JP3342544B2 - 導電性樹脂成形体 - Google Patents
導電性樹脂成形体Info
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- JP3342544B2 JP3342544B2 JP23656193A JP23656193A JP3342544B2 JP 3342544 B2 JP3342544 B2 JP 3342544B2 JP 23656193 A JP23656193 A JP 23656193A JP 23656193 A JP23656193 A JP 23656193A JP 3342544 B2 JP3342544 B2 JP 3342544B2
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- resin
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性樹脂成形体、特に
は高い導電性を有し、耐蝕性もすぐれていることから、
電波シールド材、各種接点、電気化学的反応用電極、面
状発熱体などに有用とされる導電性樹脂成形体に関する
ものである。
は高い導電性を有し、耐蝕性もすぐれていることから、
電波シールド材、各種接点、電気化学的反応用電極、面
状発熱体などに有用とされる導電性樹脂成形体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】導電性樹脂成形体、例えば導電性樹脂板
については塩素系合成樹脂 100容量部に対し、金属系や
炭素系の導電性付与フィラーを5〜50容量部程度分散
し、板状に成形したものが公知とされる。これらは通常
耐蝕性が要求されるが、これが体積抵抗率が 102Ω・cm
オーダー程度の比較的高抵抗でよいものには炭素系の導
電性付与フィラーが用いられており、これが10-2Ω・cm
などのように高い導電性が要求されるものについては
金、銀、銅、パラジウム、アルミニウムなどの金属製の
導電性付与フィラーが使用されているが、本発明者らは
塩素化ポリエチレンに炭素系導電性付与フィラーを特定
比率で、例えば樹脂 100容量部に対して導電性付与フィ
ラーを 120容量部程度添加することを可能とし、これに
よって10-2Ω・cmオーダーの体積抵抗率を示す導電性プ
ラスチックを提案している(特願平5-198362号明細書参
照)。
については塩素系合成樹脂 100容量部に対し、金属系や
炭素系の導電性付与フィラーを5〜50容量部程度分散
し、板状に成形したものが公知とされる。これらは通常
耐蝕性が要求されるが、これが体積抵抗率が 102Ω・cm
オーダー程度の比較的高抵抗でよいものには炭素系の導
電性付与フィラーが用いられており、これが10-2Ω・cm
などのように高い導電性が要求されるものについては
金、銀、銅、パラジウム、アルミニウムなどの金属製の
導電性付与フィラーが使用されているが、本発明者らは
塩素化ポリエチレンに炭素系導電性付与フィラーを特定
比率で、例えば樹脂 100容量部に対して導電性付与フィ
ラーを 120容量部程度添加することを可能とし、これに
よって10-2Ω・cmオーダーの体積抵抗率を示す導電性プ
ラスチックを提案している(特願平5-198362号明細書参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
公知の導電性樹脂板において金属製の導電性付与フィラ
ーを用いる場合には10-2Ω・cmオーダーの導電性を得ら
れるものの、耐蝕性が要求される用途には金、白金、パ
ラジウムなどの貴金属を用いる必要があるために非常に
高価になるし、重いものになるという欠点がある。ま
た、この場合導電性付与フィラーとして炭素系のものを
使用する場合にはこの合成樹脂としてポリオレフィンな
どの非塩素系の通常の樹脂を使用すると、導電性付与フ
ィラーの混合比率を大きくすることができないので、そ
の抵抗値は 100Ω・cmオーダーが下限になるという不利
がある。
公知の導電性樹脂板において金属製の導電性付与フィラ
ーを用いる場合には10-2Ω・cmオーダーの導電性を得ら
れるものの、耐蝕性が要求される用途には金、白金、パ
ラジウムなどの貴金属を用いる必要があるために非常に
高価になるし、重いものになるという欠点がある。ま
た、この場合導電性付与フィラーとして炭素系のものを
使用する場合にはこの合成樹脂としてポリオレフィンな
どの非塩素系の通常の樹脂を使用すると、導電性付与フ
ィラーの混合比率を大きくすることができないので、そ
の抵抗値は 100Ω・cmオーダーが下限になるという不利
がある。
【0004】また、この場合、上記したようにこの合成
樹脂を塩素化ポリエチレンとすると炭素系の導電性付与
フィラーの高充填が可能となり、10-2Ω・cmオーダーの
体積抵抗率をもつものが得られるけれども、この場合に
はこれを銅よりなる金属部品と直接接触させると、塩素
化ポリエチレンから遊離した塩素イオンが金属部品を侵
し、長期にわたる接続信頼性に悪影響が出るという欠点
がある。そのため、これについてはこの金属部品を塩素
基に侵され難い金、白金、パラジウムなどの貴金属とし
