JP2001026760A - 木質ボード用バインダーおよび木質ボード - Google Patents

木質ボード用バインダーおよび木質ボード

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JP2001026760A
JP2001026760A JP11199165A JP19916599A JP2001026760A JP 2001026760 A JP2001026760 A JP 2001026760A JP 11199165 A JP11199165 A JP 11199165A JP 19916599 A JP19916599 A JP 19916599A JP 2001026760 A JP2001026760 A JP 2001026760A
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board
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Takanori Hiraoka
孝則 平岡
Osamu Yamashita
修 山下
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制振性の熱可塑性樹脂を均一に木質ボード中に
分散しうるバインダー並びにそのバインダーを使用して
製造される、制振性の優れた木質ボードを提供する. 【解決手段】不飽和ポリエステル(1)、反応性モノマ
ー(2)および前記反応性モノマー(2)に溶解しうる
熱可塑性樹脂(3)を含有してなる主剤(A)と硬化剤
(B)からなる木質ボード用バインダーとする。前記熱
可塑性樹脂としては、制振性の熱可塑性樹脂を使用する
ことが好ましい。木質材に、前記木質ボード用バインダ
ーを含有分散させた混合物を板状に熱圧成形して木質ボ
ードが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質ボード用バイ
ンダーおよび木質ボードに関する。本発明の木質ボード
用バインダーは、各種の木質ボードに適用できる。たと
えば、インシュレーションボード等のファイバーボード
やパーティクルボードに適用できる。特に本発明の木質
ボード用バインダーは、パーティクルボードへの適用が
有用である。また、本発明の木質ボードは制振性に優れ
ているため、住宅の床、屋根、壁下地材等として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、集合住宅や戸建住宅では、見
栄えの良さから、床仕上げ材に木質ボードが使用されて
いるが、木質ボードを用いた住宅では、上階の歩行音に
よる騒音が階下で生じ易い。
【0003】かかる騒音問題に対処するため、木質ボー
ドとしては、合板等の片面に、制振ゴムシートや樹脂発
泡体を裏貼りして、木質ボードに制振機能を付与したも
のが使用されている。しかし、このような積層構造の木
質ボードは、その適用用途が制限されていた。
【0004】一方、木質ボード自体に制振性を付与した
ものも知られている。たとえば、特開平7−13366
3号には、木片中に、粒状に成形したポリ塩化ビニル等
の振動エネルギー吸収材と、接着剤を分散含有させたも
のを板状に熱圧成形した振動吸収性の木質ボードが提案
されている。また、振動エネルギー吸収材としては、ポ
リ塩化ビニルの他にも制振性の熱可塑性樹脂が知られて
いる。
【0005】しかし、振動エネルギー吸収材であるポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂は、固形を呈しているた
め、木質系ボード中に均一分散し難く、振動エネルギー
吸収材を用いた前記方法によって、木質ボードに十分な
振動吸収性を付与するのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、制振性の熱
可塑性樹脂を均一に木質ボード中に分散しうるバインダ
ー並びにそのバインダーを使用して製造される、制振性
の優れた木質ボードを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、木質ボード
用のバインダーに、不飽和ポリエステルと反応性モノマ
ーによる不飽和ポリエステル樹脂の硬化機構を利用する
とともに、当該反応性モノマー中に当該反応性モノマー
に溶解する熱可塑性樹脂、とりわけ制振性の熱可塑性樹
脂を溶解すれば、熱可塑性樹脂を、液状のバインダー中
に取り込むことができ、そして、当該バインダーを用い
れば、木質ボード中に制振性の熱可塑性樹脂が良好に分
散された木質ボードが得られるという新たな知見を得
