JP2001030441A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2001030441A
JP2001030441A JP11211959A JP21195999A JP2001030441A JP 2001030441 A JP2001030441 A JP 2001030441A JP 11211959 A JP11211959 A JP 11211959A JP 21195999 A JP21195999 A JP 21195999A JP 2001030441 A JP2001030441 A JP 2001030441A
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laminated film
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JP11211959A
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Hirotaka Arai
博孝 荒井
Yuji Takeda
雄二 竹田
Masanori Kanayama
賢教 金山
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形後の外観及び剛性に優れる積層フィルム
の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム
であって、少なくとも内層、中間層及び外層を有し、か
つ下記(1)及び(2)の条件を満たす積層フィルム。 (1)内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、MFR
(メルトフローレート)が1.0(g/10分)以上で
あるプロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロ
ピレン単独重合体からなり、 (2)中間層を構成するポリオレフィン系樹脂が、プロ
ピレン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン単
独重合体及び、該樹脂100重量部当たり低密度ポリエ
チレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン10〜300重
量部からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
し、詳しくは射出成形やブロー成形により製造される成
形品の表面に、射出成形やブロー成形と同時に加飾被膜
層を形成するための積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】バンパー、サイドモール等の合成樹脂製
自動車内外装部品や合成樹脂製家電製品は、大半が射出
成形またはブロー成形によって成形されている。これら
の合成樹脂製成形品表面を加飾する方法としては、例え
ば、特表平2−503077号公報に、加飾用の複合シ
ートを予備成形した後、これを予め金型に挿入して、合
成樹脂を射出成形して一体化し、表面に着色加飾層を設
けた成形品を得る方法が提案されている。また、最近で
は自動車部品のポリオレフィン化が進んでおり、それに
伴い、上記のような複合シートも基材層にポリオレフィ
ン系樹脂を用いたシートが多く要求されるようになって
きており、各種シートが検討されている。しかしなが
ら、これらの複合シートは予備成形の加熱処理の段階に
おいて、サメハダ現象といわれる表面凹凸の発生による
外観の劣化が起きやすく、この現象は射出成形またはブ
ロー成形後においても解消せず、その結果として像鮮映
度の高い成形品を得ることができないという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
改良し、外観に優れる合成樹脂製成形品を得るための加
飾用の積層フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の問題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成及び構
成の合成樹脂製積層フィルムを使用することにより、上
記課題が解決できることを見出して本発明に至った。す
なわち、本発明の要旨とするところは、ポリオレフィン
系樹脂からなるフィルムであって、少なくとも内層、中
間層及び外層を有し、かつ下記(1)及び(2)の特徴
を有する積層フィルムに存する。 (1)内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、MFR
(メルトフローレート)が1.0(g/10分)以上で
あるプロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロ
ピレン単独重合体からなり、(2)中間層を構成するポ
リオレフィン系樹脂が、プロピレン・エチレンランダム
