JP2001021541A - 多層部材の検査方法 - Google Patents

多層部材の検査方法

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JP2001021541A JP11195242A JP19524299A JP2001021541A JP 2001021541 A JP2001021541 A JP 2001021541A JP 11195242 A JP11195242 A JP 11195242A JP 19524299 A JP19524299 A JP 19524299A JP 2001021541 A JP2001021541 A JP 2001021541A
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    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムライニング金属ロール等多層部材の剥離
状態や内部ボイドを適正に検出できる超音波検査方法を
提供する。 【解決手段】 材質を異にする複数の部材が多層構造に
接合一体化されてなる多層部材の各層間の接合状態又は
内部ボイドの存在を検知する多層部材の検査方法であっ
て、上記多層部材に広帯域の超音波パルスを入射させ、
各層の境界面からの反射パルスの到達時間によって各境
界面の位置を特定するとともに当該反射パルスの音圧お
よび位相によって各境界面の剥離状態を検出する一方、
内部ボイドからの反射パルスの音圧強度と到達時間とに
よって内部ボイドの存在を検出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、製紙用マシーン
のゴムライニング金属ロール等多層部材の剥離状態等の
検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば製紙用マシーンのゴムライ
ニング金属ロール等多層部材のゴム接合部等の剥離検査
は、一般に外観検査又は打音検査が行われるだけであっ
た。また、一方ボイド部の有無等内部状態の検査方法
(非破壊試験方法)としては、例えば一般にX線検査方
法が採用されるが、該方法の場合、X線の透過を必要と
するために、その透過エネルギーが大きすぎて、X線吸
収係数の低いゴム部材等の場合、必要とする画像が得ら
れず、事実上適正な内部状態の検査は不可能であった。
【0003】そこで、例えば図7に示すような超音探傷
装置による超音波検査法も試みられているが、該従来の
超音波検査法では、検査対象である多層部材に対して狭
帯域の超音波パルスを入射させるようにしていることか
ら、上記製紙マシーン用ゴムライニング金属ロール等の
吸音材質のゴム類への適用は困難であった。
【0004】一方、通常の振動数の超音波を使用する
と、波数が多く、微少なボイドを判別することは不可能
であった。
【0005】その為、金属ロール表面からの反射パルス
と、その外周側のライニングゴム各層間からの反射パル
スとが得られるにとどまり、剥離部の有無やボイド部の
有無の検出に必要な情報が得られなかった(詳細は後
述)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上のよ
うな問題点を解決するためになされたもので、広帯域超
音波パルスを用いることによって、分解能力の高い波数
の少ない反射パルスの音圧強度と時間経過からボイド部
の存在を検出し、また周波数の少ない金属ロール等境界
面からの反射パルスと金属ロールおよびゴム部間等各層
間からの反射パルスの音圧強度と位相とにより各層間の
剥離状態を検出できるようにした多層部材の検査方法を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の目的
を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構
成されている。
【0008】(1) 請求項1の発明 この発明の多層部材の検査方法は、材質を異にする複数
