JP2001021467A - 集束イオンビームを用いた試料加工方法、及び集束イオンビーム加工装置 - Google Patents

集束イオンビームを用いた試料加工方法、及び集束イオンビーム加工装置

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JP2001021467A
JP2001021467A JP11193878A JP19387899A JP2001021467A JP 2001021467 A JP2001021467 A JP 2001021467A JP 11193878 A JP11193878 A JP 11193878A JP 19387899 A JP19387899 A JP 19387899A JP 2001021467 A JP2001021467 A JP 2001021467A
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ion beam
focused ion
specific portion
probe
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JP11193878A
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English (en)
Inventor
Katsumi Muto
勝美 武藤
Katsuji Ito
勝治 伊藤
Yoshinori Numao
義紀 沼尾
Hiroshi Iwamoto
寛 岩本
Satoshi Tomimatsu
聡 富松
Kaoru Umemura
馨 梅村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、リデポ現象の防止,衝撃に対して更
に安定した強い固定,チャージアップ防止、そして試料
をTEMホルダに対し、垂直に固定することによる方位
合わせの容易性を実現することを目的とする。 【解決手段】1.TEMホルダへ直接深穴を加工し、摘
出した試料を本深穴に挿入した後、各種デポジション膜
で固定する。2.試料を摘出部のみ持ち上げて分析目的
部のみ突出させる形状とし、各種デポジション膜でバル
ク試料面と固定させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料や各種デ
バイス等の試料を集束イオンビームで加工する方法、及
び装置に係り、特に透過型電子顕微鏡用試料のような薄
膜加工を必要とする試料を作成するのに好適な集束イオ
ンビームを用いた試料加工方法、及び集束イオンビーム
加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来では得られなかった特定部の構造観
察がFIBにより容易に可能になったため、更にその部
分でのX線を利用した元素分析も盛んに行われ、微小構
造解析の突破口技術としてFIBは脚光を浴びている。
【0003】しかしX線を利用した元素分析において
は、従来のイオンシニングによる試料加工法と比較した
場合、分析精度の上で問題が残されていた。
【0004】つまり従来のFIB法で作製した薄膜試料
は、図2の様に構造解析目的部は薄片化されており問題
ないが、薄片化されていない部分で約50μmの厚さが
あり、薄膜部で励起されたX線が薄片化されていない部
分にもぶっかり、更にX線を励起してしまう。これによ
り本来の解析部にはない物質が重畳されたピークとして
検出されるため、分析精度を落とす要因とされていた。
【0005】本現象を軽減するには、従来のイオンシニ
ングによる試料加工法で作製された試料(図3参照)の
様に薄片化されていない部分も、薄くなっていれば薄膜
部からのX線が他の部分にぶっかることがなく、分析の
精度を向上させることができる。
【0006】しかし、薄片化されない部分を薄膜にする
には、従来の技術同様、FIB加工前処理として機械加
工により実施する必要がある。現在の50μm以下の厚
さにすると応力に対し弱い試料等は機械加工の応力によ
り歪みが入る。これにより構造,欠陥解析をする上でこ
の歪みが本来よりある物か、あるいは応力により発生し
た物かを判断する必要があり、解析を大変難しくしてい
た。
【0007】これはFIB加工の有用性を充分に生かし
きれない大きな問題である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決し、様々な試料において好適に薄膜化を実
