JP3732338B2 - スペクトル拡散方式を用いたレーダ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散(Spread Spectrum)方式を用いたレーダ装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
図12は例えば特開平7−146357号公報に示された従来のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を示す構成図である。図において、101は送信アンテナ、102は受信アンテナ、103は送信PN信号発生器、104、105、106、107はミクサ、108は受信PN信号発生器、109は相関演算部、110は受信用PN遅延回路、111は中間周波数発振器、112は送信用発振器、113は符号設定回路、114はドップラーカウンター、115は位相変調回路、116は位相シフト回路である。
【0003】
次に動作について説明する。送信用発振器112より出力された基本波発振信号は送信PN信号発生器103で発生された送信用PN信号で変調され、かつ、送信アンテナ101は所定単位で構成された電波を送信し、受信アンテナ102はこの送信された電波の反射波を受信する。そして、相関演算部109において、ミクサ104、105からの受信信号と受信PN信号発生器108からの受信用PN信号との相関演算を行い、受信した電波の遅延時間から反射にかかる目標物体との距離を計測する。
【0004】
ミクサ104、105からの受信信号と受信PN信号発生器108からの受信用PN信号との相関演算を行う際に相関演算部109では、まず受信用PN遅延回路110からの荒い単位の第1のシフト量で送信用PN信号を第1のシフト量だけずらした受信PN信号を発生させ、この受信PN信号とミクサ104、105からの受信信号とを目標物体の必要検出距離分に相当する回数分だけ相関演算を行う。
【0005】
次に、相関がとれたシフト回数の前後1シフト分を含む3シフト分に対して、今度は必要精度に相当する細かい単位に設定し直した第2のシフト量だけずらした受信PN信号を発生させ、この受信PN信号とミクサ104、105からの受信信号とを目標物体の必要検出距離分に相当する回数分だけ相関演算を行う。このようにして、送信PN信号の位相とミクサ104、105からの受信信号の位相との位相差(遅延時間)を求めることにより、目標物体までの距離を算出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は上記のように構成されているので、位相変調回路115で変調された信号が回路内の漏れ込みによって、送信用発振器112の信号を伝達する経路を介してミクサ104、105に伝達されると、受信アンテナ102による受信信号と合成されて相関演算部109に入力される。したがって、近距離に存在する目標物体からの反射による受信信号と重複し、目標物体の検出ができないという問題点がある。
【0007】
また、PN信号に最長符号列(M系列)を用いた場合、NをPN信号の符号長、fをPN信号の周波数(チップレート)とすると、PN信号の相関特性は図2のようになるので、位相が1/f以上離れたときの相関値(1/N)が、目標物体からの反射による受信信号の相関値に影響を与え、検出が困難となる問題点がある。
【0008】
また、装置の小型化のため、図3に示すように送信アンテナ101と受信アンテナ102を共通の送受信アンテナ117とし、送信信号、受信信号の経路をサーキュレータ118で接続した場合、サーキュレータ118の逆方向損失(アイソレーション)によって送信信号が受信信号に直接漏れ込み、目標物体の反射による受信信号と合成されて上記と同様の問題点がある。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、目標物体検出に影響を与える漏れ込み信号を抑圧して近距離の目標物体や受信電力の小さな目標物体の検出を可能とし、また目標物体検出に影響を与えることなく送信アンテナと受信アンテナを小型化のために一体化することができるスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は、送信用PN信号を生成する送信用PN信号生成手段と、送信用PN信号で搬送波を変調する変調手段と、変調手段で変調された送信用信号を対象物に送信する送信手段と、送信手段で送信された信号が前記対象物で反射されて戻ってくる受信信号を受信する受信手段と、受信手段によって受信された受信信号を復調する復調手段と、変調手段から復調手段方向へ漏れ込む漏れ信号を遮断または減衰させる信号遮断手段とを備え、復調手段は、受信手段によって受信された受信信号を中間周波数帯に周波数変換する周波数変換手段と、受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号を発生させる信号除去用PN信号発生手段と、前記周波数変換手段により周波数変換された信号と前記信号除去用PN信号とを乗算する不要信号用乗算手段と、前記不要信号用乗算手段により乗算された信号から、中間周波数を除去または減衰させる周波数除去手段とを備えている。
