JP2001025864A - 多電極隅肉溶接方法および装置 - Google Patents

多電極隅肉溶接方法および装置

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JP2001025864A
JP2001025864A JP11199848A JP19984899A JP2001025864A JP 2001025864 A JP2001025864 A JP 2001025864A JP 11199848 A JP11199848 A JP 11199848A JP 19984899 A JP19984899 A JP 19984899A JP 2001025864 A JP2001025864 A JP 2001025864A
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welding
torch
corner
tandem
welding torch
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JP11199848A
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Takanobu Sano
孝信 佐野
Yasuro Suzuki
康郎 鈴木
Hiroshi Murayama
宏 村山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインタンデム配置の溶接トーチにより、長
尺部材の隅肉溶接行う場合において、コーナ部の良好な
角まき溶接を実施する。 【解決手段】 長尺部材のコーナ部においては、先行溶
接トーチ4a、4bのみを用いて先行溶接電流および溶
接速度をタンデム溶接時よりも低下して往復パスで角ま
き溶接を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁や造船等にお
ける長尺部材の多電極隅肉溶接方法および装置に関し、
特にツインタンデム配置の溶接トーチにより、溶接始端
・終端、あるいは切欠き部がある場合の切欠き端部にお
ける角まき溶接を含む多電極隅肉溶接方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、造船用のパネル材に複数の長尺
のロンジ材を取り付けるための隅肉溶接においては、2
本の溶接トーチをロンジ材の両側に対称に配置するツイ
ン配置の溶接トーチを用いて自動溶接を行っている。こ
のとき、ロンジ材の取付端部を、溶接始端および溶接終
端での角まき溶接(まわし溶接)を含めて全周隅肉溶接
する場合がある。また、ロンジ材にはスカラップやドレ
ン孔などの切欠き部がある場合があり、このような切欠
き部では溶接品質を確保するために切欠き端部の角まき
溶接をする必要がある。
【0003】図8に従来の角まき溶接法を示す。図にお
いて、1はパネル材、2は切欠き部3のあるロンジ材、
4は溶接トーチである。従来の場合、角まき溶接は、通
常、ロンジ材2の取付端部の側辺部を隅肉溶接した後に
実施している。すなわち、図8(b)に示すように、例
えば簡易自動溶接装置の溶接トーチ4によりロンジ材2
の取付端部を切欠き部3の端部3’より20cm程度手
前の位置まで隅肉溶接する。この位置でアークを一旦停
止する。その後、この溶接停止した位置から切欠き部3
の端部3’までは溶接残しとして、後工程で、半自動溶
接ないしは被覆アーク溶接により手直しおよび角まき溶
接を行う。
【0004】また、角まき溶接を隅肉溶接と連続的に行
う方法は特公平3−33062号公報に開示されてい
る。この方法は、ツイン配置の溶接トーチを用いるもの
であり、溶接トーチが溶接始端・終端および切欠き部に
達したときに、その位置にて溶接トーチを絶対的停止状
態にして角まき溶接を行うようにしている。ただし、ウ
ェブの厚さが厚い場合には、板厚中央部で巻き溶接が会
合しない場合がある(板厚方向に溶接トーチを送り込ま
ない場合)。
【0005】一方、近年においては、生産性および品質
の向上(高速溶接化およびピット発生の低減)を図るた
めツインタンデム隅肉溶接が主流になりつつある。ツイ
ンタンデム隅肉溶接は片側の隅肉溶接部を2本の溶接ト
ーチ(先行および後行溶接トーチ)を溶接線方向に近接
