JP2001022050A - 露光用マスク材料の処理方法 - Google Patents

露光用マスク材料の処理方法

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JP2001022050A
JP2001022050A JP19266899A JP19266899A JP2001022050A JP 2001022050 A JP2001022050 A JP 2001022050A JP 19266899 A JP19266899 A JP 19266899A JP 19266899 A JP19266899 A JP 19266899A JP 2001022050 A JP2001022050 A JP 2001022050A
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Kunihiro Nakagawa
邦弘 中川
Yoshihiro Kagawa
善裕 賀川
Nobuyuki Kawai
宣行 川合
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱や紫外線で変色、変性することがなく、微細
な画像でもシャープに再現することができる露光用マス
ク材料の処理方法を提供する。 【解決手段】ガラス基材とハロゲン化銀乳剤層の間に物
理現像核層を有し、物理現像によりガラス基材上に厚さ
1ミクロン以下の金属銀画像を形成し、該金属銀画像の
最高光学濃度が1.0以上であるハロゲン化銀感光性露
光用マスク材料の処理方法において、タンパク質分解酵
素の存在下で処理することを特徴とする露光用マスク材
料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回路パターンを
形成するための露光用マスク材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】田辺功、竹花洋一、法元盛久著「フォト
マスク技術の話」工業調査会(1996)によると、露
光用マスクはフィルムやガラスといった透明基板上にハ
ロゲン化銀写真乳剤(エマルジョンマスク)やクロムな
どの金属薄膜(ハードマスク)を塗設することによって
製造されている。近年のプリント基板の小サイズ化、精
細化にともなって、露光用マスクにはこれまで以上の寸
法精度が求められ、基材はフィルムからガラスへと徐々
に市場がシフトしつつある。
【0003】このうちエマルジョンマスクは、ハロゲン
化銀写真感光層に光照射すると、感光部のハロゲン化銀
が現像処理によって黒化像を形成する。銀塩写真法を利
用したエマルジョンマスクでは、レーザー光源に対応す
る高感度化が容易で、かつシステムが簡便であるが、2
ミクロン〜6ミクロンという比較的厚い膜中に黒化銀が
分散されているため、いかに硬調な写真処理を施しても
画像の厚みによって画質が低下するため、10ミクロン
以下の画像には適さない。
【0004】一方、ハードマスクの遮光膜は金属薄膜
で、主流は厚さ0.1ミクロン程度のクロム膜である。
そのため、1ミクロン程度の微細な画像の再現性にも優
れているが、エッチング処理等の工程が複雑で、簡便に
ハードマスクで露光用マスクを得られるには至っていな
い。その上高感度のフォトポリマーによるレジスト膜形
成・描画工程の鮮鋭度・安定性がいまだ不十分で、レー
ザー光源等で直接微細な画像を描画するには適していな
い。しかもクロムは環境上の問題があり、近年、他の方
法への転換が迫られている。
【0005】我々はすでに特願平10−170418号
明細書において透明基板上に直接銀画像を形成する回路
パターン形成用の遮光膜を得ることを提案した。これに
よると、得られた露光用マスクはゼラチンを含有しない
ので、露光用マスクとして連続使用してもエマルジョン
マスクのように熱や紫外線で変色、変性することがない
上に、ガラス基材上に厚さ1ミクロン以下の金属銀画像
を形成することができ、しかも最高光学濃度が1.0以
上の金属銀画像が得られるので、微細な画像でもシャー
プに再現することができる。しかし、ピンホールが少な
く、微細な画像でもハロゲン化銀乳剤を完全に除去で
き、かつ得られた露光用マスクを保存しても画像強度が
低下しない、不良率の低い、安定でかつ簡便な処理方法
が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱や
紫外線で変色、変性することがなく、微細な画像でもシ
ャープに再現することができる露光用マスク材料の処理
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討した結
果、ガラス基材とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核
層を有し、物理現像によりガラス基材上に厚さ1ミクロ
ン以下の金属銀画像を形成し、該金属銀画像の最高光学
濃度が1.0以上であるハロゲン化銀感光性露光用マス
