JP2001031571A - 制癌剤耐性克服剤および制癌剤効果増強剤 - Google Patents

制癌剤耐性克服剤および制癌剤効果増強剤

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JP2001031571A JP2000146733A JP2000146733A JP2001031571A JP 2001031571 A JP2001031571 A JP 2001031571A JP 2000146733 A JP2000146733 A JP 2000146733A JP 2000146733 A JP2000146733 A JP 2000146733A JP 2001031571 A JP2001031571 A JP 2001031571A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制癌剤耐性克服剤及び制癌剤効果増強剤を提
供する。 【解決手段】 一般式〔I〕 【化1】 〔式中、R1は水素原子又は低級アルコキシ基を表し、
2は水素原子、低級アルコキシ基、フェニル基等を表
し、Xは−CO−又は−CH2−を表し、nは1又は2
を表す。〕で示される化合物、その塩又はそのプロドラ
ッグを含有する制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強
剤。 【効果】 制癌剤の耐性克服及び効果増強に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,4−ベンゾチ
アゼピン誘導体を含有してなる、ヒトを含む哺乳動物に
対する制癌剤耐性克服剤及び制癌剤効果増強剤に関す
る。また本発明は、癌の治療、特に制癌剤に対して耐性
化した癌の治療に有用な医薬組成物、及び癌治療用医薬
キットに関する。
【0002】
【従来の技術】制癌剤を癌患者に投与すると、投与する
につれて効果が減少することがよく知られている。生体
内で制癌剤に対して耐性の癌細胞が出現するため、癌の
化学療法を困難なものにしている。このような薬剤耐性
は自然耐性と獲得耐性に分けられる。制癌剤により癌を
治療すると、感受性の高い細胞は消失し、感受性の低い
細胞が残存する。一つの癌であっても制癌剤高感受性及
び低感受性の細胞が混在している。制癌剤高感受性の癌
細胞が制癌剤と接触することにより、獲得耐性を持つ。
臨床的にみても制癌剤感受性の比較的高い小細胞癌、卵
巣癌、乳癌などと、制癌剤感受性の低い非小細胞癌、胃
癌、大腸癌などに分けることができる。
【0003】制癌剤耐性細胞では、 細胞膜変化による薬剤の取り込みの低下、 P糖蛋白質や多剤耐性関連蛋白(MRP)などによ
る薬剤排出の亢進、 P−450などの薬物活性化酵素の活性低下、 グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、
グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−Px)、DT
−ジアホラーゼ、UDP−グルクロノシルトランスフェ
ラーゼ、メタロチオネイン等の解毒酵素の活性上昇、 多くの制癌剤の解毒に関与する還元型グルタチオン
(GSH)濃度の上昇、 DNA修復活性(トポイソメラーゼ)の上昇などが
認められている。
【0004】制癌剤耐性細胞のうち、ある制癌剤に対し
て耐性を獲得した細胞の中には、他の薬剤に対しても耐
性を示すことがある。これを多剤耐性(multidrug resi
stance;MDR)という。多剤耐性を獲得した細胞で
は、分子量170kDのP糖蛋白質を高発現しているこ
とが知られている。P糖蛋白質は多くの正常細胞にも存
在し、排泄機構に関与している。制癌剤に対しては、P
糖蛋白質はATPのエネルギーを利用して種々の制癌剤
を細胞外に排出するポンプ機能を持ち、制癌剤の細胞内
濃度を低下させて細胞を制癌剤に対し耐性化させる。P
糖蛋白質の排出機能は制癌剤に対して選択性が低く、数
種類の制癌剤が細胞外に排出される。そのため、P糖蛋
白質を過剰発現した細胞は、多剤耐性を獲得すると考え
られている。癌種によっては、P糖蛋白質の発現の亢進
している大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、腎臓癌や再発ととも
にP糖蛋白質の発現が亢進してくる急性白血病、悪性リ
ンパ腫、神経芽細胞腫等があり、またP糖蛋白質の発現
の少ない乳癌、頭頸部癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、黒
色腫等が知られている。
【0005】1981年にカルシウム拮抗剤であるベラ
パミルが多剤耐性を克服することが見出された〔Cancer
Res.,41, 1967-1972, (1981)〕。その後、いくつかの
カルシウム拮抗薬やカルモジュリン拮抗薬などにも耐性
克服作用があることが明らかになった。また、免疫抑制
剤であるシクロスポリンAにも耐性克服作用があること
が明らかになった。ベラパミルやシクロスポリンAはP
糖蛋白質の制癌剤結合部位に競合的に阻害して耐性を克
服すると推察されている。また、シクロスポリンAはチ
トクロームP−450に代表される薬物代謝酵素に影響
して効果を上げている可能性も示唆されている。シクロ
スポリンAとエトポシドを併用する効果が臨床的に確認
されており、またシクロスポリンAと標準の化学療法剤
との併用で急性骨髄性白血病と骨髄腫で優れた結果が報
告されている。しかしこれらのカルシウム拮抗剤や免疫
抑制剤はその薬剤が本来的に有するカルシウム拮抗作用
