JP2001026267A - 鉄道車両 - Google Patents
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- JP2001026267A JP2001026267A JP11198791A JP19879199A JP2001026267A JP 2001026267 A JP2001026267 A JP 2001026267A JP 11198791 A JP11198791 A JP 11198791A JP 19879199 A JP19879199 A JP 19879199A JP 2001026267 A JP2001026267 A JP 2001026267A
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T30/00—Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance
Landscapes
- Railway Tracks (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 レールの周囲に放射される転動騒音を低減す
る。 【解決手段】 車体の床下8とレール32a、32bが
敷設される軌道面との間の空間部30に、軌道面35に
対向させて車体3の巾の範囲内に板状の吸音材12を設
ける。さらに、レールの脇に沿って軌道面35に立設さ
れた防音壁の上端41と防音壁40に近い側のレール3
2bとを結ぶ線45の防音壁側に吸音材の縁13が突き
出る。
る。 【解決手段】 車体の床下8とレール32a、32bが
敷設される軌道面との間の空間部30に、軌道面35に
対向させて車体3の巾の範囲内に板状の吸音材12を設
ける。さらに、レールの脇に沿って軌道面35に立設さ
れた防音壁の上端41と防音壁40に近い側のレール3
2bとを結ぶ線45の防音壁側に吸音材の縁13が突き
出る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪がレール上を
転動する際に発生する転動騒音を低減する鉄道車両に関
するものである。
転動する際に発生する転動騒音を低減する鉄道車両に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の走行時に発生する騒音は、車
両の車輪がレール上を転動する際に発生する転動騒音
(または振動騒音)と、パンタグラフなどが風を切るこ
とにより発生する空力騒音(または流体騒音)に分ける
ことができる。空力騒音は、車両の速度が大きくなると
転動騒音よりも顕著になる。新幹線などの高速車両は、
空力騒音の対策が騒音対策の中心となっていた。
両の車輪がレール上を転動する際に発生する転動騒音
(または振動騒音)と、パンタグラフなどが風を切るこ
とにより発生する空力騒音(または流体騒音)に分ける
ことができる。空力騒音は、車両の速度が大きくなると
転動騒音よりも顕著になる。新幹線などの高速車両は、
空力騒音の対策が騒音対策の中心となっていた。
【0003】鉄道車両の騒音測定は、車両が通過中に測
定される騒音レベルのピーク値、すなわちピーク騒音レ
ベルを用いる。しかし、近年の研究成果によると、鉄道
騒音のように騒音レベルが変動する騒音の人体に対する
影響は、一定時間内の騒音の平均レベルである等価騒音
レベルの値による方がピーク騒音レベルの値よりも適し
ていることが分かってきた。等価騒音レベルの値を低減
するためには、従来の空力騒音の低減対策に加え、転動
騒音の低減についても対策をとる必要がある。
定される騒音レベルのピーク値、すなわちピーク騒音レ
ベルを用いる。しかし、近年の研究成果によると、鉄道
騒音のように騒音レベルが変動する騒音の人体に対する
影響は、一定時間内の騒音の平均レベルである等価騒音
レベルの値による方がピーク騒音レベルの値よりも適し
ていることが分かってきた。等価騒音レベルの値を低減
するためには、従来の空力騒音の低減対策に加え、転動
騒音の低減についても対策をとる必要がある。
【0004】転動騒音は、騒音発生源から垂直方向に放
射されるもの、レールに直交した水平方向に放射される
もの、騒音発生源から斜めに放射されるもの、などがあ
る。このうち、騒音発生源から垂直方向に放射されるも
のや斜めに放射されるものの一部は、車体の床下と軌道
面との間で反射と吸収が行われレールの周囲に放射され
るので、車両の床下に吸音材を設け、騒音エネルギーを
吸収するものが提案されている。
射されるもの、レールに直交した水平方向に放射される
もの、騒音発生源から斜めに放射されるもの、などがあ
る。このうち、騒音発生源から垂直方向に放射されるも
のや斜めに放射されるものの一部は、車体の床下と軌道
面との間で反射と吸収が行われレールの周囲に放射され
るので、車両の床下に吸音材を設け、騒音エネルギーを
吸収するものが提案されている。
【0005】一方、水平方向に放射される騒音や斜めに
放射される騒音の一部は、軌道面またはこの軌道面の端
に防音壁を立設し、騒音のエネルギーを減衰させるよう
にしている。
放射される騒音の一部は、軌道面またはこの軌道面の端
に防音壁を立設し、騒音のエネルギーを減衰させるよう
にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】車体の床下には台車を
はじめ種々の床下機器が取り付けられるので、この分の
空間が必要である。車輪がレール上を転動する際に発生
する転動騒音のうち、垂直方向に放射される騒音および
斜めに放射される騒音の一部は、床下と軌道面との間で
吸収と反射が行われが、その騒音エネルギーが十分に減
衰されないままレールの周囲に放射される。また、水平
方向に放射される騒音および斜めに放射される騒音の残
りの騒音は、直接にレールの周囲に放射される。この場
合、先の防音壁が設けられる場合は、これによって一部
の騒音エネルギーが減衰する。しかし、防音壁が低い場
合には、直接にレールの周囲に放射される騒音もあるの
で、転動騒音はその騒音エネルギーが十分低減されない