たり、これらのメッキを施したものとするという方法も
検討されているが、この場合にはこの金属部品が高価な
このになるという欠点がある。
樹脂を塩素化ポリエチレンとすると炭素系の導電性付与
フィラーの高充填が可能となり、10-2Ω・cmオーダーの
体積抵抗率をもつものが得られるけれども、この場合に
はこれを銅よりなる金属部品と直接接触させると、塩素
化ポリエチレンから遊離した塩素イオンが金属部品を侵
し、長期にわたる接続信頼性に悪影響が出るという欠点
がある。そのため、これについてはこの金属部品を塩素
基に侵され難い金、白金、パラジウムなどの貴金属とし
たり、これらのメッキを施したものとするという方法も
検討されているが、この場合にはこの金属部品が高価な
このになるという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点を解決した導電性樹脂成形体に関するもので、
これは分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系導電性付与フ
ィラーとからなる導電性樹脂により成形された成形体の
少なくとも金属製品と接触する部位に、分子中に塩素基
を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電性
樹脂層を設けてなることを特徴とするものである。
利、欠点を解決した導電性樹脂成形体に関するもので、
これは分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系導電性付与フ
ィラーとからなる導電性樹脂により成形された成形体の
少なくとも金属製品と接触する部位に、分子中に塩素基
を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電性
樹脂層を設けてなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは分子中に塩素基を
含む樹脂に炭素系の導電性付与フィラーを高充填してな
る成形体と接触する金属部品の耐蝕性を改良する方法に
ついて種々検討した結果、この塩素基を含む樹脂からな
る成形体の金属部品と接触する部位に、分子中に塩素基
を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電性
樹脂層を設けておけば、金属部品と接触する導電性樹脂
層が塩素基を含まない樹脂からなるものとなるのでこの
金属部品が塩素基で侵されることがなくなるということ
を見出し、これによれば高い導電性を有するし、耐蝕性
もすぐれた導電性樹脂成形体の得られることを確認し、
ここに使用される樹脂材料、導電性付与フィラーの種
類、その成形体の製造方法についての研究を進めて本発
明を完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
含む樹脂に炭素系の導電性付与フィラーを高充填してな
る成形体と接触する金属部品の耐蝕性を改良する方法に
ついて種々検討した結果、この塩素基を含む樹脂からな
る成形体の金属部品と接触する部位に、分子中に塩素基
を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電性
樹脂層を設けておけば、金属部品と接触する導電性樹脂
層が塩素基を含まない樹脂からなるものとなるのでこの
金属部品が塩素基で侵されることがなくなるということ
を見出し、これによれば高い導電性を有するし、耐蝕性
もすぐれた導電性樹脂成形体の得られることを確認し、
ここに使用される樹脂材料、導電性付与フィラーの種
類、その成形体の製造方法についての研究を進めて本発
明を完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明は導電性樹脂成形体に関するもので、こ
れは上記したように分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系
導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂により成形さ
れた成形体の少なくとも金属部品と接触する部位に、分
子中に塩素基を含まない樹脂と導電性付与フィラーとか
らなる導電性樹脂層を設けてなることを特徴とするもの
であり、これによれば10-2Ω・cmオーダーあるいはそれ
以下のべき指数を有する高い導電性を有し、耐蝕性もす
ぐれており、軽量な導電性樹脂成形体を安価に得ること
ができるという有利性が与えられる。
れは上記したように分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系
導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂により成形さ
れた成形体の少なくとも金属部品と接触する部位に、分
子中に塩素基を含まない樹脂と導電性付与フィラーとか
らなる導電性樹脂層を設けてなることを特徴とするもの
であり、これによれば10-2Ω・cmオーダーあるいはそれ
以下のべき指数を有する高い導電性を有し、耐蝕性もす
ぐれており、軽量な導電性樹脂成形体を安価に得ること
