JP2012209008A - 近接場光発生素子、近接場光ヘッド、及び情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コア23及びクラッド間に配置され、コア23との界面に沿ってレーザ光を伝播させて、レーザ光から近接場光を発生させる金属膜71を有し、金属膜71は、一端側から他端側に向かうレーザ光の伝播方向に沿うコア23の一側面上に配置された基部72と、基部72の他端側からコア23よりも伝播方向の他端側に延びる延在部73と、を有し、延在部73の他端側は、外部に露出するとともに、伝播方向から見てコア23側に向けて突出する頂部77が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図9
Description
このような記録再生ヘッドのうち、近接場光を利用した記録再生ヘッド(近接場光ヘッド)は、スライダと、スライダ上に配置された主磁極及び補助磁極を有する記録素子と、照射されたレーザ光から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、近接場光発生素子に向けてレーザ光を照射するレーザ光源と、レーザ光源から発せられたレーザ光を近接場光発生素子まで導く光導波路と、を主に備えている(例えば、特許文献1参照)。近接場光発生素子は、レーザ光を反射させながら伝播させるコア、及びコアに密着してコアを封止するクラッドを有する光束伝播素子と、コア及びクラッド間に配置されてレーザ光から近接場光を発生させる金属膜と、を有している。コアは、一端側(光入射側)から他端側(光出射側)に向かうレーザ光の伝播方向に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形されており、レーザ光を集光させながら他端側に向けて伝播させるようになっている。そして、コアにおける他端側の側面に上述した金属膜が配置されている。
また、上述したレーザ光の照射と同時に記録素子に駆動電流を供給することで、主磁極の先端に近接する磁気記録媒体の磁気記録層に対して記録磁界を局所的に印加する。その結果、保磁力が一時的に低下した磁気記録層に各種の情報を記録することができる。つまり、近接場光と磁場との協働により、磁気記録媒体への記録を行うことができる。
本発明に係る近接場光発生素子は、一端側に導入された光束を他端側に向けて集光しながら伝播するとともに、近接場光に生成した後に外部に発する近接場光発生素子であって、前記他端側に向けて前記光束を伝播させる第1コアと、前記第1コアにおける前記一端側から前記他端側に向かう前記光束の伝播方向に沿って配置され、前記光束から前記近接場光を発生させる近接場光発生部と、を有し、前記近接場光発生部は、前記伝播方向に沿う前記第1コアの一側面上に配置された基部と、前記基部から前記第1コアよりも前記伝播方向に沿う前記他端側に向けて延びる延在部と、を有し、前記延在部の前記他端側は、外部に露出するとともに、前記第1コアの前記一側面の面方向に交差する方向に向けて突出する頂部を有し、前記第1コアにおける前記他端側に位置する端面は、前記一側面とのなす角度が鋭角となるように傾斜していることを特徴としている。
このように、延在部に頂部を形成することで、光束の伝播方向から見て第1コアとの界面の幅よりも狭いスポットサイズを有する近接場光を発生させることができる。
さらに、第1コアにおける他端側に位置する端面が、一側面とのなす角度が鋭角となるように傾斜しているため、端面に入射した光束の導入方向が近接場光発生素子を向くように反射される。これにより、例えば、第1コアの他端側に位置する端面を第1コアの一側面に直交する平坦面等に形成した場合に比べて、光束が第1コアの他端側に位置する端面から外部に漏れるのを抑制できる。すなわち、第1コア内を伝播した光束が効率的に近接場光発生部に入射することになるので、近接場光発生部に入射する光量を確保して、近接場光の発生効率を向上させることができる。
この構成によれば、第2コアにおける外側端部が、基部の外側端部よりも外側に位置することで、第1コア及び第2コアを含めたコア全体の一側面の幅が近接場光発生部の幅に比べて広く形成されることになる。そのため、第1コア及び第2コア内を伝播する光束の伝播効率の低下を抑制した上で、近接場光のスポットサイズの縮小化を図ることができる。これにより、光量を確保した上で、近接場光のスポットサイズを縮小できる。
この構成によれば、第1コア及び第2コアを伝播する光束を、徐々に中心(第1コア)に向けて集光できるので、光束の伝播効率を向上できる。
この構成によれば、第1コア、第1コアよりも屈折率の小さい第3コア、及び近接場光発生部が順に配置された、いわゆるオットー配置を実現できる。このようにオットー配置を利用した近接場光発生素子では、第1コアよりも屈折率の小さい第3コアが、第1コアと近接場光発生部との間で緩衝部として機能するので、第1コアを伝播する光束の波数に大きな影響を与えることなく近接場光発生部に表面プラズモンを励起することが可能になる。
この構成によれば、第1コアに対して近接場光発生部の反対側に遮光膜を形成することで、第1コアに入射した光束が外部に漏れるのを抑制し、遮光膜と第1コアとの界面で反射されながら伝播する。これにより、光束を効率的に近接場光発生部に入射させることができ、近接場光の発生効率を向上できる。
