JP2001033547A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2001033547A
JP2001033547A JP11210573A JP21057399A JP2001033547A JP 2001033547 A JP2001033547 A JP 2001033547A JP 11210573 A JP11210573 A JP 11210573A JP 21057399 A JP21057399 A JP 21057399A JP 2001033547 A JP2001033547 A JP 2001033547A
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JP
Japan
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signal
frequency
distance measuring
comb
distance
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Shuichi Mitsuzuka
秀一 三塚
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Clarion Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの周波数帯のみを用いて測距が可能であ
る測距装置を提供する。 【解決手段】 測距側1−1と被測距側2−1間で信号
を送受信し、この送受信に要した時間に基づいて測距側
1−1と被測距側2−1間の距離を求める測距装置10
1において、被測距側2−1に、測距側1−1から送信
される送信信号の内、極大通過周波数を持つ信号のみを
通過させる第1の櫛状通過フィルタ17と、通過した信
号の極大通過周波数を所定量シフトさせる第1の周波数
変換部9とを設け、測距側1−1に、極大通過周波数を
所定量シフトさせた信号のみを通過させる第2の櫛状通
過フィルタ18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
信号を用いた測距装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】SS信号(スペクトラム拡散信号)を用
いた測距装置は、小さい送信パワーで測距が可能であり
しかも耐干渉性も高いという利点があるため、広く応用
されている。SS方式(スペクトラム拡散方式)による
測距装置の代表例としてはGPSが挙げられるが、その
ような広範囲での測距・測位装置以外としては、測距側
と被測距側の2者間の測距を目的とした測距装置が開発
されており、今後ITS(高度道路交通システム)にお
ける移動体(自動車、二輪車、人等)間の測距装置や、
特定地域(農湯、工事現場等)内での基地局と移動体
(作業車やロボット等)の間の測距装置に応用が期待さ
れている。
【0003】特に、SS方式による測距装置のうちで、
測距側と被測距側の間でSS信号を折り返し送受信する
ことにより距離を測定する方式のものは、被測距側から
の反射波を検出する方式に比べてより小さい送信パワー
で測距が可能であるという利点がある。また、原理的に
測距とデータ通信を同時に実行するシステムに発展でき
る可能性もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
SS方式による測距装置では、測距をおこなうにあたっ
て、以下の理由により2つの異なる周波数帯を使用しな
ければならない。
【0005】すなわち、第1の理由は、被測距側で発振
することを防止するためである。ここで発振とは、被測
距側からの折り返し信号の一部が被測距側自身の受信部
に回り込んで受信され、その後被測距側で増幅される現
象をいう。
【0006】第2の理由は、測距側の受信部と送信部が
干渉することを防止するためである。ここで干渉とは、
測距側からの送信信号の一部が同じ測距側の受信部に回
り込んで受信される現象をいう。この場合、測距側の受
信部では、被測距側からの折り返し信号に測距側からの
送信信号の一部が重畳するので、必要な測距信号に大き
な干渉波が加えられたことになり、測距誤差の原因とな
る。
【0007】そこで、従来では、測距側からの送信信号
の周波数帯と被測距側からの折り返し信号の周波数帯
(測距側の受信部の周波数帯)を異なるように設定し、
そのような干渉が生じないようにしている。
【0008】しかしながら、現状の電波法においては、
電波としてSS信号を使用することが許可されている周
波数帯は限られている。
【0009】日本においては、許可されている周波数帯
は2.4GHz帯のバンド(2471MHzから249
7MHzまで帯域幅26MHz)のみである。それに対
し、従来技術では2つの周波数帯を使用する必要があ
る。したがって、従来のSS方式による測距装置で測距
をおこなう時は、2.4GHz帯のバンド以外にもう1
つの周波数帯を特別の許可(例えば実験局免許)を受け
て使用するか、あるいは2.4GHz帯のバンド内を帯
域幅がバンドの1/2以下の2つの周波数帯に分けて使
用せざるを得ない。
【0010】前者の場合、免許の期限は限られているの
で、一般の応用に実用化するわけにはいかない。また後
者の場合は、一般に測距精度は使用帯域幅が狭くなると
劣化する性質があるので、バンド全体を1つの周波数帯
として使用する場合に比べて測距精度の低下が生ずると
いう欠点がある。
【0011】本発明の目的は、上述した従来の技術が有
する課題を解消し、1つの周波数帯を用いて測距が可能
である測距装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
測距側と被測距側間で信号を送受信し、この送受信に要
した時間に基づいて測距側と被測距側間の距離を求める
測距装置において、前記被測距側に、測距側から送信さ
れる送信信号の内、極大通過周波数を持つ信号のみを通
過させる手段と、通過した信号の極大通過周波数を所定
量シフトさせる手段とを設け、前記測距側に、前記極大
通過周波数を所定量シフトさせた信号のみを通過させる
手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、測距側と被測距側
間でSS信号を送受信し、この送受信に要した時間に基
づいて測距側と被測距側間の距離を求める測距装置にお
いて、前記被測距側に、測距側から送信されるSS信号
の内、極大通過周波数を持つ信号のみを通過させる第1
の櫛状通過フィルタと、この第1の櫛状通過フィルタを
通過した信号の極大通過周波数を所定量シフトさせる第
1の周波数変換部とを設け、前記測距側に、前記周波数
変換部で極大通過周波数を所定量シフトさせた信号のみ
を通過させる第2の櫛状通過フィルタを設けたことを特
徴とするものである。
【0014】請求項3記載の発明は、測距側と被測距側
間でSS信号を送受信し、この送受信に要した時間に基
づいて測距側と被測距側間の距離を求める測距装置にお
いて、SS信号に含まれるPN符号の1周期をTとした
場合、前記被測距側に、測距側から送信されるSS信号
の内、1/T周期で現れる極大通過周波数を持つ信号の
みを通過させる第1の櫛状通過フィルタと、この第1の
櫛状通過フィルタを通過した信号の極大通過周波数を1
/2Tシフトさせる第1の周波数変換部とを設け、前記
測距側に、前記周波数変換部で極大通過周波数を1/2
Tシフトさせた信号のみを通過させる第2の櫛状通過フ
ィルタを設けたことを特徴とするものである。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の発明において、前記周波数変換部は、SS信号の中
心周波数と被測距側のIF段の信号の中心周波数との差
の周波数を持つ信号を発振する第1の局部発振器と、S
S信号の中心周波数と前記IF段の信号の中心周波数と
の差の周波数を所定量シフトさせた信号を発振する第2
の局部発振器とを備え、第1の局部発信器の出力と当該
周波数変換部への入力とをミキシングし、その出力に基
づいて前記IF段の信号を生成し、この出力を増幅し、
この出力と第2の局部発振器からの出力とをミキシング