共重合体またはプロピレン単独重合体及び、該樹脂10
0重量部当たり低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度
ポリエチレン10〜300重量部からなる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からな
るフィルムであって、少なくとも内層、中間層及び外層
を有し、かつ下記(1)及び(2)の特徴を有する積層
フィルムである。 (1)内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、MFR
(メルトフローレート)が1.0(g/10分)以上で
あるプロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロ
ピレン単独重合体からなり、(2)中間層を構成するポ
リオレフィン系樹脂が、プロピレン・エチレンランダム
共重合体またはプロピレン単独重合体及び、該樹脂10
0重量部当たり低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度
ポリエチレン10〜300重量部からなる。内層に含ま
れるプロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロ
ピレン単独重合体のMFRが1.0(g/10分)より
小さいと、積層フィルムの成形後の外観が低下する傾向
となる。MFRは基材層成形時のフィルムの押出し成形
性に悪影響を及ぼさない範囲で大きい方が好ましいが、
特に10(g/10分)以下であるのが好ましい。
【0006】なお、本発明においては、MFRはJIS
K6760に従い、230℃、2.16kg荷重で測
定した値である。更に、中間層には積層フィルムの剛性
を向上させるためにタルクを配合するのが好ましい。タ
ルクの配合量としては、中間層に含まれるポリオレフィ
ン系樹脂100重量部当たり5〜60重量部が好まし
く、5〜40重量部が更に好ましく、特に好ましくは1
0〜30重量部である。タルクの配合量が5重量部より
少ないと剛性の向上効果が得られ難く、また60重量部
より多い場合は、成形後の外観を低下させる要因となる
ため好ましくない。タルクの平均粒子径としては、外観
への影響を考慮し、10μm以下であることが好まし
い。
【0007】また、中間層にはバンパー等の自動車部品
に要求される耐衝撃性を向上させるため、エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムを配合するのが好ましい。該共
重合ゴムの配合量としては、中間層に含まれるポリオレ
フィン系樹脂100重量部当たり5〜40重量部が適し
ており、好ましくは10〜20重量部である。配合量が
5重量部より少ない場合、耐衝撃性の向上効果が得られ
難く、また、40重量部を超えるとフィルムの剛性を低
下させる傾向となり好ましくない。
【0008】エチレン・α−オレフィン共重合ゴムとし
ては、α−オレフィンの成分として、プロピレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1等が挙げられ、
これらの1種以上を用いれば良い。中間層には装飾性を
付与するために、中間層に含まれる樹脂成分100重量
部当たり、着色剤を0.1〜50重量部配合してもよ
い。用いられる着色剤としては、無機顔料、有機顔料等
から選べば良く、例えば、カーボンブラック、酸化チタ
ン、カオリンクレー、亜鉛華、ベンガラ、パーマネント
レッド、モリブデンオレンジ、コバルトブルー、群青、
フタロシアニンブルー、マンガンバイオレット等が挙げ
られる。これらの顔料は、単独でも、2種以上を組み合
わせても使用できる。また、メタリック調、パール調を
出すために、上記顔料にアルミフレーク、パール顔料等
の光輝性顔料を加えても良い。
【0009】外層に用いられるポリオレフィン系樹脂と
しては、ポリプロピレン、ポリエチレン及びエチレン・
酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。中でも
特に、MFRが1.0(g/10分)以上であるプロピ
レン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン単独
重合体が好ましい。更に、内層と外層とが同一組成であ
るのが好ましい。また、内層の厚みは積層フィルム全体
の厚みの2〜50%が好ましく、特に好ましくは5〜1
0%である。2%より薄くなると積層フィルム成形後の
外観悪化の抑制効果が得られ難く、逆に50%より厚く
なると積層フィルムの予備成形性が低下する場合があり
好ましくない。
【0010】本発明の積層フィルムのもっとも好ましい
構成は、次の(1)及び(2)である。 (1)内層及び外層がプロピレン・エチレンランダム共
重合体からなり、中間層がプロピレン・エチレンランダ
ム共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン及びタルクから