の部材が多層構造に接合一体化されてなる多層部材の各
層間の接合状態を検知する多層部材の検査方法であっ
て、上記多層部材に広帯域の超音波パルスを入射させ、
各層の境界面からの反射パルスの到達時間によって各境
界面の位置を特定するとともに当該反射パルスの音圧お
よび位相によって各境界面の剥離状態を検出するように
構成されている。
【0009】該構成では、パルス数の少ない広帯域の超
音波パルス信号を使用しており、分解能を高くすること
ができる。そして、該振動周波数が低く、分解能が高い
広帯域の超音波パルスをゴムライニング金属ロール等多
層部材に入射させると、所定境界面からの反射パルスの
到達時間で境界面を特定できるとともに、その反射パル
スの音圧強度と位相から剥離状態を検出することができ
る。
【0010】(2) 請求項2の発明 この発明の多層部材の検査方法は、材質を異にする複数
の部材が多層構造に接合一体化されてなる多層部材中の
ボイド部の存在を検知する多層部材の検査方法であっ
て、上記多層部材に広帯域の超音波パルスを入射させ、
ボイド部からの反射パルスの音圧強度と到達時間とによ
ってボイド部の存在を検出するように構成されている。
【0011】該構成では、パルス数の少ない広帯域の超
音波パルス信号を使用しており、分解能を高くすること
ができる。そして、該振動周波数が低く、分解能が高い
広帯域の超音波パルスをゴムライニング金属ロール等多
層部材に入射させると、ボイド部からの反射パルスの音
圧強度と到達時間とによってボイド部の存在を検出する
ことができる。
【0012】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の多層部材の検査
方法によると、ダンピング係数の高いゴム材等を使用し
た製紙用マシーンのゴムライニング金属ロールなどの多
層部材の場合にも、簡単かつ正確な剥離状態又はボイド
部の有無の検査を行えるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図6は、一例として製紙用
マシーンのゴムライニング金属ロールの剥離状態および
ボイド部の有無の検査に適用した本願発明の実施の形態
に係る多層部材の検査方法の構成を示している。
【0014】(全体のシステム構成)先ず図1のブロッ
ク図は、同検査方法を実施する検査装置の全体的なシス
テム構成を示している。
【0015】図中の符号1は広帯域の超音波パルス波を
検査対象(ワーク)である製紙用マシーンのゴムライニ
ング金属ロール2に向けて発信し、又その反射パルス波
を受信する広帯域型の超音波探触子であり、その超音波
発信部(超音波振動子)3には広帯域の超音波パルスを
発生させる超音波発生回路(超音波振動子駆動回路)4
と該超音波パルス発生回路4により発生される超音波パ
ルスの発振周波数を可変制御する発振周波数制御回路5
が接続されている。
【0016】また、超音波受信部(超音波振動ピックア
ップ素子)6には第1の高周波増幅器7、減衰器8、第
2の高周波増幅器9、ビデオ増幅器10、CRTディス
プレイ11が各々接続されている。
【0017】先ず上記超音波探触子1は、例えば検査対
象(ワーク)である図2に示すような製紙用マシーンの
ゴムライニング金属ロール(以下、単にゴムライニング
金属ロールという)2の外周面に対し、超音波の伝達性
を良好にするために所定の接触媒質(高粘性の液状体)
を介して接触せしめられる。そして、この場合、上記ゴ
ムライニング金属ロール2は、例えば図2に示されるよ
うに、回転軸に嵌合される筒形の金属ロール2aの外周
に接着ゴム2bを介して例えば摩擦係数の高い耐熱ゴム
2cを接合した材質の異なる多層部材となっており、そ
の外周側から内周側にかけて、図2に示すごとく超音波
透過音速、材料密度、音響インピーダンス共に次第に大
となるような構造となっている。このような多層構造の
ゴムライニング金属ロール2の場合、すでに述べたよう
に、その剥離状態やボイド部(又は内部きず)等の有無
を検知判定するに際し、従来一般の外観検査や打音検査
