JP2001033504A - メタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法 - Google Patents
メタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法Info
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Abstract
電圧の影響を考慮した、寿命予測精度の向上が図れるメ
タライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法を
提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、そのフィルムコンデンサに高周波成分を含んだ
電圧を印加した場合のフィルムコンデンサの温度上昇値
を含む寿命予測式を用いて耐湿性寿命予測を行う。
Description
フタレート製のフィルムを用いたメタライズドフィルム
コンデンサの耐湿性寿命予測方法に関するものである。
ために用いる寿命予測式として、下記の半導体部品の耐
湿性寿命予測式が提案されていた。 L2/L1=exp((A2×(1/T1−1/T2)
+A3×(RH2N3−RH1N3)) 上式で、第1の環境条件(周囲温度T1,相対湿度RH
1)での耐湿性寿命がL1、第2の環境条件(周囲温度
T2,相対湿度RH2)での耐湿性寿命がL2であり、
A2は温度係数、A3は湿度係数、N3は湿度次数であ
る。また、コンデンサの耐湿性寿命とは、例えば、その
容量が規定値まで低下するまでの時間をさす。
劣る部品はフィルムコンデンサであるが、半導体部品と
フィルムコンデンサとでは、外装樹脂が異なるため、フ
ィルムコンデンサの耐湿性寿命を予測するのに上記の耐
湿性寿命予測式を適用しにくいという問題点があった。
また、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムを用い
たメタライズドフィルムコンデンサに印加する高周波成
分(10kHz以上)を含む電圧の値、または、ポリエ
チレンテレフタレート製のフィルムを用いたメタライズ
ドフィルムコンデンサに印加する直流電圧の値によっ
て、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムを用いた
メタライズドフィルムコンデンサの寿命が変わることが
知られているが、上記の半導体部品の耐湿性寿命予測式
には、メタライズドフィルムコンデンサに印加する、高
周波成分(10kHz以上)を含む電圧に関連する項、
または、印加する直流電圧に関連する項が含まれておら
ず、寿命予測精度が低いという問題点があった。
されたもので、その目的とするところは、メタライズド
フィルムコンデンサに印加する電圧の影響を考慮した、
寿命予測精度の向上が図れるメタライズドフィルムコン
デンサの耐湿性寿命予測方法を提供することにある。
ズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリ
エチレンテレフタレート製のフィルムを用いたフィルム
コンデンサの耐湿性寿命予測方法であって、そのフィル
ムコンデンサに高周波成分を含んだ電圧を印加した場合
の前記フィルムコンデンサの温度上昇値を含む寿命予測
式を用いて耐湿性寿命予測を行うことを特徴とするもの
である。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリエチレンテレフタ
レート製のフィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法であって、そのフィルムコンデンサに高
周波成分を含んだ電圧を印加した場合の前記フィルムコ
ンデンサの温度上昇値Δtを含む項A×ΔtN1を含む寿
命予測式を用いて耐湿性寿命予測を行うことを特徴とす
るものである。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリエチレンテレフタ
レート製のフィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法であって、第1の環境条件(周囲温度T
1,相対湿度RH1,周囲温度T1で高周波成分を含ん
だ電圧を印加した場合の前記フィルムコンデンサの温度
上昇値Δt1)での耐湿性寿命をL1とし、第2の環境
条件(周囲温度T2,相対湿度RH2,周囲温度T2で
高周波成分を含んだ電圧を印加した場合の前記フィルム
コンデンサの温度上昇値Δt2)での耐湿性寿命をL2