や免疫抑制作用が副作用として重篤であるため、臨床に
使用するには問題があった。
【0006】また、カルシウム拮抗作用の弱い多剤耐性
克服剤として、MS−209
【0007】
【化7】
【0008】が知られている〔Cancer Chemother. Phar
macol., 35, 271-277 (1995)、CancerChemother. Pharm
acol., 36, 361-367 (1995)〕。MS−209はP糖蛋
白質と直接結合して、P糖蛋白質への制癌剤の結合を阻
害することにより耐性を克服していると考えられてい
る。
【0009】また、ホルモン剤のタモキシフェンは、大
量に使用するとプロテインキナーゼCを抑えることによ
るP糖蛋白質の機能の抑制に働くとされ、またタモキシ
フェンとトレミフェンも耐性調整剤として検討されてい
る。これらは癌細胞のエストロゲン受容体の有無には関
係なく抗癌剤の種類に依存しており、ビンブラスチン、
アドリアマイシン、エトポシドには有効であるが、シス
プラチン、メルファランには無効であると報告されてい
る。
【0010】一方、P糖蛋白質の過剰発現がみられず、
ビンカアルカロイドをはじめとする制癌剤に多剤耐性を
示す細胞株が見出された。1992年、コール(Cole)
らはP糖蛋白質が発現していない肺小細胞癌細胞株H6
9のドキソルビシン耐性株H69ARにおいて、過剰発
現しているmRNAに対応するcDNAを分離した。そ
して、それにコードされる1,531個のアミノ酸から
なる蛋白質を見出し、MRP(Multidrug Resistance-a
ssociated Protein)と提唱した〔Science,258, 1650-1
654, (1992)〕。MRPは190kDの膜蛋白質で、A
BC(ATP binding cassette)スーパーファミリーに属
し、P糖蛋白質と同様に制癌剤を排出するポンプとして
機能している。MRPは非小細胞肺癌、甲状腺癌、グリ
オーマ、神経芽細胞腫等の細胞株において高発現してい
る。これらの癌では化学療法に対する反応が悪いことが
指摘されている。また、慢性リンパ性白血病でMRPの
高発現が高頻度で見られるとの報告もある。MRPはP
糖蛋白質と同様に構造の類似性のない多くの制癌剤を排
出するが、細胞内のグルタチオン濃度を低下させると耐
性度が低下する。また、ロイコトリエンなど、グルタチ
オン抱合体がMRPによって輸送されることから、制癌
剤も代謝、修飾を受けた後、親水性化合物として排出さ
れている可能性がある。MRPはグルタチオン抱合体の
ほかにも、グルクロン酸、硫酸抱合体も基質として認識
する。また、多価負電荷を持つ基質や、同様な修飾を受
けた重金属も輸送すると考えられている。ベラパミルや
シクロスポリンAなど、P糖蛋白質の関与する多剤耐性
を克服した薬剤が、MRPの関与する多剤耐性を部分的
に克服した報告があるが、現在MRPの関与する多剤耐
性に特異的な薬剤はない。
【0011】最近、MRP以外のグルタチオン抱合体排
出ポンプが見出されている。ヒト鼻咽腔細胞癌KB細胞
から単離されたシスプラチン耐性細胞KCP−4細胞
は、シスプラチンに対して約63倍耐性を示した。KC
P−4細胞内のシスプラチン濃度は低下しており、AT
P依存性のシスプラチン排出ポンプを発現していた〔Jp
n. J. Cancer Res.,85, 423-433, (1994)〕。この細胞
内のグルタチオン濃度は親株細胞に比べて4.7倍高
く、グルタチオン合成酵素阻害剤を用いてグルタチオン
濃度を親株細胞の濃度以下まで低下させると、シスプラ
チンに対する耐性度は約半分まで低下した。KCP−4
細胞では、MRPは蛋白、mRNAともに発現していな
いことなどから、MRPとは異なるグルタチオン抱合体
排出ポンプが存在すると考えられた〔BBRC, 226, 158-1
65, (1996)〕。KCP−4細胞から単離されたcMOA
T遺伝子がMRPと相同性を有し、KCP−4、PC
5、T24の3種類のシスプラチン耐性細胞で親株細胞
に比較してそれぞれcMOATのmRNA発現が4〜6
倍高いことから、cMOATがシスプラチン耐性に関与
する蛋白質であると考えられている。
【0012】制癌剤の解毒による耐性機構も知られてい
る。グルタチオンS−トランスフェラーゼ(glutathion
e S-transferase;GST)は薬物の解毒酵素の一つ
で、肝臓に多く存在するがその他の臓器にも広く分布
し、主として細胞質に二量体として存在する。多数の分
子種が知られており、グルタチオン(GSH)抱合活性
(GST活性)のほかに、グルタチオンペルオキシダー
ゼ(GSH−Px)活性や、ロイコトリエン、プロスタ
グランジンの代謝に関与する分子種も知られている。ナ
イトロジェンマスタード等のアルキル化剤は、GSH抱
合(GSH conjugation)を受け、解毒されるものが多
い。また、シスプラチンはGSHによりキレートされ、
VP−16はGSH抱合され、ともに解毒される〔Bioc
hem. Soc. Transact.,15, 728-730, (1987)〕。
【0013】また、メタロチオネインによる薬剤耐性も
知られている。メタロチオネインは馬の腎臓中からカド
ミウム結合蛋白質として見出された分子量6000の比
較的小さな蛋白質で、構成アミノ酸の約3分の1をシス
テインが占め、しかもS−S結合を一つも持たないとい
う特徴的な構造を有している。1981年にバッカ(Ba
kka)らは高濃度のメタロチオネインを含有するカドミ
ウム耐性細胞がシスプラチンに対しても耐性を示すこと
を見出し、メタロチオネインがシスプラチンの細胞毒性
に対して耐性因子として働く可能性を示した〔Toxicol.
