JP2001026063A - 繊維強化中空構造体及びその製造方法 - Google Patents
繊維強化中空構造体及びその製造方法Info
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Abstract
位置が容易に判別でき、かつ、長期間に亘る確実な滑り
止め効果を発現する繊維強化中空構造体と、その製造方
法とを提供する。 【解決手段】 中芯12各間における中間層14たる構
造脚部16について、該構造脚部16平面位置に対応し
た外層15表面に、長手方向に断続的もしくは連続的に
凸部17aを配してなる凸条17を設ける。
Description
なる中空部を有する複数の中芯と、ガラス繊維等の補強
繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯外
周を被覆する中間層(FRP層)と、該中間層を被覆し
熱可塑性樹脂よりなる外層との三層より形成される繊維
強化中空構造体及びその製造方法に関し、特に、例えば
外層表面に滑り止めエンボス加工が施された広幅(幅が
厚みの2倍以上)で板状の繊維強化中空構造体とその製
造方法とに関する。
化FRP層を中間層とし、該中間層を挟んで被覆する様
に、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を内層及び外層として
配した三層構造の繊維強化中空構造体は、軽量、高強度
かつ高剛性である上、電気絶縁性、耐久性、耐腐食性も
良好であるといった優れた特性を併せて備えている。こ
の繊維強化中空構造体は主に管状または板状の構造材と
して形成され、一般の木材や、該木材を貼設した集合材
などの天然材と違い、外部から長期に亘り荷重が掛かか
る状況下に置かれたとしても、クリープ現象等の品質劣
化が殆ど生じないなどといった安定した性質を有してい
る。
は、建設工事における仮設工事用足場板や、養殖施設用
歩み板、あるいは筏及び浮き桟橋、湿原等における巡回
路、道路工事等で使用される歩道橋(簡易橋)などの、
軽量で高強度かつ高剛性である上に耐久性が要求される
様な状況において使用される場合が多い。
途及び状況で屋外使用する場合、海水、降雨等を被り、
水に濡れる状況が往々にして発生する。構造体表面が平
滑な場合、前述の様な状況に遭遇して一度水に濡れると
滑りやすく、その表面を歩行する者が繊維強化中空構造
体を使用した足場等から滑落するおそれも考えられる。
従って、上記のような用途及び状況に対して用いられる
繊維強化中空構造体は、その製造に際し、外層表面に滑
り止め加工を施す必要がある。
処理するといった機械的手段を用いて広範に粗面化する
方法。 2繊維強化中空構造体の前記外層表面の熱可塑性樹脂被
覆を再加熱し、加熱されたエンボスローラーをその表面
に適宜当接させて凹凸を付与する方法。 3外層たる熱可塑性樹脂を中間層上に被覆する際にダイ
ス口金から例えば凹凸状の縞模様等を形成しつつ押し出
す方法。 などの方法が採用されてきた。
橋などといった用途及び状況に際しては、構造物の構造
部材として厚みがあって一体化しており適切な強度を備
えた大型の繊維強化中空構造体が望まれるが、これを当
初より一体物として作製するのは、設備面から見てその
設置規模とコストとの両面において困難に成らざるを得
ない。したがって、工場生産のもと一般的に生産される
通常サイズの繊維強化中空構造体同士を接合して、目的
のサイズの部材を製作し使用する方法が無理のない手段
であった。
との接合方法として一般的には、 1繊維強化中空構造体各々に穴を開けてその穴にボルト
ナットを挿通締結することで一体化する方法。 2繊維強化中空構造体各々に下穴を開け、その下穴にタ
ッピングビスを挿通させビス止め接合する方法。 3繊維強化中空構造体各々をドリルとネジとが一体にな
ったドリルネジにて止め締結する方法。 4エポキシ樹脂系接着剤を接合面に塗布した後、上記1
〜3のいずれかの接合方法を用いて接合し、接着剤を硬
化させ一体に接合する方法。 等の各種接合方法があった。
繊維強化中空構造体及びその製造方法は次に述べるよう
な課題を有していた。
造に際し、その外層表面に施されるべき滑り止め加工に
