JP2001028553A - 無線装置とその利得の制御方法 - Google Patents

無線装置とその利得の制御方法

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JP2001028553A
JP2001028553A JP11200721A JP20072199A JP2001028553A JP 2001028553 A JP2001028553 A JP 2001028553A JP 11200721 A JP11200721 A JP 11200721A JP 20072199 A JP20072199 A JP 20072199A JP 2001028553 A JP2001028553 A JP 2001028553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信信号に対するRF段の減衰量を連続的に
制御できるようにし、受信信号強度に応じて、受信信号
に対するRF段の減衰量をきめ細かく制御して、妨害波
の影響を適切に抑えることができる無線装置を提供す
る。 【解決手段】 受信信号に対する増幅量を調整する可変
利得低雑音アンプ3と、受信信号をIF信号に変換する
ミキサ8と、変換されたIF信号レベルを調整する可変
利得IFアンプ10と、受信信号の信号強度を検出する信
号強度検出器14と、検出された信号強度に基づいて、可
変利得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプの利得を調
整する信号強度判定器15とを設ける。RF段の減衰量を
可変利得低雑音アンプで制御しているため、受信信号強
度に応じて、受信信号に対するRF段の減衰量をきめ細
かく制御し、妨害波の影響が適切に抑えられる。また、
信号強度判定器でのヒステリシス特性が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信システ
ムの送受信機などに用いられる無線装置と、その利得の
制御方法に関し、特に、RF段の利得のきめ細かな制御
を可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、受信機に使用される無線装置に
おいては、妨害波が混入した場合でも、受信品質が低下
しないことが求められている。そのため、受信信号レベ
ルが高く、妨害波レベルも高い場合は、RF段の利得を
下げることで、受信信号レベルを減衰させるとともに、
妨害波レベルを減衰させて、受信機を構成する回路の飽
和を防いでいる。
【0003】このような従来の無線装置は、図7に示す
ように、無線信号を送受信するアンテナ31と、アンテナ
31を送受信に共用するための共用器32と、受信信号を増
幅する低雑音アンプ33と、低雑音アンプ33の前段に位置
し、受信信号を減衰する減衰器34と、減衰器34を動作さ
せるか否かを選択するスイッチ35と、増幅された受信信
号の帯域を制限するRFバンドパスフィルタ36と、RF
バンドパスフィルタ36を通過した受信信号をIF信号に
変換するミキサ37と、ミキサ37にLo信号を出力する第
1Lo発振器38と、ミキサ37の出力から不要成分を除去
するIFフィルタ39と、変換されたIF信号レベルを調
整する可変利得IFアンプ40と、IF信号をI,Q信号
に変換するためのLo信号を出力する第2Lo発振器41
と、第2Lo発振器41が出力するLo信号により直交検
波を行う直交復調器42と、復調されたI,Q出力の不要
成分を除去するベースバンドフィルタ43と、I,Q復調
信号の強度を検出する信号強度検出器44と、検出された
信号強度に基づいてスイッチ35のON/OFFと、可変
利得IFアンプ40の利得を制御する信号強度判定器45と
を備えている。
【0004】次に、図7に示した無線装置の動作を説明
する。
【0005】無線基地局から送信された信号は、アンテ
ナ31及び共用器32を通過して低雑音アンプ33で増幅され
る。続いて、RFバンドパスフィルタ36を通過した後、
ミキサ37によってIF信号に変換される。さらにIFフ
ィルタ39を通過した後、可変利得IFアンプ40でレベル
が調整され、直交復調器42でI,Q復調信号に変換され
る。I,Q復調信号は、ベースバンドフィルタ43を通過
し、信号強度検出器44によって、受信信号強度が検出さ
