JP2001030638A - 被熱転写シートおよびその製法 - Google Patents

被熱転写シートおよびその製法

Info

Publication number
JP2001030638A
JP2001030638A JP11211838A JP21183899A JP2001030638A JP 2001030638 A JP2001030638 A JP 2001030638A JP 11211838 A JP11211838 A JP 11211838A JP 21183899 A JP21183899 A JP 21183899A JP 2001030638 A JP2001030638 A JP 2001030638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
pattern
receiving layer
image receiving
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11211838A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Nakahara
正貴 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP11211838A priority Critical patent/JP2001030638A/ja
Publication of JP2001030638A publication Critical patent/JP2001030638A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材シート上に、昇華型染料受像層を簡単か
つ低廉に形成することができ、種々の印刷方式において
高品質の印刷画像を得ることができ、さらに溶液法によ
る模様とは異なる意匠性を有する被熱転写シートを提供
する。 【解決手段】 粉体塗工法により昇華型染料受容能力の
ある受像層を有する被熱転写シートを製造する際に、該
受像層を形成したのちまたは形成する前に該受像層と色
が同じまたは異なった粉体塗料を用いて静電塗工法によ
りシート上に昇華染料受容能力のある模様を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗工法により
昇華型染料受容能力のある受像層を有する被熱転写シー
トを製造する際に、該受像層を形成したのちまたは形成
する前に粉体塗工法により昇華染料受容能力のある模様
が形成された被熱転写シートおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、文字、画像などの情報を種々の染
料またはインクを用いて記録用受像シート(通常は記録
用受像紙)に印刷し、記録するために、種々の印刷方式
が知られている。
【0003】しかし、どのような印刷方式を採用するに
せよ、前記記録用受像シートは、一般に、染料またはイ
ンクの滲みを防止したり、定着させたりする機能を有す
る物質を溶剤に溶解または分散させたものを基材シート
上に単層または多層に積層して形成したものである。
【0004】したがって、前記記録用受像シートは、製
造工程が長く、高価なものとならざるを得ず、また、用
いられる印刷方式の特性から、各印刷方式に対応した特
殊な記録用受像シートを用いない場合には、高品質の印
刷物を得ることができないのが常である。
【0005】また、前記記録用受像シートは、通常は白
色であるが、記録用受像シートに模様などを形成して意
匠性を付与し、高付加価値商品にしようとする場合、さ
らに製造工程が長くなる。
【0006】さらに、模様の形成は、一般に着色剤など
を溶剤に溶解させたものを塗工することにより行なわれ
るため、輪郭がはっきりしたいわゆる着色部分が明瞭な
カラープリントのごとき模様しか得られない。
【0007】たとえば昇華性染料転写型印刷方式の場
合、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような支持
体上に昇華性染料の層を形成した熱転写シート(インク
シートやインクフィルムとも呼ばれる、以後、インクシ
ートという)と、表面に前記染料を受容する層を有する
熱転写受像シートとを製造し、前記インクシートの染料
層側を前記熱転写受像シートの受像層側に重ね合わせ、
サーマルヘッドなどの感熱手段によって、画像情報に対
応する、インクシートの部分を加熱し、前記画像情報に
対応する部分の染料を熱転写受像シートの受像層に移行
させて、インクシートから熱転写受像シートに画像を熱
転写させることにより印刷される。
【0008】従来、このような昇華性染料転写型印刷方
式に用いられる熱転写受像シートは、紙、合成紙、合成
樹脂シートなどの基材シート上にインクシートの染料が