この構成によれば、第1コアを伝播した光束が近接場光発生部に入射すると、近接場光発生部における第1コア側の表面で表面プラズモンが励起される。これにより、励起された表面プラズモンが、近接場光発生部上を伝播することで、頂部において光強度の強い近接場光を発生させることができる。
この構成によれば、第1コア、近接場光発生部、及び第1コアよりも屈折率の小さいクラッドが順に配置された、いわゆるクレッチマン配置を実現できる。このようにクレッチマン配置を利用した近接場光発生素子では、第1コアを伝播した光束が近接場光発生部に入射すると、近接場光発生部におけるクラッド側の表面で表面プラズモンが励起される。これにより、励起された表面プラズモンが、近接場光発生部上を伝播することで、頂部において光強度の強い近接場光を発生させることができる。
この構成によれば、上記本発明の近接場光発生素子を備えているので、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、近接場光ヘッド自体の書き込みの信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
この構成によれば、遮光性を有する材料により主磁極を構成することで、別に遮光膜を設けることなく、第1コアに入射した光束がクラッド側に漏れるのを抑制できる。そのため、製造コストの低下、及び製造効率の向上を図ることができる。
さらに、近接場光発生素子と主磁極とを可能な限り接近させることができるため、近接場光発生部で発生する近接場光と、主磁極による磁界と、を可能な限り接近させた状態で発生させることができる。これにより、磁気記録媒体への記録をスムーズ、かつ高精度に行うことができる。
この構成によれば、上記本発明の近接場光ヘッドを備えているので、書き込みの信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
本発明に係る近接場光ヘッド及び情報記録再生装置によれば、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、書き込みの信頼性が高く、高密度記録化に対応することができ、高品質化を図ることができる。
なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層d2を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、近接場光Rと記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式によりディスクDに記録再生を行う装置である(図2参照)。
(情報記録再生装置)
図1は情報記録再生装置の構成図である。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、キャリッジ11と、キャリッジ11の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と、ヘッドジンバルアセンブリ12をディスク面D1(ディスクDの表面)に平行なXY方向に向けてスキャン移動させるアクチュエータ5と、ディスクDを所定の方向に向けて回転させるスピンドルモータ6と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアセンブリ12の記録再生ヘッド(近接場光ヘッド)2に対して供給する制御部8と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
基部15は、直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10まわりを回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ5に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
ヘッドジンバルアセンブリ12は、後述する近接場光発生素子(光束伝播素子)26を有する近接場光ヘッドである記録再生ヘッド2を支持するものである。
図2〜5に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12は、上述した記録再生ヘッド2をディスクDから浮上させる機能を有しており、記録再生ヘッド2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、記録再生ヘッド2を、ディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、すなわち2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16と、を備えている。
図2〜4に示すように、上述したサスペンション3は、上面視略四角状に形成されたベースプレート51と、ベースプレート51の先端側にヒンジ板52を介して連結された平面視略三角状のロードビーム53と、で構成されている。