ク材料の処理方法において、タンパク質分解酵素の存在
下で処理することによって上記課題を解決した。好まし
くは、処理工程が少なくとも現像工程、停止工程から構
成され、少なくとも停止液にタンパク質分解酵素を含有
することによって上記課題を解決した。更に好ましく
は、停止工程後に定着処理し、定着液が30℃以上で、
剥離用ローラー等によって物理的接触でハロゲン化銀乳
剤を除去する工程を実質的に含まないことによって上記
問題を解決した。より好ましくは、ハロゲン化銀乳剤面
に定着液流を当てることによって、該ハロゲン化銀乳剤
を除去することによって上記課題を解決した。より好ま
しくは、現像後の工程の中で少なくとも1つpH7以下
の処理液で処理することによって上記課題を解決した。
さらに好ましくは、ハロゲン化銀感光性露光用マスク材
料が、ガラス基材と物理現像核層の間に金属酸化物によ
って構成される層を含有することによって上記問題を解
決した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の露光用マスク材料は銀錯塩拡散転写法(以後D
TR法と称する)の原理によってガラス基材上に銀膜を
形成させる。DTR法とは米国特許第2352014号
明細書或いは「Photographic SilverHalide Diffusion
Processes」、Andre Rott、Edith Weyde著、The Focal
Press(1972年)に記載されているように、未露光
のハロゲン化銀が溶解し、可溶性銀錯化合物に変換さ
れ、これがハロゲン化銀乳剤層中を拡散し、物理現像核
の存在場所にて現像され銀膜を形成する。一方、露光部
のハロゲン化銀は光照射によって潜像核が形成してお
り、該乳剤層中で化学現像される。これを現像後に温水
などで洗浄すると、水溶性ゼラチンを主たるバインダー
として含有するハロゲン化銀写真感光層は除去され、未
露光部で物理現像核上に形成した銀膜だけがガラス基材
上に残り、画像を形成する。これにより水溶性ゼラチン
を含有せず、厚さ1ミクロン以下の金属銀薄膜を得るこ
とができ、しかも最高光学濃度が1.0以上の金属銀画
像が得られるので、微細な画像でもシャープに再現する
ことができる。
【0009】本発明のガラス基材としては、当業者で公
知のガラス基材を使用することができる。用途、求めら
れる性能等によって選択する必要があるが、たとえば、
ソーダ石灰、ホワイトクラウンなどのソーダライムガラ
ス、ホウケイ酸、無アルカリ、アルミノケイ酸等の低膨
張ガラス、合成石英ガラス、などが挙げられる。
【0010】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、銀錯塩拡散転写法で通常用いられる公知
のものでよく、例えば金、銀等の金属コロイドあるいは
銀、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した
金属硫化物を使用できる。保護コロイドとして、本発明
の低分子量ゼラチンを初め、各種親水性コロイドを用い
ることもできる。これらの詳細及び製法については、例
えば、特公昭48−30562号、特開昭48−554
02号、同53−21602号公報、フォーカル・プレ
ス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ
ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィッ
ク・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。また塗布助剤として界面活性剤を含
有せしめることもできる。
【0011】本発明において、ハロゲン化銀乳剤の種類
としては、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩ヨウ臭化
銀が用いられるが、塩化銀が70モル%以上のハロゲン
組成を有するものが特に好ましい。該ハロゲン化銀の結
晶の平均粒径は0.15〜0.5μm、好ましくは0.2〜
0.4μmである。ハロゲン化銀結晶の晶癖は正六面体、
正八面体、正十六面体、平板状等のいずれでもよいが、
正六面体が好ましい。コアシェル構造をとることもでき
る。また、ハロゲン化銀結晶を形成する際にイリジウム
化合物及びロジウム化合物を含有させてもよい。所望す
る感度や付与すべき性能によってイリジウム化合物及び
ロジウム化合物の含有量は異なるが、ハロゲン化銀1モ
ルあたり10-8〜10-3モルが好ましい。その上本発明
のハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて還元増感、硫黄増
感、金増感、金硫黄増感等の化学増感し、さらに高い感
度を得ることができる。
【0012】本発明のハロゲン化銀乳剤は、アルゴンレ
ーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、半導体レーザー、
