JP2001028881A - 電圧型インバータ回路 - Google Patents

電圧型インバータ回路

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JP2001028881A
JP2001028881A JP11199424A JP19942499A JP2001028881A JP 2001028881 A JP2001028881 A JP 2001028881A JP 11199424 A JP11199424 A JP 11199424A JP 19942499 A JP19942499 A JP 19942499A JP 2001028881 A JP2001028881 A JP 2001028881A
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circuit
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JP11199424A
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Tomotsugu Ishizuka
塚 智 嗣 石
Takeo Kanai
井 丈 雄 金
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡電流を安全に遮断でき、かつ安価でコン
パクトな電圧型インバータ回路を提供する。 【解決手段】 本発明はブリッジ結線の電圧型インバー
タ回路に関し、交流各相分岐ごとに、直列に接続された
2組のリアクトル(31,32)からなり、正負両スイ
ッチング素子(12,14)間に直列に介挿された第1
のリアクトル回路と、直流電源(1)に対し逆極性で配
置されたダイオード(33)及びこれに直列のリアクト
ル(34)からなり、第1のリアクトル回路に対し並列
に接続された第2のリアクトル回路とを備え、第1のリ
アクトル回路の両リアクトル(31,32)の共通接続
点から交流端子(U)を導出し、第1のリアクトル回路
の各リアクトル(31,32)はそれぞれ第2のリアク
トル回路のリアクトル(34)よりも大きなインダクタ
ンスを持っていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源の両極間
に交流各相分岐ごとに直流電源に対し順極性で直列に接
続される正側スイッチング素子及び負側スイッチング素
子を備え、両スイッチング素子の共通接続点側から交流
端子が導出されるブリッジ結線の電圧型インバータ回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】直流電力を交流電力に変換する場合、電
圧型インバータ回路が多用される。この電圧型インバー
タ回路は直流電源の両極間に交流各相ごとに直列に接続
された正側スイッチング素子及び負側スイッチング素子
を備え、両スイッチング素子の共通接続点側から交流端
子が導出される。この電圧型インバータ回路において、
同一交流相に属する正側及び負側のスイッチング素子の
一方が故障し短絡状態になると、他方のスイッチング素
子がオンしたとき、それを通して直流電源から過大な短
絡電流が流れて健全な素子までをも破壊してしまうた
め、この短絡電流は抑制することが必要である。この短
絡電流に対する保護素子として一般にヒューズを用いる
ことが多い。しかし、直流回路に挿入されるヒューズは
高圧用のものになると製造困難になり、その信頼性が低
下してくる。そのためヒューズを使用しない回路方式が
提案されている。このような回路方式の一例を、図4を
参照して説明する。
【0003】図4において、直流電源1から、環流ダイ
オード3を有するリアクトル2を介して電圧型インバー
タ回路9に直流電圧が供給され、電圧型インバータ回路
9で直流/交流変換をして交流端子U,Vから交流を出
力する。交流端子U,Vには負荷として例えば交流電力
系統が接続される。図示のインバータ回路9は説明のた
めに例示した最も単純な単相ブリッジ型の電圧型インバ
ータ回路であって、第1相(U相)分岐9uは正負両直
流導線8p及び8n間に順次直列に接続されたリアクト
ル11、スイッチング素子12、スイッチング素子1
4、及びリアクトル16からなっている。同様に第2相
(V相)9vは正負両直流導線8p及び8n間に順次直
列に接続されたリアクトル21、スイッチング素子2
2、スイッチング素子24、及びリアクトル26からな
っている。リアクトル11,16,21,26は対応す
るスイッチング素子の電流変化率ないし電流上昇率(d
i/dt)を抑制するために設けられている。スイッチ