ができるという有利性が与えられる。
【0008】本発明を構成する成形体の導電性樹脂は分
子中に塩素基を含む樹脂と炭素系の導電性付与フィラー
とからなるものとされる。このような分子中に塩素基を
含む樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチ
レン、クロルスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒド
リンゴムなどが例示されるが、これらはその一種でもよ
いし、二種以上をブレンドしてもよいが、炭素系の導電
性付与フィラーを高充填できるということからは塩素化
ポリエチレンとすることが好ましい。
子中に塩素基を含む樹脂と炭素系の導電性付与フィラー
とからなるものとされる。このような分子中に塩素基を
含む樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチ
レン、クロルスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒド
リンゴムなどが例示されるが、これらはその一種でもよ
いし、二種以上をブレンドしてもよいが、炭素系の導電
性付与フィラーを高充填できるということからは塩素化
ポリエチレンとすることが好ましい。
【0009】この分子中に塩素基を含む樹脂は一般に熱
や光に侵され易く、脱塩化水素して共役二重結合を生成
して劣化するおそれがあるために、これにはステアリン
酸亜鉛などの金属石けん、アルキルSnメルカプトなど
のすず系、あるいは3塩基性硫酸鉛などの鉛系などの安
定剤を配合する必要があるが、電気化学的反応に用いる
場合には、Zn、Pb、Snなどの金属元素を含まない
安定剤の使用が好ましいということから、これにはつぎ
の一般式 [CH3-C(NH2)=CH-COO]n-R (n=1〜6) で示されるβ−アミノクロトン酸エステルを使用するこ
とが好ましい。
や光に侵され易く、脱塩化水素して共役二重結合を生成
して劣化するおそれがあるために、これにはステアリン
酸亜鉛などの金属石けん、アルキルSnメルカプトなど
のすず系、あるいは3塩基性硫酸鉛などの鉛系などの安
定剤を配合する必要があるが、電気化学的反応に用いる
場合には、Zn、Pb、Snなどの金属元素を含まない
安定剤の使用が好ましいということから、これにはつぎ
の一般式 [CH3-C(NH2)=CH-COO]n-R (n=1〜6) で示されるβ−アミノクロトン酸エステルを使用するこ
とが好ましい。
【0010】このβ−アミノクロトン酸エステルとして
は、ステアリルアルコールβ−アミノクロトン酸エステ
ル、1,4−ブタンジオールβ−アミノクロトン酸エス
テル、チオジエタノールβ−アミノクロトン酸エステ
ル、トリメチロールプロパントリβ−アミノクロトン酸
エステル、ペンタエリスリトールテトラβ−アミノクロ
トン酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサβ−ア
ミノクロトン酸エステルなどが例示され、このβ−アミ
ノクロトン酸エステルの添加量は塩素含有高分子100重
量部に対して1〜3重量部とすればよいが、これにさら
に各種の公知の滑剤、加工助剤、強化剤、改質剤、酸化
防止剤、架橋剤、架橋助剤などの添加剤を添加すること
は任意とされる。
は、ステアリルアルコールβ−アミノクロトン酸エステ
ル、1,4−ブタンジオールβ−アミノクロトン酸エス
テル、チオジエタノールβ−アミノクロトン酸エステ
ル、トリメチロールプロパントリβ−アミノクロトン酸
エステル、ペンタエリスリトールテトラβ−アミノクロ
トン酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサβ−ア
ミノクロトン酸エステルなどが例示され、このβ−アミ
ノクロトン酸エステルの添加量は塩素含有高分子100重
量部に対して1〜3重量部とすればよいが、これにさら
に各種の公知の滑剤、加工助剤、強化剤、改質剤、酸化
防止剤、架橋剤、架橋助剤などの添加剤を添加すること
は任意とされる。
【0011】また、この分子中に塩素基を含む樹脂に分
散添加される導電性付与フィラーは耐蝕性が要求される
ことから炭素系の導電性付与フィラーとすることが必要
とされ、これにはフレーク天然黒鉛、アモルファス天然
黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛粉末、アセチレンブラック、
ケッチェンブラックEC[ライオン(株)製商品名]、
導電性オイルファーネスブラックなどのカーボンブラッ
クの単独または複合配合物などが例示されるが、本発明
者らの検討結果によれば黒鉛とカーボンブラックとを適
当な比、具体的には黒鉛:カーボンブラックが1:1〜
5:1となるように複合させると、樹脂マトリックスに
充填したときにより低い体積固有抵抗を得ることのでき
ることが確認されている。
散添加される導電性付与フィラーは耐蝕性が要求される
ことから炭素系の導電性付与フィラーとすることが必要
とされ、これにはフレーク天然黒鉛、アモルファス天然
黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛粉末、アセチレンブラック、
ケッチェンブラックEC[ライオン(株)製商品名]、
導電性オイルファーネスブラックなどのカーボンブラッ
クの単独または複合配合物などが例示されるが、本発明
者らの検討結果によれば黒鉛とカーボンブラックとを適
当な比、具体的には黒鉛:カーボンブラックが1:1〜
5:1となるように複合させると、樹脂マトリックスに
充填したときにより低い体積固有抵抗を得ることのでき
ることが確認されている。
【0012】上記した分子中に塩素基を含む樹脂に対す
るこの炭素系導電性付与フィラーの添加量は所望の抵抗
値を得ることができ、かつ製品の物理的強度を弱めない
ものとするためには、塩素基を含有する樹脂 100容量部
に対して50〜 120容量部の範囲、好ましくは60〜 100容
量量部の範囲とするのがよい。また、この炭素系導電性
付与フィラーの塩素基を含む樹脂に対する添加はこれを
加熱装置付きの2本ロール、バンバリーミキサー、ヘン
シェルミキサー、コニーダー(2軸押出機)などを用い
て直接練り込むようにすればよい。
るこの炭素系導電性付与フィラーの添加量は所望の抵抗
値を得ることができ、かつ製品の物理的強度を弱めない
ものとするためには、塩素基を含有する樹脂 100容量部
に対して50〜 120容量部の範囲、好ましくは60〜 100容
量量部の範囲とするのがよい。また、この炭素系導電性
付与フィラーの塩素基を含む樹脂に対する添加はこれを
加熱装置付きの2本ロール、バンバリーミキサー、ヘン
シェルミキサー、コニーダー(2軸押出機)などを用い
て直接練り込むようにすればよい。
【0013】なお、この成形体の成形は、上記により得
られた分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系の導電性付与
フィラーとの混練物を加熱装置付きのカレンダーロール
で圧延してシート状とするか、プレス成形、射出成形な
どにより所望の形状のものに成形すればよい。
られた分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系の導電性付与
フィラーとの混練物を加熱装置付きのカレンダーロール
で圧延してシート状とするか、プレス成形、射出成形な
どにより所望の形状のものに成形すればよい。
【0014】このようにして作られた成形体はこれを金
属部品と組合せて電波シールド材、各種接点、電気化学
反応用電極、面状発熱体として使用されるのであるが、
この成形体はこれを形成している樹脂が塩素基を含んだ
ものとされており、これから遊離する塩素基によって金
属部品が侵されるので、本発明の導電性樹脂成形体につ
いてはこれが金属部品と接触する位置に、分子中に塩素
基を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電
性樹脂層を設けることが必要とされる。
属部品と組合せて電波シールド材、各種接点、電気化学
反応用電極、面状発熱体として使用されるのであるが、
この成形体はこれを形成している樹脂が塩素基を含んだ
ものとされており、これから遊離する塩素基によって金
属部品が侵されるので、本発明の導電性樹脂成形体につ
いてはこれが金属部品と接触する位置に、分子中に塩素
基を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからなる導電
性樹脂層を設けることが必要とされる。
【0015】この導電性樹脂層を形成する樹脂は分子中
に塩素基を含まないものとすることが必要であることか
ら、これにはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−n
−ブチレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4
−メチルペンテン−1、ポリビニルアルコール、ポリス
チレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸高
級エステル、ポリアクリロニトリル、アクリルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴ
ム、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共
重合体(SEBS)、カルボキシル化スチレン−エチレ
ンブチレン−スチレンブロック共重合体などが例示され
るが、これに上記した塩素基を含む樹脂に対してと同様
の添加剤を加えることは任意とされる。
に塩素基を含まないものとすることが必要であることか
ら、これにはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−n
−ブチレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4
−メチルペンテン−1、ポリビニルアルコール、ポリス
チレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸高
級エステル、ポリアクリロニトリル、アクリルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴ
ム、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共
重合体(SEBS)、カルボキシル化スチレン−エチレ
ンブチレン−スチレンブロック共重合体などが例示され
るが、これに上記した塩素基を含む樹脂に対してと同様
の添加剤を加えることは任意とされる。
【0016】また、この塩素基を含まない樹脂に配合さ
れる導電性付与フィラーはこれが直接電解液などの金属
腐蝕性物質に触れるものではないので、これは金属、セ
ラミックス、炭素系など従来公知の導電性付与フィラー
のいずれであってもよく、特に限定されるものではない
が、これは上記した導電性樹脂の性能を損なわないよう
に適宜選択して使用すればよく、この配合量は上記した
分子中に塩素基を含まない樹脂 100容量部に対して、5
〜50容量部の範囲とすればよい。
れる導電性付与フィラーはこれが直接電解液などの金属
腐蝕性物質に触れるものではないので、これは金属、セ
ラミックス、炭素系など従来公知の導電性付与フィラー
のいずれであってもよく、特に限定されるものではない
が、これは上記した導電性樹脂の性能を損なわないよう
に適宜選択して使用すればよく、この配合量は上記した
分子中に塩素基を含まない樹脂 100容量部に対して、5
〜50容量部の範囲とすればよい。
【0017】この分子中に塩素基を含まない樹脂と導電
性付与フィラーとからなる導電性樹脂(以下第二の導電
性樹脂と略記する)層の、分子中に塩素系を含む樹脂と
炭素系の導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂(以
下第一の導電性樹脂と略記する)成形体上への形成は、
第二の導電性樹脂を適当な溶媒、好ましくは塩素基を含
まない溶媒に溶解し、これをスクリーン印刷機、グラビ
アコーター、バーコーター、ナイフコーター、コンマコ
ーター、スプレーコーター、ディップコーターなどを用
いて塗布するか、他の剥離性基材上に予め形成したもの
を加熱、加圧により転写する方法、あるいは第一の導電
性樹脂からなる成形体をプレス、射出成形などで成形す
るときに、その所定の位置にこの第二の導電性樹脂から
なる層を配置して一体成形する方法などで行えばよい。
なお、この第二の導電性樹脂層の厚さは、遊離塩素を十
分に遮蔽することができる厚みとすればよいが、厚すぎ
ることは実用上無意味であるので、20μm〜3mmの範囲
とすることが好ましい。
性付与フィラーとからなる導電性樹脂(以下第二の導電
性樹脂と略記する)層の、分子中に塩素系を含む樹脂と
炭素系の導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂(以
下第一の導電性樹脂と略記する)成形体上への形成は、
第二の導電性樹脂を適当な溶媒、好ましくは塩素基を含
まない溶媒に溶解し、これをスクリーン印刷機、グラビ
アコーター、バーコーター、ナイフコーター、コンマコ
ーター、スプレーコーター、ディップコーターなどを用
いて塗布するか、他の剥離性基材上に予め形成したもの
を加熱、加圧により転写する方法、あるいは第一の導電
性樹脂からなる成形体をプレス、射出成形などで成形す
るときに、その所定の位置にこの第二の導電性樹脂から
なる層を配置して一体成形する方法などで行えばよい。
なお、この第二の導電性樹脂層の厚さは、遊離塩素を十
分に遮蔽することができる厚みとすればよいが、厚すぎ
ることは実用上無意味であるので、20μm〜3mmの範囲
とすることが好ましい。
【0018】このようにして作られた本発明の導電性樹
脂成形体は、これを構成する第一の導電性樹脂からなる
成形体が分子内に塩素基を含む樹脂に炭素系の導電性付
与フィラーを高充填したもので体積抵抗率が10-2Ω・cm
オーダーのものとなるし、これが金属部分と接触する部
位には第二の導電性樹脂層が設けられて、これが塩素を
含んでおらず、これが耐蝕性をもつものとなるので、こ
のものは電波シールド材、各種接点、電気化学的応用電
極、面状発泡体などとして有用とされるという有利性が
与えられる。
脂成形体は、これを構成する第一の導電性樹脂からなる
成形体が分子内に塩素基を含む樹脂に炭素系の導電性付
与フィラーを高充填したもので体積抵抗率が10-2Ω・cm
オーダーのものとなるし、これが金属部分と接触する部
位には第二の導電性樹脂層が設けられて、これが塩素を
含んでおらず、これが耐蝕性をもつものとなるので、こ
のものは電波シールド材、各種接点、電気化学的応用電
極、面状発泡体などとして有用とされるという有利性が
与えられる。
【0019】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例 塩素化度40%の塩素化ポリエチレン・エラスレン40ZA
E[昭和電工(株)製商品名] 100重量部に安定剤・β
アミノクロトン酸エステル[昭島化学工業(株)製商品
名]3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーでドライア
ップした。
E[昭和電工(株)製商品名] 100重量部に安定剤・β