ついては、上記1〜3のいずれの方法においても、加工
条件の適宜検討を行うことにより滑り止め効果を得るこ
とが可能であるが、例えば1のサンドブラスト等を用い
た方法では、外層表面が粗面化されると言ってもその凹
凸具合は比較的小さく、多少の摩耗を経ると容易に滑り
止め効果が低減することとなり耐久性に劣ると共に、そ
の加工に際し、加工速度がかなり遅く加工効率が著しく
低い上に設備コストも高く工業的にコスト及び効率を満
足すべきレベルとすることは難しい。
したエンボスローラーを適宜当接させて凹凸を付与する
といった方法では、例えばより確実な滑り止め効果を得
ようと深いエンボス模様を形成する場合、外層表面への
エンボスローラーの当接圧力をかなり高める必要がある
が、中空構造体内の構造脚部(各中芯間の中間層にあた
る)に高い負荷が加わることでクラックを発生し構造強
度が大幅に低下するおそれがあるため、加工時の当接圧
力を任意には上昇させることが困難である。そのため、
係るエンボスローラーで凹凸加工を施す前に外層表面を
再加熱して軟化させ、凹凸加工を容易ならしめる前工程
が必要となり工程数が増加する。また、もともと平滑な
外層表面に凹凸加工するため、被加工物(繊維強化中空
構造体)の表面精度、形状精度から受ける影響が大き
く、正確な位置決め等の条件出しに時間を要する。ま
た、元来平滑な外層表面にエンボスローラーを当接する
ことで凹凸形状を形成するわけであるが、該凸部は凹部
の周囲にバリ状に形成されるにとどまり、塊状で適宜強
度を備えるといったことはないため、表面が摩耗すると
凸部が比較的容易に摩滅してしまい安定した滑り止め効
果を長期間得られないという問題があった。
模様等を形成しつつ押し出す方法では、繊維強化中空構
造体の長さ方向にのみ伸びる筋状の凹凸が得られること
となり、外層表面の全方位に亘る広範かつ確実な滑り止
め効果が期待できないといった問題がある。4の、エポ
キシ樹脂系接着剤を接合面に塗布した後、前記1〜3の
いずれかの接合方法を用いて接合一体化させる方法で
も、上述1〜3の接合方法が持つ問題点を同様に抱えて
いるのである。
1〜4のいずれの接合方法も中空構造体各々に穴を開け
ることになり、例えばもし誤って前述の構造脚部に穴を
開けることにでもなれば、その構造脚部は損傷または破
壊され、構造物として全体強度が著しく低下するおそれ
も十分考えられる。また、前記構造脚部付近で穴開け作
業などを行おうとしても係る構造脚部自体の影響を受
け、穴開け時、或いはドリルネジの打ち込み時における
加工位置が当初位置より齟齬を生じる問題も懸念され
る。上記の様な問題を回避するため、穴開けや打ち込み
作業は構造脚部位置を避けて行う必要があったが、繊維
強化中空構造体はその表面が元来平滑で指標となるもの
もないため、この構造脚部の位置を表面からすぐさま判
別することが困難であった。
着目してなされたもので、繊維強化中空構造体における
構造脚部の平面位置が容易に判別でき、かつ、長期間に
亘る確実な滑り止め効果を発現する繊維強化中空構造体
と、該繊維強化中空構造体を工業的に優れたコスト及び
効率で製造可能な製造方法とを提供するものである。
成するためになされたもので、熱可塑性樹脂からなる中
空部を有する複数の中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で
一体に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中間層
と、該中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三
層より形成される繊維強化中空構造体であって、前記複
数の中芯各間における前記中間層たる構造脚部につい
て、該構造脚部平面位置に対応した前記外層表面に、長
手方向に断続的もしくは連続的に凸部を配してなる凸条
を設けたことを特徴とする。
の製造方法であって、繊維強化中空構造体における前記
構造脚部と対応する位置に配置され凹部を有する口金よ
り、前記外層を構成する熱可塑性樹脂を押出すことによ
り、少なくとも前記構造脚部直上の外層表面に前記凸条
を設ける凸条形成工程と、該凸条形成工程により形成さ
