JP2001023156A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2001023156A
JP2001023156A JP11196803A JP19680399A JP2001023156A JP 2001023156 A JP2001023156 A JP 2001023156A JP 11196803 A JP11196803 A JP 11196803A JP 19680399 A JP19680399 A JP 19680399A JP 2001023156 A JP2001023156 A JP 2001023156A
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Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
公惠 ▲高▼木
Kimie Takagi
Hidemi Shimaoka
英美 島岡
Noriyuki Miyamoto
教行 宮本
Ryuji Sakaguchi
竜二 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性が高く、しかも出力特性を低下させる
ことなく十分な高記録密度化が可能となる磁気記録媒体
を製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 非磁性基板上に非磁性下地膜、磁性膜を
形成したディスクD上に、カーボン保護膜を、炭素原子
を含む反応ガスを原料としてプラズマCVD法により形
成し、その上に潤滑膜を形成する磁気記録媒体の製造方
法において、反応ガスとして、分子内に酸素原子を含む
炭化水素と水素を体積比が1:1〜1:100となるよ
うに混合した混合ガスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
などに用いられる磁気ディスク等の磁気記録媒体を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録、とりわけ磁気ディスク
の分野においては記録密度の向上が著しく、特に最近で
は、記録密度が10年で100倍程度の驚異的な速度で
伸び続けている。記録密度の向上を支えている技術は非
常に多岐にわたるが、キーテクノロジーの一つとして、
磁気ヘッドと磁気記録媒体の間の摺動特性制御技術を挙
げることができる。俗にウインテェスター様式と呼ばれ
る、磁気ヘッド/磁気記録媒体間の接触摺動−ヘッド浮
上−接触摺動を基本動作とするCSS(接触起動停止)
方式がハードディスクドライブの主流となって以来、媒
体上でのヘッドの摺動は、避けることのできないものと
なり、ヘッド/媒体間のトライボロジーに関する問題は
宿命的な技術課題となって現在に至っている。磁気記録
媒体に関しては、表面の耐摩耗性、耐摺動性が信頼性の
大きな柱となり、磁性膜上に積層される保護膜、潤滑膜
などの開発、改善の努力が営々と続けられている。
【0003】磁気記録媒体の保護膜としては、様々な材
質からなるものが提案されているが、成膜性、耐久性等
の総合的な見地から、カーボン膜が主に採用されてい
る。カーボン膜は、通常、スパッタリング法により成膜
されており、成膜の際の条件は、カーボン膜の耐コロー
ジョン性、あるいはCSS特性に如実に反映されるため
非常に重要である。
【0004】また、記録密度の向上を図るためには、ヘ
ッドの飛行高さ(フライングハイト)の低減、媒体回転
数の増加等を行うことが好ましいため、磁気記録媒体に
はより高い摺動耐久性が要求されてきている。その一
方、スペーシングロスを低減し記録密度を高めるため、
保護膜の厚さを薄く、例えば100Å以下にすることが
要求されてきており、平滑性は無論のこと、薄くかつ強
靱な保護膜が強く求められている。
【0005】しかしながら、従来のスパッタリング成膜
法によって形成されたカーボン保護膜では、この膜を薄
く、例えば膜厚100Å以下とした場合、その耐久性が
不十分となることがあった。このため、スパッタリング
法に比べて高強度のカーボン保護膜を形成することがで
きる方法として、プラズマCVD法の採用が検討されて
いる。プラズマCVD法は、例えば特公平7−2185
8号公報、特開平7−73454号公報等に開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、さらな
る高記録密度化が要求されている現況下にあって、上記
従来技術によって、出力特性を低下させることなく十分
な高記録密度化を達成できるレベルまで保護膜を薄膜化
することは、摺動耐久性の点から困難であるのが現状で
