JP2001018917A - 鋼材結束装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人手に頼ることなく自動でスペーサを設ける
と共に、更にそのスペーサを利用して鋼材を互いに結束
する鋼材結束装置を提供する。 【解決手段】 側方から鋼材１が搬入される鋼材搬入路
２０を挟むように上下両側の対称位置に紐送出部である
先端を配置した交叉アーム体５を複数設け、搬入された
鋼材１が収納部４に送り出される毎に上下の先端同士を
反転させて、紐９を交叉させる。鋼材１は搬送ローラ２
により鋼材搬入路２０に送り込まれ、送りアーム３の回
動動作により前方の収納部４に送り出され収納される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送された鋼材を
順次結束して収納する鋼材結束装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ロッド棒や鋼管等の棒状鋼材は、製造さ
れた後、管理，運搬をし易くするために所定数量毎に束
にして保管される。そのため、ＰＭ（切削）、ＣＧ（研
削）、冷間引き抜き、検査工程等を経た鋼材は、順次収
納部に送り込まれ、所定数量毎に結束していたが、その
際、送り込まれた鋼材と保管されている鋼材とが衝突
し、又結束された鋼材を横持ち移動する時、吊り具等で
吊り上げ絞り込まれた鋼材同士で擦れ合い損傷が発生し
ていた。そのため、このような鋼材同士による損傷がな
いように、収納部に鋼材が送り込まれる毎に例えば紐状
のスペーサを各鋼材間に挟み込み、個々の鋼材同士が接
触しないようにしてから結束していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼材同士が衝
突しないようにするためには、上記スペーサは複数箇所
に必要であるし、挟み込む作業は人手により行っていた
ため、作業者が張り付けになり、複数台の機械稼働がで
きなかったり、挟み忘れたりしてうまく挟み込みでき
ず、コストや品質維持の点で改善が望まれていた。ま
た、送られてくる鋼材の近くで作業をするため、鋼材に
指を挟んだりする危険性を常に有していた。

【０００４】そこで、本発明はこのような問題点に鑑
み、人手に頼ることなく自動でスペーサを設けると共
に、更にそのスペーサを利用して鋼材を互いに結束する
鋼材結束装置を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の発明は、鋼材が搬入される鋼材搬入路を
挟むように搬入路の対向する両側に紐状部材を送出する
紐送出部を設け、前記対向して送出した紐状部材を交叉
させる紐送出交叉手段と、搬入された鋼材を前記紐送出
部の列の前方に設けた収納部に送り出す送出手段とを有
し、前記搬入路に搬入された鋼材を送出手段が収納部に
移動する毎に、紐送出交叉手段が紐を交叉させることを
特徴とする。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、紐送出交叉手段が、先端部に紐状部材の送出部を有
し、鋼材搬入路の上方及び下方に前記先端部を配置し、
その先端部同士が互いに入れ替わるよう交叉動作させて
紐状部材を交叉させる２本１組の交叉アーム体であり、
この交叉アーム体を鋼材搬入路に平行に複数組配置して
成る。

【０００７】請求項３の発明は、請求項１又は請求項２
の発明において、収納部が、送出手段により送り込まれ
た鋼材の収納位置を変更する移動手段を有し、所定位置
に鋼材を収納可能に構成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態の１例を、図面を基に詳細に説明する。図１は本発
明に係る鋼材結束装置の概略斜視図、図２は側面説明図
を示し、２は搬入された鋼材１を所定位置まで送り込む
搬送ローラ、３は鋼材１を収納部４へ送り出す送りアー
ムであり、５は紐（紐状部材）９を交叉させる交叉アー
ム体であり、後方から交叉アーム体５、搬送ローラ２、
送りアーム３の順に設けられ、前方に収納部４を形成し
てある。尚、Ａは搬入された鋼材を示している。

【０００９】搬送ローラ２は、複数の円盤状ローラを、
側方から搬入される鋼材１にあわせて横方向に直線状
に、そして平行に前後２列で形成され、各搬送ローラの
軸２ａは、鋼材の軸方向から一定方向に僅かに傾けてあ
り、各円盤状ローラを回転させることで鋼材１が横方向
に移動し、搬入動作するようになっている。このよう
に、側方から搬入される鋼材１を前後方向から保持して
搬入路２０に案内し送り込むよう形成され、搬送手段と
鋼材搬入路２０を兼ねている。

【００１０】送りアーム３は送出手段であり、左右２ヶ
所に設けられ、下方に回転軸３ａ、上部に鋼材１の案内
面３ｂを有し、結束装置の基台７に取り付けられたエア
シリンダ８により前後方向に回動動作するよう形成さ
れ、鋼材１が搬入されてきた際は後傾した状態で待ち、
搬入終了後前方に回動することで案内面３ｂ上に鋼材１
が載置し、前方に回動することで鋼材１が移動路６を経
て手前の収納部４に送り込まれる。尚、送りアームは左
右２ヶ所に限定せず、鋼材の剛性に応じて複数箇所に設
けると良い。