現できる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するために以下のような構成を有することを特
徴とする。
【0010】第1に、集束イオンビームを用いた試料加
工方法において、試料の特定部分を集束イオンビームを
用いて切り出すステップと、前記切り出した特定部分を
前記試料の他の部分より持ち上げるステップと、前記特
定部分を持ち上げた状態で、当該特定部分と前記試料の
他の部分とを固定するステップを備えたことを特徴とす
る集束イオンビームを用いた試料加工方法を提供する。
【0011】第2に、集束イオンビームを用いた試料加
工方法において、試料の特定部分を集束イオンビームを
用いて切り出すステップと、前記切り出した特定部分
を、当該特定部分を挿入可能な凹部まで搬送するステッ
プと、当該凹部より前記特定部分を突出させた状態で、
前記凹部の一部に前記特定部分を固定するステップを備
えたことを特徴とする集束イオンビームを用いた試料加
工方法を提供する。
【0012】第3に、集束イオンビームを照射するため
の集束イオンビーム光学系と、試料から発生した二次荷
電粒子を検出する検出器と、当該検出器で得られた二次
荷電粒子に基づいて試料像を形成する表示装置を備えた
集束イオンビーム加工装置において、先端に試料を支持
するプローブと、当該プローブを駆動する駆動手段と、
デポジション用のガスを供力するガス源と、前記表示装
置上で前記集束イオンビームによる加工領域を設定する
手段とを備え、当該設定手段による領域設定に基づい
て、前記イオンビーム光学系による試料の特定部分の切
り出しを行い、切り出した特定部分を前記プローブを用
いて前記試料の他の部分より持ち上げ、前記特定部分を
持ち上げた状態で、当該特定部分と前記試料の他の部分
を接続するように、前記イオンビームを照射し前記ガス
を放出するように制御する制御手段を備えたことを特徴
とする集束イオンビーム加工装置を提供する。
【0013】第4に、集束イオンビームを照射するため
の集束イオンビーム光学系と、試料から発生した二次荷
電粒子を検出する検出器と、当該検出器で得られた二次
荷電粒子に基づいて試料像を形成する表示装置を備えた
集束イオンビーム加工装置において、先端に試料を支持
するプローブと、当該プローブを駆動する駆動手段と、
デポジション用のガスを供力するガス源と、前記表示装
置上で前記集束イオンビームによる加工領域を設定する
手段とを備え、当該設定手段による領域設定に基づい
て、前記イオンビーム光学系による試料の特定部分の切
り出しを行い、切り出した特定部分を前記プローブを用
いて、前記特定部分を挿入可能な凹部まで搬送し、当該
凹部より前記特定部分を突出させた状態で、前記凹部の
一部に前記特定部分を接続するように、前記イオンビー
ムを照射し前記ガスを放出するように制御する制御手段
を備えたことを特徴とする集束イオンビーム加工装置を
提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の前提となる技術は、FI
B加工前の前処理を一切機械加工を使わずに、前処理も
FIBで行う技術、つまり応力レスでサンプリングでき
る技法である。
【0015】具体的には、ある特定個所をFIBにて任
意の形に切り出した後、マイクロプローブを使用して試
料より摘出し、例えば、透過電子顕微鏡用試料支持台
(以下TEMホルダと略す。)に固定する技法である。
【0016】以下にマイクロプローブを使用して試料よ
り特定個所を摘出する技術(以下マイクロサンプリング
法とする)について説明する。
【0017】特定個所を試料より摘出するためには、直
方体では摘出することが困難であり、図4の様な楔状の
形状1で摘出することとなる。
【0018】そして本形状の試料をTEMホルダに固定
するために本発明実施例で採用されるマイクロサンプリ
ング法では図5の様な固定を行う。
【0019】本固定法は最も容易に作業を進められ、本
作業に要する時間も短時間で済む等有用な特徴を持って
いる。しかし試料両端部の楔形の尖った部位を各種のデ
ポジション膜等でTEMホルダへ固定を行うため、楔形
の突起部とTEMホルダ間の隙間から二次イオンが回り
込み、リデポ現象による試料面汚染。両端2点での固定
のため、衝撃に対し弱い。またガラス等(絶縁物)を基
板とした積層膜試料において、チャージアップが懸念さ
れる等、実際の試料を加工する上で改良が望まれる。
