JP2012131710A - 制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体に対する影響が少なく、安全性が高い制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍増強剤の提供。
【解決手段】次の一般式〔I〕:
Figure 2012131710

で示される4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有し、制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤及び制癌剤耐性克服剤となる。この抗腫瘍効果増強剤び制癌剤耐性克服剤は、生体に対する影響が少なくして、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して、抗腫瘍効果増強作用及び制癌剤耐性克服作用を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤に関し、特に、制癌剤と併用することによって、1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド誘導体を含有するヒトを含む哺乳動物の制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤に関する。
癌には、制癌剤感受性の比較的高い癌と低い癌があり、前者には小細胞癌、卵巣癌、乳癌などがあり、後者には非小細胞癌、胃癌、大腸癌などがある。また、一つの癌であっても制癌剤に対して、高感受性及び低感受性の細胞が混在しており、制癌剤で癌を治療すると、感受性の高い細胞は消失し、感受性の低い細胞が残存する。さらに制癌剤の投与により、癌細胞が耐性を獲得すると、癌細胞の増殖を阻害できず、制癌剤が効かない制癌剤耐性癌細胞が出現する。
癌細胞が制癌剤耐性癌になると、化学療法を用いても癌細胞の増殖を阻害できず、化学療法を極めて困難なものにする。
すでにこれまでに、制癌剤耐性克服剤および制癌剤耐性効果増強剤について、多くの候補物質が挙げられてきた。耐性克服剤として、例えば、MS−209やカルシウム拮抗薬のベラパミル、ニフェジピン等が挙げられる。また、K201又はJTV−519と呼ばれている4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4―ベンゾチアゼピン又はその薬学的に許容される塩(以下、K201という。)が、制癌剤耐性克服剤及び制癌剤耐性効果増強剤であることが開示されている(特許文献1)。また、カルシウム拮抗薬ベラパミルやニフェジピンが、in vitroで、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して耐性克服作用を有することが知られている(非特許文献1)。さらに、カルシウム拮抗作用の弱い多剤耐性克服剤として、MS−209が知られている(非特許文献2)。MS−209はP糖蛋白質と直接結合して、P糖蛋白質への制癌剤の結合を阻害することにより耐性を克服していると考えられている。ベラパミルやシクロスポリンAはP糖蛋白質の制癌剤結合部位に競合的に阻害して耐性を克服すると推察されている。
制癌剤耐性を獲得した癌細胞に対して、耐性克服剤を投与し、制癌作用が増強されれば、癌治療にとってきわめて有効である。
特許第4041642号公報
〔CancerRes.,41, 1967-1972, (1981)〕 〔Cancer Chemother. Pharmacol., 35,271-277 (1995)、Cancer Chemother. Pharmacol., 36,361-367 (1995)〕
しかし、実際には、耐性克服剤の投与についても限界がある。例えば、制癌剤耐性克服作用が知られているカルシウム拮抗薬のベラパミルやニフェジピンについては、そのin vitroで有効とされる量は、動物やヒトにおいて、通常投与される量に比べ多量であり、血圧低下などの重篤な作用により、投与することは困難である。このように、制癌剤耐性克服剤として候補に挙げられる薬剤や癌細胞増殖阻害剤は、生体に対して影響が少ない安全性の高い薬剤であることも極めて重要な要素となる。
制癌剤耐性を有する癌細胞では、細胞膜変化による薬剤の取り込みの低下、P糖蛋白質や多剤耐性関連蛋白(MRP)などによる薬剤排出の亢進、P−450などの薬物活性化酵素の活性低下、解毒酵素の活性上昇、制癌剤の解毒に関与する還元型グルタチオン(GSH)濃度の上昇などが認められている。
また、制癌剤に対して耐性を獲得した癌細胞の中には、他の薬剤に対しても耐性を示すことがある。これを多剤耐性(multidrug
resistance;MDR)という。多剤耐性を獲得した癌細胞では、分子量170kDのP糖蛋白質を高発現していることが知られている。
従来の耐性克服剤は、P糖蛋白質や多剤耐性関連蛋白(MRP)が関与する、いわゆるMDRに対する耐性克服剤であった。カルシウム拮抗剤については、ベラパミルでの制癌剤耐性克服作用もMDRに関連しているといわれ、シスプラチン耐性には動物実験で無効であったと報告されている。また、ベラパミルについては、MDRに対する小児での臨床試験が組まれたが、血圧低下(徐脈)のため治験は中止となったとの報告もある。
P糖蛋白質は多くの正常細胞にも存在し、排泄機構に関与している。制癌剤に対しては、P糖蛋白質はATPのエネルギーを利用して種々の制癌剤を細胞外に排出するポンプ機能を持ち、制癌剤の細胞内濃度を低下させて細胞を制癌剤に対し耐性化させる。癌種によっては、P糖蛋白質の発現の亢進している大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、腎臓癌や再発とともにP糖蛋白質の発現が亢進してくる急性白血病、悪性リンパ腫、神経芽細胞腫等があり、またP糖蛋白質の発現の少ない乳癌、頭頸部癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、黒色腫等が知られている。
1981年にカルシウム拮抗剤であるベラパミルが多剤耐性を克服することが見出された(非特許文献1)。その後、いくつかのカルシウム拮抗薬やカルモジュリン拮抗薬などにも制癌剤耐性克服作用があることが明らかになった。また、免疫抑制剤であるシクロスポリンAにも制癌剤耐性克服作用があることが明らかになった。また、カルシウム拮抗作用の弱い多剤耐性克服剤として、MS−209が知られている(非特許文献2)。MS−209はP糖蛋白質と直接結合して、P糖蛋白質への制癌剤の結合を阻害することにより耐性を克服していると考えられている。ベラパミルやシクロスポリンAは、P糖蛋白質の制癌剤結合部位に対し競合的に阻害して制癌剤耐性を克服すると推察されている。これらのカルシウム拮抗剤や免疫抑制剤はその薬剤が本来的に有するカルシウム拮抗作用や免疫抑制作用が副作用として重篤で、臨床的に使用するには問題がある。
また、抗癌剤による治療法が確立するに従い、癌の種類によってはかなりの頻度で、患者の社会生活への復帰が可能となっている。しかし、癌細胞が、これら抗癌剤の投与により、あるいは、自然発生的に、制癌剤に対する耐性を有し、結果として、癌患者の生命予後に重大な影響を与えることも少なくない。