【0011】
請求項2の発明に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は、送信用P変調手段および復調手段に入力する搬送波は同一の生成手段により生成され、搬送波を変調手段と復調手段に分配し入力する分配手段を備え、且つ、信号遮断手段は、分配手段から変調手段方向への信号を通過させ、変調手段から分配手段方向へ漏れ込む漏れ信号を遮断または減衰させる非可逆手段である。
【0012】
請求項3の発明に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は、分配手段と変調手段との間、または分配手段と復調手段との間の少なくとも一方に信号を減衰させる減衰手段を備えている。
【0014】
請求項の発明に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は、復調手段が受信手段によって受信された受信信号以外の信号を除去または減衰させる信号除去手段を備えている。
【0016】
請求項の発明に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置は、復調手段が受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号と周波数除去手段からの信号を乗算する受信信号復元手段を備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を示すブロック図である。図において、1はPN信号のチップレートを決定するクロック発生器、2はクロックに応じたPN信号(M系列)を発生させるPN信号発生器、3は中間周波数(IF)用変調器、4は中間周波数(IF)用変調器3で変調された信号を搬送波周波数帯に周波数変換するアップコンバータ、5は搬送波発振器、6は分配器、7は減衰器、8はアイソレータ、9は送信アンテナ、10は受信アンテナ、11は受信信号を中間周波数帯に周波数変換するダウンコンバータ、12、15はミクサ、13は受信信号以外の信号に応じてPN信号を遅延させる除去用遅延回路、14は中間周波数を減衰させる帯域阻止フィルタ、16は中間周波数を発生させるIF発振器、17はIF用復調器、18は受信信号の遅延時間を計測するためにPN信号を遅延させる受信用遅延回路、19は相関演算器、20は距離算出器である。
【0018】
次に図1に示したレーダ装置の動作について説明する。PN信号発生器2は周波数fのクロックを発生するクロック発生器1のクロックに基づいて動作し、チップレートfのPN信号を出力する。PN信号発生器2が発生するPN信号はM系列であり、符号長をNチップ(ここで、チップとはPN信号の最小単位を意味するものとする)とすると、その相関特性は図2のようになる。
【0019】
PN信号発生器2で発生されたPN信号は、IF発振器16によって発生させられる中間周波数fIFに基づいて、変調器3で中心周波数fIFに位相変調される。この位相変調された信号は(1)式で表され、スペクトル波形は図4のようになる。
【0020】
PN(t)cos(2πfIFt) ・・・(1)
ただし、tは時間であり、PN(t)はPN信号発生器2によって発生されたPN信号で、その値は+1または−1である。
【0021】
搬送波発振器5では、搬送波周波数fRFと中間周波数fIFの差の周波数(fRF−fIF)を発生させ、発生された(fRF−fIF)の信号は分配器6によって分配され、減衰器7およびアイソレータ8を介してアップコンバータ4に入力される。
【0022】
アップコンバータ4では変調器3で位相変調された(1)式の信号が、アイソレータ8から入力される周波数(fRF−fIF)の信号によって周波数変換され、(2)式の送信用信号が発生される。
【0023】
PN(t)cos(2πfRFt+φ) ・・・(2)
ここで、φはIF発振器16による信号とアイソレータ8から入力される信号の位相差である。