【0020】マイクロサンプリング法により解析目的部
を薄膜化した試料をX線分析した場合、下記のような有
用な特徴を持っている。
【0021】・周辺の物質に左右されることなく高精度
に分析ができる。
【0022】・応力レスでサンプリングができる。
【0023】これらの特徴を様々な試料に適用させる上
で、マイクロサンプリング法で改良が望まれている物と
して下記の点が上げられる。
【0024】1)摘出された試料の固定が図5の様な両
端2個所を点で固定しているため、接地部の楔形突起部
とTEMホルダ表面には若干の隙間(図5の14)が生
じる。この隙間より加工した際発生する二次イオンが回
り込み、加工面の反対側にリデポされる。
【0025】これにより作製された薄膜は本来の構造を
観察することができなくなる。 2)試料ホルダをTEMおよびFIBへ装着する際の衝
撃,搬送時の衝撃に対して弱く、固定した試料が落下し
紛失する可能性がある。
【0026】3)図6の様なガラス等(絶縁物)を基板
とした積層膜試料においての試料のチャージアップ現
象。
【0027】4)TEMホルダへの試料の垂直な固定の
困難さ。(図5参照) 試料の垂直な固定ができないとTEMによる所定の方位
合わせが困難となる。
【0028】なお、後述する本発明実施例によれば以下
の効果を得ることができる。
【0029】1)点から面への固定に変更したことによ
り、二次イオンの回り込みを完全に遮断することが可能
となり、加工面の反対側へのリデポ現象を防止すること
が可能となる。
【0030】2)図7のような固定をするため、従来の
方法と比較して固定面積が広く、強度的に安定した固定
ができる。これにより衝撃に対しての安定が得られる。 3)図8に示す様な絶縁物を基板とした積層膜試料であ
っても、絶縁層部を穴の中に埋めてしまい解析する目的
の層のみTEMホルダ上面より突出させ、導電性のある
層とTEMホルダ上面を各種デポジション膜をつなぐこ
とにより、チャージアップの問題は解消される。
【0031】4)摘出した試料をTEMホルダ上面に対
し、垂直に加工した穴に沿って挿入できるため、試料は
試料台の上面に対し垂直に固定が可能となる。
【0032】以下により具体的にマイクロプローブの微
小試料摘出機構を利用したマイクロサンプリング法の概
要を説明する。
【0033】図9〜図11にマイクロサンプリング法の
実施例を示す。
【0034】先ず図9は解析部を含む領域を試料から摘
出するためのFIB加工による穴加工する工程である。
(本加工はFIBに組み込まれている任意形状ソフトに
より自動で加工される。)構成としては摘出される楔型
試料1,FIBによる加工穴2,試料表面8,摘出する
ための搬送用マイクロプローブ9、および楔型試料支持
部10からなる。
【0035】工程としては次の通りである。試料表面8
に微小試料1を摘出するため、図に示したような形状の
加工穴2を加工させる。この加工においては試料から微
小試料を分離する必要があるため傾斜加工が必要とな
る。これにより試料から分離された楔形試料はマイクロ
プローブ9に固定される。ここで固定には接触部に形成
させる各種デポジション膜により行われる。その後支持
部10をFIBで切断することで目的部の楔形試料1が
摘出される。
【0036】次に図10は摘出した試料を搬送し、TE
Mホルダ上に固定する工程である。構成としては摘出さ
れた楔形試料1,TEMホルダ3,試料を固定するため
の各種デポジション膜5そしてマイクロプローブ9から
なる。
【0037】工程としては次の通りである。マイクロプ
ローブ9に固定された楔形試料1をTEMホルダ3上に
搬送し、固定を行う。TEMホルダと楔形試料の固定に
は、マイクロプローブと同様に各種デポジション膜を用
いる。その後、マイクロプローブ固定部の各種デポジシ
ョン膜をFIBで切断してマイクロプローブを分離する
ことでTEMホルダ上へ楔形試料を独立して固定でき
る。
【0038】次に図11は、固定された試料をFIBに
よりTEM試料用に薄片化する通常通りの工程である。
構成は、薄片化される部分10,イオンビーム11そし
てTEMホルダ3からなる。工程としては、摘出した試
料を収束されたイオンビーム11により加工しTEM用
の薄片化された部分10を作製する。以上がマイクロサ
ンプリングの工程である。
【0039】以下本発明の実施例を更に詳細に述べる。
本発明は上述の図9,図10の試料固定に関する機能を
更にFIBに持たせたものであり、図12に第1の実施
