テム10a2を介して計算機システム10a4に出力し
て(ステップST44)、処理を終了する。
【0188】このとき、計算機システム10a4のCP
U15a4は、シーケンス監視処理S14(ステップS
T16)において、現在の監視対象である制御棒グルー
プの中で、出力された代替制御棒データに含まれる制御
棒、すなわち位置データ入力不可の制御棒(代替制御
棒)が存在するか否かを判断し、この判断の結果、監視
対象制御棒グループの中で代替制御棒が存在する場合に
は、その代替制御棒の監視処理を代替位置データ値に基
づいて行うようになっている。
【0189】以上述べたように、本実施形態の制御棒監
視制御システムによれば、位置データ入力不可の制御棒
に対する代替データ値を設定することができ、かつ同一
グループ内の全ての制御棒に対して代替データ値を設定
することを回避することができる。
【0190】したがって、炉心管理に係るシーケンス監
視処理を、実際の制御棒操作状況と対応付けて行うこと
ができ、制御棒監視制御システムの信頼性を向上させる
ことができる。また、原子炉の運転範囲によって位置デ
ータ入力不可の制御棒が存在した場合でも、代替値設定
によりシーケンス監視処理が実行できるため、制御棒監
視制御システムを適用可能な原子炉の運転範囲を広くし
て、より安全かつ効果的に原子炉を運転することができ
る。
【0191】(第8の実施の形態)図15は、本発明の
第8の実施の形態に係る制御棒監視制御システム90を
構成する各計算機システム10a1〜10a4にそれぞ
れ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保
存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機
能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素
(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前掲
図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロック
要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の符
号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0192】本実施形態の制御棒監視制御システム90
における計算機システム10a4のCPU15a4は、
制御棒移動操作状況監視(ステップST16)として、
上述した制御棒移動操作の制御棒監視操作シーケンスデ
ータからの逸脱を監視する処理(シーケンス監視処理S
14B)に加えて、例えば時分割処理により、炉心管理
データ演算処理S11により順次得られる炉心管理デー
タにおける炉心出力レベルを時間単位で取り込み、取り
込んだ炉心出力レベルに応じて一定時間内に一定値以上
の出力レベルの下降を認識した際に、原子炉の状態が出
力下降モードであることを検出し、検出結果である出力
下降モード情報をシーケンス監視処理S14Bおよびシ
ーケンスガイド処理S15Aに渡す出力下降時バイパス
処理S90を行うようになっている。
【0193】このとき、CPU15a4は、シーケンス
監視処理S14Bとして、制御棒移動操作が制御棒監視
操作シーケンスデータから逸脱し、かつ制御棒操作阻止
条件に一致したと判断された際(ステップST21→N
O、ステップST22→YES)に、上記出力下降時バ
イパス処理S90により出力下降モード情報が渡された
か否か判断する(図16;ステップST23A)。
【0194】そして,この判断の結果出力下降モード情
報が渡されている場合(ステップST23A→YES)
には、CPU15a4は、制御棒操作が制御棒挿入操作
であるか否か判断し(ステップST23B)、挿入操作
である場合(ステップST23B→YES)には、CP
U15a4は、制御棒挿入操作阻止用の制御信号の送信
を禁止(バイパス)し(ステップST23C)、ステッ
プST24の処理に移行する。
【0195】また、出力下降モード情報が渡され(ステ
ップST23A→YES)、かつ引き抜き操作である場
合(ステップST23B→NO)には、CPU15a4
は、制御棒引き抜き操作阻止用の制御信号を外部入出力
インタフェース17a4を介して制御棒駆動装置4に対
して送信して(ステップST23D)、ステップST2
4の処理に移行する。
【0196】一方、出力下降時バイパス処理S90によ
り出力下降モード情報が渡されていない場合には(ステ
ップST23A→NO)、CPU15a4は、制御棒引
き抜き・挿入操作阻止用の制御信号を外部入出力インタ
フェース17a4を介して制御棒駆動装置4に対して送
信し(ステップST23E)、ステップST24の処理
に移行する。
【0197】この結果、原子炉2が出力下降モードにお
いては、実際の制御棒挿入操作が制御棒監視操作シーケ
ンスから逸脱し、かつ制御棒挿入操作阻止条件を満足し
ていても、制御棒挿入操作は阻止されず、制御棒挿入操
作が継続して行われる。
【0198】一方、CPU15a4は、ステップST1
7におけるシーケンスガイド処理として、制御棒移動操
作状況を含む監視情報および制御棒監視操作シーケンス
データに加えて、上記出力下降時バイパス処理S90に
より得られた原子炉出力下降モード情報に基づいて操作
ガイドデータを作成し、作成した操作ガイドデータを通
信ネットワーク11等を介して計算機システム10a3
に出力するようになっている。
【0199】この結果、上述した計算機システム10a
3のCPU15a3による制御棒操作ガイド画面データ
作成処理(ステップST19)、および表示処理(ステ
ップST20)により、表示装置20a3には、原子炉
出力下降モード情報を含む操作ガイド画面が表示され
る。
【0200】以上述べたように、本実施形態によれば、
制御棒挿入時(原子炉出力下降時)、すなわち、原子炉
が安全な状態にある場合においては、制御棒挿入操作状
況が監視操作シーケンスを逸脱したと判断されても制御
棒挿入操作阻止制御をバイパスすることができるため、
オペレータの制御棒挿入操作再開処理にかかる負担を解
消して、オペレータの制御棒挿入操作時の使い勝手を向
上させることができる。
【0201】なお、本実施形態では、炉心管理データに
おける炉心出力レベルの変化に基づいて原子炉の運転モ
ードが出力下降モードであることを検出したが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0202】例えば、原子力発電プラントの中央制御室
に駐在するオペレータが、主盤パネルBにおける原子炉
運転状態表示用の表示器を介して炉心出力レベルが一定
時間以上低下していることを認識した際に、主盤パネル
Bに予め設けられた「出力上昇/下降」PBにおける
“出力下降PB"を操作する。
【0203】このとき、計算機システム10a4のCP