ある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、信
頼性が高く、しかも出力特性を低下させることなく十分
な高記録密度化が可能となる磁気記録媒体を製造するこ
とができる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、反応ガスと
して、分子内に酸素原子を含む炭化水素と水素を体積比
が1:1〜1:100となるように混合した混合ガスを
用いる磁気記録媒体の製造方法によって解決することが
できる。上記炭化水素としては、低級飽和炭化水素、低
級不飽和炭化水素、および低級環式炭化水素のうち1種
または2種以上を用いるのが好ましい。上記炭化水素と
しては、炭素原子数に対する酸素原子数の比が0.14
〜0.5、好ましくは0.2〜0.4であるものを用い
るのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
製造方法の一実施形態を実施するために用いられる製造
装置の主要部となるプラズマCVD装置を示すもので、
ここに示すプラズマCVD装置は、カーボン保護膜を形
成するべきディスクを収容するチャンバ10と、チャン
バ10の両側壁内面に相対向するように設置された電極
11、11と、これら電極11、11に高周波電力を供
給する高周波電源12、12と、チャンバ10内のディ
スクに接続可能なバイアス電源13と、ディスク上に形
成するべきカーボン保護膜の原料となる反応ガスの供給
源14を備えたものとされる。
【0009】チャンバ10には、供給源14から供給さ
れた反応ガスをチャンバ10内に導入する導入管15、
15と、チャンバ10内のガスを系外に排出する排気管
16が接続されている。排気管16には排気量調節バル
ブ17が設けられており、排気量を調節することによっ
て、チャンバ10の内圧を任意の値に設定することがで
きるようになっている。
【0010】高周波電源12としては、カーボン保護膜
成膜時に電極11に50〜1000Wの電力を供給する
ことができるものを用いるのが好ましい。また、バイア
ス電源13としては、高周波電源またはパルス直流電源
を用いることができる。高周波電源としては、10〜3
00W(好ましくは10〜150W)の高周波電力をデ
ィスクに供給できるものが好ましい。また、パルス直流
電源としては、−400〜−10V(好ましくは−30
0〜−50V)の電圧(平均電圧)をディスクに印加す
ることが可能なものを用いるのが好ましい。
【0011】次に、上記装置を用いた場合を例として、
本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形態を説明す
る。まず、スパッタリング法などを用いて、非磁性基板
の両面に非磁性下地膜、磁性膜を形成し、ディスクDを
得る。この非磁性基板としては、磁気記録媒体用基板と
して一般に用いられるものが使用可能であり、NiPメ
ッキ膜が形成されたアルミニウム合金基板や、表面平滑
性に優れるガラス、シリコンなどからなるものを用いる
ことができる。非磁性基板は、その表面にメカニカルテ
クスチャ処理などのテクスチャ処理を施したものとする
のが好ましく、特に、表面平均粗さRaを1〜20Åと
したものを用いるのが好ましい。
【0012】非磁性下地膜の材料としては、Cr、また
はCr/Ti系、Cr/W系、Cr/V系、Cr/Si
系の合金を用いるのが好適である。磁性膜の材料として
は、Co合金、例えばCo/Cr系、Co/Cr/Ta
系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/Pt/Ta系等
の合金を用いるのが好適である。これら非磁性下地膜、
磁性膜の厚さは、それぞれ50〜1000Å、50〜8
00Åとするのが好ましい。
【0013】次いで、上記操作により非磁性基板上に非
磁性下地膜、磁性膜を形成したディスクDを、プラズマ
CVD装置のチャンバ10内に搬入するとともに、供給
源14から供給された反応ガスを導入管15を通してチ
ャンバ10内に導入しつつチャンバ10内のガスを排気
管16を通して排出し、チャンバ10内でガスを流通さ
せ、ディスクDの表面をこの反応ガスに曝す。
【0014】本実施形態の製造方法では、反応ガスとし
て、分子内に酸素原子を含む炭化水素と水素を体積比が
1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:50、さ
らに好ましくは1:3〜1:18となるように混合した
混合ガスを用いる。この炭化水素としては、低級飽和炭
化水素、低級不飽和炭化水素、および低級環式炭化水素
のうち1種または2種以上を用いるのが好ましい。低級
