JP2001030785A - プロペラシャフトの衝撃吸収構造 - Google Patents

プロペラシャフトの衝撃吸収構造

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JP2001030785A
JP2001030785A JP11204419A JP20441999A JP2001030785A JP 2001030785 A JP2001030785 A JP 2001030785A JP 11204419 A JP11204419 A JP 11204419A JP 20441999 A JP20441999 A JP 20441999A JP 2001030785 A JP2001030785 A JP 2001030785A
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joint
propeller shaft
differential
movement
constant velocity
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JP11204419A
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English (en)
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Yukio Nakaishi
幸夫 仲石
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、プロペラシャフトに軸方
向力が作用した際の衝撃を緩和し得て、プロペラシャフ
トの振動・騒音を低減し得て、プロペラシャフトの各ス
ライド式等速継手部位の衝撃吸収ストロークを調整する
ことにある。 【構成】 このため、この発明は、車両に搭載したパワ
ーユニットの駆動力を差動機に伝達するプロペラシャフ
トを設け、このプロペラシャフトをユニット側継手と中
間継手と差動機側継手とによりパワーユニットと差動機
とに連絡して設け、このプロペラシャフトの途中をセン
タサポートにより車体側に支持して設けたプロペラシャ
フトの衝撃吸収構造において、ユニット側継手と中間継
手と差動機側継手との少なくとも2つをスライド式等速
継手として設け、これら2つのスライド式等速継手にそ
れぞれ継手用移動許容部材を設け、これら継手用移動許
容部材内にそれぞれスライド式等速継手の構成部品の相
対的軸方向移動を許容する移動許容空間を形成して設け
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はプロペラシャフト
の衝撃吸収構造に係り、特に、プロペラシャフトに軸方
向力が作用した際の衝撃を緩和し得て、プロペラシャフ
トの振動・騒音を低減し得て、プロペラシャフトの各ス
ライド式等速継手部位の衝撃吸収ストロークを調整し得
るプロペラシャフトの衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、パワーユニットを構成するエ
ンジンに連結されたトランスミッションの出力する駆動
力をプロペラシャフトにより差動機に伝達し、この差動
機に連絡する後側車軸により後輪を駆動するものがあ
る。
【0003】また、車両には、パワーユニットを構成す
るエンジンに連結されたトランスミッションの駆動力を
後部プロペラシャフトにより後部差動機に伝達し、この
後部差動機に連絡する後部車軸により後輪を駆動すると
ともに、前記トランスミッションの駆動力をトランスフ
ァにより分配して取出して前部プロペラシャフトにより
前部差動機に伝達し、この前部差動機に連絡する前部車
軸により前輪を駆動するものがある。
【0004】このような車両においては、車体に外力が
作用した際に、トランスミッションと差動機との間やト
ランスファと前部差動機との間の間隔が小さくなること
によりプロペラシャフトが突張ってしまい、プロペラシ
ャフトが軸方向に対して抵抗力となって衝撃を吸収でき
ない問題がある。
【0005】このような問題に対しては、衝撃を吸収す
る構造のプロペラシャフトが提案されている。従来のプ
ロペラシャフトの衝撃吸収構造としては、特開平10−
35304号公報に開示されるものがある。
【0006】特開平10−35304号公報に開示され
るものは、プロペラシャフトのトルク伝達連結部が車体
前側の外軸と車体後側の内軸との嵌合になり、内軸を回
転自在に支持する支持部材に外軸の貫通を許容する環状
の許容部を設けたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プロペラシ