アミノクロトン酸エステル[昭島化学工業(株)製商品
名]3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーでドライア
ップした。
【0020】ついで、これにフレーク天然黒鉛・CPB
−30[(株)中越黒鉛工業製商品名](真密度2.2g/c
m3) 112.5重量部とカーボンブラック・ケッチェンブラ
ックEC(前出)(真密度1.9g/cm3)37.5重量部を添加
し、二本ミキシングロールで混練してから総厚 0.3mmの
導電性樹脂板を形成し、このものを2枚重ね合わせて 1
70℃、70kgf/cm2 で10時間熱プレスしたのち、加圧状態
のままで30℃まで冷却したところ、厚さ 0.5mm、 300mm
×300mm の図1に示した導電性樹脂よりなる成形体2が
得られた。なお、このときの混合割合を容量換算する
と、これは樹脂 100容量部に対し導電性フィラー81.5容
量部となる。
−30[(株)中越黒鉛工業製商品名](真密度2.2g/c
m3) 112.5重量部とカーボンブラック・ケッチェンブラ
ックEC(前出)(真密度1.9g/cm3)37.5重量部を添加
し、二本ミキシングロールで混練してから総厚 0.3mmの
導電性樹脂板を形成し、このものを2枚重ね合わせて 1
70℃、70kgf/cm2 で10時間熱プレスしたのち、加圧状態
のままで30℃まで冷却したところ、厚さ 0.5mm、 300mm
×300mm の図1に示した導電性樹脂よりなる成形体2が
得られた。なお、このときの混合割合を容量換算する
と、これは樹脂 100容量部に対し導電性フィラー81.5容
量部となる。
【0021】つぎに、塩素基を含まない樹脂としてのス
チレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体
(SEBS) 100重量部をトルエンに5重量%となるよ
うに溶解し、これに前記したフレーク天然黒鉛・CPB
−30(前出)90重量部とカーボンブラック・ケッチェン
ブラックEC(前出)30重量部を加えて導電性樹脂溶液
を作製し、これを上記で得た成形体2の片面に乾燥後の
厚さが50μmになるように塗布し、乾燥してここに導電
性樹脂層3を形成させて、本発明の導電性樹脂成形体1
を作製した。この導電性樹脂層3における樹脂と導電性
付与フィラーの混合割合の容量比は 100:50である。
チレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体
(SEBS) 100重量部をトルエンに5重量%となるよ
うに溶解し、これに前記したフレーク天然黒鉛・CPB
−30(前出)90重量部とカーボンブラック・ケッチェン
ブラックEC(前出)30重量部を加えて導電性樹脂溶液
を作製し、これを上記で得た成形体2の片面に乾燥後の
厚さが50μmになるように塗布し、乾燥してここに導電
性樹脂層3を形成させて、本発明の導電性樹脂成形体1
を作製した。この導電性樹脂層3における樹脂と導電性
付与フィラーの混合割合の容量比は 100:50である。
【0022】この本発明の導電性樹脂成形体1の体積固
有抵抗を抵抗測定機・ロレスタAP・MCP−T400
[三菱油化(株)製商品名]を用いて測定したところ、
1.7×10-2Ω・cmであったが、この導電性樹脂層3に銅
板を密着させ、70℃の恒温槽中に 240時間放置したとこ
ろ、この銅板に変化は認められなかった。
有抵抗を抵抗測定機・ロレスタAP・MCP−T400
[三菱油化(株)製商品名]を用いて測定したところ、
1.7×10-2Ω・cmであったが、この導電性樹脂層3に銅
板を密着させ、70℃の恒温槽中に 240時間放置したとこ
ろ、この銅板に変化は認められなかった。
【0023】比較例 実施例で作製した成形体2の体積固有抵抗を抵抗測定器
・ロレスタAP・MCP−T400 (前出)で測定したと
ころ、これは 1.6×10-2Ω・cmの値を示したが、これに
実施例で作製した導電性樹脂層3を設けず、この成形体
2に直接銅板を密着させ、これを70℃の恒温槽中に 240
時間放置したところ、銅板は黒褐色に変色した。
・ロレスタAP・MCP−T400 (前出)で測定したと
ころ、これは 1.6×10-2Ω・cmの値を示したが、これに
実施例で作製した導電性樹脂層3を設けず、この成形体
2に直接銅板を密着させ、これを70℃の恒温槽中に 240
時間放置したところ、銅板は黒褐色に変色した。
【0024】
【発明の効果】本発明は導電性樹脂成形体に関するもの
であり、これは前記したように分子中に塩素基を含む樹
脂と炭素系導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂に
より成形された成形体の少なくとも金属製部品と接触す
る部分に、分子中に塩素基を含まない樹脂と導電性付与
フィラーとからなる導電性樹脂層を設けてなることを特
徴とするものであるが、このものはこの成形体を形成す
る導電性樹脂が塩素基を含む樹脂からなるものとされ、
これは炭素系導電性付与フィラーを高充填することがで
きるので、10-2Ω・cmオーダーの体積固有抵抗をもつも
のとなるし、この成形体には金属部品との接触部に塩素