【0024】
アップコンバータ4によって周波数変換された(2)式の送信用信号は、送信アンテナ9により目標物体に向けて送信され、その信号が目標物体によって反射されて戻ってきた信号を受信アンテナ10で受信し、ダウンコンバータ11に入力される。
【0025】
ダウンコンバータ11では受信アンテナ10で受信された信号が、分配器6から入力される周波数(fRF−fIF)の信号によって周波数変換され、中間周波数帯に周波数変換される。
【0026】
アップコンバータ4で(1)式の信号を周波数変換する際に、実際には回路内の漏れ込みによってアイソレータ8方向に送信信号が出力され、アイソレータ8、減衰器7、分配器6の順に信号が通過してダウンコンバータ11に入力されてしまう。
【0027】
しかし、本実施の形態によるレーダ装置においては、この漏れ込みによる信号は、アイソレータ8の逆方向損失(アイソレーション)、減衰器7による損失、分配器6の出力端子間のアイソレーションによって減衰され、ダウンコンバータ11に入力される電力は抑圧されているという効果がある。
【0028】
上記の理由により、ダウンコンバータ11によって周波数変換される信号は、図5に示すように、目標物体からの受信信号を周波数変換した信号と、漏れ信号による信号とが合成されている。ただし図5において、各信号の電力の大小関係は、受信信号の受信電力や、漏れ信号の抑圧の度合いによって変わる。
また、表記の簡単のため、スペクトル波形は包絡線で表現しており、fIFを中心に±fの帯域幅のみ記載している。ここで、漏れ信号を(3)式で、受信信号を周波数変換したものを(4)式で表現する。
【0029】
PN(t−T)cos(2πfIF(t−T)) ・・・(3)
PN(t−T)cos(2πfIF(t−T)+φ) ・・・(4)
【0030】
ここで、Tは漏れ信号が変調器3からダウンコンバータ11で出力されるまでの遅延時間、Tは送信信号が送信アンテナ9で送信され、目標物体で反射して戻ってきた信号を受信アンテナ10で受信し、ダウンコンバータ11で周波数変換されるまでに発生する遅延量である。
除去用遅延回路13では、漏れ信号のPN信号と同位相のPN信号が出力されるように遅延量が設定され、ミクサ12およびミクサ15に所定量遅延したPN信号が入力される。この除去用PN信号は(5)式で表される。
【0031】
PN(t−T) ・・・(5)
【0032】
ミクサ12において、除去用遅延回路13から入力されるPN信号とダウンコンバータ11から出力される図5の合成信号が乗算される。したがってミクサ12から出力される乗算信号は(6)式となる。
【0033】
Figure 0003732338
【0034】
(6)式において、PN(t−T=1の関係を用いている。(6)式の第1項は、漏れ信号による成分であり、第2項は受信信号に除去用PN信号を乗じたものとなっている。ミクサ12による乗算信号(すなわち(6)式)のスペクトル波形は図6となる。
【0035】
ミクサ12によって乗算された信号は、帯域阻止フィルタ14によって周波数がfIFの信号のみ除去される。したがって、帯域阻止フィルタ14から出力される信号は(7)式で表され、スペクトル波形は図7となる。
【0036】
Figure 0003732338
【0037】
ミクサ15によって、帯域阻止フィルタ14から出力される(7)式の信号と、ミクサ15によって(5)式で表される除去用PN信号とが乗算され、(8)式の信号がミクサ15から出力される。
【0038】
Figure 0003732338
【0039】
(8)式のスペクトル波形を図8に示す。(8)式は、変調器3により中間周波数帯に位相変調された送信信号に、目標物体までの往復に要する時間Tが加味された信号として復元された信号となっている。
【0040】
ミクサ15で復元された信号は、復調器17によってIF発振器16で生成される周波数fIFの信号を用いて復調され、PN(t−T)として相関演算器19に入力される。
【0041】
受信用遅延回路18では、逐次遅延量を変化させながらPN信号発生器2によって生成されるPN信号を遅延させ、相関演算器19に入力される。受信用遅延回路18によって遅延されたPN信号と、復調器17で復調された受信信号との相関演算が相関演算器19によって演算され、演算結果を距離算出器20に入力する。
【0042】
相関値が所定量以上となった場合に、受信用遅延回路18で設定された遅延量(すなわちTd)を距離算出器20に入力する。
【0043】