ベースプレート51の下面には、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のヒンジ板52が配置されている。このヒンジ板52は、ベースプレート51の下面の全面に亘って形成された平板状の板材であり、その先端部分はベースプレート51の先端からベースプレート51の長手方向(X方向)に沿って延出する延出部52aとして形成されている。この延出部52aは、ヒンジ板52の幅方向(Y方向)両端部から2本延出しており、その先端部分にロードビーム53が連結されている。
これにより、サスペンション3は、ベースプレート51とロードビーム53との間を中心に屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。
このフレクシャ54は、ステンレス等の金属材料により形成されたシート状のものであり、シート状に形成されることで厚さ方向に撓み変形可能に構成されている。また、このフレクシャ54は、ロードビーム53の先端側に固定され、外形が上面視略五角形状に形成されたジンバル17と、ジンバル17より幅狭に形成され、ジンバル17の基端からサスペンション3上に沿って延在する支持体18と、で構成されている。
つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠部59を備えている。
つまり、突起部19は、ジンバル17のパッド部17bを介して、記録再生ヘッド2を支持するとともに、ディスク面D1に向けて(Z方向に向けて)記録再生ヘッド2に荷重を付与するようになっている。
なお、これら突起部19とパッド部17bを有するジンバル17とが、ジンバル手段16を構成している。
図6は記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図である。
記録再生ヘッド2は、ディスクDとサスペンション3との間に配置された状態で、サスペンション3の下面にジンバル17を挟んで支持されている。
具体的に、記録再生ヘッド2は、図5,6に示すように、レーザ光Lから生成した近接場光Rを利用して回転するディスクDに各種の情報を記録再生するヘッドである。記録再生ヘッド2は、ディスク面D1から所定距離Hだけ浮上した状態でディスクDに対向配置されたスライダ20と、ディスクDに情報を記録する記録素子21と、ディスクDに記録されている情報を再生する再生素子22と、レーザ光Lを集光しながら伝播するとともに、近接場光R(図12参照)に生成した後に外部に発する近接場光発生素子26と、近接場光発生素子26に向けてレーザ光Lを出射するレーザ光源29と、を備えている。
なお、ディスクDの回転に伴って生じる空気流は、スライダ20の流入端側(サスペンション3のX方向基端側)から流入した後、ABS20cに沿って流れ、スライダ20の流出端側(サスペンション3のX方向先端側)から抜けている。
以下、スライダ20の流入端側(リーディングエッジ側)、つまり図5におけるX方向右側を「後方」とし、スライダ20の流出端側(トレイリングエッジ側)、つまり図5におけるX方向左側を「前方」とする。また、記録再生ヘッド2に対してディスク面D1側、つまり図5におけるZ方向下側を「下方」とし、その反対側、つまり図5におけるZ方向上側を「上方」とする。
図7,8に示すように、コア23は、上端側(一端側)から入射されたレーザ光Lを下端側(他端側)に向けて集光しながら伝播させる光束伝播部材である。このコア23は、上端側から下端側にかけて漸次絞り成形され、レーザ光Lを内部で徐々に集光させながら伝播させることができるようになっている。具体的に説明すると、コア23は、上側から光束集光部23aと、近接場光生成部23bと、を有している。
図7〜11に示すように、近接場光生成部23bは、光束集光部23aにおける三角形部42の下端部から下方に向けてさらに絞り成形された部分である。近接場光生成部23bはZ方向から見た断面形状が三角形状に形成されており、そのうち底面が上述した側面23gにより構成され、一対の斜面が側面23dにより構成されている。具体的に、側面23gは、下方に向けて先細る三角形状に形成され、主磁極33の先端部分33bに密着している。
また、ゲルマニウムをドープした石英でコア23を形成し、石英(SiO2)でクラッド24を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、レーザ光Lの波長が400nmのときに、コア23の屈折率が1.47より大きくなり、クラッド24の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。
特に、コア23とクラッド24との屈折率差が大きいほど、コア23内にレーザ光Lを閉じ込める力が大きくなるので、コア23に酸化タンタル(Ta2O5:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッド24に石英やアルミナ(Al2O3)等を用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域のレーザ光Lを利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4)でコア23を形成することも有効である。
基部72は、X方向から見て三角形状のものであり、Y方向における幅がコア23よりも広く形成された第1基部74と、第1基部74の中央部から段差部78を介して前方(コア23側)に向けて立設された第2基部75と、が連設されている。