して、極大通過周波数を所定量シフトさせることを特徴
とするものである。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記第1の櫛状通過フィルタは、入力信号
を分割する信号分割回路と、この信号分割回路からの一
方の信号をTだけ遅延させる遅延器と、この遅延器から
の信号と前記信号分割回路からの他方の信号との和をと
る和回路とで構成されることを特徴とするものである。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記第2の櫛状通過フィルタは、入力信号
を分割する信号分割回路と、この信号分割回路からの一
方の信号をTだけ遅延させる遅延器と、この遅延器から
の信号と前記信号分割回路からの他方の信号との差をと
る差回路とで構成されることを特徴とするものである。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記第2の櫛状通過フィルタは、入力信号
を分割する信号分割回路と、この信号分割回路からの一
方の信号をTだけ遅延させる遅延器と、前記信号分割回
路からの他方の信号を反転増幅させる反転増幅回路と、
この反復増幅回路からの信号と前記遅延器からの信号と
の和をとる和回路とで構成されることを特徴とするもの
である。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記測距側から前記被測距側に送信される
SS信号は、その中心周波数が1/Tの正の整数倍に等
しいことを特徴とするものである。
【0020】請求項9記載の発明は、測距側と被測距側
間でSS信号を送受信し、この送受信に要した時間に基
づいて測距側と被測距側間の距離を求める測距装置にお
いて、前記被測距側に、測距側から送信されるSS信号
の中心周波数を被測距側のIF段の信号の中心周波数に
変換する被測距側IF段変換手段と、このIF段の信号
の中心周波数を持つ信号の内、極大通過周波数を持つ信
号のみを通過させる第3の櫛状通過フィルタと、この第
3の櫛状通過フィルタを通過した信号の極大通過周波数
を所定量シフトさせる第2の周波数変換部とを設け、前
記測距側に、被測距側から送信されるSS信号の中心周
波数を測距側のIF段の信号の中心周波数に変換する測
距側IF段変換手段と、前記第2の周波数変換部で極大
通過周波数を所定量シフトさせた信号のみを通過させる
第4の櫛状通過フィルタを設けたことを特徴とするもの
である。
【0021】請求項10記載の発明は、測距側と被測距
側間でSS信号を送受信し、この送受信に要した時間に
基づいて測距側と被測距側間の距離を求める測距装置に
おいて、SS信号に含まれるPN符号の1周期をTとし
た場合、前記被測距側に、測距側から送信されるSS信
号の中心周波数を被測距側のIF段の信号の中心周波数
に変換する被測距側IF段変換手段と、このIF段の信
号の中心周波数を持つ信号の内、1/T周期で現れる極
大通過周波数を持つ信号のみを通過させる第3の櫛状通
過フィルタと、この第3の櫛状通過フィルタを通過した
信号の極大通過周波数を1/2Tシフトさせる第2の周
波数変換部とを設け、前記測距側に、被測距側から送信
されるSS信号の中心周波数を測距側のIF段の信号の
中心周波数に変換する測距側IF段変換手段と、このI
F段の信号の中心周波数を持つ信号の内、前記第2の周
波数変換部で極大通過周波数を所定量シフトさせた信号
のみを通過させる第4の櫛状通過フィルタを設けたこと
を特徴とするものである。
【0022】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記第3の櫛状通過フィルタ及び前記
第4の櫛状通過フィルタのそれぞれは、入力信号を分割
する信号分割回路と、この信号分割回路からの一方の信
号をTだけ遅延させる遅延器と、この遅延器からの信号
と前記信号分割回路からの他方の信号との和をとる和回
路とで構成されることを特徴とするものである。
【0023】請求項12記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記被測距側のIF段の信号の中心周
波数は、1/Tの正の整数倍に等しいことを特徴とする
ものである。
【0024】請求項13記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記測距側のIF段の信号の中心周波
数は、1/Tの正の整数倍に等しいことを特徴とするも
のである。
【0025】これらの発明によれば、被測距側に、測距
側から送信される送信信号の内、極大通過周波数を持つ
信号のみを通過させる手段と、通過した信号の極大通過
周波数を所定量シフトさせる手段とを設け、測距側に、
極大通過周波数を所定量シフトさせた信号のみを通過さ
せる手段を設けたので、測距側から送信される送信信号
の内、極大通過周波数を持つ信号と、極大通過周波数を
所定量シフトさせた信号とが同一周波数帯で重ならない
ように構成すれば、極大通過周波数を持つ信号と、極大
通過周波数を所定量シフトさせた信号とを同一周波数帯
で送受信しても、干渉や発振の発生を防止できる。
【0026】請求項14記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記被測距側にSS信号にデータを乗
せるデータ変調部を設け、前記測距側に相関出力から前
記データを復調するデータ復調部を設けたことを特徴と
するものである。
【0027】請求項15記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記測距側にSS信号にデータを乗せ
るデータ変調部を設け、前記被測距側に相関出力から前
記データを復調するデータ復調部を設けたことを特徴と
するものである。
【0028】また、請求項14又は請求項15の発明に
よれば、被測距側又は測距側にSS信号にデータを乗せ
るデータ変調部が設けられると共に、測距側又は被測距
側に相関出力からデータを復調するデータ復調部が設け
られるので、測距側と被測距側間で送受信されるSS信
号に乗せられたデータの復調が可能になり、測距側と被
測距側間で測距とデータ通信を同時に行うことができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】図1において、符号101は、SS信号を
折り返し送受信する測距装置である。この測距装置10
1は、測距側1−1と被測距側2−1とで構成される。
【0031】測距側1‐1に設けられるPN信号発生部
3からはPN信号(PseudoNoise:擬似雑音
信号)が生成されて、このPN信号は測距側1‐1に設
けられる搬送波発振器4で作られた搬送波(周波数f
A)とミキサー5でミキシングされる。ミキシング後の
信号は、通常、搬送波をPN信号でBPSK(2相位相
変調)した信号となるので、中心周波数fAの直接拡散
SS信号となる。そのSS信号は前記ミキサー5の後段
に設けられたバンドパスフィルタ(以下、単にBPFと
いう)(A)6aで帯域制限されて、送信アンテナ
(A)7aから電波として、被測距側2−1に向かって
送信される。なお、図1では搬送波とPN信号を直接ミ
キシングして送信するような構成を示しているが、送信
側でまず中間周波数(搬送波の周波数より低い周波数)
とPN信号をミキシングしてから、その後搬送波の周波
数までアップコンバートするように構成することも可能
である。いずれの場合でも、送信アンテナ(A)7aか
ら、帯域制限された中心周波数fAのSS信号が被測距
側2−1に送信され、その信号は、被測距側2−1の受
信アンテナ(A)8aで受信される。被測距側2−1で
は、受信信号をBPF(A)6bに通して不要信号を除
去した後、第1の櫛状通過フィルタとしての第1の櫛状
通過フィルタ17に送られる。
【0032】[第1の櫛状通過フィルタ]被測距側2−
1では、受信部RF帯において、BPF(A)6bの後
に第1の櫛状通過フィルタ17が設置される。この櫛状
通過フィルタ17は、測距側1−1から送信される送信
信号のうち、信号のスペクトル成分の周波数(極大通過
周波数)を持つ信号のみを通過させる手段である。
【0033】第1の櫛状通過フィルタ17は、より具体
的には、以下の特性を有するものとする。