れる。信号強度の検出結果は、信号強度判定器45に入力
され、信号強度があるスレシホールドレベルを超えたと
判定すると、低雑音アンプ33の前段にある減衰器34を動
作させ、受信信号に対するRF段の減衰量を切り替え
る。
【0006】ところが、図7で構成される無線装置は、
受信信号に対するRF段の減衰量の切り替えが2段階し
かできない。そのため、受信信号強度に応じて、受信信
号に対するRF段の減衰量をきめ細かく制御して、妨害
波の影響を適切に抑えることができなかった。
【0007】この問題に対処するため、特開平10−2
8066号公報には、図7における低雑音アンプ33の前
段に位置する減衰器34の動作を選択/非選択するスイッ
チに加えて、低雑音アンプ33をバイパスする経路を選択
/非選択するスイッチを新たに設け、信号強度判定器45
が、受信信号強度に応じて、これら2つのスイッチの切
り替え制御を行い、受信信号に対するRF段の減衰量の
切り替えを多段階に行うことが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、受信信号に対
するRF段の減衰量の切り替えを段階的に制御する方式
では、信号強度判定器45の判定レベルとなるスレシホー
ルドレベル付近で受信信号強度が変動すると、スイッチ
切り替えが頻繁に生じるという問題があり、これを避け
るために、信号強度判定器45にヒステリシス特性を持た
せて、受信信号強度が低下する場合にスイッチ切り替え
を行うスレシホールドレベルと、受信信号強度が増加す
る場合にスイッチ切り替えを行うスレシホールドレベル
とを違えることが必要であり、判定動作が複雑化すると
いう問題点があった。
【0009】また、CDMA(Code Division Multip
le Access)に代表される通信方式に使用する可変利得
IFアンプには、80dB程度の直線性に優れた利得制
御特性が要求されており、この可変利得IFアンプに対
して、連続的な制御によって利得が設定される。一方、
RF段の減衰量は多段階の切り替え制御で設定されるた
め、無線装置全体が線形の利得制御特性を持つようにす
るためには、可変利得IFアンプの利得とRF段の利得
とを別々に制御する必要があり、利得制御が複雑になる
という問題点がある。
【0010】本発明は、こうした従来の課題を解決する
ものであり、受信信号に対するRF段の減衰量を連続的
に制御し、また、装置全体として線形の利得制御特性を
持ち、受信信号強度に応じて、受信信号に対するRF段
の減衰量をきめ細かく制御して妨害波の影響を適切に抑
えることができる無線装置を提供し、また、その利得の
制御方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の無線装
置では、低雑音アンプに可変利得機能を設け、利得が連
続的な制御で設定されるようにしている。
【0012】そのため、信号強度判定時のヒステリシス
特性が不要になり、また、可変利得IFアンプの線形の
利得制御特性と併せて、無線装置全体の利得制御特性を
線形にすることができ、受信信号強度に応じて、受信信
号に対するRF段の減衰量をきめ細かく制御し、妨害波
の影響を適切に抑えることができる。
【0013】また、本発明の利得制御方法では、可変利
得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプのそれぞれに、
所定利得制御範囲での線形の利得制御特性を持たせて、
可変利得低雑音アンプの利得制御特性と可変利得IFア
ンプの利得制御特性とが利得制御電圧に対して直線的に
接続するように構成し、可変利得低雑音アンプの利得と
可変利得IFアンプの利得とを分けて制御するようにし
ている。
【0014】そのため、RF段の利得制御が終わってか
らIF段の利得制御を開始することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、受信信号に対する増幅量を調整する可変利得低雑音
アンプと、受信信号をIF信号に変換するミキサと、変
換されたIF信号レベルを調整する可変利得IFアンプ
と、受信信号の信号強度を検出する信号強度検出器と、
検出された信号強度に基づいて、可変利得低雑音アンプ
及び可変利得IFアンプの利得を調整する信号強度判定
器とを設けた無線装置であり、RF段の減衰量を可変利
得低雑音アンプで制御しているため、受信信号強度に応