相関演算器19により演算され、距離算出器20に入力される相関値は図9のようになる。相関値が所定量以上となった場合の、受信用遅延回路18で設定される遅延量はTdi(ここで、iは目標物体の番号)となる。また、目標物体iまでの距離をRiとすると、遅延時間Tdiは(9)式で表される。ここでcは光速である。
【0044】
Tdi = 2Ri/c ・・・(9)
【0045】
したがって、目標物体iまでの距離Riは、(10)式で算出することができる。
【0046】
Ri = Tdi・c/2 ・・・(10)
【0047】
本実施の形態では、アップコンバータ4の回路内の漏れ信号を抑圧するために、アイソレータ8を設けているが、逆方向損失の大きな増幅器を用いてもよい。増幅器を用いる場合、増幅の方向は減衰器7からアップコンバータ4の方向とする。また、さらに漏れ信号の抑圧を大きくするために、分配器6とダウンコンバータ11との間に減衰器を設けてもよい。
【0048】
また、中間周波数は0(すなわち直流)とし、変調器3、IF発振器16、復調器17を取り除き、PN信号発生器2によって生成されるPN信号をアップコンバータ4に入力し、ミクサ15の出力を相関演算器19に入力する構成であってもよい。この場合、帯域阻止フィルタ14の阻止帯域は直流となることは言うまでもない。
【0049】
本実施の形態では、アップコンバータ4の回路内の漏れ信号を、アイソレータ8のアイソレーション、減衰器7による減衰、分配器6の出力端子間のアイソレーションを利用して抑圧するようにしているので、近距離に存在する目標物体からの反射による受信信号が漏れ信号と重複することがなく、検出が可能となる。
【0050】
また、漏れ信号の電力が抑圧されているため、漏れ信号の(1/N)の相関値が目標物体の反射による受信信号の相関値に与える影響を低減でき、検出が容易となる。
【0051】
実施の形態2.
図10は本発明の実施の形態2のレーダ装置を示すブロック図である。図において、21はサーキュレータ(信号伝達手段)、22は送受信アンテナ、23、24は不要信号除去回路である。なお、不要信号除去回路23および不要信号除去回路24の内部は図11のようになっている。その他は実施の形態1で説明したものと同様であるので説明は省略する。
【0052】
次に図10に示したレーダ装置の動作について説明する。アップコンバータ4で周波数変換された送信用信号は、サーキュレータ21によって送受信アンテナ22に伝達され、目標物体に向けて信号が送信される。送受信アンテナ22によって送信された信号は、目標物体によって反射され、送受信アンテナ22で受信される。送受信アンテナ22で受信された信号は、サーキュレータ21によってダウンコンバータ11に伝達される。
【0053】
アップコンバータ4で周波数変換された送信用信号がサーキュレータ21によって送受信アンテナ22へ伝達される際に、実際にはサーキュレータ21の漏れ込み(アイソレーション)によって送信用信号が直接ダウンコンバータへ伝達されてしまう。
【0054】
また、送受信アンテナ22の接続部の不整合によって反射利得があり、この反射利得による反射信号がサーキュレータ21に入力され、ダウンコンバータ11に伝達されてしまう。
【0055】
上記の理由により、ダウンコンバータ11により周波数変換され、不要信号除去回路23に入力される信号には、目標物体から反射による受信信号を周波数変換した信号と、サーキュレータ21の漏れによる漏れ信号を周波数変換した信号と、送受信アンテナ22の不整合によって反射された反射信号を周波数変換した信号とが合成されている。
【0056】
不要信号除去回路23における除去用遅延回路13では、サーキュレータ21の漏れによる漏れ信号に応じた遅延量が設定され、実施の形態1と同様の動作でサーキュレータ21の漏れによる漏れ信号が抑圧される。また、不要信号除去回路24における除去用遅延回路13では、送受信アンテナ22の不整合によって反射された反射信号に応じた遅延量が設定され、実施の形態1と同様の動作で送受信アンテナ22の不整合によって反射された反射信号が抑圧される。
【0057】
その他の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0058】
本実施の形態では、アップコンバータ4の回路内の漏れ信号を、アイソレータ8のアイソレーション、減衰器7による減衰、分配器6の出力端子間のアイソレーションを利用して抑圧しているが、これらに加えて、不要信号除去回路を追加してアップコンバータ4の回路内の漏れ信号をさらに抑圧してもよい。
【0059】