配置(25〜35mm程度の極間距離)して溶接を行う
ものである。ツインタンデム溶接法に上記公報に示す溶
接方法を適用した場合、溶接始端・終端および切欠き部
の角まき溶接は可能であるが、後行溶接トーチもアーク
発生状態のまま絶対的停止状態となるため、後行溶接ト
ーチ直下で団子状のビードが形成される。これを回避す
るため、先行溶接トーチが停止状態に入った時点で後行
溶接トーチのアークを停止することが考えられる。しか
し、2トーチで要求される形状および大きさのビードを
形成するツインタンデム溶接法では、後行溶接トーチの
アークを停止した時点で極間距離に相当する部分の隅肉
溶接部のビード(幅および溶込み)が要求値より小さく
なることは明らかであり、補修溶接が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたもので、ツインタン
デム配置の溶接トーチにより、長尺部材を隅肉溶接する
場合において、コーナ部の良好な角まき溶接を実施でき
る多電極隅肉溶接方法および装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多電極隅肉
溶接方法は、先行溶接トーチおよび後行溶接トーチをツ
インタンデムに配置した自走式の溶接機により長尺部材
の取付端部を全周隅肉溶接する方法において、溶接始端
側のコーナ部では、該コーナ端より所定距離溶接方向に
進んだ開始位置から逆方向に前記先行溶接トーチのみに
より溶接を開始し、その際先行溶接電流(先行溶接トー
チに通電する溶接電流をいう。また、後行溶接トーチに
通電する電流を後行溶接電流という。以下、同じ。)お
よび溶接速度をタンデム溶接時より低下して、溶接金属
を会合させた後前記開始位置に戻すように該コーナ部の
往復角まき溶接を行い、中間部では、前記先行溶接トー
チおよび前記後行溶接トーチにより通常の溶接条件でタ
ンデム溶接を行い、溶接終端側のコーナ部では、該コー
ナ端より所定距離手前の終了位置から前記先行溶接トー
チのみにより溶接を続行し、その際先行溶接電流および
溶接速度をタンデム溶接時より低下して、溶接金属を会
合させた後前記終了位置に戻すように該コーナ部の往復
角まき溶接を行うことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の多電極隅肉溶接方法は、以
下の特徴を有する。長尺部材に切欠き部がある場合、該
切欠き部において前記コーナ部の往復角まき溶接をそれ
ぞれ行う。前記コーナ部のそれぞれのコーナ端におい
て、前記溶接機を停止し、前記先行溶接トーチを長尺部
材の板厚方向に移動させながら溶接し、溶接金属の会合
部において該先行溶接トーチを所定時間停止する。前記
開始位置および前記終了位置において、前記先行溶接ト
ーチを所定時間停止し、ビード継ぎ目の処理を行う。前
記先行溶接トーチに回転トーチを、前記後行溶接トーチ
に自動トーチを用いる。
【0009】本発明の多電極隅肉溶接装置は、被溶接部
材の長尺部材をまたがってその長手方向に走行する門型
の溶接機台車が、前記長尺部材の両側にツインタンデム
に配置される先行溶接トーチおよび後行溶接トーチと、
前記先行溶接トーチおよび後行溶接トーチの溶接線倣い
手段と、前記長尺部材のウェブ面を挾持するように設け
られた粗倣いローラ手段と、前記長尺部材の端部および
切欠き部を検知する端部検知センサとを備えたことを特
徴とするものである。また、複数の長尺部材を有する被
溶接部材をまたがって走行する門型の走行台車に複数の
ジブクレーンを並設し、各ジブクレーンの旋回ブームに
それぞれ回転自在な軸を有するトロリーを介して前記溶
接機台車を吊り下げてなるものである。
【0010】本発明では、長尺部材の取付端部をツイン
タンデム配置の溶接トーチにより全周隅肉溶接する場合
において、その長尺部材のコーナ部では先行溶接トーチ
のみを用い、かつ、先行溶接電流および溶接速度を低下
して往復パスの角まき溶接を行うので、ビード形状・大
きさをタンデム溶接時のものとほぼ同等にすることがで
き、またビード継ぎ目が団子状とならず良好な角まき溶
接を実施できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の多電極隅肉溶接方
法を示す図で、(a)は被溶接部材の一例を示す斜視