じて、受信信号に対するRF段の減衰量をきめ細かく制
御し、妨害波の影響を適切に抑えることができる。ま
た、信号強度判定器でのヒステリシス特性が不要にな
る。
【0016】請求項2に記載の発明は、可変利得低雑音
アンプ及び可変利得IFアンプのそれぞれが、必要とす
る利得制御範囲において、線形の利得制御特性を持つよ
うにしたものであり、可変利得低雑音アンプ及び可変利
得IFアンプの利得制御を同じ方式で行うことができ
る。
【0017】請求項3に記載の発明は、可変利得低雑音
アンプの利得制御特性及び可変利得IFアンプの利得制
御特性を併せて、無線装置全体が、線形の利得制御特性
を持つようにしたものであり、RF段の利得とIF段の
利得とを分けて制御することができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、受信信号に対す
る増幅量を調整する可変利得低雑音アンプと、受信信号
をIF信号に変換するミキサと、変換されたIF信号レ
ベルを調整する可変利得IFアンプと、受信信号の信号
強度を検出する信号強度検出器とを備える無線装置の可
変利得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプの利得を受
信信号強度に基づいて制御する制御方法において、可変
利得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプのそれぞれ
に、所定利得制御範囲での線形の利得制御特性を持たせ
て、可変利得低雑音アンプの利得制御特性と可変利得I
Fアンプの利得制御特性とが利得制御電圧に対して直線
的に接続するように構成し、可変利得低雑音アンプの利
得と可変利得IFアンプの利得とを分けて制御するよう
にしたものであり、RF段の利得制御が終わってからI
F段の利得制御を開始するような制御方法が可能にな
る。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1、2ま
たは3に記載の無線装置を携帯端末に用いたものであ
り、高性能の携帯端末を実現することができる。
【0020】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の携帯端末を用いた通信システムであり、高性能の通信
システムを実現することができる。
【0021】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。
【0022】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態における無線装置を図1に示している。この装置は、
無線信号を送受信するアンテナ1と、アンテナ1を送受
信に共用するための共用器2と、受信信号を増幅する可
変利得低雑音アンプ3と、増幅された受信信号の帯域を
制限するRFバンドパスフィルタ6と、RFバンドパス
フィルタ6を通過した受信信号をIF信号に変換するミ
キサ7と、ミキサ7にLo信号を出力する第1Lo発振
器8と、ミキサ7の出力から不要成分を除去するIFフ
ィルタ9と、変換されたIF信号レベルを調整する可変
利得IFアンプ10と、IF信号をI,Q信号に変換する
ためのLo信号を出力する第2Lo発振器11と、第2L
o発振器11が出力するLo信号により直交検波を行う直
交復調器12と、復調されたI,Q出力の不要成分を除去
するベースバンドフィルタ13と、I,Q復調信号の強度
を検出する信号強度検出器14と、検出された信号強度に
基づいて可変利得低雑音アンプ3及び可変利得IFアン
プ10の利得を制御する信号強度判定器15とを備えてい
る。
【0023】可変利得IFアンプ10を構成する可変利得
回路の具体例を図8に示す。
【0024】この可変利得回路は、抵抗183を介して相
互のエミッタが接続されたトランジスタ101及び102と、
抵抗193を介して相互のエミッタが接続されたトランジ
スタ111及び112とを有しており、入力電圧Vidが、ト
ランジスタ101、111の各ベース(Vin端子)とトラン
ジスタ102、112の各ベース(Vinx端子)との間に入
力される。接続されたトランジスタ101、102の各エミッ
タは、電圧制御電流源181、182を介して接地され、ま
た、トランジスタ111、112の各エミッタは、電圧制御電
流源191、192を介して接地されている。トランジスタ10