U15a4は、“出力下降PB"操作により主盤パネル
Bから送信されてきた出力下降モード信号に応じて上述
したステップST23A〜ステップST23Eの処理を
行うことにより、原子炉が出力下降モードの際の挿入操
作阻止用制御信号バイパス処理を行うことも可能であ
る。
【0204】また、例えば、計算機システム10a4の
コンソール21a4(入力装置19a4、表示装置20
a4)に対して、「原子力出力下降モード」の指定/解
除対話機能(例えば、表示装置20a4上にGUIに基
づく「原子力出力下降モード」の指定/解除対話画面を
表示する機能、およびオペレータが上記指定/解除対話
画面上で入力した原子力出力下降モード」の指定情報あ
るいは解除情報を入力処理する機能)を搭載しておく。
【0205】このとき、オペレータが、例えば上記主盤
パネルにおける表示器を介して炉心出力レベルが一定時
間以上低下していることを認識した際に、指定/解除対
話画面上で「原子力出力下降モード」の指定情報を入力
すると、計算機システム10a4のCPU15a4は、
入力された「原子力出力下降モード」の指定情報に応じ
て上述したステップST23A〜ステップST23Eの
処理を行うことにより、原子炉が出力下降モードの際の
挿入操作阻止用制御信号バイパス処理を行うことも可能
である。
【0206】(第9の実施の形態)図17は、本発明の
第9の実施の形態に係る制御棒監視制御システム100
を構成する各計算機システム10a1〜10a4にそれ
ぞれ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス
保存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理
機能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要
素(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。なお、前
掲図3に示した制御棒監視制御システム1の処理ブロッ
ク要素と略同一の処理ブロック要素については、同一の
符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0207】本実施形態において、オペレータは、原子
炉の停止余裕を確認するための制御棒操作本数を、入力
装置19a1を操作して入力するようになっている。
【0208】このとき、本実施形態の制御棒監視制御シ
ステム100の計算機システム10a1におけるCPU
15a1のシーケンス入力処理S2により、入力された
制御棒操作本数が受信処理される。
【0209】そして、本実施形態の計算機システム10
a1のCPU15a1は、予めメモリ16a1に記憶さ
れた従来の停止余裕テスト時における制御棒操作可能本
数(2本)に応じて、受信処理された制御棒操作本数が
上記従来の制御棒操作可能操作本数を超えているか否か
判断し、超えていた場合には、オペレータに対して注意
を促すためのメッセージデータを作成し、シーケンス入
力画面表示処理S1Eを介して表示装置20a1のシー
ケンス入力画面I1上における例えば比較判定結果表示
エリアW3に表示する制御棒操作本数チェック処理S1
00を行うようになっている。
【0210】また、CPU15a1は、制御棒操作本数
チェック処理S100として、受信処理された制御棒操
作本数をシーケンス出力処理S6により計算機システム
10a2を介して計算機システム10a4に出力する処
理を行うようになっている。
【0211】一方、計算機システム10a4におけるメ
モリ16a4には、予め原子炉2の停止余裕テストに係
る停止余裕テスト用シーケンスが記憶されており、CP
U15a4は、シーケンス監視処理S14Cとして、メ
モリ16a4から読み出した停止余裕テスト用シーケン
スを実行して、入出力処理S10を介して制御棒引き抜
き用制御信号を制御棒駆動装置4に送信しており、その
結果、制御棒引き抜き操作制御信号に対応する所定の制
御棒が制御棒駆動装置4の駆動により引き抜き操作され
る。
【0212】このとき、上記制御棒操作本数がCPU1
5a4に対して渡されると、CPU15a4は、実際の
制御棒引き抜き操作信号に基づく制御棒引き抜き操作本
数が、渡された制御棒操作本数を超えているか否か判断
し、この判断の結果超えている場合には、停止余裕テス
ト時の制御棒引き抜き操作本数のエラーであると判断
し、シーケンス監視処理S14Cおよび入出力装置15
a4を介して制御棒の引き抜きを阻止するための制御信
号を制御棒駆動装置4に対して送信するようになってお
り、この結果、制御棒駆動装置4により対応する制御棒
の引き抜き操作が強制的に停止される。
【0213】以上述べたように、本実施形態によれば、
原子炉停止余裕テスト時において、原子炉の反応度(停
止余裕)を確認するための制御棒操作本数をオペレータ
により任意の本数に設定することができるため、停止余
裕テスト実行時において3本以上の制御棒を操作する必
要が生じても、制御棒監視処理を除外する必要がなくな
り、停止余裕テストの実運用に即した制御棒操作範囲の
拡大が図られ、監視効率、信頼性およびオペレータの使
い勝手をそれぞれ向上させることができる。
【0214】なお、本実施形態では、停止余裕テスト時
の制御棒操作本数を任意に設定可能に構成したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、炉心の領域毎に制
御棒操作本数を設定可能に構成することや、停止余裕テ
スト時に操作可能な制御棒の引き抜きノッチ位置を設定
可能に構成することもでき、停止余裕テストの実運用に
即した制御棒監視を行うことができる。
【0215】(第10の実施の形態)図18は、本発明
の第10の実施の形態に係る制御棒監視制御システム1
10を構成する各計算機システム10a1〜10a4に
それぞれ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケ
ンス保存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示
処理機能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処
理要素(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。な
お、前掲図3に示した制御棒監視制御システム1の処理
ブロック要素と略同一の処理ブロック要素については、
同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0216】本実施形態の監視制御システム110の計
算機システム10a4におけるメモリ16a4には、予
め原子炉2の停止余裕テストに係る停止余裕テスト用シ
ーケンスが記憶されており、CPU15a4は、シーケ