まま放射される。
はじめ種々の床下機器が取り付けられるので、この分の
空間が必要である。車輪がレール上を転動する際に発生
する転動騒音のうち、垂直方向に放射される騒音および
斜めに放射される騒音の一部は、床下と軌道面との間で
吸収と反射が行われが、その騒音エネルギーが十分に減
衰されないままレールの周囲に放射される。また、水平
方向に放射される騒音および斜めに放射される騒音の残
りの騒音は、直接にレールの周囲に放射される。この場
合、先の防音壁が設けられる場合は、これによって一部
の騒音エネルギーが減衰する。しかし、防音壁が低い場
合には、直接にレールの周囲に放射される騒音もあるの
で、転動騒音はその騒音エネルギーが十分低減されない
まま放射される。
【0007】本発明は、レールの周囲に放射される転動
騒音を低減することを課題とする。
騒音を低減することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、車体の床下とレールが敷設される軌道面
との間の空間部に、軌道面側に吸音面を対向させて車体
の巾の範囲内に吸音材を設けてなることを特徴とする。
め、本発明は、車体の床下とレールが敷設される軌道面
との間の空間部に、軌道面側に吸音面を対向させて車体
の巾の範囲内に吸音材を設けてなることを特徴とする。
【0009】このようにすることにより、空間部に設け
られる吸音材と軌道面との間の距離は、従来の床下と軌
道面との間の距離に比べ小さくなり、吸音材と軌道面と
の間には、床下と軌道面との間の空間部より距離(また
は高さ)の小さい、転動騒音が伝播する伝播空間部が形
成される。車輪とレールとの間で発生する転動騒音のう
ち、水平方向に放射される騒音以外の大部分の騒音は、
この伝播空間部を車体の巾方向に伝播するときに吸音材
と軌道面との間で吸収と反射が行われ、騒音エネルギー
が吸収されるので、レールの周囲に放射される騒音は減
衰され小さくなる。
られる吸音材と軌道面との間の距離は、従来の床下と軌
道面との間の距離に比べ小さくなり、吸音材と軌道面と
の間には、床下と軌道面との間の空間部より距離(また
は高さ)の小さい、転動騒音が伝播する伝播空間部が形
成される。車輪とレールとの間で発生する転動騒音のう
ち、水平方向に放射される騒音以外の大部分の騒音は、
この伝播空間部を車体の巾方向に伝播するときに吸音材
と軌道面との間で吸収と反射が行われ、騒音エネルギー
が吸収されるので、レールの周囲に放射される騒音は減
衰され小さくなる。
【0010】さらに、レールの脇に沿って軌道面または
この軌道面の端に立設された防音壁の上端とこの防音壁
に近い側のレールとを結ぶ線の防音壁側に吸音材の縁が
突き出すと良い。このようにすることにより、車体の側
面を延長した面と、この面に近い側のレールとの間の空
間部に吸音材を位置させることができる。さらに、この
空間部の吸音材と軌道面との間の距離を小さくできるの
で、吸音材と軌道面との間に高さの小さい伝播空間部が
形成される。この伝播空間部を騒音が通過することによ
り吸収と反射が行われやすくなり、この伝播空間部を通
過する騒音エネルギーは吸収されやすくなる。
この軌道面の端に立設された防音壁の上端とこの防音壁
に近い側のレールとを結ぶ線の防音壁側に吸音材の縁が
突き出すと良い。このようにすることにより、車体の側
面を延長した面と、この面に近い側のレールとの間の空
間部に吸音材を位置させることができる。さらに、この
空間部の吸音材と軌道面との間の距離を小さくできるの
で、吸音材と軌道面との間に高さの小さい伝播空間部が
形成される。この伝播空間部を騒音が通過することによ
り吸収と反射が行われやすくなり、この伝播空間部を通
過する騒音エネルギーは吸収されやすくなる。
【0011】また、吸音材の縁を、防音壁の上端とこの
防音壁に近い側のレールとを結ぶ線から外側に突き出す
ことにより、吸音材は防音壁の上端よりも低い高さに位
置することになり、伝播空間を通過した騒音は、防音壁
で騒音エネルギーが減衰する。このようにして、転動騒
音は、吸音材、軌道面および防音壁の間で反射と吸収が
行われ、騒音エネルギーが吸収されて減衰し、騒音レベ
ルの低減した状態でレールの周囲に放射される。
防音壁に近い側のレールとを結ぶ線から外側に突き出す
ことにより、吸音材は防音壁の上端よりも低い高さに位
置することになり、伝播空間を通過した騒音は、防音壁
で騒音エネルギーが減衰する。このようにして、転動騒
音は、吸音材、軌道面および防音壁の間で反射と吸収が
行われ、騒音エネルギーが吸収されて減衰し、騒音レベ
ルの低減した状態でレールの周囲に放射される。
【0012】また、本発明は、車両の床下に車両の側面
の延長に沿って形成してなる床下側板と、この床下側板
の下端部に軌道面側に吸音面を対向させて設けられた吸
音材とを有してなることを特徴とする。このようにする
ことにより、車輪がレール上を転動することにより発生
する転動騒音は、床下、軌道面および床下側板などで反
射と吸収が行われた後、さらに、吸音材と軌道面との間
の伝播空間部を通過する。この伝播空間部を通過する際
に、騒音は吸収と反射が行われ減衰する。この際、吸音
材に対向する軌道面を、この軌道面にレールに沿って設
けられた吸音部材、軌道面の盛上げ部材を敷設すると良
い。このようにすることにより、車体側の吸音材とこれ
に対向する軌道面との間の距離を、さらに狭めた伝播空
間部が形成され、この空間を通過する騒音は、そのエネ
ルギーが吸収されやすくなる。
の延長に沿って形成してなる床下側板と、この床下側板
の下端部に軌道面側に吸音面を対向させて設けられた吸
音材とを有してなることを特徴とする。このようにする
ことにより、車輪がレール上を転動することにより発生
する転動騒音は、床下、軌道面および床下側板などで反
射と吸収が行われた後、さらに、吸音材と軌道面との間
の伝播空間部を通過する。この伝播空間部を通過する際
に、騒音は吸収と反射が行われ減衰する。この際、吸音
材に対向する軌道面を、この軌道面にレールに沿って設
けられた吸音部材、軌道面の盛上げ部材を敷設すると良
い。このようにすることにより、車体側の吸音材とこれ