ング素子12,14,22,24はそれぞれサイリスタ
等の主スイッチング素子とそれに逆並列に接続された帰
還ダイオードとからなっている。各相の中点すなわち両
スイッチング素子の共通接続点から各相の交流端子U,
Vが導出されている。同一相に属する一対のスイッチン
グ素子12と14、又はスイッチング素子22と24は
各々交互にオンし、同時にオンすることはない。
【0004】図4の回路構成の電圧型インバータ回路9
において、仮に第1相9uの正側のスイッチング素子1
2が故障し短絡状態になると、同一相負側のスイッチン
グ素子14がターンオンすることにより直流短絡の状態
になる。このときの短絡電流は一気に過大電流値に達す
ることはなく、直流電源1からリアクトル2により決定
される上昇率で徐々に上昇する。この短絡電流を図示し
ていない過電流検出器で検出し、スイッチング素子14
をオフすることにより短絡電流を遮断しスイッチング素
子14を保護する。
【0005】リアクトル11,16はスイッチング素子
12,14のターンオン時のdi/dt(電流上昇率)
を抑制するためのものであり、スイッチング素子の最大
定格以下の電流上昇率に抑制するインダクタンス値に選
定される。一般にスイッチング素子の許容最大定格電流
上昇率は数百A/μsであり、さらにインダクタンスが
大きいとスイッチング素子がオフした時に蓄積されるエ
ネルギーが大きくなり、装置の損失が大きくなることか
ら、それを避けるためにインダクタンス値は一般に数百
A/μs程度の電流上昇率になるように選定される。
【0006】一方、リアクトル2はスイッチング素子1
2又は14が短絡故障した場合に直流電源1から電圧型
インバータ回路9へ流れる短絡電流を抑制するものであ
り、通常はリアクトル11又は16のインダクタンス値
の10倍以上のインダクタンス値に選定される。短絡電
流を検出してからスイッチング素子が実際にオフ動作を
するまでには例えば50μs程度の時間を要するので、
200A/μsの電流上昇率の下では、その50μsの
時間での電流増加分は10,000Aにも達することに
なり、3000Aクラスのスイッチング素子では到底遮
断することができない。結局、種々の事情を総合的に考
慮すると、電流の上昇率は数A/μsから10A/μs
程度に抑制するのが望ましく、リアクトル11等のイン
ダクタンスは短絡電流の上昇率を数A/μsに抑制する
ような値に選定される。
【0007】他方、通常運転中にリアクトル2により直
流電流の上昇率が抑制されてしまう状況の下では、リア
クトル2に直流の電圧降下が生じ、結果として交流端子
U,Vの出力電圧が低下してしまう。そのためリアクト
ル2の電流をダイオード3に環流させ、その電流値以内
であればリアクトル2により電流の上昇が抑制されない
ようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図4の電圧型インバー
タ回路9において、仮にU相(第1相)分岐9uの負側
のスイッチング素子14に故障が発生し短絡状態になっ
たとする。この後、U相正側のスイッチング素子12が
オンすると、回路電流はまずその時リアクトル2とダイ
オード3の間で環流していた電流値にまで急激に上昇
し、その後はリアクトル2のインダクタンスと直流電源
1の電圧で決定される電流の上昇率で短絡電流が上昇す
る。この時、それまでV相(第2相)9vのスイッチン
グ素子22がオンしていてこれを通して流れていた電流
が第1相のスイッチング素子12に転流することにな
る。そうすると、スイッチング素子12には上記の短絡
電流と第2相9vからの負荷電流とを総合した電流が流
れる。ここでインバータ回路9が定格電流で運転してい
たとすると、リアクトル2にはほぼ定格値の電流が環流
しており、これに第2相からの電流が加わるから、スイ
ッチング素子12には回路の定格電流の約2倍の電流が
瞬時に流れる。この電流値から、リアクトル2と直流電
圧で決まる上昇率で電流が上昇する。このため、スイッ
チング素子12には最低でも定格電流の2倍の過電流を
検出してから遮断するまでの遅れ時間による上昇分を加
えた値以上の電流を遮断できるスイッチング素子が必要
になる。
【0009】リアクトル2を小さなインダクタンスのも
のにすると負荷側からの電流の上昇分が増加するため、
大きな電流を遮断できるスイッチング素子が必要にな
り、逆にスイッチング素子を小さくしようとすればリア
クトル2のインダクタンスを大きくする必要があり装置
が大型化する。また、スイッチング素子12等は最低で
も2倍以上の電流を遮断できる定格のものが必要であ
り、そうすると装置の外形が大きくなり、価格も高価に
なる。
【0010】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