ャフトの衝撃吸収構造には、図8に示すものがある。図
8において、202は図示しない車両に搭載したパワー
ユニットの駆動力を差動機に伝達するプロペラシャフト
である。このプロペラシャフト202は、ユニット側継
手204と中間継手206と差動機側継手208とによ
りパワーユニットと差動機とに連絡して設け、途中をセ
ンタサポート210により車体側に支持して設けてい
る。
【0008】このプロペラシャフト202には、センタ
サポート210の差動機側にスライド式等速継手からな
る中間継手206を設け、この中間継手206に継手用
移動許容部材212を設け、この継手用移動許容部材2
12内に中間継手206の内輪214等の構成部品の相
対的軸方向移動を許容する移動許容空間216を形成し
て設けている。
【0009】このプロペラシャフト202は、車体に外
力が作用して、パワーユニットと差動機との間の間隔が
小さくなることにより軸方向力が作用した際に、継手用
移動許容部材212内の移動許容空間216に中間継手
206の内輪214等の構成部品が外輪218に対して
相対的な軸方向移動を許容され、衝撃吸収ストロークS
だけ短縮されて衝撃を吸収することができる。
【0010】ところが、このプロペラシャフト202
は、中間継手206とセンタサポート210との間に設
けた継手用移動許容部材212内の移動許容空間216
によって、衝撃吸収ストロークSを確保している。
【0011】このため、プロペラシャフト202は、大
きな衝撃吸収ストロークSを確保すべく継手用移動許容
部材212の長さを大きくすると、センタサポート21
0の中心C1から重量物である中間継手206の中心C
2までの距離Lが大きくなることにより、センタサポー
ト210に対して重量物である中間継手206のオーバ
ハングが大きくなり、振動・騒音が大きくなる不都合が
ある。
【0012】また、FR方式をベースとして前輪及び後
輪を駆動する車両に外力が作用した際には、パワーユニ
ットや差動機等のレイアウトによって、差動機が移動さ
れ、重量物であるパワーユニットが慣性により移動さ
れ、センタサポート210が移動されることにより、プ
ロペラシャフト202の各継手部位における必要な衝撃
吸収ストロークSが異なる。
【0013】ところが、前記プロペラシャフト202
は、継手用移動許容部材212内に移動許容空間216
を設けて唯一の衝撃吸収ストロークSを確保しているた
め、プロペラシャフト202の各継手部位における異な
る衝撃吸収ストロークSに対応することができない不都
合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、車両に搭載したパワーユ
ニットの駆動力を差動機に伝達するプロペラシャフトを
設け、このプロペラシャフトをユニット側継手と中間継
手と差動機側継手とにより前記パワーユニットと差動機
とに連絡して設け、このプロペラシャフトの途中をセン
タサポートにより車体側に支持して設けたプロペラシャ
フトの衝撃吸収構造において、前記ユニット側継手と中
間継手と差動機側継手との少なくとも2つをスライド式
等速継手として設け、これら2つのスライド式等速継手
にそれぞれ継手用移動許容部材を設け、これら継手用移
動許容部材内にそれぞれスライド式等速継手の構成部品
の相対的軸方向移動を許容する移動許容空間を形成して
設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明のプロペラシャフトの衝
撃吸収構造は、ユニット側継手と中間継手と差動機側継
手との少なくとも2つをスライド式等速継手として設
け、これら2つのスライド式等速継手にそれぞれ継手用
移動許容部材を設け、これら継手用移動許容部材内にそ
れぞれスライド式等速継手の構成部品の相対的軸方向移
動を許容する移動許容空間を形成して設けたことによ
り、プロペラシャフトに軸方向力が作用した際にそれぞ
れのスライド式等速継手の構成部品が継手用移動許容部
材内の移動許容空間に相対的な軸方向移動を許容され、
この構成部品の相対的軸方向移動によって衝撃を吸収さ
せることができ、また、プロペラシャフト全体の衝撃吸
収ストロークをそれぞれの継手用移動許容部材内の移動
許容空間による各衝撃吸収ストロークに分散することが
でき、センタサポートの中心から重量物であるスライド
式等速継手の中心までの距離を小さくすることができ、
さらに、それぞれのスライド式等速継手部位における衝
撃吸収ストロークをそれぞれの継手用移動許容部材内の
移動許容空間の長さにより異ならせることができる。
【0016】
【実施例】以下図面に基づいて、この発明の実施例を説
明する。図1〜図3は、この発明の第1実施例を示すも
のである。図3において、2は車両、4・6は車体フレ
ーム、8はパワーユニット、10はエンジン、12はト