ンス監視処理S14Cとして、メモリ16a4から読み
出した停止余裕テスト用シーケンスを実行して、入出力
処理S10を介して制御棒引き抜き用制御信号を制御棒
駆動装置4に送信しており、その結果、制御棒引き抜き
操作制御信号に対応する所定の制御棒が制御棒駆動装置
4の駆動により引き抜き操作される。
【0217】このとき、CPU15a4は、入出力処理
S10を介して入力されたデータ群(中性子束データ、
炉状態データおよび位置データs1)とシーケンス監視
処理S14Cにより得られた実際の制御棒引き抜き操作
信号に基づく制御棒引き抜き操作本数(制御棒パター
ン)とに基づいて、現在の原子炉2の停止余裕(反応
度)を計算し、計算した停止余裕に基づいて許可可能な
制御棒操作本数を決定する停止余裕計算処理S110を
行っている。
【0218】そして、CPU15a4は、決定された制
御棒操作本数と実際の制御棒操作本数とを比較して、実
際の制御棒操作本数が決定された制御棒操作本数を超え
ているか否か判断し、この判断の結果超えている場合に
は、停止余裕テスト時の制御棒引き抜き操作本数のエラ
ーであると判断する制御棒操作本数チェック処理S11
1を行い、上記チェック処理S111により制御棒引き
抜き操作本数のエラーであると判断された際に、CPU
15a4は、シーケンス監視処理S14Cおよび入出力
装置15a4を介して制御棒の引き抜きを阻止するため
の制御信号を制御棒駆動装置4に対して送信するように
なっている。この結果、制御棒駆動装置4により対応す
る制御棒の引き抜き操作が強制的に停止される。
【0219】以上述べたように、本実施形態によれば、
原子炉停止余裕テスト時において、原子炉の反応度(停
止余裕)を確認するための制御棒操作本数を実際の原子
炉2の停止余裕に基づいて自動的に設定することができ
るため、停止余裕テスト実行時において3本以上の制御
棒を操作する必要が生じても、制御棒監視処理を除外す
る必要がなくなり、停止余裕テストの実運用に即した制
御棒操作範囲の拡大が図られ、監視効率、信頼性および
オペレータの使い勝手をそれぞれ向上させることができ
る。
【0220】なお、本実施形態では、停止余裕テスト時
の制御棒操作本数を停止余裕に基づいて自動的に計算す
るように構成したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、炉心の領域毎に制御棒操作本数を停止余裕に基
づいて自動的に計算して設定可能に構成することや、停
止余裕テスト時に操作可能な制御棒の引き抜きノッチ位
置を停止余裕に基づいて自動的に計算して設定可能に構
成することもでき、停止余裕テストの実運用に対応する
制御棒監視を行うことができる。
【0221】(第11の実施の形態)図19は、本発明
の第11の実施の形態に係る制御棒監視制御システム1
20を構成する各計算機システム10a1〜10a4に
それぞれ割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケ
ンス保存・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示
処理機能および制御棒操作・監視処理機能を構成する処
理要素(処理ブロック)をそれぞれ示す図である。な
お、前掲図3に示した制御棒監視制御システム1の処理
ブロック要素と略同一の処理ブロック要素については、
同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0222】本実施形態の制御棒監視制御システム12
0の計算機システム10a4におけるCPU15a4
は、シーケンス監視処理S14Dとして、制御棒操作監
視シーケンスデータに基づいて、対応する制御棒グルー
プの移動操作状況を監視しており、上記制御棒グループ
を構成する制御棒に対して挿入エラー等の操作エラーが
発生した際に、その操作エラーが発生した制御棒の位置
アドレス情報および操作シーケンスを含む操作エラーデ
ータを後述する挿入エラー制限処理およびシーケンスガ
イド処理S15Bに渡すようになっている。
【0223】そして、CPU15a4は、操作エラー発
生に応じて渡された操作エラーデータの数、すなわち、
操作エラーが発生した制御棒本数が3本となった時に、
シーケンス監視処理S14Dに対して制御棒操作阻止要
求を渡す処理(操作エラー制限処理)S120を行うよ
うになっている。
【0224】このとき、CPU15a4は、上記シーケ
ンス監視処理S14Dとして、渡された制御棒操作阻止
要求に応じて、制御棒操作阻止用の制御信号を外部入出
力インタフェース17a4を介して制御棒駆動装置4に
対して送信するようになっている。
【0225】一方、CPU15a4は、ステップST1
7におけるシーケンスガイド処理として、制御棒移動操
作状況を含む監視情報、制御棒監視操作シーケンスデー
タおよび操作エラー制限処理S120により渡された操
作エラーデータに基づいて、操作エラーを発生した制御
棒(位置アドレス)および操作シーケンスをオペレータ
に対して通知するためのエラー復旧ガイド情報を含む操
作ガイドデータを作成し、作成した操作ガイドデータを
通信ネットワーク11等を介して計算機システム15a
3に出力するようになっている。
【0226】この結果、上述した計算機システム10a
3のCPU15a3による制御棒操作ガイド画面データ
作成処理(ステップST19)、および表示処理(ステ
ップST20)により、表示装置20a3には、エラー
復旧ガイド情報を含む操作ガイド画面が表示される。
【0227】以上述べたように、本実施形態によれば、
操作エラーが3本以上発生して制御棒操作阻止処理が行
われた際に、上記操作エラーが発生した制御棒について
の位置アドレスおよび対応する操作シーケンスを含むエ
ラー復旧ガイド情報を表示装置20a3を介してオペレ
ータに通知することができるため、操作エラーが発生し
た制御棒の監視操作シーケンスを正確な監視操作シーケ
ンスに修正するための時間を従来の制御棒監視制御シス
テムに比べて大幅に低減させることができる。
【0228】なお、上述した各実施形態においては、制
御棒監視制御システム1の制御棒監視制御処理機能(プ
ログラムモジュール)を複数の機能(シーケンス作成処
理機能、シーケンス保存・整合処理機能、ガイド画面デ
ータ作成・表示処理機能および制御棒操作・監視処理機
能)に分割し、分割した各機能を、その機能分割数に対
応する計算機システム10a1〜10a4にそれぞれ搭
載することにより、分散型制御棒監視制御システムを構
築したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0229】すなわち、計算機システムの数は2台以上
(最低2台)であればよく、上述した分割した4つの機
能(シーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整合処