ので、ヒューズを用いたりすることなく、安価でコンパ
クトに構成し得ると共に短絡電流を安全に遮断できる電
圧型インバータ回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、直流電源の両極間に交流各
相分岐ごとに直流電源に対し順極性で直列に接続される
正側スイッチング素子及び負側スイッチング素子を備
え、両スイッチング素子の共通接続点側から交流端子が
導出されるブリッジ結線の電圧型インバータ回路におい
て、交流各相分岐ごとに、直列に接続された2組のリア
クトルからなり、両スイッチング素子間に直列に介挿さ
れた第1のリアクトル回路と、直流電源に対し逆極性で
配置されたダイオード及びこれに直列のリアクトルから
なり、第1のリアクトル回路に対し並列に接続された第
2のリアクトル回路と、を備え、第1のリアクトル回路
の両リアクトルの共通接続点から交流端子を導出し、第
1のリアクトル回路の各リアクトルは第2のリアクトル
回路のリアクトルより大きなインダクタンスを持ってい
ることを特徴とする。
【0012】この回路構成によれば、スイッチング素子
に短絡故障が発生し直流短絡電流が流れた場合、電流は
短絡が発生した瞬時の電流値までは急激に上昇するが、
それ以降は第1のリアクトルと直流電圧で決定される電
流上昇率で電流は増加する。第2相からの電流があって
も、この電流も第1のリアクトルを通して流れるため、
短絡電流と第2相の電流の和の電流は上記の電流上昇率
で増加する。従って、スイッチング素子が直流短絡時に
遮断する電流は定格電流に上昇分を加えたものを考慮す
れば良い。
【0013】請求項2に係る発明は、中点タップを有す
る直流電源の両極間に交流各相分岐ごとに直流電源に対
し順極性で互いに直列に接続される2組の正側スイッチ
ング素子及び2組の負側スイッチング素子と、2組の正
側スイッチング素子の共通接続点及び2組の負側スイッ
チング素子の共通接続点の間に直流電源に対し逆極性で
接続された一対のダイオードとを備え、この一対のダイ
オードの共通接続点が直流電源の中点タップに接続さ
れ、正側スイッチング素子及び負側スイッチング素子の
共通接続点側から交流端子が導出されるブリッジ結線の
電圧型インバータ回路において、交流各相分岐ごとに、
直列に接続された2組のリアクトルからなり、正側スイ
ッチング素子及び負側スイッチング素子の間に直列に介
挿された第1のリアクトル回路と、直流電源に対し逆極
性で配置されたダイオード及びこれに直列のリアクトル
からなり、第1のリアクトル回路に対し並列に接続され
た第2のリアクトル回路と、を備え、第1のリアクトル
回路の両リアクトルの共通接続点から交流端子が導出さ
れ、第1のリアクトル回路の各リアクトルは第2のリア
クトル回路のリアクトルより大きなインダクタンスを持
っていることを特徴とする。
【0014】この電圧型インバータ回路の回路構成はN
PC方式と呼ばれる3レベル・インバータ回路である。
3レベルインバータ回路の場合は直流短絡電流は第1の
スイッチング素子と第2のスイッチング素子と第3のス
イッチング素子を通って流れる。この電流の上昇率は第
1のリアクトルにより抑制され、第2相からの電流があ
っても、短絡電流と第2相からの電流の総和が上記の電
流の上昇率で増加する。従って、スイッチング素子が直
流短絡時に遮断する電流は定格電流に上昇分を加えたも
のを考慮すれば良い。
【0015】請求項3に係る発明は、直流電源の両極間
に交流各相分岐ごとに直流電源に対し順極性で互いに直
列に接続される正側スイッチング素子及び負側スイッチ
ング素子を備え、両スイッチング素子の共通接続点側か
ら交流端子が導出されるブリッジ結線の電圧型インバー
タ回路において、交流各相分岐ごとに、直列に接続され
た2組のリアクトルからなり、両スイッチング素子間に
直列に介挿された第1のリアクトル回路と、直流電源に
対し逆極性で配置されたダイオード及びこれに直列のリ
アクトルからなり、直流電源の正極と第1のリアクトル
及び負側スイッチング素子の共通接続点との間に接続さ
れた第2のリアクトル回路と、直流電源に対し逆極性で
配置されたダイオード及びこれに直列のリアクトルから
なり、直流電源の負極と第1のリアクトル及び正側スイ
ッチング素子の共通接続点との間に接続された第3のリ
アクトル回路と、を備え、第1のリアクトル回路の各リ
アクトルの共通接続点から交流端子が導出され、第1の
リアクトル回路は第2及び第3のリアクトル回路の各リ
アクトルより大きなインダクタンスを持っていることを
特徴とする。
【0016】第1のリアクトルには常に瞬時瞬時の出力
電流が流れる。スイッチング素子に短絡故障が発生し直