【0034】測距側1−1から送信されるSS信号の搬
送波の周波数をfA、PNコード長(PN信号の1周期
に相当する時間)をT、BPF(A)6の帯域幅をW、
とする時、第1の櫛状通過フィルタ17の通過特性は少
なくとも帯域幅W内において、次の特性を持つものとす
る。
【0035】 周波数 fA+m/T において極大通過、 周波数 fA+(2m+1)/2T において遮断また
は極小通過。
【0036】ただし、m=0、±1、±2、……なる整
数とする。また、fA+m/Tにおける通過特性(振
幅、位相)は、mの値にかかわらず同一とする。
【0037】よって、第1の櫛状通過フィルタ17は周
期1/Tの櫛形の周波数特性を有するものである。
【0038】そして、第1の櫛状通過フィルタ17から
の出力信号は、第1の周波数変換部9に入力し、この第
1の周波数変換部9で周波数変換される。
【0039】[第1の周波数変換部]被測距側2−2で
は、第1の櫛状通過フィルタ17の後に、第1の周波数
変換部9が設置される。この第1の周波数変換部9は第
1の櫛状通過フィルタ17を通過した信号のスペクトル
成分の周波数(極大通過周波数)を所定量シフトさせる
手段である。
【0040】より具体的には、第1の周波数変換部9で
は帯域幅Wの値より十分小さな周波数シフトを与えるも
のとし、次の値だけ周波数をシフトするものとする。
【0041】周波数シフト量=(2k+1)/2T ここで、k=0、±1、±2、……なる整数のうちのど
れかの値に設定する。
【0042】最も望ましくは、k=0または−1に設定
するのが良い。すなわち、周波数シフト量として±1/
2Tの値に設定するのが望ましい。しかし、周波数シフ
ト量の絶対値がWを超えなければ、原理的にいかなるk
の値に設定しても良い。
【0043】そして、第1の周波数変換部9からの出力
信号はBPF(A)6cで帯域制限されて、送信アンテ
ナ(A)7bから電波として測距側1−1に向けて折り
返し信号が送信される。この折り返し信号は、測距側1
−1の受信アンテナ(A)8bで受信され、BPF
(A)6dを通して不要信号を除去された後、第2の櫛
状通過フィルタ18に送られる。
【0044】[第2の櫛状通過フィルタ]測距側1−1
では、受信部RF帯において、BPF(A)6の後に第
2の櫛状通過フィルタ18が設置される。この第2の櫛
状通過フィルタ18は第1の周波数変換部9で信号のス
ペクトル成分の周波数(極大通過周波数)を所定量シフ
トさせた信号のみを通過させる手段である。
【0045】より具体的には、第2の櫛状通過フィルタ
18の通過特性は少なくとも帯域幅W内において、次の
特性を持つものとする。
【0046】 周波数 fA+(2m+1)/2T において極大通
過、 周波数 fA+m/T において遮断または極小通過。
【0047】ただし、m=0、±1、±2、……なる整
数とする。
【0048】また、fA+(2m+1)/2Tにおける
通過特性(振幅、位相)は、mの値にかかわらず同一と
する。
【0049】よって、第2の櫛状通過フィルタ18も周
期1/Tの櫛形の周波数特性を有するものである。ただ
し、第1の櫛状通過フィルタ17と比べ周波数軸上で1
/2Tだけシフトしている。
【0050】第2の櫛状通過フィルタ18からの出力信
号は、局部発信器13からの信号とミキサー5bでミキ
シングされ、BPF(C)14を通してIF段(中間周
波数段)またはベースバンドの信号に周波数変換され
る。IF段の中心周波数をfL(ベースバンドの場合は
fL=0)とすると、上述した局部発振器13の周波数
はfA+(2k+1)/2T−fLに設定される。その
ようにして作られたIF段(またはベースバンド)の信
号は相関処理部15に送られ、この相関処理部15で
は、折り返し信号をIF段(またはベースバンド)に変
換した信号と、前述したPN信号発生部3から導かれる
PN信号との間の相関処理が実行される。その際、折り
返し信号には、測距側1−1と被測距側2−1の間を電
波が往復する時間だけの遅延を有したPN信号が含まれ
ているので、相関処理で得られた相関出力のピークは、
PN信号発生部3からのPN信号の発生時点に対してあ
る遅延時間の後に出現する。相関処理部15では相関処
理と同時に上述した遅延時間も検出し、その遅延時間の
情報を距離算出部16に送る。そして、距離算出部16
では、遅延時間の情報をもとに、相関処理部15での相
関処理法に応じて測距側1−1と被測距側2−1の距離
を算出する。
【0051】なお、相関処理部15での具体的な相関処
理を実行する方法としては、スライディング相関法、
マッチドフィルタによる相関法、コンボルバによる
相関法、が挙げられる。また、厳密には相関処理の範疇
には含まれないが、DLL(Delay Lock
Loop)回路によるPN信号遅延時間検出法も、相関
処理部15の処理法に含まれるものとする。その場合、
各相関処理のうち、の方法で得られた遅延時間
は、測距側1−1と被測距側2−1の間の電波の往復時
間と等しくなる(回路の電気長やフィルタの群遅延時間
等は差し引くものとする)。一方、のコンボルバによ
る相関では時間が1/2に圧縮されるので、電波の往復
時間の1/2の値が得られる。
【0052】〜のいずれの相関処理を実行した場合
でも、各相関法に応じて、検出した遅延時間から距離算
出部16において距離を算出することにより、目的の測
距側1−1と被測距側2−1の間の距離を求めることが
できる。
【0053】第1の実施形態による測距装置101(図
1)においては、第1及び第2の櫛状通過フィルタ1
7、18を設置することが特徴の1つであり、図2は、
第1及び第2の櫛状通過フィルタ17、18の周波数特
性例を示す。
【0054】なお、図2は理想的な櫛状通過フィルタの
周波数特性を示したものであり、各通過帯域が矩形の周
波数特性を有する場合を示している。しかし、必ずしも
図2に示すような周波数特性である必要はなく、通過特
性の極大極小に対応する周波数が前述した[第1の櫛状
通過フィルタ]と[第2の櫛状通過フィルタ]の条件を
満足するものであれば十分である。
【0055】第1及び第2の櫛状通過フィルタ17、1
8は、図2に示すように、周期1/Tの櫛形の周波数特
性を有する。その際、第2の櫛状通過フィルタは第1の
櫛状通過フィルタに対して周波数軸上で1/2Tだけシ
フトした特性を持つ。
【0056】第1の実施形態による測距装置101(図
1)の被測距側2−1の第1の周波数変換部9では、前
述した[第1の周波数変換部]の条件で示した値だけの
周波数シフトを与える必要がある。ただ、そのシフト量
は帯域幅Wより小さな値なので、通常の周波数変換の手
段のように1つの局部発振器を設け、入力信号とミキサ
ーでミキシングして和成分または差成分のどちらかをフ
ィルタで選択するような方法はとれない。シフト量が帯
域幅よりも小さいので、上述した方法では和成分と差成
分が重なり合って分離できないからである。
【0057】第1の実施形態による測距装置101で必
要な前記[第1の周波数変換部]の条件を満足するため
の具体的な第1の周波数変換部9の構成例を図3に示
す。この第1の周波数変換部9の構成の特徴は、局部発
振器を2個設けて2段階で周波数変換を行うことであ
る。
【0058】被測距側2−1のIF段の中心周波数をf
iとする場合、第1の周波数変換部9は、周波数fA−
fiの周波数を有する第1の局部発振器19と、この第
1の局部発振器19の出力と第1の周波数変換部9への
入力信号とをミキシングするミキサー5cと、その後、
被測距側2のIF段の信号を生成する中心周波数fi・
帯域幅WのBPF(D)20と、IF段で増幅するAG
C増幅器21と、周波数fA−fi+(2k+1)/2
Tの信号を発振する第2の局部発振器22と、この第2
の局部発振器22の出力と前記AGC増幅器21の出力
とをミキシングするミキサー5dとを備える。
【0059】ここで、k=0、±1、±2、……なる整
数のうちどれかの値であり、前述した[第1の周波数変
換部]の条件で設定したkの値と同じ値とする。
【0060】そして、ミキサー5cでミキシングした出
力のうち和成分をフィルタで選択すれば、目的の(2k
+1)/2Tだけ周波数シフトした出力信号が得られ
る。
【0061】また、測距側1−1から送信するSS信号
の周波数帯域を制限するRF帯のBPFと、被測距側2