て、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、不飽和ポリエステル
(1)、反応性モノマー(2)および前記反応性モノマ
ー(2)に溶解しうる熱可塑性樹脂(3)を含有してな
る主剤(A)と有機過酸化物系硬化剤(B)からなる木
質ボード用バインダーに関するものである。
【0009】前記熱可塑性樹脂としては、制振性熱可塑
性樹脂を使用することが制振性の優れた木質ボードを構
成し、好ましい。
【0010】本発明はまた、木質材に、前記木質ボード
用バインダーを含有分散させた混合物を板状に熱圧成形
して得られる木質ボードにも関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の不飽和ポリエステル
(1)は、エチレン性不飽和ジカルボン酸と多価アルコ
ールをエステル化反応させて得られる、従来より知られ
ており、木質ボードの成形温度で硬化するものは特に制
限なく使用できる。
【0012】エチレン性不飽和ジカルボン酸としてはマ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸また
はその酸無水物などが挙げられる。
【0013】多価アルコールとしてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル等が挙げられる。
【0014】なお、不飽和ポリエステル(1)には、必
要に応じて、エチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカ
ルボン酸、モノカルボン酸やモノアルコールを併用する
こともできる。
【0015】必要に応じて併用するエチレン性不飽和ジ
カルボン酸以外のジカルボン酸としてはアジピン酸、セ
バチン酸、コハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラクロロフタル酸、無水クロレンド酸、グルタ
ル酸、マロン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルコハク
酸等が挙げられる。また、モノカルボン酸としては、プ
ロピオン酸、2−エチルヘキシル酸、イソ酪酸、ステア
リン酸等が挙げられ、モノアルコールとしては、n−ブ
チルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n―
アミルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、シクロヘキサノール、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル等が挙げられる。
【0016】反応性モノマー(2)としては、不飽和ポ
リエステル(1)に混合して使用され、不飽和ポリエス
テル(1)とともに架橋、硬化させて不飽和ポリエステ
ル樹脂を形成するものを使用できる。
【0017】かかる反応性モノマー(2)の具体例とし
ては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのスチレン系モノマー、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル等のアク
リル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、酢酸ビニ
ル等を例示できる。必要に応じてジビニルベンゼン、ジ
アリルフタレート等の多官能性の反応性モノマーを使用
してもよい。これら反応性モノマーは、使用する熱可塑
性樹脂、とりわけ制振性熱可塑性樹脂の溶解性を考慮し
て選択使用する。
【0018】主剤(A)中の、反応性モノマー(2)の
使用割合は、木質ボードに要求される強度等を考慮して
適宜に決定すればよいが、通常、不飽和ポリエステル
(1)100重量部に対して、10〜200重量部程度
とするのが好ましい。熱可塑性樹脂溶解後の粘度上昇が
抑制可能であるという観点から、反応性モノマー(2)
の使用割合は、不飽和ポリエステル(1)100重量部
に対して、50重量部以上とするのがより好ましい。反
応性モノマー(2)の使用割合は、不飽和ポリエステル
(1)100重量部に対して、150重量部以下とする
のがより好ましい。使用割合が多くなり過ぎると硬化後
の硬度が低くなり、木質ボード用バインダーとしては好
ましくない。
【0019】熱可塑性樹脂(3)としては、反応性モノ
マーに溶解し、ボードの制振性を高める作用を有する公
知の熱可塑性樹脂は限定なく使用可能である。上述のよ
うに、木質ボードに分散された際に、振動吸収性を示す
制振性熱可塑性樹脂を用いることが特に好ましい。