理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能および制
御棒操作・監視処理機能)の内の少なくとも1つの機能
を2台以上の計算機システムの何れか1台(計算機シス
テムAとする)に搭載し、他の機能を計算機システムA
以外の1台以上の計算機システムの何れかに搭載すれば
よい。
【0230】好ましくは、制御棒操作・監視処理機能を
搭載する計算機システムを原子力発電プラント内に配置
し、シーケンス作成処理機能を搭載する計算機システム
を上記制御棒操作・監視処理機能が搭載された計算機シ
ステムに対して遠隔に配置することにより、遠隔から入
力した制御棒監視操作シーケンスに基づいて制御棒の監
視操作を行うことが可能になるという効果を維持するこ
とができる。
【0231】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1〜3および
15記載の発明によれば、制御棒監視制御処理機能を、
シーケンス作成処理機能、ガイド画面データ作成・表示
処理機能および制御棒操作・監視処理機能に分割して複
数の計算機システムに分散して配置することができるた
め、各計算機システムの処理効率および応答性を向上さ
せることができる。
【0232】また、請求項1〜3および15記載の発明
では、複数の計算機システムの内の何れか1台の計算機
システムで監視操作シーケンスを作成し、遠隔に位置す
る監視操作用計算機システムに対して入力することがで
きるため、監視操作シーケンス入力効率を向上させるこ
とができる。
【0233】請求項4記載の発明によれば、各計算機シ
ステムが自計算機システムおよび他計算機システムのハ
ードウエアの動作状態を診断してその異常を検出できる
ように構成したため、どの処理機能(対応する計算機シ
ステム)に異常が発生したのかを即座に特定することが
でき、異常機能の特定に要する時間を大幅に低減して
き、制御棒監視制御システムの診断効率を向上させるこ
とができる。
【0234】請求項5記載の発明によれば、原子炉出力
レベル等の原子炉運転状態に応じて制御棒監視用の複数
の監視パターンを柔軟に切り替えることができるため、
制御棒監視効率を向上させることができる。
【0235】請求項6記載の発明によれば、原子炉の低
出力領域に対応するプリセットシーケンスを予めプリセ
ットして監視操作シーケンス入力用画面上に、通常の監
視操作シーケンスとは異なる表示態様で表示することが
できるため、監視操作シーケンス作成毎に低出力領域用
の監視操作シーケンスを入力する必要がなくなり、監視
操作シーケンスの作成・入力時間を減少させるととも
に、低出力領域に対応する監視操作シーケンスの誤設定
・誤入力を防止することができる。
【0236】請求項7記載の発明によれば、原子炉低出
力領域に対応するシーケンス範囲のシーケンス変更要求
を無効にすることができるため、低出力領域に対応する
監視操作シーケンス変更作業に係る誤設定・誤入力を防
止することができる。
【0237】請求項8記載の発明によれば、位置データ
入力不可の制御棒のみをバイパスして制御棒監視処理を
継続して実行するとともに、制御棒をバイパスしてシー
ケンス監視処理が実行できるため、制御棒監視制御シス
テムの信頼性を向上させ、かつ制御棒監視制御システム
を適用可能な原子炉の運転範囲を広くして、より安全か
つ効果的に原子炉を運転することができる。
【0238】請求項9記載の発明によれば、位置データ
入力不可の制御棒に対する代替値を設定することがで
き、かつ同一グループ内の全ての制御棒に対する代替値
の設定を無効にすることができるため、炉心管理に係る
シーケンス監視処理を、実際の制御棒操作状況と対応付
けて行うことができ、制御棒監視制御システムの信頼性
を向上させることができる。
【0239】請求項10および11記載の発明によれ
ば、原子炉出力下降モード時において制御棒挿入操作阻
止制御をバイパスすることができるため、オペレータの
制御棒挿入操作再開処理にかかる負担を解消して、オペ
レータの制御棒挿入操作時の使い勝手を向上させること
ができる。
【0240】請求項12記載の発明によれば、原子炉停
止余裕テスト時において、停止余裕テスト用シーケンス
に基づいて引き抜き操作される第1の制御棒操作本数
が、例えばオペレータの操作に基づいて入力された第2
の制御棒操作本数を超えている場合にのみ制御棒の引き
抜き移動操作阻止制御を実行するようにしたため、上記
第1の制御棒操作本数の設定を例えば3本以上に設定し
ておけば、停止余裕テスト実行時において3本以上の制
御棒を操作する必要が生じても、制御棒監視処理がバイ
パスさせることがなくなる。したがって、停止余裕テス
トの実運用に即した制御棒操作範囲の拡大が図られ、監
視効率、信頼性およびオペレータの使い勝手をそれぞれ
向上させることができる。
【0241】請求項13記載の発明によれば、原子炉停
止余裕テスト時において、原子炉の停止余裕を確認する
ための制御棒操作本数を実際の原子炉の停止余裕に基づ
いて自動的に設定することができるため、停止余裕テス
ト実行時において3本以上の制御棒を操作する必要が生
じても、制御棒監視処理を除外する必要がなくなる。し
たがって、停止余裕テストの実運用に即して制御棒操作
範囲を拡大することができ、その結果、監視効率、信頼
性およびオペレータの使い勝手をそれぞれ向上させるこ
とができる。
【0242】請求項14記載の発明によれば、操作エラ
ー本数が許容範囲を超えて発生して制御棒操作阻止処理
が行われた際に、上記操作エラーが発生した制御棒につ
いての位置アドレスおよび対応する監視操作シーケンス
を含むエラー復旧ガイド情報を外部(オペレータ)へ通
知することができるため、操作エラーが発生した制御棒
の監視操作シーケンスを正確な監視操作シーケンスに修
正するための時間を従来の制御棒監視制御システムに比
べて大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御棒監視制
御システムのハードウエア構成を示す図。
【図2】図1における各計算機システムのメモリに記憶
されたソフトウエアを示す図。
【図3】図1に示す各計算機システムにそれぞれ割当て
られたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整合
処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能および
制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそれぞ
れ示すブロック図。
【図4】図1に示すシーケンス作成処理機能が割当てら
れた計算機システムの表示装置上に表示されるシーケン
ス入力画面の一例を示す図。
【図5】図1に示す各計算機システムの各CPUの処理
の一例を示す概略フローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る制御棒監視制