に対向する軌道面との間の距離を、さらに狭めた伝播空
間部が形成され、この空間を通過する騒音は、そのエネ
ルギーが吸収されやすくなる。
【0013】また、車体に設けられる吸音材は、車体の
長さの1/2以上の長さにわたって設けられると良い。
このようにすることにより、転動騒音の全体騒音レベル
を一層大きく低減する。さらに、吸音材は、転動騒音の
ピーク周波数成分の吸収率が0.8以上であると良い。
このようにすることにより、上記と同様に転動騒音の全
体騒音レベルを一層大きく低減することができる。
長さの1/2以上の長さにわたって設けられると良い。
このようにすることにより、転動騒音の全体騒音レベル
を一層大きく低減する。さらに、吸音材は、転動騒音の
ピーク周波数成分の吸収率が0.8以上であると良い。
このようにすることにより、上記と同様に転動騒音の全
体騒音レベルを一層大きく低減することができる。
【0014】また、車体に設けられる吸音材は、車体の
床下から離れた位置に設けられるが、車体の床下から延
設された支持体に取り付けられるか、車体の側面下端か
ら延設された床下側板を軌道面に平行させて内側に延ば
した水平片に取り付けられても良い。いずれにしても、
吸音材は、軌道面と平行に配設され、その吸音面が軌道
面に対向するように取り付けられる。この場合、吸音面
には、表面に開口部を有する吸音材カバーを取り付ける
と、軌道上のバラストなどが巻き上げられたときに、バ
ラストが吸音材に衝突して破損させることを防止する。
床下から離れた位置に設けられるが、車体の床下から延
設された支持体に取り付けられるか、車体の側面下端か
ら延設された床下側板を軌道面に平行させて内側に延ば
した水平片に取り付けられても良い。いずれにしても、
吸音材は、軌道面と平行に配設され、その吸音面が軌道
面に対向するように取り付けられる。この場合、吸音面
には、表面に開口部を有する吸音材カバーを取り付ける
と、軌道上のバラストなどが巻き上げられたときに、バ
ラストが吸音材に衝突して破損させることを防止する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鉄道車両の実
施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1
〜12において、同一または同等部分には同一符号を付
けて示す。
施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1
〜12において、同一または同等部分には同一符号を付
けて示す。
【0016】本発明の鉄道車両の実施形態を説明する前
に、騒音の測定、評価について説明しておく。
に、騒音の測定、評価について説明しておく。
【0017】鉄道車両の転動騒音の低減対策としては、
車両の車体側に対策を施すものとして、たとえば(1)
弾性車輪によりレールの振動を低減する、(2)研摩子
により車輪の踏面を平滑に保つ、(3)車体下面に吸音
材を取り付ける、などの対策が知られている(「鉄道技
研」1986年7月号、253〜255頁)。また、軌
道側に対策を施すものとして、レールからの放射音を低
減するために、バラストを用いずにコンクリートのスラ
ブ軌道に直接枕木を介してレールを固定し、吸音材を2
本のレールの間や外側に連続敷設することが知られてい
る(特開平7−90801号公報、特開平10―102
403号公報など)。
車両の車体側に対策を施すものとして、たとえば(1)
弾性車輪によりレールの振動を低減する、(2)研摩子
により車輪の踏面を平滑に保つ、(3)車体下面に吸音
材を取り付ける、などの対策が知られている(「鉄道技
研」1986年7月号、253〜255頁)。また、軌
道側に対策を施すものとして、レールからの放射音を低
減するために、バラストを用いずにコンクリートのスラ
ブ軌道に直接枕木を介してレールを固定し、吸音材を2
本のレールの間や外側に連続敷設することが知られてい
る(特開平7−90801号公報、特開平10―102
403号公報など)。
【0018】上記転動騒音低減対策のうち、弾性車輪に
よりレールの振動を低減することや、車輪の踏面の平滑
化により騒音を低減することは既に行われている。車体
下面に吸音材を取り付けることは、台車まわりに吸音材
を取り付けたものが開示されているが、騒音低減レベル
の値は2dB(A)程度で、今後さらに工夫をして騒音
を低減する必要がある。また、転動騒音の低減のために
レールの周囲に吸音材を配置することは、騒音が問題と
なる全走行区間に吸音材を敷設する必要があり、経済的
な問題がある。
よりレールの振動を低減することや、車輪の踏面の平滑
化により騒音を低減することは既に行われている。車体
下面に吸音材を取り付けることは、台車まわりに吸音材
を取り付けたものが開示されているが、騒音低減レベル
の値は2dB(A)程度で、今後さらに工夫をして騒音
を低減する必要がある。また、転動騒音の低減のために
レールの周囲に吸音材を配置することは、騒音が問題と
なる全走行区間に吸音材を敷設する必要があり、経済的
な問題がある。
【0019】図8は、鉄道車両の編成図である。ここに
示した鉄道車両の編成1は、16両の車両2を有し、1
編成にパンタグラフ28が二つある。各車両2には、台
車18が二つづつ付いている。
示した鉄道車両の編成1は、16両の車両2を有し、1
編成にパンタグラフ28が二つある。各車両2には、台
車18が二つづつ付いている。
【0020】図9は、図8に示した編成の鉄道車両が通
過する際に測定される時間と騒音レベルの例を示す曲線
図である。従来、鉄道車両の騒音レベルの測定は、車両
が通過中に測定される騒音を時定数を約1秒とした騒音
レベルのスロー表示として行われ、ピーク騒音レベルを
用いた評価を行っていた。
過する際に測定される時間と騒音レベルの例を示す曲線
図である。従来、鉄道車両の騒音レベルの測定は、車両
が通過中に測定される騒音を時定数を約1秒とした騒音
レベルのスロー表示として行われ、ピーク騒音レベルを
用いた評価を行っていた。
【0021】図10は、転動騒音と空力騒音をパラメー
タとする車両速度と騒音レベルの関係曲線図である。横