なる。 (2)内層及び外層がプロピレン・エチレンランダム共
重合体またはプロピレン単独重合体からなり、中間層が
プロピレン単独重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、タ
ルク及びエチレン・α−オレフィン共重合ゴムからな
る。
【0011】本発明の積層フィルムの各層には外観およ
びフィルムの剛性を向上させるために、結晶核剤を配合
してもよい。結晶核剤としては、一般にポリオレフィン
系樹脂に用いられているソルビトール系核剤が有用で、
配合量は各層の樹脂成分100重量部当たり0.1〜3
重量部、好ましくは0.2〜1重量部である。更に、各
層には、上記のポリオレフィン系樹脂に加え、本発明の
目的を損なわない範囲で他の合成樹脂を配合してもよ
い。また、必要に応じ各種樹脂添加剤を配合することが
できる。積層フィルムの厚みは、予備成形後の形状保持
および射出成形時の射出圧力またはブロー成形時のブロ
ー圧力による破壊や、射出樹脂またはブロー樹脂からの
熱による融解を抑制するため0.1〜1.5mmとする
のが好ましい。積層フィルムは、従来既知のTダイを用
いた共押出し法等により作製すればよい。
【0012】本発明の積層フィルムは、単独で加飾用フ
ィルムとして用いることができるが、更に該積層フィル
ムを加飾用の複合フィルムの基材層として用いることも
できる。該複合フィルムとしては、接着層/基材層から
なるものや透明層/着色層/接着層/基材層からなるも
のが例示できる。前者の場合は複合フィルムを成形品に
貼り合わせた後、家電製品や自動車内外装部品の塗装に
通常用いられるウレタン、アクリルまたはメラミン等の
塗料を用いて接着層の上にスプレー塗装を施してもよ
い。
【0013】上記構成の複合フィルムは、積層フィルム
を単独で用いた場合に比べ、成形品に深み感や複雑な装
飾を施すことができる。上記透明層としては、フッ素樹
脂とアクリル樹脂との混合物からなるものが好ましい。
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン・4フッ化
エチレン共重合体等を用い得るが、予備成形時の成形性
が良好なことからポリフッ化ビニリデン(PVDF)が
好適である。
【0014】アクリル樹脂としては、メタクリル酸エス
テル系樹脂をはじめとし、各種アクリル樹脂を用いるこ
とができるが、成形品表面の耐傷付き性が良好となるこ
とから、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上のもので
あることが好ましい。フッ素樹脂とアクリル樹脂の混合
比率は、重量比でフッ素樹脂/アクリル樹脂=20〜8
0/80〜20が好ましい。重量比が20/80より小
さいと、耐候性が低下するとともに、耐衝撃性も低下す
るため好ましくなく、80/20を超えると、複合フィ
ルムの耐傷付き性が劣るので好ましくない。
【0015】透明層の厚みとしては20〜100μmが
好ましい。厚みが20μmより薄いと成形品外観、特に
深み感が低下する傾向となり、逆に100μmより厚く
しても外観、物性等に向上効果は無く、コスト的にも好
ましくない。透明層には、上記の樹脂成分に加え、本発
明の目的を損ねない範囲で他の合成樹脂を配合してもよ
い。また、必要に応じ各種樹脂添加剤を配合することが
できる。
【0016】着色層としては、着色剤及び、アクリル樹
脂またはアクリル樹脂とフッ素樹脂との混合物からなる
ものが耐候性、着色剤分散性等の点から好適である。ア
クリル樹脂とフッ素樹脂との混合物を用いる場合には、
アクリル樹脂とフッ素樹脂の合計量100重量部に対し
てフッ素樹脂が90重量部以下となるようにするのが好
ましい。フッ素樹脂が90重量部より多くなると接着層
を介した基材層との十分な接着が得られ難くなるため好
ましくない。
【0017】フッ素樹脂及びアクリル樹脂としては、上
記の透明層の説明で挙げたものを用いることができる。
着色層に使用する着色剤としては、上記の積層フィルム
の中間層の説明で挙げたものを用いることができる。着
色剤の配合量は、着色剤の種類及び目的とする色調によ
り異なるが通常樹脂成分100重量部当たり0.1〜5
0重量部程度である。着色層の厚みは5〜50μmが好
ましい。厚みが5μmより薄いと予備成形において伸ば
された部分の色が大きく変化する傾向となるため好まし
くない。また、50μmより厚くしても性能向上効果は
小さく、コスト的にも好ましくない。着色層には、上記
の樹脂成分に加え、本発明の目的を損ねない範囲で他の
合成樹脂を配合してもよい。また、必要に応じ各種樹脂
添加剤を配合することができる。
【0018】更に着色層は、少なくとも内層及び外層を
有する積層体であってもよい。その場合積層体の各層の
組成は同一でも異なっていてもよく、例えば内層は普通
の顔料を含有し、外層は光輝性顔料を含有するというよ
うに、各層が異なる顔料を含有していてもよい。また、
着色層の内層と外層との間に、または透明層と着色層と
の間に印刷層を有していてもよい。
