JP2001030870A - 乗員検知装置及びエアバッグ制御装置 - Google Patents

乗員検知装置及びエアバッグ制御装置

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JP2001030870A
JP2001030870A JP11204990A JP20499099A JP2001030870A JP 2001030870 A JP2001030870 A JP 2001030870A JP 11204990 A JP11204990 A JP 11204990A JP 20499099 A JP20499099 A JP 20499099A JP 2001030870 A JP2001030870 A JP 2001030870A
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light
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airbag
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JP11204990A
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Koichi Suzuki
弘一 鈴木
Akira Kurahashi
明 倉橋
Izumi Adachi
泉 安達
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投光部におけるLEDの耐久性の低下を抑制
すると共に、物体の検出精度を向上することが可能な乗
員検知装置及びエアバッグ制御装置を提供すること。 【解決手段】 S101では、衝突センサからの出力信
号が読み込まれる。S103では、読み込んだ衝突セン
サからの出力信号の大きさが所定値以上か否かが判断さ
れる。衝突センサからの出力信号の大きさが所定値より
小さい場合にはS105に進み、各LEDチップを第1
の所定間隔T1にて順次点灯させるために、トリガ信号
が各ドライブ回路に対して第1の所定間隔T1にて順次
出力される。S103にて、衝突センサからの出力信号
の大きさが所定値以上である場合にはS107に進み、
各LEDチップを、第1の所定間隔T1より短い第2の
所定間隔T2にて順次点灯させるために、トリガ信号が
各ドライブ回路に対して第2の所定間隔T2にて順次出
力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内のエアバッ
グが展開される領域のうちの所定の2次元的領域内に物
体が存在することを検知する乗員検知装置、及び、乗員
検知装置を備えたエアバッグ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、衝突時に乗員を保護するエアバッ
グシステムを塔載した車両が急速に増加している。この
エアバッグシステムは、運転手側のハンドルや助手席側
のダッシュボード等にエアバッグが収容され、車両の衝
突時にそのエアバッグを瞬時に展開させることによって
乗員を保護するものである。
【0003】ところで、上述したエアバッグシステムに
よれば、衝突時の乗員の保護を図ることができるが、エ
アバッグが展開する領域に乗員の身体の一部等が位置す
ることがある。その例として、助手席の乗員が前屈みに
なっている場合や、助手席シートの前方のエアバッグが
展開する領域に子供が立つ場合等があり、このようなと
きにエアバッグが展開すると、例えば前屈みになってい
る乗員にとってエアバッグが最適な状態にあるとは限ら
ない。
【0004】このような問題に対処するため、三角測量
法を使用して乗員の状態を検知する技術が開発されてお
り、例えば特開平10−157563号公報に記載され
た車両制御装置がある。特開平10−157563号公
報に記載された車両制御装置は、投光部である複数のL
EDから各々異なる方向に順次光ビームを出力し、この
光の反射光の光量に基づいて、各ビームの出力方向に物
体が存在するか否かを判定するものである。そして、エ
アバッグの展開領域内に所定の大きさ以上の物体が存在
すると判断された場合は、エアバッグ駆動回路が動作し
ないように構成されている。この装置によれは、例えば
助手席とダッシュボードとの間の空間に所定の大きさの
物体が存在するか否かを検知することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−157563号公報に記載された車両制御装置に
おいては、複数のLEDから順次光ビームを出力する間
隔が常時一定となっており、物体の検知精度を向上させ
るために複数のLEDから順次光ビームを出力する間隔
を短くし、単位時間あたりの走査回数を増加させた場合
には、単位時間あたりのLEDの点滅回数も増加するた
め、LEDの耐久性が低下する恐れがある。逆に、LE
Dの耐久性を考慮して、光ビームを出力する間隔を長く
した場合には、物体の検知精度が低下してしまう恐れが
ある。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、投光部におけるLEDの耐久性の低下を抑制
すると共に、物体の検出精度を向上することが可能な乗
員検知装置及びエアバッグ制御装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る乗員検知装
置は、車両内のエアバッグが展開される領域のうちの所
定の2次元的領域の広がり方向に、2次元的領域を含む
投射光を出力して、検知ゾーンを形成する投光部と、検
知ゾーン内に存在する物体により反射された反射光を受
光する受光部とを備え、受光部にて受光した反射光に基
づいて、2次元的領域内に物体が存在することを検知す
る乗員検知装置であって、投光部はLEDを有し、LE
Dが点灯することにより出力される光ビームにて投射光
が構成されており、車両の衝突を検出する衝突検出部
と、衝突検出部での検出結果に基づいて、衝突検出部に
て車両の衝突が検出されたときには、衝突検出部にて車
両の衝突が検出されていないときに比べてLEDの点灯
間隔を短くするように、投光部におけるLEDの点灯状
態を制御する点灯制御部とが設けられていることを特徴
としている。
【0008】本発明に係る乗員検知装置では、特に、車
両の衝突を検出する衝突検出部と投光部におけるLED
の点灯状態を制御する点灯制御部とが設けられている。
この点灯制御部が、衝突検出部での検出結果に基づい
て、衝突検出部にて車両の衝突が検出されたときには、
衝突検出部にて車両の衝突が検出されていないときに比
べてLEDの点灯間隔を短くするように、投光部におけ
るLEDの点灯状態を制御するので、物体の検知精度を
高める必要がある車両の衝突が検出されたときには、L
EDの点灯間隔が短くなり、投射光による単位時間あた
りの走査回数が増加するため、物体の検出精度が向上す
ることになる。一方、車両の衝突が検出されていないと
きには、車両の衝突が検出されたときに比べてLEDの
点灯間隔が長くなり、単位時間あたりのLEDの点滅回
数が減少するため、LEDの耐久性の低下が抑制され
る。この結果、LEDの耐久性の低下が抑制されると共
に、乗員検知装置での物体の検出精度を向上することが
できる。
【0009】また、投光部は、2次元的領域の広がり方
向と平行な方向に複数個並設されたLEDを含んでお
り、点灯制御部は、衝突検出部にて車両の衝突が検出さ
れていないときに複数個並設されたLEDを第1の所定
間隔にて順次点灯させ、衝突検出部にて車両の衝突が検
出されたときに複数個並設されたLEDを第1の所定間
隔より短い第2の所定間隔にて順次点灯させることが好
ましい。この場合には、複数個並設されたLEDから出
力される各光ビームにより2次元的領域を含む投射光が
安定して形成することができる。また、物体の検知精度
を高める必要がある車両の衝突が検出されたときには、
各LEDごとに点灯間隔が短くなり、投射光による単位
時間あたりの走査回数が増加するため、物体の検出精度
が向上することになる。一方、車両の衝突が検出されて
いないときには、車両の衝突が検出されたときに比べて
各LEDごとに点灯間隔が長くなり、単位時間あたりの
各LEDの点滅回数が減少するため、各LEDの耐久性
の低下が抑制される。この結果、複数個並設されたLE
Dの耐久性の低下が抑制されると共に、乗員検知装置で
の物体の検出精度を向上することができる。
【0010】また、投光部は、2次元的領域の広がり方
向と平行な方向に複数個並設されたLEDを含んでお
り、点灯制御部は、衝突検出部にて車両の衝突が検出さ
れていないときに複数個並設されたLEDを順次点灯さ
せ、衝突検出部にて車両の衝突が検出されたときに複数
個並設されたLEDを同時点灯させることが好ましい。
この場合には、複数個並設されたLEDから出力される
各光ビームにより2次元的領域を含む投射光が安定して
形成することができる。また、物体の検知精度を高める
必要がある車両の衝突が検出されたときには、各LED
ごとに点灯間隔が短くなり、投射光による単位時間あた
りの走査回数が更に増加するため、物体の検出精度が更