軸は、速度の対数を取った値であり、縦軸は騒音レベル
(dB)である。新幹線などの高速車両の走行時の騒音
は、台車、レールなどより放射される転動騒音と、パン
タグラフなどが風を切ることにより発生する空力騒音に
分けることができる。ここで、転動騒音レベルは、速度
の約2〜3乗に比例し、速度が2倍になると6〜9dB
増加し、空力騒音レベルは、速度の約6〜8乗に比例
し、速度が2倍になると18〜24dBと急激に増加す
る。このため、車両の転動騒音源と空力騒音源から発生
する騒音が等しくなる速度以上では、空力騒音源の通過
時に騒音レベルが極大となりピーク騒音レベルを支配す
る。このため、新幹線などの高速車両は、空力騒音の対
策が騒音対策の中心となっていた。
タとする車両速度と騒音レベルの関係曲線図である。横
軸は、速度の対数を取った値であり、縦軸は騒音レベル
(dB)である。新幹線などの高速車両の走行時の騒音
は、台車、レールなどより放射される転動騒音と、パン
タグラフなどが風を切ることにより発生する空力騒音に
分けることができる。ここで、転動騒音レベルは、速度
の約2〜3乗に比例し、速度が2倍になると6〜9dB
増加し、空力騒音レベルは、速度の約6〜8乗に比例
し、速度が2倍になると18〜24dBと急激に増加す
る。このため、車両の転動騒音源と空力騒音源から発生
する騒音が等しくなる速度以上では、空力騒音源の通過
時に騒音レベルが極大となりピーク騒音レベルを支配す
る。このため、新幹線などの高速車両は、空力騒音の対
策が騒音対策の中心となっていた。
【0022】先に説明したように、鉄道騒音のようにレ
ベルが変動する騒音の人体に対する影響は、等価騒音レ
ベルの値による評価が適切である。等価騒音レベルLe
qは、図9に示したように、一定間隔毎に測定したn個
の騒音レベルLi(i=1,2…,n)を用いて、次式
(1)で単位をデシベル(dB)として計算することが
できる。
ベルが変動する騒音の人体に対する影響は、等価騒音レ
ベルの値による評価が適切である。等価騒音レベルLe
qは、図9に示したように、一定間隔毎に測定したn個
の騒音レベルLi(i=1,2…,n)を用いて、次式
(1)で単位をデシベル(dB)として計算することが
できる。
【0023】
【数1】
【0024】さらに、鉄道騒音は、車両の通過中以外に
は発生しないので、式(1)のLiを車両通過中のみm
回測定し、全体の計測時間で平均する式(2)により計
算することも可能である。
は発生しないので、式(1)のLiを車両通過中のみm
回測定し、全体の計測時間で平均する式(2)により計
算することも可能である。
【0025】
【数2】
【0026】図11は、超指向性マイクロホンによる鉄
道車両の通過する際に測定した時間と騒音レベルの例を
示す曲線図である。鉄道車両は、図8に示した編成のも
ので、騒音源であるパンタグラフ28や台車18の位置
で極大となる。したがって、式(2)でのm回の測定値
は、これら極大値の和により近似的に求められる。ピー
ク騒音レベルは空力騒音を発するパンタグラフ28の位
置で発生することがわかる。しかし等価騒音レベルでの
測定値は式(2)となるため、パンタグラフ騒音レベル
L1と転動騒音レベルL2を用いて、図8の16両編成
のパンタグラフを二つ有する場合の値は、式(3)によ
って求めることができる。
道車両の通過する際に測定した時間と騒音レベルの例を
示す曲線図である。鉄道車両は、図8に示した編成のも
ので、騒音源であるパンタグラフ28や台車18の位置
で極大となる。したがって、式(2)でのm回の測定値
は、これら極大値の和により近似的に求められる。ピー
ク騒音レベルは空力騒音を発するパンタグラフ28の位
置で発生することがわかる。しかし等価騒音レベルでの
測定値は式(2)となるため、パンタグラフ騒音レベル
L1と転動騒音レベルL2を用いて、図8の16両編成
のパンタグラフを二つ有する場合の値は、式(3)によ
って求めることができる。
【0027】
【数3】
【0028】図12は、式(3)の計算結果である。横
軸はパンタグラフ単体騒音L1が台車単体騒音L2に対
して何dB高いかを示し、縦軸はL2に対しての全体騒
音レベルLeq(t)との相対レベル差を示す。式
(3)の第1項は、パンタグラフ全体の等価騒音レベル
Leq(p)である(図12の符号▲で示される曲
線)。式(3)の第2項は台車全体の等価騒音レベルL
eq(d)である(図12の符号○で示される曲線)。
太実曲線はパンタグラフ全体と台車全体の騒音の和Le
q(t)である。この図でパンタグラフ全体騒音Leq
(p)はパンタグラフ二つ分の騒音レベルを示し、台車
全体騒音Leq(d)は16両分の台車32基分の騒
音、全体騒音Leq(t)は台車とパンタグラフ全体の
騒音の和を示す。
軸はパンタグラフ単体騒音L1が台車単体騒音L2に対
して何dB高いかを示し、縦軸はL2に対しての全体騒
音レベルLeq(t)との相対レベル差を示す。式
(3)の第1項は、パンタグラフ全体の等価騒音レベル
Leq(p)である(図12の符号▲で示される曲
線)。式(3)の第2項は台車全体の等価騒音レベルL
eq(d)である(図12の符号○で示される曲線)。
太実曲線はパンタグラフ全体と台車全体の騒音の和Le
q(t)である。この図でパンタグラフ全体騒音Leq
(p)はパンタグラフ二つ分の騒音レベルを示し、台車
全体騒音Leq(d)は16両分の台車32基分の騒
音、全体騒音Leq(t)は台車とパンタグラフ全体の
騒音の和を示す。
【0029】等価騒音レベルで評価した場合、図12よ
りパンタグラフ一つあたりの騒音レベルが台車1基あた
りの騒音レベルよりも10dB高い場合(点56)、ピ
ーク騒音において、パンタグラフ騒音が支配的である場
合でも、台車全体の等価騒音レベル(点54)は、パン
タグラフ全体の等価騒音レベル(点55)に対して約2
dB高く、台車騒音が支配的であることがわかる。すな
わち、等価騒音レベルで評価した場合には、従来の空力
騒音の低減のみでなく、台車やレールから出る転動騒音
のさらなる低減が必要になることがわかる。
りパンタグラフ一つあたりの騒音レベルが台車1基あた