第1基部74は、図7,9に示すように、Z方向において、上端側が近接場光生成部23bと光束集光部23aとの境界部分に位置するとともに、下端側がコア23の下端と同位置に位置している。また、第1基部74は、前方に向かうに従いY方向における幅が漸次小さくなるように形成されている。具体的に、第1基部74におけるY方向両側の側面74a(図9参照)は、コア23の側面23dと平行な傾斜面に形成されている。すなわち、第1基部74におけるY方向両端部の角度(側面71aと側面74aとのなす角度)は、近接場光生成部23bにおけるY方向両端部の角度(側面23gと側面23dとのなす角度)と同等に形成されている。
第2基部75は、Z方向における長さが第1基部74と同等に形成されるとともに、Y方向における幅が第1基部74よりも小さく形成され、XY方向における外形が近接場光生成部23bの側面23gと同等に形成されている。また、第2基部75は、前方に向かうに従いY方向における幅が漸次小さくなるように形成されている。具体的に、第2基部75におけるY方向両側の側面75a(図9参照)は、コア23の側面23dと同一面上に配置された傾斜面に形成されている。すなわち、第2基部75におけるY方向両端部の角度(側面71aと側面75aとのなす角度)は、近接場光生成部23bにおけるY方向両端部の角度(側面23gと側面23dとのなす角度)と同等に形成されている。
また、突起部76は、Z方向において、延在部73の全域に亘って形成されている。具体的に、突起部76は、上端部が第2基部75の下端部に連設されるとともに、下端部がスライダ20のABS20cと面一に形成されて、外部に露出している。したがって、上述した頂部77は、第2基部75の下端部からZ方向に沿って稜線状に延在している。また、頂部77の稜線は、X方向から見て近接場光生成部23bの稜線(側面23d同士のなす稜線)と同一直線上に配置されている。
基板d1としては、例えば、アルミ基板やガラス基板等である。軟磁性層d3は、高透磁率層である。中間層d4は、垂直記録層d2の結晶制御層である。垂直記録層d2は、垂直異方性磁性層となっており、例えばCoCrPt系合金が使用される。保護層d5は、垂直記録層d2を保護するためのもので、例えばDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜が使用される。潤滑層d6は、例えば、フッ素系の液体潤滑材が使用される。
制御部8とターミナル基板55とは、可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板55と記録再生ヘッド2とは、電気配線56により接続されている。この電気配線56は、各キャリッジ11毎に設けられた記録再生ヘッド2に対応して3組設けられており、フラットケーブル4を介して制御部8から出力された信号に情報に応じて変調した電流が、電気配線56を介して記録再生ヘッド2に供給されるようになっている。
具体的に、第1電気配線57は、電気配線56の先端側における分岐地点において、ジンバル17の外周部分に向けて屈曲されており、ジンバル17の外周部分(切欠部59の外側)から引き回されている。そして、切欠部59の外側から引き回された第1電気配線57は、連結部17a上を通って記録再生ヘッド2の前端面側に接続されている。すなわち、第1電気配線57は、スライダ20の前端面側に設けられた再生素子22と記録素子21とのそれぞれに対して、記録再生ヘッド2の外部から直接接続されている。
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する場合について以下に説明する。
まず、図1に示すように、スピンドルモータ6を駆動させてディスクDを一定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ5を作動させて、キャリッジ11を介してサスペンション3をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置に記録再生ヘッド2を位置させることができる。この際、記録再生ヘッド2は、スライダ20の対向面20aに形成された2つの凸条部20bによって浮上する力を受けるとともに、サスペンション3等によってディスクD側に所定の力で押さえ付けられる。記録再生ヘッド2は、この両者の力のバランスによって、図2に示すようにディスクD上から所定距離H離間した位置に浮上する。
ここで、情報の記録を行う場合、図12,13に示すように、制御部8はレーザ光源29を作動させてレーザ光Lを出射させるとともに、情報に応じて変調した電流をコイル34に供給して記録素子21を作動させる。
まず、レーザ光源29からレーザ光Lを出射し、このレーザ光Lをコア23の上端面41aからコア23の光束集光部23a内に入射させる。光束集光部23aを伝播するレーザ光Lは、ディスクD側に位置する下端側に向かってコア23とクラッド24との間で全反射を繰り返しながら伝播する。特に、コア23の側面23k,23dにはクラッド24が密着しているので、コア23の外部に光が漏れることはない。よって、導入されたレーザ光Lを無駄にすることなく絞りながら下端側に伝播させて、近接場光生成部23bに入射させることができる。
