JP2001028139A - 光プローブおよびその製造方法ならびに光ヘッド - Google Patents

光プローブおよびその製造方法ならびに光ヘッド

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JP2001028139A
JP2001028139A JP11200359A JP20035999A JP2001028139A JP 2001028139 A JP2001028139 A JP 2001028139A JP 11200359 A JP11200359 A JP 11200359A JP 20035999 A JP20035999 A JP 20035999A JP 2001028139 A JP2001028139 A JP 2001028139A
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Daisuke Miyauchi
大助 宮内
Osamu Shinoura
治 篠浦
Hidehiko Yamaoka
英彦 山岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接場光を発生する平面開口プローブにおい
て、開口への光入射精度を向上させ、かつ、生産を容易
にする。また、生産性が高く、性能が安定しており、高
転送レートを実現可能な光ヘッドを提供する。 【解決手段】 主面が(100)面から構成されるSi
基板1に、内側面が(111)面から構成される四角錐
台状の貫通孔11が形成されており、その一方端を構成
する微小開口12付近に近接場光を発生する光プローブ
であって、Si基板1において貫通孔11の近傍に、断
面がV字型であって、内側面が(111)面から構成さ
れるV字型溝14が形成されており、このV字型溝14
内に、光ファイバ5が固定されており、貫通孔11の他
方端上に、光ファイバ5から出射された光を反射して微
小開口12に集めるためのミラー2が存在し、このミラ
ー2が、支持梁4によりSi基板1に固定されている光
プローブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光を発生す
る光プローブおよびその製造方法と、この光プローブを
利用して光情報媒体に対し記録、再生を行う光ヘッドと
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置における情報記
録密度向上は著しく、光ディスク装置でもさらなる記録
密度の向上が期待されている。しかしながら、光の回折
現象のため、光の波長よりも小さな情報記録マークを読
み書きすることは困難であり、これが記録密度向上の妨
げとなっている。
【0003】この光の回折限界を破る方法として、近接
場光を利用した光記録方式が提案されている。
【0004】例えば、Applied Physics Letters, Vol.6
2, No.2, p142-144 (1992)(文献1)には、光ファイバ
を先鋭化し、その先端以外を金属膜で覆って微小開口を
形成したプローブを用いて、光磁気記録媒体であるPt
/Co多層膜に直径60nmの記録マークを記録し、再生
したことが報告されている。文献1では、情報の書き込
みは入射光によるプローブ先端の局所加熱により行い、
情報の読み出しは透過光の偏光面回転を検出することに
より行っており、記録密度は45Gbit/sq.in.(ギガビ
ット/平方インチ)に達している。
【0005】また、Japanese Journal of Applied Phys
ics, Vol.35, p443-447 (1996)(文献2)には、ポリカ
ーボネート基板/ZnS・SiO2/GeSbTe/Z
nS・SiO2構造をもつ相変化型媒体を用い、光ファ
イバを先鋭化したプローブにより直径60nmの記録マー
クの読み書きを行った例が報告されている。
【0006】また、これら先鋭化されたプローブのほ
か、第58回応用物理学会学術講演会,no.28pZG3, p861
(1997)(文献3)、電子情報通信学会論文誌, Vol.J81-
C-II No.3 (1988)(文献4)、第58回応用物理学会学術
講演会, no.5aL1, p984 (1997)(文献5)には、平面開
口プローブが報告されている。文献3では、Si(10
0)基板を表面側から異方性エッチングして、Si(1
11)の斜面で囲まれた逆ピラミッド状の穴を形成し、
さらにSi基板の裏面側からエッチングして微小開口を
形成することにより、平面開口プローブを作製してい
る。この微小開口の寸法は、伝搬光遮蔽のためのAu膜
を形成した状態において約200nmである。また、文献
4、文献5には、上記逆ピラミッド状の凹部に球レンズ
を挿入することにより、入射光の焦点を開口に結ばせる
構成の平面開口プローブが記載されている。このような
球レンズを用いることにより、開口上の光強度が増強さ
れる。
【0007】ところで、光ディスク装置には、記録容量
の増大とともに、データの高速な転送が要求される。近
接場光を利用する光プローブにおいて実用的な転送レー
トを得るために、磁気ディスク装置における浮上型ヘッ
ドや接触型ヘッドのように、プローブをスライダに搭載
する方法が、例えばOPTRONICS No.4 p159 (1998)(文献
6)に報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】先鋭化した光ファイバ
プローブを用いる例(前記文献1、2)では、入射した
光がプローブの先端まで十分に伝達しないため、高い信
号レベルが得られない。また、文献1では、シア・フォ
ース(shear force)顕微鏡を用いて記録媒体とプロー