Appl. Pharmacol.,61, 215-226, (1981)〕。また、メ
タロチオネイン遺伝子を欠損させたマウスが作製され、
このマウスから単離された細胞はシスプラチンに対する
感受性が高いことも明らかにされている〔Cancer Res.,
55, 2021-2023, (1995)〕。担癌マウスを用いた検討
で、亜鉛を投与して癌組織中のメタロチオネイン濃度を
約2倍に上昇させると、シスプラチンのみならずアドリ
アマイシン、ブレオマイシン、シクロフォスファミド及
びメルファランの抗癌効果も有意に低下することが確認
された。メタロチオネイン濃度の上昇によって複数の制
癌剤に対する耐性が獲得される可能性も考えられてい
る。メタロチオネインの合成を阻害するアミノ酸誘導体
プロパルギルグリシンが検討されているが、毒性が強く
臨床に用いるには問題がある。
【0014】また、トポイソメラーゼはDNAのトポロ
ジー変化に働く酵素で、I型とII型が知られ、アドリア
マイシン、エトポシドがトポII型を阻害し、またカンプ
トテシンがトポI型を阻害する。カンプトテシンに耐性
化した癌細胞ではトポイソメラーゼの構造が点変異を受
けていることが明らかとなっている。
【0015】薬剤耐性克服剤としては特開平8-922
18号公報に一般式
【0016】
【化8】
【0017】(X、Yは水素原子又はハロゲン原子を表
し、nは1〜4の整数を表し、R1はハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキ
シ基、ニトロ基で置換されてもよい窒素原子を含むこと
も可能な単環又は二環の芳香環を表す。)で示される化
合物が記載されている。
【0018】又、特表平8−509223号公報(国際
公開WO94/24107号明細書、米国特許5643
909号明細書、米国特許5654304号明細書、ヨ
ーロッパ特許695293号明細書)に一般式
【0019】
【化9】
【0020】〔Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH
a−CH2−、又は−CH2−CHRa−CHRb−CH2
−(Ra又はRbの一つはH、OH、低級アルキルオキシ
であり、もう一つはHである。)であり、R1、R2
H、F、Cl又はBrであり、R 3はヘテロアリール又
は所望によりF、Cl、Br、CF3、CN、NO2及び
OCHF2から選択される置換基で置換されたフェニル
である。〕で示される化合物が記載されており、特開平
10−7660号公報(米国特許5700826号明細
書、ヨーロッパ特許812829号明細書)に一般式
【0021】
【化10】
【0022】(R1は置換アルキル、置換アルケニル
等、R2、R3はアリール等、R4は水素、置換アルキ
ル、置換アルケニル等を表す。)で示される化合物が記
載されているが、いずれにも本願発明に係る1,4−ベ
ンゾチアゼピン誘導体は記載されていない。
【0023】本願発明に係る化合物としては、特開平4
−230681号公報(国際公開WO92/12148
号、ヨーロッパ特許565721号、米国特許5416
066号)に、一般式
【0024】
【化11】
【0025】〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の
低級アルコキシ基を表し、R1は水素原子、炭素数1〜
3の低級アルコキシ基、置換フェニル基(ここで、置換
基は水酸基又は炭素数1〜3の低級アルコキシ基であ
る。)、
【0026】
【化12】
【0027】(ここで、R2は炭素数1〜3のアシル基
である。)を表し、Xは酸素原子又はH2を表し、nは
1又は2を表し、Phはフェニル基を表す。〕で示される
1,4−ベンゾチアゼピン誘導体又はその薬学的に許容
される塩が記載されており、又これらの化合物の製造方
法も記載されている。
【0028】特開平4−230681号公報によれば、
心筋梗塞患者の心筋に二種類の壊死形態〔Static cell
death(SD)及びKinetic cell death(KD)〕があ
り、ヒトの心筋梗塞の主体をなす細胞死はKDであるこ
とが記載されている。当該発明化合物はKD抑制作用を
有するため、心筋梗塞の予防及び治療剤として有用であ
る旨の記載がある。しかし、制癌剤の耐性克服に関して
は何らの記載もない。
【0029】又、本願発明の発明者の一人である金子
は、化合物
【0030】
【化13】
【0031】が細胞内カルシウム遮断作用を有すること
〔Drug Dev. Res., 33, 429-438 (1994)〕、及びカルシ
ウムイオンチャンネル活性阻害剤として有効であること
〔J. Mol. Biol.,274, 16-20 (1997)〕を報告している
が、該文献で本発明の主題である制癌剤耐性克服作用に
ついては何ら言及していない。
【0032】従来から知られているベラパミル等のカル
シウム拮抗薬は、P糖蛋白質を阻害することが知られて
いる〔Cancer Res.,49, 5002-5006 (1989)〕。一方、B
16細胞のメラニン欠乏性細胞であるB16a細胞及び
そのシスプラチン耐性変異株B16a−Pt細胞を用い
た実験で、カルシウム拮抗剤であるニフェジピンがシス
プラチンの抗腫瘍効果を増強するものの、ベラパミル、
ジルチアゼム、ニモジピンやニカルジピン、またカルモ
ジュリン拮抗薬であるトリフルオペラジン(trifluoper
azine)及びカルミダゾリウム(calmidazilium)には有
意な抗腫瘍効果の増強は見られないという報告がある
〔Cancer Res.,49, 2844-2850 (1989)〕。また、ヒト神
経膠芽腫細胞であるGB−1細胞とU87−GM細胞を
用いた実験でもベラパミル、ジルチアゼム、ニモジピ
ン、ニカルジピン、ベニジピン(benidipine)、ニルバ
ジピン(nilvadipine)やニソルジピン(nisoldipine)
には有意なシスプラチンの抗腫瘍効果の増強は見られな
いという報告がある〔J. Neurosurg.,82, 4469-474 (19
95)〕。
【0033】Drug Dev. Res., 33, 429-438 (1994)に
は、ジルチアゼムは1,5−ベンゾチアゼピン化合物で
あり、化合物
【0034】
【化14】
【0035】は1,4−ベンゾチアゼピンであるが、似
ているという記載があることや、ジルチアゼムには有意
なシスプラチンの抗腫瘍効果の増強は見られないという
上記文献の報告から、本願発明に係る化合物にはシスプ
ラチンの耐性克服作用は見られないことが推定される。
しかしながら、本願発明に係る一般式〔I〕で表される
化合物は後述の実施例からも明らかなように、シスプラ
チンをはじめとする白金錯体に極めて強い耐性克服作用
を有する。
【0036】シスプラチン等の白金錯体に対して、腫瘍
細胞は細胞内への白金錯体の蓄積低下、グルタチオンや
メタロチオネイン等による解毒、傷害を受けたDNAの
修復能の亢進などの機構で耐性化している〔Jpn. J. Ca
ncer Res.,79, 301-304 (1988)、J. Biol. Chem., 265,