れた凸条が未硬化状態である間に該凸条の一部を所定パ
ターンに従って押圧して凹部を形成し、凸条長手方向に
凹凸が繰り返し現出する凸条を形成する凸条加工工程と
を備えることを特徴とする。
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。ここで
はまず、本発明における繊維強化中空構造体を示す。
明図である。該繊維強化中空構造体10は、図に示す様
な、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂からなる中空部11
を有する中芯12と、ガラス繊維などの補強繊維13を
ビニエステル樹脂などの熱硬化性樹脂で一体に結着して
なり、前記中芯12外周を被覆するFRP層14(中間
層)と、該FRP層14を被覆しABS樹脂などの熱可
塑性樹脂よりなる外層15との三層よりなるものであ
り、ここでは繊維強化中空構造体10を成形して板状
(例えば、商品名ハニカムコンポーズ:宇部日東化成株
式会社製)にした例を示した。
FRP層14、ABS被覆外層15の三層構造を成し、
中芯12が7本並列配置され、該中芯12をABS被覆
外層15が上下に挟み込み、更に前記中芯12とABS
被覆外層15との間はにFRP層14が構造脚部16と
して存在しており、該構造脚部16直上(もしくはその
周囲)の外層15表面には例えば高さ1.5mm、幅
2.0mmで長さ約5mmの凸部17aを、例えば8m
m間隔で長手方向に断続的に配した凸条17を、中空構
造体10の裏表で計26条備える幅240mm、厚み3
0mm程度の板状中空構造体Aを例として、その製造方
法を以下に示す。
造体Aの製造装置概要を示す説明図である。
押出し機21及び外径サイジング槽22等により押出成
形(例えば真空サイジング方式によるサイジング)によ
り成形し、これを7本並列させて引取機23をもって図
面右方向の次工程に供給する。一方、ガラス繊維などの
補強繊維13をロービングスタンド24より含浸槽25
に供給し、さらに不飽和ポリエステル樹脂を絞り込んで
中芯12とそれらを一体化させる。次に、所定の形状
(幅238mm、厚み28mm)となるまで中芯12外
周となるFRP層14の樹脂を絞りノズル26により絞
り成形するが、この際、未硬化のFRP樹脂14を口金
部27a(図3参照)の所定位置に深さ3mm、幅2m
mの26条の溝27bを形成した口径350mmのドラ
フトタイプクロスヘッドダイス27に導き、被覆となる
ABS樹脂を円環状に押出被覆した。前記ダイス27前
部〜ABS樹脂被覆ポイント付近まで被覆加熱装置(図
示しない)等により加熱し、係る被覆ポイントから約1
0mm硬化槽側の位置からローラーサイジング装置28
によりサイジング成形するのである。該ローラーサイジ
ング装置28の備える第一ローラー28a(図4参照)
は前記凸条17に対応して長さ5mm、幅5mm、深さ
2.5mmの凹部28bを周方向に8mm間隔で周期的
に設けてあり、また、ローラー28a表面にはテフロン
コーティングが施されている。該第一ローラー28aは
約50℃の温水を通し、第二ローラー(図示しない)は
室温程度の水(約20℃)を通し成形状況に適した温度
に適宜冷却するよう配慮されている。
17aに対応し幅5mm、深さ2mmの溝を有する上下
ローラー5対(図示しない)よりなるローラーサイジン
グ装置(図示しない)を、5セット設置した熱湯硬化槽
29にて約95℃の熱湯で未硬化樹脂の硬化を図り、そ
して、冷却水槽30にて水冷し、引取機31で速度1m
/minにて引き取った。また、図示しないが、引取機
31で引き取りながら連続して、最終的にカッター32
により所定寸法に切断し、中芯の肉厚1.2mm、FR
P部の厚さ1.3mm、被覆樹脂の厚さ1.0mmで外
幅240mm、高さ30mmの板状繊維強化中空構造体
Aを得た。
前記凸条17が構造脚部16の直上にあってその位置指
標となっているため、ドリルによる穴開け作業等の各種
作業を行うにあたり、作業を行う者が構造脚部16の位
置を容易かつ確実に判別可能であり、そのため構造脚部
16を損傷させて板状中空構造体A自体の構造強度を低
下させてしまうといったおそれは解消されたのである。
