JP2009145229A - 境界面検査方法及び境界面検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波探触子の接触状態の良否を判定することにより、積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐ境界面検査方法及び境界面検査装置を提供する。
【解決手段】母材2の表面から超音波探触子5を介して超音波を入射して、境界面からの超音波多重反射エコーを測定する第1ステップと、次に、該第1ステップで測定された超音波多重反射エコーと、予め測定された、境界面が剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定する第2ステップとを備えているので、超音波探触子5の接触不良に起因する母材2の内周面とコーティング材3との境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
【選択図】図1
【解決手段】母材2の表面から超音波探触子5を介して超音波を入射して、境界面からの超音波多重反射エコーを測定する第1ステップと、次に、該第1ステップで測定された超音波多重反射エコーと、予め測定された、境界面が剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定する第2ステップとを備えているので、超音波探触子5の接触不良に起因する母材2の内周面とコーティング材3との境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、積層材の境界面からの超音波多重反射エコーにより該境界面における剥離及び健全を検査する境界面検査方法及び境界面検査装置に関するものである。
従来では、積層材、例えば、円筒状の母材の内周面にコーティング材を塗布した測定対象品においてコーティング材の塗布状態を検査する際には、母材の表面にグリセリン等の接合材を介して超音波探触子を接触させ、超音波探触子から超音波を入射する。そして、母材とコーティング材との境界面からの超音波多重反射エコーを測定することによって、コーティング材が正常に塗布されているか否か(剥離または健全のいずれか)を判定している。
なお、上述した境界面検査方法と略同様の検査方法として特許文献1には、管本体の内面にライニングを有する配管の外面から超音波を入射し、管本体とライニングとの境界面からの超音波多重反射エコーのピーク値の減衰定数を算出し、この減衰定数によって配管内のライニングの布設状態を推定することが開示されている。
特開2006−276032号公報
しかしながら、上述した従来技術では、超音波探触子が母材の表面に接合材を介して正常に接触していることが前提であり、実際には、超音波探触子の接触不良の状態で超音波多重反射エコーを測定する場合があり、超音波探触子が接触不良であると、音圧レベルが低下し見かけ上の減衰が発生して、正確な超音波多重反射エコーの減衰測定が出来ず、積層材の境界面における剥離及び健全を正確に判定することができない。しかも、超音波探触子が接触不良であると、超音波の入射時の音圧が低下するために、S/N比が低下して測定精度が非常に悪くなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、超音波探触子の接触状態の良否を判定することにより、積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐ境界面検査方法及び境界面検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の境界面検査方法は、一方の部材表面から超音波探触子を介して超音波を入射して、積層材の境界面からの超音波多重反射エコーを測定する第1ステップと、次に、該第1ステップで測定された超音波多重反射エコーと、予め測定された、前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する第2ステップと、を備えていることを特徴としている。
また、本発明の境界面検査装置は、一方の部材表面から超音波を入射する超音波探触子と、該超音波探触子と接続され、超音波を送受信する超音波送受信機と、該超音波送受信機と接続され、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較して、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する信号処理装置と、を備えていることを特徴としている。
これにより、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
なお、本発明の境界面検査方法及び境界面検査装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
また、本発明の境界面検査装置は、一方の部材表面から超音波を入射する超音波探触子と、該超音波探触子と接続され、超音波を送受信する超音波送受信機と、該超音波送受信機と接続され、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較して、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する信号処理装置と、を備えていることを特徴としている。
これにより、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
なお、本発明の境界面検査方法及び境界面検査装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項及び(2)項の各々が、請求項1及び2の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項及び(2)項の各々が、請求項1及び2の各々に相当する。
(1)積層材の境界面からの超音波多重反射エコーにより該境界面における剥離及び健全を検査する境界面検査方法において、一方の部材表面から超音波探触子を介して超音波を入射して、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーを測定する第1ステップと、次に、該第1ステップで測定された超音波多重反射エコーと、予め測定された、前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する第2ステップと、を備えていることを特徴とする境界面検査方法。
従って、(1)項の境界面検査方法では、第2ステップにおいて、第1ステップにて測定された積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子と一方の部材表面との接触状態の良否を判定するので、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
