JP2001027652A - コヒーレント・サンプリング方法と装置 - Google Patents

コヒーレント・サンプリング方法と装置

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JP2001027652A
JP2001027652A JP11198272A JP19827299A JP2001027652A JP 2001027652 A JP2001027652 A JP 2001027652A JP 11198272 A JP11198272 A JP 11198272A JP 19827299 A JP19827299 A JP 19827299A JP 2001027652 A JP2001027652 A JP 2001027652A
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period
trigger
time
signal
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JP11198272A
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Kensuke Kobayashi
謙介 小林
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Teratec Corp
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R13/00Arrangements for displaying electric variables or waveforms
    • G01R13/02Arrangements for displaying electric variables or waveforms for displaying measured electric variables in digital form
    • G01R13/0218Circuits therefor
    • G01R13/0272Circuits therefor for sampling
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のコヒーレント・サンプリングはデータ
の収録は短時間であるが、被測定信号1の揺らぎに対し
ては極めて弱い。従来のランダム・サンプリングは、揺
らぎに対しては強いが、収録に長時間を必要とし、波形
抜けを生ずる。タイム・ウインドウが狭い場合には、極
端に長い収録時間を要する。 【解決手段】 信号1に同期したトリガ2をホールド信
号51で間引いて同期信号52を得る。同期信号52の
周期を測定し、これにコヒーレント状態をつくることの
できるクロック3の周期をMPU40で求めて、クロッ
ク発生器300に指示する。かくして、信号1の周期が
変動しても、それに同期した同期信号52とコヒーレン
トなクロック3の周期を得てサンプリングするから、波
形抜けを生ずることなく、短時間に波形を再現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繰り返し入力信号を
高時間分解能で測定するコヒーレント・サンプリングを
用いたデジタル・オシロスコープ(DSO)に関し、特
に、波形データを波形抜けを生ずることなく、短時間に
収録することのできる等価時間サンプリングの新規な方
法と装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】等価時間サンプリングは、デジタル・オ
シロスコープに広く用いられており、サンプリング・ク
ロック周期より細かな時間で波形を捉える方法で、高時
間分解能を実現する方法として知られている。この等価
時間サンプリング方法には、シーケンシャル・サンプリ
ング、ランダム・サンプリングおよびコヒーレント・サ
ンプリングの3方式がある。デジタル・オシロスコープ
とその関連技術は次の公知例に開示されている。
【0003】公知例1 Picosecond Domain Waveform M
easurements,N.S. Nahman Time-Domain Measurements
in Electromagnetics,Van Nostrand Reinhold
【0004】公知例2 IEEE Standard for Digitizing
Waveform Recorders,IEEE Std 1057-1994 pp.5 & 28
【0005】公知例3 U.S.P. 5,708,432, Jan. 13,
1998. Coherent SamplingDigitizer System, Reynold
s et al.
【0006】公知例4 Electrical Test Instruments,
-Theory and Applications- R.A.Witte RTR Prentic
e Hall, pp.120-121
【0007】公知例5 The Microwave Transition Ana
lyzer: A new Instrument Architecture for Component
and Signal Analysis, D.J. Ballo and J.A. Wendle
r, Oct. 1992, Hewlett-Packard Journal
【0008】公知例6 特開平10−293140
ランダム・サンプリングのホールドオフ方法と回路
内田,小林 1997年4月18日出願
【0009】公知例7 Waveform Missing Mechanisms
and a Countermeasure in a RandomSampling System, I
EEE Instrumentation and Measurement Technology
Conference, St.Paul Minnesota, U.S.A. May 18-2
1, 1998, K. Uchida et al.
【0010】公知例8 Acquisition Clock Dithering
in a Digital Oscilloscope,D.E.Tpeppen, April 199
7, Hewlett-Packard Journal
【0011】公知例1には、シーケンシャル・サンプリ
ングとランダム・サンプリングが開示されている。
【0012】図35は、公知例1に示されたシーケンシ
ャル・サンプリングの回路図である。シーケンシャル・
サンプリングでは、遅延パルス発生器82においてサン
プリング・パルスを発生するのに必要な時間を与えるた
めに、繰り返しパルス発生器81からの信号f(t) は遅
延線路DLを通り、サンプラ83に印加される。繰り返
し生ずる信号f(t)に対して、遅延パルス発生器82は
サンプリング・パルスの発生タイミングを公知の技術
で、通常は均一にシフトする。
【0013】繰り返しサンプリングされた信号f(n)
は、垂直チャネル信号用のメモリ84に記憶され、メモ
リ出力85がn=1から13まで表示されて、信号f
(t) を表示信号f(n) として再現している。もし、電気
的に遅延せしめるようにトリガすることのできる信号源
であるならば、遅延線路DLを必要とはしない。
【0014】図36は公知例1に示されたランダム・サ
ンプリングの回路図である。ランダム・サンプリングで
は、サンプルする時間値は、あらかじめ判っているので
はなくて、繰り返しパルス発生器81の発生する信号f
(t) のスタートとサンプリング・パルス90の間の時間
を測定することによって決定される。
【0015】すなわち、信号f(t) のスタートでタイム
・ランプ86の傾斜波をスタートさせ、サンプリング・
パルスa(t) で傾斜波をストップするから、傾斜波の振
幅を知れば、f(t) のスタートからa(t) までのサンプ
ル時間値を測定することができる。このサンプル時間値
はタイム・ベース・メモリ87に記憶される。
【0016】ランダム・サンプリングでは、 (1) サンプリング・パルスa(t) は信号f(t) に同
期してはいない。 (2) 信号f(t) を遅延するための遅延線路DLは不
要である。 (3) 信号f(t) とサンプリング・パルスa(t) が同
時に発生するときには、複数時点のサンプルを得ること
ができない。
【0017】図35のシーケンシャル・サンプリング
は、トリガ・ポイントあるいはそれ以前の時間位置をサ
ンプリングしようとすると、遅延線路DLを必要とす
る。遅延線路DLは帯域幅が広くなるほど遮断周波数を
高くするために細い線路を必要とし、導体損失により帯
域が制限される。
【0018】一方、波形データ収録に際し高時間分解能
を達成するには、時間軸の細かな設定と広帯域化を両立
させる必要がある。プリトリガを得ることができない場
合には、、シーケンシャル・サンプリングで広帯域、高
時間分解能化を達成しようとすると、遅延線路DLを必
要とするから、妥協せざるを得ない。
【0019】図36においては、信号f(t) のスタート
によって傾斜波がスタートし、サンプリング・パルスa
(t) によってストップしている。かくして、タイム・ベ
ース・メモリ87の出力nの示す位置にf(n) を記憶し
たメモリ84の出力85がサンプル点1から13までラ
ンダムに表示され、信号f(t) をf(n) として再現して
いる。
【0020】ランダム・サンプリングは、図36の示す
ように、被測定信号f(t) の発生する以前もサンプルす
るプリトリガ機能を有しているから、図35のシーケン
シャル・サンプリングの遅延線路DLが不要であり、遅
延線路DLによる帯域幅の制限は無い。
【0021】公知例2には、その4.1.5項に等価時
間サンプリングとしてコヒーレント・サンプリングが開
示されている。そこでは、測定される信号の繰り返し周
波数をサンプリング・クロックに対して適当に定めるこ
とで、コヒーレント・サンプリングを実現している。
【0022】公知例3には、公知例2とは逆に、測定さ
れる信号の繰り返し周波数Ft に対してコヒーレント・
サンプリングするクロックの繰り返し周波数Fs を最適
に定める方法が開示されている。そこでは、MとNを互
いに素の整数としたとき、コヒーレント・サンプリング
では、Ft /Fs =M/Nの関係があることを述べてい
る。ここでNは測定される入力信号1周期間のサンプル
・ポイント数、MはN個の異るタイム・ポイントのデー
タ収録を行うのに必要な入力信号周期の数である。
【0023】公知例2および3が示すように、コヒーレ
ント・サンプリングでは被測定信号の繰り返し周波数
と、それをサンプルするサンプリング・クロックの繰り
返し周波数が最適の関係を有するように両繰り返し周波
数のうちの一方を設定している。
【0024】公知例4は、ランダム・サンプリングにつ
いて次のように述べている。ランダム・サンプリングで
は、高時間分解能測定を行うと、タイム・ウインドウが
非常に小さくなり、その小さなタイム・ウインドウをサ
ンプルする確率が小さくなるから、波形全体を再現する
には長時間を要する。
【0025】ランダム・サンプリングでマイクロ波領域
を測定すると、タイム・ウインドウは100ps 程度とな
り、波形データを得るのには膨大な測定時間を要するこ
ととなる。そこで、このような測定にはシーケンシャル
・サンプリングが用いられ、所望のタイム・ウインドウ
で速やかに全再現波形を得ることができる。
【0026】シーケンシャル・サンプリングは測定信号
周波数によりサンプリング・レートが変化するが、数百
KHz以上の信号周波数になると、一般的には100K
Hz付近でサンプリングを行う。このサンプリング・レ
ートをFs 、時間窓をTw 、時間分解能をTres とする
と、データ収録に要する時間Tseq は、 Tseq =Tw /Tres ×1/Fs (1) 100ps の時間窓を儲け1ps の時間分解能で波形データを
収録するには100ps/1ps×10μs=1ms の時間を要する。
【0027】ランダム・サンプリングでデータ収録に要
する時間Tran は、 Tran=Tmh×1/(Fs×Tw)×(Tw/Tres)×k であるから、 Tran=Tmh×1/(Fs×Tres)×k (2)
【0028】ここで、Tmhは時間補間(及びデータの書
き込みや読出し等の処理)に要する時間、(1/(Fs
×Tw))はサンプリング・クロックが時間窓(Tw )
のデータをサンプルする確率の逆数、(Tw/Tres)は
データ収録数である。kは、サンプル回数が極めて大き
くならない限り、サンプリングが一様に行われず、ある
タイム・ポイントは複数回、他のタイム・ポイントは1
回もサンプルしないというようにばらつくことにより発
生する項で、ほぼ3〜5の値を持つ。
【0029】広帯域のランダム・サンプリングで現在製
品化されている装置には、クロック周波数が40MHz
のものがある。図36の信号のサンプリング・クロック
の時間差測定(以降、時間補間と呼ぶ)に要する時間
を、例えば100クロックの時間とすれば、100ps の時
間窓Tw を1ps の時間分解能Tres で波形データを収録
するのに要する時間Tran は、(25ns×100)×(25ns/100
ps)×100×k≒250msとなる。シーケンシャル・サンプリ
ングに比べ、サンプリング・クロック周波数は(40M
Hz/100kHz=)400倍も速いものの、測定時
間は(250ms /1ms=)200倍以上必要となる。
【0030】また、従来のDSO(Digital Storage Os
cilloscope )で゛良く用いられるデュアル・スロープ
型の時間補間器を用いると、40MHzのサンプリング
・クロックで1ps の分解能Tres を得るには、25ns/1p
s = 25000 クロックの時間が必要となり、データ収録に
要する時間Tran ≒60s と極めて長い時間を必要とし、
実用にほど遠いものとなる。
【0031】コヒーレント・サンプリングには、公知例
3に述べられているように、Ft /Fs =M/N、Mと
Nは互いに素の関係がある。但しFt は信号周波数、N
は入力信号1周期間のサンプル・ポイント数、MはN個
の異るタイム・ポイントのデータ収録を行うのに必要な
入力信号周期数である。N=(1/Ft) /Tres であ
るから、入力信号周波数の計測及びクロック周波数の設
定に要する時間を除いたコヒーレント・サンプリングの
波形収録時間Tcoh は、 Tcoh=M/Ft=N/Fs=1/(Fs×Ft×Tres) (3)
【0032】サンプリング・クロックの周波数Fs を4
0MHz、信号周波数Ft を1GHz、時間分解能Tre
s を1ps とすると、25ns×1ns/1ps= 0.025ms となり、
同じクロック・レートでランダム・サンプリングの1000
0 倍の速さを達成できる。また信号周波数を10GHz
とするとTcoh は2.5 μs となり、サンプリング・レー
トを10MHzに上げたシーケンシャル・サンプリング
と同じデータ収録速度となる。
【0033】コヒーレント・サンプリングは、一旦サン
プリング周波数が定まると、そのクロック周波数で信号
波形の異なる時間位置を次々とサンプリングする。但
し、シーケンシャル・サンプリングが信号波形のトリガ
部以降の必要部のみをサンプリングするのと異なり、波
形の1周期分をサンプリングして必要部のみ表示する。
【0034】公知例5(p.5)は、マイクロウェーブを
コヒーレント・サンプリングにより測定する場合を、次
のように述べている。サンプルされた後に再合成される
レプリカに対してトリガリングを行うことで、プリトリ
ガ機能を持たせることができる。
【0035】コヒーレント・サンプリングは、プリトリ
ガ機能を持つ極めて高速の波形収録方式である。しか
し、コヒーレント・サンプリングを行うには、測定信号
およびサンプリング・クロックの周波数揺らぎが極めて
小さいことが前提条件となり、シーケンシャルやランダ
ム・サンプリングには無かった制約が発生する。
【0036】図37,図38,図39,図40には、平
均周期Tbase=10で揺らぎ率FL=0.01 と0003 の場
合のコヒーレント・サンプリングとクロック固定式のラ
ンダム・サンプリングのシミュレーションにより得た再
現波形を示している。図37,図38はコヒーレント・
サンプリングの場合、図39,図40はランダム・サン
プリングの場合である。
【0037】数値計算の前提条件は、測定時間分解能T
res =Tc/64、1時間分解能当たり平均10回のサ
ンプリング、サンプリング・クロック周期Tc =10+
1/64(サンプリング・クロックの揺らぎは無し)、
信号周期の揺らぎは経過時間の平方根に比例して増大
(δt=rndm×t1/2)し、式(4)で表現する。ただ
し、rndm=FL×Random[]で、Random[]は計算の
度に平均0で分散1のガウス性乱数を発生する。 signal(t)=Sin[2π(t+rndm×t1/2)/Tbase] (4)
【0038】図39,図40のランダム・サンプリング
では、トリガ時点(等価時間t=0)の立ち上がり部の
ジッタが無くなっている(10/64の時間分解能に相
当する量子化誤差は発生する)のに対し、コヒーレント
・サンプリングでは揺らぎ率FLに応じた周期揺らぎが
現れ、収録波形全体にジッタの発生が見られる。このた