1、111の各コレクタ(Voutx端子)は抵抗171を介
して電源に接続され、トランジスタ102、112の各コレク
タ(Vout端子)は抵抗172を介して電源に接続され
ている。また、電圧制御電流源181、182、191、192は、
利得制御電圧Vcdにより制御され、トランジスタ11
1,112の各コレクタ間から出力電圧Vodが出力され
る。
【0025】次に、図8に示した回路の動作を説明す
る。
【0026】入力電圧Vidが与えられ、トランジスタ
101のコレクタ電流が+ΔI1となり、トランジスタ102
のコレクタ電流が−ΔI1となるとする。ここで、ΔI
1は抵抗183の抵抗値をRE1とすると、(式1)で表
される。 ΔI1=Vid/(2VT/I1+RE1)・・・・・(式1) ここで、I1は電圧制御電流源181、182の各電流値であ
り、VTは熱電圧であり、VTは(式2)で与えられ
る。 VT=kT/q・・・・・(式2) ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電荷
量である。
【0027】同様に、入力電圧Vidが与えられ、トラ
ンジスタ111のコレクタ電流が+ΔI2となり、トラン
ジスタ112のコレクタ電流が−ΔI2となるとする。こ
こで、ΔI2は抵抗193の抵抗値をRE2とすると、
(式3)で表される。 ΔI2=Vid/(2VT/I2+RE2)・・・・・(式3) ここで、I2は電圧制御電流源191、192の各電流値であ
り、VTは熱電圧である。
【0028】よって出力電圧Vodは、抵抗171、172に
それぞれ、(ΔI1+ΔI2)、−(ΔI1+ΔI2)
の電流が流れるため、抵抗171、172の各抵抗値をRLと
すると、(式4)で表される。 Vod=2RL(ΔI1+ΔI2)・・・(式4) (式4)に(式1)及び(式3)を代入して整理する
と、利得G(=Vod/Vid)を表す(式5)が得ら
れる。 G=RL(gm1+gm2)・・・・・(式5) ただし、gm1、gm2はそれぞれ(式6)、(式7)
で与えられる。 gm1=1/(VT/I1+RE1/2)・・・・・(式6) gm2=1/(VT/I2+RE2/2)・・・・・(式7) (式6)及び(式7)に含まれているI1及びI2の電
流値は、利得制御電圧Vcdにより制御されるため、g
m1、gm2もそれに伴い変化する。そのため、(式
5)で表される利得Gを利得制御電圧Vcdに対して変
化させることができる。
【0029】図9に、電圧制御電流源181、182、191、1
92の回路例を示す。
【0030】この回路は、トランジスタ73、74を有して
おり、制御電圧Vcdがトランジスタ73、74の各ベース
間に入力される。トランジスタ73、74の各エミッタは接
続され、電流源75を介して電源に接続されている。トラ
ンジスタ73のコレクタは、ミラー比が1:αであるカレ
ントミラー回路71の入力端子INに接続され、トランジ
スタ74のコレクタは、ミラー比が1:βであるカレント
ミラー回路72の入力端子INに接続されている。カレン
トミラー回路71の出力端子OUTから電流I1、カレン
トミラー回路72の出力端子OUTから電流I2が出力さ
れる。
【0031】次に、図9に示した回路の動作を説明す
る。
【0032】利得制御電圧Vcdが与えられ、トランジ
スタ73のコレクタ電流がI73となり、トランジスタ74の
コレクタ電流がI74となるとする。I73及びI74は(式
8)及び(式9)で表される。 I73 =M・I0/(1+M)・・・・・(式8) I74 =I0/(1+M)・・・・・(式9) ここで、Mは(式10)で表される。 M=exp(Vcd/VT)・・・・・(式10)
【0033】(式8)より、カレントミラー回路71の出
力端子OUTから出力される電流I1は、(式11)で
表される。 I1=α・M・I0/(1+M)・・・・・(式11)
【0034】同様にして、(式9)より、カレントミラ
ー回路72の出力端子OUTから出力される電流I2は、
(式12)で表される。 I2=β・I0/(1+M)・・・・・(式12)
【0035】今、RE1<<RE2、α>>βとする。
Vcd>>0の場合、(式10)からMは無限大に収束
し、(式11)から、I1の値はα・I0となり、(式
12)からI2の値は零となる。よって、(式6)及び
(式7)から、gm1及びgm2の値を求め、(式5)