流短絡電流が流れた場合でも短絡が発生した瞬時の電流
値までは急激に上昇するが、それ以降は第1のリアクト
ルと直流電圧で決定される電流上昇率で電流は増加す
る。第2相からの電流があっても、この電流も第1のリ
アクトルを通して流れるため、短絡電流と第2相の電流
の総和が上記の電流上昇率で増加する。従って、スイッ
チング素子が直流短絡時に遮断する電流としては定格電
流に上昇分を加えたものを考慮すれば良い。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は請求項1に係る発明の実施
の形態による電圧型インバータ回路を示すものである。
図1において図4と同じ構成要素には同じ符号を付して
いる。
【0018】図1は、単相あるいは多相のインバータ回
路9の1相分として第1相(U相)分岐9uのみを示し
たものであって、直流電源1の両極間に順次直列に接続
された正側スイッチング素子12、2組のリアクトル3
1,32からなる第1のリアクトル回路、及び負側スイ
ッチング素子14を備えている。スイッチング素子1
2,14は、すでに述べたように、サイリスタ等の主ス
イッチング素子とそれに逆並列に接続された帰還ダイオ
ードとからなっている。第1のリアクトル回路に対し、
直流電源1に対し逆極性のダイオード33及びこれに直
列のリアクトル34からなる第2のリアクトル回路が並
列に接続されており、両リアクトル31,32の共通接
続点から交流端子Uが導出されている。リアクトル3
1,32は直流短絡電流の上昇率を抑制する機能を有
し、リアクトル34よりも大きなインダクタンスを持っ
ている。リアクトル34はスイッチング素子12又は1
4がターンオンした時の電流上昇率を抑制する機能をも
って設けられている。
【0019】図1の電圧型インバータ回路9において、
インバータ回路9から図示していない負荷、例えば交流
電力系統に給電している場合、スイッチング素子12が
オンしていれば、電流は直流電源1からスイッチング素
子12及びリアクトル31を通って交流端子Uから負荷
に向けて出力される。スイッチング素子12がオフする
と、リアクトル31が電流源として作用し、電流は直流
電源1からスッチング素子14、リアクトル34、ダイ
オード33、及びリアクトル31を介して交流端子Uか
ら出力される。オンしていたスイッチング素子14がオ
フし、スイッチング素子12がオンすると、直流電源1
側からスイッチング素子12、ダイオード33、リアク
トル34及びスイッチング素子14の経路で電流が増加
し、逆にスイッチング素子14、リアクトル34、及び
ダイオード33の向きで流れていた電流は減少する。ス
イッチング素子12に流れる電流の上昇率は直流電源電
圧とリアクトル34のインダクタンス値で決まる。ま
た、この間、リアクトル31の電流は変わらない。交流
端子Uから見た出力電流が逆向きの場合にもリアクトル
32を通って電流が流れる以外は同じように動作する。
このようにして通常のインバータ回路と同じ状態で運転
することができる。
【0020】インバータ回路9から負荷に給電している
ときにスイッチング素子12に故障が発生し短絡状態に
なったとすると、スイッチング素子14がオンすること
により、直流電源1からスイッチング素子12、リアク
トル31,32、及びスイッチング素子14を通って直
流電源1へ還流する短絡回路が形成され、短絡電流が流
れる。インバータ回路9の本来の出力電流はそのままス
イッチング素子12を流れる。この時、健全であるスイ
ッチング素子14の電流は出力電流からの増分のみとな
る。
【0021】一方、負荷、例えば交流電力系統からイン
バータ回路9の向きに給電している時にスイッチング素
子12が故障し短絡になると、スイッチング素子14の
オンと共に直流電源1からスイッチング素子12、ダイ
オード33、リアクトル34、スイッチング素子14及
び直流電源1の経路で電流が流れ、出力端子Uに流れて
いた電流はスイッチング素子12からスイッチング素子
14に移行する。この電流の上昇率はリアクトル34で
決まるため、そのインダクタンスが小さいだけに上昇率
は大きい。ダイオード33の電流が零になると電流は直
流電源1からスイッチング素子12、リアクトル31、
リアクトル32、スイッチング素子14及び直流電源1
の経路で短絡電流が流れる。この電流の上昇率はリアク
トル31,32のインダクタンスで決まり、上昇率は小
さな値に抑制することができる。リアクトル31の電流
が過電流になったことを検出してスイッチング素子14
を遮断すれば、スイッチング素子14が遮断する電流は
本来の出力電流に僅かな増分を加えた電流値で済む。従
って、スイッチング素子12及び14の遮断定格を2倍
以上にする必要はなく、装置の大型化や高価になる事態