ランスミッション、14はトランスファである。車両2
は、車体フレーム4・6にパワーユニット8のエンジン
10をエンジンマウント機構16・18により支持して
設け、車体フレーム6にトランスファ14をトランスフ
ァマウント機構20により支持して設けている。
【0017】この車両2は、パワーユニット8を構成す
るエンジン10に連結されたトランスミッション12の
駆動力を後部プロペラシャフト22により後部差動機2
4に伝達し、この後部差動機24に連絡する後部車軸2
6により後輪28を駆動するとともに、トランスミッシ
ョン12の駆動力をトランスファ14により分配して取
出し、このトランスファ14の駆動力を前部プロペラシ
ャフト30により前部差動機32に伝達し、前部車軸3
4により前輪36を駆動する。
【0018】この車両2は、パワーユニット8のトラン
スミッション12が出力する駆動力を後部差動機24に
伝達する後部プロペラシャフト22を設け、パワーユニ
ット8のトランスファ14が出力する駆動力を前部差動
機32に伝達する前部プロペラシャフト30を設けてい
る。
【0019】前記後部プロペラシャフト22は、後部ユ
ニット側継手38と後部差動機側継手40とによりパワ
ーユニット8のトランスミッション12と後部差動機2
4とに連絡して設けている。
【0020】前記前部プロペラシャフト30は、トラン
スファ14側の前部第1シャフト部30−1と前部差動
機32側の前部第2シャフト部30−2とに2分割して
設け、前部ユニット側継手42と中間継手44と前部差
動機側継手46とによりパワーユニット8のトランスフ
ァ14と前部差動機32とに連絡して設け、途中をセン
タサポート48により車体側に支持して設けている。
【0021】この前部プロペラシャフト30は、前部ユ
ニット側継手42と中間継手44と前部差動機側継手4
6との少なくとも2つを、スライド式のダブルオフセッ
トジョイント等のスライド式等速自在継手として設けて
いる。
【0022】第1実施例においては、図1に示す如く、
中間継手44と前部差動機側継手46とをスライド式等
速自在継手として設けている。スライド式等速自在継手
とした中間継手44と前部差動機側継手46とは、セン
タサポート48の前部差動機32側の前部第2シャフト
部30−2に設けている。中間継手44とセンタサポー
ト48との間には、中間継手用移動許容部材50を設け
ている。前部差動機側継手46と前部差動機32との間
には、差動機側継手用移動許容部材52を設けている。
【0023】これにより、前部プロペラシャフト30
は、前部第1シャフト部30−1を前部ユニット側継手
42によりパワーユニット8のトランスファ14に連絡
して設け、前部第1シャフト部30−1と前部第2シャ
フト部30−2とを中間継手44と中間継手用移動許容
部材50とにより連絡して設け、前部第2シャフト部3
0−2を前部差動機側継手46と差動機側継手用移動許
容部材52とにより前部差動機32に連絡して設けてい
る。
【0024】前記中間継手44は、前部第2シャフト部
30−2の第2サポート側軸体部30−2aに外嵌され
た内輪54と、この内輪54の外側に設けられたボール
56と、このボール56を保持するケージ58と、ボー
ル56の外側に設けられた外輪60とからなる。中間継
手44は、内輪54と外輪60との間にボール56を転
動可能且つ軸方向移動可能に保持している。
【0025】中間継手44は、外輪60の前部差動機3
2側にブーツカバー62を取付け、このブーツカバー6
2にブーツ64を保持して設け、外輪60のセンタサポ
ート48側にシールプレート66を設けている。
【0026】前記中間継手用移動許容部材50は、有底
筒形状の中間継手用移動許容筒体68内に中間継手44
の構成部品である内輪54等の相対的軸方向移動を許容
する中間継手用移動許容空間70を形成して設けてい
る。中間継手用移動許容筒体68は、中間継手44側に
継手用フランジ72を設けるとともにセンタサポート4
8側の底壁部74に取付軸体76を突出させて設けてい
る。中間継手用移動許容部材50は、継手用フランジ7
2を外輪60にブーツカバー62とともに継手用取付ボ
ルト78により連結される。
【0027】前記中間継手用移動許容部材50の取付軸
体76には、サポート取付部80と部材取付部82とね
じ部84とを設けている。前部プロペラシャフト30
は、継手用移動許容部材50のサポート取付部80を前
記センタサポート48により支持される。
【0028】前記センタサポート48は、サポート取付
部80にサポート軸受86を外嵌して設け、サポート軸
受86にサポート内環部材88を外嵌し設け、サポート
内環部材88にマウント部材90の内周側を固着して設
け、マウント部材90の外周側をサポート外環部材92