とし、寿命予測式L2/L1=exp((A1×(Δt
1N1−Δt2N1)+A2×(1/T1−1/T2)+A
3×(RH2N3−RH1N3))を用いて寿命予測を行う
ことを特徴とするものである。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、請求項2または請求項
3記載のメタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命
予測方法で、係数A1が略0.07167であり、次数
N1が略1.270であることを特徴とするものであ
る。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリエチレンテレフタ
レート製のフィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法であって、そのフィルムコンデンサに印
加する直流電圧の値を含む寿命予測式を用いて耐湿性寿
命予測を行うことを特徴とするものである。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリエチレンテレフタ
レート製のフィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法であって、そのフィルムコンデンサに印
加する直流電圧Vの値を含む項VN2を含む寿命予測式を
用いて耐湿性寿命予測を行うことを特徴とするものであ
る。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、ポリエチレンテレフタ
レート製のフィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法であって、第1の環境条件(周囲温度T
1,相対湿度RH1,印加する直流電圧V1)での耐湿
性寿命をL1とし、第2の環境条件(周囲温度T2,相
対湿度RH2,印加する直流電圧V2)での耐湿性寿命
をL2とし、寿命予測式L2/L1=exp(A2×
(1/T1−1/T2)+A3×(RH2N3−RH
1N3))×(V2/V1)N2を用いて耐湿性寿命予測を
行うことを特徴とするものである。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、請求項6または請求項
7記載のメタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命
予測方法で、次数N2が略1.267であることを特徴
とするものである。
デンサの耐湿性寿命予測方法は、請求項7記載のメタラ
イズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で、係
数A2が略10209であることを特徴とするものであ
る。
ンデンサの耐湿性寿命予測方法は、請求項7記載のメタ
ライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で、
次数N3が略1.35であり、係数A3が略0.013
35であることを特徴とするものである。
フィルムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測
方法に用いる寿命予測式として下記の式を設定し、その
係数、次数を実験による得られたデータを基にして求め
た。 L2/L1=exp((A1×(Δt1N1−Δt2N1)
+A2×(1/T1−1/T2)+A3×(RH2N3−
RH1N3))×(V2/V1)N2 上式で、T1は、第1の環境条件での周囲温度、RH1
は、第1の環境条件での相対湿度,Δt1は、周囲温度
T1で高周波成分を含んだ電圧を印加した場合のフィル
ムコンデンサの温度上昇値、L1は、第1の環境条件下
での耐湿性寿命、T2は、第2の環境条件での周囲温
度、RH2は、第2の環境条件での相対湿度,Δt2
は、周囲温度T2で高周波成分を含んだ電圧を印加した
場合のフィルムコンデンサの温度上昇値、L2は、第2
の環境条件下での耐湿性寿命である。また、V1,V2
は、それぞれ、第1の環境条件下でのフィルムコンデン
サに印加する直流電圧の値、第2の環境条件下でのフィ
ルムコンデンサに印加する直流電圧の値である。
する。周囲温度T,相対湿度RH,印加する電圧Vを一
定(85℃,85%,400V)にして、Δtを4水準
設定した。このΔt設定のために50kHzの高周波電
圧を印加した。25℃にて、0℃、5.0℃、10.0
℃、15.0℃上昇する高周波電圧を、85℃で印加し
たところ、温度上昇値は、それぞれ、0℃、2.68
℃、7.00℃、7.54℃上昇した。この条件にて、
