JP2001021532A - 炭化水素センサ - Google Patents

炭化水素センサ

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JP2001021532A
JP2001021532A JP11190020A JP19002099A JP2001021532A JP 2001021532 A JP2001021532 A JP 2001021532A JP 11190020 A JP11190020 A JP 11190020A JP 19002099 A JP19002099 A JP 19002099A JP 2001021532 A JP2001021532 A JP 2001021532A
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hydrocarbon sensor
electrolyte substrate
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Masato Shoji
理人 東海林
Takashi Tamai
孝 玉井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子歩留まりおよび振動に対する耐久性が良
好な炭化水素センサを提供することを目的とする。 【解決手段】 プロトン伝導性酸化物よりなる細長形状
の固体電解質基板1と、前記固体電解質基板1の表裏面
に形成した一対の薄膜状の電極としてのカソード2とア
ノード3と、前記アノード3の表面上にガス導入口6を
設けた細長形状のセラミックス基板4と、カソード2の
表面上にヒーター8を設けた細長形状のセラミックスか
らなるヒーター基板7とを備え、前記固体電解質基板1
を前記セラミックス基板4と前記ヒーター基板7の間に
位置するように接合し一体化することによって得られる
ガス検出部のガス導入口6を含まない一部分をセンサ支
持台の内部に挿入固定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば自動車排ガス
中の炭化水素ガスを検出する炭化水素センサに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロトン伝導性酸化物固体電解質
を用いた炭化水素センサが提案されている(特開平9−
127055号公報)。
【0003】この炭化水素センサの検出素子部分の概略
構造を図7に示す。51はプロトン伝導性酸化物からな
る固体電解質基板でその表面にはカソード52およびア
ノード53が厚膜印刷プロセスにより形成されている。
固体電解質基板51にはセラミックス基板54が無機系
の材料からなる接着剤(以下、無機系接着剤と略す)5
8により接着固定されている。ここでは、無機系接着剤
58としてガラスペーストを用いている。セラミックス
基板54の表面にはヒーター59が厚膜印刷プロセスに
より形成されている。無機系接着剤58からなる接着層
の一部には炭化水素ガス(以下HCと表す)が導入され
る拡散律速孔61(図7中、点線で表した部分)が設け
られている。
【0004】このようにして形成された検出素子部62
は、図8の炭化水素センサの分解構造図に示すように、
セラミックス製円柱63の一部に設けた平坦部64上に
無機系接着剤で接着固定される。カソード52、アノー
ド53およびヒーター59には、それぞれ直径0.15
mmの白金製取出し線(図示せず)が導電性ペーストで接
続されている。取出し線はリード線65を介して外部回
路(図示せず)と接続されている。セラミックス製円柱
63は金属製のケース66に挿入され、金属製のフタ6
7で固定される。
【0005】次にこの炭化水素センサの動作について説
明する。図7に示すようにカソード52およびアノード
53には定電圧が印加されている。また、回路中に出力
検出用の電流計が設けられている。固体電解質基板51
を活性化させるためにヒーター59で加熱している。こ
の状態でHCが金属製のケース66に設けた通気孔68
および拡散律速孔61を通ってアノード53に達する
と、HCが分解し、固体電解質基板51中をプロトンが
伝導する。これにより回路に電流Iが流れる。この電流
Iの大きさはプロトンの量、すなわちHCの濃度に比例
して大きくなる。従って、電流計の出力からHCの濃度
を検知することができる。
【0006】このような構成の炭化水素センサはHC濃
度に対しリニアな出力が得られるだけでなく、HCが低
濃度時に酸素が共存してもその影響を受けない。すなわ
ち、ガス選択性の良い炭化水素センサを得ることができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような炭
化水素センサを自動車排ガス中のHC濃度検出用に応用