め、収録波形データから立ち上がり時間やトランジェン
トのセットリング等の評価が困難となり、ジッタによる
帯域や時間分解能劣化の問題が発生する。
【0039】以上、等価時間サンプリングの3方式(シ
ーケンシャル、ランダム、コヒーレント)を概説し、そ
の得失を述べた。いずれもトレードオフ(妥協点)を有
しているが、シーケンシャル・サンプリングでは広帯域
化の障害、コヒーレント・サンプリングではジッタ発生
という問題がある。それに対し、ランダム・サンプリン
グはデータ収録に長い時間を要するという課題を有して
いる。
【0040】コンピュータを始めとするデジタル回路の
高速化に伴い、現在のデジタル・オシロスコープ(DS
O)のサンプリング・レートは数GHzを実現してい
る。ランダム・サンプリングで、サンプリング・クロッ
クFs を1GHz、時間補間に要する時間Tmhを10ク
ロック時間とすれば、100ps の時間窓の波形データを1
psの時間分解能で収録するには、以下の時間Tran を要
するに過ぎない。 (1ns×10)×(1ns/100ps)×100×k=
0.04ms ここで上げた数字は現在の技術で十分達成可能である。
しかしデータ収録の短期化を図ろうとすると、ランダム
・サンプリングは波形抜け現象という特有の問題に直面
する。
【0041】公知例6および7にはランダム・サンプリ
ングの波形抜け現象について、次のように述べている。
【0042】波形抜け現象の1つは、クロック周期を一
定とした時に、ホールドオフに起因して発生する。この
発生のメカニズムと、その対処法であるランダム・ホー
ルドオフとコンスタント・ホールドオフについては公知
例6と7に詳しく述べられ、いくつかの問題点が解決さ
れている。しかし、信号の繰り返し周波数Ftが、サン
プリング・クロックの繰り返し周波数Fsのハーモニッ
ク(高調波)、あるいはサブハーモニックとなったコヒ
ーレント関係にある場合に、特定の時点のデータ収録を
繰り返してしまい、波形全体にわたってデータ収録をす
ることができない波形抜けという問題が発生する。
【0043】この波形抜けは、MとNを互いに素の整数
としたときに、Ft /Fs =M/Nのコヒーレント・サ
ンプリングにおいて、Nが必要とする補間データ数より
も収録データ数が少ない場合に生ずる。ここで、Nは測
定される入力信号1周期間のサンプル・ポイント数、M
はN個の異るタイム・ポイントのデータ収録を行うのに
必要な入力信号周期の数である。
【0044】このコヒーレント状態に生ずる波形抜けに
対しては、次の2通りの対処法がある。 (1) 例えば、デュアル・スロープと呼ばれる時間補
間器を用いてホールド時間を大きく設定し、信号周期の
揺らぎの累積(酔歩、ランダム・ウォーク)量を時間と
ともに増大させる第1の方法を用いる。 (2) 時間補間を行う度に、クロックの位相をランダ
ムにシフトする第2の方法を用いる。
【0045】公知例8では、この時間補間を行う度に、
クロックの位相をランダムにシフトする第2の方法を開
示している。この第2の方法では、強制的にクロック位
相をランダムに変化させるので、信号の揺らぎ量に関係
せずに波形全体のデータ収録ができる。しかしクロック
の位相変化が収まり一定のクロック周期となるまでに数
十ないし数百クロック、あるいはそれ以上の長い期間を
要するので、波形抜けに対しては第1の方法に比べ改善
されるものの、ホールド時間の短期化は不十分である。
【0046】前記(1)のホールド時間を大きく設定す
る第1の方法は、もともとホールド時間の短期化を図っ
てはいない。
【0047】図41,図42,図43,図44には、ホ
ールド時間を長くする前記第1の方法でサンプリングし
た場合の効果をシミュレーションによる再現波形で示し
ている。固定クロック周期のコンスタント・ホールドオ
フ型ランダム・サンプリングでコヒーレント問題の生ず
るクロック周期Tcを設定し、平均周期10の正弦波の信
号をTc/64 の時間分解能で、1時間分解能あたり約10
回のデータ収録を行っている。
【0048】ホールド時間Tmh,クロック周期Tc ,正
弦波信号周期の揺らぎ率FL,クロック周期Tc 間のデ
ータ表示数M(=64)としている。
【0049】図41では、Tmh=10.3 ×Tc , Tc =10 ×(1+8/M),FL=0.001、 図42では、Tmh=1000.3 ×Tc , Tc =10 ×(1+8/M),FL=0.001、 図43では、Tmh=1000.3 ×Tc , Tc =10 ×(1+32/M),FL=0.0003、 図44では、Tmh=50000.3 ×Tc , Tc =10 ×(1+32/M),FL=0.0003、 としている。
【0050】図41のTmh=10.3 ×Tc から図42の
Tmh=1000.3 ×Tc へとホールド時間Tmhを大きくす
ると、図42においては、図41の波形抜けは解消す
る。しかし、クロック周期の揺らぎ率FLを図42のF
L=0.001から図43のFL=0.0003へと小さくする
と、波形抜けが現れる。さらにホールド時間Tmhを図4
3のTmh=1000.3×Tc から図44のTmh=50000.3 ×
Tc へと大きくすると、波形抜けは改善される。
【0051】ランダム・サンプリングによる図41ない
し図44のシュミレーションからは、信号周期の揺らぎ
率FLが小さくなるにつれて、信号の波形全体からデー
タ収録が行われ難くなる場合があり、波形抜けが発生す
る。ホールド時間Tmhを大きくすることによって、その
波形抜けは減少することが解る。
【0052】これはクロック周期を固定したとき、信号
の周期が揺らぐと波形抜けが発生し、それを防止しよう
としてホールド時間を長くすると波形測定に長時間を必
要とするから、実用には適さなくなる。
【0053】この波形抜け現象が発生するのは、信号の
印加される以前の波形データを得るプリトリガ・アクイ
ジション・プロセスと信号の印加後の波形データを得る
ポストトリガ・アクイジションにおいて、信号波形を再
現するための波形上の各点のデータを記憶する複数のビ
ンのうちのいくつかに、データが入らないためである。
この動作について説明する。
【0054】図45にはプリトリガ・アクイジション・
プロセスとポストトリガ・アクイジション・プロセスの
動作を示している。同図(a)の測定される信号1は、
(c)のサンプリング用のクロック3によって時点t1
09,…,t114においてサンプルされ、データD
1,D2,…,D6が得られる。
【0055】(b)の同期信号52は、被測定信号1に
同期したトリガのうちから参照用に選ばれたものであ
り、、測定される信号1の立上りの時点t100におい
て発生する。同期信号52は、被測定信号1から得るこ
とができる。トリガを受け入れない(d)のホールド状
態HOにおいても、時点t109においてサンプルして
得られたデータD1は、図示の都合上3ワードで表示し
たFIFO(先入れ先出し)メモリである(e)のアク
イジション・メモリ30に収納される。
【0056】時点t110においてサンプルして得られ
たデータD2は(e)のアクイジション・メモリ30に
収納されるから、3ワードのメモリは、D2,D1,空
きとなる。そこで(d)のホールド信号HOが時点t1
02においてトリガを受け入れないホールド状態から、
トリガを受け入れるホールドオフ状態HOFに移行す
る。
【0057】この状態においても、まだトリガの印加が
ないから、時点t112の(c)のサンプリング用のク
ロック3で(a)の測定されるべき信号1をサンプルし
て、データD4を得て、(e)のアクイジション・メモ
リ30に収録する。時点112においては3ワードのア
クイジション・メモリ30の容量はすでに満杯であるか
ら、最古のデータD1が廃棄され、データD4,D3,
D2が収容される。
【0058】時点t100において、(a)の被測定さ
れるべき信号1に同期した(b)のトリガに同期した同
期信号52が印加され、その後のトリガを受け入れない
(d)のホールド状態HOに移行する。時点t113の
(c)のサンプリング用のクロック3で(a)の測定さ
れるべき信号1をサンプルしてデータD5を得て、
(e)のアクイジション・メモリ30に収録する。そこ
では、古いデータD2は廃棄されて、データD5,D
4,D3が収容される。同様にして、時点t114にお
いてはデータD6,D5,D4が収容される。
【0059】アクイジション・メモリ30の容量3ワー
ドのうち、1ワードを時点100の同期信号52以前の
データ収集(プリトリガ・アクイジション・プロセス)
に割り当て、残り2ワードを時点t100のトリガに同
期した同期信号52以後のデータ収集(ポストトリガ・
アクイジション・プロセス)に割り当てるように、測定
に先立って設定がなされている場合には、時点t100
以後のデータD5およびD6の2ワードのデータが収録
されると、そこでデータの収録は停止される。
【0060】図45(f)には、時間分解能をサンプリ
ング・クロック周期TC の5分の1にした場合の3ワー
ド分の波形メモリ50の内容(波形データを収容するビ
ンの数は3×5=15BINs )が示されている。時点
t100とその直後のサンプリング用のクロック3の時
点t113との時間差TS nに対応する位置に時点t1
14に収録されたデータD6,D5,D4を先入れ先出
しして、(f)のように収容する。データD4はデータ
D5に対してTC だけ前に、データD6はデータD5に
対してTC だけ後に位置して収容される。
【0061】図45(g)のタイム・ウィンドウに示さ
れているように、時点t100以前、すなわち、時点t
109〜t100のプリトリガ・アクイジション・プロ
セスによって得た5個のビンのデータ(同図ではD4の
みが表示されている)と時点t100以後、すなわち、
時点t100〜t114のポストトリガ・アクイジショ
ン・プロセスによって得た10個のビンのデータ(同図
ではD5とD6のみが表示されている)とが得られる。
【0062】したがって、図示されてはいない次の同期
信号52のプリトリガ・アクイジション・プロセスおよ
びポストトリガ・アクイジション・プロセスにおいて、
図45(a)のD1〜D6とは異る点がサンプルされる
と、(f)の波形メモリ32のサンプル点に対応したビ
ンに得られたデータが書き込まれる。この動作が所定回
数くり返されて、15個のビンのデータが表示される。
15個のビンのすべてにデータが満たされていれば波形
抜けは無い。
【0063】図46は、等価時間サンプリングにより、
再現波形を得るためのタイム・チャートを示している。
(a)はサンプリング用のクロック3を、(b)には
(a)のクロック3の後に続くクロック3’が示されて
いる。(c)には測定される信号1が示され、太線で示
した波形の立上りで参照用の(リファレンス)トリガR
Tである同期信号(図示されてはいない)が発生してい
ることを示している。
【0064】(c)の信号1のリファレンス・トリガR
T1の直後の(a)のクロック3のクロック・タイミン
グc1でサンプル・ポイントSP1−1のデータが収容
され、(d)の表示波形のように表示される。クロック
・タイミングc2でサンプル・ポイントSP1−2のデ
ータが収容され、(d)の表示波形のように表示され
る。
【0065】(a)のクロック・タイミングc13は
(b)のクロック・タイミングc1’に対応しており、
リファレンス・トリガRT2直後のクロック・タイミン
グc13(又はc1’)でサンプル・ポイントSP2−
1のデータが収容され、(d)の表示波形のように表示
される。クロック・タイミングc14(又はc2’)で
SP2−2のデータが収容され、(d)の表示波形のよ
うに表示される。これらSP1−1,−2とSP2−
1,−2の4個のデータは、2つの波形から得たもので
あるが(d)の表示波形のように合成されると、1つの
波形から収録されたものと等価となる。
【0066】合成された(d)の表示波形の立上り部は
リファレンス・トリガRT1または2に対応している。
RT1とその直後のクロック・タイミングc1との時間
差がTs1 であり、RT2とその直後のクロック・タイ
ミングc13(又はc1’)との時間差がTs2 であ
る。
【0067】RT1とRT2の間のリファレンス・トリ
ガ周期Trr1は、δTs1=Ts2−Ts1 とすると、 Trr1=12×Tc+Ts1−Ts2=12×Tc−δTs
【0068】同じく、RT2とRT3の間のリファレン
ス・トリガ周期Trr2は、δTs2 =Ts3 −Ts2 と
すると、 Trr2=12×Tc+Ts2+Tc−Ts3=12×Tc−
δTs2+Tc である。
【0069】図示されたタイミングでは、 δTs1=Ts2−Ts1=−1/5×Tc δTs2=Ts3−Ts2=4/5×Tc となり、δTs1とδTs2の値が異るように見える。し
かしTcとδTs2との差を改めてδTs2とおくなら
ば、これはδTs1に等しくなる。同図において、Trr
1=Trr2となっていることからも理解することができ
るであろう。
【0070】図47には、図46(d)の表示波形と、
リファレンス・トリガRTおよびサンプル・ポイントS
Pのデータを収容する波形メモリの多くのビン(BIN
s)の関係が示されている。ここでは、δTs =−1/
5×Tc となるように信号1とクロック3の周期が設定
されている。上向きの矢印はクロック3(又は3’)の
クロック・タイミングcを、横向きの矢印は時間差Ts
を表している。クロック周期Tc の間に8個のビン(B
INs )が用意されている。すなわち、Tc /8が時間
分解能であり、8個のビン(BINs )のすべてにデー
タが収容されれば、波形抜けは発生しない。
【0071】時間の経過とともにリファレンス・トリガ
RT1〜RT5,RT1’,RT2’の発生は続く。図
47のリファレンス・トリガRT4,5,1’,2’は
図46には示されてはいないが、RT3以降に引き続い
て発生している。図47の信号1の黒丸は、これら7個
の各RT以降、約1.5×Tc の期間にわたって発生す
るクロック3によりサンプリングされた信号1の振幅の
瞬時値であり、あたかも1つの波形として等価時間サン
プリング方法で合成し再現されている。
【0072】図47の例では、リファレンス・トリガR
T1〜RT5のクロック3は、信号1の異なる時間位置
をサンプリングする。しかしRT1’のクロック3はR
T1のクロック3と、RT2’のクロック3はRT2の
クロック3と同じ時間位置にあり、信号1の同じ時間位
置をサンプルする。以降サンプリングを繰り返し行って
も、クロック周期あたり5個以上のサンプル点は得られ
ない。
【0073】データ収録の時間分解能をTc/8 とする。
図47のビン(BINs )は、RT1のクロック3に対
応してクロック周期Tc 間を8個のビンに分けた図で、
装置の時間分解能を表している。RT1〜RT2’のク
ロック3の時間位置に対応する丸印の付いたビンは5個
しか得られず、白抜きの3個のビンにはデータが収録さ
れない。いわゆる波形抜け現象を生じている。
【0074】
【発明が解決しようとする課題】等価時間サンプリング
方式の波形収録システムにおいて、(1) 広帯域性を
阻害しないプリトリガの機能を持ち、(2) 揺らぎを
持つ信号入力に対してジッタの少ない波形データ収録が
でき、(3) さらにデータ収録の際に波形抜けが発生
せず、(4) かつデータ収録速度に優れた動作を可能
とする構成を提供することにある。
【0075】図37ないし40に示した再現波形図から
明らかなように、コヒーレント・サンプリングは信号の
周期の揺らぎに対して弱く、ランダム・サンプリングは
その影響を受け難い。
【0076】しかし、図41ないし図44に示したラン
ダム・サンプリングによる再現波形図から明らかなよう
に、ランダム・サンプリングでは、波形抜け現象が発生
し、それを防ぐには長時間のホールド時間を必要とする
から、測定には、長い時間を要する。
【0077】本発明は、これらの課題を解決するために
なされたものである。
【0078】
【課題を解決するための手段】コヒーレント・サンプリ
ングの特徴を活かし、その欠点を除去している。
【0079】被測定信号に同期したリファレンス・トリ
ガとなる同期信号を得て、その同期信号の周期、即ち、
リファレンス・トリガ周期を計測し、このリファレンス
・トリガ周期をホールド周期とし、このホールド周期に
対して波形抜けの無いコヒーレント・サンプリングにな
り得るサンプリング・クロック周期を求め、この求めた
サンプリング・クロック周期を発生するようにクロック
周期を制御するようにした。このようにしたから、波形
抜け無く、ジッタの少ない再現波形を短い時間で得るこ
とができるようになった。クロック周期の制御により変
動するクロック周期の変動は、クロック周期の、たとえ
ば10000 分の1程度でよい。
【0080】
【発明の実施の形態】本発明は、信号の繰り返し周期で
はなく同期信号(リファレンス・トリガ)の周期を求
め、それをホールド周期とし、その値からリファレンス
・トリガとサンプリング・クロックとの時間差である時
間補間データの列が、コヒーレント・サンプリング条件
を満足するように、サンプリング・クロック周期を演算
し、設定している。
【0081】図1および図2には本発明の実施の形態を
示すための回路構成およびその動作を示す各部の波形が
示されている。
【0082】測定される信号1はデジタイザ10に入力