【0020】熱可塑性樹脂(3)としては、具体的に
は、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ−ε−カ
プロラクトン、スチレン・ブタジエン・スチレントリブ
ロック共重合体等が例示される。かかる熱可塑性樹脂
(3)は、前記反応性モノマー(2)との相溶性を考慮
して、良好な相溶性を示す組合せにて使用される。具体
的には、後述のSISトリブロック共重合体の場合に
は、好適な反応性モノマーとしてスチレンモノマーが使
用され、エチレン・酢酸ビニル共重合体の場合には、ア
クリル系モノマーの使用が好適である。
【0021】特に使用することが好適である制振性熱可
塑性樹脂としては、スチレン系モノマーの重合体ブロッ
ク、ビニル重合共役ジエン重合体ブロックおよびスチレ
ン系モノマーの重合体ブロックからなるトリブロック共
重合体が例示される。この重合体において使用される共
役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン等が例示される。とりわけ、前記ビニル重合
共役ジエン重合体ブロックが、ビニル重合イソプレン重
合体ブロックであるスチレン・ビニルイソプレン・スチ
レントリブロック共重合体(SIS)を使用すること
が、制振性の優れた木質ボードが形成され好適である。
【0022】本発明の前記トリブロック共重合体は、数
平均分子量が30000〜300000であり、前記ジ
エン重合体は数平均分子量が10000〜20000
0、イソプレン、もしくはイソプレンとブタジエンをジ
エン系単量体の主成分としてビニル重合(1,2−重合
と3,4−重合)の含有量が40%以上、そしてtan
δの主分散ピークが−20℃以上であり、前記ビニル芳
香族単量体重合単位は数平均分子量が2500〜400
00であることが好適である。
【0023】トリブロック共重合体の数平均分子量が3
0000未満の場合はバインダーがコールドフローを起
こしやすくなり、また300000を越えると溶融粘度
が上昇し、加工性が低下して好ましくない。
【0024】ジエン系単量体のビニル重合(ブタジエン
にあっては1,2−重合、イソプレン等にあっては1,
2−もしくは3,4−重合)は40%以上が好ましく、
40%未満では0℃以上で制振性が低下する。このビニ
ル重合の割合は高くてもよいが、現実的には100%品
は製造が困難である。
【0025】また前記ビニル芳香族単量体重合体が構成
するハードブロックの数平均分子量が2500未満の場
合にはブロック共重合体の制振性能が低下し、またこの
数平均分子量が40000を越えると硬度が高くなりす
ぎて、いずれもバインダーの制振性が十分でなくなる。
安定性、加工性を考慮すると8000〜25000の範
囲であることが特に好ましい前記ジエン重合体が構成す
るソフトブロックの数平均分子量が10000未満の場
合には強度が不足して加工性が低下し、200000を
越えると溶融粘度が高くなり好ましくない。
【0026】tan δの主分散ピークが−20℃未満
の場合には0〜40℃における減衰性能が低下する。t
an δの主分散ピークは−20〜40℃の範囲にある
ことが好適である。
【0027】トリブロック共重合体中のビニル芳香族単
量体重合体が構成するハードブロックは5重量%〜50
重量%であることが特性上好ましい。
【0028】特に好ましい制振性熱可塑性樹脂であるS
IS系トリブロックゴム共重合体としては、たとえば、
ハイブラー((株)クラレ製)等が市販品として使用可
能である主剤(A)中の、熱可塑性樹脂(3)の使用割
合は、木質ボードに要求される振動吸収性等を考慮して
適宜に決定すればよいが、通常、不飽和ポリエステル
(1)100重量部に対して、50〜200重量部程度
とするのが好ましい。使用量が少い場合には十分な制
振性能が得られないことから、熱可塑性樹脂(3)の使
用割合は、不飽和ポリエステル(1)100重量部に対
して、80重量部以上とするのがより好ましい。また、
使用量を多くすると、それに応じて反応性モノマーを多
く使用することになり、硬化後に十分な硬度が得られな
いことから、熱可塑性樹脂(3)の使用割合は、不飽和
ポリエステル(1)100重量部に対して、150重量
部以下とするのがより好ましい。
【0029】本発明の木質ボード用バインダーの主剤
(A)は、前記不飽和ポリエステル(1)、反応性モノ
マー(2)および熱可塑性樹脂(3)を含有してなる。
かかる主剤(A)は、硬化剤(B)と組み合わせて使用
され、本発明の木質ボード用バインダーを構成する。
【0030】硬化剤(B)としては、通常、不飽和ポリ
エステル樹脂の硬化に用いられる硬化剤が用いられる。