発光ダイオード等の各種光源に対応させる等の目的で必
要に応じて通常のハロゲン化銀写真乳剤に使用される増
感色素によって分光増感することができる。光源の波長
や強度、添加される化合物の種類により選択する必要が
あるが、シアニン色素、メロシアニン色素、ローダシア
ニン色素、オキソノール色素、スチリル色素、ベースス
チリル色素等あらゆる色素を単独ないしは混合して添加
することができる。また、イラジエーションあるいはハ
レーションによる画像劣化に対応するために通常のハロ
ゲン化銀写真乳剤に使用される染料や顔料を添加するこ
とができる。以下に増感色素の例を示す。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】これらの増感色素は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。増感色素の使用量はハ
ロゲン化銀乳剤の特性や対象とする光源の強度等によっ
て一概には特定できないが、ハロゲン化銀1モル当たり
1×10-7〜1×10-2モル、特に1×10-6〜1×1
-3モルであることが好ましい。添加時期は、ハロゲン
化銀乳剤を塗布するまでの任意の時期であってよい。
【0022】本発明の乳剤層には、必要に応じて以下の
当業者で知られる添加剤を添加することができる。アニ
オン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各種界面活性
剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、消泡剤等
の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセテート等のキ
レート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキシベンゼン
類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含有させても
よい。また、アザインデン類、複素環式メルカプト化合
物などの安定剤、かぶり抑制剤を添加することもでき
る。
【0023】本発明のハロゲン化銀乳剤層のバインダー
としては、水溶性ゼラチン単独または、ガゼイン、デキ
ストリン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、澱粉
等と組み合わせることができる。水溶性ゼラチンにおい
ては酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体、グラフト化ゼラチン、低分子量ゼラチン等のい
ずれも使用することができる。本発明において当業者で
知られる硬膜剤を添加してハロゲン化銀乳剤層を硬膜さ
せてもよいが、現像後の温水等による除去を容易にする
ためには、実質的に硬膜剤は添加しない方が好ましい。
【0024】本発明の露光用マスクの金属銀画像の厚さ
は1ミクロン以下で、該金属銀画像の最高光学濃度は
1.0以上である。ガラス基材の表面は必ずしも平坦で
はなく、かつ塗布工程のふれ、あるいは露光用マスク材
料中に含有される粒状物質等の影響で、金属銀膜の厚み
は必ずしも一定ではない。したがって本発明における金
属銀画像の厚さとは、10ミリ×10ミリの正方形以上
のサイズでの平均厚さとして示される。また、金属銀画
像の光学濃度は画像の種類によって異なり、たとえば非
常に微細な画像では、大面積部(いわゆるベタ部)に比
べて光学濃度は半分以下になりうる。本発明では同様に
して最高光学濃度とは10ミリ×10ミリの正方形以上
の金属銀画像の中心部分の最高濃度を言うこととする。
【0025】本発明の露光用マスク材料は、ハロゲン化
銀乳剤層と物理現像核層以外に、必要に応じて物理現像
核層との間に親水性コロイドからなる中間層を設けても
よく、またこれを最上層、すなわち保護層として設けて
もよい。
【0026】本発明において、露光用マスク材料は、露
光された後、タンパク質分解酵素の存在下で処理され
る。本発明に用いられるタンパク質分解酵素は、ゼラチ
ンなどのタンパク質を分解できる植物性、または動物性
酵素で、当業者で知られるあらゆるものを用いることが
できる。例えば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キ
モトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロ
ンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プ
ロティナーゼ等が挙げられる。この中でも特に、トリプ
シン、パパイン、フィシン、細菌プロティナーゼが好ま
しい。
【0027】本発明において、タンパク質分解酵素は、
露光用マスク材料、現像液、停止液、定着液、その他処
理液のいずれにも添加することができる。最も好ましい
態様としては、停止液に添加するのがよい。現像液、停
止液、定着液へのタンパク質分解酵素の添加量は、0.