この際、コア23は、Z方向に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形されている。そのため、レーザ光Lは光束集光部23a内を伝播するにしたがって徐々に絞り込まれてスポットサイズが小さくなる。
次に、上述した近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2の製造方法について説明する。図14は近接場光発生素子の製造方法を説明するための工程図であって、コア母材の平面図である。また、図15は図14(a)のG−G線に沿う断面図である。なお、以下の説明では、記録再生ヘッド2の製造工程のうち、主として近接場光発生素子の製造工程について具体的に説明する。
本実施形態では、複数のスライダ20がX方向及びY方向に沿って連なってなる基板120(例えば、AlTiC(アルチック)等)を用意し、この基板120における記録再生ヘッド2の各形成領域上にそれぞれ記録素子21、近接場光発生素子26、及び再生素子22を順に形成した後、記録再生ヘッド2の形成領域毎にダイシングすることで、記録再生ヘッド2を製造する。
図14(c),16に示すように、金属膜母材171が露出した状態からさらにスパッタエッチングを継続すると、コア母材123は相似形を保ったままエッチングされるとともに、金属膜母材171の角部がエッチングされる。
以上により、第1クラッド母材124a(第1クラッド24a)上に、金属膜71及びコア23が一括して形成される。
次に、図17(a)に示すように、コア23(コア母材123)を覆うように遮光膜27を形成する(遮光膜形成工程)。具体的には、コア23の側面23dにおける近接場光生成部23bに相当する領域に、遮光膜27が残存するようにパターニングする。
そして、図17(b)に示すように、コア23及び遮光膜27を覆うように、第2クラッド24bを形成する(第2クラッド形成工程)。その後、CMP等で第2クラッド24bの表面を研磨して、平坦面に形成する。そして、第2クラッド24b上に再生素子22を形成する。これにより、基板120上に記録素子21、近接場光発生素子26、及び再生素子22が形成される。
最後に、スライダ20の上面にレーザ光源29を搭載する。具体的には、半導体レーザチップ44が、レーザ光Lの出射側端面を下方に向けた状態で、かつコア23の台形部41の上端面41aに対向するように配置する。
以上により、上述した近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2が完成する。
この構成によれば、延在部73に突起部76を形成することで、金属膜71の基部72で励起された表面プラズモンが金属膜71上を伝播し、突起部76の頂部77において光強度の強い近接場光Rとなる。そのため、Z方向から見てコア23との界面の幅よりも狭い近接場光Rを発生させることができる。
そして、本発明の情報記録再生装置1(記録再生ヘッド2)は、上述した近接場光発生素子26を備えているので、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができ、高品質化を図ることができる。
この構成によれば、エッチング時間の管理のみで金属膜71を微細パターンに形成することができるため、コア23や金属膜71の微細パターンの形成に高価な装置を用いる必要がない。これにより、製造コストの増加を抑制した上で、近接場光Rのスポットサイズを縮小できる。
また、コア23と金属膜71とを一括してパターニングすることで、コア23と金属膜71とをそれぞれ別工程でパターニングする場合と異なり、金属膜71とコア23とを精度良く位置決めすることができる。よって、コア23の下端側まで伝播したレーザ光Lを漏れなく金属膜71の基部72に入射させることができるので、近接場光Rの発生効率を向上させることができる。
さらに、コア23よりも下方に延びる延在部73に突起部76を形成することで、コア23の形状やコア23との位置精度に関わらず、延在部73(突起部76)のみを所望の形状に形成できるため、製造が容易であり、また設計の自由度を向上させることもできる。
この延在部173は、上述した第1実施形態における第2パターニング工程において、延在部73の角部が完全に除去されるまでスパッタエッチングを継続することで形成できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図19は、第2実施形態における記録再生ヘッドの前側を拡大した断面図であり、図20の(a)は図19のM1−M1線に沿う断面図、(b)は図19のM2−M2線に沿う断面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。本実施形態では、コア23の下端側を2層構造とした点で上述した第1実施形態と相違している。