各水準でのコンデンサの容量変化の時間推移を求めた。
今回は、市場故障と、故障部位がよく一致している条件
として、コンデンサの寿命を、容量が10%低下するま
での時間とした。
め、ワイブル解析により各水準でのメジアン寿命を求め
た。図1に、1水準での容量変化度合いを示し、図2
に、ワイブル解析結果を示し、図3に、各水準でのワイ
ブル解析結果を示す。図2のF(t)は、不信頼度(不
良率)である。これらのメジアン寿命時間とΔtとの関
係を解析した結果、図4に示す直線の傾きとして、次数
N1=1.270が求められた。また、次数N1を求め
るのに用いた実験結果を解析し、最小自乗法を用いるこ
とにより、係数A1=0.07167が求められた。こ
の次数N1及び係数A1の値と、寿命との相関係数は9
9.76%であった。
する。周囲温度T,相対湿度RH,温度上昇値Δtを一
定(85℃,85%,0℃)にして、印加する電圧V
を、DC400V(定格電圧),350V,300V,
250Vの、4水準設定した。そして、次数N1を求め
た場合と同様に、各電圧水準での部品の容量変化の時間
推移を求めた。また、コンデンサの寿命を、容量が10
%低下するまでの時間とした。
め、ワイブル解析により各水準でのメジアン寿命を求め
た。図5に、1水準での容量変化を示し、図6に、ワイ
ブル解析結果を示し、図7に、各水準でのワイブル解析
結果を示す。これらのメジアン寿命時間と電圧Vとの関
係を解析した結果、図8に示す直線の傾きとして、次数
N2=1.267が求められた。この次数N2の値と、
寿命との相関係数は99.97%であった。
方法について説明する。相対湿度RH,電圧V,温度上
昇値Δtを一定(85%,400V,0℃)にして、温
度Tを、85℃,75℃,65℃の、3水準設定した。
そして、各温度水準での部品の容量変化の時間推移を求
め、試料数8個での部品不良時間を求めた。図9に、1
水準での容量変化を示し、図10に、ワイブル解析結果
を示す。図11に示す、各水準でのメジアン寿命と3水
準の温度Tとの関を解析では、アレニウス則を用いた。
図12に示すように、メジアン寿命対温度(絶対温度)
の逆数として解析した結果、温度係数A2=10209
が得られた。この温度係数A2の値と、寿命との相関係
数は99.91%であった。
方法について説明する。この場合、温度係数A2の場合
とは逆に、温度を一定にして湿度を変化させた。すなわ
ち、周囲温度T,電圧V,温度上昇値Δtを一定(85
℃,400V,0℃)にして、相対湿度RHを、85
%,75%,65%の、3水準設定した。温度係数A2
を求めた場合と同様にして解析を行った。図13に、1
水準での容量変化を示し、図14に、ワイブル解析結果
を示す。また、図15に各水準でのワイブル解析結果を
示す。図16に示した、メジアン寿命と相対湿度との関
係を解析することにより、湿度次数N3=1.35が求
められた。また、次数N3を求めるのに用いた実験結果
を解析し、最小自乗法を用いることにより、係数A3
(湿度係数A3)=0.01335が求められた。この
次数N3及び係数A3の値と、寿命との相関係数は9
9.87%であった。
次数を求めた寿命推定式を用いて、耐湿性寿命を推定
し、要求仕様を満たすかどうかの診断を行う方法につい
て説明する。
標を設定する。例えば、使用時間10000時間、累積
故障率0.5%とする。次に、商品使用環境を設定す
る。つまり、部品(コンデンサ)が搭載される商品の周
囲環境を、例えば、周囲温度25℃、相対湿度70%と
いうように設定する。
0%の環境下に設置した場合の、部品(コンデンサ)の
周囲環境(部品周囲環境)の条件を測定しなければなら
ない。例えば、測定結果は、周囲温度50℃、相対湿度
23%であったとする。
0%の環境下に設置した場合の、部品(コンデンサ)に
印加される電圧を測定する。ここでは、印加直流電圧が
200V、50KHzの高周波電圧の重畳成分は、6.
5Vであったとする。
囲温度60℃、相対湿度90%の温湿度条件を設定し、
この環境下での、高周波成分6.5V(50KHz)を
印加したことによる温度上昇値を測定する。ここでは、
5.0℃であったとする。
境下に設置し、サンプル数10個に定格電圧(例えば、
DC400V)を印加し、コンデンサの容量が10%低
下するまでの時間(故障時間)を測定する。
する加速試験条件の加速係数を前述した寿命予測式に下
記のように値を代入して算出する。それにより、303
倍という加速係数が得られる。 加速係数=L2/L1=exp((0.07167 ×(5 1.27
−0 )+10209 ×(1/(273+50)−1/(273+60))+0.