ブとの間隔を精密に制御しているが、この制御を高速で
回転する光ディスク上において行うのは非常に困難であ
る。
【0009】また、前記文献6には、光ファイバプロー
ブをスライダに搭載して光ヘッドを構成する例が記載さ
れている。この構成では情報の転送速度を向上させるこ
とができるが、光ファイバプローブを用いた場合、プロ
ーブとスライダとを正確に位置合わせすることが難し
く、また、この構造の光ヘッドは生産性に劣るという問
題がある。
【0010】前記文献3、4、5に記載されているよう
に、Si基板を異方性エッチングすることにより作製し
た微小開口を用いると、光は自由空間を伝搬するので、
光ファイバプローブを用いた場合よりも光伝達効率が増
加する。また、平面開口プローブは、光ファイバを先鋭
化して開口としたプローブに比べ、開口が破損しにく
い。さらに、平行面開口プローブは量産性に優れてい
る。
【0011】このように優れた性質をもつ平面開口プロ
ーブを光ヘッドに適用する場合、光を開口に正確に入射
させる必要がある。また、光の入射が正確であっても、
生産性が低かったり煩雑な調整が必要であったりする
と、工業的な利用には不適である。
【0012】本発明はこのような事情からなされたもの
である。本発明の目的は、近接場光を発生する平面開口
プローブにおいて、開口への光入射精度を向上させ、か
つ、生産を容易にすることである。また、本発明の他の
目的は、生産性が高く、性能が安定しており、高転送レ
ートを実現可能な光ヘッドを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(6)の本発明により達成される。 (1) 主面が(100)面から構成されるSi基板を
有し、このSi基板に、内側面が(111)面から構成
されるほぼ四角錐台状の貫通孔が形成されており、この
貫通孔の一方端を構成する微小開口付近に近接場光を発
生する光プローブであって、前記Si基板において前記
貫通孔の近傍に、断面がV字型であって、内側面が(1
11)面から構成されるV字型溝が形成されており、こ
のV字型溝内に、光ファイバが固定されており、前記貫
通孔の他方端上に、前記光ファイバから出射された光を
反射して前記微小開口に集めるためのミラーが存在し、
このミラーが、支持梁により前記Si基板に固定されて
いる光プローブ。 (2) 前記ミラーおよび前記支持梁のそれぞれ一部
が、前記Si基板の(100)表面上に形成された膜を
形状加工することにより形成されたものである上記
(1)の光プローブ。 (3) 上記(1)または(2)の光プローブを製造す
る方法であって、前記Si基板を異方性エッチングする
ことにより、前記貫通孔、前記V字型溝、および前記ミ
ラーの一部を同時に形成する工程を有し、この工程が、
前記Si基板の主面に、前記異方性エッチングの際にマ
スクとして利用するためのマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜をパターニングするパターニング工程と、
異方性エッチングを行う工程とを含み、前記パターニン
グ工程において、パターニング後のマスク膜が、前記貫
通孔が形成される領域および前記V字型溝が形成される
領域を除いて覆うマスクパターン、前記貫通孔形成領域
内に存在するミラー本体、ならびに、このミラー本体と
前記マスクパターンとを連結する支持梁本体を有する光
プローブの製造方法。 (4) 前記支持梁本体が、前記Si基板の<010>
方向および<001>方向のいずれとも平行でない部分
をもつ上記(3)の光プローブの製造方法。 (5) 前記エッチング工程の後に、前記支持梁本体表
面に抵抗膜を形成して前記支持梁とし、次いで、この支
持梁に捻れを与えることにより、前記Si基板の主面に
対し前記ミラー本体の主面を傾かせ、次いで、前記抵抗
体に通電することにより加熱し、この加熱により前記支
持梁を捻れた状態で固定する上記(3)または(4)の
光プローブの製造方法。 (6) 上記(1)または(2)の光プローブをスライ
ダとして有し、光情報媒体がもつ情報を近接場光を用い
て再生する光ヘッド。
【0014】
【発明の実施の形態】光プローブ 図14に、前記文献4に記載された従来の平面開口プロ
ーブの主要部断面を示す。なお、図14は、光プローブ
を光ヘッドに適用した場合を示し、図中には光記録媒体
8を示してある。
【0015】この光プローブは、主面が(100)面か
ら構成されるSi基板1に、内側面が(111)面から
構成される四角錐台状の貫通孔11が異方性エッチング
により形成されている。また、貫通孔の内側面には、A
uからなる金属膜13が形成されている。
【0016】この光プローブにおいて、貫通孔11の図
中上側から光が入射すると、貫通孔11の下側開口であ
る微小開口12から、伝搬しない光、いわゆる近接場光
16が滲みだし、開口サイズに対応する微小な記録マー
クを記録媒体8に記録することができる。また、近接場
光16が記録マークにより散乱されて生じる伝搬光を検
出することにより、再生を行うことができる。
【0017】本発明の光プローブの構成例を、図10
(A)に断面図として、また、図10(B)に平面図と
して示す。図10(A)は、図10(B)のA−A断面
図である。なお、図10(A)では、切断面(端面)だ
けを表示し、奥行き方向の図示は省略してあり、これは
他の断面図においても同様である。
【0018】この光プローブは、図14に示す従来の平
面開口プローブと同様な作用で、近接場光を利用する光
ヘッドに適用できる。すなわち、この光プローブでは、
主面が(100)面であるSi基板1に、内側面が(1
11)面から構成される四角錐台状の貫通孔11が異方
性エッチングにより形成されている。また、貫通孔の内