つまり、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの減衰率と、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの減衰率とが略同等であり、且つ、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの音圧レベルが、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの音圧レベルよりも全体的に所定の割合で低下していれば、超音波探触子と一方の部材表面とが接触不良を起こしていると判定される。
一方、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの減衰率と、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの減衰率とが相違すれば、超音波探触子と一方の部材表面とは接触良であると判定される。
従って、(1)項の境界面検査方法では、第2ステップにおいて、第1ステップにて測定された積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子と一方の部材表面との接触状態の良否を判定するので、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
つまり、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの減衰率と、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの減衰率とが略同等であり、且つ、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの音圧レベルが、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの音圧レベルよりも全体的に所定の割合で低下していれば、超音波探触子と一方の部材表面とが接触不良を起こしていると判定される。
一方、第1ステップにて測定された超音波多重反射エコーの減衰率と、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーの減衰率とが相違すれば、超音波探触子と一方の部材表面とは接触良であると判定される。
(2)積層材の境界面からの超音波多重反射エコーにより該境界面における剥離及び健全を検査する境界面検査装置において、一方の部材表面から超音波を入射する超音波探触子と、該超音波探触子と接続され、超音波を送受信する超音波送受信機と、該超音波送受信機と接続され、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較して、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する信号処理装置と、を備えていることを特徴とする境界面検査装置。
従って、(2)項の境界面検査装置では、超音波送受信機から超音波探触子を経由して一方の部材表面に超音波を入射し、信号処理装置において、積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子と一方の部材表面との接触状態の良否を判定することができるので、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
従って、(2)項の境界面検査装置では、超音波送受信機から超音波探触子を経由して一方の部材表面に超音波を入射し、信号処理装置において、積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子と一方の部材表面との接触状態の良否を判定することができるので、超音波探触子の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
本発明によれば、超音波探触子の接触状態の良否を判定することにより、積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐ境界面検査方法及び境界面検査装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図3に基いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る境界面検査装置1は、超音波の入射によって、積層材の境界面における剥離及び健全を検査するもので、特に、本境界面検査装置1は、超音波探触子の接触状態の良否を判定することで、超音波探触子5の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐものである。本発明の実施の形態では、例えば、図1に示すように、円筒状の母材2の内周面にコーティング材3を塗布した積層材に対して、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定すると共に、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されているか否か(剥離または健全のいずれか)を判定するものである。
本発明の実施の形態に係る境界面検査装置1は、超音波の入射によって、積層材の境界面における剥離及び健全を検査するもので、特に、本境界面検査装置1は、超音波探触子の接触状態の良否を判定することで、超音波探触子5の接触不良に起因する積層材の境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐものである。本発明の実施の形態では、例えば、図1に示すように、円筒状の母材2の内周面にコーティング材3を塗布した積層材に対して、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定すると共に、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されているか否か(剥離または健全のいずれか)を判定するものである。
本発明の実施の形態に係る境界面検査装置1は、図1に示すように、母材2の表面にグリセリン等の接合材4を介して接触され、母材2の表面から超音波を入射する超音波探触子5と、該超音波探触子5と接続され、超音波を送受信する超音波送受信機6と、該超音波送受信機6と接続され、母材2とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定すると共に、母材2の内周面とコーティング材3との境界面における剥離及び健全を判定する信号処理装置7とを備えている。
超音波探触子5は、圧電素子からなり、超音波送受信機6からの電気信号を機械振動に、また、母材2の表面からの機械振動を電気信号に変換して超音波送受信機6に伝送するものである。
信号処理装置7は、超音波多重反射エコーの信号のS/N比を向上させ、超音波多重反射エコーの減衰率の算出や音圧レベルの比較等を行い、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定すると共に、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されているか否かを判定するものである。信号処理装置7の作用は後で詳述する。なお、信号処理装置7には、オシロスコープ等の超音波波形を表示する表示装置8が接続されている。