5〜50g/Lが好ましい。露光用マスクへの添加量
は、0.1mg/m2〜1g/m2が好ましい。
【0028】本発明の露光用マスク材料の処理方法にお
いて、処理工程は現像工程、停止工程、定着工程、水洗
工程等によって構成される。本発明で言う現像工程、停
止工程、定着工程、水洗工程とは、一般の白黒ハロゲン
化銀写真感光材料の現像工程、停止工程、定着工程、水
洗工程とは異なるものである。
【0029】本発明の現像工程とは、露光部のハロゲン
化銀で光照射によって形成した潜像核において化学現像
するとともに、ハロゲン化銀溶剤によって未露光部のハ
ロゲン化銀を溶解し、可溶性銀錯化合物に変換し、これ
がハロゲン化銀乳剤層中を拡散し、物理現像核の存在場
所にて現像され銀膜を形成する工程である。本発明の現
像液には、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン
類、3−ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第
3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例
えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチ
ルセスロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現
像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲ
ン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状
イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等等の添
加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常1
0〜14、好ましくは12〜14である。
【0030】本発明の停止工程とは、上記の現像反応を
停止するとともに、次工程である定着工程を効率よく進
行せしめるための準備工程である。現像反応を停止する
ためには、現像液のアルカリを中和することが最も容易
である。停止液のpHとしては7以下が好ましく、より
好ましくは3から6がよい。現像液の持ち込みによるp
H上昇を抑制する目的で、現像液はpH緩衝成分を含有
することが好ましい。pH緩衝成分としては、当業者で
知られる様々なものを用いることができる。本発明の停
止液に使用可能なpH緩衝成分の例としては、フタル酸
水素カリウム+塩酸、フタル酸水素カリウム+水酸化ナ
トリウム、リン酸2水素カリウム+水酸化ナトリウム等
の組み合わせが挙げられる。
【0031】本発明の定着工程とは、ハロゲン化銀乳剤
層を除去し、非画像部はガラス基材面を露出させ、画像
部は金属銀画像を露出させる工程である。ハロゲン化銀
乳剤の除去を主目的としているので、本発明の定着液は
水を主成分とする。定着液は上記の停止液と同様に緩衝
成分を含有してもよい。また、除去したゼラチンの腐敗
を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。本
発明の好ましい態様としては、定着液の温度は30℃以
上で、剥離用ローラー等によって物理的接触でハロゲン
化銀乳剤を除去する工程を実質的に含まない。定着液の
温度は、好ましくは、30℃以上50℃以下、より好ま
しくは、30℃以上40℃以下がよい。ハロゲン化銀乳
剤を除去する方法としては、ローラーを膜面に接触させ
てローラーに巻き付ける方法、ローラーを膜面に当てて
スリップさせることによってはがしとる方法等がある
が、物理的な接触によってピンホールを誘発するため、
好ましくは物理的接触でハロゲン化銀乳剤を除去する工
程を実質的に含まないのがよい。本発明の好ましい態様
として、定着液流をハロゲン化銀乳剤面に当てることに
よって、ハロゲン化銀乳剤を除去するのがよい。定着液
流をハロゲン化銀乳剤面に当てる方法としては、シャワ
ー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて
使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設け
て、除去の効率を高めることもできる。
【0032】本発明の好ましい態様として、現像後の工
程の中でpH7以下である処理液で処理する工程が少な
くとも1つ含まれる。pH7以下である処理液は現像後