に向上することになる。一方、車両の衝突が検出されて
いないときには、車両の衝突が検出されたときに比べて
各LEDごとに点灯間隔が長くなり、単位時間あたりの
各LEDの点滅回数が減少するため、各LEDの耐久性
の低下が抑制される。この結果、複数個並設されたLE
Dの耐久性の低下が抑制されると共に、乗員検知装置で
の物体の検出精度を更に向上することができる。
【0011】また、受光部は、検知ゾーン内に存在する
物体により反射された反射光を結像させる受光用レンズ
と、受光用レンズにより反射光が結像される位置に、2
次元的領域の広がり方向と平行な方向に複数個並設さ
れ、物体により反射された反射光が入射される半導体位
置検出素子とを有していることが好ましい。このような
構成を採用した場合、検知ゾーンの2次元的領域の広が
り方向での複数の分割検知ゾーンへの分割を、簡易な構
成にて実現することができる。
【0012】また、複数個の半導体位置検出素子ごと
に、物体により反射された反射光の入射位置を算出する
入射位置算出部と、複数個の半導体位置検出素子ごと
に、基準入射位置を任意設定するための基準入射位置設
定部と、入射位置算出部にて演算された入射位置と基準
入射位置設定部にて任意設定された基準入射位置とを比
較し、入射位置が、基準入射位置に対応する投射光の反
射位置よりも投光部寄りの位置での反射に基づくもので
ある場合に、半導体位置検出素子に対応する検知ゾーン
内に物体が存在すると判断する判断部とが更に設けられ
ていることが好ましい。このような構成を採用した場
合、物体存在判断部にて、入射位置算出部にて演算され
た入射位置と基準入射位置設定部にて任意設定された基
準入射位置とを比較し、入射位置が、基準入射位置に対
応する投射光の反射位置よりも投光部寄りの位置での反
射に基づくものである場合に、分割検知ゾーン内に物体
が存在すると判断しているので、分割された複数の分割
検知ゾーンごとに、検知ゾーン内への物体の存在を検知
するための基準入射位置が任意設定されることになり、
この任意設定された基準入射位置に対応する投射光の反
射位置よりも投光部から離れた側の領域が、物体の存否
を判断しない領域となる。この結果、分割された分割検
知ゾーンごとに、物体の存否を判断しない領域の大きさ
を設定することができ、投光部から出力された投射光に
より形成される検知ゾーンのゾーン形状を任意に設定す
ることができる。
【0013】本発明に係るエアバッグ制御装置は、請求
項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の乗員検知装
置と、判断部にて検知ゾーン内に物体が存在すると判断
されたときに、エアバッグを展開不可能な状態にするエ
アバッグ制御部とを備えていることを特徴としている。
【0014】本発明に係るエアバッグ制御装置では、乗
員検知装置の判断部にて、検知ゾーン内での物体の存在
が検知されると、エアバッグ制御部によってエアバッグ
は展開しない状態に制御される。このため、例えば車両
の衝突時でも、助手席に着座している乗員が前屈みとな
り、エアバッグ展開領域内の所定の2次元的領域に体の
一部が存在している場合等、エアバッグの展開動作が防
止される。
【0015】また、エアバッグ制御部は、衝突検出部の
検出結果に基づいて車両の衝突が検出され、且つ、判断
部にて検知ゾーン内に物体が存在しないと判断されたと
きに、エアバッグを展開させることが好ましい。この場
合には、点灯制御部のための衝突検出部と、エアバッグ
制御部のための衝突検出部とが共用されることになり、
エアバッグ制御装置の構成が簡素化できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る乗員検知装置及びエアバッグ制御装置の好適な
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいて同一の要素には同一の符号を付しており、重複す
る説明は省略する。
【0017】図1〜図18は、本発明の実施形態を示し
ており、本実施形態の乗員検知装置を車両の助手席側に
適用したものである。
【0018】図1に示されるように、車両V内のダッシ
ュボード1には助手席用のエアバッグ2(以下、単にエ
アバッグと呼ぶ)がエアバッグ収容部3に収容されてい
る。そして、急減速時(例えば、衝突時)には、後述す
るエアバッグ制御部70からの制御信号がエアバッグ駆
動回路72に送られ、エアバッグ2内にガスが供給され
て、図1において破線で示したように、エアバッグ2が
助手席シート4に着座している乗員Mの前方で膨らみ
(展開)、乗員Mを保護する。
【0019】乗員検知装置10は、図1に示すように、
助手席側のフロントピラー5に取り付けられており、主
に、LED部14及び投光用レンズ15を備えた投光部
11と、半導体位置検出素子としてのPSD(位置検出
素子)40A,40B,40C,40Dを有するPSD
部16及び受光用レンズ17を備えた受光部12と、投
光部11及び受光部12を所定の間隔を隔てて固定する
ための本体部13と、から構成されている。乗員検知装
置10は、図2に示されるような光学系を構成してお
り、LED部14の前方には、LED部14から出力さ
れた光を、エアバッグ2が展開される領域のうちの所定
の2次元的領域の広がり方向に所定の広がり角を有し、
上述した2次元的領域を含む2次元的な投射光Pにする
投光用レンズ15が配置され、PSD部16の前方に
は、投光部11(LED部14)から出力された投射光
Pが物体(乗員M)等に反射された反射光Rを集光し
て、PSD部16に結像させる受光用レンズ17が配置
されている。PSD部16と受光用レンズ17との間に
は、外乱光(太陽光等)の受光部12(PSD部16)
への入射を抑制するための干渉フィルタ18が配置され
ている。投光用レンズ15としては、シリンドリカルレ
ンズあるいは非球面レンズ等を用いることができ、例え
ば、f=10〜15mm、F=1程度のものを用いてい
る。受光用レンズ17としては、非球面レンズ等を用い
ることができ、f=10〜15mm、F=1程度のもの
を用いている。
【0020】本体部13は、図5〜図7に示されるよう
に、第1本体部21と第2本体部22とにより構成され
ており、第1本体部21は平面視で長方形状に形成され
ており、短辺側の一方の端面に入出力コネクタ部23が
設けられている。第2本体部22は、平面視で長方形状
を有し且つ、第2本体部22の長辺方向と第1本体部2
1の長辺方向とが所定角度を有するように設けられてい
る。第1本体部21内には、乗員検知装置10の制御部
52が設けられた制御部用アセンブリ基板(図示せず)
が配設されている。第2本体部22内には、投光部11
(LED部14)と受光部12(PSD部16)とが、
第2本体部22の長辺方向に所定間隔を隔てた状態で設
けられており、LED部14は、LED部用アセンブリ
基板24に実装された状態で配設されている。PSD部
16も、LED部14と同様に、PSD部用アセンブリ
基板25に実装された状態で配設されている。本体部1
3は、入出力コネクタ部23が設けられている側を上方
として、第1本体部21の長辺方向が助手席側のフロン
トピラー5に沿った状態で、フロントピラー5内に配設
される。第2本体部22の長辺方向と第1本体部21の
長辺方向とが所定角度を有するように形成されているの
で、第2本体部22の長辺方向は車両Vの前後方向と略
一致された状態となり、本体部13がフロントピラー5
に配設された状態では、投光部11(LED部14)が
車両Vの前方側、受光部12(PSD部16)が車両V
の後方側にレイアウトされることになる。なお、第2本
体部22は、投光部11及び受光部12が設けられる位
置精度の確保、及び、シールド効果の向上のために、導
電性樹脂からなる。
【0021】LED部14は、図8〜図10に示される
ように、その外形が平面視で長方形状に形成されてお
り、10個のLEDチップ30A,30B,…,30J
がアレイ状に設けられている。各LEDチップ30A,
30B,…,30Jは、カソード側リードフレーム33
上に設けられており、LED部14の長辺方向に直線状
にレイアウトされている。各LEDチップ30A,30
B,…,30Jとアノード側リードフレーム32とはボ
ンディングワイヤ34により接続されている。各LED
チップ30A,30B,…,30Jの近傍には、各LE
Dチップ30A,30B,…,30Jが点灯し、光ビー
ムが出力されていることを確認するための確認用PD
(フォトダイオード)35が配置されている。確認用P
D35はカソード側リードフレーム37上に設けられて
おり、この確認用PD35とアノード側リードフレーム
36とはボンディングワイヤ34により接続されてい
る。各LEDチップ30A,30B,…,30J及び確
認用PD35は、透明の樹脂モールドパッケージ38に
より保護されている。LED部14は、LED部14の
長辺方向が第2本体部22の長辺方向と略直交するよう
に、LED部用アセンブリ基板24に実装されて本体部
13に配設される。
【0022】各LEDチップ30A,30B,…,30
Jは、平面視で長方形状に形成されたLED部14にお
いて、LED部14の長辺方向に直線状にレイアウトさ
れており、各LEDチップ30A,30B,…,30J