信号処理装置7は、超音波多重反射エコーの信号のS/N比を向上させ、超音波多重反射エコーの減衰率の算出や音圧レベルの比較等を行い、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定すると共に、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されているか否かを判定するものである。信号処理装置7の作用は後で詳述する。なお、信号処理装置7には、オシロスコープ等の超音波波形を表示する表示装置8が接続されている。
ここで、母材2の内周面とコーティング材3との境界面における剥離及び健全を判定する一般的な方法を簡単に説明する。しかしこの判定方法では、超音波探触子5と母材2の表面とが接合材4を介して正常に接触されていることが前提である。
すなわち、超音波送受信機6から超音波探触子5を経由して母材2の表面に超音波が入射されると、超音波は母材2の板厚中を伝播して、母材2とコーティング材3との境界面に達し、該境界面で反射するものと、コーティング材3内に透過するものとがある。境界面で反射した超音波多重反射エコーは、超音波探触子5によって受信される。一方、コーティング材3内に透過したものは、コーティング材3の内周面で反射し、再び母材2の内周面とコーティング材3との境界面を透過して、超音波探触子5によって受信されるが、一般的に、コーティング材3の内周面で反射した超音波多重反射エコーは、明りょうに測定することができない。
すなわち、超音波送受信機6から超音波探触子5を経由して母材2の表面に超音波が入射されると、超音波は母材2の板厚中を伝播して、母材2とコーティング材3との境界面に達し、該境界面で反射するものと、コーティング材3内に透過するものとがある。境界面で反射した超音波多重反射エコーは、超音波探触子5によって受信される。一方、コーティング材3内に透過したものは、コーティング材3の内周面で反射し、再び母材2の内周面とコーティング材3との境界面を透過して、超音波探触子5によって受信されるが、一般的に、コーティング材3の内周面で反射した超音波多重反射エコーは、明りょうに測定することができない。
そして、超音波探触子5に受信され信号処理される超音波多重反射エコーは、主として母材2の内周面から反射されたものであるが、実際には、コーティング材3へも超音波は伝播しているため、母材2の内周面とコーティング材3とが剥離している場合には、母材2の内周面とコーティング材3との境界面で超音波が完全反射するが、母材2とコーティング材3とが剥離していない場合には、超音波は完全反射を起こさない。従って、母材2の内周面とコーティング材3とが剥離している場合には、測定された超音波多重反射エコーのピーク値の減衰率α1(図1の表示装置8参照)が、剥離していない健全である時の減衰率α2(図1の表示装置8参照)よりも小さくなる傾向にある。この性質を利用し信号処理装置7によって超音波多重反射エコーの減衰率を算出することにより、境界面における剥離及び健全を判定している。
次に、本境界面検査装置1を使用した本境界面検査方法を説明する。
予め、母材2の内周面にコーティング材3が塗布されていない状態(剥離に相当する)で超音波多重反射エコーを測定する。
すなわち、内周面にコーティング材3の塗布されていない母材2の表面に超音波探触子5をグリセリン等の接合材4を介して接触させる。続いて、超音波を超音波送受信機6から超音波探触子5を経由して母材2の表面から入射し、信号処理装置7にて母材2の内周面からの超音波多重反射エコーを測定する。この超音波多重反射エコーの波形が図2に示されている。この超音波多重反射エコーの波形を信号処理装置7に入力しておく。なお、ここでは、超音波探触子5と母材2の表面とは接合材4を介して正常に接触されていることが前提である。
予め、母材2の内周面にコーティング材3が塗布されていない状態(剥離に相当する)で超音波多重反射エコーを測定する。
すなわち、内周面にコーティング材3の塗布されていない母材2の表面に超音波探触子5をグリセリン等の接合材4を介して接触させる。続いて、超音波を超音波送受信機6から超音波探触子5を経由して母材2の表面から入射し、信号処理装置7にて母材2の内周面からの超音波多重反射エコーを測定する。この超音波多重反射エコーの波形が図2に示されている。この超音波多重反射エコーの波形を信号処理装置7に入力しておく。なお、ここでは、超音波探触子5と母材2の表面とは接合材4を介して正常に接触されていることが前提である。
続いて、母材2の内周面にコーティング材3が塗布された測定対象品に対して、母材2の表面に超音波探触子5をグリセリン等の接合材4を介して接触させ、超音波を超音波探触子5から母材2の表面に入射する。続いて、信号処理装置7にて、母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーを測定する(第1ステップに相当)。
続いて、図2及び図3を参照しながら、信号処理装置7において、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーの減衰率が算出され、該減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率(図2の減衰率α1)とを比較し、両者の減衰率が略同等であり、且つ 図3(境界面が剥離し超音波探触子5が接触不良を起こしている状態の超音波多重反射エコーの波形)を参照して、測定対象品の超音波多重反射エコーの音圧レベルが、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の音圧レベル(図2参照)よりも全体的に所定の割合で低下していれば、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定される(第2ステップに相当)。
一方、信号処理装置7において、測定対象品の超音波多重反射エコーの減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率とが相違すれば、超音波探触子5の接触状態は良であると判定される(第2ステップに相当)。
一方、信号処理装置7において、測定対象品の超音波多重反射エコーの減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率とが相違すれば、超音波探触子5の接触状態は良であると判定される(第2ステップに相当)。
なお、測定対象品の超音波多重反射エコーの減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率とを比較する際に、両者が同等であるまたは相違していると判定する閾値は、母材2の材質やコーティング材3の材質等によって適宜決定される。
また、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定される、全体的な音圧レベルの低下の割合も、母材2の材質やコーティング材3の材質等によって適宜決定される。
また、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定される、全体的な音圧レベルの低下の割合も、母材2の材質やコーティング材3の材質等によって適宜決定される。