での正確な検知判定は先ず不可能である。またボイド部
の有無を検出する非破壊検査方法として、例えばX線画
像による検査方法が考えられるが、該方法ではX線の透
過を必要とするため、透過エネルギーが大きすぎ、X線
吸収係数の低いゴム材の画像が得られず、事実上ボイド
の有無の適正な検査は不可能であった。
【0018】一方、従来の超音波による検査方法では、
一般に狭帯域の超音波パルスを入射させる方法が試みら
れている。しかし、該狭帯域の超音波パルスを入射させ
る方法の場合、やはりゴム材部分での減衰度が大きく、
上記のような吸音材質のゴム類への適用は困難であっ
た。
【0019】一方通常の超音波振動数の超音波検査方法
の場合、その波数が多いため、微少なボイド部の有無を
判別することは不可能であった。その為、上記金属ロー
ル2aの表面からの反射パルスと、接着ゴム2bと耐熱
ゴム2cとの間の層間からの判別しにくい反射パルスが
得られるにとどまり、各材料中にあるボイドの有無、剥
離の有無共にそれらを判定するために必要な情報が得ら
れなかった。
【0020】そこで、このような問題に対する対策とし
て、本願発明の実施の形態では、上述のように広帯域の
超音波パルスを使用し、分解能力が高く、波数の非常に
少ない振動数の反射パルスの音圧強度と到達時間からボ
イド部を検出し、また同波数の少ない金属ロール2a境
界面からの反射パルス、さらに接着ゴム2bと耐熱ゴム
2cとの間の層間からの反射パルスの音圧強度と位相に
より各ゴム層2b,2c間の剥離状態を正確に検出でき
るようにしている。
【0021】すなわち、先ず図1の構成において、上記
超音波探触子1の超音波発信部3には超音波パルス発生
回路4を介して超音波パルス発振周波数制御回路5によ
り設定された広帯域の超音波パルスを発生するための加
振信号が印加される。その結果、超音波発信部3からは
広帯域の超音波パルスが発生する。そして、該発生した
広帯域の超音波パルスは、上記図2のようなゴムライニ
ング金属ロール2に対し、その中心軸O−O′方向に向
けて垂直に入射せしめられ、図2に示すように耐熱ゴム
2c部分から耐熱ゴム2cと接着ゴム2bとの境界面、
接着ゴム2b、接着ゴム2bと金属ロール2a表面へと
順次伝搬して行くとともに材質の変わる各境界面および
金属ロール表面で各々到達時間と音圧強度の異なる反射
パルスが形成され、それらが各々上記超音波受信部6に
入射される。
【0022】該超音波受信部6に入射された各反射パル
スは、それぞれ超音波受信部6で図1中の(a)のよう
な電圧信号(又は電流信号)に変換される。該電圧信号
(a)は、先ず第1の高周波増幅器7で所定電圧レベル
の信号に増幅された後に減衰器8に供給されて林状エコ
ー等のピックアップ周辺で発生する不要なノイズ成分が
カットされて図1中の(b)のような反射パルス成分を
中心とする電圧信号に形成される。
【0023】次に該電圧信号(b)は、さらに第2の高
周波増幅器9で必要な信号レベルに増幅された上で、ビ
デオ増幅器10に供給され、該ビデオ増幅器10で映像
信号に変換されるとともに適切な信号レベルに増幅され
た後に図示のようにCRTディスプレイ11に入力され
て、その画面上に図示のような(+),(−)両方向に
変化する振動波形として十分なエコー高さを有して表示
される。
【0024】この場合、例えば先に触れた従来の狭帯域
超音波パルスによるシステム(狭帯域超音波探触子と整
流方式の組合せ)は、図7に示すように、超音波パルス
の波数が多いために上記第2の高周波増幅器9で増幅さ
れた反射パルスの電圧信号を一旦検波回路12で検波
し、判別しやすい波形に整形した上で、さらにフィルタ
13を通してノイズ成分をカットし、その後ビデオ増幅
器14で映像信号に変換増幅した後にCRTディスプレ
イ15の画面上に半波整流又は全波整流された振動波形
として表示する方法が採用されている。
【0025】しかし、本願発明の実施の形態では、上述
のように広帯域の超音波パルスが採用されており、パル
スの数は分解能の高い1波長半程度のものであるので、
従来の図7のような検波回路12やフィルタ13を必要