4296-4301 (1990)、Jpn. J. Cancer Res.,81, 527-535
(1990)、Br. J. Cancer,67, 1171-1176 (1993)、Cance
r Res.,53, 5225-5232(1993)、Cancer Res.,53, 3694-3
699 (1993)、Pharmacol. Ther., 52, 385-406(199
1)〕。従って、P糖蛋白質の阻害のみではシスプラチン
の耐性克服は困難であると考えられる。それ故、本発明
に係る一般式〔I〕で表される化合物は、詳しい機構は
今のところ不明だが、従来のカルシウム拮抗薬とは異な
った機構で耐性を克服しているものと推定される。又、
本発明に係る一般式〔I〕で表される化合物は、驚くべ
きことにタキソールやアドリアマイシン等の制癌剤にも
強い耐性克服作用を有する。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒトをはじ
めとする哺乳動物に対する制癌剤耐性克服剤及び制癌剤
効果増強剤を提供することを目的とする。また本発明
は、ヒトを含む哺乳動物における癌の治療に有用な医薬
組成物及び医薬キットを提供することを目的とする。特
に本発明は、制癌剤に対して耐性化した癌の治療に有用
な制癌剤耐性克服剤、制癌剤効果増強剤、医薬組成物及
び医薬キットを提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、驚くべきこと
に下記一般式〔I〕で表される化合物が優れた制癌剤耐
性克服作用及び制癌剤効果増強作用を有し、しかも低毒
性であることを見い出して、本発明を完成した。
【0039】従来の耐性克服剤はP糖蛋白質や、多剤耐
性関連蛋白(MRP)が関与する、いわゆるMDRに対
する耐性克服剤であった。カルシウム拮抗剤について
は、ベラパミルでの耐性克服もMDRに関連していると
いわれ、シスプラチン耐性には動物実験で無効であった
と報告されている。また、MDRに対する小児での臨床
試験が組まれたが、血圧低下(徐脈)のため治験は中止
となったとの報告もある。シスプラチンによる耐性のメ
カニズムはMDRとは異なると考えられており、下記一
般式〔I〕で示される本願発明に係る化合物がシスプラ
チン耐性を克服し得ることは初めての知見であり、驚く
べきことである。
【0040】本発明は、下記一般式〔I〕で示される化
合物を有効成分とする制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果
増強剤に関する。より詳しくは、下記(1)乃至(1
4)に示す通りである。
【0041】(1) 一般式〔I〕
【0042】
【化15】
【0043】〔式中、R1は水素原子又は低級アルコキ
シ基を表し、R2は水素原子、低級アルコキシ基、フェ
ニル基(該フェニル基は水酸基及び低級アルコキシ基か
らなる群より選ばれる1乃至3個の置換基で置換されて
もよい。)、
【0044】
【化16】
【0045】(ここで、R3はアシル基を表す。)を表
し、Xは−CO−又は−CH2−を表し、nは1又は2
を表す。〕で示される化合物、又はその塩若しくはその
プロドラッグを含有してなる制癌剤耐性克服剤。
【0046】(2) 該化合物が4−[3−(4−ベン
ジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メト
キシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾ
チアゼピンである上記(1)に記載の制癌剤耐性克服
剤。
【0047】(3) 制癌剤が白金錯体、植物由来抗腫
瘍性物質又は抗腫瘍性抗生物質である上記(1)又は
(2)に記載の制癌剤耐性克服剤。
【0048】(4) 制癌剤がシスプラチン、カルボプ
ラチン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソー
ルである上記(3)に記載の制癌剤耐性克服剤。
【0049】(5) 上記一般式〔I〕で示される化合
物、又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有してな
る制癌剤効果増強剤。
【0050】(6) 該化合物が4−[3−(4−ベン
ジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メト
キシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾ
チアゼピンである上記(5)に記載の制癌剤効果増強
剤。
【0051】(7) 制癌剤が白金錯体、植物由来抗腫
瘍性物質又は抗腫瘍性抗生物質である上記(5)又は
(6)に記載の制癌剤効果増強剤。 (8) 制癌剤がシスプラチン、カルボプラチン、ネダ
プラチン、アドリアマイシン又はタキソールである上記
(7)に記載の制癌剤効果増強剤。
【0052】(9) 上記一般式〔I〕で示される化合
物、又はその塩若しくはそのプロドラッグと、制癌剤と
を含有する医薬組成物。
【0053】(10) 該化合物が4−[3−(4−ベ
ンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メ
トキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベン
ゾチアゼピンである上記(9)に記載の医薬組成物。
【0054】(11) 制癌剤が白金錯体、植物由来抗
腫瘍性物質又は抗腫瘍性抗生物質である上記(9)又は
(10)に記載の医薬組成物。
【0055】(12) 制癌剤がシスプラチン、カルボ
プラチン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソ
ールである上記(11)に記載の医薬組成物。
【0056】(13) 2種類の薬剤を含んでなる癌治
療用医薬キットであって、第一の薬剤が上記(1)に記
載の制癌剤耐性克服剤であり、第二の薬剤が制癌剤であ
る癌治療用医薬キット。
【0057】(14) 2種類の薬剤を含んでなる癌治
療用医薬キットであって、第一の薬剤が上記(5)に記
載の制癌剤効果増強剤であり、第二の薬剤が制癌剤であ
る癌治療用医薬キット。
【0058】本発明を説明するために本明細書において
使用する用語の定義は次の通りである。
【0059】「制癌剤耐性克服剤」とは、それ自体に制
癌活性はないものの、制癌剤に対する癌細胞の耐性を低
下させる作用を有する薬剤を意味する。すなわち、制癌
剤耐性を獲得した癌細胞の制癌剤に対する感受性を増加
させる作用を有する薬剤を意味する。この場合、感受性
の増加とは、制癌剤耐性細胞に対する制癌剤の効果レベ
ルを制癌剤感受性細胞に対する効果レベル以上に上昇さ
せるのみならず、制癌剤耐性細胞に対する制癌剤の効果
レベルを制癌剤感受性細胞に対する効果レベルとほぼ同
等まで上昇させることも含む。また、「耐性克服」と同
義語として「耐性抑制」、「耐性解除」、「抵抗性解
除」、「感受性増強」等を挙げることができる。
【0060】「制癌剤効果増強剤」とは、それ自体に制