飽和炭化水素としては、ジエチルエーテル、ジイソブチ
ルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、酢酸メチル、
酢酸エチル、アセトン、アセチルアセトン等を用いるこ
とができる。また低級不飽和炭化水素としては、酢酸ビ
ニル、アクリル酸メチル、メチルビニルケトン等を用い
ることができる。また低級環式炭化水素としては、テト
ラヒドロフラン、フラン、ビラン、1,4−ジオキサ
ン、アニソール、2−メチルフラン等を用いることがで
きる。
【0015】上記炭化水素としては、特に、炭素原子数
に対する酸素原子数の比が0.14〜0.5(好ましく
は0.2〜0.4)であるものを用いるのが好ましい。
この比が上記範囲未満である場合、または上記範囲を越
える場合には、保護膜の強度が低下する。なお、ここで
いう低級とは、炭素数が1〜10であることを指す。ま
た、環式炭化水素とは、ベンゼン環などの環状構造をも
つ炭化水素をいう。
【0016】炭化水素と水素の混合比率を上記範囲内と
するのが好ましいとしたのは、炭化水素の水素に対する
割合が上記範囲下限値未満であると、成膜レートが低く
なり実用的な工業生産に適さなくなり、上記範囲上限値
を越えると、カーボン保護膜内に残留する応力が高くな
り、得られるカーボン保護膜の密着性、耐CSS性が低
下するためである。また炭化水素として低級炭化水素を
用いるのが好ましいとしたのは、炭化水素の炭素数が上
記範囲上限値を越えると、ガスとして供給するのが困難
となることに加え、放電時の炭化水素の分解が進行しに
くくなり、カーボン保護膜が、強度に劣る高分子成分を
多く含むものとなるためである。
【0017】この操作を行う際には、反応混合ガスの流
量を50〜500sccmとするのが好ましい。また、
排気量調節バルブ17を用いてチャンバ10内ガスの排
出量を適宜調節することによって、チャンバ10の内圧
を0.1〜10Paとするのが好ましい。
【0018】同時に、高周波電源12を用いて、好まし
くは50〜1000Wの高周波電力を電極11に供給し
プラズマを発生させ、上記反応ガスを原料とするプラズ
マ化学気相成長によりカーボン保護膜をディスクDの両
面に形成する。カーボン保護膜の厚さは、30〜100
Å、好ましくは30〜75Åとするのが望ましい。この
厚さが上記範囲下限値未満であると、得られるカーボン
保護膜の耐コロージョン性が低下し、上記範囲上限値を
越えると、得られる磁気記録媒体が、記録再生時におけ
るスペーシングロスが大きいものとなるため好ましくな
い。
【0019】カーボン保護膜形成の際には、バイアス電
源13を用いて、バイアス、例えば高周波バイアスまた
はパルス直流バイアスをディスクDに供給するのが好ま
しい。バイアスとして高周波バイアスを用いる場合に
は、バイアス電源13として高周波電源を用い、10〜
300W、好ましくは10〜150Wの高周波電力をデ
ィスクDに供給する。この電力が上記範囲下限値未満で
あると、得られるカーボン保護膜の耐摺動特性が低下
し、上記範囲上限値を越えると、成膜時にチャンバ10
内で異常放電が起こりやすくなり、カーボン保護膜に異
常成長部分ができやすくなるため好ましくない。
【0020】バイアスとしてパルス直流バイアスを用い
る場合には、バイアス電源13としてパルス直流電源を
用い、−400〜−10V、好ましくは−300〜−5
0Vの電圧(平均電圧)をディスクDに印加する。この
電圧が上記範囲下限値未満であると、得られるカーボン
保護膜の耐摺動特性が低下し、上記範囲上限値を越える
と、成膜時にチャンバ10で異常放電が起こりやすくな
り、カーボン保護膜に異常成長部分ができやすくなるた
め好ましくない。また、上記パルス直流バイアスのパル
ス幅は10〜50000ns、周波数は10kHz〜1
GHzとするのが好ましい。上記バイアスの供給によっ
て、カーボン保護膜は、硬度の高いダイヤモンドライク
カーボン(以下、DLCという)を多く含み、強度に優
れたものとなる。
【0021】次いで、保護膜上に、ディッピング法など
によってフォンブリン系潤滑剤、パーフルオロポリエー
テル等の潤滑剤を塗布し潤滑膜とし、磁気記録媒体を得
る。
【0022】図2は、上記製造方法によって製造された
磁気記録媒体の例を示すものである。図中符号Sは非磁
性基板、符号1は非磁性下地膜、符号2は磁性膜、符号
3はカーボン保護膜、符号4は潤滑膜を示すものであ
る。
【0023】上記製造方法にあっては、カーボン保護膜
の形成に際し、分子内に酸素原子を含む炭化水素と水素
を体積比が1:1〜1:100となるように混合した混
合ガスを用いるので、耐久性に優れたカーボン保護膜を
形成することができる。このため、カーボン保護膜の耐