とせず、上記第2の高周波増幅器9からの出力信号を直
接ビデオ増幅器10を介してCRTディスプレイ11に
入力して判別しやすい(+),(−)両方向に変化する
振動波形として表示することができる。そして、該振動
波形から上記ゴムライニング金属ロール2中のボイド部
の有無や同ゴムライニング金属ロール2の各層間の剥離
状態等を、以下に述べるようにして容易かつ正確に検出
判定することができる。
【0026】(検査方法の構成)次に、該CRT画面上
の振動波形に基いて図2のゴムライニング金属ロール2
中のボイド部の有無および各層間の剥離状態の検出等を
行う検査方法について、具体的に説明する。
【0027】(剥離状態の検査方法)前述したように、
本実施の形態において検査対象としているゴムライニン
グ金属ロール2は、パイプ状の金属ロール2aの外周に
接着ゴム2bを介して耐熱ゴム2cをライニングした多
層構造のものであり、それが適正なものである限り、上
記耐熱ゴム2cの外周面側から金属ロール2aの中心軸
O−O′垂直方向にかけて超音波の透過音速、材料密
度、音響インピーダンスが共に小から大に均一に変化す
る構造体となっている。
【0028】ここで、今或るゴムライニング金属ロール
2のサンプルを基に、各層間の境界面を上記広帯域の超
音波パルスが通過する時の音圧反射率(%)を音響イン
ピーダンスの差異を基に材料密度(g/cm3)、透過
音速(m/s)との関係で計算して見ると、次の[表
1]のようになる。
【0029】
【表1】
【0030】また、各層の適正材質部から剥離部(空胴
部)へ超音波パルスが入射するときの音圧反射率は、次
の[表2]のようになる。
【0031】
【表2】
【0032】そして、上記[表1]に示す音響インピー
ダンスの差異によって計算される音圧反射率を図1のC
RT画面上の振動波形によって得られる超音波パルス情
報に加えると、剥離状態検出のための制御における制御
条件が確定する。
【0033】なお、図2に示した条件は、音響インピー
ダンスが常に2c<2b<2aの時を示しているが、こ
れは同ロール2が健全な適正構造体である場合を示して
いる。そして、この時の振動波形は例えば図4のT,
I,Bのようになる。つまり、図中のI部における音圧
反射率および同B部における音圧反射率が共に適正な反
射強度を得ることができる時は、常に(2b−2a間の
音圧反射率)>(2c−2b間の音圧反射率)の関係と
なり、これが剥離の存在しないことの条件である。そし
て、上記超音波探触子1の超音波発信部3より接触媒質
を媒介して耐熱ゴム2cに入射した超音波パルスは、ま
ず上記耐熱ゴム2c,接着ゴム2b間の境界面が健全で
あれば20数%程度の反射のみで、残りの70数%以上
は接着ゴム2b内へ直進して入射する。このため、健全
部エコーとして図1中のIが示す波のピークは(+)位
相を表示し、この際の超音波パルス印加時点Tからの時
間経過を耐熱ゴム2cの設計上の厚みと時間軸の読取値
とを一致させることにより、比較的音響インピーダンス
の近い接着ゴム2bの厚みをほぼ近似値的に同時に表示
する(つまり経過時間T2を表示したことになる)。
【0034】これによって接着ゴム2b中を直進した超
音波パルスは、金属ロール2aとの境界面へ到達した際
に、図1のCRT画面中のB部に示す波のピークで健全
部を示す(+)位相を表示する。一方、接着ゴム2bと
金属ロール2aとの間の反射率は89%程度であるので
ゴムライニング全体の厚みを表示し、厚みが極端に厚い
場合についても、耐熱ゴム2c,接着ゴム2b間を70
数%通過した超音波パルスを十分残したまま接着ゴム2
b,金属ロール2a間へ到達させ、その反射率の高さを
利用してエコー高さにおいて判別可能な範囲を大きく拡
大することができる。
【0035】なお、以上の制御において例えば接着ゴム
2bと金属ロール2aとの間における境界面エコーが境
界面の形状の差によって、例えば図3に示すように振動
波形に乱れを伴って表示される場合が生じるが、これは
金属ロール2aまでの時間を十分に管理することによっ
て剥離に対する識別を健全部のそれと十分に区別するこ
