JP2001028301A - 導電性樹脂組成物とptcサーミスタ - Google Patents

導電性樹脂組成物とptcサーミスタ

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JP2001028301A
JP2001028301A JP11199641A JP19964199A JP2001028301A JP 2001028301 A JP2001028301 A JP 2001028301A JP 11199641 A JP11199641 A JP 11199641A JP 19964199 A JP19964199 A JP 19964199A JP 2001028301 A JP2001028301 A JP 2001028301A
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thermoplastic elastomer
ptc thermistor
ptc
conductive resin
conductive
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Masahiko Arai
正彦 新井
Takayuki Imai
隆之 今井
Sadamitsu Jumonji
貞光 十文字
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PTCサーミスタのスイッチング温度を任意
に変更でき、しかも急峻なPTC特性が得られるように
する。 【解決手段】 PTCサーミスタの導電ポリマー層1を
構成するベースポリマーとして、ポリウレタン系などの
熱可塑性エラストマーを用い、この熱可塑性エラストマ
ーのガラス転移点付近での大きな体積膨張に基いて急峻
なPTC特性を得るようにする。熱可塑性エラストマー
のガラス点は、その分子構造を変化させることで広い範
囲で任意に変えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PTC特性を有
する導電性樹脂組成物とこれを用いたPTCサーミスタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】PTC(ポジティブ・テンパラチュア・
コエフィシエント、正温度係数)特性を有する導電性樹
脂組成物として、従来より高密度ポリエチレンなどの結
晶性ポリマーにカーボンブラック,金属粉末,グラファ
イト粉末などの導電性粉末を30〜80重量%分散させ
たものが知られており、この樹脂組成物を厚さ0.1m
m〜5mmのフィルムとし、このフィルムの両面に金属
箔を貼着したものがPTCサーミスタとして、過電流保
護素子,過熱保護素子などとして実用に供されている。
【0003】この導電性樹脂組成物におけるPTC特性
の発現機構は、ベースポリマーである結晶性ポリマーの
融点近傍での急激な体積膨張による導電性粉末の連鎖の
切断に起因するとされ、結晶性ポリマーの融点近傍の温
度(トリップ温度)でその電気抵抗が急激に上昇し、急
峻なPTC特性が発現すると説明されている。
【0004】このため、PTCサーミスタの電気抵抗が
急激に上昇する温度;スイッチング温度は、使用する結
晶性ポリマーの融点によってほぼ一義的に定まることに
なる。結晶性ポリマーとして実用されるものはほとんど
が高密度ポリエチレンであるため、実用されているPT
Cサーミスタのスイッチング温度は120〜130℃に
限られることになる。
【0005】PTCサーミスタのスイッチング温度を変
更する方法として、高密度ポリエチレンにエチレン−エ
チルアクリレート共重合体などをブレンドしたものをベ
ースポリマーに用いる方法が提案されているが、この方
法では、急峻なPTC特性が得られない、常温素子抵抗
が高い、電気抵抗の立ち上がりが2段階になるなどの不
都合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、PTCサーミスタとしたときのスイッチング
温度を変更でき、しかも急峻なPTC特性を発揮する導
電性樹脂組成物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、導電性樹
脂組成物のベースポリマーとして熱可塑性エラストマー
を用い、この熱可塑性エラストマーのガラス転移点付近
での急激かつ大きな体積膨張に基づいてPTC特性を発
現するようにすることで解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の導電性樹脂組成物のベースポリマーとなる熱可
塑性エラストマーとは、分子内にハードセグメント(硬
質相)とソフトセグメント(軟質相)を有するブロック
重合体のもの、ハードセグメントとなるポリマーとソフ
トセグメントとなるポリマーとを混合したブレンドポリ
マーのものが用いられる。
【0009】この熱可塑性エラストマーは、その温度が
ガラス転移点以上になると、ソフトセグメントの分子鎖
のミクロブラウン運動が活発となり、急激にその体積が
大きく膨張する。また、結晶性が低く、明確な融点を持
たず、融点付近での体積膨張は微かなものである。本発
明では、この熱可塑性エラストマーのガラス転移点での
大きな体積膨張を利用して、急峻なPTC特性を得てい
るものである。さらに、この熱可塑性エラストマーで
は、ソフトセグメントとハードセグメントの割合を変化
させたり、各セグメントの分子鎖の長さを変化させた
り、各セグメントの分子鎖の長さを変化させたりするこ
とによってガラス転移点を大きく変化させることがで
き、例えばポリウレタン系熱可塑性エラストマーでは、
そのガラス転移点を−20℃〜120℃の範囲に設定で
きる。
【0010】また、この熱可塑性エラストマーは、ハー
ドセグメントがソフトセグメントを拘束し、加熱による
ソフトセグメントの流動を抑える作用を果し、一種の架
橋効果を発現する。本発明で使用できる熱可塑性エラス
トマーの具体例としは、ポリスチレン系,ポリオレフィ
ン系,ポリ塩化ビニル系,ポリエステル系,ポリウレタ
ン系,ポリアミド系,フッ素ポリマー系,イソプレン
系,ポリブタジエン系,アイオノマー系などが挙げら
れ、これらの1種または2種以上のブレンドポリマーが
用いられるが、なかでもガラス転移点での体積膨張が大
きく、ガラス転移点を広い範囲で任意に設定しうるポリ
ウレタン系が好ましい。ポリウレタン系熱可塑性エラス
トマーは、ウレタン結合部分のハードセグメントとポリ
エステルまたはポリエーテルのソフトセグメントとがブ
ロック重合した構造のものである。
【0011】導電性粉末には、カーボンブラック,グラ
ファイト粉末,金属粉末などが用いられ、平均粒径1〜
50μmのものが使用される。導電性粉末の配合量は3
0〜80重量%程度とされるが、この範囲に限られるも
のではない。導電性粉末と熱可塑性エラストマーとの混
合は、ニーダー,バンバリミキサー,スーパーミキサ,
インデンシブミキサー,コニーダー,ロールミル,押出