久性を十分なものとしつつ薄膜化することができ、スペ
ーシングロスを低減することが可能な磁気記録媒体を得
ることができる。従って、信頼性が高く、しかも出力特
性を低下させることなく十分な高記録密度化が可能とな
る磁気記録媒体を得ることができる。また、カーボン保
護膜の形成に際し、ディスクDにバイアスを供給するこ
とによって、カーボン保護膜を、DLCを多く含み強度
に優れたものとすることができる。
【0024】上記カーボン保護膜を形成する際の反応ガ
スとして、分子内に酸素原子を含む炭化水素と水素を混
合した混合ガスを用いることによって、耐久性に優れた
カーボン保護膜を形成することができるのは、以下の理
由によるものであると考えることができる。すなわち、
反応ガスが酸素原子を含むため、成膜の際、この酸素原
子からラジカルが生成する。このため、ディスク表面で
カーボン膜が成長する過程において生成する分子中の炭
素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合に、上記酸
素ラジカルが選択的に付加し、一酸化炭素や二酸化炭素
が生成する。多重結合が切断されカーボン膜中の炭素単
結合の割合が増加するため、多重結合の割合が大きいポ
リマー成分が少なくなり、単結合の割合が大きいDLC
の生成が促進される。また、同様に、酸素ラジカルは炭
素−水素結合からの水素原子の脱離を促し、新たな炭素
−炭素単結合を生成しやすくすると考えられる。このた
め、さらにDLC化が促進される。以上の理由によっ
て、カーボン保護膜は、強度の高いDLCを多く含み、
耐久性に優れたものとなると考えられる。
【0025】なお、反応ガスとしては、上記分子内に酸
素原子を含む炭化水素と水素の混合ガスに、他のガス成
分、例えば、窒素、アルゴン、酸素、フッ素などを、上
記混合ガスに対し例えば1〜100vol%に相当する
量添加したものを使用することもできる。また、上記実
施形態の製造方法ではカーボン保護膜をプラズマCVD
法のみにより形成したが、本発明の磁気記録媒体の製造
方法はこれに限らず、保護膜を、プラズマCVD法によ
り形成したプラズマカーボン層と、他の方法により形成
した層、例えばスパッタリングにより形成されたスパッ
タカーボン層や窒化タンタル層を有する多層構造となる
ように形成してもよい。
【0026】
【実施例】(試験例1〜15)NiPメッキを施したア
ルミニウム合金基板(直径95mm、厚さ0.8mm)
に、メカニカルテクスチャ加工を施し表面平均粗さRa
を23Åとした後、この基板両面に、DCマグネトロン
スパッタ装置(アネルバ社製3010)を用いて、Cr
合金からなる非磁性下地膜(厚さ600Å)、およびC
o合金からなる磁性膜を順次形成し、ディスクDを得
た。
【0027】次いで、ディスクDをプラズマCVD装置
のチャンバ10内に搬入するとともに、供給源14から
供給された反応ガスをチャンバ10内に供給した。同時
に、700Wの高周波電力(周波数13.56MHz)
を電極11に供給しプラズマを発生させ、ディスクD両
面に、厚さ50Åのカーボン保護膜を形成した。カーボ
ン保護膜形成時に用いた反応ガスの種類、流量を表1に
示す。なお、カーボン保護膜形成時のディスクDの温度
は130℃とした。また成膜レートは450Å/min
とした。次いで、フォンブリン系潤滑剤をカーボン保護
膜上に塗布し、厚さ15Åの潤滑膜を形成し、磁気記録
媒体を得た。
【0028】得られた磁気記録媒体を、次に示すCSS
試験、およびBonded Ratio試験に供した。 (1)CSS試験 MRヘッドを用い、40℃、湿度80%の環境下で、回
転数7200rpmの条件で上記磁気記録媒体に対し2
0000回のCSS操作を行い、磁気記録媒体を1時間
静置した後、ダイナミックスティクション値をモニター
するものとした。 (2)Bonded Ratio試験 上記磁気記録媒体を溶剤(旭硝子社製AK225)中に
15分間浸漬した後に取り出す操作を行い、この操作前
の潤滑膜の膜厚に対する操作後の潤滑膜の膜厚の比
(%)を算出した。なお、潤滑膜の膜厚は、半径20m
mの位置においてESCAを用いて測定した。これら試
験の結果を表1に併せて示す。
【0029】(試験例16)また、カーボン保護膜を、
カーボンターゲットを用いた従来のスパッタリング法に
より形成すること以外は試験例1〜15と同様にして磁
気記録媒体を作製した。この磁気記録媒体を上記CSS
試験、Bonded Ratio試験に供した結果を表
1に併せて示す。なお、表中、Crashとは、CSS
試験においてCSS操作を20000回行う過程でヘッ
ドクラッシュが起きたことを意味する。また表中には、
プラズマCVD法をpCVD、スパッタリング法をスパ
