JP2001018307A - 樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置 - Google Patents
樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 押出し加工する際に長手方向に沿った波打ち
がなく、その横断面は偏肉がなく均一な3層構造で、層
間剥離がなく、耐熱性、耐塩化カルシウム性に優れた樹
脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置を提供す
る。 【解決手段】 3層構造からなる樹脂性パイプであっ
て、外層がナイロン612樹脂99〜50重量%と変性
ポリオレフィン樹脂1〜50重量%とからなる樹脂組成
物、中間層がメルトフローレート0.1〜1(g/10
min)の酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメルト
接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹脂で構成されている
ことを特徴とする樹脂製パイプ。
がなく、その横断面は偏肉がなく均一な3層構造で、層
間剥離がなく、耐熱性、耐塩化カルシウム性に優れた樹
脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置を提供す
る。 【解決手段】 3層構造からなる樹脂性パイプであっ
て、外層がナイロン612樹脂99〜50重量%と変性
ポリオレフィン樹脂1〜50重量%とからなる樹脂組成
物、中間層がメルトフローレート0.1〜1(g/10
min)の酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメルト
接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹脂で構成されている
ことを特徴とする樹脂製パイプ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出し加工性が良
好で、パイプの長手方向に沿った波打ちや横断面の偏肉
がなく、耐熱性、耐塩化カルシウム性等に優れ、特にロ
ードヒーティングシステムに好適に使用できる樹脂製パ
イプ並びにこれを用いた温水循環装置に関する。
好で、パイプの長手方向に沿った波打ちや横断面の偏肉
がなく、耐熱性、耐塩化カルシウム性等に優れ、特にロ
ードヒーティングシステムに好適に使用できる樹脂製パ
イプ並びにこれを用いた温水循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築や土木業界では、パイプ状配
管に10〜60℃程度の温水もしくはエチレングリコールや
プロピレングリコール等の多価アルコールを不凍液とし
て含む水溶液(以下「不凍液」と称す。)を通して室内
の床暖房を行うフロア―ヒーティングシステムや、寒冷
地での路面の凍結を防止するロードヒーティングシステ
ム等のいわゆる「ヒートシステム法」が採用されてい
る。ヒートシステム法に用いられるパイプ状配管には、
従来より金属製パイプが用いられていたが、金属製パイ
プの使用には溶接作業が必要であり、また長時間使用す
ると錆びて腐食するという問題があった。
管に10〜60℃程度の温水もしくはエチレングリコールや
プロピレングリコール等の多価アルコールを不凍液とし
て含む水溶液(以下「不凍液」と称す。)を通して室内
の床暖房を行うフロア―ヒーティングシステムや、寒冷
地での路面の凍結を防止するロードヒーティングシステ
ム等のいわゆる「ヒートシステム法」が採用されてい
る。ヒートシステム法に用いられるパイプ状配管には、
従来より金属製パイプが用いられていたが、金属製パイ
プの使用には溶接作業が必要であり、また長時間使用す
ると錆びて腐食するという問題があった。
【0003】上記問題を解決するために、近年では樹脂
製パイプの使用が主流になりつつある。樹脂製パイプと
しては、例えば、架橋ポリエチレン樹脂からなる樹脂製
パイプが挙げられる。架橋ポリエチレン樹脂からなる樹
脂製パイプは、使用温度が比較的低いフロア―ヒーティ
ングシステムには好適に使用できる。しかしながら、ロ
ードヒーティングシステムでは、パイプ状配管を地中に
埋設し、その埋設部の地表面を通常 160℃程度の高温の
アスファルト混合物で覆ってアスファルト施工を行うた
め、融点が 140℃程度と低い架橋ポリエチレン樹脂から
なる樹脂製パイプでは耐熱性が十分ではなく好適に使用
できるものではなかった。
製パイプの使用が主流になりつつある。樹脂製パイプと
しては、例えば、架橋ポリエチレン樹脂からなる樹脂製
パイプが挙げられる。架橋ポリエチレン樹脂からなる樹
脂製パイプは、使用温度が比較的低いフロア―ヒーティ
ングシステムには好適に使用できる。しかしながら、ロ
ードヒーティングシステムでは、パイプ状配管を地中に
埋設し、その埋設部の地表面を通常 160℃程度の高温の
アスファルト混合物で覆ってアスファルト施工を行うた
め、融点が 140℃程度と低い架橋ポリエチレン樹脂から
なる樹脂製パイプでは耐熱性が十分ではなく好適に使用
できるものではなかった。
【0004】上述のようにロードヒーティングシステム
では、高温のアスファルト混合物を用いるため、耐熱性
に優れたナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂か
らなる樹脂製パイプが使用されている。しかしながら、
このようなポリアミド樹脂は、機械的強度や耐熱性や耐
薬品性等には優れているものの、吸水による寸法変化が
比較的大きく、寸法変化が生じると、接合部や取付け部
に伸縮による過剰な応力がかかり、耐久性に劣るという
問題があった。また、温水を長時間使用していると、一
部が加水分解されてパイプが脆くなるという問題もあっ
た。
では、高温のアスファルト混合物を用いるため、耐熱性
に優れたナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂か