は、エアバッグ2が展開される領域のうちの所定の2次
元的領域の広がり方向(投射光Pの広がり方向)に並設
されることになる。したがって、LED部14からは、
各LEDチップ30A,30B,…,30Jが点灯する
ことにより出力される各光ビームにて、LED部14の
長辺方向に広がりを有すると共にLED部14に略直交
する2次元的な投射光Pが構成されることになる。LE
D部14から2次元的な投射光Pが出力される場合、各
LEDチップ30A,30B,…,30Jは平面視で長
方形状に形成されて、各LEDチップ30A,30B,
…,30Jの短辺方向がLED部14の長辺方向と略直
交するようにレイアウトされているので、2次元的な投
射光PのLED部14の短辺方向での広がりが極力少な
くされる。
【0023】PSD部16は、図15に示されるよう
に、4個のPSD40A,40B,40C,40Dが各
基板41A,41B,41C,41D上に各々設けられ
ている。各PSD40A,40B,40C,40Dは、
平面視で略長方形状の受光部42A,42B,42C,
42Dと、受光部42A,42B,42C,42Dの短
辺側に設けられた第1位置信号電極43A,43B,4
3C,43D及び第2位置信号電極44A,44B,4
4C,44Dとを有しており、第1位置信号電極43
A,43B,43C,43D及び第2位置信号電極44
A,44B,44C,44Dには、引出し用のリード線
がそれぞれ接続されている。各PSD40A,40B,
40C,40Dは受光部42A,42B,42C,42
Dの短辺方向に並列された状態でレイアウトされてい
る。PSD部16は、受光部42A,42B,42C,
42Dの短辺方向が第2本体部22の長辺方向と略直交
するように、PSD部用アセンブリ基板25に実装され
て本体部13に配設される。これにより、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jのレイアウト方向と各P
SD40A,40B,40C,40Dのレイアウト方向
が同じとされて、LED部14から出力された2次元的
な投射光Pは、物体(乗員M)により反射された場合、
受光部42A,42B,42C,42Dの短辺方向に平
行な2次元的な反射光RとしてPSD部16に入射する
ことになる。すなわち、各PSD40A,40B,40
C,40Dは、2次元的な投射光Pの広がり方向と平行
な方向に並設されることになる。この結果、LED部1
4の各LEDチップ30A,30B,…,30Jから出
力された各光ビームで構成される2次元的な投射光Pに
より形成される略扇状の検知ゾーンSが、図4に示され
るように、エアバッグ2が展開される領域のうちの所定
の2次元的領域の広がり方向(投射光Pの広がり方向)
に4つの分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDに分割
されることになる。
【0024】乗員検知装置10の電子回路部50は、図
11に示されるように、主に、LED部用アセンブリ基
板24側及びPSD部用アセンブリ基板25側に設けら
れるセンサヘッド部51と、制御部用アセンブリ基板側
に設けられる制御部52とで構成される。センサヘッド
部51には、LED部14、PSD部16、各LEDチ
ップ30A,30B,…,30Jに対して点灯指令を送
信するドライブ回路53A,53B,…,53J、確認
用PD35からの信号を出力するPD用信号出力部5
4、各PSD40A,40B,40C,40Dの各第1
位置信号電極43A,43B,43C,43Dからの信
号を出力する第1位置信号電極信号出力部55、各PS
D40A,40B,40C,40Dの各第2位置信号電
極44A,44B,44C,44Dからの信号を出力す
る第2位置信号電極信号出力部56、及び、上述した各
部に電源を供給する電源回路57等が含まれる。制御部
52には、センサヘッド部51から出力された信号をA
/D変換するA/Dコンバータ58、各種演算を行うC
PU59、及び、CPU59及びセンサヘッド部51等
に電源を供給するための電源部60等が含まれる。ここ
で、CPU59が各請求項における点灯制御部、及び、
判断部を構成している。
【0025】ドライブ回路53A,53B,…,53J
は、各LEDチップ30A,30B,…,30Jごとに
対応して設けられており、ドライブ回路53A,53
B,…,53JごとにCPU59からパルス状のトリガ
信号Trg1,Trg2,…,Trg10が入力され、
ドライブ回路53A,53B,…,53Jは、この入力
されたトリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg10
に応じて、各LEDチップ30A,30B,…,30J
に対して点灯指令を送信する。PD用信号出力部54
は、確認用PD35が光を受光した際に流れる電流の値
を電圧信号に変換する電流電圧変換器61及びこの電流
電圧変換器61から出力される出力信号を増幅する増幅
器62にて構成されている。増幅器62は、増幅器62
からの出力信号がA/Dコンバータ58に入力されるよ
うに、A/Dコンバータ58に接続されている。
【0026】第1位置信号電極信号出力部55は、各第
1位置信号電極43A,43B,43C,43Dから流
れてきた電流の値を電圧信号に変換する電流電圧変換器
64及びこの電流電圧変換器64から出力される出力信
号を増幅する増幅器65にて構成されている。増幅器6
5は、増幅器65からの出力信号がA/Dコンバータ5
8に入力されるように、A/Dコンバータ58に接続さ
れている。電流電圧変換器64及び増幅器65は、各P
SD40A,40B,40C,40Dの第1位置信号電
極43A,43B,43C,43Dごとに設けられてい
る。
【0027】第2位置信号電極信号出力部56は、第2
位置信号電極44A,44B,44C,44Dから流れ
てきた電流の値を電圧信号に変換する電流電圧変換器6
7及びこの電流電圧変換器67から出力される出力信号
を増幅する増幅器68にて構成されている。増幅器68
は、増幅器68からの出力信号がA/Dコンバータ58
に入力されるように、A/Dコンバータ58に接続され
ている。電流電圧変換器67及び増幅器68は、各PS
D40A,40B,40C,40Dの第2位置信号電極
44A,44B,44C,44Dごとに設けられてい
る。
【0028】制御部52(CPU59)は、エアバッグ
2の展開要否を判断するエアバッグ制御部70に接続さ
れており、このエアバッグ制御部70には、衝突検出部
としての衝突センサ71、エアバッグ駆動回路72及び
警報ランプ73が接続されている。衝突センサ71は、
車両Vの衝突を検知するもので、車両Vの加速度を検出
する加速度センサ、あるいは、車両に所定の基準値以上
の衝撃が加わったか否かを検出するサテライトセンサ等
のセンサを衝突センサ71として用いられる。エアバッ
グ制御部70は、衝突センサ71、乗員検知装置10等
からの出力信号に基づいて、エアバッグ2の展開要否を
判断し、エアバッグ2の展開要と判断した場合にはエア
バッグ駆動回路72に対して展開信号を出力し、エアバ
ッグ2の展開否と判断した場合にはエアバッグ駆動回路
72に対して展開禁止信号を出力する。エアバッグ制御
部70は、衝突センサ71からの出力信号の大きさが所
定値以上で且つ乗員検知装置10からの出力信号が物体
を検知していない旨の信号である場合に、エアバッグ2
の展開要と判断する。一方、衝突センサ71からの出力
信号の大きさが所定値以上であっても乗員検知装置10
からの出力信号が物体を検知した旨の信号である場合、
あるいは、衝突センサ71からの出力信号の大きさが所
定値より小さい場合には、エアバッグ制御部70はエア
バッグ2の展開否と判断する。エアバッグ駆動回路72
は、エアバッグ制御部70からの展開信号に基づいて、
エアバッグ2を展開させるように、エアバッグ2内にガ
スを供給させる。
【0029】エアバッグ制御部70からCPU59に
は、衝突センサ71からの出力信号が送られている。C
PU59は、図12に示されるように、衝突センサ71
からの出力信号を読み込み、この衝突センサ71からの
出力信号の大きさに応じて、各LEDチップ30A,3
0B,…,30Jが点灯する間隔を制御している。
【0030】まず、S101では、衝突センサ71から
の出力信号が読み込まれる。続くS103では、読み込
んだ衝突センサ71からの出力信号の大きさが所定値以
上か否かが判断される。衝突センサ71からの出力信号
の大きさが所定値より小さい場合、すなわち車両Vが衝
突していない状態にある場合には(S103で「N
o」)、S105に進む。S105では、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを第1の所定間隔T1
(例えば、10ms)にて順次点灯させるために、図1
3に示されるように、トリガ信号Trg1,Trg2,
…,Trg10が各ドライブ回路53A,53B,…,
53Jに対して第1の所定間隔T1にて順次出力され
る。一方、S103にて、衝突センサ71からの出力信
号の大きさが所定値以上である場合、すなわち車両Vが
衝突した状態にある場合には(S103で「Ye