癌活性はないものの、制癌剤と併用することによって制
癌剤の活性、言い換えれば制癌剤それ自体が有する制癌
効果を増強する薬剤である。この場合、増強とは制癌剤
耐性細胞に対する制癌剤の効果レベルを制癌剤感受性細
胞に対する効果レベル以上に上昇させるのみならず、未
だ耐性化していない癌細胞の制癌剤に対する感受性を高
めることも意味する。
【0061】したがって、本発明に係る制癌剤耐性克服
剤、制癌剤効果増強剤を用いれば、耐性を獲得した癌細
胞の制癌剤に対する感受性を増加させることができるば
かりでなく、制癌剤の投与量を低減したり、あるいは、
制癌剤の投与間隔を延長したりすることが可能となる。
【0062】「低級アルコキシ基」とは、炭素数1乃至
6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味し、例えばメ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、tert−ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ
基等であり、好ましくは炭素数1乃至3個のメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基で
あり、特に好ましくはメトキシ基である。
【0063】「アシル基」とは、炭素数1のホルミル
基;炭素数2乃至6個のアルカノイル基であるアセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基若しくはピバロイル基
等;又は、アリール基上に一乃至三個の置換基を有して
もよいベンゾイル基等のアロイル基である。好ましくは
ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基又はベンゾイル
基である。
【0064】一般式〔I〕で示される化合物の「塩」と
は、医薬的に許容されうる塩であり、好適には医薬的に
許容されうる酸付加塩であり、例えば、塩酸塩、臭化水
素酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩等の無機酸付加
塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール
酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ク
エン酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、メタンスルホ
ン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩又はアスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラ
ギン酸塩又はグルタミン酸塩等のアミノ酸付加塩が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。又、場合に
よっては含水物あるいは水和物であってもよい。
【0065】一般式〔I〕で示される化合物の「プロド
ラッグ」とは、化学的又は代謝的に分解し得る基を有
し、加水分解や加溶媒分解によって、又は生理的条件下
で分解することによって医薬的に活性を示す本発明化合
物の誘導体である。
【0066】「制癌剤」とは、ブスルファン、カルボコ
ン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラ
ン、ナイトロジェンマスタード、チオテパ、ウラシルマ
スタード、カルムスチン(BCNU)、塩酸ニムスチン
(ACNU)、リン酸エストラムスチン等のアルキル化
剤;アザチオプリン、アンシタビン、カルモフール、ド
キシフルリジン、フルオロウラシル(5−FU)、メル
カプトプリン(6−MP)、チオイノシン、テガフー
ル、シタラビン(Ara−C)、メトトレキサート(M
TX)、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクホスフ
ァート、ペントスタチン等の代謝拮抗剤;ダクチノマイ
シン、マイトマイシンC(MMC)、ブレオマイシン
(BLM)、ダウノルビシン、アドリアマイシン(ドキ
ソルビシン)、ネオカルチノスタチン(NCS)、塩酸
イダルビシン等の抗腫瘍性抗生物質;エトポシド(VP
−16)、テニポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、
ビンブラスチン、タキソール(パクリタキセル)、塩酸
イリノテカン等の植物由来抗腫瘍性物質;シスプラチン
(CDDP)、カルボプラチン(CBDCA)、ネダプ
ラチン(NDP)等の白金錯体;プレドニゾン、プレド
ニゾロン、テストステロン、エストラムスチン、ノルエ
チステロン、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、
クエン酸トレミフェン、塩酸ファドロゾール、タモキシ
フェン等のホルモン剤、ミトキサントロン(MXT)等
のアントラサイクリン系化合物等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。好ましい制癌剤として
は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン等の
白金錯体;ダクチノマイシン、マイトマイシンC、ブレ
オマイシン、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオ
カルチノスタチン、塩酸イダルビシン等の抗腫瘍性抗生
物質;エトポシド、テニポシド、ビンデシン、ビンクリ
スチン、ビンブラスチン、タキソール、塩酸イリノテカ
ン等の植物由来抗腫瘍性物質等である。より好ましくは
シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、アドリ
アマイシン、タキソール等であり、特に好ましくはシス
プラチンである。制癌剤のカテゴリーとしては白金錯体
が最も好ましく、次いで植物由来抗腫瘍性物質が好まし
い。
【0067】
【発明の実施の形態】本発明に係る一般式〔I〕で示さ
れる化合物において、R1として好ましくは炭素数1乃
至3の低級アルコキシ基であり、特に好ましくはメトキ
シ基である。R2として好ましくは炭素数1乃至3の低
級アルコキシ基又は水素原子であり、特に好ましくは水
素原子である。Xとして好ましくは−CO−である。n
として好ましくは2である。
【0068】本発明の制癌剤耐性克服剤、制癌剤効果増
強剤及び医薬組成物における有効成分としては、好まし
くは、一般式〔I〕で示される化合物又はその塩が用い
られる。
【0069】本発明に係る一般式〔I〕で示される化合
物は、特開平4−230681号公報(国際公開WO9
2/12148号、ヨーロッパ特許565721号、米
国特許5416066号)に記載された方法に従って、
製造することができる。
【0070】本発明に係る一般式〔I〕で示される化合
物は優れた制癌剤耐性克服作用及び制癌剤効果増強作用