例を示す。図12に示す実施例はバルクホルダを使用し
た例であり、摘出される楔形試料1,FIBによる加工
穴2,バルクホルダに載せられる程度の大きさ(数mm
角)に切り出した試料8そしてバルクホルダ12から構
成される。本技法の実施例は上記図9で説明した例と全
く同じであり省略するが、この場合には機械加工により
試料を50μm程度まで薄片化する必要がなく、バルク
状態のまま試料を取り扱える容易さに特徴がある。つま
り50μm程度までの機械加工が必要ないために、多層
膜試料において表面が剥がれ易い試料等に対して、応力
を軽減したサンプリングができる効果がある。その後、
図1に示した例の如く試料を固定する工程を実施する。
本実施例について説明する。先ずマイクロプローブ9を
切り出した楔形試料1と接触させ、接触部を各種デポジ
ション膜で固定させる。その後マイクロプローブで楔形
試料を持ち上げる。ここで試料を完全に摘出されるので
なく、持ち上げる程度にとどめる。つまり解析目的部の
み、元の試料面8より突出させる様な状態で持ち上げ
る。ここで言うマイクロプローブによる持ち上げ方法
は、垂直上昇方向である。その後、持ち上げた楔形試料
1と元の試料面8を各種デポジション膜5で両側面を固
定され、マイクロプローブと楔形試料の固定部をFIB
で切り離し、試料面へ独立して固定ができる。これによ
り、点から面での固定になるため、従来の隙間は完全に
遮断され、二次イオンの回り込みを防止できリデポの影
響による試料面の汚れを解消できた。またTEMホルダ
を使用しないため、同試料面内での作業が可能であり、
マイクロプローブによるTEMホルダまでの搬送の手間
が省く効果が得られる。そして試料を完全に摘出せず、
垂直方向に持ち上げるだけなので、試料面に対し、目的
試料が容易に垂直固定が可能な効果が得られる等の3つ
の有用な特徴が得られた。
【0040】そして本実施例は図13に示す従来法のT
EMホルダでも応用が可能である。つまり50μm程度
の薄膜表面内で上記と同様の技法を行うことにより、同
様の効果が得られた。
【0041】ここでマイクロプローブによる試料の持ち
上げ方向について、前記では垂直方向に持ち上げたが、
もう一つの方法として図14のように楔部に沿って同角
度(20゜)で持ち上げれば、持ち上げ方向の裏側の面
にスペース(図14の5)が生まれ、本部分をWデポジ
ション膜により試料両端面と一緒に固定してやれば更に
強度的に安定した固定が得られた。
【0042】次に第2の実施例を図4に示す。構成とし
ては摘出した楔形試料1,TEMホルダ上面に加工した
直方体の深穴2,TEMホルダ上面3そしてマイクロプ
ローブ4である。工程として先ずマイクロプローブで試
料を持ち上げるまでは上記で説明した物と全く同じであ
りここでは省略する。
【0043】上記の手法との違いは、マイクロプローブ
楔形試料を元の試料面より完全に摘出させ、FIB試料
室内の別な位置にあるTEMホルダ上面まで搬送し、T
EMホルダ上にあらかじめ加工しておいた深穴にマイク
ロプローブを制御し、挿入させることである。
【0044】従来法では図5に示すような楔の尖った部
分の両端の点でしかTEMホルダに対し固定できなかっ
た物が本方法では図7の様な面での固定となり、前記同
様の有用な特徴を得ることができた。また更に本方法に
おいては、ガラス材の上に積まれた層構造の試料等にお
いても、従来法では固定される部分が絶縁層であるた
め、チャージアップが懸念された。しかし本固定を応用
し、図8の様な絶縁層のみをTEMホルダ上の深穴に挿
入し、解析を目的とする層のみをTEMホルダの上面よ
り突出させ、これをWデポジション膜でTEMホルダ上
面とつないでやればチャージアップの問題も解決され
る。
【0045】更にTEMホルダへの試料の垂直な固定に
ついて、TEMホルダに対して垂直に掘られた深穴に沿
って試料を挿入するため、垂直な固定が容易に可能とな
る。上述したTEMホルダ上面への深穴は直方体であっ
たが、この形状を図15の様な摘出した試料形状と同形
の楔形の深穴で固定すれば上述した物より、さらに強度
的に安定した物が得られる。
【0046】ここで上述のTEMホルダへの深穴加工の
形状について、深穴の形状はほぼ一定であり、FIB装
置内のソフトで摘出したサンプルの形状(大きさ)に合
わせて、ソフトで自動設定することが可能である。例え
ば図16のように摘出した試料のX1,Y1の大きさが
判れば、実際に掘る穴の横方向X2をX2=X1×1.