図19,20に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド202(近接場光発生素子26)におけるコア223の下端側は、Z方向から見て三角形状の第1コア223aと、第1コア223aを金属膜71の反対側から覆う第2コア223bと、で構成されている。この場合、第1コア223aは、上述した第1実施形態のコア23と同様の構成からなり、上端側がスライダ20の上面と面一に形成され、外部に向けて露出している。一方で、第1コア223a(近接場光生成部23b)の下端側は、スライダ20のABS20cよりも上方に位置しており、クラッド24により覆われて、外部には露出していない。
また、第2コア223bは、Z方向において、第1コア223aの下端側を覆うように形成され、第1コア223aとともに光束集光部23aの下端側、及び近接場光生成部23bを構成している。さらに、第2コア223bは、第1コア223aの下端側よりも下方に向けて延びている。具体的に、第2コア223bは、遮光膜27と金属膜71との間から金属膜71の延在部73を覆うように延在しており、スライダ20のABS20cと面一に形成されて外部に露出している。
図21の(a)は、第2実施形態の変形例を示す記録再生ヘッドの前側を拡大した断面図であり、(b)は(a)のN−N線に沿う断面図である。
上述した実施形態では、第1コア223aの前側を覆う第2コア223bを設ける構成について説明したが、これに加えて、第1コア223aと金属膜71との間に第3コア223cを設ける構成にしても構わない。具体的に、第3コア223cは、第1コア223aよりも屈折率の小さい材料からなり、第1コア223aのうち、近接場光生成部23bの側面23gと、金属膜71の基部72と、の間に配設されている。また、第3コア223cの外形は、Z方向から見て近接場光生成部23bと同等に形成されている。したがって、第1コア223a及び第3コア223cの下端面(例えば、上述した側面23d)は面一に配置され、それら下端面を覆うように上述した第2コア223bが配設される。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図23は第3実施形態における記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図であり、図24は記録再生ヘッドの前側を拡大した断面図である。また、図25は、図24のP1矢視図である。
図23〜25に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド302は、スライダ20の前端面上にX方向に沿って近接場光発生素子26、記録素子21、及び再生素子22が順に配置されている。
近接場光発生素子26は、第1実施形態のコア23に対して前後方向が逆向きに設けられている。具体的に、コア23は、前方に位置する側面23gの左右両端(Y方向両端)から後方(スライダ20)に向かって先細っており、このコア23の前側が第1クラッド24aに覆われ、後側が第2クラッド24bに覆われている。そして、コア23における近接場光生成部23bの側面23g上には、金属膜71が下方に向けて延在するように形成されている。
図26は第3実施形態の変形例を示す記録再生ヘッドの前側を拡大した断面図であり、図27は図26のP2矢視図である。
上述した実施形態では、金属膜71の突起部76がコア23側に向けて突出する構成について説明したが、これに限らず、図26,27に示すように、コア23とは反対側、すなわち主磁極33側に突出する構成にしても構わない。
したがって、近接場光発生素子26による近接場光Rを、より主磁極33に接近した状態で発生させることができるため、ディスクDへの記録をスムーズ、かつ高精度に行うことができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図28は第4実施形態における記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図であり、図29は図28のJ矢視図である。また、図30は、記録再生ヘッドの前側を拡大した断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図28〜30に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド402は、記録素子21におけるコイル34と主磁極33との間に近接場光発生素子26が配置されている。本実施形態における記録素子21は、第1クラッド24a内にモールドされた補助磁極31及びコイル34と、第2クラッド24b内にモールドされた主磁極33と、補助磁極31及び主磁極33の間に配置されたヨーク435と、を備えている。
さらに、上述したように遮光性を有する材料により主磁極33を構成することで、別に遮光膜を設けることなく、コア223に入射したレーザ光Lがクラッド24側に漏れるのを抑制できる。そのため、製造コストの低下、及び製造効率の向上を図ることができる。
例えば、上述の実施形態では、記録再生ヘッドを浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面に対向配置されていればディスクと記録再生ヘッドとが接触していても構わない。つまり、本発明の記録再生ヘッドは、コンタクトスライダタイプの記録再生ヘッドであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
また、上述した実施形態では、第1コア223a及び第2コア223bの2層によりコア23を構成したが、これに限らず3層以上で構成しても構わない。