一般的には、有機過酸化物系の硬化剤が使用される。有
機過酸化物系の硬化剤としてはターシャリーブチルパー
オキシベンゾエイト、過酸化ベンゾイル、過酸化エチル
メチルケトン、過酸化ラウロイル等があげられる。
【0031】硬化剤(B)に使用量は、特に制限されな
いが、通常、不飽和ポリエステル(1)100重量部に
対して、1〜10重量部程度とするのが好ましい。
【0032】なお、本発明の木質ボード用バインダー中
には、前記主剤(A)および有機過酸化物系硬化剤
(B)の他に、添加剤を含有させてもよい。たとえば、
硬化剤(B)の硬化促進剤を含有していてもよい。有機
過酸化物系硬化剤の硬化促進剤としては、芳香族第三級
アミン、ナフテン酸コバルト等があげられる。かかる硬
化促進剤は、主剤(A)または硬化剤(B)中に予め含
有されていてもよい。また、主剤(A)中には、酸化防
止剤を含有させることもできる。
【0033】主剤(A)と硬化剤(B)は使用に際して
混合することが好ましく、2成分タイプのバインダーと
することが好ましい。この際に、硬化剤(B)は全てを
別成分とする必要はなく、予め一部を主剤(A)に含ま
せてもかまわない。
【0034】本発明の木質ボードの製造は、従来より行
われている木質ボードの製法に準拠して製造できる。す
なわち、木質材に、前記木質ボード用バインダーを含有
分散させたものを、板状に熱圧成形する方法を採用でき
る。
【0035】木質材としては、パーティクルボードを製
造する場合には、木材小片(パーティクル)が用いられ
る。木材小片は、小径木、工場廃材、住宅解体材、廃パ
レット等を通常、原料とする。木片(パーティクル)の
大きさは特に制限されないが、通常、厚さ0.2〜0.
6mm程度、長さ数mm〜70mm程度、好ましくは1
0〜30mm程度のものが使用される。また、ファイバ
ーボードを製造する場合には木材繊維(ファイバー)が
用いられる。
【0036】木質材への、前記バインダーの含有分散
は、木質材に、主剤(A)および硬化剤(B)を含有す
るバインダーをブレンダー中で攪拌しながら噴霧塗布す
ることにより行う。
【0037】なお、本発明のバインダーは、単独で使用
することができるのはもちろんのこと、従来、木質ボー
ドのバインダー(接着剤)として使用されていたもの
を、本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。かか
るバインダー(接着剤)としては、ユリア樹脂、ユリア
・メラミン樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂
等の熱硬化性のものや、アクリル系重合体、アクリル・
酢酸ビニル共重合体、アクリル・スチレン共重合体等の
熱可塑性のものがあげられる。
【0038】木質材に対する、バインダーの使用量は、
通常、木質材100重量部(絶乾重量)に対して、5〜
15重量部程度とするのが好ましい。
【0039】次いで、バインダーが含有分散された木質
材は、所定の形状に成形(フォーミング)した後、熱圧
処理する。熱圧処理の条件は、通常、温度150〜25
0℃程度、圧縮圧力80〜150kg/cm2、熱圧時
間1〜30分程度である。
【0040】また、木質ボードの厚さは15〜20mm
程度が好ましい。比重は0.5〜1.0g/cm3程度
が好ましい。
【0041】なお、本発明のバインダーは、パーティク
ルボードにおいては、単層のパーティクルボード、多層
のパーティクルボードのいずれにも適用できる。素地パ
ーティクルボード等の多層のパーティクルボードでは内
層または外層のいずれにも適用できるが、内層への適用
が好ましい。また、パーティクルボードには、片面また
は両面に、つき板や含浸紙を二次的加工処理して、表面
板(化粧材)を設けることもできる。
【0042】
【発明の効果】(1)本発明の木質ボード用バインダー
によれば、制振性の木質ボードを提供できる。特に、本
発明の木質ボード用バインダーは液状物であり、木質ボ
ードには適用し難かった熱可塑性樹脂を、均一に木質材
へ分散できるため、本発明の木質ボードは高制振性であ
る。
【0043】(2)また、本発明の木質ボード用バイン
ダーは、接着性を有するため、従来木質ボードに用いら
れている接着剤の使用量を低減することもできる。
【0044】(3)また、本発明の木質ボード用バイン
ダーは、木質ボードの制振性を向上させているが、木質
ボードの強度は従来と殆ど同等である。
【0045】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下「部」および「%」はいずれも重量基準
である。
【0046】実施例1 (1)バインダーの調製 不飽和ポリエステル ポリマール6320F(武田薬品