とができる。
【0036】つまり、該接着ゴム2bと金属ロール2a
との境界面の形状差に影響を受けて生じたパルスが位相
の反転部を形成する場合((+)ピークと(−)ピーク
との差が僅差の場合)には、次の制御を併用する。
【0037】すなわち、位相の正負に加えて図3のT1
時間及びT2時間の読み取り値を図4の健全部のBエコ
ーまでのT時間と比較して、それぞれ次の(1),
(2)のように判断する。
【0038】(1) 図3のT1時間が図4の健全部B
におけるT時間のとき・・・・B2=健全部エコーB1
余震と判断 (2) 図3のT2時間が図4の健全部BにおけるT時
間のとき・・・・B1=剥離部エコーB2の予備振動と判
断 ところで、図2に示す製紙用ゴムライニング金属ロール
2の健全部における音響的構造及び各層の音響的構造の
対比は、材料中を伝搬する超音波パルス固有の音速、材
料の密度によって計算される音響インピーダンスを[表
1]のデータをもとに確定させたものであるが、若干の
材質差によって変化する密度等の値も高速回転下で使用
される同ロール2に関しては図2の状態を常に保ってい
るので、図3に示すB2エコーが上記エコーの判断
(1),(2)以外の判断材料となること、すなわち図
3のT1時間が図4の健全部BにおけるT時間のときに
図3のB2エコーが金属ロール2aよりも手前の空気層
その他剥離部のエコーであるということはあり得ない。
【0039】したがって、以上により、先ず図4のI波
形のピークに(−)側への反転が認められれば耐熱ゴム
2cと接着ゴム2b間の境界面が剥離していることを、
また図4のB波形のピークが(−)側に反転すると、接
着ゴム2bと金属ロール2a間の境界面が剥離している
ことを、それぞれ上記図1のCRT画面中の単純な振動
波形の読み取りによって容易に判定することができる。
【0040】以上の剥離検出を主目的においた制御は、
また同時に上記各材料2c,2b,2a中又はそれらの
間に介在するボイド部の存在を識別する制御を兼ねてい
る。
【0041】(ボイド部の位置(深さ)判定、及びボイ
ド部種別の推定のための制御)ボイド部の存在は、振動
波形上その時間においてどの層に存在するかを素早く判
断し得るものであり、その位相情報によって介在するボ
イド部の種別がおおよそ推定できる。
【0042】すなわち、今例えば図5のa,b部分がボ
イド部であるとすると、それらについて、図5中のT
a,Tb時間の読み取りによって金属ロール2aの表面
からの深さが判断できる。つまり、aは耐熱ゴム2c内
の介在物であり、bは接着ゴム2b内の介在物である。
さらに、それが(+)位相を示すことより、aは耐熱ゴ
ム2cより高密度等の音響構造的に大きな材質、bは接
着ゴム2bよりも高密度等の音響構造的に大きな材質で
あると、各々判断することができる。
【0043】また、図6中のc,d部分がボイド部であ
るとすると、それらについて、図6中のTc,Td時間
の読み取りによって金属ロール2a表面からの深さが判
断できる。つまり、cは耐熱ゴム2c内の介在物であ
り、dは接着ゴム2b内の介在物である。また、それが
(−)位相を示すことにより、cは耐熱ゴム2cよりも
低密度等の音響構造的に小さな材質、dは接着ゴム2b
よりも低密度等の音響構造的に小さな材質であると各々
判断することができる。
【0044】以上のように、本願発明の実施の形態に係
る多層部材の検査方法によると、従来の方法では判別で
きなかった剥離状態やボイド部の有無等をCRT画面上
で、「(+)、(−)の位相情報=(良)、(否)」に
単純化して表示判定することができるようになる。
【0045】また、超音波パルスの適正な音圧強度を得
る広帯域の超音波探触子を組み入れることにより、明確
な波形情報として多重ゴムライニングかつ吸音材質の複
合ゴム材においても、どの層の波形情報であるかを正確
に特定することができる。
【0046】この結果、同検査方法によって得られる検
査結果は、従来の外観検査や打音検査によって得られる
検査結果、およびその他の非破壊試験方法によって得ら
れる検査情報と比較して、次のような優れた特徴を有し