熱によって拡散または移行することのできる樹脂層から
なる受像層と、該受像層とインクシートとの加熱時の融
着を防止し、離型性をもたせるための樹脂層とからなる
複数の樹脂層を湿式塗工法により順に積層することによ
って製造されている。
【0009】したがって、従来の熱転写受像シートは、
基材シート上に受像層を構成する樹脂を含む溶液を塗布
し、乾燥させて受像層を形成し、ついでその上に、離型
層を形成するための樹脂層を塗布し、乾燥させて離型層
を形成することにより、すなわち、機能別に複数の樹脂
層を積層することにより製造されている。それゆえ、従
来の熱転写受像シートは、製造工程が長く、製造コスト
が高くなる。さらに、前記記録用受像シートに模様など
を形成して意匠性を付与する場合、製造工程が一層長く
なり、製造コストも高くなる。
【0010】前記方式とは別に、溶融性インク転写型印
刷方式も知られている。
【0011】この印刷方式は、インクシートのインクを
加熱溶融させ、これを熱転写受像シートに転写し、定着
させる方式である。したがって、この印刷方式用の記録
用受像シートの場合、基材シート上に溶融したインクを
受け入れるための微細な多孔質樹脂層が設けられてい
る。このように、溶融性インク転写型印刷方式も、専用
紙を用いることが必要である。
【0012】さらに、溶融性インク転写型印刷方式用の
記録用受像シートの表面には、溶融したインクを受け入
れるための微細な多孔質樹脂層が必要であるため、意匠
性を付与するための模様の形成のために着色剤などを含
む溶液を塗工することは、記録用受像シートの特性の低
下につながり、通常は行なわれないことである。
【0013】また、水性インクを用いる水性インクジェ
ット印刷方式や固形インクを用いる固形インクジェット
印刷方式も知られているが、水性インクジェット印刷方
式の場合には、インクを染着させるための染着層とイン
ク中の余分の水分を吸湿する吸湿層とを基材シート上に
設けた専用紙が必要である。この印刷方式で用いられる
代表的な記録用受像シートは、たとえば、水性樹脂層か
らなる吸湿層とカチオン性アクリル樹脂などからなる染
着層とが基材シート上で積層されて構成されている。
【0014】この場合も、意匠性を付与するための模様
の形成のために着色剤などを含む溶液を塗工すること
は、記録用受像シートの特性の低下につながり、通常は
行なわれないことである。
【0015】以上のように、前記いずれの印刷方式にお
いても、高品質の印刷画像を得るためには、その印刷方
式に応じて、基材シート上に染料またはインクを受容す
るための層を単層〜多層に設けた特殊な専用の記録用受
像シートを必要としている。
【0016】前記記録用受像シートとは異なるタイプの
記録用受像シートとして、基材シート上に樹脂成分を含
む粉体塗料組成物を静電スプレー法によって乾式塗工
し、これを加熱溶融して定着させて、基材シート上に染
料またはインクの受像層となる樹脂塗膜を形成した、簡
単かつ低廉でありながら、種々の印刷方式において高品
質の印刷画像を得ることができる記録用受像シートが開
示されている(特開平10−203031号公報)。
【0017】しかしながらこの記録用受像シートの場合
も、模様の形成についての記載はない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の種々
の記録用受像シートにおける上述したような問題を解決
するためになされたものであって、基材シート上、好ま
しくは紙上に、昇華型染料受容能力のある受像層を簡単
かつ低廉に形成することができ、種々の印刷方式におい
て高品質の印刷画像を得ることができ、意匠性を有する
記録用受像シートおよびその製法を提供することを目的
とする。
【0019】とくに、本発明は、ロールから巻き戻した
連続した長尺の基材シート上に粉体塗料組成物を粉体塗
工法、たとえば静電スプレー法により乾式塗工し、これ
を加熱溶融し、定着させることによって、基材シート上
に昇華型染料受容能力のある受像層を形成し、さらに、
前記受像層の形成のあとでまたは前に粉体塗工法により
昇華型染料受容能力のある模様を形成した、昇華型染料
転写型印刷において高品質の印刷画像を得ることができ
る記録用受像シートを低廉かつ簡単に提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は前記実情に鑑み
てなされたものであり、熱転写印刷法で昇華型染料が転
写印刷される被熱転写シートであって、粉体塗工法によ
り製造された昇華型染料受容能力のある受像層を有する
シートの上または該受像層の下に、粉体塗工法により昇
華型染料受容能力のある模様が形成されていることを特
徴とする被熱転写シート(請求項1)、熱転写印刷法で
昇華型染料が転写印刷される被熱転写シートであって、
粉体塗工法により製造された昇華型染料受容能力のある