したところ、検出素子によっては出力が非常に小さくな
るものがあり、素子歩留まりが低下することが明らかに
なつた。この原因を検討するために検出素子部を分解し
たところ、出力の小さい素子は拡散律速孔61が無機系
接着剤58によってふさがれており、HCがアノード5
3に至らないことがわかった。これは、固体電解質基板
51とセラミックス基板54を無機系接着剤58で接合
する際に安定して接合することができず、無機系接着剤
58が拡散律速孔61をふさいでしまうものがあるため
である。
【0008】また、従来の炭化水素センサを自動車排ガ
ス中に設置した場合、エンジンの振動が炭化水素センサ
に伝わり、出力変動が大きくなり、やがて白金製取出し
線が取れたり切れたりして出力が出なくなるという課題
があった。これは、取出し線を接続している導電性ペー
ストの接着力が弱いため、また、取出し線が細いためで
ある。
【0009】本発明はこの課題を解決するものであり、
素子歩留まりおよび振動に対する耐久性が良好な炭化水
素センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の炭化水素センサは、プロトン伝導性酸化物よ
りなる細長形状の固体電解質基板と、前記固体電解質基
板の表裏面に形成した一対の薄膜状の電極と、前記電極
の一方の表面上にガス導入口を設けた細長形状のセラミ
ックス基板と、他方の電極の表面上にヒーターを設けた
細長形状のセラミックスからなるヒーター基板とを備
え、前記固体電解質基板を前記セラミックス基板と前記
ヒーター基板の間に位置するように接合し一体化するこ
とによって得られるガス検出部のガス導入口を含まない
一部分をセンサ支持台の内部に挿入固定したことを特徴
とするものである。
【0011】この構成により、素子歩留まり、および、
振動に対する耐久性が良好な炭化水素センサが得られ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、プロトン伝導性酸化物よりなる細長形状の固体電解
質基板と、前記固体電解質基板の表裏面に形成した一対
の薄膜状の電極と、前記電極の一方の表面上にガス導入
口を設けた細長形状のセラミックス基板と、他方の電極
の表面上にヒーターを設けた細長形状のセラミックスか
らなるヒーター基板とを備え、前記固体電解質基板を前
記セラミックス基板と前記ヒーター基板の間に位置する
ように接合し一体化することによって得られるガス検出
部のガス導入口を含まない一部分をセンサ支持台の内部
に挿入固定した構成であるため、あらかじめ前記ガス導
入口が設けられていることからガス検出部の組み立て時
に無機系接着剤がガス導入口をふさぐことがなくなり、
ガス検出部の歩留まりが向上し、また、薄膜状の電極で
配線することから取出し線の断線や剥離が全く無くなり
振動に対する信頼性が向上するという作用を有する。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において固体電解質基板はガス導入口の幅より長
く、かつ、セラミックス基板の長さより短い大きさを有
し、セラミックス基板とヒーター基板の間に前記固体電
解質基板およびスペーサーを配するように接合した構成
のため、固体電解質基板の使用量が少なくなり低コスト
で炭化水素センサが実現できるという作用を有する。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明においてセンサ支持台とガス検出部が無機系接着
剤にて固定されるため、排ガス中などの高温でも使用で
きる炭化水素センサを実現できるという作用を有する。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明においてガス導入口がセラミックス基板の一部に
窪みを設けることによって構成されるため、簡単に、か
つ、確実にガス導入口を形成できるという作用を有す
る。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において固体電解質基板の取出し電極およびヒー
ターの取出し電極は厚膜ペーストによって形成され、前
記各々の電極に接続される端子の一部分が前記固体電解
質基板、セラミックス基板またはヒーター基板の一部に
貫入され、厚膜ペーストで結合する構成であるため、エ
ンジン振動による白金製取出し線の外れや切断がなくな
り、振動に対する耐久性が向上するという作用を有す
る。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において端子が耐熱性ステンレス鋼からなり、銅
を主成分とするリード線と接続される構成であるため、
固体電解質基板と端子の熱膨張係数差が小さくなり、固
体電解質基板へのストレスが少なくなることで良好な耐