図、(b)は溶接順序を示す平面図である。図1に示す
ように、ツインタンデムに配置された先行溶接トーチ4
a、4bと後行溶接トーチ5a、5bにより、パネル材
1上に取り付けられる長尺のロンジ材2の取付端部を全
周隅肉溶接する。ロンジ材2には、ここではドレン孔を
形成する1つの切欠き部3cと、両端においてスカラッ
プを形成する2つの切欠き部3a、3bが設けられてい
る。したがって、このロンジ材2の取付端部が形成する
溶接線は、図1(b)に示すように、2つの細長い長方
形のループ状溶接線6、7からなる。このときの隅肉溶
接は、最初に第1のループ状溶接線6に対して行い、つ
いで第2のループ状溶接線7に対して、それぞれ両側同
時に溶接を進行させて全周溶接するものとする。もちろ
ん、溶接進行方向は逆方向でも構わない。
【0012】図1(b)を参照して、第1のループ状溶
接線6の溶接順序を説明する。第2のループ状溶接線7
の場合も全く同じである。まず、ループ状溶接線6は溶
接始端側のコーナ部A、A’と、直線的な中間部B、
B’、および溶接終端側のコーナ部C、C’の3つの部
分に分けて溶接する。
【0013】溶接始端側のコーナ部A、A’において
は、基本的に先行溶接トーチ4a、4bのみで往復パス
の角まき溶接を行う。すなわち、 1)コーナ端c1、c1’より溶接方向に所定距離(2
0mm程度)進んだ位置p1、p1’にてそれぞれ先行
溶接トーチ4a、4bのアークを発生させて溶接を開始
し、通常の溶接方向とは逆方向に溶接を行う。このと
き、先行溶接電流および溶接速度をタンデム溶接時より
も低下する。 2)コーナ端c1、c1’の位置において、溶接速度を
ゼロとし、先行溶接トーチ4a、4bを相寄る方向(板
厚方向)に移動させ、溶接金属を板厚の中点p0にて会
合させるよう角まき溶接を行う。溶接金属の会合部では
先行溶接トーチ4a、4bを所定時間停止する。 3)その後、先行溶接トーチ4a、4bを互いに離れる
方向に移動させ、ついで、コーナ端c1、c1’の位置
より元の位置p1、p1’まで戻す。 以上により、溶接始端側のコーナ部A、A’の往復角ま
き溶接が終了する。
【0014】中間部B、B’では、通常の大電流高速の
タンデム隅肉溶接を行う。 4)引き続き、先行溶接トーチ4a、4bをそれぞれp
1、p1’の位置に戻したときに、その溶接電流を通常
のタンデム溶接時の大電流に上げると同時に溶接速度を
高速にし、後行溶接トーチ5a、5bがp1、p1’の
位置に到達する直前で後行アークを発生させ、本来の溶
接方向に進行させて先行溶接トーチ4a、4bおよび後
行溶接トーチ5a、5bによりそれぞれ中間部B、B’
のタンデム溶接を行う。
【0015】そして最後に、溶接終端側のコーナ部C、
C’の往復角まき溶接を行う。この場合も基本的には溶
接始端側のコーナ部A、A’と同様で、先行溶接トーチ
4a、4bのみで往復パスの角まき溶接を行う。すなわ
ち、 5)コーナ端c2、c2’より所定距離(20mm程
度)手前の位置p3、p3’の直前位置p2、p2’で
先行溶接電流および溶接速度をタンデム溶接時よりも低
下して先行溶接トーチ4a、4bの溶接を進行させる
(この時点では未だ後行溶接トーチ5a、5bは溶接を
行っている)。また、p3、p3’の位置で後行溶接ト
ーチ5a、5bのアークを停止する。なお、p2−p3
およびp2’−p3’間のそれぞれの距離は概略後行ア
ークによる溶融池分の長さである。 6)p3、p3’の位置より先行溶接トーチ4a、4b
のみにより上記の溶接条件で溶接を進行させ、コーナ端
c2、c2’の位置にて溶接速度をゼロとし、先行溶接
トーチ4a、4bを相寄る方向(板厚方向)に移動さ
せ、溶接金属を板厚の中点p4にて会合させるよう角ま
き溶接を行う。溶接金属の会合部では先行溶接トーチ4
a、4bを所定時間停止する。 7)その後、先行溶接トーチ4a、4bを互いに離れる
方向に移動させ、ついで、コーナ端c2、c2’の位置
より元の位置p2、p2’まで戻す。 8)最後に、p3、p3’の位置にて先行溶接トーチ4
a、4bを所定時間停止し、ビード継ぎ目の処理を行
い、その後アークを停止する。 以上により、溶接始端側のコーナ部C、C’の往復角ま
き溶接が終了し、第1のループ状溶接線6の角まき溶接
を含む全周隅肉溶接が完了する。
【0016】第2のループ状溶接線7に対しては、先行