りの騒音レベルよりも10dB高い場合(点56)、ピ
ーク騒音において、パンタグラフ騒音が支配的である場
合でも、台車全体の等価騒音レベル(点54)は、パン
タグラフ全体の等価騒音レベル(点55)に対して約2
dB高く、台車騒音が支配的であることがわかる。すな
わち、等価騒音レベルで評価した場合には、従来の空力
騒音の低減のみでなく、台車やレールから出る転動騒音
のさらなる低減が必要になることがわかる。
【0030】図1は、本発明に係る鉄道車両の第1実施
形態を示し、走行方向から見た説明図である。図2は、
図1の側面図である。第1実施形態の鉄道車両は、車体
3の床下8と、レール32a、32bが敷設される軌道
面35との間の空間部30に、軌道34の軌道面35に
対向させて車体3の巾に略等しく板状の吸音材12を設
ける。さらに、鉄道車両の走行方向(図面に垂直な方
向)に立設された防音壁40の上端41と、この防音壁
40に近い側のレール32bとを結ぶ線45の防音壁側
に吸音材の縁13が突き出ている。吸音材12は、車体
の床下8に固定された支持体9に床下8から離れた位置
に固定される。
形態を示し、走行方向から見た説明図である。図2は、
図1の側面図である。第1実施形態の鉄道車両は、車体
3の床下8と、レール32a、32bが敷設される軌道
面35との間の空間部30に、軌道34の軌道面35に
対向させて車体3の巾に略等しく板状の吸音材12を設
ける。さらに、鉄道車両の走行方向(図面に垂直な方
向)に立設された防音壁40の上端41と、この防音壁
40に近い側のレール32bとを結ぶ線45の防音壁側
に吸音材の縁13が突き出ている。吸音材12は、車体
の床下8に固定された支持体9に床下8から離れた位置
に固定される。
【0031】図1において、吸音材12は、車体の側面
下端から延設された床下側板を軌道面に平行させて内側
に延ばされた水平片に取り付けられても良い。また、第
1実施形態における吸音材12は、板状の吸音材とした
が、これに限らず、断面形状が円柱など他の形状でも使
用可能である。いずれにしても、吸音材は、軌道面と平
行に配設され、その吸音面が軌道面に対向するように取
り付けられる。
下端から延設された床下側板を軌道面に平行させて内側
に延ばされた水平片に取り付けられても良い。また、第
1実施形態における吸音材12は、板状の吸音材とした
が、これに限らず、断面形状が円柱など他の形状でも使
用可能である。いずれにしても、吸音材は、軌道面と平
行に配設され、その吸音面が軌道面に対向するように取
り付けられる。
【0032】以上の構造を有する第1実施形態の鉄道車
両は、次のように作用する。すなわち、空間部30に設
けられた板状の吸音材12と軌道面35との間に車体3
の巾方向に高さの小さい伝播空間部31が形成される。
車輪がレール32a、32b上を転動することにより発
生する転動騒音は、この伝播空間部31を車体3の巾方
向に伝播する。転動騒音は、この伝播空間部31を伝播
する間に吸音材12と軌道面35との間で吸収と反射が
繰り返されながら騒音エネルギーが吸収されるので、伝
播空間部31の外に放射される騒音は減衰され小さくな
る。同時に、車両の内部に進入する騒音も小さくなる。
両は、次のように作用する。すなわち、空間部30に設
けられた板状の吸音材12と軌道面35との間に車体3
の巾方向に高さの小さい伝播空間部31が形成される。
車輪がレール32a、32b上を転動することにより発
生する転動騒音は、この伝播空間部31を車体3の巾方
向に伝播する。転動騒音は、この伝播空間部31を伝播
する間に吸音材12と軌道面35との間で吸収と反射が
繰り返されながら騒音エネルギーが吸収されるので、伝
播空間部31の外に放射される騒音は減衰され小さくな
る。同時に、車両の内部に進入する騒音も小さくなる。
【0033】また、吸音材の縁13がレール32bと防
音壁上端41とを結ぶ線45を防音壁40側に突き出る
ことにより、伝播空間部31の長さが、吸音材の突き出
ない場合に比べ相対的に長くなる。伝播空間部31が長
くなると騒音の吸収と反射の回数も増加し、この伝播空
間部31を通過する間に騒音エネルギーが吸収される。
さらに、伝播空間部31を通過した転動騒音は、吸音材
の縁13で回折するとともに防音壁40に突き当たり騒
音エネルギーが吸収される。さらに、防音壁40と車両
2の間で吸収と反射が繰り返されながら減衰し、騒音エ
ネルギーが小さくなった状態で軌道の外に放射される。
音壁上端41とを結ぶ線45を防音壁40側に突き出る
ことにより、伝播空間部31の長さが、吸音材の突き出
ない場合に比べ相対的に長くなる。伝播空間部31が長
くなると騒音の吸収と反射の回数も増加し、この伝播空
間部31を通過する間に騒音エネルギーが吸収される。
さらに、伝播空間部31を通過した転動騒音は、吸音材
の縁13で回折するとともに防音壁40に突き当たり騒
音エネルギーが吸収される。さらに、防音壁40と車両
2の間で吸収と反射が繰り返されながら減衰し、騒音エ
ネルギーが小さくなった状態で軌道の外に放射される。
【0034】また、吸音材12は、図2に示すように、
車体3の長さの1/2以上の長さにわたって設けられる
と良い。このようにすることにより、転動騒音の全体騒
音レベルを一層大きく低減する。さらに、吸音材12
は、転動騒音のピーク周波数成分の吸収率が0.8以上
であると良い。このようにすることにより、上記と同様
に転動騒音の全体騒音レベルを一層大きく低減すること
ができる。
車体3の長さの1/2以上の長さにわたって設けられる
と良い。このようにすることにより、転動騒音の全体騒
音レベルを一層大きく低減する。さらに、吸音材12
は、転動騒音のピーク周波数成分の吸収率が0.8以上
であると良い。このようにすることにより、上記と同様
に転動騒音の全体騒音レベルを一層大きく低減すること
ができる。
【0035】図1において、防音壁40は、特にレール
の継ぎ目などの転動騒音が特に多く発生する部分に設置
すると、転動騒音低減の効果を高められる。なお、上記
の防音壁40の代わりに、逆位相の音波をスピーカによ
り発生させて音を低減させる能動消音装置を用いて騒音
低減を図っても防音壁40と同様の効果がある。