を有する。すなわち、本発明の制癌剤耐性克服剤あるい
は制癌剤効果増強剤を制癌剤と併用投与することによ
り、耐性化した癌に対しても制癌剤の制癌作用が発揮さ
れる。本発明化合物を制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤
効果増強剤として用いる場合、通常全身的、あるいは局
所的に、経口又は非経口で投与される。非経口投与とし
ては、静脈内投与(点滴静注を含む)、動脈内投与、筋
肉内投与、皮下投与、腹腔内投与、胸腔内投与、膀胱内
投与、髄腔内投与、経皮投与、経粘膜投与、直腸内投
与、腫瘍内投与などが挙げられる。本発明の制癌剤耐性
克服剤あるいは制癌剤効果増強剤は、制癌剤と同時に投
与してもよく、又は制癌剤の投与前若しくは投与後に投
与してもよいし、あるいは制癌剤の休薬期間中に投与し
てもよい。制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤と制
癌剤との投与経路は同じであっても、異なっていてもよ
い。
【0071】本発明の制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果
増強剤は、制癌剤と併用投与することにより、ヒトを含
む哺乳動物における肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺
癌)、大腸癌(直腸癌、結腸癌)、小腸癌、胃癌、食道
癌、肝臓癌、膵臓癌、悪性黒色腫、腎臓癌、膀胱癌、子
宮癌(子宮頸癌、子宮体癌)、卵巣癌、乳癌、骨肉腫、
悪性リンパ腫、前立腺癌、白血病(急性白血病、慢性白
血病)、骨髄腫、神経芽細胞腫、頭頸部癌、皮膚癌、睾
丸腫瘍等の癌(悪性腫瘍)の治療に使用することでき
る。
【0072】本発明において、「併用投与」とは、2種
類の薬剤を同時に、連続して、又は時間間隔をおいて投
与することを意味する。2種類の薬剤は、混合物として
投与してもよく、または別々の製剤として投与してもよ
い。別々の製剤として投与する場合、それぞれの投与経
路は同じであっても異なっていてもよい。
【0073】一般式〔I〕で示される化合物、又はその
塩若しくはそのプロドラッグの投与量は、年齢、体重、
症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる
が、通常成人一人当たり0.01mg乃至1gの範囲
で、一日一回から数回経口あるいは非経口投与される。
【0074】併用投与する制癌剤の投与量は、通常の癌
の治療に使用される投与量、又はそれより少ない投与量
でよい。また併用投与する制癌剤の投与経路は、通常の
癌の治療で用いられる投与経路と同じであってよい。
【0075】また、一般式〔I〕で示される化合物、又
はその塩若しくはそのプロドラッグと、制癌剤とを含有
する医薬組成物として投与することもできる。組成物中
における一般式〔I〕で示される化合物、又はその塩若
しくはそのプロドラッグと、制癌剤との重量比は、1:
100〜100:1の範囲であってよいが、この範囲に
限定されるわけではない。
【0076】本発明によれば、2種類の薬剤を含んでな
る癌治療用医薬キットが提供される。本発明の癌治療用
医薬キットにおいて、第一の薬剤は一般式〔I〕で示さ
れる化合物、又はその塩若しくはそのプロドラッグを含
有する制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤であ
り、第二の薬剤は制癌剤である。これら2種類の薬剤を
併用投与することによって、癌の治療、特に制癌剤に対
して耐性化した癌の治療に使用することができる。制癌
剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤は、制癌剤と同
時に投与してもよく、又は制癌剤の投与前若しくは投与
後に投与してもよいし、場合によっては、制癌剤の休薬
期間中に投与してもよい。これら制癌剤耐性克服剤ある
いは制癌剤効果増強剤の投与経路は、制癌剤の投与経路
と同じであっても、異なっていてもよい。
【0077】本発明化合物を経口投与のための固体組成
物にする場合、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等の剤形が可
能である。このような固体組成物においては、一つ又は
それ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈
剤、分散剤又は吸着剤等、例えば乳糖、マンニトール、
ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セル
ロース、澱粉、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム又は無水ケイ酸末等と混合される。
又、組成物は常法に従って、希釈剤以外の添加剤を混合
させてもよい。
【0078】錠剤又は丸剤に調製する場合は、必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又は
ヒドロキシメチルセルロースフタレート等の胃溶性ある
いは腸溶性物質のフィルムで皮膜してもよいし、二以上
の層で皮膜してもよい。さらに、ゼラチン又はエチルセ
ルロースのような物質のカプセルにしてもよい。
【0079】経口投与のための液体組成物にする場合
は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶解剤、懸濁剤、シロ
ップ剤又はエリキシル剤等の剤形が可能である。用いる
希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油又
は乳化剤等がある。又、この組成物は希釈剤以外に浸潤
剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、芳香剤又は防腐剤等のよ
うな補助剤を混合させてもよい。
【0080】非経口のための注射剤に調製する場合は、
無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤
または乳化剤を用いる。水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁
剤としては、例えば注射用水、注射用蒸留水、生理食塩
水、シクロデキストリン及びその誘導体、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、トリエチルアミン等の有機アミン類あるいは無機ア
ルカリ溶液等がある。
【0081】水溶性の溶液剤にする場合、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコールあるいはオリ
ーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール
類等を用いてもよい。又、可溶化剤として、例えばポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、蔗糖脂肪酸エステル等の
界面活性剤(混合ミセル形成)、又はレシチンあるいは