溶接トーチ4a、4bおよび後行溶接トーチ5a、5b
のアークを共に停止させたまま移動し、前記と同じ手順
で溶接を行えばよい。すなわち、第2のループ状溶接線
7のコーナ部D、D’、中間部E、E’、およびコーナ
部F、F’は、それぞれ第1のループ状溶接線6の溶接
始端側コーナ部A、A’、中間部B、B’、溶接終端側
コーナ部C、C’に相当するので、その溶接手順に従え
ばよい。
【0017】また、ループ状溶接線は1つ(ロンジ材に
ドレン孔のような切欠き部のないもの)であっても、あ
るいは2つ以上であっても同様の手順で溶接することが
でき、さらに弓なりなどに曲がっていても一向に差し支
えないことは明らかである。したがって、本発明の前記
溶接手順に従えば、先行溶接トーチ4a、4bのみによ
る往復角まき溶接によってタンデム溶接時に要求される
所定の溶込み・脚長・ビード幅とほぼ等しい角まき溶接
部が得られ、かつ、ビード継ぎ目の位置で先行溶接トー
チ4a、4bを所定時間停止させてクレータ処理を行う
ので、ビード継ぎ部が団子状にならず、ほぼ同じ大きさ
で良好に接続されることになる。
【0018】本発明の多電極隅肉溶接装置を図2〜図7
に示す。図2〜図4は溶接機台車の構成を、図5〜図7
はその溶接機台車を複数台装備した溶接装置の構成をそ
れぞれ示す。溶接機台車10は、ロンジ材2をまたがっ
てその長手方向に車輪12により走行する門型の小型台
車11を備え、その台車11の内部には、ロンジ材2の
左右両側に対称に配設された先行溶接トーチ4a、4b
および後行溶接トーチ5a、5bと、先行溶接トーチ4
a、4bより先行する位置に配設され、ロンジ材2のウ
ェブ面を挾持するようにシリンダ13a、13bに連結
された粗倣いローラ14a、14bと、ロンジ材2の先
端、後端、および切欠き部3cの端部を検知する端部検
知センサ15a、15b(例えば、透過型レーザセンサ
や反射型センサなど)とが設けられている。また、先行
溶接トーチ4a、4bは、周知の高速回転アーク溶接を
行う回転トーチとなっており、そのアークセンサにより
溶接線自動倣いを行わせるために、回転トーチ4a、4
bをそれぞれロンジ材2に垂直な方向とトーチ軸方向に
修正移動させる2軸の修正軸(周知であるため図示せ
ず)を備えている。後行溶接トーチ5a、5bは、通常
の非回転の自動トーチで、図示しない位置調整機構が設
けられている。この自動トーチの位置調整機構は先行溶
接トーチ4a、4bとの位置関係を常に一定に保つよう
に上記修正軸と同じテーブル上に自動トーチを取り付け
る構成となっている。
【0019】先行溶接トーチ4a、4bは溶接線を精密
に倣う機能を有するものであれば何も回転トーチに限ら
れるものではないが、先行溶接に回転トーチ、後行溶接
に自動トーチを用いることにより、特願平10−168
487号に記載したように溶接ビードにブローホールな
どの気孔を発生させることなくビード形状の良好な大脚
長高速溶接を行うことができる。
【0020】上記のように構成された溶接機台車10を
使用すれば、ロンジ材2をまたがりパネル材1上に載っ
て所定の溶接速度で走行させることができる。ロンジ材
2の端部および切欠き部は端部検知センサ15a、15
bにより検知でき、また、先行溶接トーチ4a、4bお
よび後行溶接トーチ5a、5bを粗倣いローラ14a、
14bによりロンジ材2のウェブ面に沿って粗倣いさせ
るとともに、先行溶接トーチ4a、4bのアークセンサ
により溶接線を精密に倣わせることできるため、前述し
た溶接手順で第1のループ状溶接線6、ついで第2のル
ープ状溶接線7を、それぞれコーナ部の往復角まき溶接
をして全周隅肉溶接をすることができる。なお、図1
(b)に示す区間p1−c1、p3−c2等の距離の割
り出しは、例えば、溶接機台車10の走行モータに取り
付けられたエンコーダーのパルスをカウントすることな
どにより行うことができ、端部検知センサ15a、15
bによるコーナー端検出位置をトーチ位置に補正するこ
とで先行溶接トーチ4a、4bの位置決めを行うことが
できる。
【0021】表1および表2は、本発明の一実施例によ
るタンデム溶接条件と角まき溶接条件をそれぞれ示すも
のである。なお、表中の記載は片側のものについて示
す。反対側も全く同じである。また、先行電極とは先行
溶接トーチ4a、4bの各電極、後行電極とは後行溶接