s」)、S107に進む。S107では、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを、第1の所定間隔T1
より短い第2の所定間隔T2(例えば、1ms)にて順
次点灯させるために、図14に示されるように、トリガ
信号Trg1,Trg2,…,Trg10が各ドライブ
回路53A,53B,…,53Jに対して第2の所定間
隔T2にて順次出力される。ここで、トリガ信号Trg
1,Trg2,…,Trg10は、例えば40μsのパ
ルス幅を有するように設定されている。
【0031】なお、CPU59にて、衝突センサ71の
出力信号の大きさと比較するための所定値は、エアバッ
グ制御部70にて、エアバッグ2を展開するか否かを判
断するための閾値と同じ値に設定してもよく、また、エ
アバッグ2を展開するか否かを判定するための閾値より
も小さい値に設定してもよい。エアバッグ2を展開する
か否かを判定するための閾値よりも小さい値に設定した
場合には、エアバッグ制御部70にて、エアバッグ2を
展開するか否かを判断する以前に、各LEDチップ30
A,30B,…,30Jの点灯間隔が短く制御されてお
り、検知精度が向上した状態での物体の検知結果を、最
終的にエアバッグ2を展開するか否かの判断に確実に反
映することができる。
【0032】CPU59における、PD用信号出力部5
4(増幅器62)、第1位置信号電極信号出力部55
(増幅器65)及び第1位置信号電極信号出力部55
(増幅器68)から入力される入力信号の読込みタイミ
ングとCPU59からドライブ回路53A,53B,
…,53Jに送られるトリガ信号Trg1,Trg2,
…,Trg10との関係は、図13及び図14に示され
るように、CPU59における入力信号の読込みタイミ
ングが、トリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg1
0より所定時間だけ遅れるようになっている。このよう
に、CPU59における入力信号の読込みタイミングを
トリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg10より所
定時間だけ遅らせることにより、各LEDチップ30
A,30B,…,30Jから出力された投射光Pの光強
度が十分に高まり、安定した状態にある投射光P(反射
光R)の情報をCPU59に取り込むことができる。な
お、上述したCPU59の外乱光除去のためのゲート機
能は、増幅器62、増幅器65及び増幅器68の後段に
設けられ、所定のタイミングにて入力される入力信号を
受信しているときだけ増幅器62、増幅器65及び増幅
器68の出力信号を通過させるゲート回路にて行っても
構わない。
【0033】次に、制御部52のCPU59における物
体検知判断について、図15に基づいて説明する。各P
SD40A,40B,40C,40Dは、受光部42
A,42B,42C,42Dの任意の位置に反射光Rが
入射すると、反射光Rの入射位置に対応した大きさの電
流が、第1位置信号電極43A,43B,43C,43
D及び第2位置信号電極44A,44B,44C,44
Dに流れるように構成されている。第1位置信号電極4
3A,43B,43C,43Dに流れる電流は、第1位
置信号電極信号出力部55及びA/Dコンバータ58を
介することで、その電流の大きさを示す信号に変換され
てCPU59に送られる。また、第2位置信号電極44
A,44B,44C,44Dに流れる電流は、第2位置
信号電極信号出力部56及びA/Dコンバータ58を介
することで、その電流の大きさを示す信号に変換されて
CPU59に送られる。
【0034】第1位置信号電極43A,43B,43
C,43Dに流れる電流I1と第2位置信号電極44
A,44B,44C,44Dに流れる電流I2の大きさ
の比は、第1位置信号電極43A,43B,43C,4
3Dと反射光Rの入射位置との間の電気抵抗の大きさと
反射光Rの入射位置と第2位置信号電極44A,44
B,44C,44Dとの間の電気抵抗の大きさの比の逆
数に比例する。このことから、入射位置算出部としての
Δ/Σ演算部81A,81B,81C,81Dにて(I
2−I1)/(I1+I2)、但しI1+I2=0でな
い、を演算することにより、第1位置信号電極43A,
43B,43C,43Dを座標+1、第2位置信号電極
44A,44B,44C,44Dを座標−1とする一次
元座標における反射光Rの入射位置が得られることにな
る。Δ/Σ演算部81A,81B,81C,81Dは、
各PSD40A,40B,40C,40D毎に設けられ
ており、各PSD40A,40B,40C,40D毎に
反射光Rの入射位置が演算される。反射光Rの入射位置
が得られると、公知の三角測量法により、PSD部16
に入射した投射光Pの反射位置とLED部14との間の
距離が得られることになる。なお、Δ/Σ演算部81
A,81B,81C,81Dにて(I2−I1)/(I
1+I2)を演算する代わりに、(I2)/(I1)、
但しI1=0でない、あるいは、(I2)/(I1+I
2)、但しI1+I2=0でない、を演算するように構
成しても、反射光Rの入射位置を得ることができる。C
PU59では、検知精度を高めるために、上述した演算
を複数回、例えば10ms当たりに8回の演算を行い、
平均化した値を最終値として以下の判断に用いている。
【0035】各Δ/Σ演算部81A,81B,81C,
81Dにて演算して得られた、反射光Rの入射位置を表
す信号は、各PSD40A,40B,40C,40D毎
に設けられた比較部83A,83B,83C,83Dに
送られ、各比較部83A,83B,83C,83D毎
で、基準入射位置設定部82A,82B,82C,82
Dにて設定された基準入射位置を表す信号と比較され
る。基準入射位置設定部82A,82B,82C,82
Dは、各比較部83A,83B,83C,83D毎に設
けられており、いずれの基準入射位置設定部82A,8
2B,82C,82Dとも基準入射位置を任意に設定し
得るように構成されている。基準入射位置に対応する投
射光Pの反射位置は、図2及び図4におけるスレッシュ
位置SA1,SB1,SC1,SD1に相当しており、
各基準入射位置設定部82A,82B,82C,82D
にて設定された各基準入射位置に対応して、スレッシュ
位置SA1,SB1,SC1,SD1が決定され、検知
ゾーンSの投光部11から遠い側の領域を規定すること
になる。すなわち、基準入射位置に対応する投射光Pの
反射位置よりも投光部11から離れた側の領域Qが、物
体の存否を判断しない領域となる。
【0036】比較部83A,83B,83C,83Dに
て、Δ/Σ演算部81A,81B,81C,81Dから
送られた反射光Rの入射位置を表す信号と基準入射位置
設定部82A,82B,82C,82Dから送られた基
準入射位置を表す信号を比較して、基準入射位置を表す
信号よりΔ/Σ演算部81A,81B,81C,81D
から送られた反射光Rの入射位置を表す信号の方が大き
い場合、PSD部16に入射した光は、スレッシュ位置
SA1,SB1,SC1,SD1よりも投光部11寄り
の位置に物体が存在するために、投光部11から出力さ
れた投射光Pが反射されたものであり、検知ゾーンS内
に物体が存在するとして、比較部83A,83B,83
C,83Dから物体が存在する旨を示す信号が出力され
る。
【0037】比較部83A、比較部83B及び比較部8
3CはANDゲート84に接続され、比較部83A、比
較部83B及び比較部83Cからの出力はANDゲート
84に送られる。同様に、比較部83B、比較部83C
及び比較部83DはANDゲート85に接続され、比較
部83B、比較部83C及び比較部83Dからの出力は
ANDゲート85に送られる。ANDゲート84及びA
NDゲート85はORゲート86に接続され、ANDゲ
ート84及びANDゲート85からの出力はORゲート
86に送られる。ANDゲート84は、比較部83A、
比較部83B及び比較部83Cから出力があった場合
に、検知対象とする物体が進入したとして信号を出力す
る。同様に、ANDゲート85は、比較部83B、比較
部83C及び比較部83Dから出力があった場合に、検
知対象とする物体が進入したとして信号を出力する。O
Rゲート86は、ANDゲート84及びANDゲート8
5のいずれか一方から出力があった場合に、最終的に演
算部87に信号を出力する。また、演算部87には、各
Δ/Σ演算部81A,81B,81C,81Dから、反
射光Rの入射位置を表す信号が入力されている。
【0038】ANDゲート84,85を設けているの
は、図4に示されているように、検知ゾーンSに存在す
る物体のうち比較的大きい物体(乗員の頭部に相当)M
1,M2を検知対象として、検知ゾーンSに存在する物
体のうち比較的小さい物体(乗員の腕部に相当)M3を
検知対象外とするためである。ANDゲート85は、比
較部83B、比較部83C及び比較部83Dとから出力
があった場合に、検知対象とする物体が存在するとして
信号を出力するように構成されているため、ANDゲー
ト85から出力がなされるということは、図4に示され
ているように、分割された各分割検知ゾーンSA,S
B,SC,SDのうち3つの分割検知ゾーンSB,S
C,SDにわたって物体が存在することを示しており、