受像層を有するシートの上または該受像層の下に、粉体
塗工法により昇華型染料受容能力のある、該受像層と色
の異なった粉体塗料で模様が形成されていることを特徴
とする被熱転写シート(請求項2)、および粉体塗工法
により昇華型染料受容能力のある受像層を有する被熱転
写シートを製造する際に、該受像層を形成したのちまた
は形成する前に着色した粉体を用いて静電塗工法により
シート上に昇華染料受容能力のある、該受像層と色が同
じまたは異なった粉体塗料で模様を形成することを特徴
とする被熱転写シートの製法(請求項3)に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明において粉体塗工法により
昇華型染料受容能力のある模様が形成された被熱転写シ
ートは、熱転写印刷法で昇華型染料が転写印刷されるも
のであり、粉体塗工法により製造された昇華型染料受容
能力のある受像層および模様を有する被熱転写シートで
ある。
【0022】このように、模様を有さない受像層も、そ
の上に形成される模様の部分も、粉体塗工法により形成
されるため、昇華型染料受容能力があり、かつ、鉛筆、
ボールペン、万年筆などの通常の筆記具で筆記すること
ができる表面にすることができる。また、形成される模
様が、粉体塗工法により形成されるため、溶液塗工法の
場合のような輪郭がはっきりした模様とは異なるおもむ
きの模様にすることができる。さらに、前記模様を有さ
ない受像層も、模様も粉体塗工法により形成されるた
め、たとえば長尺の基材シートに連続して模様を有さな
い受像層、ついで模様を形成することができるので、簡
単かつ生産性よく製造することができる。なお、模様を
有さない受像層を形成する前に模様を形成すると、すか
し模様にすることができる。
【0023】前記粉体塗工法により製造された昇華型染
料受容能力のある受像層を有する被熱転写シートは、た
とえば基材シート上に粉体塗工用粉体を付着させ、加熱
溶融させて定着させることにより得ることができる。こ
のようにして形成された被熱転写シート表面には、粉体
が加熱溶融して定着する場合に形成された微細な(たと
えば約1.2μmの)凹凸が形成されているため、昇華
型染料に対する受容能力が形成され、鉛筆、ボールペ
ン、万年筆などの通常の筆記具で表面に容易に筆記する
ことができる。
【0024】なお、前記昇華型染料受容能力がある受像
層を有するとは、熱転写印刷法で印刷した場合に、昇華
型染料が熱拡散または移行しやすい受像層を有すること
をいう。
【0025】前記基材シートとしては、通常の被熱転写
シートの製造に用いられるものであればとくに限定なく
使用することができる。具体的には、たとえば紙、合成
紙、合成樹脂シートなどを使用することができる。
【0026】前記紙は、通常のセルロース繊維から形成
されるものであればとくに限定されるものではなく、普
通紙のほか、上質紙、コート紙などであってもよい。普
通紙としては、通常のPPCコピー用紙、このPPCコ
ピー用紙の表面の平滑性を高めるためにカレンダー処理
したもの、さらには、既に表面処理されている熱転写用
ワード・プロセッサ用紙やコート紙などがあげられる。
【0027】前記合成紙としては、たとえばポリオレフ
ィン系樹脂やその他の合成樹脂を樹脂成分とし、これに
所要の無機質充填剤などを混合し、押出によって得られ
るものなどがあげられる。
【0028】前記合成樹脂シートとしては、たとえばポ
リエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどか
らなるシートがあげられる。
【0029】前記粉体塗工用粉体は、粉体塗料組成物を
粉体塗工に適する粒子径に粉砕・分級したものである。
場合により粉体の流動性を高めるための流動性改良剤が
さらに加えられる。
【0030】前記粉体塗料組成物は、種々の成分を粉体
にまとめる結着樹脂としての役割をはたすとともに、基
材シート上に受像層となる塗膜を形成し、印刷に際して
は文字や画像を形成する染料を受容して、記録用受像シ
ートへの印刷または記録を可能とする樹脂成分、必要に
より使用される白色度を高めるために使用される着色剤
または充填剤、粉体を基材シートの表面に定着させる際
にオフセットを起こさないようにするためのオフセット
防止剤、インクシートとの離型性を確保する離型剤など
から形成される。
【0031】前記樹脂成分としては、たとえば飽和ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重
合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂などのスチレ
ン系樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂などがあげ
られる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、飽
和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂またはスチレン−アクリル共重合樹脂が好ましい。
【0032】前記飽和ポリエステル樹脂は、2価カルボ
ン酸と2価アルコールとの縮合重合によって得られる重
合体である。
【0033】前記2価カルボン酸にはとくに限定はない
が、たとえば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸などの脂肪族2塩基酸、無水フタル酸、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族2塩基酸
などがあげられる。必要に応じて、たとえばトリメリッ
ト酸無水物やピロメリット酸無水物などの3価以上の多
塩基酸またはその無水物を併用してもよい。
【0034】前記2価のアルコールにもとくに限定はな
いが、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、水添ビスフェノールAなどがあげられ
る。必要に応じて、たとえばグリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトールなどの3価以上の多価アルコールを併用して
もよい。
【0035】前記飽和ポリエステル樹脂として、市販品
を好適に用いることができる。前記市販品の例として
は、たとえばバイロン103、200、290、600
(東洋紡績(株)製)、KA−1038C(荒川化学工
業(株)製)、TP−220、235(日本合成化学工
業(株)製)、ダイヤクロンER−101、ER−50
1、FC−172、FC−714(三菱レイヨン(株)
製)、タフトンNE−382、1110、2155(花
王(株)製)などがあげられる。
【0036】前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
も、市販品を好適に用いることができる。前記市販品の
例としては、たとえばデンカビニール#1000D、#
1000MT2、#1000MT3、#1000LK
2、#1000ALK(電気化学工業(株)製)、UC
RA−VYHD、UCRA−VYLF(ユニオン・カー
バイド製)、エスレックC(積水化学工業(株)製)な
どがあげられる。
【0037】前記スチレン−アクリル共重合樹脂は、ス
チレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であ
る。
【0038】前記(メタ)アクリル酸エステルの例とし
ては、たとえばエチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタク
リレートなどがあげられる。
【0039】前記スチレン−アクリル共重合樹脂も、種
々の市販品を好適に用いることができる。前記市販品の
例としては、たとえばハイマーUNi−3000、TB
−1800、TBH−1500(三洋化成工業(株)
製)、CPR−100、600B、200、300、X
PA4799、4800(三井化学(株)製)などがあ
げられる。
【0040】これらは単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0041】前記樹脂成分は、粉体塗料組成物に、通
常、60〜95重量%(以下、%という)、好ましくは
70〜90%の範囲で配合される。
【0042】前記着色剤または充填剤としては、たとえ
ば亜鉛華、酸化チタン、酸化スズ、アンチモン白、硫化
亜鉛、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボ
ン、タルク、アルミナ、バライトなどが用いられる。酸
化チタンは、通常、白色着色剤として好ましく用いら
れ、基材シート、たとえば紙に白色の地色を与える。着
色剤または充填剤(無色)は、粉体塗料組成物に、通
常、0.5〜25%、好ましくは1〜18%の範囲で配
合される。
【0043】前記オフセット防止剤としては、通常、融
点が50〜150℃の範囲にある種々のワックス類が好
ましく用いられる。具体的には、たとえばパラフィンワ
ックス、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィンワックス、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、高級
脂肪酸、高級アルコールなどがあげられる。
【0044】前記オフセット防止剤は、通常、粉体塗料
組成物に0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%の
範囲で配合される。
【0045】前記粉体塗料組成物には、インクシートか