構造体Aの、乾燥時及び水濡れ時における表面の滑り止
め効果の評価を行った結果を表1に示す。(測定装置等
については特に図示しない)
方法を採用し滑りテストを行った。その手順及び方法
は、最初に所定サイズに板状中空構造体Aを切断した試
料S上に、底面に軟質PVCを貼りつけた円柱状の重錘
(例えば直径70mm、底面周辺に5Rにて面取りした
もので、重さ約1.5kg)を載せて試料Sである板状
中空構造体Aを傾斜させ、その後傾斜角度を適宜変化さ
せて、重錘が滑り始める時の角度を測定するといったも
のである。実際には試料Sを係止したラボジャッキを静
的に徐々に傾斜させ、重錘が滑り始める時の傾斜角度を
測定した。また、分液ロートを使用して水を試料S上に
滴下させ、水濡れ状態おける滑り易さも測定し比較し
た。測定で得られた傾斜の程度は正接(tan、高さ/
底辺)の値で表現した。
った。この方法の手順としては、水平に置いた前記試料
S上に、所定サイズに切断したビニール系材料(例えば
スリッパ等)を配し、この上にシリコンゴムを介して3
0kgの重錘を載せてこれを横方向に牽引する順序とな
る。この際前記ビニール系材料が動き始める際の加重を
バネ秤にて測定した。
行った。研磨用のワイヤーブラシを取付けた電動ドリル
を使用して、試料S表面における縦30cm×横24c
mの範囲を約30秒間摩耗させた後、上記の横引き法と
同様にして重錘を載せたスリッパ等が動き始める際の荷
重を測定した。試料S表面が濡れていない状態、及び水
で濡れた状態の各々の状況について測定した。実施例1
の板状中空構造体Aは、水に濡れた状態でも良好な滑り
止め効果を発現し、更には優れた耐摩耗性をも併せて備
えていることが明らかとなった。
の(1)〜(4)に挙げた比較例についても上記測定を
それぞれ同様に行った。
し、エンボス加工無し) この比較例における試料S表面は平滑で構造脚部16の
位置を指し示すものはなんら存在しないため、穴開け作
業等の各種作業を行う際には、板状中空構造体Aの端部
から寸法計測を行って構造脚部16の位置を特定する必
要があり、実用上問題が多い。表1に示した通りだが、
実施例1と比較すれば、水に濡れると非常に滑りやすい
ことが明らかである。
り(凸条無し、金網エンボス加工済み) このエンボス加工は、板状中空構造体Aを引取機で引取
りながら、上下にセラミックヒーターを配置した長さ9
00mmで、300℃に設定された予備加熱装置に通
し、直径230φの鉄製のローラー表面にシリコンゴム
シート、目開き10mm、線形2mmの金網を巻き付け
た、一対の加熱ローラーにより金網目50を転写加工す
ることで得られたものである。係る比較例2の板状中空
構造体Aの表面形状を図5に示す。この試料も構造脚部
16の位置を特定できる指標が如きものはなんら備えな
いため、比較例1の試料Sと同様に各種加工作業に際し
ては構造脚部16を損傷しないよう手間のかかる配慮が
必要となる。滑り止め効果のテストでは、良好な滑り止
め効果を有することを示したが、摩耗に弱く耐久性は低
いことが明らかとなった。
凸の無い凸条有り、エンボス加工無し) 実施例1と同様の方法にて、高さ1.5mm、幅1.5
mmの連続した凸条60(凹部無し)を構造脚部16直
上、及び構造脚部16各間に、試料S表面の裏表計26
条有する、幅240mm、厚み30mmの板状中空構造
体A(図6参照)を製作して前記各測定に供した。適宜
高さ及び幅を備え連続した凸条60を備えるため摩耗に
対しては良好な耐久性を示したが、水に濡れた場合凸条
60の横断方向の滑り止め効果は期待できるが、凸条6
0の長手方向に関しては滑りやすいといった問題を呈し
た。
もの 比較例1の、エンボス加工等滑り止め加工をなんら施し
ていない表面平滑な板状中空構造体Aを長さ300m
m、幅240mmに切断した試料Sに対し、サンドブラ
スターを使用して該試料S表面を次のような条件でサン
ドブラスト加工した。投射材は例えばアランダム#24
を使用し、噴射ノズルは8mmφのものを使用した。エ
アー圧力0.4Mpa(4kg/cm2)にて片面を3
0秒間、ノズルから約150mmの距離で試料S表面の
略全面に投射した。このようにして得られた試料Sを上