の継ぎ目などの転動騒音が特に多く発生する部分に設置
すると、転動騒音低減の効果を高められる。なお、上記
の防音壁40の代わりに、逆位相の音波をスピーカによ
り発生させて音を低減させる能動消音装置を用いて騒音
低減を図っても防音壁40と同様の効果がある。
【0036】図3は、吸音材設置位置での転動騒音低減
量をパラメータとする吸音材設置率と転動騒音全体低減
量の関係曲線である。吸音材設置率Pは、次式(4)で
定義される。
量をパラメータとする吸音材設置率と転動騒音全体低減
量の関係曲線である。吸音材設置率Pは、次式(4)で
定義される。
【0037】
【数4】
【0038】すなわち、吸音材設置率Pは、車体のレー
ル方向の長さLに対する吸音材12の占める割合であ
る。この吸音材設置率Pを10%から90%まで変化さ
せたときの転動騒音全体低減量(dB)を示す。図中、
曲線47(●印)、48(▲印)、49(○印)は、そ
れぞれ吸音材設置位置での転動騒音低減量を10、6、
3dBとした場合である。吸音材設置率Pが50%以下
では転動騒音全体低減量は3dB以上の低減量とならな
い。有意な騒音低減量を得るためには、吸音材設置率P
は50%より大きくする必要がある。
ル方向の長さLに対する吸音材12の占める割合であ
る。この吸音材設置率Pを10%から90%まで変化さ
せたときの転動騒音全体低減量(dB)を示す。図中、
曲線47(●印)、48(▲印)、49(○印)は、そ
れぞれ吸音材設置位置での転動騒音低減量を10、6、
3dBとした場合である。吸音材設置率Pが50%以下
では転動騒音全体低減量は3dB以上の低減量とならな
い。有意な騒音低減量を得るためには、吸音材設置率P
は50%より大きくする必要がある。
【0039】図4は、片面吸音または両面吸音をパラメ
ータとする吸音材の吸音率αと転動騒音低減量の関係曲
線である。吸音材の吸音率αによる転動騒音低減量(d
B)の変化を示す。横軸は吸音材の吸音率α、縦軸はレ
ールからの放射音の低減量を示す。曲線50は両面吸音
でH=0.2、W=1、曲線51は、両面吸音でH=
0.3、W=1、曲線52は、片面吸音でH=0.2、
W=1、曲線53は、片面吸音でH=0.3、W=1、
をそれぞれ示す。図中、片面吸音とは前記の伝播経路の
上側の車体3側にのみ吸音材12を設けた場合である。
両面吸音とは伝播経路の車体3側と伝播経路の下側の軌
道面35にも吸音材を設けた場合である。符号Hは図1
に示した吸音材12から軌道面35までの高さであり、
符号Wはレール32aまたは32bから近い側の吸音材
の縁13を垂直に降ろした面までの距離である。一般的
な鉄道においては車両の幅が約3m、レールの間隔が約
1mであるので、Wとして最大約1mの長さをとること
ができる。
ータとする吸音材の吸音率αと転動騒音低減量の関係曲
線である。吸音材の吸音率αによる転動騒音低減量(d
B)の変化を示す。横軸は吸音材の吸音率α、縦軸はレ
ールからの放射音の低減量を示す。曲線50は両面吸音
でH=0.2、W=1、曲線51は、両面吸音でH=
0.3、W=1、曲線52は、片面吸音でH=0.2、
W=1、曲線53は、片面吸音でH=0.3、W=1、
をそれぞれ示す。図中、片面吸音とは前記の伝播経路の
上側の車体3側にのみ吸音材12を設けた場合である。
両面吸音とは伝播経路の車体3側と伝播経路の下側の軌
道面35にも吸音材を設けた場合である。符号Hは図1
に示した吸音材12から軌道面35までの高さであり、
符号Wはレール32aまたは32bから近い側の吸音材
の縁13を垂直に降ろした面までの距離である。一般的
な鉄道においては車両の幅が約3m、レールの間隔が約
1mであるので、Wとして最大約1mの長さをとること
ができる。
【0040】図4に示すように、吸音率αが1に近づ
き、高さHが小さい方が騒音低減量は大きくなり、片面
吸音よりも両面吸音の方が騒音低減量が大きい。一般に
吸音率αをすべての周波数で1にすることは困難であ
る。ただし、レールからの放射音の主要周波数成分の吸
音率αを0.8以上にすれば、片面吸音の場合は吸音率
αが1の最大低減量との差が1dB以内で騒音低減が可
能である。また、両面吸音の場合は、吸音率αが0.8
以上において騒音低減量5dB以上を確保可能である。
図5は、本発明に係る第2実施形態を示し、走行方向か
ら見た説明図である。第2実施形態の鉄道車両は、転動
騒音の低減量を大きくするために、車両の床下8に車両
の側面4の延長に沿って形成してなる床下側板5と、こ
の床下側板5の下端部に軌道面35に対向して設けられ
た板状の吸音材12a、12bとを有する。この場合、
吸音材12a、12bは、それぞれ軌道面35にレール
に沿って設けられた吸音部材や軌道面の盛上げ部材37
に対向して設けられる。
き、高さHが小さい方が騒音低減量は大きくなり、片面
吸音よりも両面吸音の方が騒音低減量が大きい。一般に
吸音率αをすべての周波数で1にすることは困難であ
る。ただし、レールからの放射音の主要周波数成分の吸
音率αを0.8以上にすれば、片面吸音の場合は吸音率
αが1の最大低減量との差が1dB以内で騒音低減が可
能である。また、両面吸音の場合は、吸音率αが0.8
以上において騒音低減量5dB以上を確保可能である。
図5は、本発明に係る第2実施形態を示し、走行方向か
ら見た説明図である。第2実施形態の鉄道車両は、転動
騒音の低減量を大きくするために、車両の床下8に車両
の側面4の延長に沿って形成してなる床下側板5と、こ
の床下側板5の下端部に軌道面35に対向して設けられ
た板状の吸音材12a、12bとを有する。この場合、
吸音材12a、12bは、それぞれ軌道面35にレール
に沿って設けられた吸音部材や軌道面の盛上げ部材37
に対向して設けられる。
【0041】このようにすることにより、吸音材12a
と吸音部材や軌道面の盛上げ部材37、または吸音材1
2bと吸音部材や軌道面の盛上げ部材37との間の距離
をさらに小さくできるので、転動騒音は、この狭い伝播
空間部31を通過することにより吸収と反射が繰り返さ
れ減衰する。吸音部材37の場合は、転動騒音がこの吸
音部材37と吸音材12aまたは12bとの間を通過す