熱性が得られ、かつ、銅系の低インピーダンスのリード
線を使用することでノイズの少ない出力が得られるとい
う作用を有する。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において固体電解質基板の取出し電極につながる
2本のリード線が同軸ケーブルと接続した構成であるた
め、出力信号を低ノイズで外部回路に伝達することがで
きるという作用を有する。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項6または
7に記載の発明において端子とリード線およびリード線
と同軸ケーブルがレーザー溶接にて電気的に接続した構
成であるため、耐熱ステンレス鋼と銅のような異種金属
を完全に接続でき、確実に出力信号を外部回路に伝達し
たり、低損失でヒーターに電力を伝達することができる
という作用を有する。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において固体電解質基板の露出部が無機
系の材料からなるコーティング材にて覆われる構成であ
るため、固体電解質基板が排ガス中の有害成分に腐食さ
れることなく、高信頼の炭化水素センサが得られるとい
う作用を有する。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明においてコーティング材が固体電解質基板と略
同等の熱膨張係数を有するものであるため、前記コーテ
ィング材と前記固体電解質基板の熱膨張係数差によるコ
ーティング材の剥離や脱落が防止でき、ガス検出部の歩
留まりおよび信頼性が向上するという作用を有する。
【0022】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。
【0023】(実施の形態1)図1は本発明の炭化水素
センサの実施の形態1のガス検出部の分解斜視図であ
る。図2はガス検出部の組立斜視図である。図3はガス
検出部を固定したセンサ支持台の斜視図である。図4は
センサ支持台を保持する金属製のケースの分解斜視図で
ある。
【0024】1はプロトン伝導性酸化物としてバリウ
ム、セリウム、ガドリニウムの酸化物からなる幅5mm、
長さ20mm、厚さ0.5mmの固体電解質基板であり、そ
の表面に接触するようにカソード2およびアノード3か
らなる一対の電極が厚膜印刷された後、焼成により形成
されている。カソード2の形成にはアルミ系ペースト、
アノード3の形成には白金系ペーストを用いている。図
1に示すように、カソード2およびアノード3の取出し
電極部分は、それぞれの厚膜ペーストで一体形成されて
いる。これらの取出し電極には厚さ0.2mmの耐熱性ス
テンレス鋼(例えばJIS規格のSUS430)をコの
字状に曲げて形成した端子11が固体電解質基板1に差
し込まれている。
【0025】ここで、SUS430の熱膨張係数は約1
2×10-6/℃であり、固体電解質基板1の熱膨張係数
(約10×10-6/℃)と略等しいため、高温時の固体
電解質基板1への熱ストレスが少なくなり耐熱性が良好
となる。差し込み部分には付着力の強い厚膜電極ペース
ト(例えば田中貴金属製金ペースト、品番TR120
6)を塗布し、焼成することにより端子11と固体電解
質基板1を電気的、機械的に接続している。また、端子
11には銅系のリード線12がレーザー溶接(図1中、
×印を付けた部分)により電気的に接続されている。
【0026】固体電解質基板1のアノード3側には幅5
mm、長さ15mm、厚さ0.5mmの部分安定化ジルコニア
製のセラミックス基板4が無機系接着剤5によって接合
されている。ここで、図1に示すようにセラミックス基
板4の先端側には幅2mm、深さ0.2mmの窪みを設ける
ことにより炭化水素ガス導入口6が形成されている。ま
た、無機系接着剤5としては従来ガラスペーストを用い
ていたが、接合時にガラスが流れ、ガス導入口6をふさ
ぐ可能性があるため、シリカ系やアルミナ系などの高粘
度の接着剤を用いている。接合は371℃で2時間加熱
し硬化させる条件で行う。
【0027】固体電解質基板1のカソード2側には幅5
mm、長さ15mm、厚さ0.5mmの部分安定化ジルコニア
製のヒーター基板7が無機系接着剤(図示せず)によっ
て接合されている。ヒーター基板7の固体電解質基板1
と接合する面と反対側の面上には白金ペースト(例えば
田中貴金属製の品番TR709)を印刷し、1100℃
で焼成することによりヒーター8が形成される。また、
図1に示すようにヒーター8の取出し電極部分は耐熱ス
テンレス鋼(JIS規格のSUS430)からなる厚さ
0.2mmのヒーター用端子13が差し込める形状の溝9
が設けられている。溝9にヒーター用端子13を差し込
んだ後、隙間を金ペーストで埋め、焼成することによっ
てヒーター基板7とヒーター用端子13を電気的、機械