述と同様の各種測定に供した。一応の滑り止め効果は得
られたが、摩耗により粗面が摩滅し耐久性は低いものと
なった。
深さを5mm、幅を4mmと変えて凸条17の高さ及び
幅を増大させた以外は、実施例1と同様にして高さ2m
m、幅3.5mmで長さが5mmの凸部17aを5mm
間隔で長手方向に断続的に有する凸条17を、構造脚部
16直上、及び構造脚部16各間に、試料S裏表で計2
6条有する、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構
造体Aを製作した。実施例1と同様に滑り易さを評価し
た結果を表1中に示す。凸条17のサイズが増大したこ
とに起因して実施例1よりも良好な滑り止め効果を示
し、摩耗に対しては良好な結果を示した。
位置を構造脚部16直上を挟んだ並列配置として凸条1
7を付与した以外は実施例1と同様にして製作したもの
であり、高さ1.5mm、幅1.5mmの凸条17を有
する、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構造体A
である(図7参照)。
口金部の所定位置(構造脚部16を挟み5mm間隔で配
置)に深さ3mm、幅2mmの26条の溝を形成した被
覆ダイス(クロスヘッドダイス)により、ABS樹脂を
押出被覆した後、被覆ポイントより約10mm硬化槽側
の位置からローラーサイジング装置(第一ローラーに
は、凸条に対応して長さ5mm、幅12mm、深さ3m
mの凹部を周方向に5mm間隔で周期的に設けた)によ
りサイジング成形し、実施例1とほぼ同様の工程をたど
ることになる。
でその直近にあり、ドリルによる穴開け時、構造脚部1
6の位置が容易にわかり、構造脚部16に穴を開けるこ
とはなくなった。
を表1に示す。実施例1とほぼ同等の良好な滑り止め効
果を示し、摩耗に対しても良好な結果を示した。
した凸条60を構造脚部16直上、及び各構造脚部16
間に、試料S裏表面で計26条有する、幅240mm、
厚さ30mmの板状中空構造体Aを、更に以下のように
加熱ローラーでエンボス加工した。ローラー直径100
mmで、高さ2mm、幅5mmの凸部を10mm間隔で
円周上に配置した歯車状の一対のローラーを230℃に
加熱し、この一対のローラー間に前記板状中空構造体A
を通すことにより、凸条表面に断続的にエンボス加工を
施した。前記加熱ローラー表面にはテフロンコーティン
グを施しておいた。比較例2と異なり、凸部17上にエ
ンボス加工を施す方法なので、必要とする加工圧力が低
く、また、予備加熱は不要で加工の際の条件設定が容易
であった。
を表1に示す。摩耗前は、比較例2のエンボス加工を施
されたものと同等の良好な滑り止め効果を示し、加えて
摩耗に対しても優れた結果を示し、エンボス加工と凸条
加工とにおける利点を併せ持ったものと言える。
1〜4と、他方、本発明の中空構造体との比較目的の
下、比較例1〜4とのそれぞれの備える滑り止め効果に
ついて述べたが、いずれにしても、本発明の備える凸条
17が構造脚部16の平面配置を示す指標となるべく外
層15表面に設けられているため、水濡れ時における滑
り止め効果を十分発現可能であることは勿論、例えば中
空構造体A同士を各種手段にて接合するとしても構造脚
部16の位置を回避して作業を容易かつ敏速に行うこと
が可能となる。また、従来の、エンボス加工を施すこと
で滑り止め効果を得ていた板状中空構造体がなし得なか
った、長期耐久性の確保という点においても本発明の中
空構造体は著しい特性向上を発揮した。
熱可塑性樹脂からなる中空部を有する複数の中芯と、補
強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯
外周を被覆する中間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹
脂よりなる外層との三層より形成される繊維強化中空構
造体であって、前記複数の中芯各間における前記中間層
たる構造脚部について、該構造脚部平面位置に対応した
前記外層表面に、長手方向に断続的もしくは連続的に凸
部を配してなる凸条を設けたことを特徴とするものであ
るある。