本実施の形態では、サーキュレータ21を用いて送信アンテナと受信アンテナを共通の送受信アンテナ22としているので、レーダ装置を小型化することができる。また、不要信号除去回路23、および不要信号除去回路24の複数の不要信号除去回路を用いることにより、異なる要因による不要信号を除去することができ、近距離に存在する目標物体からの反射による受信信号が不要信号と重複することがなく、検出が可能となる。また、不要信号の電力が抑圧されているため、不要信号の(1/N)の相関値が目標物体の反射による受信信号の相関値に与える影響を低減でき、検出が容易となる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、送信用PN信号を生成する送信用PN信号生成手段と、送信用PN信号で搬送波を変調する変調手段と、変調手段で変調された送信用信号を対象物に送信する送信手段と、送信手段で送信された信号が前記対象物で反射されて戻ってくる受信信号を受信する受信手段と、受信手段によって受信された受信信号を復調する復調手段と、変調手段から復調手段方向へ漏れ込む漏れ信号を遮断または減衰させる信号遮断手段とを備え、復調手段は、受信手段によって受信された受信信号を中間周波数帯に周波数変換する周波数変換手段と、受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号を発生させる信号除去用PN信号発生手段と、前記周波数変換手段により周波数変換された信号と前記信号除去用PN信号とを乗算する不要信号用乗算手段と、前記不要信号用乗算手段により乗算された信号から、中間周波数を除去または減衰させる周波数除去手段とを備えているので、近距離に存在する目標物体からの反射による受信信号が変調手段から復調手段に漏れ込む漏れ信号と重複することがなく、検出が可能となる。また、漏れ信号の電力が遮断または減衰されているため、漏れ信号の(1/N)の相関値が目標物体の反射による受信信号の相関値に与える影響を低減でき、検出が容易となるという効果がある。また、復調手段は、受信手段または送受信手段によって受信された受信信号を中間周波数帯に周波数変換する周波数変換手段と、受信手段によって受信された受信信号以外の漏れや反射による不要信号に応じた信号除去用PN信号を発生させる信号除去用PN信号発生手段と、周波数変換手段により周波数変換された信号と信号除去用PN信号とを乗算する不要信号用乗算手段と、不要信号用乗算手段により乗算された信号から、中間周波数を除去または減衰させる周波数除去手段とを備えているので、不要信号を除去するため振幅調整や中間周波数の位相調整が不要となり、コストを低減できるという効果がある。
【0061】
請求項2の発明によれば、変調手段および復調手段に入力する搬送波は同一の生成手段により生成され、搬送波を変調手段と復調手段に分配し入力する分配手段を備えているので、搬送波の生成手段を一つにすることが可能となり、コストが低減できる。信号遮断手段は、分配手段から変調手段方向への信号を通過させ、変調手段から分配手段方向への信号を遮断または減衰させる非可逆手段であるので、分配手段によって接続された変調手段から復調手段方向への漏れ信号を抑圧することができるという効果がある。
【0062】
請求項3の発明によれば、分配手段と変調手段との間、または分配手段と復調手段との間の少なくとも一方に信号を減衰させる減衰手段を備えているので、変調手段から復調手段への漏れ信号の抑圧効果が大きくなるという効果がある。
【0064】
請求項の発明によれば、復調手段は、受信手段によって受信された受信信号以外の信号を除去または減衰させる信号除去手段を備えているので、漏れや反射による不要信号を除去することができ、目標物体の検出が容易となるという効果がある。
【0066】
請求項の発明によれば、復調手段は、受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号と周波数除去手段からの信号を乗算する受信信号復元手段を備えているので、相関演算が容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を示すブロック図である。
【図2】 PN信号(M系列)の自己相関特性を示す図である。
【図3】 送受信アンテナをサーキュレータで接続することを示す図である。
【図4】 中間周波数をPN信号で変調したスペクトル波形を示す図である。
【図5】 漏れ信号と受信信号が合成されたスペクトル波形を示す図である。
【図6】 合成信号に除去用PN信号を乗算したスペクトル波形を示す図である。