−1から折り返し送信するSS信号の周波数帯域を制限
するRF帯のBPFは基本的に同じ周波数特性のフィル
タを用いる。よって、図1では、測距側1−1の送信部
RF帯のBPF、被測距側2−1の受信部RF帯のBP
F、被測距側2−1の送信部RF帯のBPF、および測
距側1−1の受信部RF帯のBPF、のすべてが同じB
PF(A)となっている。
【0062】なお、図1に示す第1の実施形態の測距装
置101では、信号を増幅するための増幅器や、受信部
で受信信号レベルを安定化させるためのAGC増幅器が
示されていないが、それらの設置は公知であるから図示
を省略する。
【0063】次に、第2の実施形態を説明する。
【0064】図4において、符号102は第2の実施形
態による測距装置を示す。この第2の実施形態では、前
述した第1の実施形態とは異なり、櫛状通過フィルタを
RF帯にではなく、IF帯に設置することが特徴であ
る。なお、以下では、第1の実施形態と同じ構成部分は
同じ符号を付して説明を省略する。
【0065】[被測距側IF段変換手段]被測距側2−
2では、局部発振器19と、ミキサー5eと、BPF
(D)20とで被測距側IF段変換手段を構成する。こ
の被測距側IF段変換手段では、BPF(A)6を通し
た受信信号と、周波数fA−fiの局部発振器19の出
力とを、ミキサー5eでミキシングし、その後中心周波
数fi・帯域幅WのBPF(D)20を通して、RF帯
の信号をIF段の信号に周波数変換する。
【0066】[第3の櫛状通過フィルタ]被測距側2−
2では、IF段において第3の櫛状通過フィルタ23が
設置される。この第3の櫛状通過フィルタ23は、測距
側1−2から送信される信号のうち、信号のスペクトル
成分の周波数(極大通過周波数)を持つ信号のみを通過
させる手段である。
【0067】ここで、測距側1−2から送信されるSS
信号の搬送波の周波数をfA、被測距側2−2のIF段
の中心周波数をfi、BPF(A)6の帯域幅をWとす
る。
【0068】より具体的には、第3の櫛状通過フィルタ
23は、PNコード長をTとする場合、少なくとも帯域
幅W内において、次の通過特性を持つものとする。
【0069】 周波数 fi+m/T において極大通過、 周波数 fi+(2m+1)/2T において遮断また
は極小通過。
【0070】ただし、m=0、±1、±2、‥‥‥なる
整数とする。
【0071】また、fi+m/Tにおける通過特性(振
幅、位相)は、mの値にかかわらず同一とする。
【0072】よって、第3の櫛状通過フィルタ23は周
期1/Tの櫛形の周波数特性を有する。
【0073】[第2の周波数変換部]被測距側2−2で
は、第3の櫛状通過フィルタ23の後に、第2の周波数
変換部32が設置される。この第2の周波数変換部32
は、第3の櫛状通過フィルタ23を通過した信号のスペ
クトル成分の周波数(極大通過周波数)を所定量シフト
させる手段である。
【0074】より具体的には、第2の周波数変換部32
では、次の値だけ周波数をシフトするものとする。
【0075】 周波数シフト量=fA−fi+(2k+1)/2T ここで、k=0、±1、±2、……なる整数のうちどれ
かの値に設定する。
【0076】この時、被測距側2−2からは中心周波数
fA+(2k+1)/2TのSS信号が測距側1−2に
向けて送信される。よって、被測距側2−2で受信され
たSS信号は、全体として(2k+1)/2Tだけ周波
数がシフトされて折り返し送信されることになる。
【0077】kの値として最も望ましくは、k=0また
は−1に設定するのが良い。すなわち、被測距側2−2
全体の周波数シフト量として±1/2Tの値になるよう
に設定するのが望ましい。しかし、被測距側2−2全体
の周波数シフト量(2k+1)/2Tの絶対値が帯域幅
Wを超えなければ、原理的にいかなるkの値に設定して
も良い。
【0078】[測距側IF段変換手段]測距側1−2で
は、局部発振器13と、ミキサー5bと、BPF(C)
14とにより測距側IF段変換手段が構成される。この
測距側IF段変換手段では、BPF(A)6を通した受
信信号と、周波数fA+(2k+1)/2T−fLの局
部発振器13の出力とを、ミキサー5bでミキシング
し、その後中心周波数fL・帯域幅WのBPF(C)1
4を通して、RF帯の信号をIF段の信号に周波数変換
する。
【0079】[第4の櫛状通過フィルタ]測距側2−2
では、IF段において第4の櫛状通過フィルタ24が設
置される。この第4の櫛状通過フィルタ24は、第2の
周波数変換部32で、信号のスペクトル成分の周波数
(極大通過周波数)を所定量シフトさせた信号のみを通
過させる手段である。ここで、測距側1−2受信部のI
F段の中心周波数をfLとする。
【0080】より具体的には、第4の櫛状通過フィルタ
24の通過特性は少なくとも帯域幅W内において、次の
特性を持つものとする。
【0081】 周波数 fL+m/T において極大通過、 周波数 fL+(2m+1)/2T において遮断また
は極小通過。
【0082】ただし、m=0、±1、±2、……なる整
数とする。
【0083】また、fL+m/Tにおける通過特性(振
幅、位相)は、mの値にかかわらず同一とする。
【0084】以上説明した条件により、第4の櫛状通過
フィルタ24も周期1/Tの櫛形の周波数特性を有する
ものである。
【0085】第2の実施形態による測距装置102(図
4)においては、被測距側2−2の受信部のIF段と測
距側1−2の受信部のIF段にそれぞれ第3及び第4の
櫛状通過フィルタ23、24を設置することが特徴の1
つである。図5Aに第3の櫛状通過フィルタの周波数特
性例を示し、図5Bに第4の櫛状通過フィルタの周波数
特性例を示す。図5A及び5Bは、理想的な櫛状通過フ
ィルタの周波数特性を示したものであり、各通過帯域が
矩形の周波数特性を有する場合を示している。しかし、
必ずしも図5A及び5Bのような周波数特性である必要
はなく、通過特性の極大極小に対応する周波数が前述し
た[第3の櫛状通過フィルタ]と[第4の櫛状通過フィ
ルタ]の条件を満足するものであれば十分である。図5
A及び5Bに示すように、第3及び第4の櫛状通過フィ
ルタ23、24はそれぞれ周波数fiとfLを極大通過
の周波数として含む周期1/Tの櫛形の周波数特性を有
するものとする。
【0086】また、測距側から送信するSS信号の周波
数帯域を制限するRF帯のBPFと、被測距側から折り
返し送信するSS信号の周波数帯域を制限するRF帯の
BPFは基本的に同じ周波数特性のフィルタを用いる。
よって、図4では、測距側の送信部RF帯のBPF、被
測距側の受信部RF帯のBPF、被測距側の送信部RF
帯のBPF、および測距側の受信部RF帯のBPF、の
すべてが同じBPF(A)6となっている。
【0087】なお、第2の実施形態による測距装置10
2(図4)では、信号を増幅するための増幅器や、受信
部で受信信号レベルを安定化させるためのAGC増幅器
が示されていないが、それらの設置は公知であるから図
示を省略する。
【0088】第1の実施形態による測距装置101(図
1)と第2の実施形態による測距装置102(図4)
は、発振や干渉を回避しつつ、1つの周波数帯のみを用
いて測距が可能である。この動作原理について説明す
る。
【0089】第1の実施形態による測距装置101(図
1)と第2の実施形態による測距装置102(図4)の
測距側の送信部の構成では、測距側送信アンテナA7a
からは、中心周波数fAの直接拡散SS信号が送信され
る。測距側のPN信号発生部3から同じPN信号が連続
して発生される時、直接拡散SS信号のスペクトルは、
図7に示すようなものになる。搬送波の周波数をfA、
PNコード長をT(図6)、PNクロック周波数をfp
とすると、図7に示すように、直接拡散SS信号のスペ
クトルは飛び飛びのスペクトルとなり、中心周波数がf
Aで、各スペクトルの周波数間隔は1/Tになる。その
際、スペクトル全体のエンベロープはfAを中心として
{sin(x)/x}・{sin(x)/x}型となり、メイ
ンロブは(fA−fp)〜(fA+fp)の周波数範囲
となる。また、PN符号がMビットからなっている場
合、搬送波fAのスペクトル成分は最大強度のスペクト
ル成分と比べて約1/M倍に抑圧される。このようなS
S信号をBPF(A)6で帯域制限する場合、メインロ