以上のように、制癌剤耐性を克服することは、癌治療の上で重要な課題であるが、制癌剤耐性克服作用を有する薬剤の多くは比較的強い毒性を有しており問題とされている。癌治療において、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して耐性克服作用を有して、生体に使用して毒性が少ない耐性克服剤の出現が渇望されている。
プラチナのアナログであるシスプラチンやカルボプラチン、ネダプラチンなどの白金製剤は固形がんにおいて重要な薬剤である。プラチナ製剤に対する制癌剤耐性の克服は癌治療の重要な要件である。制癌剤耐性を有する癌ではシスプラチン排出がおこなわれていることが推定され、PC14におけるシスプラチン耐性では、細胞内シスプラチン量が減少している。これに対し4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン又はその薬学的に許容しうる塩(以下、K201という)を、有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤が、シスプラチン耐性癌細胞において、細胞内のシスプラチン濃度を高める作用があることは、既に開示されている(特許文献1)。
本発明は、毒性が少ない、制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤を提供することを目的としている。
本発明者は、次の一般式〔I〕:
Figure 2012131710
で示される4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩が、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して、制癌剤と併用して投与して、制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖を抑制し、生体に対する影響が弱く、安全性の高いことを発見して、本発明に至った。
即ち、本発明は、4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤にあり、また、本発明は、4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩、及び制癌剤を有効成分として含有することを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤にあり、さらに、本発明は、2種類の薬剤を含む制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤キットであって、第一の薬剤が4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩であり、第二の薬剤が制癌剤であることを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤キットにある。
4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容される塩(以下、M201という)は、2010年9月2日に国際公開番号:WO2010/098080A1号公報において、国際公開された化合物であり、該化合物の赤外線吸収、核磁気共鳴吸収及び質量分析の測定結果は以下のとおりである。
IR(cm−1)3452,2912,1643,1022、
H−NMR(CDCl 300MHZ)δ 1.1−2.95(17H,m),3.78(3H,s),3.86−4.16(2H,m),4.65(2H,s),6.8−7.65(8H,m)
MS(FD−MS):44.1(M
M201は、心筋の弛緩作用を有し、拡張障害治療、高血圧治療薬など心疾患についての治療薬としての用途を有する。しかしながら、国際公開番号:WO2010/098080A1号公報には、M201が制癌剤耐性を有する抗腫瘍効果増強剤であることについては全く開示していない。
本発明は、M201が、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して、制癌剤と併用して投与されたとき、制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖を抑制すること、生体に対する影響が弱く、安全性が高いことについての発見に基づくものである。
また、M201は、次の一般式〔II〕:
Figure 2012131710
で示される4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン又はその薬学的に許容される塩(以下、K201という)の代謝物の一であるが、K201を酸化反応により酸化することによっても製造することができる。
M201は、制癌剤と併用して初めて強い、制癌剤耐性癌細胞の増殖抑制作用を発揮する。これに対してK201は、単独で使用した場合、制癌剤耐性を有する癌細胞の生育を抑制するが、制癌剤と併用した際の制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖抑制作用はM201に比し弱い。
このことは、制癌剤による副作用が強く出る場合は、K201と制癌剤を併用するよりも、安全性の高いM201と制癌剤とを併用する方が、より効果的にかつ安全に制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖を抑制できることを意味する。
また、M201はK201の生体内代謝物であるが、K201を酸化してM201を化学反応で製造する方が、K201の生体内での代謝により、M201を製造するよりも、M201を大量に製造できるので、K201を投与して体内でM201を生成させるよりも、M201を化学反応で製造する方がM201の投与量を大きくすることができ、制癌剤による治療効率を向上させることができる。
4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド誘導体又はその薬学的に許容しうる塩(M201)を、有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤を制癌剤と併用する場合、4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン又はその薬学的に許容しうる塩(K201)を、有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤を制癌剤と併用する場合より治療効果が高く、さらに生体への影響が少なく、安全性が高いことが分かった。
また、K201を投与して生体内でM201を生成させる場合は、K201の副作用により、K201の投与量は制限されるから、その治療効果は自ずと限度があり、K201の投与量を越えて治療効果の拡大を望むことはできない。