ることにより、騒音エネルギーが吸収され、転動騒音の
騒音レベルはさらに小さくなる。第2実施形態における
鉄道車両のその他の構造と作用は、第1実施形態の場合
と同じであるので、その説明を省略する。
と吸音部材や軌道面の盛上げ部材37、または吸音材1
2bと吸音部材や軌道面の盛上げ部材37との間の距離
をさらに小さくできるので、転動騒音は、この狭い伝播
空間部31を通過することにより吸収と反射が繰り返さ
れ減衰する。吸音部材37の場合は、転動騒音がこの吸
音部材37と吸音材12aまたは12bとの間を通過す
ることにより、騒音エネルギーが吸収され、転動騒音の
騒音レベルはさらに小さくなる。第2実施形態における
鉄道車両のその他の構造と作用は、第1実施形態の場合
と同じであるので、その説明を省略する。
【0042】図6は、本発明に係る第3実施形態を示
し、走行方向から見た説明図である。第3実施形態の鉄
道車両は、吸音材12aまたは12bの表面に開口部を
有する吸音材カバー15を取り付けると、軌道34のバ
ラストなどが巻き上げられたときに、バラストが吸音材
12aまたは12bに衝突して破損させることを防止す
る。第3実施形態における鉄道車両のその他の構造と作
用は、第1実施形態の場合と同じであるので、その説明
を省略する。
し、走行方向から見た説明図である。第3実施形態の鉄
道車両は、吸音材12aまたは12bの表面に開口部を
有する吸音材カバー15を取り付けると、軌道34のバ
ラストなどが巻き上げられたときに、バラストが吸音材
12aまたは12bに衝突して破損させることを防止す
る。第3実施形態における鉄道車両のその他の構造と作
用は、第1実施形態の場合と同じであるので、その説明
を省略する。
【0043】図7は、本発明に係る第4実施形態を示
し、上から見た説明図である。第4実施形態の鉄道車両
は、車輪19以外の部分を台車カバー24で囲って、騒
音低減を行うようにしたものである。台車18からの放
射音のうち、車輪19の振動による転動騒音は、従来技
術でも説明したように、全体の中に占める比率は低い。
車輪19は安全確保のため、常時外部から点検できるこ
とが必要である。さらに、車輪19の外側にブレーキ装
置22などの装着により車輪19からレールと直角方向
(走行方向と直交する水平方向)に放射される騒音を遮
蔽することができるので、車輪19の部分は外部から見
える状態にしている。
し、上から見た説明図である。第4実施形態の鉄道車両
は、車輪19以外の部分を台車カバー24で囲って、騒
音低減を行うようにしたものである。台車18からの放
射音のうち、車輪19の振動による転動騒音は、従来技
術でも説明したように、全体の中に占める比率は低い。
車輪19は安全確保のため、常時外部から点検できるこ
とが必要である。さらに、車輪19の外側にブレーキ装
置22などの装着により車輪19からレールと直角方向
(走行方向と直交する水平方向)に放射される騒音を遮
蔽することができるので、車輪19の部分は外部から見
える状態にしている。
【0044】一方、車輪19以外のモータ21などから
発生する騒音は、ブレーキ装置22などで遮蔽されない
ため、車輪19以外の部分を台車カバー24で囲うこと
が騒音低減のため有効である。さらに、車輪19からの
放射音を低減するため、台車カバー24の外側に吸音材
26を設けることにより、車輪19からの騒音を低減で
きる。さらに、台車カバー24は、台車18のヨーイン
グを防ぐために設けられたヨーダンパ25が風を切るこ
とにより発生する空力騒音を遮蔽する効果を持つ。
発生する騒音は、ブレーキ装置22などで遮蔽されない
ため、車輪19以外の部分を台車カバー24で囲うこと
が騒音低減のため有効である。さらに、車輪19からの
放射音を低減するため、台車カバー24の外側に吸音材
26を設けることにより、車輪19からの騒音を低減で
きる。さらに、台車カバー24は、台車18のヨーイン
グを防ぐために設けられたヨーダンパ25が風を切るこ
とにより発生する空力騒音を遮蔽する効果を持つ。
【0045】以上説明したように、本実施形態の鉄道車
両は、車両の床下から離れた位置に軌道面と対向させて
設けた吸音材により転動騒音の低減を可能にするもので
ある。また、主として車体側に設けた吸音構造であるの
で、軌道側に施す騒音対策が軽減され、低コストと低騒
音を両立できる。
両は、車両の床下から離れた位置に軌道面と対向させて
設けた吸音材により転動騒音の低減を可能にするもので
ある。また、主として車体側に設けた吸音構造であるの
で、軌道側に施す騒音対策が軽減され、低コストと低騒
音を両立できる。
【0046】以上この発明を図示の実施例について詳し
く説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例
のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せ
ずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ること
は云うまでもない。
く説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例
のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せ
ずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ること
は云うまでもない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、レールの周囲に放射さ
れる転動騒音を低減することが出来る。
れる転動騒音を低減することが出来る。
【図1】本発明に係る鉄道車両の第1実施形態を示し、
走行方向から見た説明図である。
走行方向から見た説明図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】吸音材設置位置での転動騒音低減量をパラメー
タとする吸音材設置率と転動騒音全体低減量の関係曲線
である。
タとする吸音材設置率と転動騒音全体低減量の関係曲線