的に接続している。ヒーター用端子13には銅系のリー
ド線12がレーザー溶接(図1中、×印を付けた部分)
により電気的に接続されている。
【0028】ヒーター基板7のヒーター8上には、ヒー
ター基板7と同じ寸法の部分安定化ジルコニアからなる
補助基板10が無機系接着剤(図示せず)で接合されて
いる。
【0029】以上のようにして完成したガス検出部14
の組立斜視図を図2に示す。ガス検出部14は図3に示
すようにガス導入口を含まない一部分をセンサ支持台1
5に挿入し、両者の隙間に無機系接着剤5を充填するこ
とによって固定している。センサ支持台15は図3のよ
うな形状を施さねばならないため、快削性を有する耐熱
材料(例えば、シリカ系ガラス質のセラミックス(マコ
ール(コーニング社の商品名)など))が望ましい。
【0030】ガス検出部14の固体電解質基板1を含む
露出部にはコーティング材が被覆してある。コーティン
グ部分は固体電解質基板1の露出部分のみでよいが、固
体電解質基板1に限ってコーティングするのは作業性が
悪いため、本実施の形態では固体電解質基板1を含む露
出部全体にコーティングを行った。コーティング材とし
ては剥離や脱落を防止するため固体電解質基板1と略同
等の熱膨張係数を有する耐熱材料が望ましく、本実施の
形態では前記無機系接着剤を塗布した後、硬化してい
る。ここで、無機系接着剤の熱膨張係数は10.8×1
-6/℃であり、固体電解質基板1の熱膨張係数(約1
0×10-6/℃)と略同等であった。
【0031】固体電解質基板1のカソード2、アノード
3につながる2本のリード線には同軸ケーブル16が接
続してある。両者は互いによじった後、その部分(図3
中、×印)に耐熱性が良好で確実に電気的接続が可能な
レーザー溶接を施すことにより接続されている。レーザ
ー溶接部分にはショートしないように高耐熱性(例えば
テフロン製)の熱収縮チューブ(図示せず)で被覆され
ている。また、ヒーター8につながる2本のリード線に
も高耐熱性(例えばテフロン製)の被覆17が設けられ
ている。
【0032】図4に示すように、センサ支持台15は金
属製のケース18に収納され、金属製のフタ19により
固定される。また、金属製のケース18にはガス検出部
14と対応する位置に、排ガスを通すための通気孔20
が開けられている。また、金属製のケース18および金
属製のフタ19は、いずれも自動車の排ガス中で使用す
ることを考慮して耐熱性ステンレス鋼(例えばJIS規
格のSUS430)で作製されている。
【0033】上記構成の炭化水素センサを実際に自動車
排ガス中で試験検討した。その結果、センサ出力が小さ
いものは皆無となり、素子歩留まりが著しく改善され
た。これは、ガス導入口6をセラミックス基板4の窪み
で形成し、さらに硬化時に流動性がない無機系接着剤5
で固体電解質基板1とセラミックス基板4を接合するこ
とによって、ふさがれることなく確実にガス導入口6が
形成されたためと考える。
【0034】また、エンジン振動によりセンサ出力が出
なくなるものも皆無であった。これは、従来例で用いて
いた細く切れやすい白金製取出し線を全く使用しない構
造としたためである。また、センサ出力信号を銅系のリ
ード線および同軸ケーブルを使用して検知しているた
め、エンジンに由来するノイズが低減されるという効果
も得られた。
【0035】(実施の形態2)図5は本発明の炭化水素
センサの実施の形態2のガス検出部の分解斜視図であ
る。図6はガス検出部のリード線取出し側から見た正面
図である。
【0036】21はプロトン伝導性酸化物としてバリウ
ム、セリウム、ガドリニウムの酸化物からなる幅5mm、
長さ5mm、厚さ0.5mmの固体電解質基板であり、その
表面に接触するようにカソード22およびアノード23
からなる一対の電極が厚膜印刷された後、焼成により形
成されている。カソード22の形成にはアルミ系ペース
ト、アノード23の形成には白金系ペーストを用いてい
る。
【0037】固体電解質基板21のアノード23側には
幅5mm、長さ15mm、厚さ0.5mmの部分安定化ジルコ
ニア製のセラミックス基板24が実施の形態1で述べた
ものと同じ無機系接着剤25によって接合されている。
ここで、図5に示すようにセラミックス基板24の固体
電解質基板21が接合される側には幅2mm、深さ0.2
mmの窪みを設けることによりガス導入口26が形成され
ている。また、ガス導入口26と反対側には図5に示す
ような半径0.3mmの半円形状のアノード用窪み27が
設けられている。
【0038】ここで、固体電解質基板21の長さはガス
導入口26の幅2mmより長くセラミックス基板24の長
さ15mmより短い5mmとしているが、これは、固体電解
質基板21がガス導入口26をカバーし、かつ、セラミ
ックス基板24と接合する部分を有する大きさであれば
よい。
【0039】アノード用窪み27には、一端が前記窪み