に固着して設け、サポート外環部材92を車体側のエン
ジンマウント機構16に取付けられるサポートブラケッ
ト94に固着して設けている。
【0029】前記中間継手用移動許容部材50の取付軸
体76の部材取付部82には、シャフト用フランジ96
を嵌装してねじ部84に螺着した取付ナット98により
固定している。シャフト用フランジ96には、前部第1
シャフト部30−1の連結フランジ100をフランジ用
取付ボルト102により固定して設けている。
【0030】前記前部差動機側継手46は、前部第2シ
ャフト部30−2の第2差動機側軸体部30−2bに外
嵌された内輪104と、この内輪104の外側に設けら
れたボール106と、このボール106を保持するケー
ジ108と、ボール106の外側に設けられた外輪11
0とからなり、内輪104と外輪110との間にボール
106を転動可能且つ軸方向移動可能に保持している。
【0031】前部差動機側継手46は、外輪110の中
間継手44側にブーツカバー112を取付け、このブー
ツカバー112にブーツ114を保持して設け、外輪1
10の前部差動機32側にシールプレート116を設け
ている。
【0032】前記差動機側継手用移動許容部材52は、
筒形状の差動機側継手用移動許容筒体118内に前部差
動機側継手46の構成部品である内輪104等の相対的
軸方向移動を許容する差動機側継手用移動許容空間12
0を形成して設けている。差動機側継手用移動許容筒体
118は、継手用フランジ122を前部差動機側継手4
6の外輪110に継手用取付ボルト124により連結
し、前部差動機用フランジ126を前部差動機32の連
結フランジ128にフランジ用取付ボルト130により
固定して設けている。
【0033】次に、第1実施例の作用を説明する。
【0034】車両2は、図3に示す如く、前方から外力
Fが作用すると、前部差動機32が後方に移動され、ま
た、重量物であるパワーユニット8が慣性により前方に
移動され、トランスファ14と前部差動機32との間の
間隔が小さくなることにより、図2に示す如く、前部プ
ロペラシャフト30に矢印に示す如く縮める方向の軸方
向力が作用する。
【0035】前部プロペラシャフト30は、縮める方向
の軸方向力によって、前部第2シャフト部30−2のサ
ポート側軸体部30−2aに取付けられた中間継手44
の内輪54とボール56とケージ58とが外輪60に対
して相対的に軸方向移動し、シールプレート66を押し
て中間継手用移動許容部材50内の中間継手用移動許容
空間70に突入し、底壁部74に当接される。
【0036】また、前部プロペラシャフト30は、縮め
る方向の軸方向力によって、前部第2シャフト部30−
2の差動機側軸体部30−2bに取付けられた前部差動
機側継手46の内輪104とボール106とケージ10
8とが外輪110に対して相対的に軸方向移動し、シー
ルプレート116を押して差動機側継手用移動許容部材
52内の差動機側継手用移動許容空間120に突入し、
連結フランジ128に当接される。
【0037】これにより、前部プロペラシャフト30
は、軸方向力が作用した際に、中間継手44の内輪54
等の構成部品が中間継手用移動許容部材50内の中間継
手用移動許容空間70に相対的な軸方向移動を許容され
て突張ることがなく、衝撃吸収ストロークS1だけ短縮
されて衝撃を吸収することができ、また、前部差動機側
継手46の内輪104等の構成部品が差動機側継手用移
動許容部材52内の差動機側継手用移動許容空間120
に相対的に軸方向移動を許容されて突張ることがなく、
衝撃吸収ストロークS2だけ短縮されて衝撃を吸収する
ことができる。
【0038】このため、前部プロペラシャフト30は、
全体として各衝撃吸収ストロークS1・S2を併せた衝
撃吸収ストロークS(S1+S2)だけ短縮されて衝撃
を吸収することができ、軸方向力が作用した際の衝撃を
緩和することができる。
【0039】また、前部プロペラシャフト30は、前部
プロペラシャフト30全体の衝撃吸収ストロークSをそ
れぞれの継手用移動許容部材50・52内の移動許容空
間70・120による各衝撃吸収ストロークS1・S2
に分散することができ、センタサポート48の中心C1
から重量物であるスライド式等速継手からなる中間継手
42の中心C2までの距離L1を従来(図8の距離L)
よりも小さくすることができる。
【0040】このため、前部プロペラシャフト30は、
センタサポート48に対して重量物であるスライド式等
速継手からなる中間継手42のオーバハングを小さくし
得て、振動・騒音を低減することができる。
【0041】さらに、前部プロペラシャフト30は、そ
れぞれのスライド式等速継手からなる中間継手42及び
前部差動機側継手44部位における衝撃吸収ストローク