に代入すると、最大ゲインGmaxが求められ、(式1
3)で表される。 Gmax=2RL/{VT/(α・I0)+RE1/2}・・・(式13)
【0036】同様にして、Vcd<<0の場合、(式1
0)からMは零に収束し、(式11)から、I1の値は
零となり、(式12)からI2の値はβ・I0となる。
よって、(式6)及び(式7)から、gm1及びgm2
の値を求め、(式5)に代入すると、最小ゲインGmi
nが求められ、(式14)で表される。 Gmin=2RL/{VT/(β・I0)+RE2/2}・・・(式14)
【0037】よって、利得制御電圧Vcdにより、利得
Gを変化させることができ、可変利得回路を構成でき
る。
【0038】先に述べたように、CDMAに代表される
ような通信方式に使用される可変利得IFアンプとして
は、80dB程度の直線性の優れた利得制御特性を要求
されている。そのため、図8に示した可変利得回路を複
数段に継続接続し、各段の可変利得回路の利得制御電圧
にオフセット電圧を与えて、各段の可変利得回路の利得
制御幅を適当に重ね合わせることで、より広い利得制御
幅を持ち、直線性に優れた利得制御特性が得られるよう
にしている。
【0039】ところで、この可変利得回路においては、
例えば、α:β=3:1とすると、最大ゲイン時に対し
て、最小ゲイン時の消費電流を1/3に低減できる。こ
のため、可変利得回路を複数段に継続接続する場合、最
大ゲイン時の消費電流に対して、最小ゲイン時の消費電
流を低減できるという顕著な効果を有している。
【0040】しかしながら、図8の可変利得回路は差動
構成であり、低雑音化には不向きであるため、可変利得
低雑音アンプを構成することは困難である。
【0041】図8の可変利得回路と同一の可変利得機能
をもつ可変利得低雑音アンプの具体例を図2に示す。
【0042】このアンプは、入力電圧Viが各ベース
(Vin端子)に入力されるトランジスタ21、22を具備
している。トランジスタ21、22の各エミッタは電圧制御
電流源23、25を介して接地されている。また、電圧制御
電流源23には、並列にコンデンサ24が接続され、電圧制
御電流源25には、直列に接続された抵抗26及びコンデン
サ27が、並列に接続されている。トランジスタ21、22の
各コレクタ(Vout端子)は抵抗28を介して電源に接
続されている。また、電圧制御電流源23、25は、利得制
御電圧Vcdにより制御され、トランジスタ21、22の各
コレクタから出力電圧Voが出力される。
【0043】次に、図2に示した回路の動作を説明す
る。
【0044】入力電圧Viが与えられ、トランジスタ21
のコレクタ電流が+ΔI1となるとし、コンデンサ24の
インピーダンスは図2の回路の使用周波数帯において無
視できる程度に設定されているものとする。ここで、Δ
I1は、(式15)で表される。 ΔI1=Vi/(VT/I1)・・・・・(式15) ここで、I1は電圧制御電流源23の電流値であり、VT
は熱電圧である。
【0045】同様に、入力電圧Viが与えられ、トラン
ジスタ22のコレクタ電流が+ΔI2となるとし、コンデ
ンサ27のインピーダンスは図2の回路の使用周波数帯に
おいて無視できる程度に設定されているものとする。こ
こで、ΔI2は抵抗26の抵抗値をRE/2とすると、
(式16)で表される。 ΔI2=Vi/(VT/I2+RE/2)・・・・・(式16)
【0046】ここで、I2は電圧制御電流源25の電流値
であり、VTは熱電圧である。
【0047】よって、出力電圧Voは、抵抗28に(ΔI
1+ΔI2)の電流が流れるため、抵抗28の抵抗値をR
Lとすると、(式17)で表される。 Vo=RL(ΔI1+ΔI2)・・・(式17) (式17)に(式15)及び(式16)を代入して整理
すると、利得G(=Vo/Vi)を表す(式18)が得
られる。 G=RL(gm1+gm2)・・・・・(式18) ただし、gm1、gm2はそれぞれ(式19)、(式2
0)で与えられる。 gm1=1/(VT/I1)・・・・・(式19) gm2=1/(VT/I2+RE/2)・・・・・(式20)
【0048】(式19)及び(式20)に含まれている
I1及びI2は、利得制御電圧Vcdにより電流値が制
御されるため、gm1、gm2もそれに伴い変化する。
よって(式18)で表される利得Gを利得制御電圧Vc
dに対して変化させることができ、可変利得低雑音アン
プ3及び可変利得IFアンプ10の利得制御は同一の動作