水添レシチン(リポソーム形成)等も用いられる。又、
植物油等の非水溶性の溶解剤と、レシチン、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレングリコール等からなるエマルジョン製剤に
することもできる。
【0082】非経口投与のためのその他の組成物として
は、一つ又はそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知
の方法により処方される外用液剤、軟膏のような塗布
剤、座剤又はペッサリー等にしてもよい。
【0083】
【実施例】次に、本発明化合物の製剤例について具体的
に説明する。なお、製剤化合物として4−[3−(4−
ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−
メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベ
ンゾチアゼピン
【0084】
【化17】
【0085】(以下、化合物1という。)を用いた。
【0086】実施例1 注射製剤 化合物1 10mg D−ソルビトール 1000mg クエン酸 10mg 水酸化ナトリウム 適量 注射用水を加えて20.0mlとする。
【0087】D−ソルビトール及びクエン酸を充分量の
注射用水に溶解した。得られた溶液に化合物1を溶解さ
せ、水酸化ナトリウムでpHを3.2〜3.3に調節し
た。攪拌しつつ、残りの注射用水を加えた。この溶液を
濾過し、20.0mlアンプルに詰めて封入した。次い
でアンプルの内容物をオートクレーブにかけて滅菌し
た。
【0088】実施例2 次の2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医薬キットを製
造する。 第一の薬剤 実施例1で製造した注射製剤 第二の薬剤 シスプラチン注射製剤 20.0ml
(0.5mg/ml)
【0089】次に、本発明化合物の制癌剤耐性克服効果
について具体的に説明する。なお、被験化合物として化
合物1を用いた。
【0090】実施例3 シスプラチン耐性非小細胞肺癌細胞株における被験化合
物の制癌剤感受性増強作用 ヒト非小細胞肺癌株であるPC−14及びそのシスプラ
チン耐性細胞株PC−14/CDDPを用いてシスプラ
チン、カルボプラチン、ネダプラチン及びタキソールに
対する耐性克服作用を検討した。RPMI 1640培
地中でPC−14及びPC−14/CDDPをトリプシ
ン処理により又はセルスクレイパーを用いてシングル細
胞とし、15μl当たり100個の細胞浮遊液を調製し
た。これに化合物1をジメチルスルホキシドに溶解させ
て、最終濃度10μMとなるように加え、これを96穴
プレートに1ウェル当たり150μlづつ入れた。制癌
剤を滅菌蒸留水に溶解させて一列目より150μl加
え、二列目以降に150μlづつ移していき2倍希釈列
を作った。陰性対照として細胞を加えない群を、又陽性
対照として制癌剤及び化合物1を加えない群を調製し
た。37℃、5%二酸化炭素濃度、飽和水蒸気の条件下
で96時間培養した後、D−PBS(−)に5mg/m
lの濃度で溶解させたMTT〔3-(4,5-dimethylthiazol
-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide〕試薬を20
μl加えて、37℃で更に4時間培養した。培養終了
後、プレートごと遠心し、上清を捨てた。200μlの
ジメチルスルホキシドを加えて、細胞内のミトコンドリ
アの酵素活性により生成したホルマザン結晶を溶解さ
せ、562〜630nmの吸光度をマルチプレートリー
ダーを用いて測定した。陰性対照の平均発育率を0%、
陽性対照の平均発育率を100%として用量発育曲線を
描き、50%細胞発育抑制濃度(IC50)を算出した。
これを表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】上記の結果から明らかなように、化合物1
はシスプラチン耐性肺癌細胞株(PC−14/CDD
P)のシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン及
びタキソールに対する耐性を低下させ、これらの制癌剤
に対する感受性を増加させる作用を示した。
【0093】実施例4 アドリアマイシン耐性ヒト白血病細胞株における被験化
合物の制癌剤感受性増強作用 ヒト前骨髄性白血病細胞株であるK562及びそのアド
リアマイシン耐性細胞株K562/ADMを用いてアド
リアマイシンに対する耐性克服作用を検討した。方法
は、癌細胞としてK562及びK562/ADM、制癌
剤としてアドリアマイシンを用いたこと以外は実施例3
と同様の方法を行い、50%細胞発育抑制濃度(I
50)を算出した。これを表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】上記の結果から明らかなように、化合物1
はアドリアマイシン耐性白血病細胞株(K562/AD
M)のアドリアマイシンに対する耐性を低下させ、アド
リアマイシンに対する感受性を増加させる作用を示し
た。
【0096】実施例5 ヌードマウス担癌モデルにおけるシスプラチンの腫瘍発
育抑制効果に対する増強作用 雌性ヌードマウスBALB/c nu/nu(6週齢)に2×107
のPC−14/CDDP細胞と親株であるPC−14細
胞を生理食塩水浮遊液とし、背部皮下に植え込んで生着
の経過を観察した。移植後7日目に腫瘍の状態を確認し
て試験可能な個体を選出し、偏りが生じないように各個
体のランダマイズを行って、コントロール群と被験群に
分けた。各々の腫瘍体積を(腫瘍短径)2×(腫瘍長
径)で決定後、第7日目より薬剤投与を開始した。
【0097】被験化合物として化合物1を用い、その
1.2mgを0.05mlのジメチルスルホキシドに溶
解させ、0.95mlの5%ソルビトール−0.2%ク
エン酸1水和物溶液(pH3.3)を加えて均一な溶液
とした。
【0098】また、制癌剤としてシスプラチンを用い、
蒸留水にて1.6mg/mlの溶液を調製した。
【0099】投与法は、腫瘍移植後7日目、11日目、
15日目に、一日一回、被験化合物溶液0.05ml及
び制癌剤溶液0.05mlを同時に静注投与した。な
お、コントロール群には生理食塩水を0.1ml静注投
与し、制癌剤単独投与群には制癌剤溶液0.05ml及
び生理食塩水0.05mlを静注投与した。被験化合物
の用量は一回3mg/kg、制癌剤の用量は一回4mg
/kgであった。薬剤投与中にマウスの全身状態の観
察、体重及び腫瘍の長短径を測定した。腫瘍発育率(G
R)及び抗腫瘍効果(lowestT/C)をそれぞれ以下の
計算式により算出した。これらを表3に示す。
【0100】
【数1】
【0101】
【表3】
【0102】ヌードマウス担癌モデルにおける実験にお
いても、化合物1をシスプラチンと併用することによっ
て、シスプラチン耐性癌細胞株(PC−14/CDD
P)に対して腫瘍発育を抑制する効果を示した。これ
は、化合物1がシスプラチンに対する癌細胞の耐性を低