される。デジタイザ10は周期Tcの図2(c)のクロ
ック3が発生すると、(a)の信号1をアナログ値から
デジタル値に変換する。変換されたデジタル・データ2
0はクロック3に同期してシフト・レジスタ構成のアク
イジション・メモリ30に送られる。アクイジション・
メモリ30は図2(f)の書き込み信号53が“1”の
とき、クロック3に同期してデジタル・データ20を書
き込む。図2(a)の信号1上の黒丸はサンプルされる
瞬時値を示す。同じく(c)のクロック・タイミングc
4〜7による白丸のサンプル点は(f)の書き込み信号
53が“0”の期間であるために、書き込みされない。
【0083】図2(b)のトリガ2は、信号1と同期し
ており、多くの場合信号1からビックオフされる。トリ
ガ2は、同期回路100に入力される。同期回路100
は(e)に示すホールド信号51が“1”のとき、トリ
ガ2の入力を禁止し、“0”のときトリガ2を受付け
る。(e)のホールド信号51が、ホールド・タイミン
グh0で、“1”から“0”に変化すると、同期回路1
00はホールド・タイミングh0以降に入力する最初の
トリガ2のリファレンス・トリガRT1で(d)の同期
信号52を発生し、以降、トリガ2の入力をインヒビッ
ト(禁止)する。
【0084】タイムベース200には同期信号52とク
ロック3が入力される。同期信号52を入力された
(g)のタイムベース200は、つぎのように動作す
る。
【0085】内部に含まれたカウンタにより、クロック
・タイミングc0までのクロック3の発生回数、たとえ
ばc0を1個カウントしてその計測を停止し、クロック
期間係数値Nc=1をマイクロプロセッサ(MPU)4
0にリファレンス・トリガRT1以降に発生する(c)
のクロック3、たとえば、c1のタイミングで、(h)
のデータ・バス46により送出する。
【0086】さらに、(g)のタイムベース200は、
リファレンス・トリガRT1により得た(d)の同期信
号52とその直後に入力される(c)のクロック・タイ
ミングc1のクロック3との間の時間差Ts1 を所定
の、たとえばc1〜5の5個のクロック期間すなわち、
時間差測定クロック数Ns(=5)の間に計測する。こ
の時間差Ts1はクロック・タイミングc5において、
タイムベース200から(h)のデータ・バス46を介
してマイクロプロセッサ40へ送出される。
【0087】一方、(g)のタイムベース200内で
は、リファレンス・トリガRT1以降のクロック3の数
をカウントし、所定のプリセットしたポストトリガ値N
pst (たとえば、3)だけ、c1〜3のクロック3をカ
ウントすると、(f)の書き込み信号53を“1”から
“0”にして、これをアクイジション・メモリ30に送
出し、アクイジション・メモリ30への書き込みを禁止
する。この結果、(a)の信号1上のc4〜7に対応す
る波形データは白丸の示すように書き込まれず捨てられ
る。
【0088】(g)のタイムベース200における時間
差Ts1 の測定およびポストトリガ値Npst の計数がク
ロック・タイミングc5において終了すると、(i)の
アクイジション終了信号54を“1”とし、マイクロプ
ロセッサ40にデータ・バス46を介して時間差Ts1
の測定結果とともに波形データの収録完了を報告する。
【0089】(i)のアクイジション終了信号54が
“1“となったことを受けた(j)のマイクロプロセッ
サ40は、アクイジション・メモリ30に蓄えられたデ
ータと、時間位置情報である時間差Ts 1とをセットに
して、波形メモリ50にデータ・バス48を介してc5
〜8の間に転送する。
【0090】アクイジション・メモリ50の先頭アドレ
スに蓄えられたデータに対しては、リファレンス・トリ
ガRT1より Ts1+Npst×Tc だけ遅れた時間、2番目のアドレスに蓄えられたデータ
に対しては、 Ts1+(Npst−1)×Tc 遅れた時間をセットにする。
【0091】以下同様である。ここで図2においてはN
pst =3、(後述する)Npre=3であるから、転送さ
れるべき波形データ6個と対応する時間位置情報の転送
は、c5からスタートして、所定の、たとえばデータ転
送3クロック分(Nd=3)の期間、c5〜8の間に行
われる。
【0092】c5〜8のデータ転送が終了すると、クロ
ック・タイミングc8で、マイクロプロセッサ40はタ
イムベース200に対してアクイジション・スタート信
号55と遅延時間Td=Tc−Ts1 の演算結果をデータ
・バス46を介して送出する。
【0093】マイクロプロセッサ40は、(i)のアク
イジション終了信号54がc8において“1”から
“0”になると、次に“1”になる迄の間に、Trr演
算、Trr加算(LTrr)、Tc 変更判断(c0〜4も同
じ)をする。
【0094】タイムベース200より受信したクロック
期間計数値Nc、時間差Ts 1、ポストカウント値Npst
、あらかじめ設定されたプリセット値Npre 、時間差
測定クロック数Ns とデータ転送期間のクロック数Nd
とから次の処理をする。
【0095】1.(b)の多くのトリガ2のうちのリフ
ァレンス・トリガRT1とRT2に対応する(d)の同
期信号52の周期、すなわち、リファレンス・トリガ周
期Trrを演算する。 2. 演算したリファレンス・トリガ周期Trrをマイク
ロプロセッサ40内のメモリに加算し、累積値LTrrを
得る。 3. 累積値LTrrを基にして、クロック3のクロック
周期Tc を変更するか否かを判断する。 これら3つの処理については後に詳述する。
【0096】(g)のタイムベース200は、アクイジ
ション・スタート信号55と遅延時間Td (=Tc−Ts
1)をデータ・バス46を介してマイクロプロセッサ4
0からタイミング・クロックc8において受けると、次
の動作をする。
【0097】タイムベース200は、プリトリガ値Npr
e だけクロック3を計数する。図2ではNpre =3の場
合が示され、c9〜11を計数する。Npre の計数が終
了すると、クロック・タイミングc11で、遅延時間T
d (=Tc−Ts1)に応じた遅延後の時点h1で、
(e)のホールド信号51を“1”から“0”に変化し
てホールドオフにし、これを同期回路100に送出す
る。
【0098】内部カウンタは、プリトリガ値Npre を計
数したクロック・タイミングc11から新たにクロック
3の計数を始め、クロック・タイミングc12のクロッ
ク3をカウントすると、(e)のホールド信号51が
“0”から“1”になるのでクロック期間計数値Nc
(=1、図2の場合)を得る。そこでクロック期間計数
値Nc を(h)のデータ・バス46を介してマイクロプ
ロセッサ40に送る。
【0099】タイムベース200は、クロック・タイミ
ングc8において、(f)の書き込み信号53を“0”
から“1”に変化させ、アクイジション・メモリ30に
再びデジタル・データの書き込みを開始させる。
【0100】ホールド・タイミングh1で“1”から
“0”になった(e)のホールド信号51を受けた同期
回路100は、再びトリガ2に対して待ち受け状態とな
る。この待ち受け状態において印加された(b)のトリ
ガ2が、リファレンス・トリガRT2であり、(d)の
同期信号52を発生する。リファレンス・トリガRT1
と2の周期がTrr である。
【0101】以上のようにして、ホールド周期であるリ
ファレンス・トリガ周期Trrと時間差Ts1 を得る1サ
イクルの動作が行われる。このリファレンス・トリガ周
期Trrのサイクルが繰り返されて、波形メモリ50に波
形データが蓄積されると、マイクロプロセッサ40は、
適宜割り込み処理を行い、波形メモリ50のデータを表
示装置60にデータ・バス49を介して送出して、収録
した波形データを表示する。
【0102】ここで、図2(e)のホールド信号51が
ホールド・タイミングh0で“1”から“0”に変化す
る過程で(b)のトリガ2が印加されてしまうことがあ
るが、その場合には、ジッタを生ずることがあるので、
それをリファレンス・トリガとはせずに、ホールド・タ
イミングh0の変化が終了(ホールド期間が終了)して
から、その直後に印加されるトリガ2をリファレンス・
トリガRT1として用いる。これは、従来の技術として
公知である。
【0103】図2(b)のトリガ2のリファレンス・ト
リガRT1と(c)のクロック3のクロック・タイミン
グc1との時間差Ts1が小さな値であるときには、時
間補間の非線形の部分を用いることとなるため、十分な
精度が得られない。その場合には、リファレンス・トリ
ガRT1と(c)のクロック3のクロック・タイミング
c2との時間差を求める場合もある。これは、従来の技
術として公知である。
【0104】図3にはタイムベース200の具体的な回
路図が、図4および5にはその各部の動作を示すタイム
・チャートが示されている。
【0105】図4(b)のクロック3のクロック・タイ
ミングc0においては、アンド・ゲート210の出力で
ある(k)のアクイジション終了信号54は“0”であ
り、Dフリップフロップのホールド・ラッチ201のQ
出力である(e)の信号221も“0”である。この状
態で、同期タイミングs0において(a)の同期信号5
2がホールド・ラッチ201のクロック端子CKに入力
されると、(e)の信号221は“0”から“1”へと
変化する。
【0106】(e)の信号221が“1”になると、時
間差Ts を測定するための時間補間器203のクロック
・イネーブルCE端子は“0”から“1”になる。リセ
ットR端子に印加されている(l)の信号224は、同
期タイミングs0以前においては太線で示すように、
“0”であるから、CE端子が“1”になることによっ
て時間補間器203は(g)の斜線部のように時間差計
測動作を開始する。
【0107】この時間差計測動作では、同期タイミング
s0とその直後の(b)のクロック3のクロック・タイ
ミングとの時間差Ts1 を計測する。この時間差計測動
作は、(g)の斜線の期間、すなわち、クロック・タイ
ミングc1〜5の5個のクロック3が印加されると終了
し、クロック・タイミングc5に同期してそのQ出力で
ある信号222を“0”から“1”に変えて、時間差計
測動作の完了を示す。時間差Ts1 の値は、データ・バ
ス46を介してマイクロプロセッサ40に送出される。
【0108】この時間補間器203における時間差計測
は、(e)の信号221が“1”になった時点(s0)
でゼロから傾斜波の上昇がスタートし、その直後のクロ
ック3のクロック・タイミングc1によって傾斜波の上
昇を停止し、一定となった電圧出力を高ビットのA/D
変換器に入力して、クロック3のc2〜c5の何れかの
クロック・タイミングでデジタル値に変換する方法は、
T-V変換器として公知である。
【0109】ポストトリガ・カウンタ204のクロック
・イネーブルCE端子は、同期タイミングs0において
(e)の信号221が“0”から“1”になると、プリ
セットPS端子に印加されている(l)の信号224は
“0”であるから、ポストトリガ・カウンタ204はク
ロック3のカウントを開始し、予め設定されているポス
トトリガ値Npst (=3)からクロック3が印加される
毎に(h)の斜線部の間クロック・タイミングc1〜3
によりカウントダウンし、c3で計数値が“0”になる
と、(h)のQ出力である信号223を“0”から
“1”に変える。
【0110】この信号223はアンド・ゲート210と
インバータ208に印加される。インバータ208は
(h)の信号223を反転して(i)の書き込み信号5
3を“1”から“0”にして、アクイジション・メモリ
30に対して送出する。
【0111】(e)の信号221が“0”から“1”に
なることによって、プリトリガ・カウンタ206のプリ
セットPS端子は“0”から“1“になり、そのQ出力
の(j)の信号225は“1”から“0”に変化する。
同時にプリトリガ・カウンタ206はデータ・バス46
からプリトリガ値Npre (=3)を読み込み、カウント
値を3にプリセットする。
【0112】プリトリガ・カウンタ206のQ出力であ
る(j)の信号225が同期タイミングs0で“1”か
ら“0”に変化すると、ピリオド・カウンタ207のク
ロック・イネーブルCE端子が“0”となり、ピリオド
・カウンタ207は(f)に斜線で示した期間のクロッ
ク3を計数する動作を停止して同期タイミングs0の時
点のカウント値を保持する。同時に、データ・バス46
を介してマイクロプロセッサ40にクロック期間計数値
Nc として出力する。この出力は(f)の破線の期間、
すなわち、同期タイミングs0ないしクロック・タイミ
ングc5の期間の(b)のクロック3に同期して行われ
る。
【0113】この破線の期間は、ピリオド・カウンタ2
07のQ出力を示す(f)のキャリィ56がフラグとし
て送出される。キャリィ56の示すフラグは、ピリオド
・カウンタ207が(f)の斜線で示した計数動作期間
中にクロック3をカウントするカウント値が、カウンタ
207の計数最大値になると(f)のキャリィ56は
“1”となり、計数最大値に達しないうちに計数動作が
停止されると、“0“のままである。このキャリィ56
の果すフラグとしての役割については後に詳述する。
【0114】同期タイミングs0の時点で(d)の信号
229が“0”から“1“になると、時間加算器202
は直ちに(c)のホールド信号51を“0”から“1”
に変化させ、これを同期回路100に送る。ホールド信
号51が“1”である間は、同期回路100はトリガ2
の印加に対して動作しない。
【0115】クロック・タイミングc3において、
(h)の信号223が“0”から“1”に変化すると、
これはインバータ208で反転され、(i)の書き込み
信号53を“0“にして、アクイジション・メモリ30
に送られる。これにより、アクイジション・メモリ30
へのデータの書き込みは停止される。
【0116】クロック・タイミングc5において、時間
補間器203Q出力が(g)の信号222の示すように
“0”から“1“になると、すでに“1”になっている
(h)の信号223とのアンドをアンド・ゲート210
においてとって、その出力を“0”から“1”にして、
(k)のアクイジション終了信号54を得る。これはデ
ータ・バス46を介してマイクロプロセッサ40に送出
される。
【0117】“1”になった(k)のアクイジション終
了信号54を受けたマイクロプロセッサ40は、(m)
に斜線で示した期間(c5〜8)アクイジション・メモ
リ30の波形データを波形メモリ50に転送する。
【0118】(k)のアクイジション終了信号54がク
ロック・タイミングc5において“0”から“1”にな
ると、Dフリップフロップであるホールド・ラッチ20
1とピリオド・カウンタ207のリセットR端子に
“1”が入力され、それぞれのQ出力をリセットして、
(e)の信号221と(f)のキャリィ56は太線で示
したように“0”となる。ピリオド・カウンタ207の
出力であるクロック期間計数値Nc はゼロにリセットさ
れる。
【0119】同期タイミングc5で(e)の信号221
が“0”になると、時間補間器203とポストトリガ・
カウンタ204のクロック・イネーブルCE端子が
“0”になるため、それらのQ出力を“1”にしたまま
クロック3の印加に対してその動作を停止する。
【0120】(e)の信号221が同期タイミングc5
で“0”になると、プリトリガ・カウンタ206のプリ
セットPS端子も“0“になる。そこで、プリトリガ・
カウンタ206はプリセット状態を解除されるが、その
クロック・イネーブルCE端子は(j)の信号225に
より“0“であるからクロック3の入力は禁止されてい
る。
【0121】(m)に斜線で示したデータ転送が終了す
るクロック・タイミングc8の時点で、マイクロプロセ
ッサ40は、(m)のアクイジション・スタート信号5
5を上向きの矢印のように送出し、データ・バス46を
介してDフリップフロップ205のクロックCK端子に
印加する。同時に時間加算器202にTdの値をデータ
・バス46を介してプリセットする。このDフリップフ
ロップ205は、そのリセットR端子が(j)の信号2
25により“0”であるから、そのQ出力を(l)の信
号224のように“0“から“1“に変化させる。
【0122】クロック・タイミングc8で(l)の信号
224が“1”になると、プリトリガ・カウンタ206
のクロック・イネーブルCE端子は“1”、(e)の信
号221を受けるプリセットPS端子は“0“であるか
ら、プリトリガ・カウンタ206はクロック3が入力す
る度に、プリセットされたプリトリガ値Npre(=3)
から(j)の斜線で示す期間カウントダウンし、クロッ
ク・タイミングc11のクロック3の印加でプリトリガ
・カウンタ206の計数値が“0”になると、そのQ出
力である(j)の信号225を“0“から“1“にす
る。
【0123】クロック・タイミングc8で(l)の信号
224が“1“になると、時間補間器203のリセット
R端子とポストトリガ・カウンタ204のプリセットP
S端子は“1”となり、それぞれのQ出力は、(g)の
信号222および(h)の信号223のように“1”か
ら“0”になる。同時に、ポストトリガ・カウンタ20
4は、データ・バス46から予め設定されたポストトリ
ガ値Npst(=3)を読み込み、そのカウント値をNpst
としてプリセットする。(g)と(h)のc8〜11
の間の太線は、この期間に時間補間器203がリセット