比較的大きい物体M1が検知ゾーンS内に存在している
ことになる。同様に、ANDゲート84から出力がなさ
れるということは、分割された各分割検知ゾーンSA,
SB,SC,SDのうち3つの分割検知ゾーンSA,S
B,SCにわたって物体が存在することを示しており、
比較的大きい物体M2が検知ゾーンS内に存在している
ことになる。両ANDゲート84,85から出力がない
ということは、検知ゾーンS内に物体が存在しないか、
存在した場合でも検知対象外の比較的小さい物体M3が
存在していることになる。
【0039】検知ゾーンSは略扇状に形成されているた
め、検知ゾーンSの投光部11に近い位置に検知対象外
の比較的小さい物体(乗員の腕部に相当)M4が存在し
ている場合には、図4に示されるように、分割された各
分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDのうち3つの分
割検知ゾーンSB,SC,SDにわたってその物体が存
在することになり、ANDゲート85から出力がなされ
ることになる。しかしながら、演算部87には、各Δ/
Σ演算部81A,81B,81C,81Dから、反射光
Rの入射位置を表す信号が入力されていることから、演
算部87にて、公知の三角測量法により物体M4と投光
部11との間の距離を求めるようにし、ここで求めた物
体までの距離とORゲート86からの出力とを勘案して
検査対象の物体の存在を判断するように構成しておけ
ば、上述の検知ゾーンSの投光部11に近い位置に検知
対象外の比較的小さい物体M4が存在している場合を、
判断対象から除外することができる。
【0040】次に、乗員検知装置10及びエアバッグ制
御部70の作用を説明する。衝突センサ71からの出力
信号の大きさが所定値より小さい場合、すなわち車両V
が衝突していない状態にある場合には、CPU59が各
ドライブ回路53A,53B,…,53Jに対してトリ
ガ信号Trg1,Trg2,…,Trg10を第1の所
定間隔T1にて順次出力する。各ドライブ回路53A,
53B,…,53Jは、トリガ信号Trg1,Trg
2,…,Trg10に応じて、各LEDチップ30A,
30B,…,30Jに対して点灯指令を送信し、これに
より、各LEDチップ30A,30B,…,30Jが第
1の所定間隔T1にて順次点灯し、パルス状の光ビーム
を出力する。そして、各LEDチップ30A,30B,
…,30Jから順次出力された各光ビームにより、検知
ゾーンS内が順次走査されることになる。したがって、
LEDチップ30AからLEDチップ30Jにわたって
連続的にパルス状の光ビームが出力され、これらの光ビ
ームが投光用レンズ15を通ることにより、各LEDチ
ップ30A,30B,…,30Jから出力される各光ビ
ームから、エアバッグ2が展開される領域のうちの所定
の2次元的領域の広がり方向に所定の広がり角を有し、
上述した2次元的領域を含む2次元的な投射光Pが構成
されることになり、略扇状の検知ゾーンSが形成され
る。
【0041】このとき、図3に示されるように、助手席
シート4に着座している乗員Mが前屈み状態となって、
検知ゾーンSに乗員Mの頭部M5が進入すると、乗員M
の頭部M5によって反射された2次元的な投射光Pの反
射光Rは、受光用レンズ17により結像されて、PSD
部16(PSD40A,40B,40C,40D)に入
射する。PSD部16(PSD40A,40B,40
C,40D)に反射光Rが入射すると、反射光Rの入射
位置に対応した大きさの電流が、第1位置信号電極43
A,43B,43C,43D及び第2位置信号電極44
A,44B,44C,44Dに流れ、この電流値は各電
流電圧変換器64,67によって電圧信号に変換された
後、各増幅器65,68によって増幅され、制御部52
のA/Dコンバータ58に送られる。
【0042】A/Dコンバータ58に到達した各増幅器
65,68からの出力信号は、A/D変換されてCPU
59に出力され、CPU59は、上述した読込みタイミ
ングにて各増幅器65,68からの出力信号を読み込
む。更に、CPU59は、上述したように、A/Dコン
バータ58から出力された信号に基づいて各PSD40
A,40B,40C,40D毎に反射光Rの入射位置を
演算し、演算により求めた反射光Rの入射位置と各PS
D40A,40B,40C,40Dに対応して任意に設
定された基準入射位置とを比較し、検知ゾーンSに物体
(乗員Mの頭部M5)が存在していると判断し、エアバ
ッグ制御部70に、検知ゾーンSに物体(乗員Mの頭部
M5)が存在している旨を表す信号を出力する。エアバ
ッグ制御部70は、上述したCPU59からの出力信号
に基づいて、警報ランプ73のドライバ回路(図示せ
ず)に点灯信号を出力し、警報ランプ73を点灯させて
乗員に注意を促す。
【0043】衝突センサ71からの出力信号の大きさが
所定値以上の場合、すなわち車両Vが衝突した状態にあ
る場合には、CPU59が各ドライブ回路53A,53
B,…,53Jに対してトリガ信号Trg1,Trg
2,…,Trg10を第2の所定間隔T2にて順次出力
する。各ドライブ回路53A,53B,…,53Jは、
トリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg10に応じ
て、各LEDチップ30A,30B,…,30Jに対し
て点灯指令を送信し、これにより、各LEDチップ30
A,30B,…,30Jが第2の所定間隔T2にて順次
点灯し、パルス状の光ビームを出力する。そして、各L
EDチップ30A,30B,…,30Jが第1の所定間
隔T1にて順次点灯した場合と同様に、各LEDチップ
30A,30B,…,30Jから順次出力された各光ビ
ームにより、検知ゾーンS内が順次走査されることにな
り、各LEDチップ30A,30B,…,30Jから出
力される各光ビームから、エアバッグ2が展開される領
域のうちの所定の2次元的領域の広がり方向に所定の広
がり角を有し、上述した2次元的領域を含む2次元的な
投射光Pが構成されることになり、略扇状の検知ゾーン
Sが形成される。
【0044】このとき、図3に示されるように、助手席
シート4に着座している乗員Mが前屈み状態となって、
検知ゾーンSに乗員Mの頭部M5が進入すると、乗員M
の頭部M5によって反射された2次元的な投射光Pの反
射光Rは、受光用レンズ17により結像されて、PSD
部16(PSD40A,40B,40C,40D)に入
射する。PSD部16(PSD40A,40B,40
C,40D)に反射光Rが入射すると、反射光Rの入射
位置に対応した大きさの電流が、第1位置信号電極43
A,43B,43C,43D及び第2位置信号電極44
A,44B,44C,44Dに流れ、この電流値は各電
流電圧変換器64,67によって電圧信号に変換された
後、各増幅器65,68によって増幅され、制御部52
のA/Dコンバータ58に送られる。
【0045】A/Dコンバータ58に到達した各増幅器
65,68からの出力信号は、A/D変換されてCPU
59に出力され、CPU59は、上述した読込みタイミ
ングにて各増幅器65,68からの出力信号を読み込
む。更に、CPU59は、上述したように、A/Dコン
バータ58から出力された信号に基づいて各PSD40
A,40B,40C,40D毎に反射光Rの入射位置を
演算し、演算により求めた反射光Rの入射位置と各PS
D40A,40B,40C,40Dに対応して任意に設
定された基準入射位置とを比較し、検知ゾーンSに物体
(乗員Mの頭部M5)が存在していると判断し、エアバ
ッグ制御部70に、検知ゾーンSに物体(乗員Mの頭部
M5)が存在している旨を表す信号を出力する。エアバ
ッグ制御部70は、上述したCPU59からの出力信号
に基づいて、警報ランプ73のドライバ回路(図示せ
ず)に点灯信号を出力し、警報ランプ73を点灯させて
乗員に注意を促すと共に、エアバッグ駆動回路72に展
開禁止信号を出力し、エアバッグ2を展開させないよう
にする。
【0046】ここで、PSD部16の各PSD40A,
40B,40C,40Dは、2次元的な投射光Pの広が
り方向と平行な方向に並設されていることから、LED
部14から投光用レンズ15を介して出力された2次元
的な投射光Pにより形成される略扇状の検知ゾーンS
が、図4に示されるように、各PSD40A,40B,
40C,40Dに対応して投射光Pの広がり方向に4つ
の分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDに分割される
ことになる。更に、各基準入射位置設定部82A,82
B,82C,82Dにて設定された各基準入射位置に対
応して、スレッシュ位置SA1,SB1,SC1,SD
1が決定されることになり、各分割検知ゾーンSA,S
B,SC,SDの投光部11から遠い側の領域を規定
し、基準入射位置に対応する投射光Pの反射位置(スレ
ッシュ位置SA1,SB1,SC1,SD1)よりも投
光部11から離れた側の領域Qが、物体の存否を判断し
ない領域となる。図2において、P1及びP2は、PS
D40A,40B,40C,40Dの第1位置信号電極
43A,43B,43C,43D及び第2位置信号電極
44A,44B,44C,44Dの位置により規定され
る検知限界を示している。