【0019】印刷層は、例えば透明層の着色層側表面ま
たは着色層の透明層側表面等、各層表面に直接印刷を施
すことにより設けることができる。印刷は、公知の印刷
インクを用い、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクス
クリーン印刷等の公知の印刷手段を用いて行えばよい。
印刷のパターンとしては、木目模様、幾何学模様、ファ
ブリック調模様等いずれでもよく、また、印刷はの回数
は1回でも、複数回でもよい。
【0020】接着層を形成する合成樹脂成分としては、
基材層と着色層とを十分に接着するものであれば良い。
このようなものとしては、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂(これ
らのアクリル変成樹脂を含む)が好適である。また該接
着層は積層体でも良く、このようなものとしては、アク
リル樹脂からなる層と塩素化ポリオレフィン系樹脂から
なる層とを有する積層体が好ましく、特にこれら2層か
らなる積層体が好ましい。接着層に用いられる塩素化ポ
リオレフィン系樹脂としては、特に塩素化ポリプロピレ
ンが好ましい。
【0021】アクリル樹脂としては、上記の透明層で挙
げたものを用いることができる。接着層が、アクリル樹
脂からなる層及び塩素化ポリオレフィン系樹脂からなる
層を有する積層体である場合は、アクリル樹脂からなる
層を着色層と接する側とし、塩素化ポリオレフィン系樹
脂からなる層を基材層と接する側にし、かつアクリル樹
脂は着色層に用いるものと同じにすることが好ましい。
また、塩素化ポリオレフィン系樹脂についても基材層の
組成により適宜選択することが好ましい。接着層の厚み
は、3〜30μmであるのが好ましい。
【0022】更に接着層には、塩素化ポリオレフィン系
樹脂及びアクリル樹脂に加え、本発明の目的を損ねない
範囲で他の合成樹脂を配合してもよい。また、必要に応
じ各種樹脂添加剤を配合することができる。透明層、着
色層及び接着層の形成には、離型性フィルムを使用する
と良い。すなわち、各層を形成する合成樹脂及び各種添
加剤を有機溶剤に溶解または分散したものを、従来既知
のリバースロールコート法、コンマコート法等により離
型性フィルムの上に順次重ね塗りして形成することがで
きる。膜厚の薄いものはグラビアコート法も用いること
ができる。また、選択する合成樹脂の種類によっては押
出し成形によっても形成することが可能である。上記方
法により形成した離型性フィルム/接着層または離型性
フィルム/(透明層/着色層/接着層)と基材層とを、
接着層に用いた合成樹脂の軟化点以上の温度で熱ラミネ
ートにより積層した後、離型性フィルムを剥離して複合
フィルムが得られる。離型性フィルムとしては、熱ラミ
ネートの際の耐熱性等の点からポリエチレンテレフタレ
ートフィルムが好適である。
【0023】積層フィルムまたは複合フィルムを用いた
部品(成形品)の成形 次に、積層フィルムまたは複合フィルム(以下、「積層
フィルム等」と記す)を用いた部品の成形を、射出成形
による部品の成形を例として説明する 上記方法により得られた積層フィルム等は、次に熱成形
により予備成形されて目的とする部品と対応した形状の
3次元成形体(予備成形品)とされる。熱成形として
は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法が
好適であるが、特に真空成形が簡便で好ましい。
【0024】真空成形では、例えば積層フィルム等を両
面から遠赤外線セラミックヒーターを使って加熱した
後、金型を上下左右に移動させ、加熱した積層フィルム
等の一部を金型に接触させ、該フィルムと金型との間に
ある空気を金型にあけてある真空孔を通して真空引きす
ることにより、積層フィルム等を金型に密着・固定させ
て賦形し、送風機等による強制冷却法により冷却固化を
する方法が好適である。また、真空成形時のフィルムの
伸びを部品全体で均一にするために、積層フィルム等を
加熱後、真空引きの前に、金型に接触する方向から空気
を吹き付けて該加熱後のフィルムを半球状に膨らませな
がら成形を行う方法もあり、特に絞りの深い部品には好
適である。
【0025】次に、得られた積層フィルム等を用いた部
品の射出成形は、上記のように予備成形して得られる3
次元の予備成形品の形状に対応した形状で、かつ表面欠
陥のない硬質で高光沢の、硬度に研磨した表面をもつキ
ャビティーを有する一対の射出成形用金型に該予備成形
品を挿入した後、金型を閉じて、溶融樹脂を射出、注入
して行う。この場合、金型内に固定された予備成形品が
金型からめくれたり、動いたりしないように配慮する必
要がある。また、ゲートから射出、注入される樹脂が予
備成形品よりキャビティー側に回り込むのを防ぐため、
また、ウェルドによるシワの発生を防ぐため、ゲートの
種類、数、位置、方向、形状にも配慮する必要がある。
特にゲートの種類としては、ダイレクトゲート、サブマ
リンゲート等がよく、また、ゲートの数としては、部品
の形状、射出樹脂の流動性も考慮する必要があるが、1