のすべてであってもよいし、一部であっても良い。好ま
しくは、すべてがpH3以上7以下であることが好まし
い。
【0033】本発明の金属酸化物とは、例えばコロイダ
ルシリカ、コロイダルアルミナ、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物或いはこれらの
水酸化物を示す。コロイダルシリカとは非晶質無水ケイ
酸のコロイド状物で、無変性の他にシリカ表面をアンモ
ニア、カルシウム、及びアルミナ等のイオンや化合物で
表面を修飾し、粒子のイオン性やpH変動に対する挙動
を変えた変性コロイダルシリカも包含される。コロイダ
ルアルミナとは無定型或いは擬べーマイト(広義のベー
マイトを包含する)状アルミナ水和物の羽毛状、繊維
状、或いは板状等の分散形状を有するコロイド状物であ
る。更にサポナイト、ヘクトライト、及びモンモリロナ
イト等のスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリ
ナイト及びハロサイト等のカオリナイト−蛇紋石群、セ
ピオライト等の天然粘土鉱物、例えばフッ素金雲母、フ
ッ素四ケイ素雲母、テニオライト等のフッ素雲母や合成
スメクタイト等の合成無機高分子なども使用できる。
【0034】これらの金属酸化物或いは水酸化物によっ
て構成される層は、当業者で知られるあらゆる方法で作
成することができるが、もっとも容易には溶媒中で微細
に分散され、透明基板上に塗布され保持される。この場
合、微細に分散された金属酸化物或いは水酸化物の粒径
としては1nmから100μm程度で用いられる。透明
基板上に塗布され、乾燥された後、金属酸化物粒子の粒
子間の結合力を高める為に、150℃以上に加熱しても
かまわない。600℃以上にまで加熱すると金属酸化物
の粒子成長が引き起こされるために、好ましくは150
℃以上で500℃以下で加熱するのが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明の趣旨を超えない限り、これらに限定さ
れるものではない。
【0036】実施例1 ソーダ石灰ガラス基材上に、日産化学工業株式会社製コ
ロイダルシリカ スノーテックスOUPを膜厚0.2ミ
クロンとなるように塗布し、室温で乾燥後、150℃で
30分間加熱した。
【0037】ポリエチレングリコール・アルキルエーテ
ル水溶液中で硫化パラジウム物理現像核液を調製し、上
記のコロイダルシリカを塗布したソーダ石灰ガラス基材
上に硫化パラジウム核量1.0mg/m2となるように
塗布し、乾燥した。
【0038】ハロゲン化銀乳剤は下記の方法で調製し
た。アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブル
ジェット法で平均粒径0.25μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006
ミリモルドープさせた、臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーション法により脱塩した。さら
にこの乳剤に金・硫黄増感を施し、化3の増感色素をハ
ロゲン化銀1g当たり3mg添加して分光増感した。更
にこのハロゲン化銀乳剤に1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾールをハロゲン化銀1モル当たり10-3モル
添加した。このようにして調製したハロゲン化銀乳剤
を、ハロゲン化銀1.0gに対してゼラチン2.0gと
なるよう最終調製を施し、ハロゲン化銀塗布量が、8g
/m2となるように、前記物理現像核層を塗布したガラ
ス基材に塗布、乾燥し、露光用マスク材料試料(A)を
作成した。
【0039】上記露光用マスク材料試料(A)に、20
ミクロン、および100ミクロンのラインアンドスペー
ス画像を密着露光した後、35℃の下記拡散転写用現像
液(1)に1分間浸し、その後停止液として35℃の温
水中でスポンジで一度だけ軽くこすり、乾燥させ、比較
用の露光用マスク試料(1)とした。
【0040】 拡散転写現像液(1) 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3−ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g モノメチルエタノールアミン 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g 脱イオン水で1000mlとした。 pH(35℃)=12.8