原理であることが分かる。
【0049】次に、可変利得低雑音アンプ3及び可変利
得IFアンプ10の制御方法について述べる。ここでは、
可変利得低雑音アンプ3は図2の回路1段で構成され、
可変利得IFアンプ10は図8の回路を5段継続接続して
構成されており、図2及び図8の回路1段の利得制御幅
が同一(20dB)に設定されている場合を例にとって
説明する。
【0050】図2及び図8の回路の利得制御は同一の動
作原理であるため、図3のように各段の利得制御電圧に
オフセット電圧を与えて、各段の利得制御幅を適当に重
ね合わせることで、100dBの利得制御幅に対して、
直線性に優れた利得制御特性が得られるようにすること
が可能である。図3に示した例では、利得制御電圧範囲
に対して、RF段で20dB、IF段で80dBの利得
制御幅を持つように構成している。
【0051】このように、この無線装置では、低雑音ア
ンプに対して、可変利得IFアンプと同じように、可変
利得機能を持たせているため、可変利得IFアンプと同
じ制御方式により、利得を連続的に制御することができ
る。そのため、受信信号強度に応じて、受信信号に対す
るRF段の減衰量をきめ細かく制御して、妨害波の影響
を適切に抑えることができる。また、信号強度の判定の
際のヒステリシス特性は不要になる。
【0052】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態における無線装置では、可変利得低雑音アンプ3及び
可変利得IFアンプ10の線形の利得制御特性を組み合わ
せて、装置全体が線形の利得制御特性を持つように構成
している。
【0053】ここでは、可変利得低雑音アンプ3は図2
の回路を2段継続接続して構成され、可変利得IFアン
プ10は図8の回路を5段継続接続して構成されており、
図2及び図8の回路1段の利得制御幅が同一(20d
B)に設定されている場合を例にとって説明する。
【0054】可変利得低雑音アンプ3としては、図4の
ように各段の利得制御電圧にオフセット電圧を与えて、
各段の利得制御幅を適当に重ね合わせることで、20d
Bの利得制御幅に対して、直線性に優れた利得制御特性
が得られるようにすることが可能である。
【0055】一方、可変利得IFアンプ10としては、図
5のように各段の利得制御電圧にオフセット電圧を与え
て、各段の利得制御幅を適当に重ね合わせることで、8
0dBの利得制御幅に対して、直線性に優れた利得制御
特性が得られるようにすることが可能である。
【0056】このように、可変利得低雑音アンプ3及び
可変利得IFアンプ10が、それぞれ必要とする利得制御
範囲で高線形性を持つようにすると、図6のように各利
得制御特性を利得制御電圧に対して直線的に接続される
ように構成することができるため、RF段の利得とIF
段の利得を分けて制御することができる。この際、接続
点を境にRF段及びIF段の利得制御を停止しておくこ
とが必要である。
【0057】この方法によれば、RF段の利得を制御す
ると、IF段の利得も併せて制御されるということはな
く、RF段の利得制御が終わってからIF段の利得制御
を開始するように制御しなければならないような場合に
対応することができる。
【0058】こうした無線装置を携帯端末に用いること
により、携帯端末の性能を向上させることができ、ま
た、高性能な通信システムを構築することができる。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の無線装置及び利得制御方法では、低雑音アンプに可変
利得機能を設け、利得を連続的な制御で設定されるよう
にしているため、信号強度判定器でのヒステリシス特性
が不要になる。また、可変利得IFアンプと併せて制御
を行うことにより、無線装置全体の利得制御特性に高線
形性を持たせることができ、受信信号強度に応じて、受
信信号に対するRF段の減衰量をきめ細かく制御して、
妨害波の影響を適切に抑えることができる。
【0060】また、可変利得低雑音アンプ及び可変利得
IFアンプに、それぞれが必要とする利得制御範囲で高
線形性を持たせて、可変利得低雑音アンプ及び可変利得
IFアンプの利得制御特性が利得制御電圧に対して直線
的に接続されるように構成することにより、RF段の利
得とIF段の利得とを分けて制御することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態における無線