ら熱転写受像シートに印刷する際にインクシートの離型
性を確保するために、前記樹脂成分とともに、反応し得
る官能基を有する反応硬化性シリコーンオイルの少なく
とも1種が、その官能基によって反応したものを含むこ
とが好ましい。
【0046】前記反応硬化性シリコーンオイルは、たと
えばアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノ
ール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基な
どの反応性基をポリシロキサン、通常、ジメチルポリシ
ロキサンの側鎖、分子末端または両方に導入したものが
あげられる。既に種々のものが市販されており、本発明
においても、そのような市販品から官能基の反応性を考
慮して、適宜に選択して用いることができる。
【0047】前記反応硬化性シリコーンオイルの例とし
ては、たとえばアミノ変性シリコーンオイル(たとえば
KF393、861、864、X−22−161A(信
越化学工業(株)製))、エポキシ変性シリコーンオイ
ル(たとえばKF−101、102、103、105、
X−22−163C、X−22−169C(信越化学工
業(株)製))、カルボキシル変性シリコーンオイル
(たとえばX−22−162A、X−22−3710、
X−22−162C、X−22−3701E(信越化学
工業(株)製))、カルビノール変性シリコーンオイル
(たとえばX−22−162AS、KF−6001(信
越化学工業(株)製))などがあげられる。
【0048】前記反応硬化性シリコーンオイルの性状や
製造方法については、たとえば「シリコーンハンドブッ
ク」(1990年8月31日日刊工業新聞社発行)に詳
細に記載されている。
【0049】前記粉体塗料組成物は、前記反応硬化性シ
リコーンオイルの少なくとも1種の反応物を0.5〜1
2%の範囲で含むことが好ましく、とくに0.5〜10
%の範囲で含むことが好ましい。前記反応硬化性シリコ
ーンオイルの反応物の量が0.5%よりも少ないとき
は、たとえば熱転写印刷方式における記録用受像シート
の離型性が充分でなく、熱転写の際にインクシートと記
録用受像シートとが融着し、高品質の画像を得ることが
容易でなくなりやすい。他方、12%をこえると、記録
用受像シートにおける硬化物の量が多くなりすぎるた
め、転写画像の濃度が充分でなくなりやすい。
【0050】前記反応硬化性シリコーンオイルにかえ
て、反応性シリコーンオイルでアクリル樹脂を変性した
粉末状のシリコーン変性アクリル樹脂を用いることもで
きる。前記シリコーン変性アクリル樹脂としては、たと
えばX−22−8004、X−22−2110(信越化
学工業(株)製)などの市販品があげられ、好適に用い
ることができる。
【0051】前記粉体塗料組成物は、前記樹脂成分のほ
か、必要に応じて前記のごとき着色剤、充填剤、反応硬
化性シリコーンオイル、シリコーン変性アクリル樹脂、
オフセット防止剤などを混合し、この混合物を、たとえ
ば100〜200℃程度、好ましくは130〜180℃
程度の温度で数分、通常、3〜5分程度、溶融混練する
ことにより、反応硬化性シリコーンオイルを配合した場
合にも、この間にこれら反応硬化性シリコーンオイルが
反応して反応物を形成する。前記加熱温度および時間
は、とくに限定されるものではなく、前記樹脂成分や反
応硬化性シリコーンオイルのほか、着色剤、充填剤、オ
フセット防止剤などの各成分が均一に混合されるととも
に、反応硬化性シリコーンオイルが反応して反応物を形
成する条件であればよい。前記混合物を溶融混練し、冷
却したのち粉砕し、適当な平均粒子径を有するように分
級すれば、インクや染料のための受容能力を有する受像
層を形成するための粉体塗工用粉体を得ることができ
る。粉体塗工用粉体の平均粒子径は、通常、1〜30μ
mの範囲であり、好ましくは5〜20μmの範囲であ
る。
【0052】前記粉体塗工用粉体に前記流動性改良剤を
配合することによって基材シートに静電スプレー法によ
り乾式塗工する際の流動性を改善することができる。さ
らに、前記流動性改良剤は、インクシートの離型性を高
めるのにも役立つ。すなわち、粉体塗工用粉体に配合す
ることによって、記録用受像シートは、とくにインクシ
ートからの画像の熱転写に際して、インクシートと記録
用受像シートが融着せず、記録用受像シートからのイン
クシートの離型性を高めることができる。また、通常の
筆記具による筆記性の向上にも役立つ。
【0053】前記流動性改良剤としては、たとえば疎水
性シリカ微粉末やアルミナ微粉末などがあげられる。
【0054】前記疎水性シリカ微粉末やアルミナ微粉末
の例としては、たとえばRA−200H(疎水性シリカ
微粉末)、T−805(アルミナ微粉末)(いずれも日
本アエロジル(株)製)などの市販品があげられ、好適
に用いることができる。
【0055】前記疎水性シリカ微粉末やアルミナ微粉末