御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割当
てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整
合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能およ
び制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそれ
ぞれ示すブロック図。
【図7】図6に示すガイド画面データ作成・表示処理機
能が割当てられた計算機システムの表示装置上に表示さ
れる診断情報表示画面の一例を示す図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る制御棒監視制
御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割当
てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整
合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能およ
び制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそれ
ぞれ示すブロック図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る制御棒監視制
御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割当
てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・整
合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能およ
び制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそれ
ぞれ示すブロック図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る制御棒監視
制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割
当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・
整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能お
よび制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそ
れぞれ示すブロック図。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る制御棒監視
制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割
当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・
整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能お
よび制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそ
れぞれ示すブロック図。
【図12】図11におけるシーケンス作成処理機能が割
当てられた計算機システムのCPUによる除外制御棒処
理の一例を示す概略フローチャート。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る制御棒監視
制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割
当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・
整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能お
よび制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそ
れぞれ示すブロック図。
【図14】図13におけるシーケンス作成処理機能が割
当てられた計算機システムのCPUによる代替制御棒処
理の一例を示す概略フローチャート。
【図15】本発明の第8の実施の形態に係る制御棒監視
制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割
当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・
整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能お
よび制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそ
れぞれ示すブロック図。
【図16】第8の実施の形態における図5に示す制御棒
操作阻止処理の一例を説明するための概略フローチャー
ト。
【図17】本発明の第9の実施の形態に係る制御棒監視
制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ割
当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存・
整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能お
よび制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素をそ
れぞれ示すブロック図。
【図18】本発明の第10の実施の形態に係る制御棒監
視制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ
割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存
・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能
および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素を
それぞれ示すブロック図。
【図19】本発明の第11の実施の形態に係る制御棒監
視制御システムを構成する各計算機システムにそれぞれ
割当てられたシーケンス作成処理機能、シーケンス保存
・整合処理機能、ガイド画面データ作成・表示処理機能
および制御棒操作・監視処理機能を構成する処理要素を
それぞれ示すブロック図。
【図20】従来の制御棒監視制御システムの一例を示す
図。
【図21】シーケンス入力用表示装置の制御棒監視操作
シーケンス作成入力画面の一例を示す図。
【図22】断面監視パターンが選択された場合における
原子炉の炉心軸に水平な断面を模式的に示す炉心マップ
