JP2001023799A - 挿入光源 - Google Patents

挿入光源

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JP2001023799A
JP2001023799A JP11197138A JP19713899A JP2001023799A JP 2001023799 A JP2001023799 A JP 2001023799A JP 11197138 A JP11197138 A JP 11197138A JP 19713899 A JP19713899 A JP 19713899A JP 2001023799 A JP2001023799 A JP 2001023799A
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magnet
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JP11197138A
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Takeshi Ohashi
健 大橋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射光による計測系への熱負荷を低減できる
8の字状磁場を発生可能で、かつ構成が簡単な挿入光源
を提供する。 【解決手段】 ハルバック型平面挿入光源を水平方向に
2組設置した挿入光源において、空隙を挟んで対向する
各対角磁石対の周期長が同一でかつ対角磁石対間の周期
長が異なる挿入光源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子加速器や電子
蓄積リングの直線部に挿入して輝度の高い放射光を発生
する挿入光源、特にマルチポールウィグラー(MPW )に
適用できる挿入光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石または永久磁石と磁性材(鉄や
鉄コバルト合金)で構成される挿入光源は、電子加速器
(または電子蓄積リング)の直線部分に真空チャンバー
を挟む形で挿入され(図3(a)参照)、強力な放射光
を発生する装置として有用である。挿入光源は、磁石列
間の空隙中にサイン波状の周期磁場を発生する(図3
(b)参照)。周期磁場を発生する挿入光源は、図4に
示すように、永久磁石10のみで構成されるハルバック
型(a)と永久磁石10と磁極の磁性材15とで構成さ
れるハイブリッド型(b)がある。図3(c)に示すよ
うに、加速器中を回る高速電子は、該周期磁場により蛇
行運動を行い、各蛇行点から放射光を生じる(Halbach,
Nuclear Instruments andMethod 187,(1981),109 )。
蛇行の程度により、ウィグラーモードとアンジュレータ
モードがある。ウィグラーモードでは各蛇行点から発生
する放射光が重畳され、偏向電磁石からの放射光より10
〜1000倍高いパワーの放射光が得られる。これに対して
アンジュレータモードでは、各蛇行運動から発生する放
射光は干渉し、基本波とその高次光では、ウィグラー光
の更に10〜1000倍程度強力な光が得られる。ウィグラー
モードかアンジュレータモードかは、K値と呼ばれるパ
ラメータにより分類できる。K値が1前後かそれ以下の
場合はアンジュレータとなり、K値が大きい場合はウィ
グラーとなる。本発明では、マルチポールウィグラー
(Multi-Pole Wigler;以下 MPWとする。)もしくはアン
ジュレータでも高調波が強いものに関わり、これの改良
に関するものであるが、本発明では磁気回路や該磁気回
路を組み付けた装置を、一括して挿入光源またはアンジ
ュレータと呼ぶ。
【0003】挿入光源は、図4(a)、(b)に示すよ
うに、大きく分けてハルバック型、ハイブリッド型の2
つの型があるが、どちらもほぼ同等の磁場強度や分布を
示し、大きな違いはない。しかし、一般的にはハイブリ
ッド型の方が、使用磁石重量が少なくなることが多い。
また、挿入光源開発の初期段階では、永久磁石の角度や
特性ばらつきが大きかったため、ハルバック型よりハイ
ブリッド型の方が、磁場強度を揃え易かった。最近で
は、永久磁石のばらつきが小さく、特性が均一になって
おり、また、磁石対の組み替え手法が導入され、改善さ
れてきたため、どちらの方式でもほぼ同等の磁場分布が
得られる。空隙を変えたときの電子軌道のずれは、ハル
バック型はほぼ線形性が成り立つため小さいが、ハイブ
リッド型は非線形なため、電子軌道のずれが生じやす
い。図4(a)、(b)に示すような挿入光源は、いず
れも平面アンジュレータ(もしくは平面型挿入光源)と
呼ばれる一般的なタイプである。MPWから放射される光
は白色光であり、大きな放射パワーが計測系にかかるた
め、回折格子などへの熱負荷が重大な問題となってい
る。アンジュレータでも高調波の強度が大きい場合に同
様な問題が生じる。特に電子のエミッタンスの小さい第
3世代の光源では深刻な問題である。熱負荷の問題を軽