側面には、金属膜13が形成されている。
【0019】本発明の光プローブは、微小開口12に光
を導くために、光ファイバ5およびミラー2を有する。
【0020】本発明において、光ファイバ5は、Si基
板1の貫通孔11近傍に形成されたV字型溝14内に固
定されている。V字型溝14は、断面がV字型で、Si
基板1の側端まで直線的に延びる溝である。V字型溝1
4を構成する3つの内側面は、Si(111)面から構
成される。
【0021】一方、ミラー2は、光ファイバ5から出射
された光を反射して微小開口12に集める機能をもつ。
ミラー2は、2本の支持梁4によりSi基板1に固定さ
れている。ミラー2および支持梁4のそれぞれ一部は、
後述するように、Si基板1の主面上に形成された膜
(マスク膜3)を形状加工することにより形成される。
【0022】光プローブの製造方法 以下、本発明の光プローブを製造する方法の好ましい例
を説明する。なお、以下の説明は、光プローブを光ヘッ
ドに適用した場合のものである。
【0023】Si基板の加工(図1) まず、図1に示すように、主面が(100)面から構成
されるSi基板1を準備する。この構成例では、Si基
板1を形状加工してスライダとして利用している。その
ため、Si基板1の下面(記録媒体と対向する面)に
は、図11に示すように、磁気ディスク装置における浮
上型ヘッドのスライダと同様に、レール101およびテ
ーパ部102を形成してある。これらは、フォトレジス
トをマスクとしてエッチングすることにより形成でき
る。エッチングには、例えば、RIE(Reactive Ion E
tching)等のドライエッチング法や、KOH水溶液等の
アルカリ溶液を用いるウエットエッチング法を利用する
ことができる。
【0024】マスク膜の形成(図2) 次に、図2に示すように、Si基板1の全面にマスク膜
3を形成する。マスク膜3は、後述する異方性エッチン
グの際にマスクとして利用するために形成される。マス
ク膜3は、Si窒化物から構成されることが好ましく、
その場合、マスク膜3の形成には、原料ガスとしてSi
4およびNH3を用いるLPCVD(Low Pressure Che
mical Vapor Deposition)を利用すればよいが、他の方
法を利用してもよい。なお、マスク膜をSi酸化物から
構成してもよい。マスク膜3の厚さは、エッチングマス
クとして十分に機能するように適宜決定すればよいが、
通常、0.05〜0.3μmの範囲から選択することが
好ましい。
【0025】磁性膜の形成(図3) 次に、図3(A)および図3(B)に示すように、Si
基板1の上面の一部に磁性膜21を形成する。磁性膜2
1は、図10(B)に示すミラー2の一部となる。磁性
膜21を設けることは必須ではないが、これを設けるこ
とにより、ミラー2の平面性を向上させることができ
る。また、ミラー2に磁性膜21が含まれていれば、外
部から磁界を印加することによりミラー2を磁気駆動し
て回転させることができるので、後述するようにミラー
2の傾斜角調整に利用することができる。磁性膜21
は、例えばFe−Ni合金(パーマロイ)から構成する
ことが好ましい。磁性膜21形成に際しては、まず、S
i基板1の上面全面に膜を形成し、次いで、エッチング
によりパターニングすればよい。
【0026】マスク膜のパターニング(図4) 次に、マスク膜3をパターニングする。このパターニン
グでは、図4(A)および図4(B)に示すように、貫
通孔形成領域31AおよびV字型溝形成領域31Bの両
者を除いて覆うマスクパターン31と、貫通孔11形成
領域内に存在するミラー本体20と、このミラー本体2
0とマスクパターン31とを連結する2本の支持梁本体
40とを形成する。図示例では支持梁本体40を2本形
成しているが、支持梁本体40の捻りによりミラー本体
20の回転が可能である構造であれば、支持梁本体を2
本より多く形成してもよく、また、機械的強度が確保で
きるのであれば、支持梁本体を1本だけ設ける構造とし
てもよい。
【0027】なお、図4(B)では、支持梁本体40の
ほかに、ミラー本体20の角部に、これとマスクパター
ン31とを連結する4本の補強梁41を設けている。ミ
ラー本体20および支持梁本体40は薄いために強度を
確保することが難しいので、異方性エッチングの際に変
形したり切断されてしまったりすることがある。この補
強梁41は、このような変形や切断を防ぐために設けら
れる。ただし、このような変形や切断のおそれが少ない
場合には、後工程において除去する手間を省くために、
補強梁41を設けないことが好ましい。
【0028】本発明では、図10(B)に示す貫通孔1
1とV字型溝14とを、Si基板1の異方性エッチング
により形成する。Si基板の異方性エッチングは、(1
00)面と(111)面とでエッチング速度が極端に異
なることを利用するエッチング方法である。そのため、
貫通孔形成領域31Aは正方形、V字型溝形成領域31
Bは矩形状とし、かつ、両領域共に、その各辺がSi基
板の<001>軸および<010>軸のいずれかとほぼ
平行とすることが好ましい。なお、両領域の各辺がこれ
らの軸と平行でなくても、サイドエッチングが生じるこ
とによって、目的とする形状の貫通孔11およびV字型
溝14が得られることもある。例えば、貫通孔形成領域
31Aの形状が円形であっても、サイドエッチングによ
り最終的に四角錐状の凹部が形成される。この場合、凹
部の一辺の長さは、上記円形の直径と等しくなる。ただ
し、サイドエッチングされた領域でエッチングマスクに
割れが生じやすいため、貫通孔形成領域31AおよびV
字型溝形成領域31Bの形状は矩形とすることが好まし
い。
【0029】四角錐台状の貫通孔11を形成するために
は、Si基板1をエッチングする際に支持梁本体40お