らなる樹脂製パイプが使用されている。しかしながら、
このようなポリアミド樹脂は、機械的強度や耐熱性や耐
薬品性等には優れているものの、吸水による寸法変化が
比較的大きく、寸法変化が生じると、接合部や取付け部
に伸縮による過剰な応力がかかり、耐久性に劣るという
問題があった。また、温水を長時間使用していると、一
部が加水分解されてパイプが脆くなるという問題もあっ
た。
【0005】このような問題点を解決するものとして、
本発明者らは、外層に特定の相対粘度を有するポリアミ
ド樹脂、中間層に特定のメルトフローレートを有する酸
変性ポリオレフィン樹脂及び内層に架橋ポリエチレン樹
脂を配置した3層構造の樹脂製パイプを先に提案した
(特願平10−291229号)。
本発明者らは、外層に特定の相対粘度を有するポリアミ
ド樹脂、中間層に特定のメルトフローレートを有する酸
変性ポリオレフィン樹脂及び内層に架橋ポリエチレン樹
脂を配置した3層構造の樹脂製パイプを先に提案した
(特願平10−291229号)。
【0006】この3層構造の樹脂製パイプは、外層に耐
熱性の優れたポリアミド樹脂が配置され、内層に吸水性
が低く寸法安定性の良い架橋ポリエチレン樹脂が配置さ
れているため、ロードヒーティングシステムにおいて 1
60℃程度の高温のアスファルト施工をしても、樹脂製パ
イプが変形したり脆くなったりすることがなくなり、管
路に温水や不凍液を長時間循環させても吸水による大き
な寸法変化が生じることがない。また、外層と中間層に
特定の粘度を有するポリアミド樹脂及び酸変性ポリオレ
フィン樹脂を使用しているため、押出し成形にパイプが
長手方向に沿って凹凸形状となるいわゆる波打ちが生じ
たり、その横断面の肉厚が不均一となり偏肉が生じると
いう問題も改善されている。
熱性の優れたポリアミド樹脂が配置され、内層に吸水性
が低く寸法安定性の良い架橋ポリエチレン樹脂が配置さ
れているため、ロードヒーティングシステムにおいて 1
60℃程度の高温のアスファルト施工をしても、樹脂製パ
イプが変形したり脆くなったりすることがなくなり、管
路に温水や不凍液を長時間循環させても吸水による大き
な寸法変化が生じることがない。また、外層と中間層に
特定の粘度を有するポリアミド樹脂及び酸変性ポリオレ
フィン樹脂を使用しているため、押出し成形にパイプが
長手方向に沿って凹凸形状となるいわゆる波打ちが生じ
たり、その横断面の肉厚が不均一となり偏肉が生じると
いう問題も改善されている。
【0007】しかしながら、ロードヒーティングシステ
ムとして用いる場合には、上述した160℃程度のアスフ
ァルト混合物に対する十分な耐熱性と、道路に散布され
る凍結防止剤に含まれる塩化カルシウムへの耐性が要求
されるが、その両方を同時に満足させるという点では必
ずしも十分なものではなかった。
ムとして用いる場合には、上述した160℃程度のアスフ
ァルト混合物に対する十分な耐熱性と、道路に散布され
る凍結防止剤に含まれる塩化カルシウムへの耐性が要求
されるが、その両方を同時に満足させるという点では必
ずしも十分なものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、押出し加工性が良好で、パイプの長手方向に
沿った波打ちや横断面の偏肉がなく、耐熱性、耐塩化カ
ルシウム性に優れ、特にロードヒーティングシステムに
好適に使用できる樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水
循環装置を提供するものである。
を解決し、押出し加工性が良好で、パイプの長手方向に
沿った波打ちや横断面の偏肉がなく、耐熱性、耐塩化カ
ルシウム性に優れ、特にロードヒーティングシステムに
好適に使用できる樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水
循環装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至ったも
のである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1) 3層構造からなる樹脂性パイプであって、外層がナ
イロン612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂
1〜50重量%からなる樹脂組成物、中間層がメルトフロ
ーレート0.1 〜1(g/10min) の酸変性ポリオレフィン樹
脂系のホットメルト接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹
脂で構成されていることを特徴とする樹脂製パイプ。 (2) 外層が、相対粘度 2.0〜5.0 のナイロン612 樹脂と
メルトフローレート 0.1〜10(g/10min)の変性ポリオレ
フィン樹脂とからなる樹脂組成物であることを特徴とす
る上記(1) 記載の樹脂製パイプ。 (3) 中間層のホットメルト接着剤を形成する酸変性ポリ
オレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン
樹脂であることを特徴とする上記(1) 又は(2) 記載の樹
脂製パイプ。 (4) 上記(1) から(3) までのいずれか1項記載の樹脂製
パイプにて構成される管路に、水もしくは多価アルコー
ルを含む水溶液が通されていることを特徴とする温水循
環装置。 (5) 地中に埋設されるとともに、その埋設部の地表面が
アスファルト処理されていることを特徴とする上記(4)
記載の温水循環装置。
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至ったも
のである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1) 3層構造からなる樹脂性パイプであって、外層がナ
イロン612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂
1〜50重量%からなる樹脂組成物、中間層がメルトフロ