【0041】上記拡散転写現像液(1)に長瀬産業
(株)製ビオプラーゼ30G(細菌プロティナーゼの1
種)を現像液1Lあたり1g添加した拡散転写現像液
(2)で現像した以外は露光用マスク試料(1)と同じ
方法で露光用マスク試料(2)を作成した。
【0042】露光用マスク試料(1)〜(2)の20ミ
クロン、100ミクロンのラインアンドスペース画像の
スペース部分を100倍ルーペで観察し、ハロゲン化銀
乳剤の残存を調べた。試料(1)では、100ミクロン
のラインアンドスペースのスペース部にハロゲン化銀乳
剤の残存は確認できなかったが、20ミクロンのスペー
ス部では残存が確認された。一方、試料(2)では、2
0ミクロンのスペース部の一部で若干の残存が確認され
たが、実用上問題ないレベルであった。現在のプリント
配線の最小線幅はおおむね100ミクロン以上である。
100ミクロンのラインアンドスペースが再現できれ
ば、実用上可と判断できるが、本発明によればより微細
なパターンでも再現できることがわかる。
【0043】実施例2 実施例1の露光用マスク材料試料(A)に、20ミクロ
ン、および100ミクロンのラインアンドスペース画像
を密着露光した後、実施例1の35℃の拡散転写用現像
液(1)に5分間浸し、その後停止液として長瀬産業
(株)製ビオプラーゼ30Gを1g/L含有する35℃
の温水中でスポンジで一度だけ軽くこすり、乾燥させ、
露光用マスク試料(3)とした。
【0044】露光用マスク試料(3)の20ミクロン、
100ミクロンのラインアンドスペース画像のスペース
部分を100倍ルーペで観察し、ハロゲン化銀乳剤の残
存を調べたところ、20ミクロンのスペース部でも残存
は全く確認されなかった。
【0045】実施例3 実施例1の露光用マスク材料試料(A)に、20ミクロ
ン、および100ミクロンのラインアンドスペース画像
を密着露光した後、実施例1の35℃の拡散転写用現像
液(1)に5分間浸し、その後停止液として長瀬産業
(株)製ビオプラーゼ30Gを1g/L含有する35℃
の温水中に30秒間浸せき後、液中から取り出し、停止
液と同一の組成の定着液をシャワー状にハロゲン化銀乳
剤面に噴霧してハロゲン化銀乳剤を除去し、乾燥させ、
露光用マスク試料(4)とした。
【0046】露光用マスク試料(4)の20ミクロン、
100ミクロンのラインアンドスペース画像のスペース
部分を100倍ルーペで観察し、ハロゲン化銀乳剤の残
存を調べたところ、露光用マスク試料(3)と同じく、
20ミクロンのスペース部でも残存は全く確認されなか
った。
【0047】一方、露光用マスク試料(1)〜(4)の
100ミクロンのライン部を100倍ルーペで観察し、
ピンホールの発生を観察した。露光用マスク試料(1)
〜(4)のすべてで、直径30ミクロン以上のピンホー
ルは観察されなかったが、直径30ミクロン以下のピン
ホールについては、露光用マスク試料(4)を除いてす
べてにおいて発生していた。現在のプリント配線の製造
工程において、30ミクロン以下のピンホールは実用上
問題ないが、今後のファインパターン化に対応するため
には、本発明は非常に効果的であることがわかる。
【0048】実施例4 実施例1の露光用マスク材料試料(A)に、20ミクロ
ン、および100ミクロンのラインアンドスペース画像
を密着露光した後、実施例1の35℃の拡散転写用現像
液(1)に5分間浸し、その後長瀬産業(株)製ビオプ
ラーゼ30Gを1g/L含有し、リン酸2水素カリウム
+水酸化ナトリウム緩衝成分を含有するpH6.0の3
5℃の停止液中に30秒間浸せき後、液中から取り出
し、停止液と同一の組成の定着液をシャワー状にハロゲ
ン化銀乳剤面に噴霧してハロゲン化銀乳剤を除去し、乾
燥させ、露光用マスク試料(5)とした。
【0049】露光用マスク試料(5)の20ミクロン、
100ミクロンのラインアンドスペース画像のスペース
部分を100倍ルーペで観察し、ハロゲン化銀乳剤の残
存を調べたところ、露光用マスク試料(3)と同じく、
20ミクロンのスペース部でも残存は全く確認されなか
った。また、100ミクロンのライン部を100倍ルー
ペで観察したところ、ピンホールは見られなかった。
【0050】一方、露光用マスク試料(1)〜(5)を
1ヶ月間室内に包装せずに保管し、その後表面を湿った
綿でこすり、画像の損傷を100倍ルーペで観察した。
1ヶ月保管する前は画像の損傷は観察されなかったが、
露光用マスク試料(1)〜(4)はすべて画像が損傷し
た。露光用マスク試料(5)は、表面の光沢に変化が見