しかし、M201をK201から化学反応により製造する場合は、K201から生体内での代謝によりM201を製造するよりも、K201の副作用を受けずにM201を大量に製造することができる。さらに、M201は、K201より副作用が少なく、生体への安全性が高いから、その分投与量を増加できることとなり、生体内のM201濃度を高めて治療効果を増すことができる。
本発明において、M201と併用される制癌剤としては、白金錯体、植物由来抗腫瘍性物質又は抗腫瘍性抗生物質がある。また、M201と併用される制癌剤としては、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、アドリアマイシン又はタキソールがある。
本発明は、M201を有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤及び抗腫瘍効果増強剤にある。
本発明において、2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医薬キットであって、第一の薬剤がM201であり、第二の薬剤が制癌剤である癌治療用医薬キットにある。
本発明を説明するために本明細書において使用する用語の定義は次の通りである。
制癌剤耐性克服剤」とは、制癌剤に対する癌細胞の耐性を低下させる作用を有する薬剤を意味し、これは、即ち、制癌剤耐性を獲得した癌細胞の制癌剤に対する感受性を増加させる作用を有する薬剤をも意味する。この場合、「感受性の増加」とは、制癌剤耐性細胞に対する制癌剤の効果レベルを、制癌剤感受性細胞に対する効果レベル以上に上昇させるのみならず、制癌剤耐性細胞に対する制癌剤の効果レベルを制癌剤感受性細胞に対する効果レベルとほぼ同等まで上昇させることも含む。また、「耐性克服」と同義語として「耐性抑制」、「耐性解除」、「抵抗性解除」、「感受性増強」等を挙げることができる。
また、本発明において、「制癌剤効果増強剤」とは、制癌剤と併用することによって制癌剤の活性、言い換えれば制癌剤それ自体が有する制癌効果を増強する薬剤である。この場合、増強とは制癌剤耐性細胞に対する制癌剤の効果レベルを制癌剤感受性細胞に対する効果レベル以上に上昇させるのみならず、未だ耐性化していない癌細胞の制癌剤に対する感受性を高めることも意味する。
したがって、本発明において、制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤の用語は、当該薬剤を用いることにより、制癌剤耐性を獲得した癌細胞について、制癌剤に対する感受性を増加させることができるばかりでなく、制癌剤の投与量を低減したり、あるいは、制癌剤の投与間隔を延長したりすることを可能にする薬剤を意味する。
本発明において、M201における「薬学的に許容される塩」とは、医薬的に許容されうる塩であり、好適には医薬的に許容されうる酸付加塩であって、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩等の無機酸付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩又はアスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩等のアミノ酸付加塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。又、場合によっては含水物あるいは水和物であってもよい。
本発明において、「制癌剤」とは、ブスルファン、カルボコン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ナイトロジェンマスタード、チオテパ、ウラシルマスタード、カルムスチン(BCNU)、塩酸ニムスチン(ACNU)、リン酸エストラムスチン等のアルキル化剤;アザチオプリン、アンシタビン、カルモフール、ドキシフルリジン、フルオロウラシル(5−FU)、メルカプトプリン(6−MP)、チオイノシン、テガフール、シタラビン(Ara−C)、メトトレキサート(MTX)、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクホスファート、ペントスタチン等の代謝拮抗剤;ダクチノマイシン、マイトマイシンC(MMC)、ブレオマイシン(BLM)、ダウノルビシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ネオカルチノスタチン(NCS)、塩酸イダルビシン等の抗腫瘍性抗生物質;エトポシド(VP−16)、テニポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール(パクリタキセル)、塩酸イリノテカン等の植物由来抗腫瘍性物質;シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン(CBDCA)、ネダプラチン(NDP)等の白金錯体;プレドニゾン、プレドニゾロン、テストステロン、エストラムスチン、ノルエチステロン、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸トレミフェン、塩酸ファドロゾール、タモキシフェン等のホルモン剤、ミトキサントロン(MXT)等のアントラサイクリン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい制癌剤としては、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン等の白金錯体;ダクチノマイシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、塩酸イダルビシン等の抗腫瘍性抗生物質;エトポシド、テニポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、塩酸イリノテカン等の植物由来抗腫瘍性物質等である。より好ましくはシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、アドリアマイシン、タキソール等であり、特に好ましくはシスプラチンである。制癌剤のカテゴリーとしては白金錯体が最も好ましく、次いで植物由来抗腫瘍性物質が好ましい。
本発明は、上記一般式〔1〕で示される4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド又はその薬学的に許容され得る塩、即ち、「M201」を有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤及び抗腫瘍効果増強剤をその要旨とするものであり、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して、制癌剤と併用して投与した場合、制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖を抑制することができ、しかも、生体に対する影響が少なく、安全性が高く、癌治療に有効である。さらにK201に比べて制癌剤を併用した際の細胞増殖阻害作用が強く、K201に比べ生体に対する影響が少なく、K201の投与に比べ、M201の投与量を増加することができ、癌に対し制癌剤耐性克服剤及び抗腫瘍効果増強剤としての働きを大きくして、高い治療効果を得ることができる。