ーレート0.1 〜1(g/10min) の酸変性ポリオレフィン樹
脂系のホットメルト接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹
脂で構成されていることを特徴とする樹脂製パイプ。 (2) 外層が、相対粘度 2.0〜5.0 のナイロン612 樹脂と
メルトフローレート 0.1〜10(g/10min)の変性ポリオレ
フィン樹脂とからなる樹脂組成物であることを特徴とす
る上記(1) 記載の樹脂製パイプ。 (3) 中間層のホットメルト接着剤を形成する酸変性ポリ
オレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン
樹脂であることを特徴とする上記(1) 又は(2) 記載の樹
脂製パイプ。 (4) 上記(1) から(3) までのいずれか1項記載の樹脂製
パイプにて構成される管路に、水もしくは多価アルコー
ルを含む水溶液が通されていることを特徴とする温水循
環装置。 (5) 地中に埋設されるとともに、その埋設部の地表面が
アスファルト処理されていることを特徴とする上記(4)
記載の温水循環装置。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0011】本発明の樹脂製パイプの外層は、ナイロン
612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂1〜50
重量%とからなる樹脂組成物であることが必要であり、
ナイロン612 樹脂85〜65重量%と変性ポリオレフィン樹
脂15〜35重量%とからなる樹脂組成物であることが好ま
しい。樹脂組成物中の変性ポリオレフィン樹脂の含有量
が1重量%未満では、変性ポリオレフィン樹脂添加によ
る増粘効果、すなわち押出し加工性の改良効果が小さく
なり、押出し成形した際に、パイプの横断面に偏肉が生
じたり、パイプの長手方向に波打ちやしわが生じたりす
る。一方、樹脂組成物中の変性ポリオレフィン樹脂の含
有量が50重量%を超えると、耐熱性に劣るものとなり、
ロードヒーティングシステムにおいて 160℃程度の高温
のアスファルト施工をすると、パイプが変形したり脆く
なったりする。
612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂1〜50
重量%とからなる樹脂組成物であることが必要であり、
ナイロン612 樹脂85〜65重量%と変性ポリオレフィン樹
脂15〜35重量%とからなる樹脂組成物であることが好ま
しい。樹脂組成物中の変性ポリオレフィン樹脂の含有量
が1重量%未満では、変性ポリオレフィン樹脂添加によ
る増粘効果、すなわち押出し加工性の改良効果が小さく
なり、押出し成形した際に、パイプの横断面に偏肉が生
じたり、パイプの長手方向に波打ちやしわが生じたりす
る。一方、樹脂組成物中の変性ポリオレフィン樹脂の含
有量が50重量%を超えると、耐熱性に劣るものとなり、
ロードヒーティングシステムにおいて 160℃程度の高温
のアスファルト施工をすると、パイプが変形したり脆く
なったりする。
【0012】また、外層を構成するナイロン612 樹脂の
相対粘度の好適な範囲は 2.0〜5.0であり、変性ポリオ
レフィン樹脂のメルトフローレートの好適な範囲は 0.1
〜10(g/10min)である。ナイロン612 樹脂の相対粘度が
2.0未満のもの、あるいは変性ポリオレフィン樹脂のメ
ルトフローレートが10(g/10min)を超えるものを使用す
ると、内層を形成する架橋ポリエチレンの溶融粘度が高
いため、架橋ポリエチレン樹脂の周囲にナイロン612 樹
脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂組成物が均
一に周り込むことができず、パイプの横断面に偏肉が生
じたり、パイプの長手方向に波打ちやしわが生じたりす
る。一方、ナイロン612 樹脂の相対粘度が 5.0を超える
もの、あるいは変性ポリオレフィン樹脂のメルトフロー
レートが0.1(g/10min)未満のものを使用すると、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の流動性が悪くなり、内層の周囲にナイロン612
樹脂と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物が均
一に周らなくなる。なお、ナイロン612 樹脂の相対粘度
は、溶媒として96重量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度
1g/dlの条件下で測定されたものであり、変性ポリオレ
フィン樹脂のメルトフローレートは、ASTM-D-1238 に記
載の方法に準じて、温度 190℃、2.16kgの荷重の条件下
で測定されたものである。
相対粘度の好適な範囲は 2.0〜5.0であり、変性ポリオ
レフィン樹脂のメルトフローレートの好適な範囲は 0.1
〜10(g/10min)である。ナイロン612 樹脂の相対粘度が
2.0未満のもの、あるいは変性ポリオレフィン樹脂のメ
ルトフローレートが10(g/10min)を超えるものを使用す
ると、内層を形成する架橋ポリエチレンの溶融粘度が高
いため、架橋ポリエチレン樹脂の周囲にナイロン612 樹
脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂組成物が均
一に周り込むことができず、パイプの横断面に偏肉が生
じたり、パイプの長手方向に波打ちやしわが生じたりす
る。一方、ナイロン612 樹脂の相対粘度が 5.0を超える
もの、あるいは変性ポリオレフィン樹脂のメルトフロー
レートが0.1(g/10min)未満のものを使用すると、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の流動性が悪くなり、内層の周囲にナイロン612
樹脂と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物が均