【0047】本実施形態においては、図3に示されるよ
うに、乗員Mの腿M6,M6、助手席シート4のアーム
レスト4a等が検知ゾーンS内に存在しないように、す
なわち、乗員の腿M6,M6、助手席シート4のアーム
レスト4a等からの反射光RがPSD部16(PSD4
0A,40B,40C,40D)に入射して、これらの
部分を検査対象物と判断しないように、各PSD40
A,40B,40C,40Dに対応する基準入射位置を
各々設定し、各スレッシュ位置SA1,SB1,SC
1,SD1を規定している。なお、上述した乗員Mの腿
M6,M6、助手席シート4のアームレスト4a以外に
も、フロアコンソール、各種操作レバー類等に応じて各
PSD40A,40B,40C,40Dに対応する基準
入射位置を各々設定し、各スレッシュ位置SA1,SB
1,SC1,SD1を規定するようにしてもよく、各車
両V、あるいは、車種毎の検知ゾーンSの領域が可能で
ある。
【0048】一方、LED部14(各LEDチップ30
A,30B,…,30J)から光ビームが出力された際
に、検知ゾーンSに物体が存在しない場合は、PSD部
16(PSD40A,40B,40C,40D)に反射
光Rが入射することはなく、CPU59は、検知ゾーン
Sに物体(乗員Mの頭部M5)が存在していないと判断
し、検知ゾーンSに物体(乗員Mの頭部M5)が存在し
ていない旨を表す信号を出力する。エアバッグ制御部7
0はCPU59からの出力信号により、エアバッグ駆動
回路72に対して展開禁止信号を出力することはなく、
車両Vの衝突時に、エアバッグ2は展開し得る状態にあ
ることになる。
【0049】以上のように、本実施形態の乗員検知装置
10によれば、CPU59が、衝突センサ71からの出
力信号に基づいて、衝突センサ71からの出力信号の大
きさが所定値より小さいの場合、すなわち車両Vが衝突
していない状態にあるときには、CPU59が各ドライ
ブ回路53A,53B,…,53Jに対してトリガ信号
Trg1,Trg2,…,Trg10を第1の所定間隔
T1にて順次出力し、各LEDチップ30A,30B,
…,30Jが第1の所定間隔T1にて順次点灯するよう
に制御するので、各LEDチップ30A,30B,…,
30Jごとの点灯間隔が長くなり、単位時間あたりのL
EDチップ30A,30B,…,30Jの点滅回数が減
少するため、LEDチップ30A,30B,…,30J
の耐久性の低下が抑制される。一方、衝突センサ71か
らの出力信号の大きさが所定値以上の場合、すなわち車
両Vが衝突した状態にある場合には、CPU59が各ド
ライブ回路53A,53B,…,53Jに対してトリガ
信号Trg1,Trg2,…,Trg10を第2の所定
間隔T2にて順次出力し、各LEDチップ30A,30
B,…,30Jが第2の所定間隔T2にて順次点灯する
ように制御するので、物体の検知精度を高める必要があ
る車両Vが衝突した状態にあるときには、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jの点灯間隔が短くなり、
各LEDチップ30A,30B,…,30Jから出力さ
れる光ビーム(投射光P)による単位時間あたりに検知
ゾーンS内を走査する回数が増加するため、物体の検出
精度が向上することになる。この結果、各LEDチップ
30A,30B,…,30Jの耐久性の低下が抑制され
ると共に、乗員検知装置10での物体の検出精度を向上
することができる。
【0050】乗員検知装置10での物体の検出精度を更
に向上するためには、検知ゾーンS内への物体の進入が
一時的なものか否かを判断することが考えられる。検知
ゾーンS内への物体の進入が一時的なものか否かを判断
するためには検知ゾーンS内を複数回走査する必要があ
り、複数回にわたって物体の存在が検知されたときに、
物体の存在が一時的なものではないと判断する。このよ
うにして検知ゾーンS内への物体の進入が一時的なもの
か否かを判断する場合に、車両Vが衝突した状態にある
ときには、各LEDチップ30A,30B,…,30J
が第2の所定間隔T2にて順次点灯するので、検知ゾー
ンS内を一回走査する時間も短くなり、検知ゾーンS内
への物体の進入が一時的なものか否かを判断する時間も
短縮することができる。
【0051】また、各LEDチップ30A,30B,
…,30Jが、2次元的な投射光Pの広がり方向(エア
バッグ2が展開される領域のうちの所定の2次元的領域
の広がり方向)と平行な方向に並設されているので、各
LEDチップ30A,30B,…,30Jから出力され
る光ビームにより、エアバッグ2が展開される領域のう
ちの所定の2次元的領域の広がり方向に所定の広がり角
を有し、上述した2次元的領域を含む2次元的な投射光
Pを安定して得ることができ、略扇状の検知ゾーンSを
適切に形成することができる。
【0052】また、投光部11(LED部14)から出
力された2次元的な投射光Pが物体にて反射されて、こ
の反射光Rが入射するPSD40A,40B,40C,
40Dが、投射光Pの広がり方向と平行な方向に複数個
並設され、投光部11から出力された2次元的な投射光
Pにより形成される略扇状の検知ゾーンSが、PSD4
0A,40B,40C,40Dの個数に対応して投射光
Pの広がり方向に分割(本実施形態においては、4分割
されて各分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDに分か
れている)されるので、検知ゾーンSの投射光Pの広が
り方向での複数の分割検知ゾーンSA,SB,SC,S
Dへの分割を、簡易な構成にて実現することができる。
【0053】また、CPU59(各比較部83A,83
B,83C,83D)にて、Δ/Σ演算部81A,81
B,81C,81Dにて演算された反射光Rの入射位置
と基準入射位置設定部82A,82B,82C,82D
にて任意に設定された基準入射位置とを比較し、反射光
Rの入射位置が、基準入射位置に対応する投射光Pの反
射位置よりも投光部11寄りの位置での反射に基づくも
のである場合に、検知ゾーンS(各分割検知ゾーンS
A,SB,SC,SD)内に物体が存在する(進入し
た)と判断しているので、投射光Pの広がり方向に分割
された分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDごとに、
分割検知ゾーンSA,SB,SC,SD内への物体の存
在(進入)を検知するための基準入射位置が任意に設定
されて、各分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDの大
きさは、この基準入射位置に対応するスレッシュ位置S
A1,SB1,SC1,SD1により規定されることに
なり、この任意に設定された基準入射位置に対応するス
レッシュ位置SA1,SB1,SC1,SD1よりも投
光部11から離れた側の領域Qが、物体の存否を判断し
ない領域となる。この結果、投射光Pの広がり方向に分
割された分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDごと
に、物体の存否を判断しない領域Qの大きさを設定する
ことができ、投光部11から出力された投射光Pにより
形成される略扇状の検知ゾーンSのゾーン形状を任意に
設定することができる。
【0054】また、投射光Pの広がり方向に分割された
分割検知ゾーンSA,SB,SC,SDごとに、物体の
存否を判断しない領域Qの大きさを設定することによ
り、例えば、乗員Mの腿M6、助手席シート4のアーム
レスト4a、センターコンソール、各種操作レバー等が
検知ゾーンS内に存在しないように、検知ゾーンSを設
定することにより、検知対象物としている物体を確実に
検知することが可能となり、検知対象物としている物体
の検知精度を高めることができる。
【0055】本実施形態のエアバッグ制御装置によれ
ば、乗員検知装置10の制御部52のCPU59にて、
検知ゾーンS内での物体の存在が判断されると、このC
PU59からエアバッグ制御部70に対して検知ゾーン
S内に物体が存在する旨の信号が出力され、エアバッグ
制御部70からエアバッグ駆動回路72に展開禁止信号
が出力される。これにより、検知ゾーンS内に物体が存
在する場合には、エアバッグ2は展開しない状態に制御
されることになる。この結果、例えば車両Vの衝突時で
も、助手席シート4に着座している乗員Mが前屈みとな
り、エアバッグ展開領域内の所定の2次元的領域に身体
の一部が存在している場合等に、エアバッグ2の展開動
作が防止される。
【0056】また、衝突センサ71をエアバッグ制御部
70と乗員検知装置10の制御部52(CPU59)と
で共用しているので、エアバッグ制御装置の構成が簡素
化できる。
【0057】次に、CPU59にて行われる各LEDチ
ップ30A,30B,…,30Jが点灯する間隔の制御
の変形例について、図16〜図18に基づいて説明す
る。図12〜図14に示されたものでは、CPU59
は、衝突センサ71の出力信号に応じて、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを順次点灯させる間隔を
変更するように制御している。これに対して、図16〜
図18に示された変形例では、CPU59は、衝突セン