また、図31,32に示す金属膜571のように、延在部73の下端部にY方向に沿って延在部73よりも広く形成された幅広部573を形成し、この幅広部573の下端部に、頂部577を有する突起部576を形成しても構わない。
但し、光束集光部23aと重なる領域にも金属膜71が形成されていると、光束集光部23aを伝播するレーザ光Lが金属膜71で吸収されて損失となり、レーザ光Lの伝播効率が低下する虞がある。これに対して、上述した実施形態のように、近接場光生成部23bに相当する領域にのみ金属膜71を形成することで、近接場光生成部23bまではコア23とクラッド24との間でレーザ光Lを全反射条件で伝播させることができる。そのため、より多くのレーザ光Lを近接場光生成部23bまで導くことができ、レーザ光Lの伝播効率を向上できる。
この構成によれば、パッド部17bとジンバル17との間を架け渡す第2電気配線58を設ける必要がないので、ジンバル17に対するパッド部17bの撓み変形の自由度を向上させることができる。
Claims (10)
- 一端側に導入された光束を他端側に向けて集光しながら伝播するとともに、近接場光に生成した後に外部に発する近接場光発生素子であって、
前記他端側に向けて前記光束を伝播させる第1コアと、
前記第1コアにおける前記一端側から前記他端側に向かう前記光束の伝播方向に沿って配置され、前記光束から前記近接場光を発生させる近接場光発生部と、を有し、
前記近接場光発生部は、
前記伝播方向に沿う前記第1コアの一側面上に配置された基部と、
前記基部から前記第1コアよりも前記伝播方向に沿う前記他端側に向けて延びる延在部と、を有し、
前記延在部の前記他端側は、外部に露出するとともに、前記第1コアの前記一側面の面方向に交差する方向に向けて突出する頂部を有し、
前記第1コアにおける前記他端側に位置する端面は、前記一側面とのなす角度が鋭角となるように傾斜していることを特徴とする近接場光発生素子。 - 前記第1コアに対して前記近接場光発生部の反対側から前記第1コアを覆う第2コアを備え、
前記伝播方向から見て前記第2コアと前記基部との界面の延在方向において、前記第2コアの外側端部が、前記基部の外側端部よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生素子。 - 前記第2コアは、前記第1コアよりも屈折率が小さいことを特徴とする請求項2記載の近接場光発生素子。
- 前記第1コアの前記一側面と前記近接場光発生部との間には、前記第1コアよりも屈折率の小さい第3コアが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の近接場光発生素子。
- 前記第1コアに対して前記近接場光発生部の反対側には、遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の近接場光発生素子。
- 前記頂部は、前記伝播方向から見て前記第1コア側に向けて突出していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の近接場光発生素子。
- 前記近接場光発生部に対して前記第1コアの反対側から前記近接場光発生部を覆うとともに、前記第1コアよりも屈折率の小さいクラッドを備え、
前記頂部は、前記伝播方向から見て前記クラッド側に向けて突出していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の近接場光発生素子。 - 一定方向に回転する磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、情報を記録させる近接場光ヘッドであって、
前記磁気記録媒体の表面に対向配置されたスライダと、
前記スライダの先端側に配置され、前記記録磁界を発生させる主磁極及び補助磁極を有する記録素子と、
前記他端側を前記磁気記録媒体側に向けた状態で前記記録素子に隣接して固定された、請求項1記載の近接場光発生素子と、
前記スライダに固定され、前記一端側から前記第1コア内に前記光束を導入させる光束導入手段と、を備えていることを特徴とする近接場光ヘッド。 - 前記主磁極は、遮光性を有する材料により構成されるとともに、前記第1コアに対して前記近接場光発生部の反対側に配置されていることを特徴とする請求項8記載の近接場光ヘッド。
- 請求項8記載の近接場光ヘッドと、
前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動可能とされ、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で前記近接場光ヘッドを先端側で支持するビームと、
前記光束導入手段に対して前記光束を入射させる光源と、
前記ビームの基端側を支持するとともに、前記ビームを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記記録素子及び前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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