され、ポストトリガ・カウンタ204がプリセットされ
ることを表している。
【0124】クロック・タイミングc8で(l)の信号
224が“1“になると、アンド・ゲート210の出力
である(k)のアクイジション終了信号54が“1“か
ら“0“になる。この変化はインバータ208で反転さ
れ、(i)の書き込み信号53は“0”から“1”にな
り、アクイジション・メモリ30に出力される。そこで
アクイジション・メモリ30はデジタル・データ20の
書き込みを再開する。
【0125】クロック・タイミングc8で(l)の信号
224が“1“になると、それ以降は、Dフリップフロ
ップのホールド・ラッチ201とピリオド・カウンタ2
07のリセットR端子が(k)のアクイジション終了信
号により“0”となって、それぞれのリセット状態は解
除される。
【0126】クロック・タイミングc11で(j)の信
号225が“0”から“1”になると、ピリオド・カウ
ンタ207のクロック・イネーブルCE端子は“1”と
なる。一方、そのリセットR端子は(k)のアクイジシ
ョン終了信号54によって“0”であるから、ピリオド
・カウンタ207はクロック3の計数を開始し、クロッ
ク3の入力毎に、(f)に斜線で示す期間、計数値をイ
ンクリメントする。
【0127】クロック・タイミングc11で(j)の信
号225が“0”から“1”になると、(d)の信号2
29は“0”になり、時間加算器202に入力される。
“0”を入力された時間加算器202には、Td(=Tc
−Ts1) の値がデータ・バス46を介してマイクロプ
ロセッサ40から印加されており、その遅延を加えたホ
ールド・タイミングh1の時点で、(c)のホールド信
号51を“1”から“0”にする。この時間加算器20
2の具体例は、公知例6に開示されている。
【0128】クロック・タイミングc11で(j)の信
号225が“0”から“1”になると、Dフリップフロ
ップ205は、そのリセットR端子が“1”となってリ
セットされ、そのQ出力は(l)の信号224の太線で
示すように“0”になる。
【0129】(c)のホールド信号51がホールド・タ
イミングh1で“1”から“0”になると、それは同期
回路100に印加される。同期回路100はホールド・
オフとなって、その直後に印加されるトリガ2に対して
動作して、同期タイミングs1で(a)の同期信号52
を発生する。この同期タイミングs1の原因となったト
リガ2が、図2(b)のリファレンス・トリガRT2で
ある。同期タイミングs1で図5(a)の同期信号52
を印加されたタイムベース200は再び図4(a)の同
期タイミングs0以降の動作を繰り返す。
【0130】以上タイムベース200の動作シーケンス
を説明した。マイクロプロセッサ40の動作クロックは
クロック3あるいはクロック3を分周器70で分周した
MPUクロック45が用いられるので、同期信号52の
入力に伴うホールド信号51の発生と、Td(=Tc−T
s1) の遅延を加えられたホールド信号51の停止(ホ
ールドオフ)以外の動作は、クロックに同期している。
またTd の遅延を加えてホールドオフを発生させる方法
は、ホールドオフに起因する波形抜けを防ぐ手法であ
る。このTd の遅延を加える技術は公知例6および7に
開示されている。
【0131】リファレンス・トリガ周期(ホールド周
期)Trrの計測について説明する。同期信号52または
ホールド信号51の周期を求めるに当り、まずトリガ周
期Ttを一定とし、さらにシステムの時間計測誤差をゼ
ロとして説明する。
【0132】図6は、(b)のトリガ2の入力と(c)
のクロック3の時間関係を基に、本発明のリファレンス
・トリガ周期Trrの計測する方法を表している。測定さ
れる図示されてはいない信号に同期した(b)のトリガ
2の周期はTt 、(c)のクロック3の周期はTc であ
る。
【0133】同期回路100への入力である(d)のホ
ールド信号51がホールド・タイミングh0で“1”か
ら“0”になった後に最初に入力するトリガ2をリファ
レンス・トリガRT1とする。リファレンス・トリガR
T1が印加されると、同期回路100は(a)の同期信
号52を発生する。
【0134】同期信号52を受けたタイムベース200
はホールド信号51を“0”から“1”に変えて同期回
路100へ印加し、リファレンス・トリガRT1より後
のトリガ2の受け入れを禁止する。リファレンス・トリ
ガRT1とその後に印加される(c)のクロック3の最
初のクロック・タイミングc1との時間差の測定とポス
トトリガ収録におけるクロック3の計数(c1〜3)を
実行する。リファレンス・トリガRT1と直後のクロッ
ク3のクロック・タイミングc1までの期間はTs1 、
クロック・タイミングc1から時間差Ts1 の測定とポ
ストトリガ収録の2つの作業が終了するまでのc1から
5の期間をTm1(Tm1はTc の倍数)とする。
【0135】時間差Ts1 の測定とポストトリガ収録の
2つの作業が終了すると、マイクロプロセッサ40はT
m2(Tm2はTc の倍数)のc5から8の期間にわたり
時間差Ts1 の計測データとポストトリガ収録データの
処理を行う。このデータ処理が終了すると、タイムベー
ス200は予め設定されたプリトリガ収録期間のクロッ
ク3の数の計数をTm3(Tm3はTc の倍数)のc8か
ら11の期間にわたり行う。この期間が経過すると、タ
イムベース200は、Td(=Tc−Ts1) の遅延時点
であるホールド・タイミングh1においてホールド信号
51を“1”から“0”に変化させる。そこでTm4 の
c11から13の期間において、新たにクロック3の計
数が開始される。
【0136】ホールド・タイミングh1の後、最初に入
力するトリガ2のリファレンス・トリガRT2で再びホ
ールド信号51が“1”になると、タイムベース200
はクロック3の計数を停止し、Tm3 終了時点からリフ
ァレンス・トリガRT2直後のクロック・タイミングc
13発生時点までをTm4 としてマイクロプロセッサ4
0に送出する。Tm3とTm4の期間は、プリトリガ収録
処理がなされる。
【0137】リファレンス・トリガRT1と2の期間を
Trr1と表す。Trr1はRT1でホールド信号51が
“0”から“1”に変化して、次のRT2で“0”から
“1”に変化する迄のホールド周期に等しい。ホールド
信号51が“1”であるホールド期間をTmhとすると、
次式となる。 Tmh=Ts1+Tm1+Tm2+Tm3+(Tc−Ts1) すなわち、 Tmh=Tm1+Tm2+Tm3+Tc (5)
【0138】ここで、式(5)から、Tm1〜3は、そ
れぞれTcの倍数であるから、ホールド期間Tmhもクロ
ック周期の倍数である。リファレンス・トリガ周期Trr
1は、動作原理上トリガ周期Tt およびTmhを用いて次
式で表され、Tmhが一定であるから、Tt が一定であれ
ば、Trr1は一定となる。 Trr1=Tt ×Ceiling[Tmh/Tt] (6) 但しCeiling[x]は、x以上で最小の整数である。
【0139】一方Trr1は、Tm1、Tm2、Tm3、Tm
4と補間時間となる時間差データTs1およびTs2を用
いて次式で表される。式のTrr1およびNm×Tcが一定
であるから、相連続する補間時間の差分δTsn は一定
であることがわかる。Nmはリファレンス・トリガ周期
Trr中のクロック数である。 Trr1=Ts1+Tm1+Tm2+Tm3+Tm4−Ts2 すなわち、 Trr1=Nm×Tc−δTs1 (7) 但し、δTs1=Ts2−Ts1, Nm=(Tm1+Tm2+Tm3+Tm4)/Tc
【0140】図7および図8には本発明におけるクロッ
ク周期Tc の設定プロセスを示している。図7および図
8はそれぞれ図46および図47に対応している。ここ
で、図7(c)および図46(c)の信号1の周期は同
じであり、(a)および(b)のクロック周期Tc は、
図7においては図46の0.986 倍に縮小されている。こ
れは、本発明により、クロック周期を制御した結果であ
る。
【0141】図7は、本発明による等価時間コヒーレン
ト・サンプリングにより、再現波形を得るためのタイム
・チャートを示している。(a)はサンプリング用のク
ロック3を、(b)は(a)のクロック3の後に続くク
ロック3’が示されている。(c)には測定される信号
1が示され、太線で示した波形の立上りで参照用のリフ
ァレンス・トリガRTである同期信号(図示されてはい
ない)が発生していることを示している。
【0142】(c)の信号1のリファレンス・トリガR
T1の直後の(a)のクロック3のクロック・タイミン
グc1でサンプル・ポイントSP1−1のデータが収容
され、(d)の表示波形のように表示される。クロック
・タイミングc2でサンプル・ポイントSP1−2のデ
ータが収容され、(d)の表示波形のように表示され
る。
【0143】(a)のクロック・タイミングc13は
(b)のクロック・タイミングc1’に対応しており、
リファレンス・トリガRT2直後のクロック・タイミン
グc14(又はc2’)でサンプル・ポイントSP2−
1のデータが収容され、(d)の表示波形のように表示
される。これらSP1−1,−2とSP2−1,の3個
のデータは、2つの波形から得たものであるが(d)の
表示波形のように合成されると、1つの波形から収録さ
れたものと等価となる。
【0144】合成された(d)の表示波形の立上り部は
リファレンス・トリガRT1または2に対応している。
RT1とその直後のクロック・タイミングc1との時間
差がTs1 であり、RT2とその直後のクロック・タイ
ミングc14(又はc2’)との時間差がTs 2であ
る。
【0145】RT1とRT2の間のリファレンス・トリ
ガ周期Trr1は、δTs1=Ts2−Ts1 とすると、 Trr1=12×Tc+Ts1+Tc−Ts2=12×Tc−
δTs1+Tc
【0146】同じく、RT2とRT3の間のリファレン
ス・トリガ周期Trr2は、δTs2=Ts3−Ts2とす
ると、 Trr2=12×Tc+Ts2−Ts3=12×Tc−δTs
2 である。
【0147】図示されたタイミングでは、 δTs1=Ts2−Ts1=5/8×Tc δTs2=Ts3−Ts2=−3/8×Tc となり、δTs1とδTs2の値が異るように見える。し
かしTc とδTs2との差を改めてδTs2とおくなら
ば、これはδTs1に等しくなる。同図において、Trr
1=Trr2となっていることからも理解することができ
るであろう。
【0148】図8には、図7(d)の表示波形と、リフ
ァレンス・トリガRTおよびサンプル・ポイントSPの
データを収容する波形メモリの多くのビン(BINs )
の関係が示されている。ここでは、δTs =−3/8×
Tc となるように信号1とクロック3の周期が設定され
ている。上向きの矢印はクロック3(又は3’)のクロ
ック・タイミングcを、横向きの矢印は時間差Ts を表
している。クロック周期Tc の間に8個のビン(BIN
s )が用意されている。すなわち、Tc /8が時間分解
能であり、8個のビン(BINs )のすべてにデータが
収容されれば、波形抜けは発生しない。
【0149】時間の経過とともにリファレンス・トリガ
RT1〜RT8の発生は続く。図8のリファレンス・ト
リガRT4〜8は図7には示されてはいないが、RT3
以降に引き続いて発生している。図8の信号1の黒丸
は、11個の各RT以降、約1.5×Tc の期間にわた
って発生するクロック3によりサンプリングされた信号
1の振幅の瞬時値であり、あたかも1つの波形として等
価時間サンプリング方法で合成し再現されている。
【0150】図8において、8個のビンの総べてに丸印
のように波形データが満たされ、かつ、各ビンには複数
個のクロック3が重畳して対応していない。すなわち、
図47の場合と異り重複することも、波形抜けとなるこ
ともない。本発明によって実現される等価時間サンプリ
ングにおけるコヒーレント・サンプリングでは信号1の
整数倍であるリファレンス・トリガ周期に対して、図
7,8に示した状態となるようにクロック3の周期Tc
を制御している。8回のリファレンス・トリガRT1〜
8の発生でクロック周期Tc 間の8個のビンに対応する
信号1の瞬時値が過不足なくサンプリングされる状態が
得られる。
【0151】時間分解能をTc /8とするとき、図7お
よび図8以外のクロック周期でもコヒーレント・サンプ
リングを実行することができる。これはδTs =−1/
8×Tc(7/8×Tcと同等) 、−5/8×Tc(3/
8×Tcと同等) 、−7/8×Tc (1/8×Tcと同
等)となるようクロック周期が設定された場合で、Tc
に掛け算する係数の分母(ビン数)が8、且つ分子と分
母が互いに素となる場合である。
【0152】容易に推察できるように、δTs =−1/
8×Tc(若しくは7/8×Tc)では、図7および8の
8個のビンに対応する波形瞬時値は右から左へ順にサン
プリングされ、δTs =−7/8×Tc(若しくは1/
8×Tc) では逆に左から右へ順にサンプリングされ
る。
【0153】図7および8に述べた例を一般化すると、
以下のようになる。クロック周期Tc 間の表示されるべ
きデータ数、すなわち、ビン数をMとすると、コヒーレ
ント・サンプリングとなるためにはリファレンス・トリ
ガ周期Trrとクロック周期Tc 間に次式が成立すればよ
い。
【0154】 Tc =Trr/(Y+X/M) (8) 但し、X<Mで、XとMは互いに素 Yは1つのリファレンス・トリガ周期Trr間に含まれる
クロック3の周期数である。また、Mを2の累乗とすれ
ばMとXは“互いに素”を満足すればよいので、Xは奇
数となる。XとYを特定値に確定するためには、Tc の
リファレンス値Tcrを定め、設定されるTc を極力Tcr
に近い値に選ぶようにすれば、Xの値は特定される。
【0155】図9にはクロック周期Tc の決定プロセス
を示している。(a)の信号1と(b)のクロック3は
図46と同一であり、ここではTc のリファレンス値T
cr=1として、信号1の周期Tt を2.0537 、クロック
3の周期Tc を1.01 として描いている。いまリファレ
ンス・トリガ周期Trr中に含まれるクロック3の発生回
数と時間差Ts1およびTs2を測定することで、正確な
Trr値12.322 が得られるとする。
【0156】ここで、RT1とRT2の間には6個の繰
り返し信号1が含まれるので、TrrはTt の6倍、すな
わち12.322 である。一旦Trr値が確定したところで、
クロック3の代わりにその値がTcrである、(c)のリ
ファレンス・クロックRCを考える。これはTc が1に
規格化され、かつRT1の発生時点に発生する仮想クロ
ックである。
【0157】リファレンス・トリガRT1から2迄のリ
ファレンス・トリガ周期Trr中に含まれるリファレンス
・クロックRCの数Yは、Floor[Trr/Tcr]=Flo
or[12.322/1]=12 となる。一般化すれば、式
(8)に対応するリファレンス・クロックの数Yは、次
式となる。 Y=Floor[Trrn/Tcr] (9) 但しFloor[X]は、x以下で最大の整数である。
【0158】図10にはリファレンス・トリガRT1に
一致したt=0のリファレンス・クロックRCから数え
てt=12と13の周辺部の拡大したものが示されてい
る。(a)には図9(a)の信号1のt=12から13
の周辺の波形が示されている。(b)には図9(c)の
t=12から13の周辺のリファレンス・クロックRC
が示されている。(c)にはリファレンス・クロックR
Cの1周期Tcrの間を8個のビンの幅で分解した1/8
×8の期間を示している。(d)には(c)の1/8×
8の期間を8倍した1×8の期間を示している。
【0159】リファレンス・クロックRCはリファレン
ス・トリガRT1と同じ時点t=0で発生しているの
で、もしRT2が“奇数/8”のビンの境界時点で発生
すれば前述したδTs は“奇数/8”となり、リファレ
ンス・クロックRCは信号1に対しコヒーレント・サン
プリングを実行することができる。しかし、リファレン
ス・トリガの発生時刻は12.322 であり、Tcr=1に対
するδTs は0.322 (=Mod[12.322,1])である。δ
Ts ≠奇数/8であるから、コヒーレント・サンプリン
グ状態にはない。ここで、Mod[m,n]は、mのnに
よる商の剰余である。
【0160】コヒーレント・サンプリング状態となるた
めには、クロック3の周期がTcr=1から僅かにずれ、
t=12.322 の時点がビン“奇数/8”の境界となれば
よい。図10から明らかなように、この境界は3/8で
あり、クロック3が僅かに左側にずれる、すなわち、T
cr=1より周期が短くなれば最適値となることを示して
いる。
【0161】最適値を求めるには、δTs =0.322(=
Mod[12.322,1])を8倍し、それに最も近い奇数を求
めれば良い。0.322×8=2.576 であるから、求める数X
は図10(d)に示すように(c)の値を8倍し、Ceil
ing [X]を求めると、3となる。このXと式(9)で
求めたYを式(8)に代入し、Tc =12.322 /(12+
3/8 )=0.995717 を得る。
【0162】この値のTc のクロック3を用いるならば
コヒーレント・サンプリングをすることができ、8個の
ビンに重複することも、波形抜けすることもなく、波形
データを収容することができる。
【0163】図11には図9(a)の信号1の周期を2.