ッタと表記した。またO/Cは反応ガスに用いられた炭
化水素中の炭素原子数に対する酸素原子数の比を指し、
BRはBonded Ratio試験の結果を示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示すように、反応ガスとして、分子
内に酸素原子を含む炭化水素と水素を体積比が1:1〜
1:100となるように混合した混合ガスを用いる方法
によって作製された磁気記録媒体は、分子内に酸素を含
まない炭化水素であるメタンを用いる方法やスパッタリ
ング法を用いる方法によって作製されたものに比べ、ス
ティクションの値が低く、耐久性に優れたものとなった
ことがわかる。また、反応ガス中の炭化水素として、分
子内に酸素原子を含むものを用いて作製された磁気記録
媒体は、上記炭化水素として酸素を含まない炭化水素で
あるメタンを用いる方法によって作製された磁気記録媒
体に比べ、Bonded ratioが高く、この点か
らも耐久性に優れたものとなったことがわかる。特に、
炭素原子数に対する酸素原子数が0.14〜0.5の範
囲にある炭化水素を用いた反応ガスを用いた場合には、
優れた耐久性が得られたことがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体の製造方法にあっては、耐久性に優れたカーボン保
護膜を形成することができる。このため、カーボン保護
膜の耐久性を十分なものとしつつ薄膜化することがで
き、スペーシングロスを低減することができる。従っ
て、信頼性が高く、しかも出力特性を低下させることな
く十分な高記録密度化が可能となる磁気記録媒体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形
態を実施するために用いられるプラズマCVD装置を示
す概略構成図である。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形
態によって製造された磁気記録媒体を示す一部断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・非磁性下地膜、2・・・磁性膜、3・・・カーボン保護
膜、4・・・潤滑膜 D・・・ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島岡 英美 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工株式会社HD研究開発センター内 (72)発明者 宮本 教行 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工株式会社HD研究開発センター内 (72)発明者 坂口 竜二 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工株式会社HD研究開発センター内 Fターム(参考) 4K030 AA09 AA14 BA27 CA02 FA01 FA03 HA04 JA06 LA20 5D112 AA07 AA24 BC05 FA10 FB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に非磁性下地膜、磁性膜を
    形成したディスク上に、カーボン保護膜を、炭素原子を
    含む反応ガスを原料としてプラズマCVD法により形成
    し、その上に潤滑膜を形成する磁気記録媒体の製造方法
    において、 反応ガスとして、分子内に酸素原子を含む炭化水素と水
    素を体積比が1:1〜1:100となるように混合した
    混合ガスを用いることを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素として、低級飽和炭化水素、低
    級不飽和炭化水素、および低級環式炭化水素のうち1種
    または2種以上を用いることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭化水素として、炭素原子数に対する酸
    素原子数の比が0.14〜0.5であるものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007224383A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Tokyo Electron Ltd アモルファスカーボン膜の成膜方法、それを用いた半導体装置の製造方法、およびコンピュータ読取可能な記憶媒体
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