および制御棒移動操作状況を表す制御棒操作ガイド画面
を示す図。
【符号の説明】
1、40、50、60、70、80、90、100、1
10、120 制御棒監視制御システム 2 原子炉 3 制御棒 4 制御棒駆動装置 5 制御棒位置検出器 7 中性子束検出器 8 処理ユニット 10a1〜10a4 計算機システム 11 通信ネットワーク 15a1〜15a4 CPU 16a1〜16a4 メモリ 17a1〜17a4 外部入出力インタフェース 18a1〜18a4 通信インタフェース 19a1〜19a4 入力装置 20a1〜20a4 表示装置 21a1〜21a4 コンソール 25 通信インタフェース用ミドルウエア PM1 シーケンス作成・処理プログラムモジュール PM2 シーケンス保存・整合処理プログラムモジュー
ル PM3 ガイド画面データ作成・表示処理プログラムモ
ジュール PM4a 制御棒操作・監視処理プログラムモジュール PM4b 炉心管理データ演算・送信処理プログラムモ
ジュール M 物理モデル F1 シーケンス入力画面ファイル S1、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E シー
ケンス入力画面表示処理 S2 シーケンス入力処理 S3、S3A 炉心予測処理 S4 炉心データ比較判定処理 S5 シーケンス作成処理 S6 シーケンス出力処理 S7 シーケンス送信・保存処理 S8 シーケンス整合処理 S10 入出力処理 S11 炉心管理得データ演算処理 S12 炉心管理データ送信処理 S13 シーケンス入出力処理 S14、S14A、S14B、S14C、S14D シ
ーケンス監視処理 S15、S15A シーケンスガイド処理 S17 ガイドデータ入力処理 S18 シーケンスデータ処理 S19 シーケンス表示処理 S30〜S33 診断処理 S35 診断結果表示処理 S40 監視パターン切替処理 S50 プリセットシーケンス処理 S60 シーケンス変更制限処理 S70 除外制御棒処理 S80 代替制御棒処理 S90 出力下降時バイパス処理 S100 停止余裕入出力処理 S101、S111 制御棒操作本数チェック処理 S110 停止余裕計算処理 S120 操作エラー制限処理
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 康弘 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 森田 豊崇 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 田原 卓兒 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 小泉 敦彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 2G075 AA03 BA03 CA39 DA18 EA01 EA08 FA11 FA19 FB01 FB08 FC04 FC14 GA15 GA28 GA33

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の計算機システムを通信ネットワー
    クを介して互いに通信可能に接続して構築されたハード
    ウエア構成を有し、かつ原子炉内に配置された制御棒
    を、制御棒移動装置を介して炉心内外へ移動操作する機
    能および前記制御棒の移動操作状況を監視する機能を有
    する制御棒監視制御システムであって、 入力された監視操作シーケンスに基づいて炉心内の出力
    レベルを含む炉心状態を予測し、予測された炉心状態お
    よび前記監視操作シーケンスに基づいて前記制御棒を監
    視操作するための監視操作シーケンスデータを作成する
    シーケンスデータ作成手段と、作成された監視操作シー
    ケンスデータに基づいて前記制御棒を移動操作させるた
    めの制御信号を前記制御棒移動装置に送信し、かつ前記
    炉心内の状態を表す状態データおよび前記制御棒の移動
    位置データを用いて前記制御棒の移動操作状況を監視す
    る監視操作手段と、前記監視操作シーケンスデータおよ
    び前記監視操作手段による前記移動操作状況を含む監視
    情報に基づいて作成された移動操作状況通知用ガイドデ
    ータを表示するガイドデータ表示手段とを備え、 前記シーケンスデータ作成手段、前記監視操作手段およ
    び前記ガイドデータ表示手段を前記複数の計算機システ
    ムに分散して配置したことを特徴とする制御棒監視制御
    システム。
  2. 【請求項2】 前記シーケンスデータ作成手段により作
    成された監視操作シーケンスデータを保存する処理、お
    よび前記監視操作シーケンスデータを前記監視操作手段
    へ送信する処理および前記保存された監視操作シーケン
    スデータと前記監視操作手段から返送されてきた監視操
    作シーケンスデータとの整合性をチェックし、整合性が
    とれている場合にのみ前記監視操作手段に対して、前記
    監視操作シーケンスデータが正常に伝送されたことを表
    す正常伝送情報を送信する処理を行う整合性チェック手
    段を備え、当該整合性チェック手段を前記複数の計算機
    システムの内の何れか1台の計算機システムに搭載する
    とともに、 前記監視操作手段は、前記整合性得チェック手段の送信
    処理により正常伝送情報が送信されてきた際に、前記制
    御棒を移動操作させるための制御信号を前記制御棒移動
    装置に送信するようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の制御棒監視制御システム。
  3. 【請求項3】 前記複数の計算機システムの内の何れか
    1台の計算機システムは、前記炉心内の状態を表す状態
    データおよび前記制御棒の移動位置データに基づいて前
    記炉心内の出力レベルを含む炉心管理データを演算する
    炉心管理データ演算手段と、演算された炉心管理データ
    を前記シーケンスデータ作成手段に対して送信する炉心
    管理データ送信手段とを備えており、 前記シーケンスデータ作成手段は、前記監視操作シーケ
    ンス入力用の画面を表示する入力画面表示手段と、前記
    監視操作シーケンス入力用画面上において前記監視操作
    シーケンスを作成する監視操作シーケンス作成手段と、
    作成された監視操作シーケンスを入力処理する入力処理
    手段と、炉心をモデル化した物理モデルと、この物理モ
    デルおよび前記入力処理された監視操作シーケンスに基
    づいて前記炉心の出力レベルを含む炉心状態を炉心予測
    データとして求める予測手段と、前記炉心管理データ送
    信手段により送信されてきた炉心管理データと前記予測