0537 から2.0642 に変えて、設定するクロック3の周期
がTcr=1より長くなる例を示している。(a)には図
9(a)の信号1のt=12から13の周辺の波形が示
されている。(b)には図9(c)のt=12から13
の周辺のリファレンス・クロックRCが示されている。
(c)にはリファレンス・クロックRCの1周期Tcrの
間を8個のビンの幅で分解した1/8×8の期間を示し
ている。(d)には(c)の1/8×8の期間を8倍し
た1×8の期間を示している。
【0164】リファレンス・トリガRT2の発生時点は
信号1の周期の6倍の12.3845 である。この時δTs =
0.3845 (=Mod[12.3845,1])であり、δTs の8倍
の値は3.076 となる。コヒーレント・サンプリング状態
となるためには、t=12.3845 の時点にビンの境界3/
8(X=3)があれば良い。このためにはクロック3が
3/8よりも僅かに右側にずれる、すなわち、Tcr=1
より周期が長くなれば最適値となることを示している。
最適値を求めるには、式(8)に代入し、Tc =12.384
5 /(12 +3 /8 )=1.00076768 を得る。
【0165】ここに得たTc の値が、リファレンス・ク
ロック周期Tcrよりも長くなるか、短くなるかは、δT
s を8倍した値のCeiling、すなわち(d)の Ceiling[δTs ×M]=Ceiling [Mod[Trr,1]
×M] の値で判断すれば良い。図9(a)の信号1の周期Tt
を2.0537とした図10の例では、図10(d)のように
Ceiling [Mod[12.322,1 ]×8 ]=3 と奇数とな
り、Xにはこの値3を用いる。
【0166】図11には、信号1の周期Tt を2.0641
とした例を示している。Ceiling [Mod[12.3845,1
]×8 ]=4 と偶数になる。この時は、Floor[Mod
[12.3845,1 ]×8 ]=3 を(d)のようにXの値とす
る。
【0167】そこで、Xの値を得る過程を式で表すと、 X=Ceiling[Mod[Trrn,Tcr]/Tcr×M] (10) 但し、Ceiling [Mod[Trrn,Tcr]/Tcr×M]が奇数の時 X=Floor[Mod[Trrn,Tcr]/Tcr×M] (11) 但し、Ceiling [Mod[Trrn,Tcr]/Tcr×M]が偶数の時
【0168】式(7)によりTrrn(式(7)ではn=
1)、式(9)と式(10)(あるいは式(11))に
よりXとYが求められ、これらの値を式(8)に代入す
ると、コヒーレント・サンプリング状態となるクロック
周期Tc が求められる。
【0169】以上の説明から明らかなように、コヒーレ
ント・サンプリング状態を得るように設定されるクロッ
ク周期は、Trrの時間を経過した後にTcr/M以下のず
れを発生するだけ良い。リファレンス・クロック周期T
crとの差分(ずれ)をδTcとすれば、 δTc≦(Tcr/M)/Trr<(1/M)×(Tcr/Tm
h) 但し、Tmhは式(5)(図9)に示すホールド期間であ
る。M=1024、Tmh/Tcr=10 を仮定すれば、クロッ
ク周期Tc の変化は0.0001以下でよいことがわかる。
【0170】図12にはクロック周期Tc を変化させる
回路構成の1例が示されている。新たなクロック周期T
c を設定するときは、データ・バス46を介してマイク
ロプロセッサ40よりD/A変換器301にデータが送
られる。D/A変換器301は新たなデジタル・データ
を受け、その電流出力を変化させる。
【0171】この出力変化はオペアンプ304と抵抗3
03で電圧変化に変換され、電圧制御型の水晶発振器
(Voltage Controlled Crystal Oscillator 略してVC
XO)制御端子に入力される。VCXO305の内部の
バリキャップ(可変容量)に制御端子の電圧変化が伝達
されるとVCXO305の出力周波数が変化し、所望の
クロック周期のクロックを得ることができる。
【0172】VCXOの例として、たとえば出力周波数
が10〜100 MHzであれば日本電波工業(NDK)のM
odel-7130A、600 MHz帯であれば、Model-7164Aが
あり、制御端子の±2.5Vの変化で、出力周波数を±0.0
001 以上変化させることができる。
【0173】測定時間分解能について説明する。図9〜
11を用いたリファレンス・トリガ周期Trrは正確に求
めるという仮定のもとに説明した。時間差である補間時
間Ts の測定時間分解能が無限小であれば、この仮定は
満たされるが、現実に測定できる補間時間は有限であ
り、時間領域のデジタル・データの収録では、一般に、
時間分解能Tc /Mを持つ。その結果、リファレンス・
トリガ周期Trrの時間測定には、最大でTc /Mの量子
化誤差が発生する。
【0174】一方、式(8)で表現される奇数Xに対し
て整数(X−1)と(X+1)は偶数となり、波形抜け
を発生する。図41〜44において示したTc =10 ×
(1+8/M) 、および10×(1+32/M)は、この波形
抜けを生ずる場合を示した。Xを奇数値近傍に設定する
には、 (Trr測定誤差)<<Tc /M を満足することが必要となる。
【0175】この問題の解決法として、Trrを複数であ
るm回測定し、平均を計算してシステムの持つ時間分解
能をm1/2 倍に高める方法は容易に考えられるが、それ
よりも効率的に時間分解能を高める方法があるので、そ
れについて説明する。それは、m個の連続するTrrを累
積することにより測定誤差を1/mに軽減することがで
きる方法である。信号1の周期Tt を2.0537とし、クロ
ック3の周期を1、時間分解能を1/8とする例で説明
する。
【0176】図13〜図16を用いて、測定時間分解能
を向上せしめる方法を説明する。これらの図13〜図1
6は図10および11と対応している。(a)には図9
(a)の信号1のt=12から13の周辺の波形が示さ
れている。(b)にはクロック3が示されている。
(c)にはクロック3の1周期の間を、8個のビンで分
解して0/8〜7/8の期間を示している。この時間分
解能は1/8である。
【0177】式(7)より、Trrn=N×Tc−((Ts
n+1)−Tsn)であり、量子化誤差はTsnの測定時
に発生する。図13のリファレンス・トリガRT2はt
=12.322で発生するが、時間分解能は1/8であるか
ら、RT2とt=12の間で発生するクロック3の時間
差(Tc−Ts2)は2/8と計測される。RT1はt=
0で発生しているのでTs1=0であり、Trr1=12
+2/8を得る。Trrの真値12.322に対し、2/8 −0.32
2=−0.072 の誤差が発生する。
【0178】図14は、t=24.644で発生するRT3と
クロック3のタイミングを示している。Tc−Ts3は真
値0.644 に対し5/8と測定されるのでTrr2=12+
(5/8−0.644)−(2/8−0.322)となり、5/8−2/8−
0.322=0.053の誤差が発生する。
【0179】図15および図16はそれぞれRT4とR
T5に対するクロック3のタイミングが示されており、
図15においてTrr3では(7/8−0.966)−(5/8−0.6
44)=−0.072の誤差が、図16においてTrr4では(2
/8−0.288)−(7/8−0.966)=0.053の誤差が発生す
る。
【0180】図17は、図13〜図16で説明したリフ
ァレンス・トリガ周期Trr1〜Trr4迄の測定誤差を図
示したもので、Trr1に示す負の誤差はTs2 測定時に
おける量子化誤差QE、Trr2に示す負の誤差はTs3
測定時の量子化誤差である。一方、Ts2 の量子化誤差
はTrr2測定時に逆符号である正の誤差となって加わ
り、この2つの誤差の差分がTrr2の量子化誤差QEと
なる。以下Trr3、Trr4も同様である。
【0181】図18には、図17に示したTrr1〜Trr
4の測定結果を累積した値をLTrrとすると、図18に
示すように、Ts2〜Ts4測定時に発生する量子化誤差
QEは相殺され、LTrrにはTs5 測定時の量子化誤差
2/8−0.288だけが残る。このLTrrを、累積したTrrn
の測定回数mで割ってTrrを求めると、Trr=LTrr/
4 =12.322+(2/8−0.288)/4 となり、量子化誤差を
1/4に軽減することができる。
【0182】なお、コヒーレント・サンプリング状態を
満足するクロック周期Tc =Trrn/(Y+X/M)に
対し、もしクロック3の周期がTc =Trrn/(Y+X
/M’)但しM’<M、と設定されると、M’個のデー
タを得るコヒーレント・サンプリング状態となり、サン
プリングを継続してもM個のビンを埋めるデータは収録
できず、波形抜け現象を発生する。
【0183】Mに最も近いM’はM−1であり、Abs
[X]はXの絶対値を表すならば、Abs [1/M−1
/(M−1)]=1/(M×(M−1))>1/M2
あるから、クロック3の周期Tc の設定精度が1/M2
以下になれば、波形抜けは起こさない。いま、累積回数
mをMとすれば、その時の誤差は、1/M(1回のTrr
測定精度)×1/M(累積による誤差低減)=1/M2
である。故に累積回数m≧M(Tc を分割するビンの
数)を満足させれば良い。
【0184】これまでの説明では、信号1の繰り返し周
期と一致しているトリガ周期Tt を一定と仮定してい
た。しかし、動作説明や同期周期の計測で明らかにした
ように、本発明は信号1からピックオフするトリガを基
に時間差Ts を得ているので、信号1の周期Tt が揺ら
いでいてもTrrあるいはLTrrはシステム時間分解能T
c /Mで計測できる。このため、トリガ周期Tt に揺ら
ぎがある場合は、LTrrを測定期間内の同期信号51の
平均周期Trrのm倍と捉えれば良い。
【0185】またδTsをm回累積した値をδLTsとお
けば、 (δLTs/m)/Tcr=Mod[(LTrr/m)/Tcr,1] =Mod[LTrr/m,Tcr]/Tcr であるから、連続するリファレンス・トリガ周期Trrを
m回累積した累積期間LTrrの値を用いる場合には、式
(8)〜(11)は、 Tc =(LTrr/m)/(Y+X/M) (8’) Y=Floor[(LTrr/m)/Tcr] (9’) X=Ceiling[Mod[LTrr/m,Tcr]/Tcr×M] (10’) ただしCeiling[Mod[LTrr/m,Tcr]/Tcr×M]が奇数の時 X=Floor[Mod[LTrr/m,Tcr]/Tcr×M] (11’) ただしCeiling[Mod[LTrr/m,Tcr]/Tcr×M]が偶数の時 となる。
【0186】クロック周期Tc の設定プロセスについて
説明する。図2のタイムチャートでは、マイクロプロセ
ッサ40が次の動作をすることを説明した。 1.データ転送 2.リファレンス・トリガ周期Trrの計測と累算 3.クロック周期Tc 変更の判断 4.アクイジション・スタート信号55の発生と遅延時
間Td(=Tc−Ts )の設定
【0187】マイクロプロセッサ40は、リファレンス
・トリガ周期Trrの累積値LTrrを基に、クロック3の
周期がコヒーレント・サンプリング条件を満足している
か否かを判断した後、もし条件を満足していない時はコ
ヒーレント・サンプリングとなるクロック3の周期を演
算して、新たなクロック周期Tcを設定する動作をす
る。
【0188】図19ないし図26には、この累積値LT
rrを得るためのTrrの累積回数mを4として、コヒーレ
ント・サンプリングを実行するクロック3の周期Tc の
設定プロセスを一連のタイムチャートで示している。
【0189】図19ないし図26において、(a)はト
リガ2を、(b)はトリガ2に同期して得た同期信号5
2を(c)はプリトリガPreTrgの期間を、(d)はポ
ストトリガPstTrgの期間を、(e)はLTrr を得る
タイミングとその値を、(f)はデータ転送DTRのタ
イミングを(g)はリファレンス・トリガ周期Trrを演
算および加算処理によって得るタイミングを、(h)は
クロック周期Tc を設定するタイミングTcSet を、
(i)および(j)はマイクロプロセッサ40内で使用
されるフラグFlag 1および2のタイミングを表してい
る。
【0190】(i)のフラグFlag 1はアクイジション
・スタート信号55の発生前にクロック周期Tc の設定
が行われたことを示す。(j)のフラグFlag 2は、マ
イクロプロセッサ40がキャリィ56をデータ・バス4
6を介してタイムベース200から受けたことを示して
いる。(f),(g),(h)において上向きの矢印は
アクイジション・スタート信号55のタイミングを表し
ている。
【0191】データ収録動作を開始するとマイクロプロ
セッサ40はクロック3(図示せず)の初期値として、
クロック・タイミングTc0 を設定する。またデータ収
録の時間窓とトリガ2の入力時刻に対する時間窓、すな
わち、図45で説明したプリトリガとポストトリガの時
間位置を定めるTc0 に対応するプリトリガのプリトリ
ガ値Npre とポストトリガのポストトリガ値Npst を計
算し、図3のプリトリガ・カウンタ206とポストトリ
ガ・カウンタ204にプリセットする。プリトリガ値N
pre とポストトリガ値Npst の算出法については図45
により、説明した。
【0192】動作開始時に、マイクロプロセッサ40内
に設けられた2個のリファレンス周期Trrを記憶する内
部メモリMLTrr-a,MLTrr-b,および時間差Ts
を記憶する2個の内部メモリMTs-a,MTs-b(いず
れも図示せず)に値0をプリセットする。 各プリセッ
ト動作は、クロック3が安定する時点t1(図19)迄
に終了させる。
【0193】クロック周期Tc が安定する時点t1でマ
イクロプロセッサ40はアクイジション・スタート信号
55を(h)の上向き矢印の時点で発生するとともに、
(i)のFlag 1を“1”にする。このフラグFlag 1
はアクイジション・スタート信号55の発生前にクロッ
ク周期Tc の設定が行われたことを示している。
【0194】データ収録動作は、図19ないし26の
(c)で矢印で示された期間にわたって続けられ、この
期間が終了すると、ホールド信号51(図示せず)を
“0”とし、ホールドオフにする。この最初のPreTrg
期間t1ないしt2の直前迄の矢印の期間は、プリセッ
トしたプリトリガ値Npreと内部メモリMTs-aのデー
タ(=0)に従い、Npre×Tc0+Tc0−(MTs-a
値)となっている。
【0195】(c)のプリトリガPreTrg期間が過ぎる
と、その後の最初の(a)のトリガ2(周期をTt1 と
する)の入力時点t2で(b)の同期信号52が発生
し、その後(d)の矢印で示した時点t2からt3まで
のポストトリガPstTrg期間にわたりデータ収録と時間
差Ts1-1(t2時点と、以降最初のクロック3との時
間差)(いずれも図示せず)を測定する。この(d)の
最初のポストトリガPstTrg期間(t2〜t3)は、デ
ータ収録が時間差Ts1-1の測定時間より長い場合は、
プリセットしたポストトリガ値Npst とTs1-1で定ま
り、Npst×Tc0+(Ts1-1)である。データ収録時
間よりTs1-1の測定時間が長い場合は、図2に示すご
とく、Ns×Tc0+(Ts1-1)である。
【0196】時点t3で(d)のPstTrg期間が終了す
ると、マイクロプロセッサ40は(f)のデータ転送D
TR期間(t3〜t4)で、PreTrg開始からPstTrg
終了迄(t1〜t3)に捉えられた収録データとそれら
に対応する時間情報を波形メモリ50(図1)に転送す
る。同時に時間差Ts を記憶している内部メモリMTs-
aのデータ(初期値0)を移行し、MTs-aには測定し
たTs1-1を格納する。この結果2番目のプリトリガP
reTrg期間の終了は時間差Ts1-1に従って決定され
る。
【0197】時点t4で(f)の“データ転送DTR期
間”が終了すると、マイクロプロセッサ40は2番目の
アクイジション・スタート信号55を上向き矢印のよう
に発生し、データ収録動作は、(c)のプリトリガPre
Trgで矢印で示された期間にわたり再開される。一方マ
イクロプロセッサ40は、図3のタイムベース200と
協力してリファレンス・トリガ周期Trr1-0を、Npre
+Npst+Nd+Nc=Nm とおいて、式(7)の(Np
re+Npst+Nd+Nc)×Tc0−δTs1 に従って計
算する。
【0198】δTs1=(Ts1-1)−(Ts1+0)で
ある。ここで、式(7)では、 Tc0=Tc (Ts1-1)−(Ts1-0)=δTsn と表されている。
【0199】プリトリガ値Npreとポストトリガ値Npst
はプリセットされた値であるから既知である。データ転
送用クロック数Ndも既知である。クロック期間計数値
NcはプリトリガPreTrg終了時点とポストトリガPst
Trg開始時点t2間のクロック3の発生回数で、図3の
ピリオド・カウンタ207で計測されている。時間差T
s1-0は内部メモリMTs-b に格納されたデータで初
期値0、Ts1-1はMTs-a に格納された値である。
【0200】リファレンス・トリガ周期Trr1-0の演
算終了時点t5で(i)のFlag1をチェックし、Flag
1=1であればTrr1-0=0を、Flag=0であればT
rr1-0の計算値を内部メモリMTs-a のデータに加算
する。ここではFlag1=1であるから0をMLTrr-a
のデータ値0に加え、累積データ=0を得る。Flag1
を0にリセットし、加算回数=0をセットする。この加
算動作の実行は、次のデータ転送開始時点t6以前に終
了する。
【0201】時点t1〜t3のデータ収録動作とt3〜
t4のデータ転送動作がt4〜t7で繰り返される。時
点t7でマイクロプロセッサ40は、 Trr1-1=(Npre+Npst+Nd+Nc)×Tc0−δT
s2 を計算後、(i)のFlag1=0なので、この値を内部
メモリMLTrr-aに加算し、累積データLTrr1-1を
得る。そこで、加算回数を1にインクリメントする。こ