は、粉体塗工用粉体100重量部(以下、部という)に
対して、必要に応じて10部以下、好ましくは0.1〜
8部、さらに好ましくは0.2〜6部の範囲で配合され
る。
【0056】前記のごとき粉体塗工用粉体、場合により
流動性改良剤を含む粉体を粉体塗工法、たとえば静電ス
プレー法によって、基材シート上に乾式塗工し、これを
加熱溶融して定着させ、前記基材シート上に粉体塗工用
粉体からなる塗膜を形成することによって、昇華型染料
受容能力のある受像層を有する被熱転写シートが形成さ
れる。
【0057】前記受像層は、基材シートの全面に形成さ
れていてもよく、また、必要に応じて、所定の箇所に部
分的に形成されていてもよいが、ユーザーで使用する場
合の自由度を考えれば全面形成が好ましい。
【0058】前記受像層の厚さは、通常、1〜20μ
m、好ましくは5〜10μmである。該厚さが薄すぎる
場合には、染料が充分浸透せず濃度がうすくなったり画
質がわるくなり、逆に厚すぎる場合には、受像層のわれ
が生じやすくなり品質上好ましくない傾向が生じる。
【0059】前記静電スプレー法によって基材シートに
受像層を形成する場合、粉体塗工用粉体を空気によりス
プレーガンの先端に搬送するとともに、スプレーガンの
先端に組み込んだ針電極に負の高電圧(たとえば、−5
0〜−90kV)を印加し、前記粉体を負に帯電させ、
他方、基材シートの裏面に電極を沿わせ、スプレーガン
と電極との間に存在する電界によって、前記負に帯電し
た粉体を前記基材シートまで運んで静電的に付着させ、
ついで50〜180℃に加熱融着させて定着させること
によって行なうことができる。
【0060】前述の方法で形成した無地の受像層を有す
る被熱転写シート上に、粉体塗工法により昇華型染料受
容能力のある模様を形成する場合、スプレーガンと無
地、通常、白色の受像層を有する被熱転写シートとの間
に所定のパターンを有するマスクを設置して受像層を同
じまたは異なった色にした粉体を用いて粉体塗工法によ
り模様を形成すればよい。異なった色にした粉体を使用
する場合には、色差によって模様が形成されるが、粉体
の付着により模様が形成されるため、輪郭は溶液法によ
る模様とは異なるぼかし模様となり、従来とは異なった
意匠性を有する被熱転写シートを得ることができる。こ
の場合、無地の受像層上に形成される模様の厚さは、1
〜20μmであるのが段差を少なくする上で1〜10μ
mが好ましい。
【0061】なお、前記方法は無地の受像層を形成した
のち模様を形成しているが、逆に、まず模様を形成した
のち無地の受像層を形成してもよい。この場合には、す
かし模様を形成することができる。
【0062】模様の形成に用いる粉体の色が受像層の色
と異なる場合、受像層の形成に用いる粉体の着色剤を入
れかえたものでよい。また、受像層と同じ色の粉体を用
い、同じ色で模様を形成してもよい。この場合の模様
は、形成される塗膜の厚さが異なることによって形成さ
れる。
【0063】前記のごとき方法で被熱転写シートを製造
する場合には、一続きまたは一続きに近いプロセスで、
熱転写印刷法で昇華型染料が転写印刷される被熱転写シ
ートであって、昇華型染料受容能力のある受像層を有す
る被熱転写シートの上または該受像層の下に、昇華型染
料受容能力のある模様が形成された被熱転写シートが簡
単かつ低コストで製造することができる。
【0064】図1は、前記静電スプレー法により本発明
の被熱転写シートを製造する好ましい一実施態様を示す
説明図である。
【0065】ロールから巻き戻された連続した長尺の基
材シート1は、搬送ベルトによって静電スプレー2の領
域に案内される。ここで、貯蔵層から圧縮空気により静
電スプレー2に搬送され、静電スプレー2に組み込まれ
たスプレーガンの先端の針電極に印加された直流電源か
らの負の高電圧により、負に帯電せしめられた粉体塗料
組成物からなる粉体塗工用粉体が噴射される。噴射され
た粉体は、前記スプレーガンと搬送ベルト上の基材シー
トに沿った前記電極との間の電界によって基材シートま
で運ばれ、静電的に付着し、乾式塗工される。そのの
ち、定着ロール3によって加熱溶融せしめられ、昇華型
染料受容能力のある受像層を有する被熱転写シートが製
造される。ついで、パターン化されたマスク4を介して
静電スプレー5により模様が形成されたのち、定着ロー
ラー6により定着せしめされ、本発明の模様が形成され
た被熱転写シート7が製造される。前記搬送ベルトは、
それが搬送する基材シートに沿って、基材シートの裏側
に設けられた電極を有する。
【0066】このようにして基材シートの全面または一
部に受像層を形成することができ、さらに模様も容易に
形成することができる。
【0067】製造された被熱転写シートは、模様入りで
アクセントが入ったものであり、従来の被熱転写シート
では使用されなかった用途、たとえばはがきなどに写真