機などの用いる常法によって行われる。本発明の導電性
樹脂組成物では、そのPTC特性を損なわない範囲で、
他のポリマー、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体,ポリ塩化ビニル,塩素化ポリエチレンなどを配合す
ることができ、さらには老化防止剤などの添加剤を添加
してもよい。
【0012】図1は、この発明のPTCサーミスタの一
例を示すもので、図中符号1は導電ポリマー層を示す。
この導電ポリマー層1は、上述の導電性樹脂組成物から
なる厚さ0.1〜10mmのフィルム,シートである。
この導電ポリマー層1の両面には電極2,2が形成され
ている。この電極2には、銅,ニッケル,アルミニウム
などの厚み10〜100μmの金属箔,スパッタ,メッ
キ,蒸着などによる厚み1〜50μmの金属膜,導電ペ
ーストの塗布による導電性樹脂膜などが用いられる。ま
た、必要に応じて導電ポリマー層1と電極2との間に、
種々の介在層、例えば接着促進層などを介在させること
もできる。
【0013】このような導電性樹脂組成物にあっては、
そのベースポリマーに熱可塑性エラストマーを用いてい
るので、熱可塑性エラストマーのガラス転移点付近の温
度をPTCサーミスタとしたときのスイッチング温度と
することができ、これによりそのスイッチング温度を広
い範囲、例えばポリウレタン系熱可塑性エラストマーを
用いた場合には、−20℃〜+120℃の範囲で任意に
設定できる。また、ガラス転移点以上での体積膨張が大
きいので、抵抗変化倍率が高く、急峻なPTC特性が得
られる。さらに、1種の熱可塑性エラストマーで導電性
ポリマー層1を構成しうるので、電気抵抗の立ち上りが
1段であり、良好なPTC特性が得られる。
【0014】また、熱可塑性エラストマーのハードセグ
メントが1種の架橋効果を示すので、あえて導電ポリマ
ー層1を架橋する必要がなく、従来のポリエチレンを用
いたPTCサーミスタでは必須とされて電子線架橋が不
必要となり、製造コストを低減できる。さらに、熱可塑
性エラストマーの大部分のものは極性ポリマーに分類さ
れ、接着性が良好であるため、電極2との接着性が高
い。
【0015】以下、具体例を示す。 (実施例1)ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(ガ
ラス転移点:120℃)100重量部にカーボンブラッ
ク90重量部を加え、ロールミルで混練し、プレス機に
よって厚さ0.25mmのフィルムの両面に厚さ50μ
mの電解銅箔をホットプレスして貼着して電極を設けた
のち、これを円形に打ち抜いてPTCサーミスタとし
た。このPTCサーミスタの20℃での体積抵抗率、抵
抗の立ち上がり開始温度,変化倍率(150℃での体積
抵抗率を20℃での体積抵抗率で除したもの)、銅箔の
接着強度(手で引き剥がした際に剥離できないものを○
とし、剥離できたものを×として評価した。)結果を表
1に示す。
【0016】(実施例2)ポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー(ガラス転移点:80℃)を用いて実施例1と
同様にしてPTCサーミスタを作成し、同様の特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0017】(実施例3)ポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー(ガラス転移点:70℃を用いて実施例1と同
様にしてPTCサーミスタを作成し、同様の特性を評価
した。結果を表1に示す。
【0018】(実施例4)ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー(ガラス転移点:110℃)を用いて実施例1と
同様にしてPTCサーミスタを作成し、同様の特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0019】(比較例1)高密度ポリエチレンを用いて
実施例1と同様にしてPTCサーミスタを作成し、同様
の特性を評価した。結果を表1に示す。
【0020】(比較例2)高密度ポリエチレン70重量
部とエチレン−エチルアクリレート共重合体30重量部
とからなるブレンドポリマーを用いて実施例1と同様に
してPTCサーミスタを作成し、同様の特性を評価し
た。結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から、熱可塑性エラストマーを
ベースポリマーとして用いたものでも、急峻なPTC特
性が得られ、しかもスイッチング温度を任意に変更でき
るとともに電極の接着性も良好であることがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではPTC
サーミスタを構成する導電性樹脂組成物がベースポリマ
ーとして熱可塑性エラストマーを用い、この熱可塑性エ
ラストマーのガラス転移点付近での大きな体積膨張を利
用してPTC特性を得るようにしているので、PTCサ
ーミスタのスイッチング温度を広い範囲内で任意に設定
できる。また、抵抗変化倍率が高く、急峻なPTC特性
が得られる。さらに、従来のポリエチレンをベースポリ
マーとしていたPTCサーミスタでは不可欠であった電
子線架橋が不要であり、低コストで製造できる。また、
熱可塑性エラストマーは、極性ポリマーであるので、接
着性が良好であり、電極との接着性も良好であるなどの
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のPTCサーミスタの例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1…導電ポリマー層、2…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 十文字 貞光 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5E034 AA07 AA09 AC10 DA03 DC03 DC05 DE01 DE05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーに導電性粉末が分
    散され、この熱可塑性エラストマーのガラス転移点付近
    での体積膨張に基いてPTC特性を示す導電性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の導電性樹脂組成物から
    なるフィルムの表面に電極を設けてなるPTCサーミス
    タ。
JP11199641A 1999-07-13 1999-07-13 導電性樹脂組成物とptcサーミスタ Withdrawn JP2001028301A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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