ブには全体の信号エネルギーのうち約90%のエネルギ
ーが含まれるので、通常、BPF(A)6の帯域幅Wは
図7の点線で示したようにメインロブの周波数範囲程度
に設定される。
【0090】以上のように、直接拡散SS信号が周波数
間隔1/Tの飛び飛びのスペクトルであることから、本
発明では、周期1/Tの櫛形通過フィルタの設置と、被
測距側での適切な周波数シフトを組み合わせることによ
り、前述した発振や干渉の問題を回避することができ
る。以下、第1の実施形態による測距装置101(図
1)と第2の実施形態による測距装置102(図4)に
おける発振・干渉の問題を回避する手段の動作原理につ
いて、それぞれ順次説明する。
【0091】まず、第1の実施形態による測距装置10
1(図1)において、発振・干渉の問題を回避すること
が可能である理由を、図8を参照して説明する。図8
(A)は測距側1−1から送信されたSS信号のスペク
トルの一例を示す。それが被測距側2−1で受信されR
F帯に設置された第1の櫛状通過フィルタ17に入力す
ると、第1の櫛状通過フィルタの通過特性は前述した
[第1の櫛状通過フィルタ]のように設定されているの
で、図8(B)に示すように、信号のスペクトル成分の
周波数(極大通過周波数)は第1の櫛状通過フィルタ1
7を通過する。よって、測距側1−1から送信されたS
S信号は被測距側2−1の受信部RF帯を通過し、第1
の周波数変換部9で周波数変換されて被測距側2−1か
ら折り返し送信される。その際、周波数シフト量は前述
した[第1の周波数変換部]のように設定されるので、
被測距側2−1からの送信信号のスペクトルは図8
(D)のようになる。図8(D)はk=1の場合の例で
あるが、kが整数値であれば信号のスペクトルは1/T
の整数倍に1/2Tだけ加えた分だけ周波数がシフトし
ている。そのような信号が被測距側自身の受信部に回り
込んだ場合、被測距側2−1の受信部RF帯において第
1の櫛状通過フィルタ17に入力することになるが、上
述したようにそのような信号のスペクトルは1/Tの整
数倍に1/2Tだけ加えた分だけシフトしているので、
第1の櫛状通過フィルタ17の遮断または極小通過の周
波数と信号のスペクトル成分の周波数(極大通過周波
数)が一致してしまい、その結果、図8(E)に示すよ
うに、そのような信号は第1の櫛状通過フィルタ17で
遮断または大幅な減衰を受けてしまうことになる。した
がって、被測距側2−1からの送信信号が被測距側2−
1自身の受信部に回り込んでも、その信号レベルは大幅
に減衰されるから、被測距側2−1が発振することを回
避することができる。これが第1の実施形態による測距
装置101(図1)において、被測距側2−1の発振を
回避できる動作原理である。なお、図8(D)に示すよ
うに、被測距側2−1からの送信信号はkの絶対値が大
きいほど周波数シフト量が大きく、帯域幅W内で制限さ
れる信号の総エネルギーが小さくなってしまう。送信信
号のエネルギーをできるだけ失わないためには、k=0
または−1に設定するのが望ましい。その際は周波数シ
フト量が±1/2Tとなり、最小のシフト量であるため
失うエネルギーを最小にすることができるからである。
もちろんkの値は上述した値に限定するものではない
が、周波数シフト量の絶対値がWを超えないようなkの
値に設定する必要がある。Wを超えれば送信信号のエネ
ルギーが0になってしまい、測距ができなくなることは
図8(D)から明らかである。
【0092】さて、図8(D)のような被測距側2−1
からの送信信号は、測距側1−1の受信部で受信され、
RF帯に設置された第2の櫛状通過フィルタ18(図
1)に入力する。その際、第2の櫛状通過フィルタ18
の通過特性は前述した[第2の櫛状通過フィルタ]のよ
うに設定されており、第1の櫛状通過フィルタ17を周
波数軸上で1/2Tだけシフトしたものに等しいので、
図8(F)に示すように、信号は第2の櫛状通過フィル
タ18を通過する。よって、被測距側2−1から折り返
し送信されたSS信号は測距側1−1の受信部RF帯を
通過し、相関処理部15まで信号が送られる。この結
果、第1の実施形態による測距装置101(図1)にお
いて測距が可能となる。一方、図8(A)に示すような
測距側1−1からの送信信号は、測距側自身の受信部に
回り込むことがあり得るが、そのような回り込み信号は
受信部RF帯において第2の櫛状通過フィルタ18に入
力することになる。しかし、第2の櫛状通過フィルタ1
8の通過特性は前述した[第2の櫛状通過フィルタ]の
ように設定されており、第1の櫛状通過フィルタ17を
周波数軸上で1/2Tだけシフトしたものに等しいの
で、上述した回り込み信号のスペクトル成分の周波数
(極大通過周波数)と第2の櫛状通過フィルタ18の極
小通過(又は遮断)とが一致し、回り込み信号は、図8
(C)に示すように、第2の櫛状通過フィルタ18で遮
断または大幅な減衰を受けてしまうことになる。したが
って、測距側1−1からの送信信号が測距側自身の受信
部に回り込んでも、その信号は大幅に減衰されるから、
被測距側からの信号に干渉を与えることを回避すること
ができる。これが第1の実施形態による測距装置101
(図1)において、測距側1−1で生じ得る干渉の問題
を回避できる動作原理である。
【0093】次に、図9及び図10を参照して、第2の
実施形態による測距装置102において、発振・干渉の
問題を回避することが可能である理由を説明する。第2
の実施形態による測距装置102は、第1の実施形態に
よる測距装置101と異なり、受信部のRF帯ではなく
IF帯に櫛状通過フィルタを設置することによって発振
・干渉の問題を回避するものである。
【0094】図9(A)は測距側1−2からの送信信号
を被測距側2−2のIF帯に変換した後のスペクトルの
一例を示す。これが被測距側2−2のIF帯に設置され
た第3の櫛状通過フィルタ23に入力すると、第3の櫛
状通過フィルタ23の通過特性は前述した[第3の櫛状
通過フィルタ]のように設定されているので、図9
(B)のように信号のスペクトル成分の周波数は第3の
櫛状通過フィルタ23を通過する。よって、測距側1−
2から送信されたSS信号は被測距側2−2の受信部R
F帯とIF帯を通過し、第2の周波数変換部32で周波
数変換されて被測距側2−2から折り返し送信される。
その際、周波数シフト量は前述した[第2の周波数変換
部]のように設定されるので、被測距側2−2からの送
信信号が被測距側2−2自身に回り込んだ場合、その回
り込み信号を被測距側のIF帯に変換後のスペクトル
は、図9(C)のようになる。図9(C)はk=1の湯
合の例であるが、kが整数値であれば信号のスペクトル
は1/Tの整数倍に1/2Tだけ加えた分だけ周波数が
シフトしている。そのような信号が第3の櫛状通過フィ
ルタ23に入力すると、信号のスペクトル成分の周波数
(極大通過周波数)は第3の櫛状通過フィルタ23の遮
断または極小通過の周波数と一致するので、図9(D)
に示すように、第3の櫛状通過フィルタ23によって遮
断または大幅な減衰を受けてしまうことになる。したが
って、被測距側2−2からの送信信号が被測距側2−2
自身の受信部に回り込んでも、その信号レベルは大幅に
減衰されるから、被測距側2−2が発振することを回避
することができる。これが第2の実施形態による測距装
置102において、被測距側2−2の発振の問題を回避
できる動作原理である。ところで、前述した[第2の周
波数変換部]で示したように、被測距側2−2から折り
返し送信される信号の周波数は全体として(2k+1)
/2Tだけ周波数シフトされることになるが、そのシフ
ト量は第1の実施形態による測距装置101の場合とま
ったく同じである。よって、被測距側2−2から送信さ
れるSS信号のスペクトルは、図8(D)と同じであ
る。そこで、望ましいkの値は第1の実施形態による測
距装置101の場合と同様である。すなわち、帯域幅W
によって制限されることで失う送信エネルギーを最小に
する条件として最も望ましいのはk=0または−1に設
定すること(この時、全体の周波数シフト量は±1/2
T)である。また、送信エネルギーが0にならないため
の条件として、全体の周波数シフト量の絶対値が帯域幅
Wを超えないようにkの値を設定する必要がある。
【0095】次に、図10を参照して、第2の実施形態