脚部の平面位置が前記凸状を確認することで容易に判別
でき、中空構造体同士を各種手段にて接合するとしても
構造脚部位置を回避して作業を容易かつ敏速に行うこと
が可能となる。また、本発明の繊維強化中空構造体が備
える凸条は、十分な滑り止め効果を発揮すると共に摩耗
に強く、作業現場における足場板、養殖生け簀、養殖用
筏の歩み板、渡り板、作業屋形、浮き桟橋の床板、巡回
路、遊歩道、歩道橋などのかなり使用条件の厳しい用途
にも確実に対応することが出来るのである。
法は、繊維強化中空構造体における前記構造脚部と対応
する位置に配置され凹部を有する口金より、前記外層を
構成する熱可塑性樹脂を押出すことにより、少なくとも
前記構造脚部直上の外層表面に前記凸条を設ける凸条形
成工程と、該凸条形成工程により形成された凸条が未硬
化状態である間に該凸条の一部を所定パターンに従って
押圧して凹部を形成し、凸条長手方向に凹凸が繰り返し
現出する凸条を形成する凸条加工工程とを備えることを
特徴とするものである。
の押出形成と同時に行われて作業効率が高く、しかもわ
ざわざ凸条形成のためだけに別個の作業工程を設けると
いったこともないから設備コストも低く抑制され、工業
的にコスト及び効率を十分高いレベルで確保維持するこ
とが出来る。また、従来技術の如く、中空構造体内の構
造脚部に高い負荷を加えて深溝状の凸条を形成しなけら
ばならないといった必要も皆無であるから、それによる
構造脚部のクラック発生が生起されることもない。加え
て、本発明の繊維強化中空構造体における凸状は各凸部
が塊状で適宜強度を備えるため、耐摩耗性に優れ安定し
た滑り止め効果を長期間発現することができる。
図である。
概要を示す説明図である。
のうち、所定位置に溝を形成した口金部を示す説明図で
ある。
のうち、ローラーサイジング装置の備える第一ローラー
を示し、(a)が側断面図、(b)が断面図である。
中空構造体の表面形状を示す平面図である。
部直上、及び構造脚部各間に備えた板状中空構造体を示
す説明図である。
して凸条を付与した板状中空構造体本を示す説明図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる中空部を有する複
数の中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着して
なり、前記中芯外周を被覆する中間層と、該中間層を被
覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三層より形成される
繊維強化中空構造体であって、 前記複数の中芯各間における前記中間層たる構造脚部に
ついて、該構造脚部平面位置に対応した前記外層表面
に、長手方向に断続的もしくは連続的に凸部を配してな
る凸条を設けたことを特徴とする繊維強化中空構造体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の繊維強化中空構造体の
製造方法であって、繊維強化中空構造体における前記構
造脚部と対応する位置に配置され凹部を有する口金よ
り、前記外層を構成する熱可塑性樹脂を押出すことによ
り、少なくとも前記構造脚部直上の外層表面に前記凸条
を設ける凸条形成工程と、該凸条形成工程により形成さ
れた凸条が未硬化状態である間に該凸条の一部を所定パ
ターンに従って押圧して凹部を形成し、凸条長手方向に
凹凸が繰り返し現出する凸条を形成する凸条加工工程と
を備えることを特徴とする繊維強化中空構造体の製造方
法。
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---|---|---|---|
JP19879099A JP4528385B2 (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 繊維強化中空構造体及びその製造方法 |
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JP (1) | JP4528385B2 (ja) |
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