である。
【図4】片面吸音または両面吸音をパラメータとする吸
音材の吸音率と転動騒音低減量の関係曲線である。
音材の吸音率と転動騒音低減量の関係曲線である。
【図5】本発明に係る第2実施形態を示し、走行方向か
ら見た説明図である。
ら見た説明図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態を示し、走行方向か
ら見た説明図である。
ら見た説明図である。
【図7】本発明に係る第4実施形態を示し、上から見た
説明図である。
説明図である。
【図8】鉄道車両の編成図である。
【図9】鉄道車両の通過する際に測定される時間と騒音
レベルの例を示す曲線図である。
レベルの例を示す曲線図である。
【図10】振動騒音と空力騒音をパラメータとする車両
速度と騒音レベルの関係曲線図である。
速度と騒音レベルの関係曲線図である。
【図11】超指向性マイクロホンによる鉄道車両の通過
する際に測定した時間と騒音レベルの例を示す曲線図で
ある。
する際に測定した時間と騒音レベルの例を示す曲線図で
ある。
【図12】等価騒音レベルによる空力騒音と転動騒音の
比較図である。
比較図である。
3 車体 4 側面 5 床下側板 6 面 8 床下 12、12a、12b 吸音材 13 縁 30 空間部 32a、32b レール 35 軌道面 40 防音壁 41 上端 45 結ぶ線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 俊昭 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内 (72)発明者 瀬畑 美智夫 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内
Claims (3)
- 【請求項1】 車体の床下とレールが敷設される軌道面
との間の空間部に、前記軌道面側に吸音面を対向させて
前記車体の巾の範囲内に吸音材を設けてなる鉄道車両。 - 【請求項2】 請求項1において、前記レールの脇に沿
って前記軌道面または該軌道面の端に立設された防音壁
の上端と該防音壁に近い側のレールとを結ぶ線の前記防
音壁側に前記吸音材の縁が突き出てなる鉄道車両。 - 【請求項3】 車両の床下に車両の側面の延長に沿って
形成してなる床下側板と、該床下側板の下端部に軌道面
側に吸音面を対向させて設けられた吸音材とを有してな
る鉄道車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11198791A JP2001026267A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 鉄道車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11198791A JP2001026267A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 鉄道車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001026267A true JP2001026267A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16396977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11198791A Pending JP2001026267A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 鉄道車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001026267A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005280641A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Railway Technical Res Inst | 移動体の雪舞上り抑制構造 |
JP2006290031A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 台車カバーを設けた高速鉄道車両 |
KR101851299B1 (ko) * | 2013-11-12 | 2018-04-23 | 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 | 철도 차량 |
-
1999
- 1999-07-13 JP JP11198791A patent/JP2001026267A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005280641A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Railway Technical Res Inst | 移動体の雪舞上り抑制構造 |
JP2006290031A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 台車カバーを設けた高速鉄道車両 |
JP4693151B2 (ja) * | 2005-04-06 | 2011-06-01 | 川崎重工業株式会社 | 台車カバーを設けた高速鉄道車両 |
KR101851299B1 (ko) * | 2013-11-12 | 2018-04-23 | 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 | 철도 차량 |
US10029709B2 (en) | 2013-11-12 | 2018-07-24 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | Railcar |
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