一に周らなくなる。なお、ナイロン612 樹脂の相対粘度
は、溶媒として96重量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度
1g/dlの条件下で測定されたものであり、変性ポリオレ
フィン樹脂のメルトフローレートは、ASTM-D-1238 に記
載の方法に準じて、温度 190℃、2.16kgの荷重の条件下
で測定されたものである。
【0013】外層を構成する変性ポリオレフィン樹脂の
具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無
水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性
エチレン/プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エ
チレン/1−ブテン共重合体等の無水マレイン酸変性ポ
リオレフィン樹脂、エチレン/アクリル酸共重合体、エ
チレン/メタクリル酸共重合体及びこれら共重合体中の
カルボン酸部分の一部又は全てをナトリウム、リチウ
ム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの(ア
イオノマー)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マ
レイン酸共重合体(“g”はグラフトを表す。以下同
じ。)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレ
イン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マ
レイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−
N−フェニルマレイミド共重合体及びこれらの共重合体
の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート
共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメ
タクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル
/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリ
シジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテ
ート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グ
リシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/1−ブテン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,
4 −ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5 −ノル
ボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン
/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、
エチレン/1−ブテン−g−N−フェニルマレイミド共
重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無
水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/ス
チレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロ
ピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ
ン/1−ブテン−g−メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/プロピレン/1,4 −ヘキサジエン−g−
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g
−メタクリル酸グリシジル共重合体等が挙げられるが、
中でも無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン
酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン/
プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン/1
−ブテン共重合体等の無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン樹脂が好ましい。
具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無
水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性
エチレン/プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エ
チレン/1−ブテン共重合体等の無水マレイン酸変性ポ
リオレフィン樹脂、エチレン/アクリル酸共重合体、エ
チレン/メタクリル酸共重合体及びこれら共重合体中の
カルボン酸部分の一部又は全てをナトリウム、リチウ
ム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの(ア
イオノマー)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マ
レイン酸共重合体(“g”はグラフトを表す。以下同
じ。)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレ
イン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マ
レイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−
N−フェニルマレイミド共重合体及びこれらの共重合体
の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート
共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメ
タクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル
/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリ
シジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテ
ート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グ
リシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/1−ブテン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,
4 −ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5 −ノル
ボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン
/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、
エチレン/1−ブテン−g−N−フェニルマレイミド共
重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無
水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/ス
チレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロ
ピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ
ン/1−ブテン−g−メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/プロピレン/1,4 −ヘキサジエン−g−
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g
−メタクリル酸グリシジル共重合体等が挙げられるが、
中でも無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン
酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン/
プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン/1
−ブテン共重合体等の無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン樹脂が好ましい。
【0014】本発明の樹脂製パイプの内層は、架橋ポリ
エチレン樹脂であることが必要である。この架橋ポリエ
チレン樹脂は、ポリエチレンをラジカル発生剤の存在下
でシラン化合物をグラフトさせてシラン変性ポリエチレ
ンとし、次いでこのシラン変性ポリエチレンをシラノー
ル縮合触媒の存在下に水分を含有する雰囲気に曝して架
橋させる、いわゆる水架橋方法により製造されるもので
あり、具体的には、三井石油化学工業社製の SH035とSL
MB20との混合物等が挙げられる。
エチレン樹脂であることが必要である。この架橋ポリエ
チレン樹脂は、ポリエチレンをラジカル発生剤の存在下
でシラン化合物をグラフトさせてシラン変性ポリエチレ
ンとし、次いでこのシラン変性ポリエチレンをシラノー
ル縮合触媒の存在下に水分を含有する雰囲気に曝して架
橋させる、いわゆる水架橋方法により製造されるもので
あり、具体的には、三井石油化学工業社製の SH035とSL
MB20との混合物等が挙げられる。
【0015】本発明の樹脂製パイプの中間層は、上記の
ナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる
樹脂組成物からなる外層と、架橋ポリエチレン樹脂から
なる内層との接着層として機能するもので、本発明にお
いては、メルトフローレートが 0.1〜1(g/10min)の範
囲にある酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメルト接
着剤にて形成されることが必要である。メルトフローレ
ートが 0.1(g/10min)未満のものでは、溶融粘度が高く
なりすぎ、パイプの成形時に圧力上昇が生じたり流動性
が悪くなり、パイプの肉厚が不均一なものとなる。一
方、メルトフローレートが1(g/10min)を超えるもので
は、溶融粘度が低くなりすぎ、パイプの成形時に内層を
形成する架橋ポリエチレン樹脂の周囲に均一に周ること
ができず、パイプの肉厚が不均一なものとなり、場合に
よっては内層と外層との接着不良が生じ、パイプの落下
衝撃強度も低下する。
ナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる
樹脂組成物からなる外層と、架橋ポリエチレン樹脂から
なる内層との接着層として機能するもので、本発明にお
いては、メルトフローレートが 0.1〜1(g/10min)の範
囲にある酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメルト接
着剤にて形成されることが必要である。メルトフローレ
ートが 0.1(g/10min)未満のものでは、溶融粘度が高く
なりすぎ、パイプの成形時に圧力上昇が生じたり流動性
が悪くなり、パイプの肉厚が不均一なものとなる。一
方、メルトフローレートが1(g/10min)を超えるもので
は、溶融粘度が低くなりすぎ、パイプの成形時に内層を
形成する架橋ポリエチレン樹脂の周囲に均一に周ること