次に、母材2の内周面にコーティング材3が塗布された測定対象品に対して、本境界面検査方法を適用した境界面における剥離及び健全の検査方法を説明する。
母材2の内周面にコーティング材3が塗布された測定対象品に対して、母材2の表面に超音波探触子5をグリセリン等の接合材4を介して接触させ、超音波を超音波探触子5から母材2の表面に入射する。続いて、信号処理装置7にて、母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーを測定する。
母材2の内周面にコーティング材3が塗布された測定対象品に対して、母材2の表面に超音波探触子5をグリセリン等の接合材4を介して接触させ、超音波を超音波探触子5から母材2の表面に入射する。続いて、信号処理装置7にて、母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーを測定する。
続いて、図2及び図3を参照しながら、信号処理装置7において、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーの減衰率が算出され、該減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率(図2の減衰率α1)とを比較し、両者の減衰率が略同等であれば、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしているか、あるいは、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3とが剥離していると判定される。
続いて、上述したように、図3を参照して、測定対象品の超音波多重反射エコーの音圧レベルが、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の音圧レベル(図2参照)よりも全体的に所定の割合で低下していれば、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定される。
一方、測定対象品の超音波多重反射エコーの音圧レベルと、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の音圧レベルとが全体的に略同等であれば、超音波探触子5と母材2の表面とは接触不良を起こしておらず、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3とが剥離していると判定される。
続いて、上述したように、図3を参照して、測定対象品の超音波多重反射エコーの音圧レベルが、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の音圧レベル(図2参照)よりも全体的に所定の割合で低下していれば、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定される。
一方、測定対象品の超音波多重反射エコーの音圧レベルと、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の音圧レベルとが全体的に略同等であれば、超音波探触子5と母材2の表面とは接触不良を起こしておらず、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3とが剥離していると判定される。
ここで、超音波探触子5と母材2の表面とが接触不良を起こしていると判定された場合には、測定対象品の検査が一時中断されて、超音波探触子5と母材2の表面との接触不良を是正して、測定対象品の検査が再開される。
また、信号処理装置7において、測定対象品の超音波多重反射エコーの減衰率と、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率とが相違して、測定対象品の超音波多重反射エコーの減衰率が、予め入力された超音波多重反射エコー(剥離相当:コーティング材3の塗布無し)の減衰率よりも大きければ、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されている(健全である)と判定される。
以上説明したように、本発明の実施の形態では、測定対象品の母材2の内周面とコーティング材3との境界面からの超音波多重反射エコーと、予め測定された剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、まず、超音波探触子5と母材2の表面との接触状態の良否を判定し、続いて、母材2の内周面にコーティング材3が正常に塗布されているか否か(剥離または健全のいずれか)を判定するので、超音波探触子5と母材2の表面との接触不良に起因する母材2の内周面とコーティング材3との境界面における剥離及び健全の誤判定を防ぐことができる。
なお、本発明の実施の形態では、円筒状の母材2の内周面にコーティング材3が塗布された測定対象品に対して本境界面検査方法及び本境界面検査装置が適用されているが、当然ながら、板状の母材の他側面にコーティング材3が塗布された測定対象品であって、母材の一側面から超音波を入射することにより、母材の他側面とコーティング材3との剥離及び健全を検査する際にも、本境界面検査方法及び本境界面検査装置を適用することができる。
1 境界面検査装置,2 母材(積層材),3 コーティング材(積層材),4 接合材,5 超音波探触子,6 超音波送受信機,7 信号処理装置,8 表示装置
Claims (2)
- 積層材の境界面からの超音波多重反射エコーにより該境界面における剥離及び健全を検査する境界面検査方法において、
一方の部材表面から超音波探触子を介して超音波を入射して、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーを測定する第1ステップと、
次に、該第1ステップで測定された超音波多重反射エコーと、予め測定された、前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較することにより、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する第2ステップと、
を備えていることを特徴とする境界面検査方法。 - 積層材の境界面からの超音波多重反射エコーにより該境界面における剥離及び健全を検査する境界面検査装置において、
一方の部材表面から超音波を入射する超音波探触子と、
該超音波探触子と接続され、超音波を送受信する超音波送受信機と、
該超音波送受信機と接続され、前記積層材の境界面からの超音波多重反射エコーと、予め入力された前記剥離に相当する超音波多重反射エコーとを比較して、前記超音波探触子と前記一方の部材表面との接触状態の良否を判定する信号処理装置と、
を備えていることを特徴とする境界面検査装置。
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2007
- 2007-12-14 JP JP2007323514A patent/JP2009145229A/ja active Pending
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