01335 ×(901.27−231.27))×(400/200 )1. 267 次に、加速試験環境下の実験によって得られた故障時間
に、加速係数303を掛けて、市場での故障予測時間と
し、各故障サンプルの累積故障率をメジアンランクを用
いて提示し、図17に示すように、その値と市場での故
障時間の関係をワイブル解析紙にプロットする。図17
のグラフで、横軸は故障時間、縦軸は累積故障率であ
る。プロットした点の外挿線と、信頼性目標値の位置を
グラフ上で比較することによって、目標寿命を達成でき
るかの診断を行うことができる。図17に示す場合は、
目標寿命を達成することができると診断された場合であ
る。
ドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法によれば、
寿命予測式に、そのフィルムコンデンサに高周波成分を
含んだ電圧を印加した場合のフィルムコンデンサの温度
上昇値を含む項を導入したので、市場環境でのフィルム
コンデンサの寿命を精度よく予測することが可能とな
る。
ドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法によれば、
寿命予測式に、そのフィルムコンデンサに印加する直流
電圧の値を含む項を導入したので、市場環境でのフィル
ムコンデンサの寿命を精度よく予測することが可能とな
る。
る。
表である。
図表である。
ある。
る。
表である。
図表である。
ある。
る。
図表である。
す図表である。
である。
る。
図表である。
す図表である。
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、そのフィルムコンデンサに高周波成分を含んだ
電圧を印加した場合の前記フィルムコンデンサの温度上
昇値を含む寿命予測式を用いて耐湿性寿命予測を行うこ
とを特徴とするメタライズドフィルムコンデンサの耐湿
性寿命予測方法。 - 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、そのフィルムコンデンサに高周波成分を含んだ
電圧を印加した場合の前記フィルムコンデンサの温度上
昇値Δtを含む項A×ΔtN1を含む寿命予測式を用いて
耐湿性寿命予測を行うことを特徴とするメタライズドフ
ィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法。 - 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、第1の環境条件(周囲温度T1,相対湿度RH
1,周囲温度T1で高周波成分を含んだ電圧を印加した
場合の前記フィルムコンデンサの温度上昇値Δt1)で
の耐湿性寿命をL1とし、第2の環境条件(周囲温度T
2,相対湿度RH2,周囲温度T2で高周波成分を含ん
だ電圧を印加した場合の前記フィルムコンデンサの温度
上昇値Δt2)での耐湿性寿命をL2とし、寿命予測式
L2/L1=exp((A1×(Δt1N1−Δt2N1)
+A2×(1/T1−1/T2)+A3×(RH2N3−
RH1N3))を用いて寿命予測を行うことを特徴とする
メタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方
法。 - 【請求項4】 係数A1が略0.07167であり、次
数N1が略1.270であることを特徴とする請求項2
または請求項3記載のメタライズドフィルムコンデンサ
の耐湿性寿命予測方法。 - 【請求項5】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、そのフィルムコンデンサに印加する直流電圧の
値を含む寿命予測式を用いて耐湿性寿命予測を行うこと
を特徴とするメタライズドフィルムコンデンサの耐湿性
寿命予測方法。 - 【請求項6】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、そのフィルムコンデンサに印加する直流電圧V
の値を含む項VN2を含む寿命予測式を用いて耐湿性寿命
予測を行うことを特徴とするメタライズドフィルムコン
デンサの耐湿性寿命予測方法。 - 【請求項7】 ポリエチレンテレフタレート製のフィル
ムを用いたフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法で
あって、第1の環境条件(周囲温度T1,相対湿度RH
1,印加する直流電圧V1)での耐湿性寿命をL1と
し、第2の環境条件(周囲温度T2,相対湿度RH2,
印加する直流電圧V2)での耐湿性寿命をL2とし、寿
命予測式L2/L1=exp(A2×(1/T1−1/
T2)+A3×(RH2N3−RH1N3))×(V2/V
1)N2を用いて耐湿性寿命予測を行うことを特徴とする
メタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方
法。 - 【請求項8】 次数N2が略1.267であることを特
徴とする請求項6または請求項7記載のメタライズドフ
ィルムコンデンサの耐湿性寿命予測方法。 - 【請求項9】 係数A2が略10209であることを特
徴とする請求項7記載のメタライズドフィルムコンデン
サの耐湿性寿命予測方法。 - 【請求項10】 次数N3が略1.35であり、係数A
3が略0.01335であることを特徴とする請求項7
記載のメタライズドフィルムコンデンサの耐湿性寿命予
測方法。
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