S1・S2をそれぞれの継手用移動許容部材50・52
内の移動許容空間70・120の長さにより異ならせる
ことができる。
【0042】このため、前部プロペラシャフト30は、
プロペラシャフトの各スライド式等速継手部位における
衝撃吸収ストロークを調整することができ、FR方式を
ベースとして前輪36及び後輪28を駆動する車両2に
外力Fが作用した際に、パワーユニット8や前部差動機
32等のレイアウトによって、前部差動機32が移動さ
れ、重量物であるパワーユニット8が慣性により移動さ
れ、センタサポート48が移動されることにより前部プ
ロペラシャフト2の各継手部位における必要な衝撃吸収
ストロークが異なる場合に対応することができる。
【0043】図4〜図6は、第2実施例を示すものであ
る。第2実施例の前部プロペラシャフト30は、図4に
示す如く、中間継手44と前部差動機側継手46とをス
ライド式のダブルオフセットジョイント等のスライド式
等速自在継手として設け、スライド式等速自在継手とし
た中間継手44をセンタサポート48のパワーユニット
8のトランスファ14側の前部第1シャフト部30−1
に設け、前部差動機側継手46をセンタサポート48の
前部差動機32側の前部第2シャフト部30−2に設け
ている。
【0044】前記中間継手44とセンタサポート48と
の間には、中間継手用移動許容部材50を設けている。
前部差動機側継手46と前部差動機32との間には、差
動機側継手用移動許容部材52を設けている。
【0045】前記中間継手44は、内輪54とボール5
6とケージ58と外輪60とからなり、内輪54と外輪
60との間にボール56を転動可能且つ軸方向移動可能
に保持し、前部第1シャフト部30−1の第1サポート
側軸体部30−1aに内輪54を外嵌して設け、外輪6
0のトランスファ14側にブーツカバー62を取付け、
このブーツカバー62にブーツ64を保持して設け、外
輪60のセンタサポート48側にシールプレート66を
設けている。
【0046】この中間継手44とセンタサポート48と
の間には、中間継手用移動許容部材50を設けている。
中間継手用移動許容部材50は、サポート内環部材88
と略同等の外径を有する有底筒形状の中間継手用移動許
容筒体68を設け、中間継手用移動許容筒体68内に中
間継手44の構成部品の相対的軸方向移動を許容する中
間継手用移動許容空間70を形成して設けている。
【0047】中間継手用移動許容部材50は、中間継手
44側の継手用フランジ72を中間継手44の外輪60
に継手用取付ボルト78により連結し、センタサポート
48側の底壁部74に突出させた取付軸体76のサポー
ト取付部80をセンタサポート48によりエンジンマウ
ント機構16に支持し、取付軸体76の部材取付部82
にシャフト用フランジ132を嵌装し、ねじ部84に螺
着した取付ナット98により固定して設けている。シャ
フト用フランジ132は、前部第2シャフト部30−2
の連結フランジ134にフランジ用取付ボルト136に
より固定して設けている。
【0048】なお、前部差動機側継手46及び差動機側
継手用移動許容部材52は、第1実施例と同様の構成で
あるので、説明を省略する。
【0049】第2実施例の前部プロペラシャフト30
は、センタサポート48のトランスファ14側にスライ
ド式等速自在継手とした中間継手44を設け、センタサ
ポート48の前部差動機32側にスライド式等速自在継
手とした前部差動機側継手46を設け、中間継手用移動
許容空間70を形成した中間継手用移動許容部材50と
差動機側継手用移動許容空間120を形成した差動機側
継手用移動許容部材52とを設けていることにより、図
5に示す如く、前部プロペラシャフト30に矢印に示す
如く縮める方向の軸方向力が作用した際に、衝撃吸収ス
トロークS1・S2だけ短縮されて衝撃を吸収すること
ができる。
【0050】このため、第2実施例の前部プロペラシャ
フト30は、第1実施例と同様に、全体として各衝撃吸
収ストロークS1・S2を併せた衝撃吸収ストロークS
(S1+S2)だけ短縮されて衝撃を吸収することがで
き、軸方向力が作用した際の衝撃を緩和することができ
る。
【0051】また、前部プロペラシャフト30は、セン
タサポート48の中心C1から重量物であるスライド式
等速継手からなる中間継手42の中心C2までの距離L
1を従来(図8の距離L)よりもを小さくすることがで
きるため、センタサポート48に対して重量物であるス
ライド式等速継手からなる中間継手42のオーバハング
を小さくし得て、振動・騒音を低減することができる。
【0052】さらに、前部プロペラシャフト30は、衝
撃吸収ストロークS1・S2をそれぞれの継手用移動許
容部材50・52内の移動許容空間70・120の長さ
により異ならせて、プロペラシャフトの各スライド式等