による測距装置102において測距側の干渉の問題が回
避できる理由を説明する。図10(A)は被測距側2−
2から折り返し送信された信号を測距側1−2で受信
後、IF帯に周波数変換した信号のスペクトルの一例を
示すが、これが測距側1−2のIF帯に設置された第4
の櫛状通過フィルタ24に入力すると、第4の櫛状通過
フィルタ24の通過特性は前述した[第4の櫛状通過フ
ィルタ]の条件に設定されているので、図10(B)に
示すように、信号は第4の櫛状通過フィルタ24を通過
する。よって、被測距側2−2から折り返し送信された
SS信号は測距側1−2の受信部のRF帯とIF帯を通
過し、相関処理部15まで信号が送られる。この結果、
第2の実施形態(図4)において測距が可能となる。一
方、測距側1−2からの送信信号が測距側1−2自身の
受信部に回り込んだ場合、受信部の局部発振器13の周
波数がfA+(2k+1)/2T−fLであるので、B
PF(C)14を通過後のIF帯では、回り込み信号の
スペクトルは、図10(C)に示すようになる。図10
(C)では、そのスペクトルが周波数軸上でIF帯の中
心周波数fLから−(2k+1)/2Tだけシフトして
いることを示している。kは整数なので、上記の回り込
み信号のスペクトルは1/Tの整数倍に1/2Tを引い
た分だけ周波数がシフトしている。そのような信号が第
4の櫛状通過フィルタ24に入力すると、信号のスペク
トル成分の周波数(極大通過周波数)は第4の櫛状通過
フィルタ24の遮断または極小通過の周波数と一致する
ので、図10(D)に示すように、第4の櫛状通過フィ
ルタ24によって信号は遮断または大幅な減衰を受けて
しまうことになる。したがって、測距側1−2からの送
信信号が測距側1−2自身の受信部に回り込んでも、そ
の信号レベルは大幅に減衰されるから、被測距側2−2
からの信号に干渉を与えることを回避することができ
る。これが、第2の実施形態による測距装置102にお
いて、測距側1−2で生じ得る干渉の問題を回避できる
動作原理である。
【0096】次に、櫛状通過フィルタの具体的な構成例
を示す。
【0097】櫛状通過フィルタは、前述した[第1の櫛
状通過フィルタ]、[第2の櫛状通過フィルタ]、[第
3の櫛状通過フィルタ]、[第4の櫛状通過フィルタ]
のような通過特性を有さなければならない。したがっ
て、周波数特性として、周期1/Tで極大・極小の通過
特性を繰り返すようなものでなければならない。そのよ
うなフィルタの簡単な構成例とその周波数特性を、図1
1〜図13に示す。
【0098】図11に示す櫛状通過フィルタは、信号分
割回路31と遅延器25と和回路26を構成要素とで構
成される。この櫛状通過フィルタでは、入力信号が信号
分割回路31で分割され、分割された一方の信号は遅延
時間Tの遅延器25を通って和回路26に導かれ、他方
の信号はそのまま和回路に導かれる。そして、両者の和
をとった信号が櫛状通過フィルタ(図11)の出力とな
る。
【0099】また、図12に示す櫛状通過フィルタは、
信号分割回路31と遅延器25と差回路27とで構成さ
れる。この櫛状通過フィルタでは、入力信号が信号分割
回路31で分割され、分割された一方の信号は遅延時間
Tの遅延器25を通って差回路27に導かれ、他方の信
号はそのまま差回路27に導かれる。そして、両者の差
をとった信号が櫛状通過フィルタ(図12)の出力とな
る。
【0100】さらに、図13に示す櫛状通過フィルタ
は、信号分割回路31と遅延器25と反転増幅器28と
和回路26とで構成される。この櫛状通過フィルタで
は、入力信号が信号分割回路31で分割され、分割され
た一方の信号は遅延時間Tの遅延器25を通って和回路
26に導かれ、他方の信号は反転増幅器28を通って和
回路26に導かれる。そして、両者の和をとった信号が
櫛状通過フィルタ(図13)の出力となる。
【0101】以上の図11〜図13に示す各櫛状通過フ
ィルタの周波数特性は以下のようになる。
【0102】図11に示す櫛状通過フィルタの伝達関数
の振幅特性|H(f)|と位相特性θ(f)とは、以下
の式で表される。
【0103】 |H(f)|=A・√{1+cos(2πf・T)} …(1) tan{θ(f)}=−sin(2πf・T)/{1+cos(2πf・T)} …( 2) ここで、fは周波数、Aは定数である。
【0104】よって、図11に示す櫛状通過フィルタの
通過特性は、 周波数 f=m/T …(3) において極大通過(mは正の整数)、 周波数 f=(2m+1)/2T …(4) において極小通過(遮断)となる。
【0105】なお、(3)式であらわされる極大通過の
周波数では、(1)(2)式より、mの値にかかわらず
通過特性(振幅、位相とも)がすべて同一となる。した
がって、図11に示す櫛状通過フィルタは、周期1/T
で極大・極小の通過特性を繰り返すものであり、櫛状通
過フィルタとしての特性を有している。
【0106】一方、図12及び図13に示す櫛状通過フ
ィルタは、全く同じ伝達関数を持ち、その伝達関数の振
幅特性|H(f)|と位相特性θ(f)は、以下の式で
表される。
【0107】 |H(f)|=A・√{1−cos(2πf・T)} …(5) tan{θ(f)}=sin(2πf・T)/{1−cos(2πf・T)} …(6 ) よって、図12及び図13に示す櫛状通過フィルタの通
過特性は、 周波数 f=(2m+1)/2T……(7) において極大通過(mは正の整数)、 周波数 f=m/T ……(8) において極小通過(遮断)となる。
【0108】なお、(7)式であらわされる極大通過の
周波数では、(5)及び(6)式より、正の整数mの値
にかかわらず通過特性(振幅、位相とも)がすべて同一
となる。したがって、図12又は図13に示す櫛状通過
フィルタも、周期1/Tで極大・極小の通過特性を繰り
返すものであり、櫛状通過フィルタとしての特性を有し
ている。
【0109】図14(A)は、図11の櫛状通過フィル
タの周波数特性を示し、図14(B)は図12又は図1
3の櫛状通過フィルタの周波数特性を示す。図11〜図
13に示すすべての櫛状通過フィルタは、図14に示す
ように、周期1/Tの櫛状通過フィルタの特性を有して
いるが、図11の櫛状通過フィルタと比べ、図12又は
図13の櫛状通過フィルタの周波数特性は周波数軸上で
1/2Tだけシフトしている。
【0110】以上説明したように、上述した図11〜図
13に示す櫛状通過フィルタは、櫛状通過フィルタとし
ての特性を有しているので、第1の実施形態による測距
装置(図1)の第1の櫛状通過フィルタ17および第2
の櫛状通過フィルタ18として用いることができるし、
第2の実施形態による測距装置102の第3の櫛状通過
フィルタ23および第4の櫛状通過フィルタ24として
用いることもできる。ただし、その場合は、次の条件が
必要である。
【0111】まず、第1の実施形態による測距装置(図
1)の場合は、第1の櫛状通過フィルタ17と第2の櫛
状通過フィルタ18が前述した[第1の櫛状通過フィル
タ]と[第2の櫛状通過フィルタ]の条件を満足しなけ
ればならないので、第1の櫛状通過フィルタ17として
図11の構成の櫛状通過フィルタを用い、第2の櫛状通
過フィルタ18として図12又は図13の構成の櫛状通
過フィルタを用いる時、測距側1から送信するSS信号
の搬送波の周波数fAとして、次の条件を満足する必要
がある。
【0112】fA=p/T …(9) ただし、pは正の整数値のうちいずれかの値とする。
【0113】(9)式の条件は、図11の構成の櫛状通
過フィルタが、前述した[第1の櫛状通過フィルタ]の
条件のうち周波数fA+m/Tにおいて極大通過となる
という点を満足するための条件である。しかし、(9)
式の条件さえ成立すれば、図11の構成のフィルタは第
1の櫛状通過フィルタ17の[第1の櫛状通過フィル
タ]の他の条件も満足するし、図12又は図13の構成
の櫛状通過フィルタは図11の構成の櫛状通過フィルタ
の周波数特性を1/2Tシフトしたものとなるので、自
動的に第2の櫛状通過フィルタ18の[第2の櫛状通過
フィルタ]のすべての条件を満足する。
【0114】第2の実施形態による測距装置102の場
合は、第3の櫛状通過フィルタ23および第4の櫛状通
過フィルタ24の両者に、図11に示す櫛状通過フィル
タを用いることが可能である。ただし、櫛状通過フィル