    手段により求められた炉心予測データとを比較して、入
    力された監視操作シーケンスの適否を判定する判定手段
    と、この判定手段の判定結果を前記監視操作シーケンス
    入力用画面上に表示する判定結果表示手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項2記載の制御棒監視制御システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記各計算機システムに搭載され、自計
    算機システムの動作状態を自己診断し、かつ他計算機シ
    ステムの内の少なくとも1台の動作状態を診断する診断
    手段と、前記複数の計算機システムの内の少なくとも1
    台に搭載され、前記各計算機システムの診断手段により
    得られた診断結果を表示する診断結果表示手段とを備え
    たことを特徴とする請求項3記載の制御棒監視制御シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記監視操作シーケンスには、前記制御
    棒を監視するための所定の監視パターンが含まれてお
    り、前記監視操作手段は、前記監視操作シーケンスデー
    タにおける監視パターンに応じて前記制御棒を監視する
    ようになっている一方、 前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、複数
    の監視パターンを保持し、所定のタイミングに応じて前
    記監視操作手段の監視パターンを、前記複数の監視パタ
    ーンの内の何れか1パターンに切り替える監視パターン
    切替手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の制御
    棒監視制御システム。
  6. 【請求項6】 前記シーケンス作成手段が搭載された計
    算機システムは、原子炉低出力領域用としてプリセット
    された監視操作シーケンス(プリセットシーケンス)を
    保持する保持手段と、保持されたプリセットシーケンス
    を、前記監視操作シーケンス入力用画面上で作成される
    監視操作シーケンスとは異なる表示態様で当該監視操作
    シーケンス入力用画面上に表示するプリセットシーケン
    ス表示手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の
    制御棒監視制御システム。
  7. 【請求項7】 前記シーケンス作成手段が搭載された計
    算機システムは、前記炉心予測データの出力レベルに基
    づいて原子炉低出力領域に対応する監視操作シーケンス
    の範囲を求める手段と、前記監視操作シーケンス入力用
    画面上で作成された監視操作シーケンスの変更要求を入
    力する変更要求入力手段と、前記変更要求が前記原子炉
    低出力領域に対応するシーケンス範囲内の監視操作シー
    ケンスを変更する要求である際に、前記変更要求を無効
    にする手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の
    制御棒監視制御システム。
  8. 【請求項8】 前記制御棒は複数であり、かつ当該複数
    の制御棒は複数のグループに分割されており、前記監視
    操作手段は、前記監視操作シーケンスデータに応じて前
    記複数の制御棒をグループ単位で監視するようになって
    いる一方、 前記シーケンス作成手段が搭載された計算機システム
    は、前記位置データが入力できない制御棒を前記監視操
    作対象からバイパスする制御棒(バイパス制御棒)とし
    て入力するバイパス制御棒入力手段と、入力されたバイ
    パス制御棒に基づいて、前記制御棒グループを構成する
    全ての制御棒がバイパス制御棒として入力されたグルー
    プが存在するか否か判断する判断手段と、この判断の結
    果、全ての制御棒がバイパス制御棒として入力されてい
    る制御棒グループが存在すると判断された場合、前記バ
    イパス制御棒入力処理を無効にする手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項3記載の制御棒監視制御システム。
  9. 【請求項9】 前記制御棒は複数であり、かつ当該複数
    の制御棒は複数のグループに分割されており、前記監視
    操作手段は、前記監視操作シーケンスデータに応じて前
    記複数の制御棒をグループ単位で監視するようになって
    いる一方、 前記シーケンス作成手段が搭載された計算機システム
    は、前記位置データが入力できない制御棒における当該
    位置データの代替値を入力する代替値入力手段と、入力
    された代替値に基づいて前記制御棒グループを構成する
    全ての制御棒の位置データが代替値であるグループが存
    在するか否か判断する判断手段と、この判断の結果、全
    ての制御棒の位置データが代替値である制御棒グループ
    が存在すると判断された場合、前記代替値入力処理を無
    効にする手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載
    の制御棒監視制御システム。
  10. 【請求項10】 前記制御棒は複数であり、かつ当該複
    数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、 前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、前記
    原子炉の運転モードが出力下降モードであることを検出
    し、出力下降モード情報を前記監視操作手段に対して送
    信する手段を備えており、 前記監視操作手段は、前記制御棒グループの移動操作状
    況を含む監視結果に応じて、前記制御棒グループが前記
    監視操作シーケンスデータから逸脱しているか否か判断
    する第1の判断手段と、この判断の結果前記制御棒グル
    ープの移動操作が前記監視操作シーケンスデータから逸
    脱し、かつ前記出力下降モード情報が送信されている際
    に、前記制御棒グループの移動操作が炉心内への挿入移
    動操作か否か判断する第2の判断手段と、この第2の判
    断手段の判断の結果、制御棒グループの移動操作が炉心
    内への挿入移動操作ではないと判断された場合、前記制
    御棒移動操作阻止用の制御信号を前記制御棒移動装置に
    対して送信する移動操作阻止信号送信手段と、前記第2
    の判断手段の判断の結果、前記制御棒グループの移動操
    作が炉心内への挿入移動操作である場合、前記制御棒移
    動操作阻止用制御信号の前記制御棒移動装置に対する送