画像を入れ、まわりに模様を入れたもの、便箋などにも
使用することができる。
【0068】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0069】 実施例1 (粉体塗料組成物の製造) ポリエステル樹脂(FC344、三菱レイヨン(株)製) 71.25部 スチレン−アクリル樹脂 23.25部 (ハイマーUNI3000、三洋化成工業(株)製) ワックス(ビスコール660P、三洋化成工業(株)製) 5部 エポキシ変性シリコーンオイル 1部 (KF101、信越化学工業(株)製) 酸化チタン(タイペークR550、石原産業(株)製) 20部 蛍光増白剤(スチルベン、笠野興産(株)製) 0.5部 シリカ(H2000、クラリアントジャパン(株)製) 染料(Direct Sky Blue 6B、住友化学工業(株)製) 0.1部
【0070】外添用のシリカおよび染料を除く前記原料
を前記の組成になるようにミキサーに仕込み混合したの
ち、2軸溶融混練機により150〜160℃で3〜5分
間、溶融混練し、ついで冷却した。得られた混練物を粉
砕・分級して、平均粒径10μmの白色粉体を得た。こ
の粉体100部に流動化付与剤として外添用のシリカ6
部を混合して、受像層用の粉体塗料を製造した。
【0071】これとは別に、外添用シリカを除き染料を
含む以外は前記と同様にして平均粒径10μmの青色の
粉体塗工用粉体を得た。この粉体100部に流動化付与
剤として外添用のシリカ6部を混合して模様用の粉体塗
料を製造した。
【0072】(被熱転写シートの製造)市販の静電スプ
レー装置(日本パーカライジング(株)製GX5000
S)を用いて前記白色粉体塗料を市販の普通紙の全面に
付着させ150℃で定着させて、白色の被熱転写シート
を得た。そののち、模様を有するスクリーンを先の被熱
転写シート上に設置し、白色粉体塗料に染料を加えた粉
体組成物を、静電スプレー装置を用いてシート上に付着
させ、150℃で定着させ、図2に示すごとき模様を有
する(柄付の)被熱転写シート7を得た。
【0073】(昇華性染料の熱転写)昇華型熱転写方式
高速プリンタを用いて、下記の印画条件でインクシート
(大日本印刷(株)製)と被熱転写シートとを染料層側
の表面と受像層とが接触するように重ね合わせ、インク
シートをサーマルヘッドで加熱して、被熱転写シートの
受像層に染料を転写した結果、柄の付いた部分にも昇華
染料が熱転写されていることを確認した。
【0074】昇華型熱転写方式高速プリンタの転写条件
サーマルヘッド:KGT−219−12MPL2(京セ
ラ(株)製) 駆動電圧:17V ライン速度:4mm/s インクシートの昇華性染料 昇華性染料イエロー:スチリル系イエロー色素 昇華性染料マゼンタ:アントラキノン系アゼンタ色素 昇華性染料シアン:インドアニリン系シアン色素
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、粉体塗工用粉体からな
る粉体塗料を粉体塗工法によって、基材シート、好まし
くは普通紙上に、全面または必要に応じて部分的に、均
一に付着させ、これを加熱溶融させ、冷却し、定着させ
て受像層を形成する際に、該受像層を形成したのちまた
は形成する前に、さらに模様を形成したものを、低廉か
つ容易に得ることができる。しかも、このようにして得
られる本発明の記録用受像シートは、表面が適度の凹凸
を有するので、鉛筆、ボールペン、万年筆などの通常の
筆記具を用いて筆記することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被熱転写シートの製造工程の説明図で
ある。
【図2】実施例1で得られた模様を有する被熱転写シー
トの説明図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2、5 静電スプレー 3、6 定着ロール 4 マスク 7 模様を有する被熱転写シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写印刷法で昇華型染料が転写印刷さ
    れる被熱転写シートであって、粉体塗工法により製造さ
    れた昇華型染料受容能力のある受像層を有するシートの
    上または該受像層の下に、粉体塗工法により昇華型染料
    受容能力のある模様が形成されていることを特徴とする
    被熱転写シート。
  2. 【請求項2】 熱転写印刷法で昇華型染料が転写印刷さ
    れる被熱転写シートであって、粉体塗工法により製造さ
    れた昇華型染料受容能力のある受像層を有するシートの
    上または該受像層の下に、粉体塗工法により昇華型染料
    受容能力のある、該受像層と色の異なった粉体塗料で模
    様が形成されていることを特徴とする被熱転写シート。
  3. 【請求項3】 粉体塗工法により昇華型染料受容能力の