図1は、シスプラチン10μMを非耐性株、耐性株に加えた際の生存率を示す図である。 図2は、M201及びK201のシスプラチン耐性株に対する抗腫瘍効果増強作用の比較図である。 図3は、M201及びK201に対する繊維芽細胞の生存率を示す図である。 図4は、M201、K201及びベラパミルの正常ラットの循環動態、特にダブルプロダクトに及ぼす影響を示す図である。 図5は、K201を酸化してM201を製造する反応経路を示す図である。
本発明は、次の一般式〔I〕:
Figure 2012131710
で表される4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5−テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-1-オキシド若しくはその薬学的に許容される塩、即ちM201を有効成分として含有することを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤及び制癌剤耐性克服剤にある。
本発明の化合物は、塩基性の窒素原子を有しているので、この位置において、酸付加塩を形成させることができる。この酸付加塩を形成させるための酸として は、薬学的に許容されるものであれば特に制限はない。本発明の好ましい酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩等の
無機酸付加塩;シュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩又はアスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩等のアミノ酸付加塩などが挙げられる。また、本発明の化合物又はその酸付加塩は、水和物のような溶媒和物であってもよい。
本発明の化合物において、へテロ環の硫黄(S)と酸素(O)の結合(SO)は、強い電気陰性を示す極性原子団を形成し、配位結合であるから、硫黄と酸素の
結合については、配位結合であることを示すために、へテロ環S→Oの矢印で示すことができ、また、この配位結合は、へテロ環S−Oで示すことができる。
本発明において、M201は、母体化合物のK201で表される化合物を適当な酸化剤で酸化することにより製造することができる。
K201を酸化してM201を製造する方法。
K201を酸化する酸化剤としては、過 酸、例えば、過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)などを使用することができる。溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素などを適宜使用することができる。反応温度はスルホンまでの酸化を防止するために低温、例えば、0℃から5℃程度が好ましい。反応混合物か ら、抽出操作やクロマトグラフィーや蒸留などの公知の分離精製手段により、目的物を分離精製することができる。本発明の化合物において、へテロ環の硫黄(S)と酸素(O)の結合(SO)は、強い電気陰性を示す極性原子団を形成し、配位結合であるから、硫黄と酸素の
結合については、配位結合であることを示すために、へテロ環S→Oの矢印で示すことができ、また、この配位接合は、へテロ環S−Oで示すことができる。
本発明のM201で表される化合物は、K201で表される化合物を適当な酸化剤で酸化することにより製造することができる。
本発明において、例えば、M201の4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4―ベンゾチアゼピン-1-オキシドは、次の反応経路で、K201を 酸化することにより製造することができる。
[化4]
Figure 2012131710
上記の反応経路により、例えば、K201の4−[3−(4−ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピンのヘテロ環の硫黄を、クロロホルム(CHCl)溶媒中で、酸化剤のメタクロロ過安息香酸(mCPBA)により、酸化することにより製造することができる。
この場合、K201の4−[3−(4−ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン塩酸塩を、クロロホルム溶媒中で、酸化剤のメタクロロ過安息香酸(mCPBA)により酸化することにより、4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベ
ンゾチアゼピン-1-オキシド、即ちM201が製造される。ここで製造されたM201は、移動相としてクロロホルム-メタノール混合液を使用して、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離し、次いで、分離されたクロロホルム-メタノール共沸溶媒から溶媒を留出し、さらにアルゴン中で残留溶媒を駆出して最終製品とする。このようにして得られたM201は、90%以上の純度を有しており、440.61の分子量を有し、アモルファスであり、室温で酸素及び湿度並びに酸及びアルカリに安定であり、エタノール及びジメチルスルホキシド(DMSO)に易溶であり、皮膚刺激性を有している。また、本発明のM201のシュウ酸塩
は、530.65の分子量を有し、純度90%以上で、167〜168℃の融点を有する結晶であり、水、エタノール及びジメチルスルホキシドに可溶である。H−NMRの室温における測定で、アミド部分における立体異性体が約2:3の割合で存在することが確認されている。
M201をK201から代謝反応により製造する場合は、例えば、ラット又はイヌに、その母体化合物であるK201の1,4-ベンゾチアゼピン誘導体を投与し、得られた尿及び糞に、水を加 えてホモジネートし、その上清を、オクタデシル基を化学結合させたシリカゲル(ODS)を用いる逆相カラムを使用して、移動相は、A液として、0.1%ト
リフルオロ酢酸(TFA)含有の水を用い、B液として、0.1派TFA含有のアセトニトリルを用いて、グラジエント溶離を用いる高速液体クロマトグラ フィーにより、保持時間19〜22分で成分分離した。分離された成分は、マススペクトロメトリーにより、質量荷電比(m/Z)は457であった。なお、M201も、本発明のK201と同様の手法で、グラジエント溶離を用いる高速液体クロマトグラフィーにより、保持時間27〜30分で
成分分離して得ることができる。
使用試薬
K201:LotNo.31T−5−70902
mCPBA(Aldrich):LotNo.06620LD,MKAA2829
NaSO(和光純薬):特級LotNo.CDK3045
NaOH(関東化学):LotNo.011X6017
CHC1(和光純薬):特急LotNo.CDJ5078
NaSO.(和光純薬):特急LotNo.CDQ5139
シリカゲル(関東化学):LotNo.010101201
総括
K201(LotNo.31TL5−70902)107.70gを用いて,反応及び絡む生成を行った結果,終了55.55g,収率53.9%,HPLC純度99.56area%(スルホン体:0.40面積%)でM201を得ることができた(Lot No.091019A)