サ71の出力信号に応じて、各LEDチップ30A,3
0B,…,30Jを順次点灯させる状態と同時点灯させ
る状態とを切替えるように制御している。
【0058】まず、S201では、衝突センサ71から
の出力信号が読み込まれる。続くS203では、読み込
んだ衝突センサ71からの出力信号の大きさが所定値以
上か否かが判断される。衝突センサ71からの出力信号
の大きさが所定値より小さい場合、すなわち車両Vが衝
突していない状態にある場合には(S203で「N
o」)、S205に進む。S205では、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを第3の所定間隔T3
(例えば、10ms)にて順次点灯させるために、図1
7に示されるように、トリガ信号Trg1,Trg2,
…,Trg10が各ドライブ回路53A,53B,…,
53Jに対して第3の所定間隔T3にて順次出力され
る。一方、S203にて、衝突センサ71からの出力信
号の大きさが所定値以上である場合、すなわち車両Vが
衝突した状態にある場合には(S203で「Ye
s」)、S207に進む。S207では、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを、第4の所定間隔T4
(例えば、1ms)にて同時点灯させるために、図18
に示されるように、トリガ信号Trg1,Trg2,
…,Trg10が各ドライブ回路53A,53B,…,
53Jに対して第4の所定間隔T4にて同時に出力され
る。
【0059】上述した変形例においては、衝突センサ7
1からの出力信号の大きさが所定値より小さい場合、す
なわち車両Vが衝突していない状態にある場合には、C
PU59が各ドライブ回路53A,53B,…,53J
に対してトリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg1
0を第3の所定間隔T3にて順次出力する。各ドライブ
回路53A,53B,…,53Jは、トリガ信号Trg
1,Trg2,…,Trg10に応じて、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jに対して点灯指令を送信
し、これにより、各LEDチップ30A,30B,…,
30Jが第3の所定間隔T3にて順次点灯し、パルス状
の光ビームを出力する。そして、各LEDチップ30
A,30B,…,30Jから順次出力された各光ビーム
により、検知ゾーンS内が順次走査されることになる。
したがって、LEDチップ30AからLEDチップ30
Jにわたって連続的にパルス状の光ビームが出力され、
これらの光ビームが投光用レンズ15を通ることによ
り、各LEDチップ30A,30B,…,30Jから出
力される各光ビームから、エアバッグ2が展開される領
域のうちの所定の2次元的領域の広がり方向に所定の広
がり角を有し、上述した2次元的領域を含む2次元的な
投射光Pが構成されることになり、略扇状の検知ゾーン
Sが形成される。
【0060】一方、衝突センサ71からの出力信号の大
きさが所定値以上の場合、すなわち車両Vが衝突した状
態にある場合には、CPU59が各ドライブ回路53
A,53B,…,53Jに対してトリガ信号Trg1,
Trg2,…,Trg10を第4の所定間隔T4にて同
時に出力する。各ドライブ回路53A,53B,…,5
3Jは、トリガ信号Trg1,Trg2,…,Trg1
0に応じて、各LEDチップ30A,30B,…,30
Jに対して点灯指令を送信し、これにより、各LEDチ
ップ30A,30B,…,30Jが第4の所定間隔T4
にて同時点灯し、パルス状の光ビームを出力する。そし
て、各LEDチップ30A,30B,…,30Jから同
時に出力された各光ビームにより、検知ゾーンS内が一
度に走査されることになる。したがって、LEDチップ
30AからLEDチップ30Jにわたって同時にパルス
状の光ビームが出力され、これらの光ビームが投光用レ
ンズ15を通ることにより、所定の広がり角を有する略
扇状の2次元的な投射光Pが得られ、略扇状の検知ゾー
ンSが形成される。
【0061】以上のように、CPU59が、衝突センサ
71の出力信号に応じて、衝突センサ71からの出力信
号の大きさが所定値より小さいの場合、すなわち車両V
が衝突していない状態にあるときには、各ドライブ回路
53A,53B,…,53Jに対してトリガ信号Trg
1,Trg2,…,Trg10を第3の所定間隔T3に
て順次出力し、各LEDチップ30A,30B,…,3
0Jが第3の所定間隔T3にて順次点灯するように制御
するので、各LEDチップ30A,30B,…,30J
ごとの点灯間隔が長くなり、単位時間あたりのLEDチ
ップ30A,30B,…,30Jの点滅回数が減少する
ため、LEDチップ30A,30B,…,30Jの耐久
性の低下が抑制される。一方、衝突センサ71からの出
力信号の大きさが所定値以上の場合、すなわち車両Vが
衝突した状態にある場合には、CPU59が、各ドライ
ブ回路53A,53B,…,53Jに対してトリガ信号
Trg1,Trg2,…,Trg10を第4の所定間隔
T4にて同時に出力し、各LEDチップ30A,30
B,…,30Jが第4の所定間隔T4にて同時点灯する
ように制御するので、物体の検知精度を高める必要があ
る車両Vが衝突した状態にあるときには、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jの点灯間隔が極めて短く
なり、各LEDチップ30A,30B,…,30Jから
出力される光ビーム(投射光P)による単位時間あたり
に検知ゾーンS内を走査する回数が更に増加するため、
物体の検出精度が更に向上することになる。この結果、
各LEDチップ30A,30B,…,30Jの耐久性の
低下が抑制されると共に、乗員検知装置10での物体の
検出精度を更に向上することができる。
【0062】また、車両Vが衝突した状態にあるときに
は、各LEDチップ30A,30B,…,30Jが第4
の所定間隔T4にて同時点灯するので、検知ゾーンS内
を一度に走査することができ、検知ゾーンS内への物体
の進入が一時的なものか否かを判断する時間も極めて短
くなる。
【0063】更なる変形例として、CPU59が、衝突
センサ71の出力信号に応じて各LEDチップ30A,
30B,…,30Jを同時点灯させる間隔を変更する、
衝突センサ71からの出力信号の大きさが所定値より小
さいの場合、すなわち車両Vが衝突していない状態にあ
るときには、第5の所定間隔にて各LEDチップ30
A,30B,…,30Jを同時点灯させ、衝突センサ7
1からの出力信号の大きさが所定値以上の場合、すなわ
ち車両Vが衝突した状態にある場合には、第5の所定間
隔より短い第6所定間隔にて各LEDチップ30A,3
0B,…,30Jを同時点灯させるように、各LEDチ
ップ30A,30B,…,30Jの同時点灯の間隔を制
御してもよい。
【0064】なお、本実施形態においては、衝突センサ
71からの出力信号がエアバッグ制御部70を介して制
御部52(CPU59)に送られるように構成している
が、これに限られることなく、エアバッグ制御部70側
にて、衝突センサ71からの出力信号と所定値との比較
を行い、この比較結果を制御部52(CPU59)に送
るように構成してもよい。
【0065】また、本実施形態においては、CPU59
が、衝突センサ71の出力信号に応じて、各LEDチッ
プ30A,30B,…,30Jを順次点灯させる間隔を
第1の所定間隔T1あるいは第2の所定間隔T2に切替
える、また、各LEDチップ30A,30B,…,30
Jを順次点灯させる状態と同時点灯させる状態とを切替
える等、各LEDチップ30A,30B,…,30Jの
点灯状態を2段に切替え制御しているが、3段以上の切
替え制御を行うようにしてもよい。
【0066】また、本実施形態においては、半導体位置
検出素子としてPSD40A,40B,40C,40D
を用いているが、半導体位置検出素子としては、2分割
PD(フォトダイオード)のように光の入射位置が演算
できるものであればどの様なタイプの半導体位置検出素
子でも用いることができる。
【0067】また、本実施形態においては、4個のPS
D40A,40B,40C,40Dを用いることにより
検知ゾーンSを4つの検知ゾーンSA,SB,SC,S
Dに分割しているが、PSDの数及び検知ゾーンSの分
割数は、これに限られることなく、例えば7個のPSD
を用いることにより検知ゾーンSを7つの検知ゾーンに
分割する等、適宜設定することが可能である。
【0068】また、本実施形態においては、助手席用の
エアバッグ2の展開される領域のうちの所定の2次元的
領域内に物体が存在することを検知する乗員検知装置1
0に適用しているが、エアバッグを収容するステアリン
グホイールに設けられたエアバッグカバーの中心と運転
手の頭部との間の空間に位置する所定の2次元的領域内
に物体が存在することを検知する乗員検知装置に適用し
てもよい。
【0069】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明の
乗員検知装置及びエアバッグ制御装置によれば、投光部
におけるLEDの耐久性の低下を抑制すると共に、物体