下させ、シスプラチンに対する感受性を増加させる作用
を有することを示す。
【0103】
【発明の効果】本発明に係る一般式〔I〕で示される化
合物は、上記実施例からも明らかな通り、種々の制癌剤
の耐性を克服する作用を有するだけでなく、制癌剤感受
性細胞に対する各種制癌剤の効果を増強する作用を有す
る。従って、耐性化した細胞は勿論、感受性細胞に対し
ても優れた効果を有し、特に、制癌剤に対して耐性化し
た癌の治療において、極めて有効な薬剤となることが期
待される。このように、一般式〔I〕で示される化合物
と制癌剤とを含有する本発明の医薬組成物は、癌の治
療、特に制癌剤に対して耐性化した癌の治療に有効であ
る。また、本発明の医薬キットは、制癌剤耐性克服剤又
は制癌剤効果増強剤と制癌剤との併用投与に適してお
り、制癌剤に対して耐性化した癌の治療に特に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 101 A61K 45/00 101 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 121 43/00 121 123 123 // C07D 417/06 C07D 417/06 (72)発明者 中村 貴 東京都練馬区光が丘6−1−4−607 Fターム(参考) 4C063 AA01 AA03 BB01 BB03 BB04 CC66 DD06 DD10 EE01 4C084 AA16 BA44 BA50 CA13 CA59 ZB262 ZC751 4C086 AA01 AA02 CB30 GA07 GA10 GA12 MA01 NA05 NA15 ZB26 ZC75 4C206 AA01 AA02 JB16 JB17 ZB26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔式中、R1は水素原子又は低級アルコキシ基を表し、
    2は水素原子、低級アルコキシ基、フェニル基(該フ
    ェニル基は水酸基及び低級アルコキシ基からなる群より
    選ばれる1乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、 【化2】 (ここで、R3はアシル基を表す。)を表し、Xは−C
    O−又は−CH2−を表し、nは1又は2を表す。〕で
    示される化合物、又はその塩若しくはそのプロドラッグ
    を含有してなる制癌剤耐性克服剤。
  2. 【請求項2】 該化合物が4−[3−(4−ベンジルピ
    ペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−
    2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼ
    ピンである請求項1に記載の制癌剤耐性克服剤。
  3. 【請求項3】 制癌剤が白金錯体、植物由来抗腫瘍性物
    質又は抗腫瘍性抗生物質である請求項1又は2に記載の
    制癌剤耐性克服剤。
  4. 【請求項4】 制癌剤がシスプラチン、カルボプラチ
    ン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソールで
    ある請求項3に記載の制癌剤耐性克服剤。
  5. 【請求項5】 一般式〔I〕 【化3】 〔式中、R1は水素原子又は低級アルコキシ基を表し、
    2は水素原子、低級アルコキシ基、フェニル基(該フ
    ェニル基は水酸基及び低級アルコキシ基からなる群より
    選ばれる1乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、 【化4】 (ここで、R3はアシル基を表す。)を表し、Xは−C
    O−又は−CH2−を表し、nは1又は2を表す。〕で
    示される化合物、又はその塩若しくはそのプロドラッグ
    を含有してなる制癌剤効果増強剤。
  6. 【請求項6】 該化合物が4−[3−(4−ベンジルピ
    ペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−
    2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼ
    ピンである請求項5に記載の制癌剤効果増強剤。
  7. 【請求項7】 制癌剤が白金錯体、植物由来抗腫瘍性物
    質又は抗腫瘍性抗生物質である請求項5又は6に記載の
    制癌剤効果増強剤。
  8. 【請求項8】 制癌剤がシスプラチン、カルボプラチ
    ン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソールで
    ある請求項7に記載の制癌剤効果増強剤。
  9. 【請求項9】 一般式〔I〕 【化5】 〔式中、R1は水素原子又は低級アルコキシ基を表し、
    2は水素原子、低級アルコキシ基、フェニル基(該フ
    ェニル基は水酸基及び低級アルコキシ基からなる群より
    選ばれる1乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、 【化6】 (ここで、R3はアシル基を表す。)を表し、Xは−C
    O−又は−CH2−を表し、nは1又は2を表す。〕で
    示される化合物、又はその塩若しくはそのプロドラッグ
    と、制癌剤とを含有する医薬組成物。
  10. 【請求項10】 該化合物が4−[3−(4−ベンジル
    ピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ
    −2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチア
    ゼピンである請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 制癌剤が白金錯体、植物由来抗腫瘍性
    物質又は抗腫瘍性抗生物質である請求項9又は10に記
    載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 制癌剤がシスプラチン、カルボプラチ
    ン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソールで
    ある請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医
    薬キットであって、第一の薬剤が請求項1に記載の制癌
    剤耐性克服剤であり、第二の薬剤が制癌剤である癌治療
    用医薬キット。
  14. 【請求項14】 2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医
    薬キットであって、第一の薬剤が請求項5に記載の制癌
    剤効果増強剤であり、第二の薬剤が制癌剤である癌治療
    用医薬キット。
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