本発明の制癌剤耐性克服剤及び制癌剤効果増強剤及び医薬組成物における有効成分としては、一般式〔1〕で示される4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4―ベンゾチアゼピン-1-オキシド化合物又はその塩(M201)が用いられる。
本発明において、M201は優れた制癌剤耐性克服作用及び制癌剤効果増強作用を有する。すなわち、本発明の制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤は、制癌剤と併用投与することにより、耐性化した癌細胞に対しても制癌剤の制癌作用が発揮される。本発明化合物を制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤として用いる場合、通常全身的、あるいは局所的に、経口又は非経口で投与される。非経口投与としては、静脈内投与(点滴静注を含む)、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、腹腔内投与、胸腔内投与、膀胱内投与、髄腔内投与、経皮投与、経粘膜投与、直腸内投与、腫瘍内投与などが挙げられる。本発明の制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤は、制癌剤と同時に投与してもよく、又は制癌剤の投与前若しくは投与後に投与してもよいし、あるいは制癌剤の休薬期間中に投与してもよい。制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤と制癌剤との投与経路は同じであっても、異なっていてもよい。
本発明の制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤は、制癌剤と併用投与することにより、ヒトを含む哺乳動物における肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、大腸癌(直腸癌、結腸癌)、小腸癌、胃癌、食道癌、肝臓癌、膵臓癌、悪性黒色腫、腎臓癌、膀胱癌、子宮癌(子宮頸癌、子宮体癌)、卵巣癌、乳癌、骨肉腫、悪性リンパ腫、前立腺癌、白血病(急性白血病、慢性白血病)、骨髄腫、神経芽細胞腫、頭頸部癌、皮膚癌、睾丸腫瘍等の癌(悪性腫瘍)の治療に使用することできる。
本発明において、「併用投与」とは、2種類の薬剤を同時に、連続して、又は時間間隔をおいて投与することを意味する。2種類の薬剤は、混合物として投与してもよく、または別々の製剤として投与してもよい。別々の製剤として投与する場合、それぞれの投与経路は同じであっても異なっていてもよい。
本発明において、M201の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人当たり0.01mg乃至1gの範囲で、一日一回から数回経口あるいは非経口投与される。
併用投与する制癌剤の投与量は、通常の癌の治療に使用される投与量、又はそれより少ない投与量でよい。また併用投与する制癌剤の投与経路は、通常の癌の治療で用いられる投与経路と同じであってよい。
また、本発明において、M201と、制癌剤とを含有する医薬組成物として投与することもできる。この場合、組成物中におけるM201と、制癌剤との重量比は、1:100〜100:1の範囲であってよいが、この範囲に限定されるものではない。
本発明によれば、2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医薬キットが提供される。本発明の癌治療用医薬キットにおいて、第一の薬剤は、M201を含有する制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤であり、第二の薬剤は制癌剤である。これら2種類の薬剤を併用投与することによって、癌の治療、特に制癌剤に対して耐性化した癌の治療に使用することができる。制癌剤耐性克服剤あるいは制癌剤効果増強剤は、制癌剤と同時に投与してもよく、又は制癌剤の投与前若しくは投与後に投与してもよいし、場合によっては、制癌剤の休薬期間中に投与してもよい。これら制癌剤耐性克服剤又は制癌剤効果増強剤の投与経路は、制癌剤の投与経路と同じであっても、異なっていてもよい。
M201を経口投与のための固体組成物にする場合、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等の剤形が可能である。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、分散剤又は吸着剤等、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セルロース、澱粉、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム又は無水ケイ酸末等と混合される。又、組成物は常法に従って、希釈剤以外の添加剤を混合させてもよい。
錠剤又は丸剤に調製する場合は、必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシメチルセルロースフタレート等の胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで皮膜してもよいし、二以上の層で皮膜してもよい。さらに、ゼラチン又はエチルセルロースのような物質のカプセルにしてもよい。
経口投与のための液体組成物にする場合は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶解剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等の剤形が可能である。用いる希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油又は乳化剤等がある。又、この組成物は希釈剤以外に浸潤剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、芳香剤又は防腐剤等のような補助剤を混合させてもよい。
非経口のための注射剤に調製する場合は、無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤または乳化剤を用いる。水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤としては、例えば、注射用水、注射用蒸留水、生理食塩水、シクロデキストリン及びその誘導体、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエチルアミン等の有機アミン類あるいは無機アルカリ溶液等がある。