速継手部位における衝撃吸収ストロークを調整すること
ができ、センタサポート48が移動されることにより前
部プロペラシャフト2の各継手部位における必要な衝撃
吸収ストロークが異なる場合に対応することができる。
【0053】さらにまた、第2実施例の前部プロペラシ
ャフト30には、センタサポート48のサポート内環部
材88と略同等の外径を有する有底筒形状の中間継手用
移動許容筒体68を設けていることにより、図6に示す
如く、車両2の前方から外力Fが作用して重量物である
パワーユニット8が慣性により前方に移動され、図5に
示す如く、前部プロペラシャフト30とセンタサポート
48の構成部材であるサポートブラケット94との相対
位置が斜めに変化した場合にも、前部プロペラシャフト
30の軸方向の変化を阻害することなく許容することが
でき、衝撃吸収機能を確保することができる。
【0054】このため、第2実施例の前部プロペラシャ
フト30は、軸方向力が作用した際の衝撃を緩和するこ
とができる。
【0055】図7は、第3実施例を示すものである。第
3実施例の前部プロペラシャフト30には、センタサポ
ート48のパワーユニット8側にスライド式等速ジョイ
ントからなる第1中間継手44−1を設け、センタサポ
ート48の前部差動機32側にスライド式等速ジョイン
トからなる第2中間継手44−2を設けている。
【0056】第1中間継手44−1は、前部第1シャフ
ト部30−1の第1サポート側軸体部30−1aに第1
内輪54−1を外嵌し、センタサポート48との間に第
1中間継手用移動許容部材50−1を設けている。第2
中間継手44−2は、前部第2シャフト部30−2の第
2サポート側軸体部30−2aに第1内輪54−2を外
嵌し、センタサポート48との間に第2中間継手用移動
許容部材50−2を設けている。
【0057】第1中間継手用移動許容部材50−1は、
第1中間継手用移動許容筒体68−1内に第1中間継手
用移動許容空間70−1を形成し、第1外輪60−1に
第1継手用取付ボルト78−1により連結される。第2
中間継手用移動許容部材50−2は、第2中間継手用移
動許容筒体68−2内に第2中間継手用移動許容空間7
0−2を形成し、第2外輪60−2に第2継手用取付ボ
ルト78−2により連結される。
【0058】前記第2中間継手用移動許容部材50−2
には、取付軸体76−2を設け、サポート取付部80−
2をセンタサポート48により支持し、部材取付部82
−2に第1中間継手用移動許容部材50−1の取付筒部
138を嵌装し、ねじ部84−2に取付ナット98を螺
着して第1中間継手用移動許容部材50−1を連結して
いる。
【0059】第3実施例の前部プロペラシャフト30
は、センタサポート48のパワーユニット8側と前部差
動機32側とにそれぞれ第1・第2中間継手44−1・
44−2を設け、センタサポート48側に第1・第2中
間継手用移動許容空間70−1・70−2を形成した第
1・第2中間継手用移動許容部材50−2・50−2を
設けていることにより、前述第1・第2実施例と同様の
効果を奏することができる。
【0060】また、第3実施例の前部プロペラシャフト
30は、センタサポート48を挟んで前部第1・第2シ
ャフト部30−1・30−2にそれぞれ第1・第2中間
継手44−1・44−2と第1・第2中間継手用移動許
容部材50−2・50−2と対称に配置していることに
より、センタサポート48に対して重量物である第1・
第2中間継手44のオーバハングを小さくしつつ重量配
分を略均等にし得て、振動・騒音を低減することができ
る。
【0061】なお、この発明は、上述実施例に限定され
るものではなく、種々応用改変が可能である。例えば、
中間継手用移動許容部材50と差動機側継手用移動許容
部材52とは、前部プロペラシャフト30に作用する軸
方向力の大きさに応じて、中間継手44の構成部品の相
対的軸方向移動と前部差動機側継手46の構成部品の相
対的軸方向移動とが順次に段階的に生じるように、中間
継手用移動許容空間70と差動機側継手用移動許容空間
120との断面形状を異ならせることにより、車両2に
作用する外力に応じて前部プロペラシャフト30を順次
に短縮させることができ、衝撃を段階的に緩和して吸収
させることができる。また、ユニット側継手42と中間
継手44と前部差動機側継手46との少なくとも2つを
スライド式等速継手としたが、3つのすべてをスライド
式等速継手とすることもできる。
【0062】
【発明の効果】このように、この発明のプロペラシャフ
トの衝撃吸収構造は、プロペラシャフトに軸方向力が作
用した際にそれぞれのスライド式等速継手の構成部品を
相対的軸方向移動させて衝撃を吸収させることができ、
また、プロペラシャフト全体の衝撃吸収ストロークをそ