工業(株)製)36.6部、熱可塑性樹脂としてハイブ
ラー5127(SIS系トリブロック共重合体,(株)
クラレ製)36.6部、スチレンモノマー26.5部、
硬化促進剤として6%ナフテックスコバルト(ナフテン
酸コバルト)0.3部およびt−ブチルヒドロフラン
0.01部を混合して、主剤を調製した。
【0047】次いで、前記主剤100部と硬化剤である
t−ブチルパーオキシベンゾエイト1部を混合して、本
発明の木質ボード用バインダーを調製した。
【0048】(2)パーティクルボードの製造 下記に示すパーティクルボードの作製条件により、前記
木質ボード用バインダーを調製後直ちに、木材小片に吹
き付けて付着させた後、直ちに熱圧処理することでパー
ティクルボードを作製した。
【0049】< パーティクルボードの製造条件> ボード様式:3層ボード 使用した木材小片:表層/内層=180g/750g 木材小片の構成比:表1参照 バインダー吹付け率(重量%/木材小片):表1参照 設定ボード厚み:表1参照 設定ボード比重:表1参照 熱圧温度:185℃ 圧縮圧力:ゲージ圧にて100kg/cm2以上 熱圧時間:23分。
【0050】実施例2〜3 実施例1の(2)パーティクルボードの製造において、
パーティクルボードの製造条件の表1参照事項を表1の
ように変えた他は実施例1と同様にしてパーティクルボ
ードを製造した。なお表層には公知のフェノール系樹脂
バインダーを通常量使用した。
【0051】(物性評価)実施例で得られたパーティク
ルボードについて、以下の評価を行った。結果を表1に
示す。面密度(kg/m2 )、曲げ破壊荷重(kg
f)、曲げ強度(kgf/cm2)は、JIS A 5
908−1994に準拠して測定した。また損失係数は
損失係数測定システム(リオン(株)製S&V測定シス
テム)を使用し、20℃、500Hzの条件で、中央加
振法により測定した。
【0052】比較例1、2 表1に記載の設定ボード厚み、設定ボード比重の既存品
(比較例1:パーティクルボード12mm、比較例2パ
ーティクルボード15mm)について、実施例と同様の
評価を行った。結果を同じく表1に示す。比較例のボー
ドのバインダーは、いずれもフェノール系樹脂である。
【0053】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の木質ボード(パーテ
ィクルボード)は、従来品に比べて、損失係数が大きく
制振性にすぐれたものである。また、本発明の木質ボー
ドは、従来品と同様の強度を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 AA20 BA01 BA18 BA19 CB01 CD02 CD03 CD04 CD05 DA01 DA07 DA08 DA09 DA18 DB13 DC15 DD02 EA05 EB02 EB06 EB11 EB19 EB21 4J040 DM011 DM012 ED111 ED112 FA041 FA042 FA061 FA062 FA121 FA122 HB41 KA16 MA08 NA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル(1)、反応性モノ
    マー(2)および前記反応性モノマー(2)に溶解しう
    る熱可塑性樹脂(3)を含有してなる主剤(A)と有機
    過酸化物系硬化剤(B)からなる木質ボード用バインダ
    ー。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(3)が、制振性熱可塑性
    樹脂である請求項1記載の木質ボード用バインダー。
  3. 【請求項3】 反応性モノマー(2)が、スチレン系モ
    ノマーである請求項1または2に記載の木質ボード用バ
    インダー。
  4. 【請求項4】 前記制振性熱可塑性樹脂が、スチレン系
    モノマーの重合体ブロック、ビニル重合共役ジエン重合
    体ブロックおよびスチレン系モノマーの重合体ブロック
    からなるトリブロック共重合体である請求項2記載の木
    質ボード用バインダー。
  5. 【請求項5】 前記ビニル重合共役ジエン重合体ブロッ
    クが、ビニル重合イソプレン重合体ブロックである請求
    項4に記載の木質ボード用バインダー。
  6. 【請求項6】 木質材に、請求項1〜5のいずれかに記
    載の木質ボード用バインダーを含有分散させたものを、
    板状に熱圧成形して得られる木質ボード。
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