の検出精度を向上することが可能な乗員検知装置及びエ
アバッグ制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る乗員検知装置の設置例を示す説
明図である。
【図2】実施形態に係る乗員検知装置の光学系の構成と
物体検知の原理とを示す説明図である。
【図3】実施形態に係る乗員検知装置の物体検知の原理
を示す説明図である。
【図4】実施形態に係る乗員検知装置の物体検知の原理
を示す説明図である。
【図5】実施形態に係る乗員検知装置の平面図である。
【図6】実施形態に係る乗員検知装置の側面図である。
【図7】実施形態に係る乗員検知装置の正面図である。
【図8】実施形態に係る乗員検知装置に含まれる、LE
D部の平面図である。
【図9】実施形態に係る乗員検知装置に含まれる、LE
D部の側面図である。
【図10】実施形態に係る乗員検知装置に含まれる、L
ED部の正面図である。
【図11】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路を示すブロック図である。
【図12】実施形態に係る乗員検知装置に含まれる、制
御部(CPU)におけるLED点灯制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【図13】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路における、制御部(CPU)から出
力されるトリガ信号と制御部(CPU)での信号読込み
タイミングとの関係を示すチャート図である。
【図14】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路における、制御部(CPU)から出
力されるトリガ信号と制御部(CPU)での信号読込み
タイミングとの関係を示すチャート図である。
【図15】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路における物体検知判断を説明するた
めの図である。
【図16】実施形態に係る乗員検知装置に含まれる、制
御部(CPU)におけるLED点灯制御動作の変形例を
示すフローチャートである。
【図17】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路における、制御部(CPU)から出
力されるトリガ信号と制御部(CPU)での信号読込み
タイミングとの関係の変形例を示すチャート図である。
【図18】実施形態に係る乗員検知装置及びエアバッグ
制御装置の電子回路における、制御部(CPU)から出
力されるトリガ信号と制御部(CPU)での信号読込み
タイミングとの関係の変形例を示すチャート図である。
【符号の説明】
1…ダッシュボード、2…エアバッグ、3…エアバッグ
収容部、4…助手席シート、5…フロントピラー、10
…乗員検知装置、11…投光部、12…受光部、13…
本体部、14…LED部、15…投光用レンズ、16…
PSD部、17…受光用レンズ、18…干渉フィルタ、
30A〜30J…LEDチップ、40A,40B,40
C,40D…PSD、41A,41B,41C,41D
…基板、42A,42B,42C,42D…受光部、4
3A,43B,43C,43D…第1位置信号電極、4
4A,44B,44C,44D…第2位置信号電極、5
0…電子回路部、51…センサヘッド部、52…制御
部、53A〜53J…ドライブ回路、55…第1位置信
号電極信号出力部、56…第2位置信号電極信号出力
部、70…エアバッグ制御部、71…衝突センサ、72
…エアバッグ駆動回路、73…警報ランプ、81A,8
1B,81C,81D…Δ/Σ演算部、82A,82
B,82C,82D…基準入射位置設定部、83A,8
3B,83C,83D…比較部、87…演算部、V…車
両、M…乗員、P…投射光、R…反射光、S…検知ゾー
ン、Trg1〜Trg10…トリガ信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 泉 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA06 BB05 CC16 DD12 DD16 FF09 GG07 GG08 GG15 JJ01 JJ05 JJ16 LL04 LL08 LL10 LL22 MM12 NN02 NN16 NN20 PP01 PP22 QQ03 QQ25 QQ26 QQ27 QQ47 SS09 3D054 AA02 AA03 AA07 AA13 AA14 EE11 EE26 EE41 EE57 FF16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内のエアバッグが展開される領域の
    うちの所定の2次元的領域の広がり方向に、前記2次元
    的領域を含む投射光を出力して、検知ゾーンを形成する
    投光部と、前記検知ゾーン内に存在する物体により反射
    された反射光を受光する受光部とを備え、前記受光部に
    て受光した前記反射光に基づいて、前記2次元的領域内
    に物体が存在することを検知する乗員検知装置であっ
    て、 前記投光部はLEDを有し、前記LEDが点灯すること
    により出力される光ビームにて前記投射光が構成されて
    おり、 前記車両の衝突を検出する衝突検出部と、 前記衝突検出部での検出結果に基づいて、前記衝突検出
    部にて車両の衝突が検出されたときには、前記衝突検出
    部にて車両の衝突が検出されていないときに比べて前記
    LEDの点灯間隔を短くするように、前記投光部におけ
    る前記LEDの点灯状態を制御する点灯制御部とが設け
    られていることを特徴とする乗員検知装置。
  2. 【請求項2】 前記投光部は、前記2次元的領域の広が
    り方向と平行な方向に複数個並設されたLEDを含んで
    おり、 前記点灯制御部は、前記衝突検出部にて車両の衝突が検
    出されていないときに前記複数個並設されたLEDを第
    1の所定間隔にて順次点灯させ、前記衝突検出部にて車
    両の衝突が検出されたときに前記複数個並設されたLE
    Dを前記第1の所定間隔より短い第2の所定間隔にて順
    次点灯させることを特徴とする請求項1に記載の乗員検
    知装置。
  3. 【請求項3】 前記投光部は、前記2次元的領域の広が
    り方向と平行な方向に複数個並設されたLEDを含んで
    おり、 前記点灯制御部は、前記衝突検出部にて車両の衝突が検
    出されていないときに前記複数個並設されたLEDを順
    次点灯させ、前記衝突検出部にて車両の衝突が検出され
    たときに前記複数個並設されたLEDを同時点灯させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
  4. 【請求項4】 前記受光部は、 前記検知ゾーン内に存在する前記物体により反射された
    反射光を結像させる受光用レンズと、 前記受光用レンズにより前記反射光が結像される位置
    に、前記2次元的領域の広がり方向と平行な方向に複数
    個並設され、前記物体により反射された前記反射光が入
    射される半導体位置検出素子とを有していることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗員検知装
    置。
  5. 【請求項5】 前記複数個の半導体位置検出素子ごと
    に、前記物体により反射された前記反射光の入射位置を
    算出する入射位置算出部と、 前記複数個の半導体位置検出素子ごとに、基準入射位置
    を任意設定するための基準入射位置設定部と、 前記入射位置算出部にて演算された前記入射位置と前記
    基準入射位置設定部にて任意設定された前記基準入射位
    置とを比較し、前記入射位置が、前記基準入射位置に対
    応する投射光の反射位置よりも前記投光部寄りの位置で
    の反射に基づくものである場合に、前記半導体位置検出
    素子に対応する検知ゾーン内に物体が存在すると判断す
    る判断部とが更に設けられていることを特徴とする請求
    項4に記載の乗員検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項
    に記載の乗員検知装置と、 前記判断部にて前記検知ゾーン内に物体が存在すると判
    断されたときに、前記エアバッグを展開不可能な状態に
    するエアバッグ制御部とを備えていることを特徴とする
    エアバッグ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記エアバッグ制御部は、前記衝突検出
    部の検出結果に基づいて前記車両の衝突が検出され、且
    つ、前記判断部にて前記検知ゾーン内に物体が存在しな
    いと判断されたときに、前記エアバッグを展開させるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のエアバッグ制御装置。
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