よび補強梁41の下側に存在する領域を除去することが
必要である。そのためには、支持梁本体40および補強
梁41の下側においてサイドエッチングが進まなくては
ならない。支持梁本体40および補強梁41が、<00
1>軸および<010>軸のいずれかに平行な辺だけか
ら構成されていると、そこに(111)面が現れるよう
に異方性エッチングが進んでしまう。例えば図4(B)
において、ミラー本体20とマスクパターン31とが支
持梁本体40だけで連結されており、かつ、支持梁本体
40全体が<001>軸に平行であった場合には、支持
梁本体40を境界として独立に異方性エッチングが進
み、その結果、四角錐状の凹部が2つ形成されてしま
う。
【0030】そこで本発明では、支持梁本体40に、S
i基板1の<001>軸および<010>軸のいずれと
も平行でない領域をもたせる必要がある。このことは、
補強梁41においても同様なので、以下では支持梁本体
40について代表的に説明する。支持梁本体40が、S
i基板1の<001>軸および<010>軸のいずれと
も平行でない領域をもつ場合には、前記平行でない領域
においてサイドエッチングが進むため、支持梁本体40
直下のSi基板はエッチングされて消失する。
【0031】ただし、この後の工程において、ミラー本
体20をSi基板1の主面に対して傾かせるために、支
持梁本体40を捻ることによりミラー本体20を回転さ
せる必要がある。そして、このときの回転軸の方向を、
<010>軸方向または<001>軸方向とする必要が
ある。そのため、支持梁本体40は、<010>軸また
は<001>軸と平行な領域をもつことが好ましい。具
体的には、支持梁本体40を、図4(B)に例示する構
造とすることが好ましい。図4(B)では、支持梁本体
40が、ミラー本体20から<001>軸方向に延び、
途中で2本に分岐してマスクパターン31に繋がってい
る。分岐した領域は、前記各軸と平行ではない。このよ
うに支持梁本体40の一部が<010>軸または<00
1>軸と平行であっても、前記各軸と平行でない領域か
らサイドエッチングが進むため、前記平行な領域におい
てSi(111)面が現れることはない。
【0032】なお、図4(B)に示すような構造におい
て、分岐した支持梁本体のうち隣接する2本が挟む領域
の形状は、通常、図示するように三角形とすればよい
が、角の数が4以上の多角形であってもよい。ただし、
その場合には、多角形の各辺(マスクパターン31の端
辺となる辺を除く)が、<001>軸および<010>
軸のいずれとも平行でないことが好ましい。また、分岐
の数は3以上であってもよい。また、図示するように1
点で分岐するもののほか、樹枝状に多段で分岐する構成
としてもよい。
【0033】マスクパターン31、支持梁本体40、補
強梁41およびミラー本体20などのマスク領域で囲ま
れた開口部における異方性エッチングの進みかたについ
て、図面を用いて説明する。図15(A)では、マスク
領域30で囲まれた開口部の隅の角度θが、90°未満
となっている。この場合には、図中の破線までサイドエ
ッチングが進み、その結果、前記角度θが90°である
場合と同じ輪郭をもつ凹部が形成される。図15(B)
では、前記角度θが90°超180°未満となってい
る。この場合には、図中の破線までサイドエッチングが
進み、前記角度θが180°である場合と同じ輪郭をも
つ凹部が形成される。図15(C)および図15(D)
では、前記角度θが180°超となっている。角度θが
180°を超える場合には、開口部の隅から図中に破線
で示すパターンでサイドエッチングが進むため、マスク
領域30の下面がすべてエッチングされることになる。
【0034】図15の(A)〜(D)から、図4(B)
においてミラー本体20、支持梁本体40および補強梁
41の下面が異方性エッチングにより除去されることが
理解できる。
【0035】マスク膜3のエッチングに際しては、ま
ず、マスク膜3上面にフォトレジスト膜を形成し、これ
をパターニングしてマスク膜3の一部を所定形状に露出
させる。次いで、マスク膜3の露出領域をエッチングに
より取り除いた後、フォトレジスト膜を除去する。この
エッチングには RIE等のドライエッチング法、フッ
化水素水溶液を用いるウエットエッチング法のいずれを
用いてもよい。
【0036】Si基板上面からのエッチング(図5) 次に、マスク膜3をエッチングマスクとしてSi基板1
をエッチングし、図5(A)および図5(B)に示すよ
うに凹部11AおよびV字型溝14を形成する。このエ
ッチングにはKOH水溶液を用いればよいが、TMAH
(Tetra MethylAmmonium Hydroxide)水溶液を用いても
よい。上述したように、このエッチングは異方性エッチ
ングとなる。そして、凹部11Aは、内側面が(11
1)面である四角錐状となり、また、V字型溝を構成す
る3つの内側面もSi(111)面から構成されること
になる。このとき、Si基板1の主面を構成する(10
0)面と、内側面の(111)面とがなす角度は、5
4.7度となる。
【0037】なお、マスク膜3をSi酸化物から構成し
た場合には、エッチャントしてTMAHを用いればよ
い。
【0038】Si基板下面からのエッチング(図6) 次に、Si基板1の図中下面側のマスク膜3を、RIE
により取り除く。これにより、Si基板1の下面が露出
した状態となる。この状態で、さらにRIEを続けるこ
とにより、図6(A)および図6(B)に示すように四
角錐台状の貫通孔11が形成される。微小開口12の寸
法は、エッチング時間を制御することにより制御でき
る。
【0039】なお、微小開口の形状は正方形になるのが
一般的であるが、角がとれて円形となることもある。た