の一部にオーバーラップするようにアノード用導電ペー
スト28(例えば田中貴金属製金ペースト、品番TR1
206)が厚膜印刷により形成されている。アノード用
導電ペースト28の他端は、図5中に点線で示したよう
にセラミックス基板24と固体電解質基板21を接合し
た際にアノード23の一部とオーバーラップし電気的に
接続が得られるように形成されている。また、アノード
用窪み27には直径0.3mmの銅系のリード線29が埋
め込まれている。なお、アノード用窪み27とリード線
29の隙間には付着力の強い厚膜導電ペースト(例えば
田中貴金属製金ペースト、品番TR1206)を充填
し、焼成することによりアノード用導電ペースト28と
リード線29を電気的に接続すると同時に、セラミック
ス基板24とリード線29を機械的に接続している。
【0040】固体電解質基板21とセラミックス基板2
4は面積が異なるため、両者の面積差に相当する大き
さ、すなわち、幅5mm、長さ10mm、厚さ0.5mmの部
分安定化ジルコニア製のスペーサー30が無機系接着剤
25によりセラミックス基板24に接合してある。
【0041】固体電解質基板21のカソード22側およ
びスペーサー30には幅5mm、長さ15mm、厚さ0.5
mmの部分安定化ジルコニア製のヒーター基板31が無機
系接着剤25によって接合されている。ヒーター基板3
1の固体電解質基板21と接合する面と反対側の面上に
は白金ペースト(例えば田中貴金属製の品番TR70
9)を印刷し、1100℃で焼成することによりヒータ
ー32が形成される。
【0042】ヒーター32の取出し電極部分は、図5に
示すようにアノード用窪み27と同形状のヒーター用窪
み33と一部オーバーラップするように厚膜印刷により
形成されている。アノード用窪み27と同様にヒーター
用窪み33には銅系のリード線29が、両者の隙間を厚
膜導電ペーストで充填することにより埋め込まれてい
る。
【0043】ヒーター用窪み33の裏側には、アノード
用窪み27と同形状のカソード用窪み34が設けられて
いる。カソード用窪み34にはアノード用導電ペースト
28と同様のカソード用導電ペースト35が形成されて
いる。これにより、固体電解質基板21とヒーター基板
31を接合することによって、カソード22とカソード
用導電ペースト35が電気的に接続される。また、アノ
ード用窪み27と同様に、カソード用窪み34には銅系
のリード線29が両者の隙間を厚膜導電ペーストで充填
することにより埋め込まれている。
【0044】ヒーター基板31のヒーター32上には、
ヒーター基板31と同じ寸法の部分安定化ジルコニアか
らなる補助基板36が無機系接着剤(図示せず)で接合
されている。
【0045】以上のようにして組み立てた後のガス検出
部を図5の矢印方向から見た正面図を図6に示す。カソ
ード、アノード、ヒーターに至る4本のリード線29は
図6に示すように互いに干渉しない位置に配置される。
ガス検出部は実施の形態1で述べたのと同様にセンサ支
持台に固定され、金属製のケースに収納される。この
際、ガス検出部のセンサ支持台からの露出部にはコーテ
ィング材が被覆され、また、固体電解質基板のカソー
ド、アノードにつながる2本のリード線には同軸ケーブ
ルがレーザー溶接で接続してあるのも同様である。
【0046】上記構成の炭化水素センサを実際に自動車
排ガス中で試験検討した。その結果、実施の形態1で述
べたのと同様に素子歩留まりが著しく改善され、エンジ
ン振動に対する耐久性も向上した。これは、ガス導入口
26がふさがらず、かつ、白金線を使用しない構造とし
たためである。
【0047】また、本実施の形態2では、実施の形態1
に比べ固体電解質基板21を使用する量が1/4でよい
ため、固体電解質基板21のコストを大幅に低減するこ
とができるという特長を有する。
【0048】なお、本実施の形態2で述べた具体的な材
料名や商標、品番は、いずれも炭化水素センサを構成す
る上での一例であり、これらの材料に何ら限定されるも
のではない。
【0049】以上により、歩留まりおよび振動に対する
耐久性が良好な炭化水素センサを実現することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、プロトン伝導性
酸化物よりなる細長形状の固体電解質基板と、前記固体
電解質基板の表裏面に形成した一対の薄膜状の電極と、
前記電極の一方の表面上に炭化水素ガス導入口を設けた
細長形状のセラミックス基板と、他方の電極の表面上に
ヒーターを設けた細長形状のセラミックスからなるヒー
ター基板とを備え、前記固体電解質基板を前記セラミッ
クス基板と前記ヒーター基板の間に位置するように接合
し一体化することによって得られるガス検出部の炭化水
素ガス導入口を含まない一部分をセンサ支持台の内部に
挿入固定した構成であるため、歩留まりが良好で振動に