減するため幾つかの提案がなされている。一つは佐々木
らにより提案された白色アンジュレータであり、もう一
つは北村らにより提案された8の字アンジュレータであ
る。後者の8の字アンジュレータは、左右円偏光の放射
光の干渉結果として、垂直もしくは水平偏光(直線偏
光)の光を得ようとするもので、軸上の放射パワーが分
散され計測系への熱負荷が大幅に軽減される事が期待で
きる。
【0004】該放射光を実現する挿入光源として、北村
らは図5のような磁気回路を提案している。これは3列
の平面型挿入光源のうち、中央の磁石対で垂直磁場By
(Y方向磁場)を発生し、左右2対の磁石対で水平磁場
Bx(X方向磁場)を発生させるものである。北村タイ
プと呼ばれる元々の挿入光源では、通常全ての磁石対は
同等な磁石周期長を有しており、中央磁石対と左右磁石
対は電子進行方向(Z方向)に相対的な位相駆動する事
により、左右円偏光・左右楕円偏光・垂直水平偏光など
の種々の偏光モードを実現することができる。しかし、
8の字アンジュレータでは、垂直磁場(Y方向磁場)を
発生する中央の磁石対と水平磁場(X方向磁場)を発生
する左右2対の磁石対の周期長が異なり、両方の磁場を
合成する事により、XY面に射影すると8の字状の磁場
分布が得られる。該磁場分布により加速電子は8の字状
の電子軌道が付与される。該アンジュレータでは中央磁
石対と左右磁石対の間で位相駆動を行う必要はなく、固
定位相で使用される。これから発生する放射光は白色光
であるが、電子が8の字軌道を描く事により、軸上の熱
負荷は軽減される。通常 MPWやアンジュレータから発生
する放射光パワーは強烈であり、これを受ける反射ミラ
ーや回折格子に過大な熱負荷がかかるが、8の字アンジ
ュレータは上記の熱負荷問題に対する一つの回答であ
り、熱負荷低減のために有効である。しかし、北村らに
より提案された該8の字アンジュレータは磁石列を3対
必要とするため、構成が複雑で製作は容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
のような先行技術の持つ得失点に鑑み、簡単な磁石構成
で熱負荷を低減可能なアンジュレータを実現する事にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題を
解決すべく、種々の検討を行った結果、本発明を完成さ
せた。すなわち本発明は、ハルバック型平面挿入光源を
水平方向に2組設置した挿入光源において、空隙を挟ん
で対向する各対角磁石対の周期長が同一でかつ対角磁石
対間の周期長が異なることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上述のように、従来の図5に示す
北村タイプの8の字アンジュレータは、3対の隣接する
磁石対よりなる。該アンジュレータは中央磁石対でY方
向磁場Byを発生し、中央磁石対を挟む左右2つの磁石
対でX方向磁場Bxを発生する。該各磁石対はY方向磁
場ByとX方向磁場Bxのみ発生し、発生磁場方向をそ
れぞれ分担している。これに対して本発明のアンジュレ
ータは佐々木タイプの可変偏光アンジュレータを基礎と
している。佐々木タイプは図6に示すように、2対の隣
接する磁石対よりなり、対角磁石対同士をとった場合、
磁場発生方向はXY射影面に対して斜め方向(対角方
向)である。対角方向磁場はX成分とY成分とを含んで
いる。したがって、佐々木タイプは北村タイプと異な
り、2対の対角磁石対を各対として隣接磁石列との間で
位相を変える事により、円偏光磁場もしくは楕円偏光磁
場を含め種々の偏光磁場を発生する事が可能である。
【0008】以下、本発明の詳細を、図にしたがって説
明する。図1に本発明の挿入光源の一例を示す。北村タ
イプの8の字アンジュレータは、X方向磁場とY方向磁
場の磁場周期を変える事により、8の字磁場を発生する
事が可能である。本発明のアンジュレータは図1のよう
な、佐々木タイプ可変偏光アンジュレータを基礎とし、
各対角磁石列間の周期長が異なっている構成である。該
磁石列により発生する磁場分布をXY射影面で見た場
合、対角磁石対により斜め方向(対角方向)に磁場が発
生する点を除けば、北村タイプと同じ磁場分布を発生す
る事が可能である。例えば斜め磁場の方向がX軸に対し
て45°方向であるとすれば、北村タイプで座標軸を45°
回転させた場合と同等である。したがって、佐々木タイ
プを基礎とする8の字アンジュレータは、1組の対角磁
石対の周期長と残りの対角磁石対の周期長を変えれば、
8の字磁場を実現することができる。
【0009】図1で詳細を説明すると、本発明の磁石列
は対角方向の2対の磁石対A−A’、B−B’よりなっ
ている。各々の対角磁石対A−A’、B−B’は同じ周
期長を有しており、各対角磁石対の位相は揃っている
が、該各対角磁石対A−A’とB−B’との間では周期
長が異なる。図1の場合では対角磁石対A−A’の周期
長を2とすると残りの対角磁石対B−B’の周期長は1
である。このとき、磁場ベクトルは下記のように表わさ
れる。
【0010】
【化1】
【0011】上記の式(1)、(2)で表わされる磁場