水溶性の溶液剤にする場合、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールあるいはオリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類等を用いてもよい。又、可溶化剤として、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、蔗糖脂肪酸エステル等の界面活性剤(混合ミセル形成)、又はレシチンあるいは水添レシチン(リポソーム形成)等も用いられる。又、植物油等の非水溶性の溶解剤と、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等からなるエマルジョン製剤にすることもできる。
非経口投与のためのその他の組成物としては、一つ又はそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により処方される外用液剤、軟膏のような塗布剤、座剤又はペッサリー等にしてもよい。
本発明の医薬組成物を経口投与のための固体組成物にする場合には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等の剤形が可能である。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、分散剤又は吸着剤等、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、
微晶性セルロース、澱粉、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム又は無水ケイ酸末等と混合され、常法にしたがって製造することができ る。
錠剤又は丸剤に調製する場合は、必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシメチルセルロースフタレート等の胃溶性あるいは腸
溶性物質のフィルムで皮膜してもよいし、二以上の層で皮膜してもよい。さらに、ゼラチン又はエチルセルロースのような物質のカプセルにしてもよい。
経口投与のための液体組成物にする場合は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶解剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等の剤形が可能である。用いる希釈剤と
しては、例えば精製水、エタノール、植物油又は乳化剤等がある。又、この組成物は希釈剤以外に浸潤剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、芳香剤又は防腐剤等のよう な補助剤を混合させてもよい。
非経口のための注射剤に調製する場合は、無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤または乳化剤を用いる。水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤とし
ては、例えば注射用水、注射用蒸留水、生理食塩水、シクロデキストリン及びその誘導体、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミ ン、トリエチルアミン等の有機アミン類あるいは無機アルカリ溶液等がある。
水溶性の溶液剤にする場合、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールあるいはオリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類等を用いてもよい。又、可溶化剤として、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、蔗糖脂肪酸エステル等の界面活性剤(混合ミセル形成)、又はレシチンあるいは 水添レシチン(リポソーム形成)等も用いられる。又、植物油等の非水溶性の溶解剤と、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコール等からなるエマルジョン製剤にすることもできる。
本発明において、M201は、遊離の化合物として、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人当たり0.1mg乃至1g、好ましくは0.1mg
乃至0.5gの範囲で、一日一回から数回に分けて経口あるいは非経口投与することができる。
以下に、本発明の一実施例をあげて、本発明について更に具体的に説明するが、ここでの例示及び説明により、何ら限定されるものではない。
シスプラチン非耐性株およびシスプラチン耐性株に対するシスプラチンの制癌作用
シスプラチン非耐性株およびシスプラチン耐性株に対するシスプラチンの非小細胞肺癌細胞株における制癌剤感受性増強作用を調べるために、ヒト非小細胞肺癌株であるPC−14及びそのシスプラチン耐性細胞株PC−14/CDDPを用いてシスプラチンに対する制癌作用を検討した。シスプラチン耐性株は、シスプラチン投与下での段階的濃度上昇により、作成した。
RPMI 1640培地中でPC−14及びPC−14/CDDPをトリプシン処理により又はセルスクレイパーを用いてシングル細胞とし、15μl当たり100個の細胞浮遊液を調製した。これを96穴プレートに1ウェル当たり150μlづつ入れた。また、制癌剤(シスプラチン)を最終濃度0、1,5,10μMになるように、滅菌蒸留水に溶解させて150μl加えた。陰性対照として細胞を加えない群を調製した。37℃、5%二酸化炭素濃度、飽和水蒸気の条件下で72時間培養した後、D−PBS(−)に5mg/mlの濃度で溶解させたMTT〔3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)2,5−ジフぇニルテトラゾリウムブロマイド〕試薬を20μl加えて、37℃で更に4時間培養した。培養終了後、プレートごと遠心し、上清を捨てた。200μlのジメチルスルホキシドを加えて、細胞内のミトコンドリアの酵素活性により生成したホルマザン結晶を溶解させ、562〜630nmの吸光度をマルチプレートリーダーを用いて測定した。シスプラチン濃度が0μMを対照とした平均発育率を100%として、非耐性株および耐性株に対する10μMシスプラチン投与後の生存率を算出した。非耐性株の生存率は31%であり、耐性株の生存率は65%であった。この結果のシスプラチン10μMを非耐性株、耐性株に加えた際の生存率を図1に示す。
M201およびK201のシスプラチン耐性株に対する抗腫瘍効果増強作用の比較