だしその場合でも、平面開口プローブとしての働きに問
題は生じない。円形の微小開口を得る方法としては、例
えば、凹部11を形成した後、その内面を熱酸化して酸
化膜を形成し、この酸化膜をフッ化水素水溶液で除去し
てからSi基板下面からエッチングする方法が挙げられ
る。熱酸化では、角の部分の酸化速度が遅くなるため、
熱酸化領域の外周を円形にすることができる。
【0040】Si基板の上面および側面に残っているマ
スクパターン31を除去する必要はないが、除去しても
よい。除去には、例えばRIEを用いればよい。
【0041】抵抗膜の形成(図7)、ミラー本体の回転
および固定(図8) 次に、図7(A)および図7(B)に示すように、支持
梁本体40上に抵抗膜22を形成する。支持梁本体40
と抵抗膜22との積層体が、支持梁4となる。その後、
補強梁41をレーザーなどを用いて除去する。補強梁4
1は、異方性エッチング終了後には必要ない。したがっ
て、補強梁41の除去は、異方性エッチング終了後かつ
抵抗膜22形成前に行ってもよい。
【0042】次いで、支持梁4に捻れを与えることによ
り、Si基板1の主面に対しミラー本体20の主面を所
定の角度で傾かせる。次いで、ミラー本体20を傾けた
状態で抵抗膜22に通電する。このとき、抵抗膜22の
応力が生じている部分(捻れた部分)において電気抵抗
が高くなっているので、その部分において強く発熱す
る。その結果、抵抗膜22が捻れた状態で固定され、そ
れに伴って支持梁本体40も捻れた状態で固定されるの
で、図8に示す状態となる。
【0043】ミラー本体20を傾かせるためには、例え
ば、適当な治具によりミラー本体20の一端を押し上げ
るか、押し下げる方法が利用できる。また、図示例のよ
うに、ミラー本体20上に磁性膜21を形成してある場
合には、磁性膜21に外部から磁界を印加する方法も利
用できる。
【0044】ミラー本体20の傾斜角、すなわちSi基
板1主面とミラー本体20主面とがなす角度は、光ファ
イバ5から出射された光が微小開口12に到達できるよ
うに決定される。この角度は、設計値としては45°に
設定するのが一般的である。ただし、設計の都合上、ま
たは、製造の際の加工誤差を補正するために、45°以
外の角度、例えば45±2°程度の範囲に設定してもよ
い。この傾斜角は、前述した治具や外部磁界の印加によ
り微調整することが可能である。
【0045】抵抗膜22の構成材料および厚さは、上述
した作用により捻れた状態で固定できるように適宜決定
すればよい。抵抗膜22の具体例としては、電気抵抗を
下げるためAlやCu等の金属を混入させたアモルファ
スSi膜が挙げられる。金属混入アモルファスSi膜
は、例えばスパッタ法により形成できる。また、電気抵
抗を下げるためP等の不純物元素をドープした多結晶S
i膜も利用できる。このような多結晶Si膜は、例えば
LPCVD法により形成できる。抵抗膜22の厚さは、
通常、0.5〜3μmの範囲とすればよい。
【0046】抵抗膜22は、図示するように、ミラー本
体20を跨いで両方の支持梁本体40を覆うパターンと
することが好ましく、また、通電加熱の際に電極として
利用ために、マスクパターン31上に貫通孔11を挟ん
で幅広の一対のパッド部を設けたパターンとすることが
好ましい。
【0047】抵抗膜22のパターニング方法は特に限定
されない。例えば、上述したように異方性エッチング後
に抵抗膜22を設ける場合には、マスキングしてスパッ
タを行えばよい。この場合、貫通孔10の内側面の一部
にも抵抗膜が形成されてしまうが、ミラー本体20によ
りマスキングされるため微小開口12は塞がらず、ま
た、前記内側面に形成された抵抗膜は電流経路ともなら
ないので、問題はない。
【0048】ただし、抵抗膜22の形成にCVD法を用
いる場合には、異方性エッチングの前に抵抗膜22を形
成しておくことが好ましく、スパッタ法を利用する場合
でも、異方性エッチングの前に形成してよい。異方性エ
ッチングの前に抵抗膜を形成するには、例えば以下に説
明する方法が利用できる。まず、図3(B)に示す状態
とした後、マスク膜3上にCVD法やスパッタ法により
一様な抵抗膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ
ーにより抵抗膜をパターニングし、例えば図7(B)に
示す抵抗膜22の形状とする。抵抗膜をパターニングす
る際のエッチングには、例えばRIEを用いることがで
きる。次いで、異方性エッチングの際に保護膜として働
くSi酸化物膜を、パターニングされた抵抗膜上に形成
する。次いで、Si酸化物膜およびマスク膜3をパター
ニングして、貫通孔形成領域31AおよびV字型溝形成
領域31Bを形成する。このとき、マスク膜およびSi
酸化物膜のそれぞれにおいて、パターニングされた抵抗
膜上に残す領域は、前記パターニングされた抵抗膜とほ
ぼ同じ形状でやや大きな寸法となるようにすることが好
ましい。Si酸化物膜およびマスク膜3のパターニング
は、同一のエッチングマスクを用いて連続的に行うこと
ができる。Si酸化物膜のエッチングには例えばフッ化
水素水溶液を用いればよく、マスク膜のエッチングには
例えばRIEを用いればよい。ただし、Si酸化物膜と
マスク膜3とのエッチングは、異なるエッチングマスク
を用いて行ってもよい。次に、異方性エッチング終了
後、Si酸化物膜の少なくとも一部を除去することによ
り、電極となる領域を少なくとも露出させればよい。S
i酸化物膜の除去には、例えばフッ化水素水溶液が利用
できる。
【0049】反射膜の形成(図9) 続いて、貫通孔11の内側面に金属膜13を形成する。
また、ミラー本体20の下面、すなわち、微小開口12
側の主面に反射膜23を形成し、ミラー2を完成させ
て、図9に示す状態とする。金属膜13と反射膜23と