ている。
【0047】(1) 多層構造のゴムライニング金属ロ
ールのどの位置に生じている欠陥(ボイド、剥離)かを
正確に表示判別できる。
【0048】(2) ボイド部の位置および種別を推定
できる。また微少ボイド(1mm程度まで)を検出でき
る。
【0049】(3) 剥離の広がり(分布)を正確に把
握できる(定量化)。
【0050】(4) 剥離の有無を(+)、(−)のエ
コーピークによって単純に表示することができる。
【0051】(5) デジタル方式を用いれば、振動波
形の保存が可能となり、位置(深さ)を数値化できる。
【0052】これらの結果、同検査方法を例えば上述し
た製紙用マシーンのゴムライニング金属ロールのゴムラ
イニング時の品質管理、納品時の受入検査、使用期間途
中の保守検査等に採用すれば、剥離の進展等によって引
き起こされるロールゴムの破壊を未然に防止し、一本の
ロールのみの破壊によってマシン全体の停止に到ること
による時間的、経済的なロスを確実に解消することがで
きる。
【0053】また、同検査方法は、そのような多重構造
ゴム材の寿命評価法を設定する上で不可欠な検査方法と
して採用される条件を十分に備えている。
【0054】(他の実施の形態)なお、もちろん本願発
明は上述のような製紙用マシーンのゴムライニング金属
ロール以外の各種多層部材にも適用できることは言うま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る多層部材の検査方
法を実施する検査装置のシステム構成を示すブロック図
である。
【図2】同検査方法における検査対象としての製紙マシ
ーン用ゴムライニング金属ロールの構成と特徴を示す斜
視図である。
【図3】同検査方法において検査対象であるゴムライニ
ング金属ロールの接着ゴムと金属ロール間の形状差によ
る振動波形の乱れが生じた時のCRT画面上の振動波形
図である。
【図4】同検査方法における検査対象であるゴムライニ
ング金属ロールの適正構造時のCRT画面上の振動波形
図である。
【図5】同検査方法におけるボイド部の位置および種別
判定方法を示す第1例のCRT画面上の振動波形図であ
る。
【図6】同検査方法におけるボイド部の位置および種別
判定方法を示す第2例のCRT画面上の振動波形図であ
る。
【図7】従来の狭帯域超音波パルス検査方法に使用する
検査装置のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1は超音波探触子、2はゴムライニング金属ロール、2
aは金属ロール、2bは接着ゴム、2cは耐熱ゴム、3
は超音波発信部(超音波振動子)、4は超音波パルス発
生回路(超音波振動子駆動回路)、5は超音波パルス発
振周波数制御回路、6は超音波受信部(超音波振動ピッ
クアップ素子)、7は第1の高周波増幅器、8は減衰
器、9は第2の高周波増幅器、10はビデオ増幅器、1
1はCRTである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材質を異にする複数の部材が多層構造に
    接合一体化されてなる多層部材の各層間の接合状態を検
    知する多層部材の検査方法であって、上記多層部材に広
    帯域の超音波パルスを入射させ、各層の境界面からの反
    射パルスの到達時間によって各境界面の位置を特定する
    とともに当該反射パルスの音圧および位相によって各境
    界面の剥離状態を検出するようにしたことを特徴とする
    多層部材の検査方法。
  2. 【請求項2】 材質を異にする複数の部材が多層構造に
    接合一体化されてなる多層部材中のボイド部の存在を検
    知する多層部材の検査方法であって、上記多層部材に広
    帯域の超音波パルスを入射させ、ボイド部からの反射パ
    ルスの音圧強度と到達時間とによってボイド部の存在を
    検出するようにしたことを特徴とする多層部材の検査方
    法。
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