タとして前述した[第3の櫛状通過フィルタ]と[第4
の櫛状通過フィルタ]の条件を満足するためには、被測
距側2−2のIF段の中心周波数fiと、測距側1−2
の受信部のIF段の中心周波数fLが、それぞれ以下の
条件を満足するように設定する必要がある。
【0115】fi=n/T …(10) fL=q/T …(11) ただし、n、qともそれぞれ正の整数値のうちのいずれ
かの値とする。(10)式の条件は、図11の構成の櫛
状通過フィルタが、前述した[第3の櫛状通過フィル
タ]の条件のうち周波数fi+m/Tにおいて極大通過
となるという点を満足するための条件である。また(1
1)式の条件は、図11の構成の櫛状通過フィルタが、
前述した[第4の櫛状通過フィルタ]の条件のうち周波
数fL+m/Tにおいて極大通過となるという点を満足
するための条件である。(10)及び(11)式の両条
件さえ満足すれば、[第3の櫛状通過フィルタ][第4
の櫛状通過フィルタ]の他の条件は自動的に満足され
る。また、第2の実施形態による測距装置102では、
第3の櫛状通過フィルタ23と第4の櫛状通過フィルタ
24の両方に同構成の櫛状通過フィルタを用いることが
できるという効果を奏する。
【0116】以上のように、図11〜図13の構成の櫛
状通過フィルタは、第1の実施形態による測距装置10
1(図1)または第2の実施形態による測距装置102
(図4)の櫛状通過フィルタとして用いることができ
る。しかし、図11〜図13の構成の櫛状通過フィルタ
は、櫛状通過フィルタの一例を示したものであり、櫛状
通過フィルタとしてそのような構成のものに限定するも
のではない。前述した[第1の櫛状通過フィルタ]、
[第2の櫛状通過フィルタ]、または[第3の櫛状通過
フィルタ]、[第4の櫛状通過フィルタ]に示した条件
を満足する櫛状通過フィルタであれば、いかなるもので
あっても本発明の構成要素として使用することが可能で
ある。
【0117】櫛状通過フィルタの他の構成例としては、
図2A及び2A、図5A及び5Bで示したような理想的
な櫛状通過フィルタに近いものも実現することが可能で
ある。図2A及び2A、図5A及び5Bのように各通過
帯域が矩形の周波数特性を有する櫛状通過フィルタを実
現するには、通過帯域の数(櫛の歯に相当する数)がN
の場合、次のインパルス応答h(t)を有する回路また
は素子を実現すれば良い。
【0118】 h(t)=A・{sin(πNt/T)・cos(2πf0・t)}/{t・cos( πt/2T)) …(12) ただし、tは時間、f0はフィルタの中心周波数、Aは
定数である。
【0119】上記のようなインパルス応答は、例えば弾
性表面波素子の電極パターンを工夫することで近似的に
実現できる。ただ、そのようなフィルタも櫛状通過フィ
ルタの一例であって、第1及び第2の実施形態では、
[第1の櫛状通過フィルタ]、[第2の櫛状通過フィル
タ]または[第3の櫛状通過フィルタ]、[第4の櫛状
通過フィルタ]を満足するフィルタであれば、特に櫛状
通過フィルタの構成を限定するものではない。
【0120】次に、上述した実施形態をさらに発展さ
せ、測距だけでなく、測距側と被測距側の間でデータ通
信も同時におこなうことが可能である別の実施形態を示
す。測距側と被測距側の間でSS信号を折り返し送受信
する方式の従来の測距装置は、測距とデータ通信を同時
に実行するシステムに発展できるが、これは本発明にも
適用が可能である。
【0121】図15は測距とデータ通信を同時に行う第
3の実施形態による測距装置を示す。
【0122】この第3の実施形態では、第2の実施形態
による測距装置102(図4)の構成を変更し、被測距
側2−3のIF帯の第3の櫛状通過フィルタ23の後に
データ変調部29を設置してSS信号にデータを乗せ、
測距側1−3では相関処理部15の後にデータ復調部3
0を設置して前記SS信号を相関処理した後の相関出力
からデータを得るように構成している。
【0123】図16は測距とデータ通信を同時に行う第
4の実施形態による測距装置を示す。
【0124】この第4の実施形態では、第2の実施形態
による測距装置102(図4)の構成を変更し、測距側
1−4の搬送波発振器4の後にデータ変調部29を設置
して送信SS信号にデータを乗せ、被測距側2−4のI
F帯では第3の櫛状通過フィルタ23の後に相関処理部
15´を設置し、同じく被測距側2−4に設置したPN
信号発生部3´からPN信号をもらって前記SS信号を
相関処理した後の相関出力から、相関処理部15の後に
設置したデータ復調部30´で相関出力からデータを得
るように構成している。
【0125】第3の実施形態又は第4の実施形態によれ
ば、被測距側又は測距側にSS信号にデータを乗せるデ
ータ変調部が設けられると共に、測距側又は被測距側に
SS信号を相関処理した後の相関出力からデータを復調
するデータ復調部が設けられるので、測距側と被測距側
間で1つの周波数帯のみを用いて測距と同時にデータ通
信を行うことが可能になる。
【0126】上述した第1〜第4の実施形態によれば、
測距側から被測距側に送られる電波の占有周波数帯と、
被測距側から測距側に送られる電波の占有周波数帯が同
一となり、その結果、1つの周波数帯のみを用いて測距
又は/及びデータ通信を実行することができる。
【0127】なお、本発明の応用例としては、ITSに
おける移動体間の測距装置や、特定地域での基地局と移
動体間の測距装置等に応用できる。
【0128】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述
した第1〜第4の実施形態では、SS信号を用いた測距
装置を示したが、無線を利用する双方向通信全般に適用
が可能である。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、被測距側に、測距側か
ら送信される送信信号の内、極大通過周波数を持つ信号
を通過させる手段と、通過した信号の極大通過周波数を
所定量シフトさせる手段とを設け、測距側に、極大通過
周波数を所定量シフトさせた信号を通過させる手段を設
けたので、測距側から送信される送信信号の内、極大通
過周波数を持つ信号と、極大通過周波数を所定量シフト
させた信号とが同一周波数帯で重ならないように構成す
れば、極大通過周波数を持つ信号と、極大通過周波数を
所定量シフトさせた信号とを同一周波数帯で送受信して
も、干渉や発振を防止できる。従って、限られた周波数
資源を有効に活用して、しかも測距精度を劣化させず
に、測距を行うことが可能になり、測距装置の実用化を
促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による測距装置を示すブロック
図である。
【図2】(A)は第1の櫛状通過フィルタの周波数特性
の一例を示し、(B)は第2の櫛状通過フィルタの周波
数特性の一例を示す図である。
【図3】被測距側の周波数変換部の構成例を示す図であ
る。
【図4】第2の実施形態による測距装置を示すブロック
図である。
【図5】(A)は第3の櫛状通過フィルタの周波数特性
の一例を示し、(B)は第4の櫛状通過フィルタの周波
数特性の一例を示す図である。
【図6】PN信号の時間波形を示す図である。
【図7】直接拡散SS波のスペクトルを示す図である。
【図8】第1の実施形態による測距装置の動作原理を説
明する図である。
【図9】第2の実施形態による測距装置の動作原理を説
明する図である。
【図10】第2の実施形態による測距装置の動作原理を
説明する図である。
【図11】櫛状通過フィルタの構成例を示す図である。
【図12】櫛状通過フィルタの構成例を示す図である。
【図13】櫛状通過フィルタの構成例を示す図である。
【図14】(A)は図11の櫛状通過フィルタ周波数特
性を示し、(B)は図12及び図13の櫛状通過フィル
タの周波数特性を示す図である。
【図15】第3の実施形態による測距とデータ通信を同
時に行う測距装置を示すブロック図である。
【図16】第4の実施形態による測距とデータ通信を同
時に行う測距装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