トーチ5a、5bの各電極をいう。また、表2の区間c
1−p0、p0−c1、c2−p4、p4−c2のそれ
ぞれの溶接速度は、先行溶接トーチ4a、4bの板厚方
向への送り(移動)速度である。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】上記の各溶接条件によりロンジ材の角まき
溶接が良好に実施できたことを確認している。
【0025】造船の分野では、大板などのパネル材1に
複数本のロンジ材2が取り付けられるのが通例である。
このような複数本のロンジ材2に対して、同時に、前述
のような多電極隅肉溶接を実施するために、図5〜図7
に示すように溶接装置が構成されている。
【0026】本溶接装置20は、大別して、門型の走行
ガントリ21と、複数のジブクレーン22と、複数の前
記溶接機台車10とからなっている。走行ガントリ21
は、被溶接部材全体をまたぐように門型に構成され、ロ
ンジ材2とほぼ平行な方向Xに延びるレール24上を前
後進するようになっている。溶接施工に必要な溶接電源
装置25、ワイヤパック26、溶接制御装置27、ケー
ブル・ホース類等の主要機器類は全て走行ガントリ21
上に搭載されている。
【0027】ジブクレーン22は、ロンジ材2の本数に
対応する個数が走行ガントリ21に設けられ、走行ガン
トリ21の走行方向Xと直交する方向Yにそれぞれ独立
に横行可能で、かつ上下方向Zにも独立に昇降可能に構
成されている。ジブクレーン22の旋回ブーム28は、
例えば電動チェーンブロック29により支柱30に沿っ
て昇降させるようになっている。31は旋回ブーム28
の補強棒である。この旋回ブーム28に前記の溶接機台
車10が回転自在な軸32を有するトロリー33を介し
て吊り下げられている。
【0028】また、旋回ブーム28の前後にはそれぞれ
例えば、リミットスイッチ34a、34bが設けられ、
この範囲内で溶接機台車10は移動できるようになって
いる。したがって、溶接機台車10と走行ガントリ21
の速度差に基づき、いずれかの溶接機台車10が前方の
リミットスイッチ34aをONにすると、走行ガントリ
21は溶接機台車10より高速に走行し、溶接機台車1
0が後方のリミットスイッチ34bをONにすると、走
行ガントリ21は停止するようになっている。このた
め、走行ガントリ21は走行と停止を断続的に繰り返し
ながら走行し、溶接機台車10の走行速度を一定にして
所定の溶接速度を確保している。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、長尺部材の取付端部の各コーナ部において、
先行溶接トーチのみにより先行溶接電流および溶接速度
を低下して往復パスの角まき溶接をするので、良好なビ
ード形状の角まき溶接を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多電極隅肉溶接方法の説明図である。
【図2】溶接機台車の正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】溶接装置の正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の平面図である。
【図8】従来の角まき溶接方法の説明図である。
【符号の説明】
1 パネル材 2 ロンジ材 3a、3b、3c 切欠き部 4a、4b 先行溶接トーチ(回転トーチ) 5a、5b 後行溶接トーチ(自動トーチ) 6 第1のループ状溶接線 7 第2のループ状溶接線 10 溶接機台車 11 小型台車 13a、13b シリンダ 14a、143b 粗倣いローラ 15a、15b 端部検知センサ 20 溶接装置 21 走行ガントリ 22 ジブクレーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB06 CA01 DA05 DB01 DC02 DD01 EA01 EA03 4E081 AA02 AA09 AA14 BA02 BA37 BA40 BA47 BB04 BB15 CA07 DA05 DA11 DA12 DA16 DA71 EA14 FA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行溶接トーチおよび後行溶接トーチを