ができず、パイプの肉厚が不均一なものとなり、場合に
よっては内層と外層との接着不良が生じ、パイプの落下
衝撃強度も低下する。
【0016】中間層を形成する酸変性ポリオレフィン樹
脂としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体(以下、
両者含めて「不飽和カルボン酸類」という。)で変性さ
れた酸変性ポリオレフィン樹脂を用いるのが好ましい。
不飽和カルボン酸類で変性された酸変性ポリオレフィン
樹脂の具体例としては、エチレン、プロピレン、その他
の炭素数4〜12のα−オレフィンの1種又は2種以上と
不飽和カルボン酸類を、必要に応じて他の共重合性ビニ
ル単量体(例えば、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステ
ル類、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリ酸メチル等のメタクリル酸エステル類等)ととも
に共重合して得られる不飽和カルボン酸類変性ポリオレ
フィン類、さらにエチレン、プロピレン、その他の炭素
数4〜12のα−オレフィン、又はこれらのオレフィンと
前記と同様の共重合性ビニル単量体を共重合して得られ
る共重合体に不飽和カルボン酸類をグラフト重合させて
得られるグラフト共重合体などが挙げられる。上記にお
いてポリオレフィン樹脂の変性に用いる不飽和カルボン
酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタ
クリル酸等の一塩基性不飽和カルボン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の二塩基性不飽
和カルボン酸、又はそれらの無水物を挙げることがで
き、これらの不飽和カルボン酸類は単独で使用しても2
種以上を併用してもよい。本発明においては、無水マレ
イン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、具体例とし
ては、三井石油化学社製のアドマーシリーズのアドマー
HB030や、大日本インキ社製のディファレンシリーズが
挙げられる。
脂としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体(以下、
両者含めて「不飽和カルボン酸類」という。)で変性さ
れた酸変性ポリオレフィン樹脂を用いるのが好ましい。
不飽和カルボン酸類で変性された酸変性ポリオレフィン
樹脂の具体例としては、エチレン、プロピレン、その他
の炭素数4〜12のα−オレフィンの1種又は2種以上と
不飽和カルボン酸類を、必要に応じて他の共重合性ビニ
ル単量体(例えば、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステ
ル類、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリ酸メチル等のメタクリル酸エステル類等)ととも
に共重合して得られる不飽和カルボン酸類変性ポリオレ
フィン類、さらにエチレン、プロピレン、その他の炭素
数4〜12のα−オレフィン、又はこれらのオレフィンと
前記と同様の共重合性ビニル単量体を共重合して得られ
る共重合体に不飽和カルボン酸類をグラフト重合させて
得られるグラフト共重合体などが挙げられる。上記にお
いてポリオレフィン樹脂の変性に用いる不飽和カルボン
酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタ
クリル酸等の一塩基性不飽和カルボン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の二塩基性不飽
和カルボン酸、又はそれらの無水物を挙げることがで
き、これらの不飽和カルボン酸類は単独で使用しても2
種以上を併用してもよい。本発明においては、無水マレ
イン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、具体例とし
ては、三井石油化学社製のアドマーシリーズのアドマー
HB030や、大日本インキ社製のディファレンシリーズが
挙げられる。
【0017】本発明の樹脂製パイプにおいて、外層を形
成するナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂から
なる樹脂組成物の厚みをL1、中間層を形成する接着剤
の厚みをL2、内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂の
厚みをL3とすると、L1〜L3の各層の厚みの関係は
以下の〜式を満たすことが好ましい。 L1+L2+L3= 0.9〜2.2 mm L2= 0.005〜0.1 mm L1/L3= 4/6〜6/4
成するナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂から
なる樹脂組成物の厚みをL1、中間層を形成する接着剤
の厚みをL2、内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂の
厚みをL3とすると、L1〜L3の各層の厚みの関係は
以下の〜式を満たすことが好ましい。 L1+L2+L3= 0.9〜2.2 mm L2= 0.005〜0.1 mm L1/L3= 4/6〜6/4
【0018】各層の厚さの合計であるL1+L2+L3
の値が0.9 mmより小さくなると、圧縮強度に優れたパイ
プが得られなくなる。一方、2.2 mmより大きくなると、
重たくなりすぎまたコスト高となる。中間層の厚さL2
の値が0.005 mmより小さくなると、外層と内層との接着
強度が低下する。一方、L2の値が0.1 mmより大きくな
ると、パイプにおける接着剤としての中間層の構成割合
が多くなり、それに伴って外層及び内層の割合が小さく
なるため、耐熱性と耐衝撃性とを同時に満足するものが
得られない。外層の厚さL1と内層の厚さL3との割合
が 4/6より小さくなる、すなわち外層の厚さL1がこれ