点とすることが好ましい。溶融樹脂を射出、注入した後
は、冷却し、型を開いて成形品を取り出し上記予備成形
品が加飾被膜層として一体に組み込まれた部品が得られ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例によっ
て限定されるものではない。
【0027】実施例1〜4、比較例1〜3 a)積層フィルム等の作製 1)(透明層/着色層/接着層)の作製 離型性ポリエステルフィルム上に表−1に記載の構成に
なるように順次重ね塗りすることによって積層体を作製
した。各層の厚みは、透明層50μm、着色層20μ
m、接着層20μmであった。なお、透明層及び着色層
はγ−ブチロラクトンとメチルエチルケトンの混合物に
それぞれ表−1に記載の組成物を溶解または分散し、リ
バースロールコート法により作製した。接着層はトルエ
ンとメチルエチルケトンの混合物に表−1に記載の樹脂
を溶解し、リバースロールコート法により形成した。
【0028】2)基材層の作製 表−2に記載の組成にて、厚さ0.5mm(1層品:外
層0.5mm,2層品:内層0.05mm,外層0.4
5mm、3層品:内層0.05mm,中間層0.4m
m,外層0.05mm)になるようにTダイを用いて押
出し法または共押出し法にてフィルム化し、基材層を得
た。
【0029】1)で得られた積層体の接着層側に2)で
得られた基材層を、内層が接着層側になるようにして、
温度150℃、圧力10kg/cmで熱ラミネートした
後、離型性ポリエステルフィルムを剥離して複合フィル
ムを得た。なお、実施例1については基材層(積層フィ
ルム)単独のままとした。 b)部品の成形 a)で得られた積層フィルム等を用い、150℃にて真
空成形を実施し、図−1の形状の予備成形品を作製し
た。なお、予備成形品のおおよその大きさは、長手方向
150mm、短手方向70mmおよび厚み方向8mmで
ある。作製した予備成形品を射出成形用金型のキャビテ
ィ面に挿入、固定した後、型締めし、射出用樹脂である
ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム(株)製 BC2
E)を射出して、加飾被膜層を有する部品を得た。 c)部品の評価 1)部品の外観評価 b)で得られた部品について、外観、60°グロス及び
像鮮映度を評価し、結果を表−3に記載した。
【0030】尚、評価基準及び測定方法は以下の通りで
ある。 ・外観:目視により10段階評価した。 サメハダ 無 ←10,9・・・・2,1→ サメハダ
著 ・60°グロス:スガ試験機(株)製 ハンディ光沢計 HG−268 ・像鮮映度:スガ試験機(株)製 携帯用写像鮮明度測定器 HA−NSIC 尚、60°グロス及び像鮮映度は、図−1に示す形状の
予備成形品を着色被膜層として一体に組み込んだ部品の
平面部分にて測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】*表−2中、()内は重量部。例えば(1
00)は100重量部を表す。 **表−2中の符号等の説明 ランダムPP1:プロピレン・エチレンランダム共重合
体 日本ポリケム(株)製 EG7(商品略称)、MFR;
1.7 ランダムPP2:プロピレン・エチレンランダム共重合
体 日本ポリケム(株)製 EG8(商品略称) MFR;0.8 ホモPP1:プロピレン単独共重合体 日本ポリケム(株)製 FY6(商品略称) MFR;2.5 ホモPP2:プロピレン単独共重合体 日本ポリケム(株)製 EA9(商品略称) MFR;0.5 LLDPE:線状低密度ポリエチレン 日本ポリケム(株)製 UF230(商品略称) LDPE:低密度ポリエチレン 日本ポリケム(株)製 LF240 HDPE:高密度ポリエチレン 日本ポリケム(株)製 HJ340 CB:大日本精化(株)製 カーボンブラック系顔料 ***タルクの平均粒子径は2μm
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の積層フィルム及び複合フィルム
は、熱成形による予備成形性が良く、かつ予備成形後の
外観に優れるため、意匠性を要求される家電製品、バン
パー、サイドモール、マッドガード、ホイールキャッ
プ、スポイラー等の自動車内外装部品等の成形品に特に
好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層フィルム等の予備成形品の斜視図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 賢教 東京都港区芝四丁目1番23号 三菱化学エ ムケーブイ株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AC10B AC10H AK06B AK07A AK07B AK07C AK10E AK17D AK25D AK25E AK62B AK63B AK64A AK64B AK64C AL03A AL03B AL03C AL05B AL05E AN02B BA03 BA05 