は、斜め蒸着法を用いて同時に形成することが好まし
い。金属膜13および反射膜23は、反射率の比較的高
い金属、例えばAu、Alや、これらを含む合金から構
成すればよい。両膜の厚さは、通常、50〜100nmと
すればよい。
【0050】なお、入射光に対しSiが透明である場
合、例えば入射光に赤外域の光を使用する場合には、金
属膜13を設ける必要がある。入射光がSiにより反射
される場合には金属膜13を設けなくてもよいが、高反
射率を得るためには金属膜13を設けることが好まし
い。
【0051】光ファイバの固定(図10) 最後に、図10に示すように、V字型溝14に光ファイ
バ5を接着剤等により固定し、光プローブを完成させ
る。
【0052】使用する光ファイバの直径は特に限定され
ず、使用モードや使用波長などの各種条件に応じて適宜
決定すればよいが、光プローブの小型化、特に光ヘッド
に適用する場合に重要となる高さの縮小のためには、光
ファイバの直径は小さいことが好ましく、具体的には直
径125μm以下であることが好ましい。
【0053】なお、以上では、わかりやすくするために
Si基板1に貫通孔11を1つだけ設ける例について説
明したが、実際の製造工程においては、量産性を考慮し
て、大面積のSiウエハに複数の光プローブを同時に形
成し、各光プローブを切り出す方法を採用することが好
ましい。
【0054】光プローブ各部の寸法 Si基板1の厚さは、プローブの用途などに応じて適宜
決定すればよいが、通常、300〜1000μmとすれ
ばよい。
【0055】微小開口12の一辺の長さは、近接場光を
利用することから一般に500nm以下、通常は50〜2
00nmとするが、具体的には記録マークの寸法に応じて
適宜決定すればよい。貫通孔11の図中上側の開口の一
辺の長さは、微小開口12の一辺の長さとSi基板1の
厚さとによって決定されることになる。
【0056】異方性エッチングに際して、エッチング対
象領域(マスクパターンの開口部)が矩形である場合、
Si(100)基板のエッチング深さは前記領域の最小
幅に依存するため、貫通孔およびV字型溝のそれぞれに
おいて所望の深さが得られるように、各開口部の幅を設
定すればよい。また、V字型溝の深さは、使用する光フ
ァイバの直径に応じて決定すればよい。
【0057】光プローブの他の構成例 図12に、貫通孔11内に球状のレンズ6を挿入した構
成の光プローブを示す。この構成では、入射光が微小開
口12付近に集光されるため、近接場光の発生効率を向
上させることができる。
【0058】また、固体レンズの替わりに、高屈折率の
液体、例えばフッ素系潤滑剤などを貫通孔11内に導入
することによっても、固体レンズを挿入したときと同様
な効果を得ることが可能である。
【0059】光ヘッド 図13に、本発明の光プローブを組み込んだ光ヘッドの
構成例を示す。
【0060】同図では、図10(B)に示す光プローブ
がサスペンション7に接着されている。この光プローブ
ではSi基板がスライダ形状に加工されているため、記
録媒体表面から微小な距離を保って浮上することができ
る。サスペンション7はアームに固定され、アームはモ
ータにより駆動されて、光プローブを任意の記録トラッ
ク上に移動させる。
【0061】このように、磁気ディスク装置における浮
上型ヘッドと同様な構成とすることにより、微小開口と
記録媒体との間隔を、微小開口の一辺の寸法と同程度の
数十から百ナノメートル程度の範囲で一定間隔に制御す
ることができ、かつランダムアクセスが可能となるの
で、近接場光による記録および再生が安定して高速に行
える。
【0062】なお、光プローブのSi基板下面には、記
録媒体に対し接触ないし摺動する際の保護や摩擦低減の
ために、磁気ディスク装置におけるスライダと同様に、
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)やカーボン等か
らなる保護膜を設けてもよい。これらは、CVD法やス
パッタ法などにより形成すればよい。保護膜は、微小開
口の機能を妨げないように、極めて薄く形成するか、微
小開口を除く領域に形成することが好ましい。
【0063】
【実施例】実施例1 上述した手順により、以下の条件で光プローブを作製し
た。
【0064】図1に示すSi基板1には、厚さ500μ
mのSi(100)ウエハを用いた。図2に示すマスク
膜3は、厚さ300nmの窒化ケイ素膜とし、SiH4
よびNH3を用いたLPCVDにより形成した。図3に
示す磁性膜21は、厚さ2μmのNi−Fe合金膜と
し、スパッタ法により形成した。磁性膜21のパターニ
ングには混酸アルミ液を用いた。
【0065】図4に示すマスク膜3のエッチングは、R
IEにより行った。貫通孔形成領域31Aの一辺は70
0μm、ミラー本体20の平面寸法は100μm×200
μm、支持梁本体40の幅および補強梁41の幅はいず
れも20μmとした。なお、V字型溝形成領域31Bの
短辺寸法は、異方性エッチングにより形成されるV字型
溝14内に直径(クラッド径)125μmの光ファイバ
5が高さ50μmまで埋まるように、すなわち、光ファ
イバのコアの中心がSi基板1の上面から12.5μm
上に位置するように、設定した。
【0066】図5に示すSi基板1上面側からのエッチ
ングは、KOH水溶液により行った。凹部11Aの深さ
は494μmとなった。図6に示すSi基板1下面側か
らのエッチングは、RIEにより行った。このエッチン
グは、微小開口の一辺が100nmになった時点で停止さ
せた。
【0067】図7に示す抵抗膜22は、Alを約20重
量%含有する厚さ1μmのアモルファスSi膜とし、ス
パッタ法により形成した。補強梁41はレーザーにより
除去した。図8に示す工程では、治具によりミラー本体