シスプラチン耐性非小細胞肺癌細胞株における被験化合物の制癌剤感受性増強作用を調べるために、ヒト非小細胞肺癌株であるPC−14のシスプラチン耐性細胞株PC−14/CDDPを用いてシスプラチンに対する抗腫瘍効果増強作用を検討した。RPMI 1640培地中でPC−14及びPC−14/CDDPをトリプシン処理により又はセルスクレイパーを用いてシングル細胞とし、15μl当たり100個の細胞浮遊液を調製した。これに化合物K201又はM201をジメチルスルホキシドに溶解させて、最終濃度10μMとなるように加え、これを96穴プレートに1ウェル当たり150μlづつ入れた。また、制癌剤(シスプラチン)を最終濃度0.1、5、10μMになるように、滅菌蒸留水に溶解させて150μl加えた。陰性対照として細胞を加えない群を、又陽性対照として制癌剤及びいずれの化合物(M201又はK201)も加えない群を調製した。37℃、5%二酸化炭素濃度、飽和水蒸気の条件下で72時間培養した後、D−PBS(−)に5mg/mlの濃度で溶解させたMTT試薬を20μl加えて、37℃で更に4時間培養した。培養終了後、プレートごと遠心し、上清を捨てた。200μlのジメチルスルホキシドを加えて、細胞内のミトコンドリアの酵素活性により生成したホルマザン結晶を溶解させ、562〜630nmの吸光度をマルチプレートリーダーを用いて測定した。陰性対照の平均発育率を0%、陽性対照の平均発育率を100%として生存率を算出した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、シスプラチン耐性株に対し、K201(10μM)は、単独で、耐性株の生存率を低下させたが、M201(10μM)には単独での耐性株の生存率低下作用はなかった。しかし、M201は、シスプラチンと併用すると急激に抗腫瘍効果増強作用を示し、K201に比べ、制癌剤を併用することにより、抗腫瘍効果増強作用を示すことが明らかとなった。
非癌細胞に対する影響を調べるため、K201及びM201に対する線維芽細胞の生存率を検討した。RPMI 1640培地中でPC−14及びPC−14/CDDPをトリプシン処理により又はセルスクレイパーを用いてシングル細胞とし、15μl当たり100個の細胞浮遊液を調製した。これに化合物K201又はM201をジメチルスルホキシドに溶解させて、最終濃度0、1、5、10、30、50、100μMとなるように加え、これを96穴プレートに1ウェル当たり300μlづつ入れた。陰性対照として細胞を加えない群を、又陽性対照としていずれの化合物も加えない群を調製した。37℃、5%二酸化炭素濃度、飽和水蒸気の条件下で72時間培養した後、D−PBS(−)に5mg/mlの濃度で溶解させたMTT試薬を20μl加えて、37℃で更に4時間培養した。培養終了後、プレートごと遠心し、上清を捨てた。200μlのジメチルスルホキシドを加えて、細胞内のミトコンドリアの酵素活性により生成したホルマザン結晶を溶解させ、562〜630nmの吸光度をマルチプレートリーダーを用いて測定した。陰性対照の平均発育率を0%、陽性対照の平均発育率を100%として求めた。50%細胞発育抑制濃度(IC50)を算出した。この結果を図3に示す。
線維芽細胞に対してK201に比べ、M201の生存率は高く、50%細胞発育抑制濃度(IC50)は、M201は92μM、K201は19μMであった。このことから、M201はK201に比べ非腫瘍細胞に対する影響が極めて弱いことがわかった。臍帯静脈内皮細胞およびヒト平滑筋細胞においても同様の結果であった。
K201、M201及びベラパミルの正常ラットの循環動態、特にダブルプロダクトに及
ぼす影響について
生体への影響を調べるために、循環動態の指標として、血圧と心拍数の積 ダブルプロダクトを測定した。ダブルプロダクトは心筋の酸素消費量を反映することが知られ、その低下は循環動態への抑制を意味する。
ウィスター(Wistar)系雄性ラットを1週間飼育後、3%イソフルランで吸入麻酔し、気管内挿管後、人工呼吸器を装着した。1.7%イソフルラ ンの吸入麻酔下で、呼吸管理を行った。右総頚動脈から圧測定チップ付カテーテル(2Fミラー社)を左室内に挿入し、また、右大腿静脈から本発明の化合物又 は生理食塩水注入用ポリエチレンチューブ(SP10)を挿入した。10分間の血行動態の安定化を図った後に、連続的に1分毎に、左室拡張期最小圧、左室拡 張末期圧を測定し、M201、K201、ベラパミルを0.3mg/kg/分で10分間投与した。対照例では生理食塩水を投与し、各溶液の注入速度は1分間あたり、16.6μlとした。各例3例で調べた。
K201、M201又はベラパミルの投与前及び投与後における左室圧、心拍数その積すなわちダブルプロダクトを20心拍測定し算出した。測定されたダブルプロダクトは投与前値を100%とし、投与後の値を当与前値に対する値(%表示)で表した。測定値は平均値と標準偏差値で求めた。結果を図4に示す。
M201はダブルプロダクトを低下させず、生体への影響が最も少ないことが判った。K201はわずかに低下させたが、耐性克服作用があるとされるカルシウム拮抗薬ベラパミルはダブルプロダクトを著しく低下させ、循環動態への強い影響があることがわかった。
M201およびK201の経済効率について
M201はK201の代謝物であることが分かっている。また、M201はK201を酸化させることによっても製造することができる。M201の経済効率を調べる目的で、K201からM201を作成した場合の収率を調べ、また、K201に放射性同位元素を結合させ、イヌにK201を投与した際のM201の血漿中濃度を投与5部後、および2時間後に測定した。なお、K201の半減期は約2ないし3時間であることが知られている。
K201(LotNo.31T−5−70902)107.70gを用いて、図5の製造方法チャートに従いM201を製造した。
K201の4−[3−(4−ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン塩酸塩107.70gを、室温下でクロロホルム溶媒に溶解し、0〜5℃の温度に冷却し、クロロホルム溶媒中で、反応温度が上昇しないように留意しながら攪拌して、酸化剤のメタクロロ過安息香酸(mCPBA)により酸化することにより、4−[3−(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベ
ンゾチアゼピン-1-オキシド、即ちM201を製造した。ここで製造されたM201に、0〜5℃の温度で、硫酸ナトリウム溶液を加えて、さらに攪拌を続け、0〜5℃の温度で、水酸化ナトリウム溶液を加え、攪拌を続けて、有機層を分液後、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、次いで食塩水で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減圧濃縮した。
濃縮残渣についを、移動相としてクロロホルム-メタノール混合液を使用して、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離し、次いで、分離されたクロロホルム-メタノール共沸溶媒から溶媒を留出し、さらにアルゴン中で残留溶媒を駆出して最終製品とした。このようにして得られたM201は、90%以上の純度を有しており、440.61の分子量を有し、アモルファスであり、室温で酸素及び湿度並びに酸及びアルカリに安定であり、エタノール及びジメチルスルホキシド(DMSO)に易溶であり、皮膚刺激性を有している。また、本発明のM201のシュウ酸塩
は、530.65の分子量を有し、純度90%以上で、167〜168℃の融点を有する結晶であり、水、エタノール及びジメチルスルホキシドに可溶である。H−NMRの室温における測定で、アミド部分における立体異性体が約2:3の割合で存在することが確認されている。
その結果、収量55.5g,収率53.9%,HPLC純度99.56area%でM201を得ることができた。この製造方法のフロー図を図5に示す。