【００１１】交叉アーム体５は、その先端５ｂが鋼材搬
入路２０即ち搬入された鋼材Ａのほぼ上方及び下方位置
に先端部が配置されるように上下方向に傾けて基端部は
搬入路２０の後方位置に搬入路２０に平行に設けた上下
２本のアーム支持軸１０（１０ａ，１０ｂ）にそれぞれ
固着され、等間隔で複数組設置されている。また、交叉
アーム体５の側部には紐案内部５ａを有し、基端部から
挿入された紐９が先端から送出されるよう形成されてい
る。尚、紐９は合成樹脂製や綿製のロープ状の紐で良い
が、鋼材より硬度が低く、柔軟性を有する紐体であれば
使用することができる。

【００１２】また、アーム支持軸１０は、左右端が回動
可能に軸支され、図３の端部正面説明図に示すように双
方の一端にはギヤ１１が設けられ、双方が互いに逆回転
動作するように形成され、下方のアーム支持軸１０ａは
基台に取り付けられたエアシリンダ１２の伸縮動により
回動動作し、上下のアーム支持軸１０に組み付けられた
交叉アーム体５同士は互いに逆方向に回動動作し、アー
ム先端５ｂの上下位置が入れ替わるようになっている。
そのため、図４（ａ）に示すように鋼材搬入路２０から
鋼材を送り出す度に上下の交叉アーム体５の先端位置を
反転させれば、順次紐９が交叉する。

【００１３】こうして、図４（ｂ）に示すように搬入さ
れる鋼材１に対し紐９の上下が入れ替わり、搬入された
鋼材同士が連続されて結束される。また、搬送ローラ２
の鋼材送り動作、交叉アーム体５の交叉動作、送りアー
ム３の送り動作をシーケンス制御により自動化すること
で、鋼材が搬入される毎に順次交叉動作を行い人手によ
ることなく鋼材を結束してゆくことができる。

【００１４】次に、上記構成の鋼材結束装置の操作手順
を説明する。先ず、それぞれの交叉アーム体５の後方に
紐９を束ねた紐ロール１３を配置し、交叉アーム体５に
紐９を挿通する。そして、適量を先端から引き出して対
を成す上下の交叉アーム体５の紐同士を結ぶ。尚、結ん
だ紐９と上下の交叉アーム体５で形成する空間に搬入路
２０が位置するようにする。そして鋼材１が搬入され、
搬送ローラ２により搬入路２０の所定位置に搬送された
ら、送りアーム３を動作させて鋼材１を移動路６を介し
て収納部４に移動すると共に、アーム支持軸１０を回動
し、交叉アーム体５の先端位置を上下反転させて、紐９
を交叉させる。その後、鋼材１が搬入されたら同様の操
作を繰り返して収納部４に交叉した紐が絡まった鋼材１
即ち結束された鋼材１がストックされて行く。

【００１５】尚、紐９は鋼材１の連結数量が所定数量に
成る毎に適宜切断して結束し、一定数量毎に束にしても
良いし、任意の本数を連続して結束しても良い。切断し
た際には、交叉アーム体５から引き出された対の紐９を
結束しておけば、次に搬入される鋼材１から新たに結束
動作させることができる。

【００１６】このように、収納部４に収納される鋼材１
は、交叉した紐９がスペーサとなり鋼材同士が直接接触
することが無くなるので、鋼材移動の際に互いに衝突し
ても紐を介し衝突するので、鋼材が損傷する事がない
し、鋼材同士の衝突による騒音も抑えることもできる。
また、紐の交叉を交叉アーム体を回動させるだけの簡単
な機構で行うため、安価に実施することができる。

【００１７】図４（ｃ），（ｅ）は紐送出交叉手段の他
の形態を示している。図４（ｃ）に示すようにアーム体
を上下に揺動せず、左右に回転動作させて上下反転させ
ても良く、この場合図４（ｄ）の鋼材断面図に示すよう
に紐を捻りながら交叉して行く。また、（ｅ）に示すよ
うに、一方のアーム体を固定して他方をその回りに回転
しても良く、この場合図４（ｆ）の鋼材断面図に示すよ
うに、一方の紐に他方が絡み、交叉して行く。