    ある受像層を有する被熱転写シートを製造する際に、該
    受像層を形成したのちまたは形成する前に着色した粉体
    を用いて静電塗工法によりシート上に昇華染料受容能力
    のある、該受像層と色が同じまたは異なった粉体塗料で
    模様を形成することを特徴とする被熱転写シートの製
    法。
JP11211838A 1999-07-27 1999-07-27 被熱転写シートおよびその製法 Pending JP2001030638A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11211838A JP2001030638A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 被熱転写シートおよびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11211838A JP2001030638A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 被熱転写シートおよびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001030638A true JP2001030638A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16612433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11211838A Pending JP2001030638A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 被熱転写シートおよびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001030638A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8017297B1 (en) 2007-08-03 2011-09-13 Custom Signs on Metal LLC Image transfer by sublimation to powder coated articles

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8017297B1 (en) 2007-08-03 2011-09-13 Custom Signs on Metal LLC Image transfer by sublimation to powder coated articles

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6391825B1 (en) Image-receiving sheet for recording and process for the production thereof
JPS61237694A (ja) 被熱転写シ−ト
JP2002079766A (ja) 保護層転写シート
JPH05270145A (ja) 昇華型熱転写体
JP2001199162A (ja) 保護層転写シート
JP2001030638A (ja) 被熱転写シートおよびその製法
JP2000025348A (ja) 昇華型染料熱転写及び熱溶融型インク熱転写兼用の受像シート用粉体混合物及び受像シート
JPH10203031A (ja) 記録用受像シートの製造方法
JPH10297116A (ja) 熱転写受像紙及びその製造方法
JP2003025733A (ja) 熱転写記録媒体
JP3555621B2 (ja) 画像形成方法
JP3651062B2 (ja) 熱転写受容シート
JP3135860B2 (ja) 熱転写受像紙及びその製造方法
JP3136662B2 (ja) 染料熱転写受像シート
JP2004249734A (ja) 熱転写記録媒体、画像形成方法および画像形成体
JPH082115A (ja) 熱転写シート、多色熱転写方法及び多色印字物
JP2000043433A (ja) 熱転写シート
JP3384377B2 (ja) 熱転写記録媒体及び画像形成方法
JPH11321116A (ja) 熱転写記録媒体
JP2001096922A (ja) 熱転写記録媒体と受像シート及びそれらを用いた画像形成方法
JP2001213055A (ja) 熱転写記録媒体及び画像形成方法
JP2880283B2 (ja) 熱転写シート
JP2001219654A (ja) 熱転写記録媒体及び画像形成方法
JPH10278441A (ja) 熱転写受像紙及びその製造方法
JPH10291375A (ja) 熱転写受像用ohpシートの製造方法