5 、そして縦方向Y2をY2=Y1×0.7 程度とし
ておき、深穴の加工深さT2も任意に設定できるように
する。つまりX2,Y2,T2を自動設定できるように
すればより容易に本方法の実施が可能となる。
【0047】ここで上述したこれらの方法を実施する上
で、TEMホルダ上面の平坦度が問題となる。つまりT
EMホルダ上面から頭を出す解析目的部はせいぜい数1
0μmであり、TEMホルダ上面にそれ以上の凹凸があ
ると目的部をTEMで透過することができなくなる。
【0048】よって、本方法を実施するにあたり、TE
Mホルダ上面の平坦度は数μm以下が必要となる。
【0049】図17は、本発明の集束イオンビーム加工
装置の一例を示す図である。
【0050】本装置は、半導体ウエハや半導体チップ等
の基板2を載置する可動の試料台23と、基板22の分
析しようとする位置を特定するため試料台23の位置を
制御する位置制御装置29と、プローブ31を基板22
の分析位置近傍に移動させ、プローブ31を試料台3と
独立に駆動するプローブ駆動手段24と、基板22の分
析位置近傍にイオンビーム33を照射し、基板22の分
析位置を含む試料片の成形加工をするイオンビーム光学
系21と、基板22,プローブ31又は試料片ホルダ3
9(以下TEMホルダと略称)の近傍を観察する観察手
段を構成する電子源34と偏向レンズ35により形成さ
れる電子ビーム36で基板22表面を走査し、基板22
からの2次電子を検出する2次電子検出器32と、IB
AD用ガス(以下デポガスと略す)を供給するためのデ
ポガス源28とをもつ。デポガス源28はプローブ31
の先端部と基板22の分析位置近傍部を接続したり、試
料片とTEMホルダ39とを固定するために使用するた
めの固定接続手段を構成する。イオンビーム光学系21
の駆動装置27,デポガス源制御装置28′,位置制御
装置29,電子ビーム駆動装置30,表示装置(CR
T)25,マニュピュレータ駆動装置24′などは、中
央処理装置(CPU)26により制御される。また、プ
ローブ駆動手段24はマニュピュレータを構成する。試
料台23,イオンビーム光学系21等は真空容器内に配
置され、プローブ駆動手段24は真空容器外部から操作
される。
【0051】試料台23は、基板22を載置する試料カ
セット37と試料カセット37を固定する試料カセット
ホルダ38から構成されている。また、試料カセット3
7は分離摘出した試料片を固定するTEMホルダ39を
載置するためのホルダ留め40をもつ。試料カセットホ
ルダ38は、位置制御装置29によって、3次元方向の
位置及び基板22の平面の角度が制御される。すなわち
イオンビーム光学系21の開口パターン投射位置(即
ち、加工位置)を決め、基板22表面に対し、任意の角
度でイオンビーム33を照射させる。
【0052】上記観察手段は、プローブ31と基板22
への接触確認,試料片の基板22からの分離確認,試料
片のTEMホルダ39への接触確認,試料片とプローブ
31の分離確認を2次電子検出器32から得られる2次
電子像の電位コントラストの変化から検知する。また、
上記接触確認及び分離確認は、プローブ31と試料台2
3間の接触抵抗の変化を検出することによって行うよう
にしてもよい。また、摘出する試料片の大きさが、10
μm〜100μm程度であるので、光学顕微鏡を表面観
察手段に用いるようにしてもよい。また、2次電子像
は、イオンビームを試料に走査した結果得られる2次電
子に基づいて形成しても良い。
【0053】上記固定接続手段は、デポガス源28から
デポガス、例えば、ヘキサカルボニルタングステン(W
(CO)6)を流し、イオンビーム33をプローブ31先
端部に照射することによって、照射部にタングステン膜
(以下W膜と略す)を形成する。W膜によりプローブ3
1と試料片,試料片とTEMホルダ39を固定する。
【0054】W膜により接続されたプローブ31と試料
片を分離するためには、イオンビームを照射し、イオン
ビームスパッタ加工を行う。
【0055】図17に示す集束イオンビーム加工装置に
は、これまで説明した加工を自動で行うためのシーケン
スが組み込まれている。表示装置25には、その表示画
面上でFIB加工領域を設定する機能が設けられてい
る。好適には、ポインティングデバイス等で、楔形試料
1を切り出す領域を設定可能であり、当該加工領域の設
定の後、図9〜図11で説明した行程を自動で行うよう
に構成することが望ましい。また、楔形試料の楔部分の
傾斜角を任意の角度に設定する機能を備えても良い。
【0056】
【発明の効果】1)楔形突起部とTEMホルダ表面間の
隙間がなくなったため2次イオンの回り込みがなくな
り、リデポ現象を防止することができた。
【0057】2)固定面積が広く、強度的に安定した固
定ができるため、衝撃に対して強い固定ができた。
【0058】3)最下層が絶縁層でその上に層構造があ
るチャージアップし易い試料においても、絶縁層を穴の
中に挿入してしまうことにより、構造解析目的部のみを
頭を出させることとなり、これを各種デポジション膜で
TEMホルダとつなぐことでチャージアップを解消する
ことが可能となった。
【0059】4)TEMホルダ上に垂直に加工した穴に
沿って試料を挿入するため、垂直な固定が容易に可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルクホルダでの試料マウント法。