られたものの、画像の損傷はなかった。現在のプリント
配線の製造工程において、露光用マスクは取扱中の汚れ
等を除去する目的で表面を拭く工程がしばしばある。従
って、本発明によれば、非常に取り扱いの容易な露光用
マスクが得られることがわかる。
【0051】実施例5 ソーダ石灰ガラス基材上に、日産化学工業株式会社製チ
タニアゾル TA−15を膜厚0.3ミクロンとなるよ
うに塗布し、室温で乾燥後、200℃で30分間加熱し
た。
【0052】この上に実施例1で示した物理現像核液、
及びハロゲン化銀乳剤を実施例1と同じ方法で塗設し、
露光用マスク材料試料(B)を得た。これを実施例4と
同じ方法で露光処理して、露光用マスク試料(5)を得
た。実施例5と同じように画像を観察したところ、ハロ
ゲン化銀乳剤の残存は全く確認されなかった。また、ピ
ンホールは見られなかった。さらに、1ヶ月間保管後に
湿った綿でこすっても画像の損傷は観察されなかった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
熱や紫外線で変色、変性することがなく、微細な画像で
もシャープに再現することができる露光用マスク材料
の、微細な画像でもハロゲン化銀乳剤を完全に除去で
き、かつ得られた露光用マスクを保存しても画像強度が
低下しない、不良率の低い、安定でかつ簡便な処理方法
を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H095 BA11 BB06 BC06 2H096 AA24 BA17 CA05 CA20 GA08 HA02 JA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基材とハロゲン化銀乳剤層の間に
    物理現像核層を有し、物理現像によりガラス基材上に厚
    さ1ミクロン以下の金属銀画像を形成し、該金属銀画像
    の最高光学濃度が1.0以上であるハロゲン化銀感光性
    露光用マスク材料の処理方法において、タンパク質分解
    酵素の存在下で処理することを特徴とする露光用マスク
    材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 処理工程が少なくとも現像工程、停止工
    程から構成され、少なくとも停止液にタンパク質分解酵
    素を含有することを特徴とする、請求項1に記載の露光
    用マスク材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 停止工程後に定着処理し、定着液が30
    ℃以上で、剥離用ローラー等によって物理的接触でハロ
    ゲン化銀乳剤を除去する工程を実質的に含まないことを
    特徴する請求項2に記載の露光用マスク材料の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀乳剤面に定着液流を当てる
    ことによって、該ハロゲン化銀乳剤を除去することを特
    徴する請求項3に記載の露光用マスク材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 現像後の工程の中でpH7以下である処
    理液で処理する工程が少なくとも1つあることを特徴と
    する請求項4に記載の露光用マスク材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀感光性露光用マスク材料
    が、ガラス基材と物理現像核層の間に金属酸化物によっ
    て構成される層を含有することを特徴とする請求項5に
    記載の露光用マスク材料の処理方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087615A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Mitsubishi Paper Mills Ltd 導電性材料の製造方法

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JP2009087615A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Mitsubishi Paper Mills Ltd 導電性材料の製造方法

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