(2)K201を静脈内に投与した際のイヌにおける血中のM201組成
放射性物質で標識したK201(JTV−519)を、0.2%クエン酸および5%マンニトール溶液に加え撹拌し投与液とした。イヌは6および8ヶ月齢の雄性ビーグル犬を使用した。イヌへの投与量は0.3mg/kgを静脈内投与した。各動物への投与は、3例ずつとした。投与から5分後、2時間後に採血を行い、その血液を4℃、3000rpmで10分間遠心分離して血漿を分取し、放射能測定用試料とした。血漿はシンチレーター10mlを加えて放射能測定サンプルとした。放射能の測定は液体シンチレーションカウンターを用い5分間測定した。未変化体および化合物は3例のプールして測定した。
測定結果は総放射能、未変化体および代謝物濃度を、総放射能を100%として平均値を算出して表1に示した。
表1
Figure 2012131710
(上記表1において、その他の代謝物のM-Iは、式〔III〕
Figure 2012131710
で示される4−[3−4(4−ヒドロキシベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピンを示す。
上記表1において、その他の代謝物のM-IIIは、式〔IV〕
Figure 2012131710
で示される4−[3−4(4−ヒドロキシベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-1-オキシドを示す。
上記表1において、その他の代謝物のM-IVは、式〔V〕
Figure 2012131710
で示される4−[3−4(2,4−ジヒドロキシベンジルピペリジン-1-イル)プロピオニル]-7−メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピンを示す。)
その結果、イヌにおいて、投与されたK201の13〜14%が、M201に生成されることが分かった。
以上の実施例5−1および5−2の結果より、M201をK201から化学合成で得た場合は、M201の収率は53.9%であり、K201を生体に投与した場合のM201の生成率は、13〜14%であった。このことからK201を投与するよりも、M201をK201から製造した方が経済効率が高いことが明らかとなった。
本発明は、M201を有効成分として含有してなる制癌剤耐性克服剤及び抗腫瘍効果増強剤にあるので、制癌剤耐性を有する癌細胞に対して、制癌剤と併用して投与した場合、制癌剤耐性を有する癌細胞の増殖を抑制することができ、しかも、生体に対する影響が弱く、安全性が高く、癌治療に有効である。
図2において、*: p
< 0.05 vs K201CDDP 5μM 、
**: p
< 0.01 vs K201 CDDP 1μM
***: p
< 0.0001 vs K201 CDDP 0μM〕

Claims (7)

  1. 4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド誘導体又はその薬学的に許容される塩を、有効成分として含有することを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤。
  2. 4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシド誘導体又はその薬学的に許容される塩、及び制癌剤を有効成分として含有することを特徴とする制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤。
  3. 2種類の薬剤を含んでなる癌治療用医薬キットであって、第一の薬剤が上記一般式(1)に記載の4−[3−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)プロピオニル]−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−1-オキシドであり、第二の薬剤が制癌剤であることを特徴とする癌治療用医薬キット。
  4. 制癌剤が、白金錯体、植物由来抗腫瘍性物質又は抗腫瘍性抗生物質であるであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤
  5. 制癌剤が、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、アドリアマイシン、ネダラプラチン、ビンクリスチン、エトポシド、アクチノマイシンD、イマチニブ又はタキソールであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤。
  6. 制癌剤が、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、塩酸イダルビシン、エトポシド、テニポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、塩酸イリノテカンであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤。
  7. 制癌剤が、ブスルファン、カルボコン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ナイトロジェンマスタード、チオテパ、ウラシルマスタード、カルムスチン(BCNU)、塩酸ニムスチン(ACNU)、リン酸エストラムスチン、アザチオプリン、アンシタビン、カルモフール、ドキシフルリジン、フルオロウラシル(5−FU)、メルカプトプリン(6−MP)、チオイノシン、テガフール、シタラビン(Ara−C)、メトトレキサート(MTX)、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクホスファート、ペントスタチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC(MMC)、ブレオマイシン(BLM)、ダウノルビシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ネオカルチノスタチン(NCS)、塩酸イダルビシン、エトポシド(VP−16)、テニポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール(パクリタキセル)、塩酸イリノテカン、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン(CBDCA)、ネダプラチン(NDP)、プレドニゾン、プレドニゾロン、テストステロン、エストラムスチン、ノルエチステロン、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸トレミフェン、塩酸ファドロゾール、タモキシフェン、ミトキサントロン(MXT)等のアントラサイクリンであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤。

























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