BA06 BA07 CA13B GB32 GB33 GB48 HB00E JA06C JA20E JK01 JL01 JL10E JL11E JN01D YY00B YY00C YY00E 4F206 AA04 AA07 AA08 AA09H AA11H AA16 AA21 AA45 AF00 AG01 AG03 AH24 AH26 JA07 JB13 JB19 4F208 AA04J AA07K AA08 AA09H AA11H AA16 AA21 AA45K AF00 AG01 AG03 AH24 AH26 LB13 LB19 LB22 LG06 MB01 MB22 MG04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム
    であって、少なくとも内層、中間層及び外層を有し、か
    つ下記(1)及び(2)の特徴を有する積層フィルム。 (1)内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、MFR
    (メルトフローレート)が1.0(g/10分)以上で
    あるプロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロ
    ピレン単独重合体からなり、 (2)中間層を構成するポリオレフィン系樹脂が、プロ
    ピレン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン単
    独重合体及び、該樹脂100重量部当たり低密度ポリエ
    チレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン10〜300重
    量部からなる。
  2. 【請求項2】 中間層がポリオレフィン系樹脂100重
    量部当たりタルク5〜60重量部を含有する請求項1に
    記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 中間層がポリオレフィン系樹脂100重
    量部当たりエチレン・α−オレフィン共重合ゴムを5〜
    40重量部含有する請求項1または2に記載の積層フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 中間層が樹脂成分100重量部当たり着
    色剤を0.1〜50重量部含有する請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 外層を構成するポリオレフィン系樹脂
    が、MFR(メルトフローレート)が1.0(g/10
    分)以上であるプロピレン・エチレンランダム共重合体
    またはプロピレン単独重合体からなる請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 内層と外層とが同一組成である請求項1
    〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 内層の厚みが積層フィルム全体の厚みの
    2〜50%である請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    積層フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積
    層フィルムに接着層が積層されてなる複合フィルム。
  9. 【請求項9】 透明層、着色層、接着層及び基材層が順
    次積層されてなるフィルムであって、該基材層が請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の積層フィルムである複合
    フィルム。
  10. 【請求項10】 透明層と着色層との間に印刷層を有す
    る請求項9に記載の複合フィルム。
  11. 【請求項11】 着色層が少なくとも内層及び外層を有
    する積層体である請求項9または10に記載の複合フィ
    ルム。
  12. 【請求項12】 着色層の内層と外層との間に印刷層を
    有する請求項11に記載の複合フィルム。
  13. 【請求項13】 透明層がフッ素樹脂及びアクリル樹脂
    からなり、かつ該透明層の厚みが20〜100μmであ
    る請求項9〜12のいずれか一項に記載の複合フィル
    ム。
  14. 【請求項14】 着色層が着色剤及び、アクリル樹脂ま
    たはアクリル樹脂とフッ素樹脂とからなり、かつ該着色
    層の厚みが5〜50μmである請求項9〜13いずれか
    一項に記載の複合フィルム。
  15. 【請求項15】 接着層が塩素化ポリオレフィン系樹脂
    からなる層、またはアクリル樹脂からなる層と塩素化ポ
    リオレフィン系樹脂からなる層を有する請求項8〜14
    のいずれか一項に記載の複合フィルム。
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