装置の構成を示すブロック図、
【図2】本発明の第1及び第2の実施形態における可変
利得低雑音アンプの回路図、
【図3】本発明の第1の実施形態における無線装置の利
得制御特性、
【図4】本発明の第2の実施形態における可変利得低雑
音アンプの利得制御特性、
【図5】本発明の第2の実施形態における可変利得IF
アンプの利得制御特性、
【図6】本発明の第2の実施形態における無線装置の利
得制御特性、
【図7】従来の無線装置の構成を示すブロック図、
【図8】可変利得IFアンプを構成する可変利得回路の
回路図、
【図9】電圧制御電流源の回路図である。
【符号の説明】
1、31 アンテナ 2、32 共用器 3 可変利得低雑音アンプ 6、36 RFバンドパスフィルタ 7、37 ミキサ 8、38 第1Lo発振器 9、39 IFバンドパスフィルタ 10、40 可変利得IFアンプ 11、41 第2Lo発振器 12、42 直交検波器 13、43 ベースバンドフィルタ 14、44 信号強度検出器 15、45 信号強度判定器 21、22、73、74、101、102、111、112 トランジスタ 23、25、181、182、191、192 電圧制御電流源 24、27 コンデンサ 26、28、171、172、183、193 抵抗 33 低雑音アンプ 34 減衰器 35 スイッチ 71、72 2出力カレントミラー回路 75 電流源
フロントページの続き Fターム(参考) 5K046 AA05 CC28 DD02 DD13 5K052 AA01 AA11 BB08 DD04 EE04 EE13 EE17 FF11 GG13 GG32 GG33 5K062 AA00 AB04 AD04 AD05 AD07 AD09 AG01 BB01 BB15 BC03 BD01 BE08 BE09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号に対する増幅量を調整する可変
    利得低雑音アンプと、受信信号をIF信号に変換するミ
    キサと、変換されたIF信号レベルを調整する可変利得
    IFアンプと、受信信号の信号強度を検出する信号強度
    検出器と、検出された信号強度に基づいて、前記可変利
    得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプの利得を調整す
    る信号強度判定器とを備えることを特徴とする無線装
    置。
  2. 【請求項2】 前記可変利得低雑音アンプ及び可変利得
    IFアンプのそれぞれが、必要とする利得制御範囲にお
    いて、線形の利得制御特性を持つことを特徴とする請求
    項1に記載の無線装置。
  3. 【請求項3】 前記可変利得低雑音アンプの利得制御特
    性及び前記可変利得IFアンプの利得制御特性を併せ
    て、無線装置全体が、線形の利得制御特性を持つことを
    特徴とする請求項2に記載の無線装置。
  4. 【請求項4】 受信信号に対する増幅量を調整する可変
    利得低雑音アンプと、受信信号をIF信号に変換するミ
    キサと、変換されたIF信号レベルを調整する可変利得
    IFアンプと、受信信号の信号強度を検出する信号強度
    検出器とを備える無線装置の前記可変利得低雑音アンプ
    及び可変利得IFアンプの利得を受信信号強度に基づい
    て制御する制御方法において、 前記可変利得低雑音アンプ及び可変利得IFアンプのそ
    れぞれに、所定利得制御範囲での線形の利得制御特性を
    持たせて、前記可変利得低雑音アンプの利得制御特性と
    前記可変利得IFアンプの利得制御特性とが利得制御電
    圧に対して直線的に接続するように構成し、前記可変利
    得低雑音アンプの利得と前記可変利得IFアンプの利得
    とを分けて制御することを特徴とする利得制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の無線装置
    を用いた携帯端末。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の携帯端末を用いた通信
    システム。
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