【図7】 帯域阻止フィルタで漏れ信号成分を除去したスペクトル波形を示す図である。
【図8】 復元用PN信号で受信信号を復元したスペクトル波形を示す図である。
【図9】 相関演算器によって演算された相関値を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係るスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を示すブロック図である。
【図11】 不要信号除去回路の構造を示すブロック図である。
【図12】 従来のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 クロック発生器、 2 PN信号発生器、 3 変調器、 4 アップコンバータ、 5 搬送波発振器、 6 分配器、 7 減衰器、 8 アイソレータ、 9 送信アンテナ、 10 受信アンテナ、 11 ダウンコンバータ、 12 ミクサ、 13 除去用遅延回路、 14 帯域阻止フィルタ、 15 ミクサ、 16 IF発振器、 17 復調器、 18 受信用遅延回路、19 相関演算器、 20 距離算出器、 21 サーキュレータ、 22 送受信アンテナ、 23、24 不要信号除去回路。

Claims (5)

  1. 送信用疑似雑音(PN)信号を生成する送信用PN信号生成手段と、
    前記送信用PN信号で搬送波を変調する変調手段と、
    前記変調手段で変調された送信用信号を対象物に送信する送信手段と、
    前記送信手段で送信された信号が前記対象物で反射されて戻ってくる受信信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された受信信号を復調する復調手段と、
    前記変調手段から前記復調手段方向へ漏れ込む漏れ信号を遮断または減衰させる信号遮断手段と
    を備え
    復調手段は、
    受信手段によって受信された受信信号を中間周波数帯に周波数変換する周波数変換手段と、
    受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号を発生させる信号除去用PN信号発生手段と、
    前記周波数変換手段により周波数変換された信号と前記信号除去用PN信号とを乗算する不要信号用乗算手段と、
    前記不要信号用乗算手段により乗算された信号から、中間周波数を除去または減衰させる周波数除去手段と
    を備えている
    ことを特徴とするスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置。
  2. 変調手段および復調手段に入力する搬送波は同一の生成手段により生成され、前記搬送波を変調手段と復調手段に分配し入力する分配手段を備え、信号遮断手段は、前記分配手段から変調手段方向への信号を通過させ、変調手段から前記分配手段方向へ漏れ込む漏れ信号を遮断または減衰させる非可逆手段であることを特徴とする請求項1記載のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置。
  3. 変調手段および復調手段に入力する搬送波は同一の生成手段により生成され、前記搬送波を変調手段と復調手段に分配し入力する分配手段と、前記分配手段と変調手段との間、または前記分配手段と復調手段との間の少なくとも一方に信号を減衰させる減衰手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置。
  4. 復調手段は、受信手段によって受信された受信信号以外の信号を除去または減衰させる信号除去手段を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項記載のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置。
  5. 復調手段は、受信手段によって受信された受信信号以外の信号に応じた信号除去用PN信号と周波数除去手段からの信号を乗算する受信信号復元手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のスペクトル拡散方式を用いたレーダ装置。
JP17337298A 1998-06-19 1998-06-19 スペクトル拡散方式を用いたレーダ装置 Expired - Fee Related JP3732338B2 (ja)

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