101、102、103、104 測距装置 1−1、1−2、1−3、1−4 測距側 2−1、2−2、2−3、2−4 被測距側 5a〜5e ミキサー 9 第1の周波数変換部 17 第1の櫛状通過フィルタ 18 第2の櫛状通過フィルタ 23 第3の櫛状通過フィルタ 24 第4の櫛状通過フィルタ 32 第2の周波数変換部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測距側と被測距側間で信号を送受信し、
    この送受信に要した時間に基づいて測距側と被測距側間
    の距離を求める測距装置において、 前記被測距側に、 測距側から送信される送信信号の内、極大通過周波数を
    持つ信号のみを通過させる手段と、通過した信号の極大
    通過周波数を所定量シフトさせる手段とを設け、 前記測距側に、 前記極大通過周波数を所定量シフトさせた信号のみを通
    過させる手段を設けたことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 測距側と被測距側間でSS信号を送受信
    し、この送受信に要した時間に基づいて測距側と被測距
    側間の距離を求める測距装置において、 前記被測距側に、 測距側から送信されるSS信号の内、極大通過周波数を
    持つ信号のみを通過させる第1の櫛状通過フィルタと、
    この第1の櫛状通過フィルタを通過した信号の極大通過
    周波数を所定量シフトさせる第1の周波数変換部とを設
    け、 前記測距側に、 前記周波数変換部で極大通過周波数を所定量シフトさせ
    た信号のみを通過させる第2の櫛状通過フィルタを設け
    たことを特徴とする測距装置。
  3. 【請求項3】 測距側と被測距側間でSS信号を送受信
    し、この送受信に要した時間に基づいて測距側と被測距
    側間の距離を求める測距装置において、 SS信号に含まれるPN符号の1周期をTとした場合、 前記被測距側に、 測距側から送信されるSS信号の内、1/T周期で現れ
    る極大通過周波数を持つ信号のみを通過させる第1の櫛
    状通過フィルタと、この第1の櫛状通過フィルタを通過
    した信号の極大通過周波数を1/2Tシフトさせる第1
    の周波数変換部とを設け、 前記測距側に、 前記周波数変換部で極大通過周波数を1/2Tシフトさ
    せた信号のみを通過させる第2の櫛状通過フィルタを設
    けたことを特徴とする測距装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数変換部は、 SS信号の中心周波数と被測距側のIF段の信号の中心
    周波数との差の周波数を持つ信号を発振する第1の局部
    発振器と、 SS信号の中心周波数と前記IF段の信号の中心周波数
    との差の周波数を所定量シフトさせた信号を発振する第
    2の局部発振器とを備え、 第1の局部発信器の出力と当該周波数変換部への入力と
    をミキシングし、その出力に基づいて前記IF段の信号
    を生成し、この出力を増幅し、この出力と第2の局部発
    振器からの出力とをミキシングして、極大通過周波数を
    所定量シフトさせることを特徴とする請求項2又は3記
    載の測距装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の櫛状通過フィルタは、 入力信号を分割する信号分割回路と、 この信号分割回路からの一方の信号をTだけ遅延させる
    遅延器と、 この遅延器からの信号と前記信号分割回路からの他方の
    信号との和をとる和回路とで構成されることを特徴とす
    る請求項3記載の測距装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の櫛状通過フィルタは、 入力信号を分割する信号分割回路と、 この信号分割回路からの一方の信号をTだけ遅延させる
    遅延器と、 この遅延器からの信号と前記信号分割回路からの他方の
    信号との差をとる差回路とで構成されることを特徴とす
    る請求項3記載の測距装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の櫛状通過フィルタは、 入力信号を分割する信号分割回路と、 この信号分割回路からの一方の信号をTだけ遅延させる
    遅延器と、 前記信号分割回路からの他方の信号を反転増幅させる反
    転増幅回路と、 この反復増幅回路からの信号と前記遅延器からの信号と
    の和をとる和回路とで構成されることを特徴とする請求
    項3記載の測距装置。
  8. 【請求項8】 前記測距側から前記被測距側に送信され
    るSS信号は、その中心周波数が1/Tの正の整数倍に
    等しいことを特徴とする請求項3記載の測距装置。
  9. 【請求項9】 測距側と被測距側間でSS信号を送受信
    し、この送受信に要した時間に基づいて測距側と被測距
    側間の距離を求める測距装置において、 前記被測距側に、 測距側から送信されるSS信号の中心周波数を被測距側
    のIF段の信号の中心周波数に変換する被測距側IF段
    変換手段と、このIF段の信号の中心周波数を持つ信号
    の内、極大通過周波数を持つ信号のみを通過させる第3
    の櫛状通過フィルタと、この第3の櫛状通過フィルタを
    通過した信号の極大通過周波数を所定量シフトさせる第
    2の周波数変換部とを設け、 前記測距側に、 被測距側から送信されるSS信号の中心周波数を測距側
    のIF段の信号の中心周波数に変換する測距側IF段変
    換手段と、前記第2の周波数変換部で極大通過周波数を
    所定量シフトさせた信号のみを通過させる第4の櫛状通
    過フィルタを設けたことを特徴とする測距装置。
  10. 【請求項10】 測距側と被測距側間でSS信号を送受
    信し、この送受信に要した時間に基づいて測距側と被測
    距側間の距離を求める測距装置において、 SS信号に含まれるPN符号の1周期をTとした場合、 前記被測距側に、 測距側から送信されるSS信号の中心周波数を被測距側
    のIF段の信号の中心周波数に変換する被測距側IF段
    変換手段と、このIF段の信号の中心周波数を持つ信号
    の内、1/T周期で現れる極大通過周波数を持つ信号の
    みを通過させる第3の櫛状通過フィルタと、この第3の
    櫛状通過フィルタを通過した信号の極大通過周波数を1
    /2Tシフトさせる第2の周波数変換部とを設け、 前記測距側に、 被測距側から送信されるSS信号の中心周波数を測距側
    のIF段の信号の中心周波数に変換する測距側IF段変
    換手段と、このIF段の信号の中心周波数を持つ信号の
    内、前記第2の周波数変換部で極大通過周波数を所定量
    シフトさせた信号のみを通過させる第4の櫛状通過フィ
    ルタを設けたことを特徴とする測距装置。
  11. 【請求項11】 前記第3の櫛状通過フィルタ及び前記
    第4の櫛状通過フィルタのそれぞれは、 入力信号を分割する信号分割回路と、 この信号分割回路からの一方の信号をTだけ遅延させる
    遅延器と、 この遅延器からの信号と前記信号分割回路からの他方の
    信号との和をとる和回路とで構成されることを特徴とす
    る請求項10記載の測距装置。
  12. 【請求項12】 前記被測距側のIF段の信号の中心周
    波数は、1/Tの正の整数倍に等しいことを特徴とする
    請求項10記載の測距装置。
  13. 【請求項13】 前記測距側のIF段の信号の中心周波
    数は、1/Tの正の整数倍に等しいことを特徴とする請
    求項10記載の測距装置。
  14. 【請求項14】 前記被測距側にSS信号にデータを乗
    せるデータ変調部を設け、前記測距側に相関出力から前
    記データを復調するデータ復調部を設けたことを特徴と
    する請求項10記載の測距装置。
  15. 【請求項15】 前記測距側にSS信号にデータを乗せ
    るデータ変調部を設け、前記被測距側に相関出力から前
    記データを復調するデータ復調部を設けたことを特徴と
    する請求項10記載の測距装置。
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