【図2】従来FIB法。
【図3】従来イオンシニング法。
【図4】TEMホルダへの試料挿入法。
【図5】従来マイクロサンプリング法。
【図6】ガラスを基板とした積層膜試料。
【図7】試料挿入後の試料固定法。
【図8】絶縁物(ガラス等)を基板とした積層膜試料の
チャージアップ防止法。
【図9】マイクロサンプリング法(摘出時)。
【図10】マイクロサンプリング法(固定時)。
【図11】マイクロサンプリング法(薄片化)。
【図12】バルクホルダでの実施例。
【図13】TEMホルダでの応用例。
【図14】マイクロプローブによる持ち上げ方向例。
【図15】TEMホルダへの加工穴形状例。
【図16】深穴加工の自動設定。
【図17】集束イオンビーム加工装置の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…摘出試料、2…FIBによる加工穴、3…TEMホ
ルダ、4,9…マイクロプローブ、5…各種デポジショ
ン膜、6…導電性膜、7…絶縁膜(ガラス等)、8…試料
表面、10…試料支持部、11…イオンビーム、12…
バルクホルダ、13…試料持ち上げ方向、14…隙間。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 勝治 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 沼尾 義紀 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 岩本 寛 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 富松 聡 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 梅村 馨 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 4E066 AA01 BA13 BC02 BC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集束イオンビームを用いた試料加工方法に
    おいて、 試料の特定部分を集束イオンビームを用いて切り出すス
    テップと、 前記切り出した特定部分を前記試料に他の部分より持ち
    上げるステップと、 前記特定部分を持ち上げた状態で、当該特定部分と前記
    試料の他の部分とを固定するステップを備えたことを特
    徴とする集束イオンビームを用いた試料加工方法。
  2. 【請求項2】集束イオンビームを用いた試料加工方法に
    おいて、 試料の特定部分を集束イオンビームを用いて切り出すス
    テップと、 前記切り出した特定部分を、当該特定部分を挿入可能な
    凹部まで搬送するステップと、 当該凹部より前記特定部分を突出させた状態で、前記凹
    部の一部に前記特定部分を固定するステップを備えたこ
    とを特徴とする集束イオンビームを用いた試料加工方
    法。
  3. 【請求項3】集束イオンビームを照射するための集束イ
    オンビーム光学系と、試料から発生した二次荷電粒子を
    検出する検出器と、当該検出器で得られた二次荷電粒子
    に基づいて試料像を形成する表示装置を備えた集束イオ
    ンビーム加工装置において、 先端に試料を支持するプローブと、当該プローブを駆動
    する駆動手段と、デポジション用のガスを供給するガス
    源と、前記表示装置上で前記集束イオンビームによる加
    工領域を設定する手段とを備え、当該設定手段による領
    域設定に基づいて、前記イオンビーム光学系による試料
    の特定部分の切り出しを行い、切り出した特定部分を前
    記プローブを用いて前記試料の他の部分より持ち上げ、
    前記特定部分を持ち上げた状態で、当該特定部分と前記
    試料の他の部分を接続するように、前記イオンビームを
    照射し前記ガスを放出するように制御する制御手段を備
    えたことを特徴とする集束イオンビーム加工装置。
  4. 【請求項4】集束イオンビームを照射するための集束イ
    オンビーム光学系と、試料から発生した二次荷電粒子を
    検出する検出器と、当該検出器で得られた二次荷電粒子
    に基づいて試料像を形成する表示装置を備えた集束イオ
    ンビーム加工装置において、 先端に試料を支持するプローブと、当該プローブを駆動
    する駆動手段と、デポジション用のガスを供給するガス
    源と、前記表示装置上で前記集束イオンビームによる加
    工領域を設定する手段とを備え、当該設定手段による領
    域設定に基づいて、前記イオンビーム光学系による試料
    の特定部分の切り出しを行い、切り出した特定部分を前
    記プローブを用いて、前記特定部分を挿入可能な凹部ま
    で搬送し、当該凹部より前記特定部分を突出させた状態
    で、前記凹部の一部に前記特定部分を接続するように、
    前記イオンビームを照射し前記ガスを放出するように制
    御する制御手段を備えたことを特徴とする集束イオンビ
    ーム加工装置。
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