    ツインタンデムに配置した自走式の溶接機により長尺部
    材の取付端部を全周隅肉溶接する方法において、 溶接始端側のコーナ部では、該コーナ端より所定距離溶
    接方向に進んだ開始位置から逆方向に前記先行溶接トー
    チのみにより溶接を開始し、その際先行溶接電流および
    溶接速度をタンデム溶接時より低下して、溶接金属を会
    合させた後前記開始位置に戻すように該コーナ部の往復
    角まき溶接を行い、 中間部では、前記先行溶接トーチおよび前記後行溶接ト
    ーチにより通常の溶接条件でタンデム溶接を行い、 溶接終端側のコーナ部では、該コーナ端より所定距離手
    前の終了位置から前記先行溶接トーチのみにより溶接を
    続行し、その際先行溶接電流および溶接速度をタンデム
    溶接時より低下して、溶接金属を会合させた後前記終了
    位置に戻すように該コーナ部の往復角まき溶接を行うこ
    とを特徴とする多電極隅肉溶接方法。
  2. 【請求項2】 長尺部材に切欠き部がある場合、該切欠
    き部において前記コーナ部の往復角まき溶接をそれぞれ
    行うことを特徴とする請求項1記載の多電極隅肉溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記コーナ部のそれぞれのコーナ端にお
    いて、前記溶接機を停止し、前記先行溶接トーチを長尺
    部材の板厚方向に移動させながら溶接し、溶接金属の会
    合部において該先行溶接トーチを所定時間停止すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の多電極隅肉
    溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記開始位置および前記終了位置におい
    て、前記先行溶接トーチを所定時間停止し、ビード継ぎ
    目の処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれか一に記載の多電極隅肉溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記先行溶接トーチに回転トーチを、前
    記後行溶接トーチに自動トーチを用いることを特徴とす
    る請求項1から請求項4のいずれか一に記載の多電極隅
    肉溶接方法。
  6. 【請求項6】 被溶接部材の長尺部材をまたがってその
    長手方向に走行する門型の溶接機台車が、 前記長尺部材の両側にツインタンデムに配置される先行
    溶接トーチおよび後行溶接トーチと、 前記先行溶接トーチおよび後行溶接トーチの溶接線倣い
    手段と、 前記長尺部材のウェブ面を挾持するように設けられた粗
    倣いローラ手段と、 前記長尺部材の端部および切欠き部を検知する端部検知
    センサと、を備えたことを特徴とする多電極隅肉溶接装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の長尺部材を有する被溶接部材をま
    たがって走行する門型の走行台車に複数のジブクレーン
    を並設し、各ジブクレーンの旋回ブームにそれぞれ回転
    自在な軸を有するトロリーを介して前記溶接機台車を吊
    り下げてなることを特徴とする請求項6記載の多電極隅
    肉溶接装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009294093A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Topy Ind Ltd 溶接部の検査方法及び検査システム
JP2013044090A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Jfe Steel Corp 鋼製煙突の筒身鉄皮補修方法
CN112296480A (zh) * 2020-10-23 2021-02-02 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种片体结构件的焊接机器人及焊接工艺方法

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