対する耐久性が良好な炭化水素センサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化水素センサの実施の形態1のガス
検出部の分解斜視図
【図2】実施の形態1におけるガス検出部の組立斜視図
【図3】実施の形態1におけるセンサ支持台の斜視図
【図4】実施の形態1における金属製のケースの分解斜
視図
【図5】本発明の炭化水素センサの実施の形態2のガス
検出部の分解斜視図
【図6】実施の形態2におけるガス検出部のリード線取
出し側から見た正面図
【図7】従来の炭化水素センサの検出素子部の概略断面
【図8】従来の炭化水素センサの分解構造図
【符号の説明】
1,21 固体電解質基板 2,22 カソード 3,23 アノード 4,24 セラミックス基板 5,25 無機系接着剤 6,26 ガス導入口 7,31 ヒーター基板 8,32 ヒーター 9 溝 10,36 補助基板 11 端子 12,29 リード線 13 ヒーター用端子 14 ガス検出部 15 センサ支持台 16 同軸ケーブル 17 被覆 18 金属製のケース 19 金属製のフタ 20 通気孔 27 アノード用窪み 28 アノード用導電ペースト 30 スペーサー 33 ヒーター用窪み 34 カソード用窪み 35 カソード用導電ペースト

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトン伝導性酸化物よりなる細長形状
    の固体電解質基板と、前記固体電解質基板の表裏面に形
    成した一対の薄膜状の電極と、前記電極の一方の表面上
    にガス導入口を設けた細長形状のセラミックス基板と、
    他方の電極の表面上にヒーターを設けた細長形状のセラ
    ミックスからなるヒーター基板とを備え、前記固体電解
    質基板を前記セラミックス基板と前記ヒーター基板の間
    に位置するように接合し一体化することによって得られ
    るガス検出部のガス導入口を含まない一部分をセンサ支
    持台の内部に挿入固定した炭化水素センサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質基板はガス導入口の幅より長
    く、かつ、セラミックス基板の長さより短い大きさを有
    し、セラミックス基板とヒーター基板の間に前記固体電
    解質基板およびスペーサーを配置するように接合した請
    求項1に記載の炭化水素センサ。
  3. 【請求項3】 センサ支持台とガス検出部が無機系接着
    剤にて固定された請求項1に記載の炭化水素センサ。
  4. 【請求項4】 ガス導入口がセラミックス基板の一部に
    窪みを設けることによって構成された請求項1に記載の
    炭化水素センサ。
  5. 【請求項5】 固体電解質基板の取出し電極およびヒー
    ターの取出し電極は厚膜ペーストによって形成され、前
    記各々の電極に接続される端子の一部分が前記固体電解
    質基板、セラミックス基板またはヒーター基板の一部に
    貫入され、厚膜ペーストで結合するように構成した請求
    項1に記載の炭化水素センサ。
  6. 【請求項6】 端子は耐熱性ステンレス鋼からなり、銅
    を主成分とするリード線と接続した請求項5に記載の炭
    化水素センサ。
  7. 【請求項7】 固体電解質基板の取出し電極につながる
    2本のリード線が同軸ケーブルと接続した請求項6に記
    載の炭化水素センサ。
  8. 【請求項8】 端子とリード線およびリード線と同軸ケ
    ーブルがレーザー溶接にて電気的に接続された請求項6
    または7に記載の炭化水素センサ。
  9. 【請求項9】 固体電解質基板の露出部が無機系の材料
    からなるコーティング材にて覆われた請求項1または2
    に記載の炭化水素センサ。
  10. 【請求項10】 コーティング材が固体電解質基板と略
    同等の熱膨張係数を有する請求項9に記載の炭化水素セ
    ンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010085405A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Rosemount Aerospace Inc ガス・タービン・エンジン用の翼先端間隙測定センサおよび間隙測定方法
JP2014153103A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Riken Keiki Co Ltd 定電位電解式ガスセンサおよびその保管方法並びに定電位電解式ガスセンサの保管用治具

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