は、各対角磁石対の磁石列端部で磁場分布のゼロを切る
点を揃え、これを合成してXY面に射影すると、8の字
形状を描く。該磁場分布により、本発明のアンジュレー
タに入射された電子は8の字状電子軌道を描き、軸上で
は直線偏光が得られる。
【0012】対角磁石対A−A’とB−B’の周期長の
比は1:2である必要はなく、他の整数比でも整数比で
なくとも構わない事は言うまでもない。その場合、8の
字の形状がつぶれたり、扁平になるか細長くなったりす
る。放射光の放射パワーと回折格子などの熱負荷許容度
合いに応じて、最適な周期長比を選択すればよい。ま
た、対角磁石対間の位相により、磁場分布のXY面射影
形状は変化する。全ての位相において8の字磁場分布が
得られる訳ではないので、最適な位相を選択する必要が
ある。
【0013】アンジュレータの磁気回路構成がハイブリ
ッド型では、隣接磁石列間のポールピース(純鉄やFeCo
合金)の間で、磁束が短絡して空隙方向に漏洩する磁束
が減少してしまうため、望ましくない。したがって、永
久磁石のみで構成されるハルバック型が用いられる。
【0014】また、永久磁石としては希土類焼結磁石、
例えば、2-17型SmCo磁石や NdFeB磁石が望ましい。これ
は磁気特性が高いため、周期長が短くても空隙磁場強度
を確保できるためであり、一定の長さの直線部で周期長
を多く取れる。また、空隙長が大きくても、磁場強度を
確保しやすい。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 (実施例)NdFeB系焼結磁石(信越化学工業(株)社
製;商品名N38H)を使用し、図1の磁気回路を構成し
た。対角磁石対A−A’は周期長40mmで、周期数50であ
る。該磁石列を構成する一つの磁石の形状は幅60mm、厚
み10mm、高さ40mmで、磁化方向は図中に矢印で示してい
る。もう一つの対角磁石対B−B’は周期長20mmで、周
期数 100である。該磁石列を構成する一つの磁石の形状
は幅60mm、厚み5mm、高さ40mmで、磁化方向は同様に図
中に矢印で示している。対角する磁石対の中で位相は揃
っているが、各対角磁石対間の位相は任意でよい。対向
する磁石列間の空隙距離は最低で10mmで、100mm まで空
隙距離を可変にできる。空隙長15mmとし、空隙中心面の
隣接磁石間の中心(空隙の中心位置)で、電子軌道方向
(図1でZ方向)にホールICを用いて磁場計測を行っ
たところ、図2(a)のような磁場分布測定結果が得ら
れた。これをXY面に投影すると、図2(b)のような
8の字磁場分布が得られた。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、熱負荷を低減できる8
の字状磁場を発生可能な挿入光源を、簡単な構成で実現
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の挿入光源またはアンジュレータの一
例の概略図である。
【図2】 (a)本発明の挿入光源のZ方向の磁場分布
の一例である。(b)は(a)の磁場分布のXY面への
射影である。
【図3】 (a)はアンジュレータの斜視概略図であ
り、(b)は(a)の周期磁場である。(c)は(a)
の電子軌道である。
【図4】 平面アンジュレータの基本磁石配置の概略図
であり、(a)はハルバック型である。(b)はハイブ
リッド型である。
【図5】 8の字アンジュレータ(北村タイプ)を示す
概略図である。
【図6】 佐々木タイプ可変偏光アンジュレータを示す
概略図である。
【符号の説明】
A、A’、B、B’‥‥‥磁石列 10‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥永久磁石 15‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥磁性材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハルバック型平面挿入光源を水平方向に
    2組設置した挿入光源において、空隙を挟んで対向する
    各対角磁石対の周期長が同一でかつ対角磁石対間の周期
    長が異なることを特徴とする挿入光源。
  2. 【請求項2】 各対角磁石対の磁石列端部で磁場分布の
    ゼロを切る点が揃っている請求項1記載の挿入光源。
JP11197138A 1999-07-12 1999-07-12 挿入光源 Pending JP2001023799A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109561568A (zh) * 2018-11-27 2019-04-02 中国原子能科学研究院 一种产生扭摆轨道并增加轴向聚焦力的周期性磁铁组件
CN111081409A (zh) * 2019-12-10 2020-04-28 中国科学技术大学 极化方向可调的纵向渐变波荡器及采用其的太赫兹光源

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