こで、−δTs2 =(Ts1-1)−(Ts1-2)であ
る。
【0202】時点t7〜t8でデータ収録動作とデータ
転送動作が繰り返されると、時点t8でマイクロプロセ
ッサ40は、Trr1-2=(Npre+Npst+Nd+Nc)
×Tc0−δTs3を計算し(i)のFlag1=0なので
この値をMLTrr-a に加算し、累積データTrr1-1
+Trr1-2を得る。加算回数を2にインクリメントす
る。
【0203】時点t8とt9、および時点t9とt10
(図20)でも同様に動作し、それぞれ加算回数=3と
4、MLTrr-aの累積データ値として、Trr1-1+T
rr1-2+Trr1-3とTrr1-1+Trr1-2+Trr1-
3+Trr1-4を得る。
【0204】時点t11でMLTrr-aにTrr1-4の加
算が完了すると、マイクロプロセッサ40は加算回数=
4を受けてクロック3の周期Tc を変更すべきか否かの
チェックに入る。そこで、MLTrr-aとMLTrr-bの
データ値の差分δLTrrを求める。
【0205】MLTrr-aのデータは、(Trr1-1)+
(Trr1-2)+(Trr1-3)+(Trr1-4)、ML
Trr-b=0であるから、δLTrr=(Trr1-1)+
(Trr1-2)+(Trr1-3)+(Trr1-4)であ
る。もしδLTrr がTc0/4以下であればデータ収録
を続行し、δLTrrがTc0/4より大きければ、クロ
ック3の周期Tc0を変更するとの判断を、(h)の斜
線部の期間に行う。
【0206】δLTrrは明らかにTc0/4より大き
く、“クロック周期Tc0は変更する”と判断すると、
内部メモリMLTrr-aのデータをMLTrr-bに移行
し、MLTrr-aのデータ値と加算回数を0にリセット
する(LTrr2=0)。クロック周期Tcを変更すると
判断したマイクロプロセッサ40は、時点t12以降、
MLTrr-b内のLTrr1の値から、コヒーレント・サ
ンプリング状態となるクロック3の周期Tc1 を(h)
の“Tc1演算”期間に求める(t12〜14)。
【0207】時点t10から時点t13迄の(c)のプ
リトリガPreTrg とポストトリガPstTrgの矢印で示
した期間に収録されたデータの波形メモリ50への転送
は表示されていないが、t12〜t14のTc1 の演算
期間に転送することができる。また、使用するマイクロ
プロセッサ40が低速動作で“判断”に要する期間がデ
ータ転送開始時点t13を超えるようであれば、クロッ
ク周期Tc1 の設定を開始する時点t14迄データ収録
動作を実行し、収録効率を上げてもよい。時点t13
は、(i)のFlag1 =0、加算回数=0であるので、
時点t6(図19)に対応している。
【0208】新たに設定すべきクロック周期Tc1 の演
算が終了する時点t14で、マイクロプロセッサ40は
クロック発生器300に新たなTc1 値を送出し、以降
クロック3の周期Tc1 が安定する迄定められた期間の
計数を開始する。新たなTc1 値に対応するプリトリガ
値Npre とポストトリガ値Npst を計算し、プリトリガ
・カウンタ206とポストトリガ・カウンタ204にプ
リセットする。MLTrr-aのデータ値と加算回数を0
にリセットする(LTrr3=0)。
【0209】時点t14から時点t15のクロック周期
Tc1 の設定期間中はホールド信号51が“1”のまま
であり、アクイジション・スタート信号55を発生しな
いので、(b)の同期信号52の発生はない。クロック
周期Tc1 の設定のために定められた期間が経過する時
点t15で、マイクロプロセッサ40はアクイジション
・スタート信号55を発生し、新たに設定されたクロッ
ク3の周期Tc1 でデータ収録動作を再開する。
【0210】その後、時点t16迄は上述したt1〜t
10と同じ動作を繰り返し、MLTrr-aに(Trr3-
1)+(Trr3-2)+(Trr3-3)+(Trr3-4)
が蓄えられ、加算回数=4となる。一方内部メモリML
Trr-b には、(Trr1-1)+(Trr1-2)+(Trr
1-3)+(Trr1-4)が蓄えられている。
【0211】時点t16(図21)で内部メモリMLT
rr の値にTrr3-4の加算を完了すると、マイクロプロ
セッサ40は加算回数=4を受けて再びクロック3の周
期Tc の変更をするべきか否かの判断と設定((h)の
斜線部)に入る。内部メモリMLTrr-aとMLTrr-b
のデータ値の差分δLTrrを求める。
【0212】(a)のトリガ2の周期はTt1 と一定で
あるから、(Trr3-1)+(Trr3-2)+(Trr3-
3)+(Trr3-4)と(Trr1-1)+(Trr1-2)
+(Trr1-3)+(Trr1-4)は等しく、量子化誤差
範囲δLTrr≦Tc0/4である。Tc1≒Tc0である
が、Tc1≠Tc0なので、厳密にはRound[δLTrr/
(Tc0/4)]×(Tc0/4)を評価する。ここで、
Round[X]は、Xの四捨五入を示している。
【0213】δLTrrがTc0/4 以下なので、“デー
タ収録を続行”の判断をし、(h)のクロック3の周期
Tcの設定TcSstは(h)の時点t16に示すようにM
LTrr-a のデータ((Trr3-1)+(Trr3-2)+
(Trr3-3)+(Trr3-4))をMLTrr-bに移行
し、MLTrr-aのデータ値と加算回数を0にリセット
する(LTrr4=0)。
【0214】時点t16で“データ収録DTRを続行”
と判断すると、マイクロプロセッサ40は(d)のポス
トトリガPstTrg期間が終了する時点t17で(f)の
データ転送DTRを開始する。時点t18でデータ転送
が終了するとマイクロプロセッサ40は(g)の Trr4-1=(Npre+Npst+Nd+Nc)×Tc1+(T
s4-1)−(Ts4-2) を計算後、(i)のFlag 1=0なので、この値を内部
メモリMLTrr-aに加算し、累積データTrr4-1 を
得る。加算回数を1にインクリメントする。
【0215】時点t18は、時点t7(図19)に対応
している。時点t18から時点t19迄は、上述したt
7〜t11と同じ動作を繰り返し、内部メモリMLTrr
-aに(Trr4-1)+(Trr4-2)+(Trr4-3)+
(Trr4-4)が蓄えられ、加算回数=4となる。一
方、内部メモリMLTrr-bには、(Trr3-1)+(T
rr3-2)+(Trr3-3)+(Trr3-4)が蓄えられ
る。
【0216】時点t19で内部メモリMLTrr-aにTr
r4-4の加算が完了すると、マイクロプロセッサ40は
加算回数=4を受けて、クロック3の周期Tc1の変更
をすべきか否かの判断と設定に入る。内部メモリMLT
rr-aとMLTrr-bのデータ値の差分δLTrrを求め
る。
【0217】(Trr4-1)+(Trr4-2)+(Trr4
-3)+(Trr4-4)と(Trr3-1)+(Trr3-2)
+(Trr3-3)+(Trr3-4)は等しいので、δLT
rr≦Tc0/4である。
【0218】δLTrr≦Tc0/4以下なので、時点t
19以降の、(h)の斜線部期間に“データ収録を続
行”の判断をする。内部メモリMLTrr-aのデータ
((Trr4-1)+(Trr4-2)+(Trr4-3)+
(Trr4-4))をMLTrr-bに移行し、MLTrr-a
のデータ値と加算回数を0にリセットする(LTrr5=
0)。
【0219】時点t19までの説明では、時点t16以
降トリガ2の周期がTt1 と一定であるならば、マイク
ロプロセッサ40は4回のTrr値が加算された後“デー
タ収録を続行”と判断するので、クロック3の周期Tc
1は変更されない。この結果、データ収録動作はコヒー
レント・サンプリング状態でのデータ収録を実行する。
【0220】時点t19(図22)以降は、リファレン
ス・トリガ周期Trrの累積中に(a)のトリガ2の周期
が時点t22においてTt1からTt2へ変化する場合の
クロック3の周期Tc の設定プロセスを記している。
【0221】時点t22は、(a)のトリガ2の周期が
Tt1からTt2に変化する時点を示している。(b)の
同期信号52の周期Trr5-1とTrr5-2は、トリガ2
の周期がまだTt1なので、Trr4-4およびそれ以前の
値と同じ値3×Tt1である。時点t22でトリガ2の
周期が変化すると(c)のプリトリガPreTrg期間終了
時点t23と、その後の最初のトリガ2入力時点t24
の時間差が変化する。
【0222】その結果Trr5-3 はこれ迄の同期信号5
2の周期とは異なり、図22では2×Tt1+Tt2に変
化する。時点t24以降はトリガ2の周期が、Tt2 の
一定値になるので、同期信号52の周期であるリファレ
ンス・トリガ周期のTrr5-4以降の周期は、2×Tt2
と一定となる。
【0223】時点t19(図22)において“データ収
録を続行”が判断されると、マイクロプロセッサ40は
(d)のポストトリガPstTrg期間が終了する時点t2
0で(f)のデータ転送DTRを開始する。
【0224】時点t21でデータ転送が終了するとマイ
クロプロセッサ40は、 Trr5-1=(Npre+Npst+Nd+Nc)×Tc1+δT
s を計算後 、Flag 1=0なので、この値を内部メモリ
MLTrr-aに加算し、累積データTrr5-1を得る。こ
こで、 −δTs=(Ts5-1)−(Ts5-2) である。加算回数を1にインクリメントする。この時点
t21は、時点t7(図19)に対応している。
【0225】時点t21から時点t25迄は、上述した
t7〜t10と同じ動作を繰り返し、内部メモリMLT
rr-a に(Trr5-1)+(Trr5-2)+(Trr5-
3)+(Trr5-4)が蓄えられ、加算回数=4とな
る。一方、内部メモリMLTrr-bには、(Trr4-1)
+(Trr4-2)+(Trr4-3)+(Trr4-4)が蓄
えられる。
【0226】時点t25(図23)で内部メモリMLT
rr-aにTrr5-4の加算が完了すると、マイクロプロセ
ッサ40は加算回数=4を受けてクロック3の周期Tc
1の変更をすべきか否かの判断と設定に入る。内部メモ
リMLTrr-aとMLTrr-bのデータ値の差分δLTrr
を求める。
【0227】MLTrr-aのデータは、 (Trr5-1)+(Trr5-2)+(Trr5-3)+(Tr
r5-4)=8×Tt1+3×Tt2、 MLTrr-aのデータは、 (Trr4-1)+(Trr4-2)+(Trr4-3)+(Tr
r4-4)=12×Tt1 であるから、δLTrrは、Abs[3×Tt2−4×Tt
1] である。ここに、Abs[X]は、Xの絶対値であ
る。
【0228】δLTrrがTc0/4より大きいので、ク
ロック3の周期Tc1を変更する、との判断を時点t2
5以降の(h)の斜線部期間に行う。この判断は時点t
11(図20)の動作と同様にして行われる。たとえば
(a)のトリガ2の周期が時点t22〜24(図22)
のようにTt1からTt2に変化しても、δLTrr≦Tc
0/4であれば、クロック周期Tc1 は変更しない。こ
の判断後、MLTrr-aのデータをMLTrr-bに移行
し、MLTrr-aのデータ値と加算回数を0にリセット
する(LTrr6=0)。
【0229】ここで、クロック周期を変更すると判断し
た場合には、マイクロプロセッサ40は、時点t26以
降、式(8’)〜(11’)に従い、コヒーレント・サ
ンプリング状態となることのできるクロック3の新しい
周期Tc2 を(h)の“Tc2演算”期間内に求める。
【0230】新しい周期Tc2 を求める時点t26に始
まった演算が終了する時点t27で、マイクロプロセッ
サ40はクロック発生器300に新たなTc2 値を送出
し、以降はクロック3の周期Tc2 が安定する迄の定め
られた時点t27〜28の期間(Tc2 設定)の計数を
開始する。
【0231】新たなTc2 値に対応するプリトリガ値N
preとポストトリガ値Npstを演算し、その値をプリトリ
ガ・カウンタ206とポストトリガ・カウンタ204に
プリセットする。内部メモリMLTrr-aのデータ値と
加算回数を0にリセットする(LTrr7=0)。時点t
27からt28のTc 設定期間はアクイジション・スタ
ート信号55を発生しないので(b)に示す同期信号5
2の発生は、時点t26〜28の間はない。
【0232】新しいクロック周期Tc2 を設定し、その
定められた期間が経過する時点t28で、マイクロプロ
セッサ40はアクイジション・スタート信号55とクロ
ック周期Tc2の設定が行われたことを示す(i)のFl
ag 1=1 を発生し、新たに設定されたクロック3の周
期Tc2 でデータ収録動作を再開する。時点t28はト
リガ2の周期がTt1であった時のt1に対応している
(内部メモリMLTrr-bのデータ値が、これから累積
するLTrr値と異なるので、時点t15とは異る)。
【0233】時点t28以降、時点t29(図24,2
5)迄はクロック周期Tc2 に設定されたクロック3の
周期でデータ収録が続行され、時点t29(図25)で
マイクロプロセッサ40は加算回数=4を受けてクロッ
ク3の周期Tc の変更をすべきか否かの判断と設定に入
る。内部メモリMLTrr-aとMLTrr-bのデータ値の
差分δLTrrを求める。
【0234】内部メモリMLTrr-a のデータは、 (Trr7-1)+(Trr7-2)+(Trr7-3)+(Tr
r7-4)=8×Tt2 内部メモリMLTrr-bのデータは、 (Trr5-1)+(Trr5-2)+(Trr5-3)+(Tr
r5-4)=8×Tt1+3×Tt2 であるから、 δLTrrはAbs[5×Tt2−8×Tt1] である。
【0235】時点t29(図25)では、δLTrr が
Tc0/4より大きいので、クロック3の周期Tc2 を
変更する、との判断を(h)の斜線部において行う。内
部メモリMLTrr-a のデータをMLTrr-bに移行
し、MLTrr-aのデータ値と加算回数を0に(e)の
LTrrにおいてリセットする。
【0236】クロック周期Tc を変更する、と時点t2
9〜30において判断したマイクロプロセッサ40は、
時点t30以降、式(8’)〜(11’)に従い、
(b)の同期信号52に対してコヒーレント・サンプリ
ング状態となるクロック3の周期Tc3を演算する。
【0237】クロック周期Tc3 の演算が終了する時点
t31で、マイクロプロセッサ40は、クロック発生器
300に新たなクロック周期Tc3 の値を送出し、以降
クロック3の周期が安定する迄の定められた期間t31
〜32の間に新たなクロック周期Tc3 を設定するため
の計数を開始する。そのt31〜32の期間に、新たな
Tc3 値に対応するプリトリガ値Npreとポストトリガ
値Npstを演算し、プリトリガ・カウンタ206とポス
トトリガ・カウンタ204にプリセットする。
【0238】時点t32において、内部メモリMLTrr
-a のデータ値と加算回数を0にリセットする(LTrr
9=0)。なお、時点t30からt32のクロック周期
Tc3設定期間はアクイジション・スタート信号55を
発生しないので、(b)の同期信号52の発生はない。
【0239】新しいクロック周期Tc3 設定の定められ
た期間が経過する時点t32で、マイクロプロセッサ4
0はアクイジション・スタート信号55とクロック周期
Tc3の設定が行われたことを示す(i)のFlag 1=
1を発生し、新たに設定されたクロック3の周期Tc3
でデータ収録動作を開始する。時点t32はトリガ2の
周期TcがTt1である時のt15(図20)に対応して
いる。
【0240】時点t32以降は内部メモリMLTrr-b
には8×Tt2の値が保持されるので、トリガ2の周期
がTt2 から他の値に変化するまで、クロック3の周期
をTc3に保ったまま、コヒーレント・サンプリング状
態でデータ収録が続行される。
【0241】時点t32でデータ収録と時間差の測定動
作を開始し、測定した時間差Ts9-1,Ts9-2、およ
びクロック期間計数値Nc の値を基に、時点t35(図
26)でリファレンス・トリガ周期 Trr9-1=(Npre+Npst+Nd+Nc )×Tc3−δ
Ts を内部メモリMLTrr-aに加算する。ここで、 −δTs =(Ts9-1)−(Ts9-2) である。
【0242】(a)のトリガ2の時点t33(図26)
でトリガ2の周期がTt2からTt3に変化した場合を想
定する。時点t34は(c)のプリトリガPreTrg期間
の終了時点であり、以降、時点t37迄トリガ2の発生
がないので、ピリオド・カウンタ(Period Counter)
207は時点t37迄クロック3の発生回数であるクロ
ック期間計数値Nc を計数する。このクロック期間係数
値Nc は(c)のプリトリガPreTrg終了時点と(d)
のポストトリガPstTrg開始時点間のクロック3の発生
回数である。
【0243】しかし、ピリオド・カウンタ207でカウ
ントする値の最大値は有限であり、トリガ2の周期Tt
3が非常に長い場合は、計数最大値に達する時点t36
でキャリイ(carry )を発し、次のクロック3が発生す
ると計数値を0として、クロック3の発生回数のカウン
トを続行する。この結果、時点t37でマイクロプロセ
ッサ40には実際のクロック期間計数値Nc より小さな
値が転送される。一方時点t36でキャリイを受けたマ
イクロプロセッサ40は(j)のFlag2 に“1”を立
てる。
【0244】マイクロプロセッサ40は(a)のトリガ
2の周期Trr9-4(図示せず)の加算が終了すると、
新たなクロック周期Tc の設定をするか否かの判断動作
に入るがこの時、Flag2 =1であれば内部メモリML
Trr-aとMLTrr-bのデータ値の差分δLTrr の如
何に拘らず、“データ収録を続行”と判断し、クロック
周期Tc の設定を行わない。これは時点t16(図2
1),時点t19(図22)と同一のプロセスである。
【0245】時点t34から37までのピリオド・カウ
ンタ207のカウント値の最大値について例を挙げて説
明する。
【0246】リファレンス・トリガ周期Trrを測定する
目的はクロック3の周期Tc をM個のビン(BIN)に