【００１８】図５は搬送案内手段の他の形態を示してい
る。図において、１６は底板１７と断面コ字状の蓋体１
８とから成る筒体で、底板１７は前方に下り傾斜を有し
て設けられ、蓋体１８は左右端が後方に設けられた回動
軸１９に枢着され、エアシリンダ等の動力により開閉動
作する。そして、鋼材１が搬入される間蓋体１８は閉じ
られ、搬入終了後開放動作する。こうすることで、鋼材
１は搬入後前方に滑りあるいは転がり落ち、収納部４に
収納される。但し、この構成の場合、鋼材を筒体内へ移
動する搬送手段を外部に設けなければならないが、上記
実施の形態の送りアームを無くすことができ、単純な構
成とすることができる。また、交叉アーム体に対して
は、その動作を妨げないように揺動動作する範囲の部位
には底板１７，蓋体１８の双方に切り込み２１が設けら
れている。

【００１９】また、収納部４は、図１，図２で示してい
るように単純な凹部として形成しても良いが、図６に示
すように収納位置を変更する移動機構を設けると良い。
図６は収納部４の他の形態を示す概略側面図であり、４
隅にレール柱２２を立設し、収納部４の底板２３が上下
に移動可能に形成される共に、収納部４の上部には前後
方向に移動可能な可動路２４が移動路６に連続するよう
設けられている。この可動路２４は、送りアーム３から
連繋された移動路６の先端に略水平に設けられ、前後動
させることで、指定する位置に鋼材１を落下収納させる
ようになっている。そして、鋼材を１本収納する毎に可
動路２４を前方或いは後方に移動して順次鋼材を収納
し、また、１列収納する毎に底板２３を下方に移動して
行くことで、鋼材にストレスをかける事無く整然と収納
して行くことができる。尚、底板２３とレール柱２２と
の間、或いは可動路２４とその移動台２５との間には、
例えばラック・ピニオンを設けることで移動させること
ができる。

【００２０】このように移動機構を設けることで、連結
された鋼材を規則的に収納することができ、在庫管理し
易いし、収納効率を上げることができる。また、搬出操
作もし易くなる。尚、上記実施の形態では、交叉アーム
を板状に形成して、その側部で紐を案内しているが、交
叉アーム体をパイプ状に形成して内部に紐を挿通するよ
うにしても良い。また、搬入された鋼材を収納部に送り
出す送出手段を回動動作する送りアームとしたが、他の
形態、例えばコンベア状に移動動作するベルト体であっ
ても良い。更に収納部の移動手段は、収納部全体を前後
上下に移動させても良い。その他、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲で、各部の形状並びに構成を適宜変更して具
体化することも可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、請求項１の発明に
よれば、収納部に収納される鋼材は、交叉した紐状部材
スペーサとなるので互いに接触することが無く鋼材同士
が衝突して損傷する事がなくなる。更に、搬送や収納の
際に鋼材同士が衝突して大きな騒音が発生するようなこ
ともない。

【００２２】請求項２の発明によれば、請求項１の発明
の効果に加えて、紐の交叉を交叉アーム体を揺動動作さ
せるだけの簡単な機構で行うことができ、安価に実施す
ることができる。

【００２３】請求項３の発明によれば、請求項１又は２
の発明の効果に加えて、結束された鋼材は収納スペース
に規則的に配列することができ、在庫管理がし易く、収
納効率を上げることができる。また搬出操作もし易くな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の１例を示す鋼材結束装置
の概略図である。

【図２】図１の側面説明図である。

【図３】図２のＭ部正面説明図である。

【図４】結束方法の他の具体例を示す図である。

【図５】鋼材搬入路の他の実施の形態を示す斜視説明図
である。

【図６】収納部の他の形態を示す側面説明図である。

【符号の説明】

１・・鋼材、２・・搬送ローラ、３・・送りアーム、４
・・収納部、５・・交叉アーム体、６・・移動路、９・
・紐（紐状部材）、１６・・筒体、２０・・搬入路、２
２・・レール柱、２３・・収納部の底板、２４・・可動
路。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼材が搬入される鋼材搬入路を挟むよう
   に搬入路の対向する両側に紐状部材を送出する紐送出部
   を設け、前記対向して送出した紐状部材を交叉させる紐
   送出交叉手段と、搬入された鋼材を前記紐送出部の列の
   前方に設けた収納部に送り出す送出手段とを有し、前記
   搬入路に搬入された鋼材を送出手段が収納部に移動する
   毎に、紐送出交叉手段が紐を交叉させることを特徴とす
   る鋼材結束装置。
2. 【請求項２】 紐送出交叉手段が、先端部に紐状部材の
   送出部を有し、鋼材搬入路の上方及び下方に前記先端部
   を配置し、その先端部同士が互いに入れ替わるよう交叉
   動作させて紐状部材を交叉させる２本１組の交叉アーム
   体であり、この交叉アーム体を鋼材搬入路に平行に複数
   組配置して成る請求項１記載の鋼材結束装置。
3. 【請求項３】 収納部は、送出手段により送り込まれた
   鋼材の収納位置を変更する移動手段を有し、所定位置に
   鋼材を収納可能とする請求項１又は２記載の鋼材結束装
   置。