れぞれの継手用移動許容部材によって各衝撃吸収ストロ
ークに分散することができ、センタサポートの中心から
重量物であるスライド式等速継手の中心までの距離を小
さくすることができ、さらに、それぞれのスライド式等
速継手部位における衝撃吸収ストロークをそれぞれの継
手用移動許容部材内の移動許容空間の長さにより異なら
せることができる。
【0063】このため、このプロペラシャフトの衝撃吸
収構造は、プロペラシャフトに軸方向力が作用した際の
衝撃を緩和し得て、センタサポートに対して重量物であ
るスライド式等速継手のオーバハングが小さくし得て、
振動・騒音を低減し得て、プロペラシャフトの各スライ
ド式等速継手部位における衝撃吸収ストロークを調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す前部プロペラシャフトの断面
図である。
【図2】前部プロペラシャフトに軸方向力が作用した際
の断面図である。
【図3】車両の駆動力伝達系の概略平面図である。
【図4】第2実施例を示す前部プロペラシャフトの断面
図である。
【図5】前部プロペラシャフトに軸方向力が作用した際
の断面図である。
【図6】車両に外力が作用した際の駆動力伝達系の概略
平面図である。
【図7】第3実施例を示す前部プロペラシャフトの要部
断面図である。
【図8】従来例を示すプロペラシャフトの断面図であ
る。
【符号の説明】
2 車両 8 パワーユニット 10 エンジン 12 トランスミッション 14 トランスファ 16・18 エンジンマウント機構 20 トランスファマウント機構 22 後部プロペラシャフト 24 後部差動機 30 前部プロペラシャフト 32 前部差動機 42 前部ユニット側継手 44 中間継手 46 前部差動機側継手 48 センタサポート 50 中間継手用移動許容部材 52 前部差動機側継手用移動許容部材 70 中間継手用移動許容空間 120 差動機側継手用移動許容空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載したパワーユニットの駆動力
    を差動機に伝達するプロペラシャフトを設け、このプロ
    ペラシャフトをユニット側継手と中間継手と差動機側継
    手とにより前記パワーユニットと差動機とに連絡して設
    け、このプロペラシャフトの途中をセンタサポートによ
    り車体側に支持して設けたプロペラシャフトの衝撃吸収
    構造において、前記ユニット側継手と中間継手と差動機
    側継手との少なくとも2つをスライド式等速継手として
    設け、これら2つのスライド式等速継手にそれぞれ継手
    用移動許容部材を設け、これら継手用移動許容部材内に
    それぞれスライド式等速継手の構成部品の相対的軸方向
    移動を許容する移動許容空間を形成して設けたことを特
    徴とするプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記プロペラシャフトには、前記センタ
    サポートの差動機側に2つのスライド式等速継手を設
    け、これら2つのスライド式等速継手にそれぞれ継手用
    移動許容部材を設け、これら継手用移動許容部材内にそ
    れぞれスライド式等速継手の構成部品の相対的軸方向移
    動を許容する移動許容空間を形成して設けたことを特徴
    とする請求項1に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構
    造。
  3. 【請求項3】 前記プロペラシャフトには、前記センタ
    サポートのパワーユニット側と差動機側とにそれぞれス
    ライド式等速継手を設け、これら2つのスライド式等速
    継手にそれぞれ継手用移動許容部材を設け、これら継手
    用移動許容部材内にそれぞれスライド式等速継手の構成
    部品の相対的軸方向移動を許容する移動許容空間を形成
    して設けたことを特徴とする請求項1に記載のプロペラ
    シャフトの衝撃吸収構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6913105B2 (en) * 2002-04-22 2005-07-05 Hitachi, Ltd. Shock-absorbing mechanism for power-transmission device
JP2008151237A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Ntn Corp 等速自在継手用支持軸受装置

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