    信処理をバイパスするバイパス手段とを備えたことを特
    徴とする請求項3記載の制御棒監視制御システム。
  11. 【請求項11】 前記出力下降モード検出送信手段は、
    前記炉心管理データの出力レベルの変化に応じて前記原
    子炉の運転モードが出力下降モードであることを検出す
    るようにしたことを特徴とする請求項10記載の制御棒
    監視制御システム。
  12. 【請求項12】 前記制御棒は複数であり、かつ当該複
    数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、 前記シーケンス作成手段が搭載された計算機システム
    は、前記原子炉の停止余裕を確認するための停止余裕テ
    スト時における制御棒操作本数を入力する入力手段と、
    入力された制御棒操作本数を前記監視操作手段に対して
    送信する操作本数送信手段とを備えており、 前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、前記
    停止余裕テスト用シーケンスを予め記憶する停止余裕テ
    スト用シーケンス記憶手段を備え、前記監視操作手段
    は、前記停止余裕テスト用シーケンスを実行して制御棒
    グループの内の少なくとも1本の制御棒を炉心外へ引き
    抜くための制御信号を前記制御棒移動装置に対して送信
    する手段と、前記停止余裕テスト用シーケンスに基づい
    て引き抜き操作される第1の制御棒操作本数と前記操作
    本数送信手段から送信された第2の制御棒操作本数とを
    比較し、この比較の結果、第1の制御棒操作本数が第2
    の制御棒操作本数を超えている場合に、前記制御棒の引
    き抜き移動操作を阻止するための制御信号を前記制御棒
    移動装置に対して送信する手段とを備えたことを特徴と
    する請求項3記載の制御棒監視制御システム。
  13. 【請求項13】 前記制御棒は複数であり、かつ当該複
    数の制御棒は複数のグループに分割されている一方、 前記監視操作手段が搭載された計算機システムは、前記
    停止余裕テスト用シーケンスを予め記憶する停止余裕テ
    スト用シーケンス記憶手段を備え、前記監視操作手段
    は、前記停止余裕テスト用シーケンスを実行して制御棒
    グループの内の少なくとも1本の制御棒を炉心外へ引き
    抜くための制御信号を前記制御棒移動装置に対して送信
    する手段と、前記炉心管理データ、前記位置データ、お
    よび前記停止余裕テスト用シーケンスに従って引き抜き
    操作される制御棒本数に基づいて前記原子炉の停止余裕
    を計算し、計算した停止余裕に基づいて許可可能な制御
    棒操作本数を決定する停止余裕計算手段と、決定された
    許可可能制御棒操作本数と前記停止余裕テスト用シーケ
    ンスに基づく制御棒操作本数とを比較し、この比較の結
    果、前記停止余裕テスト用シーケンスに基づく制御棒操
    作本数が許可可能制御棒操作本数を超えている場合に、
    前記制御棒の引き抜き移動操作を阻止するための制御信
    号を前記制御棒移動装置に対して送信する手段とを備え
    たことを特徴とする請求項3記載の制御棒監視制御シス
    テム。
  14. 【請求項14】 前記制御棒は複数である一方、 前記監視操作手段は、前記複数の制御棒の移動操作状況
    を含む監視結果に応じて、前記複数の制御棒の内の許容
    範囲を超えた本数が前記監視操作シーケンスデータから
    逸脱して操作エラーを発生したか否かを判断する判断手
    段と、この判断手段の判断の結果、前記許容範囲を超え
    た本数の制御棒が前記操作エラーを発生していると判断
    された場合、前記操作エラーを発生した制御棒の移動操
    作を阻止するための制御信号を前記制御棒移動装置に対
    して送信する移動操作阻止手段と、前記操作エラーを発
    生した制御棒の位置アドレス情報および前記操作エラー
    に係る監視操作シーケンスを含む操作エラーデータを前
    記ガイドデータ表示手段へ送信する手段とを備え、 前記ガイドデータ表示手段は、前記監視操作シーケンス
    データ、前記監視操作手段による前記移動操作状況を含
    む監視情報および送信された操作エラーデータに基づい
    て、前記操作エラーを発生した制御棒の位置アドレスお
    よび前記操作エラーに係る監視操作シーケンスを外部へ
    通知するためのエラー復旧ガイド情報を含む移動操作状
    況通知用操作ガイドデータを作成する手段と、作成され
    たエラー復旧ガイド情報を含む移動操作状況通知用操作
    ガイドデータを表示する手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項3記載の制御棒監視制御システム。
  15. 【請求項15】 複数の計算機システムを通信ネットワ
    ークを介して互いに通信可能に接続して構築されたハー
    ドウエア構成を有し、かつ原子炉内に配置された制御棒
    を、制御棒移動装置を介して炉心内外へ移動操作する機
    能および前記制御棒の移動操作状況を監視する機能を有
    する制御棒監視制御システムにおける前記複数の計算機
    システムが読取り可能なプログラムを記憶した記憶媒体
    であって、 入力された監視操作シーケンスに基づいて炉心内の出力
    レベルを含む炉心状態を予測する機能、および予測され
    た炉心状態および前記監視操作シーケンスに基づいて前
    記制御棒を監視操作するための監視操作シーケンスデー
    タを作成する機能を前記複数の計算機システムの内の何
    れか1台の計算機システムに実行させるためのプログラ
    ムを記憶する第1のメモリと、作成された監視操作シー
    ケンスデータに基づいて前記制御棒を移動操作させるた
    めの制御信号を前記制御棒移動装置に対して送信する機
    能、および前記炉心内の状態を表す状態データおよび前
    記制御棒の移動位置データを用いて前記制御棒の移動操
    作状況を監視する機能を前記複数の計算機システムの内
    の何れか1台に実行させるためのプログラムを記憶する
    第2のメモリと、前記監視操作シーケンスデータおよび
    前記移動操作状況を含む監視情報に基づいて作成された
    移動操作状況通知用ガイドデータを表示する機能を前記
    複数の計算機システムの内の何れか1台に実行させるた
    めのプログラムを記憶する第3のメモリとを備え、 前記第1、第2および第3のメモリを前記複数の計算機
    システムに分散して搭載したことを特徴とするプログラ
    ムを記憶した記憶媒体。
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