分割し、コヒーレント・サンプリング状態を実現するこ
とにある。このためクロック周期Tc を設定してから長
時間経過した後のクロック3の周期Tc の累積揺らぎ
(ランダム・ウォーク、酔歩)量が平均クロック周期の
1/2を超える場合コヒーレント・サンプリング状態は
失われるから、クロック3の周期をコントロールする意
味がなくなる。
【0247】ここで、図12で電圧制御発振器VCXO
305の周波数(周期)安定度は、±30×10-6程度
である。この値をFL=(揺らぎの分散)1/2 とし式
(4)のrndm に適用すると、累積揺らぎ量(ランダム
・ウォーク)がTc/2になるtは大略下式で表現され
る。 (2×30×10-6 ×Tc1/2)×t1/2=Tc/2 整理すると、t/Tc=108 /1.44≒64×106
得る。これよりピリオド・カウンタ207に26bit の
カウンタを用い、もしキャリィが発生するようであれ
ば、クロック周期Tc の1/2を超える累積揺らぎが発
生しているとみなし、クロック3の周期Tc のコントロ
ールを行わない。
【0248】この値は信号1あるいはトリガ2に揺らぎ
がないと仮定した値であり、実際には更に低いbit のカ
ウンタで十分である。またm=M回のTrr測定期間に亘
る揺らぎ量がTc /2に達すればよいので、M=1000
であれば、t/Tc≒64×106 /M=64×1
5 、すなわち23bit のカウンタで済む。
【0249】図27および図28には信号1の周期(周
波数)に揺らぎがある場合のデータ収録を本発明による
コヒーレント・サンプリングによりシミュレーションし
た例を示している。図27は、従来のコヒーレント・サ
ンプリングによる図37と同じく揺らぎ率FL=0.01
の場合を示している。縦軸は振幅Aを横軸は時間tを示
している。図28は従来のコヒーレント・サンプリング
による図38と同じく揺らぎ率FL=0.003 の場合を示
している。信号1の揺らぎに対して本発明による効果が
極めて大きいことが解る。トリガ・ポイント(t=0)
付近での波形揺らぎを有する信号1をジッタレス化する
機能を持つことが分かる。これは図37や38の従来の
コヒーレント・サンプリング方式では実現できない機能
である。
【0250】図29,図30,図31,図32には、ホ
ールド時間Tmh=10.3×Tc ,1000.3×Tc ,1000.3×
Tc ,50000.3×Tc と、クロック周期Tc=10×(1+8
/M),10 ×(1 +8 /M),10 ×(1 +32 /
M),10 ×(1 +32 /M)と、信号1の揺らぎ率FL
=0.001 ,0.001 ,0.0003 ,0.0003 の場合に本発明の
コヒーレント・サンプリングを適用した場合のシミュレ
ーションによる波形を示している。
【0251】ここで、図29は従来例の図41に、図3
0は従来例の図42に、図31は従来例の図43に、図
32は従来例の図44にそれぞれ対応している。これら
図29〜32の波形図を対比すると、揺らぎ率FLが増
加したり、あるいはホールド時間Tmhが長くなると、デ
ータ収録密度に若干のばらつきを発生する場合がある
が、図41〜44の従来の固定クロック式のランダム・
サンプリングが示す波形抜け現象は発生しないことが理
解できるであろう。
【0252】従来のランダムに位相を変化させるランダ
ム・サンプリングと本発明のコヒーレント・サンプリン
グは、プリトリガ、ジッタレス化、波形抜け現象の減少
化の目的は同じであるが、クロック周期Tc の(1/100
〜1/1000 )という高時間分解能でのデータ収録に関
しては、大きな差異が発生する。クロック周期Tc 間の
データ表示数をM、すなわちクロック間をM個のビンに
分解し、1つのビンあたりN回、すなわちN×M回の時
間補間を行った場合の数値計算を基に説明する。
【0253】図33は、M=64、N=10とし、N×
M回の時間補間を行った時に、M個の全てのビンにデー
タが収録される効率を信号1の揺らぎ率FLを変化させ
ながらシミュレーションした結果である。実線が本発
明、破線がランダム・サンプリングの場合である。全て
のビンに10個のデータがあれば効率1、64個の全て
のビンで5個以上のデータを収録しており、且つ5個の
データしか持たないビンが11個の場合、効率を5+11
/64としている。なお、信号1の平均周期を10、本発
明におけるホールド信号51のホールド期間Tmh を10.
3 ×Tc 、従来のランダム・サンプリングではクロック
3の位相シフトに時間を要するので、Tmh=103×Tc
とした。ここで縦軸がデータの収録効率E、横軸が信号
1の揺らぎ率FLを対数表示している。
【0254】図33より、ランダム・サンプリングでは
信号1の周期の揺らぎ率FLに拘らず、データの収録効
率E≒0.25 である。このEは、従来の技術で示した式
(2)のk分の1の値である。本発明では、信号周期の
揺らぎ量の標準偏差が0.0001以下の時は効率≒1であ
る。揺らぎ率FLの標準偏差が0.01 以上になるとE≒
0.2 となり、ランダム・サンプリングとほぼ同じ収録効
率となる。
【0255】図34は、本発明で図33のデータ収録効
率Eを求める際にクロック周期Tcを変更した回数Nを
示している。信号1の周期の揺らぎ率FLが小さい時、
変更回数は1回、揺らぎ率FLが大きな時は10回に達
し、FLが大きいときは、リファレンス・トリガ周期T
rrの累積値LTrrを測定する度にクロック周期Tc を変
更している。
【0256】全てのビンに波形データを収録する平均時
間を求めると、ランダム・サンプリングで要する時間T
ran は、下式となる。ただし、Eは図33で得られたデ
ータの収録効率であり、≒はホールド・オフ後のトリガ
信号入力が直ちに行われる、と仮定したことを示してい
る。 Tran≒M×N×Tmh /E
【0257】本発明では、リファレンス・トリガ周期T
rrの累積値LTrrを得る毎にクロック周期Tc をチェッ
クするが、新たなクロック周期Tc の設定がなければ、
クロック周期Tc のチェックには時間を要しない。波形
収録に要する時間Tcohは、クロック周期Tcの計算と設
定に要する時間をTset 、設定回数をNset とすると、
下式となる。 Tcoh≒M×N×Tmh/E+Tset×Nset
【0258】信号1の周期の揺らぎが大きく、データの
収録効率Eが本発明と従来の両サンプリング方式でほぼ
等しいE≒0.25 の時の従来のランダム・サンプリング
による収録時間Tranを求めると、 Tran≒400×M×N×Tc (但しTmh=100 ×Tc として計算)
【0259】同じく、本発明のコヒーレント・サンプリ
ングによる収録時間Tcohは、 Tcoh≒40×M×N×Tc×(1+25/M) (但し、Nset=N、Tset=1000×Tc、Tmh=10×Tc
として計算) 高時間分解能データ収録では、M≧100 (たとえば、10
00 )である。上式Tcoh右辺の最終項(25/M)は無
視できるので、Tran/Tcoh≒10であるから、本発明
は従来のランダム・サンプリングの10倍近い収録速度
を持つことが解る。
【0260】信号1の周期の揺らぎが小さく、収録効率
Eが1に近い時の、本発明の収録時間は、 Tcoh2=10×M×N×Tc×(1+100/MN) (但し、Nset=1、Tset=1000×Tc、Tmh=10×Tc
として計算) Tranは先例と同じ収録時間を要するので、Tran/Tco
h2≒40であるから、本発明の収録速度はランダム・
サンプリングの40倍近くに達する。
【0261】
【発明の効果】ランダムに位相を変化させる従来のラン
ダム・サンプリングは、時間補間の1サイクル毎にクロ
ックに対しランダムにその位相を大きく変化せしめるの
で、ホールド時間Tmhの短期化が図れず、また揺らぎの
無い信号に対しては等価的にランダムな状態を作り出
す。この2つの要因でデータ収録効率が落ちる。
【0262】本発明は、リファレンス・トリガ周期Trr
の累積値LTrrを測定する毎にクロック周期Tc をチェ
ックし、クロック周期Tcを設定する期間を除き、一定
のクロック周期でサンプリングするコヒーレント・サン
プリングを実行するので、ホールド時間Tmhの短期化が
図れ、また揺らぎの無い信号に対しては1に近いデータ
収録効率が維持でき、高速のデータ収録装置を実現でき
る。
【0263】また、揺らぎのある信号に対しても、平均
周期に対してコヒーレント・サンプリングを可能とする
クロック周期を得、更にトリガを基準にデータ収録タイ
ミングの時間補間を実行するから、短期間にジッタの少
ない波形を再現することができる。したがって、本発明
の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すための回路構成図で
ある。
【図2】図1に示した回路構成の動作を説明するための
波形図である。
【図3】図1の構成要素であるタイムベースの具体的な
回路図である。
【図4】図3のタイムベースの回路各部の動作を示すタ
イム・チャートである。
【図5】図3のタイムベースの回路各部の動作を図4と
の組合せにより示すタイム・チャートである。
【図6】図3において、ホールド周期を計測する動作を
説明するためのタイム・チャートである。
【図7】図1において、コヒーレント・サンプリングを
実行するクロック周期を求める動作原理を説明するタイ
ム・チャートである。
【図8】図1において、コヒーレント・サンプリングを
実行するクロック周期を求める動作原理を図7との組合
せにより説明するタイム・チャートである。
【図9】図1において、コヒーレント・サンプリングを
実行するクロック周期の決定動作を説明するためのタイ
ム・チャートである。
【図10】図1における、コヒーレント・サンプリング
を実行するクロック周期を求める決定動作において8個
のBINに波形データを収録する様子を図9との組合せ
により説明するためのタイム・チャートである。
【図11】クロックと信号とのタイミングが図10とは
異る場合の、8個のBINに波形データを収録する様子
を図9との組合せにより説明するためのタイム・チャー
トである。
【図12】図1の構成要素の1つであるクロック発生器
の具体例を示す回路図である。
【図13】図1の構成において、測定時間分解能を向上
させる原理を説明するためのタイム・チャートである。
【図14】信号とクロックとが図13とは異るタイミン
グである場合のタイム・チャートである。
【図15】信号とクロックとが図13,図14とは異る
タイミングである場合のタイム・チャートである。
【図16】信号とクロックとが図13,図14,図15
とは異るタイミングである場合のタイム・チャートであ
る。
【図17】図13ないし図16における量子化誤差の発
生の様子を示すタイム・チャートである。
【図18】図17の量子化誤差の相殺される様子を示す
タイム・チャートである。
【図19】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を示すタイム・チャートである。
【図20】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19との組合せにより示すタイム・
チャートである。
【図21】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19,図20との組合せにより示す
タイム・チャートである。
【図22】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19ないし図21との組合せにより
示すタイム・チャートである。
【図23】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19ないし図22との組合せにより
示すタイム・チャートである。
【図24】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19ないし図23との組合せにより
示すタイム・チャートである。
【図25】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19ないし図24との組合せにより
示すタイム・チャートである。
【図26】図1の回路構成におけるクロック周期決定の
プロセスの一例を図19ないし図25との組合せにより
示すタイム・チャートである。
【図27】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、信号周期の揺らぎ率が0.01 の場合のシミュ
レーションによる再現波形を示す波形図である。
【図28】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、信号周期の揺らぎ率が0.003 の場合のシミュ
レーションによる再現波形を示す波形図である。
【図29】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、ホールド周期Tmh=10.3 ×Tc,クロック周
期Tc=10×(1+8/M),信号の揺らぎ率FL=0.001
とした時のシミュレーションによる再現波形図である。
【図30】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、ホールド周期Tmh=1000.3×Tc,クロック
周期Tc=10×(1+8/M),信号の揺らぎ率FL=0.00
1とした時のシミュレーションによる再現波形図であ
る。
【図31】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、ホールド周期Tmh=1000.3×Tc,クロック
周期Tc=10×(1+32/M),信号の揺らぎ率FL=0.0
003とした時のシミュレーションによる再現波形図であ
る。
【図32】図1の回路構成によるコヒーレント・サンプ
リングで、ホールド周期Tmh=50000.3×Tc,クロック
周期Tc=10×(1+32/M),信号の揺らぎ率FL=0.0
003とした時のシミュレーションによる再現波形図であ
る。
【図33】本発明である図1の回路構成によるコヒーレ
ント・サンプリングと従来のランダム・サンプリングに
よる信号周期の揺らぎに対するサンプリング・データの
収録効率の変化を示すグラフである。
【図34】図33の本発明における信号周期の揺らぎに
対するクロック周期の変更回数の変化を示すグラフであ
る。
【図35】従来例であるシーケンシャル・サンプリング
を示す回路構成図である。
【図36】他の従来例であるランダム・サンプリングを
示す回路構成図である。
【図37】従来のコヒーレント・サンプリングで信号周
期の揺らぎ率FL=0.01とした時のシミュレーションに
よる再現波形図である。
【図38】従来のコヒーレント・サンプリングで信号周
期の揺らぎ率FL=0.003 とした時のシミュレーション
による再現波形図である。
【図39】従来のランダム・サンプリングで信号周期の
揺らぎ率FL=0.01とした時のシミュレーションによる
再現波形図である。
【図40】従来のランダム・サンプリングで信号周期の
揺らぎ率FL=0.003 とした時のシミュレーションによ
る再現波形図である。
【図41】従来の固定クロック型ランダム・サンプリン
グで、ホールド周期Tmh=10.3×Tc ,クロック周期T
c=10×(1+8/M),信号周期の揺らぎFL=0.001 と
したときのシミュレーションによる再現波形図である。
【図42】従来の固定クロック型ランダム・サンプリン
グで、ホールド周期Tmh=1000.3×Tc ,クロック周期
Tc=10×(1+8/M),信号周期の揺らぎFL=0.001
としたときのシミュレーションによる再現波形図であ
る。
【図43】従来の固定クロック型ランダム・サンプリン
グで、ホールド周期Tmh=1000.3×Tc ,クロック周期
Tc=10×(1+32/M),信号周期の揺らぎFL=0.000
3としたときのシミュレーションによる再現波形図であ
る。
【図44】従来の固定クロック型ランダム・サンプリン
グで、ホールド周期Tmh=50000.3×Tc ,クロック周
期Tc=10×(1+32/M),信号周期の揺らぎFL=0.0
003としたときのシミュレーションによる再現波形図で
ある。
【図45】従来のプリトリガ・アクイジション・プロセ
スとポストトリガ・アクイジション・プロセスの動作を
示すタイム・チャートである。
【図46】従来の等価時間サンプリングにより、再現波
形を得るためのタイム・チャートである。
【図47】図46における波形抜け発生の様子を示すタ
イム・チャートである。
【符号の説明】
1 信号 2 トリガ 3 クロック 10 デジタイザ 20 デジタル・データ 30 アクイジション・メモリ 40 マイクロプロセッサ 45 MPUクロック 46〜49 データ・バス 50 波形メモリ 51 ホールド信号 52 同期信号 53 書き込み信号 54 アクイジション終了信号 55 アクイジション・スタート信号 56 キャリィ 60 表示装置 70 分周器 81 繰り返しパルス発生器 82 遅延パルス発生器 83 サンプラ 84 メモリ 85 メモリ出力 86 タイム・ランプ 87 タイム・ベース・メモリ 90 サンプリング・パルス 100 同期回路 200 タイムベース 201 ホールド・ラッチ 202 時間加算器 203 時間補間器 204 ポストトリガ・カウンタ 205 Dフリップフロップ 206 プリトリガ・カウンタ 207 ピリオド・カウンタ 208,209 インバータ 210 アンド・ゲート 221〜225,229 信号 300 クロック発生器 301 D/A変換器 303 抵抗 304 オペ・アンプ 305 電圧制御発振器(VCXO) A 振幅 AQE 累積量子化誤差 a(t) サンプリング・トリガ BIN ビン c クロック・タイミング DL 遅延線路 DTR データ転送 E 収録効率 FL 揺らぎ率 Flag フラグ Fs サンプリング・レート Ft 信号の繰り返し周波数(トリガ周波数) h ホールド・タイミング HO ホールド状態 HOF ホールドオフ状態 Nc クロック期間計数値 Nd データ処理期間のクロック数 Nm リファレンス・トリガ周期中のクロック数 Npre プリトリガ値 Npst ポストトリガ値 Ns 時間差測定クロック数 PreTrg プリトリガ PstTrg ポストトリガ QE 量子化誤差 RC リファレンス・クロック RT リファレンス・トリガ s 同期タイミング SP サンプル・ポイント t 時点 Tc クロック周期 Tcoh コヒーレント・サンプリングのデータ収録時間 Tcr Tc のリファレンス値 Td 遅延時間 Tm 期間 Tmh ホールド期間 Tran ランダム・サンプリングのデータ収録時間 Trr リファレンス・トリガ周期 Tres 時間分解能 Ts 時間差 Tseq シーケンシャル・サンプリングのデータ収録時