基を含まない樹脂からなる導電性樹脂層が設けられてお
り、したがって耐蝕性の強いものとなるので、これによ
れば高い導電性を有し、耐蝕性もすぐれている導電性樹
脂成形体を容易に、かつ安価に得ることができるという
有利性が与えられる。
であり、これは前記したように分子中に塩素基を含む樹
脂と炭素系導電性付与フィラーとからなる導電性樹脂に
より成形された成形体の少なくとも金属製部品と接触す
る部分に、分子中に塩素基を含まない樹脂と導電性付与
フィラーとからなる導電性樹脂層を設けてなることを特
徴とするものであるが、このものはこの成形体を形成す
る導電性樹脂が塩素基を含む樹脂からなるものとされ、
これは炭素系導電性付与フィラーを高充填することがで
きるので、10-2Ω・cmオーダーの体積固有抵抗をもつも
のとなるし、この成形体には金属部品との接触部に塩素
基を含まない樹脂からなる導電性樹脂層が設けられてお
り、したがって耐蝕性の強いものとなるので、これによ
れば高い導電性を有し、耐蝕性もすぐれている導電性樹
脂成形体を容易に、かつ安価に得ることができるという
有利性が与えられる。
【図1】本発明の導電性樹脂成形体の一実施例によるも
のの斜視図を示したものである。
のの斜視図を示したものである。
【符号の説明】1 …導電性樹脂成形体、 2…第一の導電性樹脂による導電性樹脂成形体、 3…第二の導電性樹脂よりなる導電性樹脂層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒野 健一 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信越ポリマー株式会社 商品研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−64743(JP,A) 特開 平3−126539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/20 - 1/24 H01B 5/02 - 5/16 B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04
Claims (1)
- 【請求項1】分子中に塩素基を含む樹脂と炭素系導電性
付与フィラーとからなる導電性樹脂により成形された成
形体の少なくとも金属製部品と接触する部分に、分子中
に塩素基を含まない樹脂と導電性付与フィラーとからな
る導電性樹脂層を設けてなることを特徴とする導電性樹
脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23656193A JP3342544B2 (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 導電性樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23656193A JP3342544B2 (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 導電性樹脂成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0794016A JPH0794016A (ja) | 1995-04-07 |
JP3342544B2 true JP3342544B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=17002468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23656193A Expired - Fee Related JP3342544B2 (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 導電性樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3342544B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004032152A1 (de) * | 2004-07-02 | 2006-01-26 | Ticona Gmbh | Verbund umfassend mindestens eine harte Komponente und mindestens eine weiche Komponente |
JP2006167925A (ja) * | 2004-12-10 | 2006-06-29 | Japan Carlit Co Ltd:The | 導電用高耐食材料及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-09-22 JP JP23656193A patent/JP3342544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0794016A (ja) | 1995-04-07 |
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