を防止することができる。さらに、インバータを並列に
接統する際に電流のバランスを改善するために交流出力
端に接続するリアクトルをリアクトル31,32が兼ね
ることもできる。
【0022】図2は請求項2に係る発明の実施形態を示
すインバータの構成図である。図2の電圧型インバータ
回路9Aにおいては、直流電源1は中点タップNを有
し、直流電源1の正負両極8P,8N間には、第1相9
uの場合、正極側から順に4組のスイッチング素子1
2,13,14,15が直列に接続されている。中央の
スイッチング素子13とスイッチング素子14の間に
は、直列接続の2組のリアクトル31,32からなる第
1のリアクトル回路が介挿されている。両リアクトル3
1,32の共通接続点から交流端子Uが導出され、さら
に直流電源1に対し逆極性で配置されたダイオード33
及びこれに直列のリアクトル34からなる第2のリアク
トル回路が第1のリアクトル回路に対して並列に接続さ
れている。2組の正側スイッチング素子12,13の共
通接続点と2組の負側スイッチング素子14,15の共
通接続点との間に、直流電源1に対し逆極性にして直列
接続の一対のダイオード17,18が接続され、一対の
ダイオード17,18の共通接続点が直流電源1の中点
タップNに接続されている。
【0023】この電圧型インバータ回路9Aは、第1及
び第2のリアクトル回路を除外して見れば、周知の3レ
ベル・インバータ回路であって、スイッチング素子12
及び13をオンさせれば交流端子Uから正電圧を出力
し、スイッチング素子13及び14をオンさせれば0
(ゼロ)電圧を出力し、スイッチング素子14及び15
をオンさせれば負電圧を出力する3レベルインバータ回
路である。このインバータ回路においても例えばスイッ
チング素子14が短絡故障した時、スイッチング素子1
2,13がオンすると、直流電源1から、スイッチング
素子12,13、リアクトル31,32、スイッチング
素子14、及びダイオード18を介して直流電源中点タ
ップNに至る短絡回路が形成される。この短絡回路に流
れる短絡電流の上昇率はリアクトル31,32の作用に
より低い値に抑えられる。リアクトル31の過電流に基
づいてスイッチング素子12,13をオフ動作させれ
ば、これらのスイッチング素子12,13の遮断電流は
低い値で済む。従って、スイッチング素子12〜15の
遮断定格を定格電流値の2倍以上にする必要はなく、装
置の大型化や高価になる事態を防止することができる。
【0024】図3は請求項3に係る発明の実施形態を示
すものである。図3の電圧型インバータ回路9Bは、基
本的には図1の電圧型インバータ回路9に類似するもの
であるが、ダイオード及びリアクトルからなるリアクト
ル回路の接続態様が異なる。ここには、直流電源1に対
し逆極性で配置されたダイオード33及びこれに直列の
リアクトル34からなり、直流電源1の正極と第1のリ
アクトル回路及び負側スイッチング素子14の共通接続
点との間に接続された第2のリアクトル回路と、直流電
源1に対し逆極性で配置されたダイオード35及びこれ
に直列のリアクトル36からなり、直流電源1の負極と
第1のリアクトル回路及び正側スイッチング素子12の
共通接続点との間に接続された第3のリアクトル回路と
を備えている。
【0025】図3の電圧型インバータ回路9Bにおい
て、スイッチング素子12が短絡した状態でスイッチン
グ素子14がオン動作した時は、直流電源1からスイッ
チング素子12、リアクトル31、リアクトル32、及
びスイッチング素子14を通して直流電源1に至る循環
回路で短絡電流が流れる。この時、リアクトル32の過
電流を検出してスイッチング素子14を遮断動作させれ
ば、スイッチング素子14の遮断電流は低い値で済む。
従って、スイッチング素子12及び14の遮断定格を回
路の定格電流値の2倍以上にする必要はなく、装置の大
型化や高価になることを防止することができる。
【0026】なお、図1〜3には単相又は多相のインバ
ータ回路の第1相(U相)分岐9uの1相分しか示して
いないが、これを2台組み合わせた単相ブリッジ結線や
3台又はそれ以上組み合わせた3相又は多相のブリッジ
結線であっても上述と同一の作用・効果を奏することが
できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、インバータ回路のスイ
ッチング素子が短絡故障した場合であっても、短絡電流
の上昇率を低く抑えることができ、比較的低い電流値で
スイッチング素子を遮断動作させることができる。従っ
て、スイッチング素子の定格電流値を無用に大きくする
必要がなく、コンパクトで安価な電圧型インバータ回路
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の実施形態を示すインバー