間 Tt トリガ周期 Tw 時間窓

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定信号(1)をクロック(3)でサ
    ンプリングしてデジタル・データ(20)を得るための
    デジタイズ処理(10)をし、 前記デジタル・データ(20)を記憶するためのアクイ
    ジション・メモリ処理(30)をし、 前記被測定信号(1)に同期したトリガ(2)の中か
    ら、ホールド期間(Tmh)の終了を示すホールド・タイ
    ミング(h0)の直後に印加されたトリガを第1のリフ
    ァレンス・トリガ(RT1)としてこれに同期した第1
    の同期信号(52)を得るための同期処理(100)を
    し、 前記リファレンス・トリガ(RT1)に同期した同期信
    号(52)と、その後に印加された前記クロック(3)
    のクロック・タイミング(c1)との間の第1の時間差
    (Ts1)を計測し、前記ホールド期間(Tmh )終了の
    直前に受けた前記クロック(3)のクロック・タイミン
    グ(c11)から前記クロック(3)のクロック周期
    (Tc )と前記時間差(Ts1)との差である遅延時間
    (Td =Tc−Ts 1) だけ遅れて前記ホールド期間
    (Tmh )の終了を示す第2のホールド・タイミング
    (h1)を得て、その直後に印加されたトリガ(2)を
    第2のリファレンス・トリガ(RT2)としてこれに同
    期した第2の同期信号(52)を得て、その後に印加さ
    れた前記クロック(3)のクロック・タイミング(c1
    3)との間の第2の時間差(Ts2 )を計測する動作を
    繰り返す、タイムベース処理(200)をし、 前記第2のリファレンス・トリガ(RT2)と前記第1
    のリファレンス・トリガ(RT1)との間の期間からリ
    ファレンス・トリガ周期(Trr)を求め、前記リファレ
    ンス・トリガ周期(Trr)の間に含まれる前記クロック
    周期(Tc)の数である整数Yを求め、前記第2の時間差
    (Ts2 )と前記第1の時間差(Ts1)との差分(δ
    Ts=Ts2−Ts1 )を求め、設定された時間分解能で
    前記クロック周期(Tc )を割った整数値(M=Tc /
    時間分解能)に対し、前記差分(δTs )を前記クロッ
    ク周期(Tc )で割り、前記整数値(M)を掛けた値
    (X=δTs/Tc×M)が、互いに素(MとXが素)
    で、前記整数値(M)より小さな整数(X<M)となる
    コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足する前
    記クロック周期Tc =Trr /(Y+X/M)を求めて
    新たなクロック(Tc1)とし、前記各リファレンス・
    トリガ(RT1,2)と前記被測定信号(1)をサンプ
    リングした各クロック(3)のサンプル・ポイント(S
    P)とから、前記記憶されたデジタル・データ(20)
    の波形表示すべき位置を決定して波形記憶の指示(4
    8)をするプロセッサ処理(40)をし、 前記コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足す
    る前記新たなクロック周期(Tc1 )のクロック(3)
    を発生するクロック発生処理(300)をし、 前記波形記憶の指示(48)に従って、表示すべき波形
    を記憶する波形メモリ処理(50)をするコヒーレント
    ・サンプリング方法。
  2. 【請求項2】 前記プロセッサ処理(40)において、 前記第2のリファレンス・トリガ(RT2)と前記第1
    のリファレンス・トリガ(RT1)との間の期間からリ
    ファレンス・トリガ周期(Trr)を求め、 前記リファレンス・トリガ周期(Trr)を連続して複数
    回(m)求めて累積期間(LTrr)を得て、この累積期
    間をmで割った値(LTrr/m)に含まれる前記クロッ
    ク周期(Tc )の数である整数(Y)を求め、前記複数
    回(m)の繰り返しのそれぞれにおける前記第2の時間
    差(Ts2 )と前記第1の時間差(Ts1 )との差分
    (δTs=Ts2−Ts1)の累積をmで割った値(δL
    Ts/m)を求め、設定された時間分解能で前記クロッ
    ク周期(Tc )を割った整数値(M=Tc /時間分解
    能)に対し、前記差分の累積をmで割った値(δLTs
    /m)を前記クロック周期(Tc )で割り、更に前記整
    数値(M)を掛けた値(X=(δLTs/m)/Tc×
    M)が、互いに素(MとXが素)で、前記整数値(M)
    より小さな整数(X<M)となるコヒーレント・サンプ
    リング条件を実質的に満足する前記クロック周期(Tc
    =(LTrr /m)/(Y+X/M))を求めて新たな
    クロック(Tc1 )とし、前記各リファレンス・トリガ
    (RT1,2)と前記被測定信号(1)をサンプリング
    した各クロック(3)のサンプル・ポイント(SP)と
    から、前記記憶されたデジタル・データ(20)の波形
    表示すべき位置を決定して波形記憶の指示(48)をす
    るようにプロセッサ処理をする請求項1のコヒーレント
    ・サンプリング方法。
  3. 【請求項3】 前記タイムベース処理(200)におい
    て、 前記リファレンス・トリガ(RT)に同期した同期信号
    (52)と、その後に印加された前記クロック(3)の
    クロック・タイミング(c)との間の前記時間差(Ts
    )を計測して時間補間値を得る時間補間処理(20
    3)をし、 前記デジタル・データ(20)が、前記リファレンス・
    トリガ(RT)の後に印加される前記クロック(3)の
    クロック・タイミングを基準として、前記クロック周期
    (Tc )の単位で何個前のものであるかをカウントする
    プリトリガ・カウント処理(206)をし、 前記デジタル・データが、前記リファレンス・トリガ
    (RT)を基準として、前記クロック周期(Tc )の単
    位で何個後のものであるかをカウントするポストトリガ
    ・カウント処理(204)をし、 前記ホールド期間(Tmh)以外の期間が前記クロック周
    期(Tc )の単位で何個続くかをカウントするピリオド
    ・カウンタ処理(207)をする請求項1または2のコ
    ヒーレント・サンプリング方法。
  4. 【請求項4】 前記クロック発生処理(300)におい
    て、 前記コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足す
    る前記クロック周期(Tc )のデータ(46)を受け
    て、アナログ電圧に変換するD/A処理(301,30
    3,304)をし、 前記アナログ電圧に制御されて前記新たなクロック周期
    のクロック(3)を発生するように電圧制御発振処理
    (305)をする請求項1ないし3のコヒーレント・サ
    ンプリング方法。
  5. 【請求項5】 前記プロセッサ処理(40)において、 前記ホールド期間(Tmh)が、前記デジタル・データ
    (20)が、前記リファレンス・トリガ(RT)の後に
    印加される前記クロック(3)のクロック・タイミング
    を基準として、前記クロック周期(Tc )の単位で何個
    後のものであるかを判断して、記憶するためのポストト
    リガ収録期間(c1〜3)を含む前記時間差(Ts )の
    計測期間(Ts1+Tm1)と、 前記時間差(Ts )から前記遅延時間(Td )を求め、
    前記アクイジション・メモリ処理(30)において記憶
    した前記デジタル・データ(20)を前記波形メモリ処
    理(50)のために転送するデータ処理期間(c5〜
    8:Tm2)と、 前記デジタル・データ(20)が前記リファレンス・ト
    リガ(RT)の後に印加される前記クロック(3)のク
    ロック・タイミングを基準にして、前記クロック周期
    (Tc )の単位で何個前のものであるかを判断して、記
    憶するためのプリトリガ収録期間(c8〜12)中の前
    もって定められた期間(c8〜11:Tm3)と、前記
    クロック周期(Tc )より前記時間差(Ts )だけ短い
    期間(c11〜h1:Td )との和である請求項1ない
    し3のコヒーレント・サンプリング方法。
  6. 【請求項6】 被測定信号(1)をクロック(3)でサ
    ンプリングしてデジタル・データ(20)を得るための
    デジタイズ手段(10)と、 前記デジタル・データ(20)を記憶するためのアクイ
    ジション・メモリ手段(30)と、 前記被測定信号(1)に同期したトリガ(2)の中か
    ら、ホールド期間(Tmh)の終了を示すホールド・タイ
    ミング(h0)の直後に印加されたトリガを第1のリフ
    ァレンス・トリガ(RT1)としてこれに同期した第1
    の同期信号(52)を得るための同期手段(100)
    と、 前記リファレンス・トリガ(RT1)に同期した同期信
    号(52)と、その後に印加された前記クロック(3)
    のクロック・タイミング(c1)との間の第1の時間差
    (Ts1)を計測し、前記ホールド期間(Tmh )終了の
    直前に受けた前記クロック(3)のクロック・タイミン
    グ(c11)から前記クロック(3)のクロック周期
    (Tc )と前記時間差(Ts1)との差である遅延時間
    (Td =Tc−Ts 1) だけ遅れて前記ホールド期間
    (Tmh )の終了を示す第2のホールド・タイミング
    (h1)を得て、その直後に印加されたトリガ(2)を
    第2のリファレンス・トリガ(RT2)としてこれに同
    期した第2の同期信号(52)を得て、その後に印加さ
    れた前記クロック(3)のクロック・タイミング(c1
    3)との間の第2の時間差(Ts2 )を計測する動作を
    繰り返す。タイムベース手段(200)と、 前記第2のリファレンス・トリガ(RT2)と前記第1
    のリファレンス・トリガ(RT1)との間の期間からリ
    ファレンス・トリガ周期(Trr)を求め、前記リファレ
    ンス・トリガ周期(Trr)の間に含まれる前記クロック
    周期(Tc)の数である整数Yを求め、前記第2の時間差
    (Ts2 )と前記第1の時間差(Ts1)との差分(δ
    Ts=Ts2−Ts1 )を求め、設定された時間分解能で
    前記クロック周期(Tc )を割った整数値(M=Tc /
    時間分解能)に対し、前記差分(δTs )を前記クロッ
    ク周期(Tc )で割り、前記整数値(M)を掛けた値
    (X=δTs/Tc×M)が、互いに素(MとXが素)
    で、前記整数値(M)より小さな整数(X<M)となる
    コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足する前
    記クロック周期Tc =Trr /(Y+X/M)を求めて
    新たなクロック(Tc1)とし、前記各リファレンス・
    トリガ(RT1,2)と前記被測定信号(1)をサンプ
    リングした各クロック(3)のサンプル・ポイント(S
    P)とから、前記記憶されたデジタル・データ(20)
    の波形表示すべき位置を決定して波形記憶の指示(4
    8)をするプロセッサ手段(40)と、 前記コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足す
    る前記新たなクロック周期(Tc1 )のクロック(3)
    を発生するクロック発生手段(300)と、 前記波形記憶の指示(48)に従って、表示すべき波形
    を記憶する波形メモリ手段(50)とを含むコヒーレン
    ト・サンプリング装置。
  7. 【請求項7】 前記プロセッサ手段(40)が、 前記第2のリファレンス・トリガ(RT2)と前記第1
    のリファレンス・トリガ(RT1)との間の期間からリ
    ファレンス・トリガ周期(Trr)を求め、 前記リファレンス・トリガ周期(Trr)を連続して複数
    回(m)求めて累積期間(LTrr)を得て、この累積期
    間をmで割った値(LTrr/m)に含まれる前記クロッ
    ク周期(Tc )の数である整数(Y)を求め、前記複数
    回(m)の繰り返しのそれぞれにおける前記第2の時間
    差(Ts2 )と前記第1の時間差(Ts1 )との差分
    (δTs=Ts2−Ts1)の累積をmで割った値(δL
    Ts/m)を求め、設定された時間分解能で前記クロッ
    ク周期(Tc )を割った整数値(M=Tc /時間分解
    能)に対し、前記差分の累積をmで割った値(δLTs
    /m)を前記クロック周期(Tc )で割り、更に前記整
    数値(M)を掛けた値(X=(δLTs/m)/Tc×
    M)が、互いに素(MとXが素)で、前記整数値(M)
    より小さな整数(X<M)となるコヒーレント・サンプ
    リング条件を実質的に満足する前記クロック周期(Tc
    =(LTrr /m)/(Y+X/M))を求めて新たな
    クロック(Tc1 )とし、前記各リファレンス・トリガ
    (RT1,2)と前記被測定信号(1)をサンプリング
    した各クロック(3)のサンプル・ポイント(SP)と
    から、前記記憶されたデジタル・データ(20)の波形
    表示すべき位置を決定して波形記憶の指示(48)をす
    るように動作ををする請求項6のコヒーレント・サンプ
    リング装置。
  8. 【請求項8】 前記タイムベース手段(200)が、 前記リファレンス・トリガ(RT)に同期した同期信号
    (52)と、その後に印加された前記クロック(3)の
    クロック・タイミング(c)との間の前記時間差(Ts
    )を計測して時間補間値を得る時間補間手段(20
    3)と、 前記デジタル・データ(20)が、前記リファレンス・
    トリガ(RT)の後に印加される前記クロック(3)の
    クロック・タイミングを基準として、前記クロック周期
    (Tc )の単位で何個前のものであるかをカウントする
    プリトリガ・カウント手段(206)と、 前記デジタル・データが、前記リファレンス・トリガ
    (RT)を基準として、前記クロック周期(Tc )の単
    位で何個後のものであるかをカウントするポストトリガ
    ・カウント手段(204)と、 前記ホールド期間(Tmh)以外の期間が前記クロック周
    期(Tc )の単位で何個続くかをカウントするピリオド
    ・カウンタ手段(207)とを含んでいる請求項6また
    は7のコヒーレント・サンプリング装置。
  9. 【請求項9】 前記クロック発生手段(300)が、 前記コヒーレント・サンプリング条件を実質的に満足す
    る前記クロック周期(Tc )のデータ(46)を受け
    て、アナログ電圧に変換するD/A手段(301,30
    3,304)と、 前記アナログ電圧に制御されて前記新たなクロック周期
    のクロック(3)を発生するように電圧制御発振手段
    (305)とを含んでいる請求項6ないし8のコヒーレ
    ント・サンプリング装置。
  10. 【請求項10】 前記プロセッサ手段(40)が、 前記ホールド期間(Tmh)が、前記デジタル・データ
    (20)が、前記リファレンス・トリガ(RT)の後に
    印加される前記クロック(3)のクロック・タイミング
    を基準として、前記クロック周期(Tc )の単位で何個
    後のものであるかを判断して、記憶するためのポストト
    リガ収録期間(c1〜3)を含む前記時間差(Ts )の
    計測期間(Ts1+Tm1)と、 前記時間差(Ts )から前記遅延時間(Td )を求め、
    前記アクイジション・メモリ手段(30)において記憶
    した前記デジタル・データ(20)を前記波形メモリ手
    段(50)に転送するデータ処理期間(c5〜8:Tm
    2)と、 前記デジタル・データ(20)が前記リファレンス・ト
    リガ(RT)の後に印加される前記クロック(3)のク
    ロック・タイミングを基準にして、前記クロック周期
    (Tc )の単位で何個前のものであるかを判断して、記
    憶するためのプリトリガ収録期間(c8〜12)中の前
    もって定められた期間(c8〜11:Tm3)と、前記
    クロック周期(Tc )より前記時間差(Ts )だけ短い
    期間(c11〜h1:Td )との和であるように動作す
    る請求項6ないし8のコヒーレント・サンプリング装
    置。
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