20を傾斜させ、発光するまで抵抗膜22に通電して加
熱した。ミラー本体20の傾斜角は45°とした。
【0068】図9に示す工程では、斜め蒸着法により、
それぞれAuからなる厚さ100nmの金属膜13および
反射膜23を形成した。
【0069】次に、Siウエハを素子単位に切断し、幅
1.5mm、長さ3mmの素子を得た。なお、この素子の裏
面(微小開口形成面)側には、スライダとして機能させ
るために、図11に示す形状のレール101(高さ3μ
m)およびテーパ部102をあらかじめ形成しておい
た。この素子のV字型溝14内に、紫外線硬化型接着剤
により直径125μmの光ファイバを接着し、また、貫
通孔11内に、図12に示すように直径100μmの球
状レンズを挿入して、光プローブとした。
【0070】この光プローブを、図13に示すようにサ
スペンション7に接着し、光ヘッドとした。
【0071】この光ヘッドを、前記文献2に記載された
相変化型光記録媒体(ポリカーボネート基板/ZnS・
SiO2/GeSbTe/ZnS・SiO2)上に浮上さ
せたところ、媒体の線速を20m/sとしたときに浮上高
さが100nm、すなわち微小開口の寸法と同等となっ
た。この状態で、光ファイバ5から波長633nm、パワ
ー10mWのレーザー光を入射させたところ、100nm径
の記録マークを形成することができた。
【0072】実施例2 実施例1のミラー本体20を傾斜させる工程において、
ミラー本体20、磁性膜21および抵抗膜22からなる
積層体に外部から磁界を印加することにより、傾斜角を
制御する実験を行った。この実験では、まず、治具によ
り上記積層体の傾斜角を40°または43°に設定した
後、通電して固定し、次いで、Si基板1の主面と垂直
な方向の磁界を、強度を徐々に上げながら印加した。印
加磁界強度と傾斜角との関係を、図16に示す。
【0073】図16から、磁界印加により傾斜角をほぼ
リニアに微調整できることがわかる。なお、磁界印加に
よる調整後、抵抗膜22に再び通電することにより、調
整後の傾斜角に固定することができた。
【0074】
【発明の効果】本発明の光プローブは、近接場光を発生
する微小開口を備える平面開口プローブであって、さら
に、光を導入するための光ファイバと、この光ファイバ
からの出射光の光路を変更して微小開口に導くためのミ
ラーとを備える。光ファイバの固定には、Si基板の異
方性エッチングにより形成したV字型溝を用いるため、
光ファイバの位置を極めて正確に設定できる。そして、
微小開口、V字型溝およびミラーのそれぞれを形成する
ためのパターニングを同時に行うので、微小開口、ミラ
ーおよび光ファイバを極めて正確に一列に整列させるこ
とができる。その結果、入射光を微小開口に正確に到達
させることができる。また、微小開口とV字型溝とを異
方性エッチングにより同時に形成できるので、生産性を
高くすることができる。
【0075】微小開口を形成するためには、Si基板を
異方性エッチングすることにより、まず四角錐状の凹部
を形成する必要がある。一方、この異方性エッチングの
際にミラーパターンを同時に形成するためには、ミラー
パターンおよびこれとSi基板とをつなぐ支持梁パター
ンを、異方性エッチング時に前記凹部の上に残す必要が
ある。本発明では、支持梁の延びる方向とSi基板の結
晶軸との関係を前記したように設定するので、異方性エ
ッチング時に、不要な(111)面が現れることがな
く、ミラーを設けない場合と全く同じ凹部を形成するこ
とができる。
【0076】本発明の光プローブを光ヘッドに適用した
場合、微小開口、ミラーおよび光ファイバがあらかじめ
一列に整列しているので、サスペンションに光プローブ
を接着する際に両者の厳密な位置合わせが不要である。
また、サスペンションを移動させたときに、微小開口、
ミラーおよび光ファイバのすべてが相対的位置関係を変
えずにサスペンションと共に移動するので、記録トラッ
クを変更する際に微小開口と入射光とのずれが生じるこ
とがない。また、光ファイバの延びる方向とサスペンシ
ョンの延びる方向とがほぼ平行となるので、光ヘッドの
高さ方向の寸法を小さくできる。
【0077】ところで、特開平11−119123号公
報および特開平11−119129号公報では、Si基
板に設けた溝に光ファイバを固定し、かつ、Si基板上
に形成した膜の一部を用いてミラーを形成した構成の光
スイッチが記載されている。また、上記特開平11−1
19123号公報には、Si(100)基板に異方性エ
ッチングによりV字型溝を形成して光ファイバを固定す
ることが記載されている。
【0078】上記各公報に記載された発明は、Si基板
に設けた溝に光ファイバを固定すること、および、Si
基板と一体的にミラーを形成することに関して本発明と
類似する。しかし上記各公報には、近接場光を利用する
平面開口プローブについての記載はない。本発明は、平
面開口プローブに特有の構造である微小開口を、Si
(100)基板の異方性エッチングにより形成するに際
し、同時にV字型溝およびミラーを形成することを特徴
とし、それにより上述した効果が実現する。このことは
本願において初めて提案されたことである。特に、異方
性エッチングにより四角錐状の凹部を形成するに際し
て、ミラー領域をこの凹部の上に残すことは、本発明に
より初めて実現したことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の断面図である。
【図2】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の断面図である。
【図3】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)は
平面図である。