タ回路の構成図。
【図2】請求項2に係る発明の実施形態によるインバー
タ回路の構成図。
【図3】請求項3に係る発明の実施形態によるインバー
タ回路の構成図。
【図4】従来のインバータ回路の構成図。
【符号の説明】
1 直流電源 N 中点タップ 9,9A,9B インバータ回路 9u 第1相(U相)分岐 U 第1相(U相)交流端子 12,13 スイッチング素子 14,15 スイッチング素子 17,18 ダイオード 31,32 リアクトル 33,35 ダイオード 34,36 リアクトル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源の両極間に交流各相分岐ごとに前
    記直流電源に対し順極性で直列に接続される正側スイッ
    チング素子及び負側スイッチング素子を備え、両スイッ
    チング素子の共通接続点側から交流端子が導出されるブ
    リッジ結線の電圧型インバータ回路において、 前記交流各相分岐ごとに、 直列に接続された2組のリアクトルからなり、前記両ス
    イッチング素子間に直列に介挿された第1のリアクトル
    回路と、 前記直流電源に対し逆極性で配置されたダイオード及び
    これに直列のリアクトルからなり、前記第1のリアクト
    ル回路に対し並列に接続された第2のリアクトル回路
    と、 を備え、前記第1のリアクトル回路の両リアクトルの共
    通接続点から交流端子を導出し、前記第1のリアクトル
    回路の各リアクトルは前記第2のリアクトル回路のリア
    クトルより大きなインダクタンスを持っていることを特
    徴とする電圧型インバータ回路。
  2. 【請求項2】中点タップを有する直流電源の両極間に交
    流各相分岐ごとに前記直流電源に対し順極性で互いに直
    列に接続される2組の正側スイッチング素子及び2組の
    負側スイッチング素子と、前記2組の正側スイッチング
    素子の共通接続点及び前記2組の負側スイッチング素子
    の共通接続点の間に前記直流電源に対し逆極性で接続さ
    れた一対のダイオードとを備え、この一対のダイオード
    の共通接続点が前記直流電源の中点タップに接続され、
    前記正側スイッチング素子及び負側スイッチング素子の
    共通接続点側から交流端子が導出されるブリッジ結線の
    電圧型インバータ回路において、 前記交流各相分岐ごとに、 直列に接続された2組のリアクトルからなり、前記正側
    スイッチング素子及び前記負側スイッチング素子の間に
    直列に介挿された第1のリアクトル回路と、 前記直流電源に対し逆極性で配置されたダイオード及び
    これに直列のリアクトルからなり、前記第1のリアクト
    ル回路に対し並列に接続された第2のリアクトル回路
    と、 を備え、前記第1のリアクトル回路の両リアクトルの共
    通接続点から交流端子が導出され、前記第1のリアクト
    ル回路の各リアクトルは前記第2のリアクトル回路のリ
    アクトルより大きなインダクタンスを持っていることを
    特徴とする電圧型インバータ回路。
  3. 【請求項3】直流電源の両極間に交流各相分岐ごとに前
    記直流電源に対し順極性で互いに直列に接続される正側
    スイッチング素子及び負側スイッチング素子を備え、両
    スイッチング素子の共通接続点側から交流端子が導出さ
    れるブリッジ結線の電圧型インバータ回路において、 前記交流各相分岐ごとに、 直列に接続された2組のリアクトルからなり、前記両ス
    イッチング素子間に直列に介挿された第1のリアクトル
    回路と、 前記直流電源に対し逆極性で配置されたダイオード及び
    これに直列のリアクトルからなり、前記直流電源の正極
    と前記第1のリアクトル及び前記負側スイッチング素子
    の共通接続点との間に接続された第2のリアクトル回路
    と、 前記直流電源に対し逆極性で配置されたダイオード及び
    これに直列のリアクトルからなり、前記直流電源の負極
    と前記第1のリアクトル及び前記正側スイッチング素子
    の共通接続点との間に接続された第3のリアクトル回路
    と、 を備え、前記第1のリアクトル回路の各リアクトルの共
    通接続点から交流端子が導出され、前記第1のリアクト
    ル回路は前記第2及び第3のリアクトル回路の各リアク
    トルより大きなインダクタンスを持っていることを特徴
    とする電圧型インバータ回路。
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