【図4】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)は
平面図である。
【図5】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)は
平面図である。
【図6】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)は
平面図である。
【図7】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)は
平面図である。
【図8】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の断面図である。
【図9】本発明の光プローブの製造工程を説明するため
の断面図である。
【図10】本発明の光プローブの製造工程を説明するた
めの図であり、(A)は(B)のA−A断面図、(B)
は平面図である。
【図11】図1に断面図として示すSi基板を、記録媒
体に対向する面側からみた平面図である。
【図12】本発明の光プローブの断面図である。
【図13】図10に示す光プローブを光ヘッドに適用し
た場合の構成例を示す平面図である。
【図14】平面開口プローブを光ヘッドに適用したとき
の記録再生動作を説明する断面図である。
【図15】(A)、(B)、(C)および(D)は、異
方性エッチングの説明図である。
【図16】本発明の光プローブを作製する際のミラー傾
斜角調整工程における、印加磁界強度とミラー傾斜角と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 Si基板 11 貫通孔 11A 凹部 12 微小開口 13 金属膜 14 V字型溝 101 レール 102 テーパ部 2 ミラー 20 ミラー本体 21 磁性膜 22 抵抗膜 23 反射膜 3 マスク膜 30 マスク領域 31 マスクパターン 31A 貫通孔形成領域 31B V字型溝形成領域 4 支持梁 40 支持梁本体 41 補強梁 5 光ファイバ 6 レンズ 7 サスペンション 8 記録媒体 16 近接場光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岡 英彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D119 AA38 CA11 JA35 JA36 JA37 JA44 JA57 NA05 NA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主面が(100)面から構成されるSi
    基板を有し、このSi基板に、内側面が(111)面か
    ら構成されるほぼ四角錐台状の貫通孔が形成されてお
    り、この貫通孔の一方端を構成する微小開口付近に近接
    場光を発生する光プローブであって、 前記Si基板において前記貫通孔の近傍に、断面がV字
    型であって、内側面が(111)面から構成されるV字
    型溝が形成されており、このV字型溝内に、光ファイバ
    が固定されており、前記貫通孔の他方端上に、前記光フ
    ァイバから出射された光を反射して前記微小開口に集め
    るためのミラーが存在し、このミラーが、支持梁により
    前記Si基板に固定されている光プローブ。
  2. 【請求項2】 前記ミラーおよび前記支持梁のそれぞれ
    一部が、前記Si基板の(100)表面上に形成された
    膜を形状加工することにより形成されたものである請求
    項1の光プローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の光プローブを製造す
    る方法であって、 前記Si基板を異方性エッチングすることにより、前記
    貫通孔、前記V字型溝、および前記ミラーの一部を同時
    に形成する工程を有し、 この工程が、前記Si基板の主面に、前記異方性エッチ
    ングの際にマスクとして利用するためのマスク膜を形成
    する工程と、前記マスク膜をパターニングするパターニ
    ング工程と、異方性エッチングを行う工程とを含み、 前記パターニング工程において、パターニング後のマス
    ク膜が、前記貫通孔が形成される領域および前記V字型
    溝が形成される領域を除いて覆うマスクパターン、前記
    貫通孔形成領域内に存在するミラー本体、ならびに、こ
    のミラー本体と前記マスクパターンとを連結する支持梁
    本体を有する光プローブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記支持梁本体が、前記Si基板の<0
    10>方向および<001>方向のいずれとも平行でな
    い部分をもつ請求項3の光プローブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング工程の後に、前記支持梁
    本体表面に抵抗膜を形成して前記支持梁とし、次いで、
    この支持梁に捻れを与えることにより、前記Si基板の
    主面に対し前記ミラー本体の主面を傾かせ、次いで、前
    記抵抗体に通電することにより加熱し、この加熱により
    前記支持梁を捻れた状態で固定する請求項3または4の
    光プローブの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の光プローブをスライ
    ダとして有し、光情報媒体がもつ情報を近接場光を用い
    て再生する光ヘッド。
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