以下になると、耐熱性に優れたパイプが得られない。一
方、この割合が 6/4より大きくなる、すなわちL1がこ
れ以上となると、内層の厚みが小さくなって、10〜60℃
の温水もしくは不凍液を長時間安定に流すことが難しく
なる。また、上記のように構成された3層構造の樹脂製
パイプの外径は、8mm以上とすることが好ましい。樹脂
製パイプの外径が8mmより小さくなると、水頭損失が大
きくなり、放熱量が小さくなってヒートシステムとして
の効果が小さくなりやすくなる。
の値が0.9 mmより小さくなると、圧縮強度に優れたパイ
プが得られなくなる。一方、2.2 mmより大きくなると、
重たくなりすぎまたコスト高となる。中間層の厚さL2
の値が0.005 mmより小さくなると、外層と内層との接着
強度が低下する。一方、L2の値が0.1 mmより大きくな
ると、パイプにおける接着剤としての中間層の構成割合
が多くなり、それに伴って外層及び内層の割合が小さく
なるため、耐熱性と耐衝撃性とを同時に満足するものが
得られない。外層の厚さL1と内層の厚さL3との割合
が 4/6より小さくなる、すなわち外層の厚さL1がこれ
以下になると、耐熱性に優れたパイプが得られない。一
方、この割合が 6/4より大きくなる、すなわちL1がこ
れ以上となると、内層の厚みが小さくなって、10〜60℃
の温水もしくは不凍液を長時間安定に流すことが難しく
なる。また、上記のように構成された3層構造の樹脂製
パイプの外径は、8mm以上とすることが好ましい。樹脂
製パイプの外径が8mmより小さくなると、水頭損失が大
きくなり、放熱量が小さくなってヒートシステムとして
の効果が小さくなりやすくなる。
【0019】上記のように構成された3層構造の樹脂製
パイプは、10〜60℃程度の温水もしくは不凍液を通して
長時間使用した場合の寸法変化率が 0.5%以下であり、
この値は、1 %程度の寸法変化率を示す同条件で測定し
たポリアミド樹脂単層からなる樹脂製パイプの値と比べ
ると小さいものとなる。また、ポリアミド樹脂単層から
なる樹脂製パイプは、温度が60℃から80℃へと上がるに
つれて寸法変化率がさらに大きくなるが、本発明の3層
構造からなる樹脂製パイプは、この60℃から80℃までの
温度変化においても寸法変化率が安定したものとなる。
パイプは、10〜60℃程度の温水もしくは不凍液を通して
長時間使用した場合の寸法変化率が 0.5%以下であり、
この値は、1 %程度の寸法変化率を示す同条件で測定し
たポリアミド樹脂単層からなる樹脂製パイプの値と比べ
ると小さいものとなる。また、ポリアミド樹脂単層から
なる樹脂製パイプは、温度が60℃から80℃へと上がるに
つれて寸法変化率がさらに大きくなるが、本発明の3層
構造からなる樹脂製パイプは、この60℃から80℃までの
温度変化においても寸法変化率が安定したものとなる。
【0020】本発明の樹脂製パイプは、3層構造に成形
可能なパイプ用ダイスと引取り装置とを用いた押出し成
形にて作製することができる。すなわち、L/D(長さ
/口径)が15〜45で、口径が20〜70mmのスクリュー付き
の一軸押出し機を用い、シリンダー内でそれぞれの樹脂
を融点以上の温度で溶融した後、別々に溶融された樹脂
を3層構造となる1個のダイス先端部より吐出し、引き
取り装置にてパイプ状に押出して製造する。
可能なパイプ用ダイスと引取り装置とを用いた押出し成
形にて作製することができる。すなわち、L/D(長さ
/口径)が15〜45で、口径が20〜70mmのスクリュー付き
の一軸押出し機を用い、シリンダー内でそれぞれの樹脂
を融点以上の温度で溶融した後、別々に溶融された樹脂
を3層構造となる1個のダイス先端部より吐出し、引き
取り装置にてパイプ状に押出して製造する。
【0021】この際,外層を形成するナイロン612 樹脂
と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物を入れた
シリンダー温度は、ナイロン612 樹脂の融点以上、通常
は 200〜230 ℃に設定し、接着剤層としての酸変性ポリ
オレフィン樹脂及び内層を形成する架橋ポリエチレン樹
脂を入れたシリンダー温度を 140〜180 ℃に設定する。
また、スクリュー回転数は連続的な引取りが可能な吐出
量に設定することが好ましい。なお、パイプの引き取り
装置には、通常、水冷式のものが用いられる。
と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物を入れた
シリンダー温度は、ナイロン612 樹脂の融点以上、通常
は 200〜230 ℃に設定し、接着剤層としての酸変性ポリ
オレフィン樹脂及び内層を形成する架橋ポリエチレン樹
脂を入れたシリンダー温度を 140〜180 ℃に設定する。
また、スクリュー回転数は連続的な引取りが可能な吐出
量に設定することが好ましい。なお、パイプの引き取り
装置には、通常、水冷式のものが用いられる。
【0022】本発明の樹脂製パイプは、例えば、フロア
−ヒーティングやロードヒーティング等の温水循環装置
に用いられる。温水循環装置の管路には、温水もしくは
エチレングリコール等の多価アルコールを含む水溶液を
循環させるのであるが、本発明においては、10〜60℃に
調整された水もしくは多価アルコールを含む水溶液が通
されていることが好ましい。多価アルコールを含む水溶
液は、不凍液としての効果を有するため寒冷地で使用す
る温水循環装置として好適に使用できる。
−ヒーティングやロードヒーティング等の温水循環装置
に用いられる。温水循環装置の管路には、温水もしくは
エチレングリコール等の多価アルコールを含む水溶液を
循環させるのであるが、本発明においては、10〜60℃に
調整された水もしくは多価アルコールを含む水溶液が通
されていることが好ましい。多価アルコールを含む水溶
液は、不凍液としての効果を有するため寒冷地で使用す
る温水循環装置として好適に使用できる。
【0023】このような多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパン
ジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリ
セリン等が挙げられ、いずれも効果が認められるが、エ
チレングリコールやプロピレングリコールが有効に使用
でき、さらに衛生的見地からはプロピレングリコールが
好適に使用できる。
レングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパン
ジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリ
セリン等が挙げられ、いずれも効果が認められるが、エ
チレングリコールやプロピレングリコールが有効に使用
でき、さらに衛生的見地からはプロピレングリコールが
好適に使用できる。
【0024】さらに、本発明における温水循環装置は、
上記のように作製された樹脂製パイプが地中に埋設され
るとともに、その埋設部の地表面がアスファルト処理さ
れたロードヒーティングシステムに好適に使用できるも
のである。
上記のように作製された樹脂製パイプが地中に埋設され
るとともに、その埋設部の地表面がアスファルト処理さ
れたロードヒーティングシステムに好適に使用できるも
のである。
【0025】なお、本発明において、外層を形成するナ
イロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂
組成物及び内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂には、
顔料や熱安定剤等の添加剤を適宜加えてもよい。
イロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂からなる樹脂
組成物及び内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂には、
顔料や熱安定剤等の添加剤を適宜加えてもよい。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例における特性値の測定
は、次の通りに行った。 (a) ナイロン612 樹脂の相対粘度 96重量%濃硫酸中に、ナイロン612 樹脂の乾燥ペレット
を濃度が1g/dlとなるように溶解し、温度25℃で測定し
た。 (b) 変性ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹
脂及び架橋ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(以
下「MFR」という。) メルトフローインデクサー(東洋精機社製)を用いて、
ASTM-D-1238 に記載の方法に準じて、温度 190℃、2.16
kgの荷重の条件下にて測定した。 (c) パイプの外観、断面及び剥離状況 外径17mm、肉厚2mm、長さ 500mmの樹脂製パイプを押出
加工にて成形し、その長手方向に沿う外観を目視観察し
た。また、その横断面の状態を、外層は目視で、中間層
は顕微鏡で観察し、その偏肉の度合いを評価した。さら
に、樹脂製パイプを縦方向に4分割し、その分割面を目
視観察して剥離状況を評価した。 (d) パイプの耐熱性 路盤上に溶接金網(ワイヤーメッシュ:4mmφ、15cm×
15cm)を敷設し、その上に外径17mm、肉厚2mmの樹脂製
パイプを設置後、160 ℃に加熱したアスファルト〔密粒
度(13)〕を厚さ50mmとなるように打設した。その後、
アスファルト舗装を掘り起こし、樹脂製パイプの外観
(変形、破損の有無)にて、耐熱性を評価した。 (e) パイプの耐塩化カルシウム性 外径17mm、肉厚2mm、長さ 300mmの樹脂製パイプの中央
部 100mmにガーゼを巻き付け、50%塩化カルシウム水溶
液10mlをしみ込ませ、160 ℃の乾熱で30分間処理し、パ
イプ表面のクラック発生の有無により、耐塩化カルシウ
ム性の評価を行なった。
する。なお、実施例及び比較例における特性値の測定
は、次の通りに行った。 (a) ナイロン612 樹脂の相対粘度 96重量%濃硫酸中に、ナイロン612 樹脂の乾燥ペレット
を濃度が1g/dlとなるように溶解し、温度25℃で測定し
た。 (b) 変性ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹
脂及び架橋ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(以
下「MFR」という。) メルトフローインデクサー(東洋精機社製)を用いて、
ASTM-D-1238 に記載の方法に準じて、温度 190℃、2.16
kgの荷重の条件下にて測定した。 (c) パイプの外観、断面及び剥離状況 外径17mm、肉厚2mm、長さ 500mmの樹脂製パイプを押出
加工にて成形し、その長手方向に沿う外観を目視観察し
た。また、その横断面の状態を、外層は目視で、中間層
は顕微鏡で観察し、その偏肉の度合いを評価した。さら
に、樹脂製パイプを縦方向に4分割し、その分割面を目
視観察して剥離状況を評価した。 (d) パイプの耐熱性 路盤上に溶接金網(ワイヤーメッシュ:4mmφ、15cm×
15cm)を敷設し、その上に外径17mm、肉厚2mmの樹脂製
パイプを設置後、160 ℃に加熱したアスファルト〔密粒
度(13)〕を厚さ50mmとなるように打設した。その後、
アスファルト舗装を掘り起こし、樹脂製パイプの外観
(変形、破損の有無)にて、耐熱性を評価した。 (e) パイプの耐塩化カルシウム性 外径17mm、肉厚2mm、長さ 300mmの樹脂製パイプの中央
部 100mmにガーゼを巻き付け、50%塩化カルシウム水溶
液10mlをしみ込ませ、160 ℃の乾熱で30分間処理し、パ
イプ表面のクラック発生の有無により、耐塩化カルシウ
ム性の評価を行なった。
【0027】実施例1 外層を形成する樹脂組成物として、相対粘度2.2 のナイ
ロン612 樹脂(デュポン社製、ザイテル151L)75重量%
とMFR 0.5(g/10min)の変性ポリオレフィン樹脂(三
井石油化学工業社製、Nタフマー MC1307 )25重量%と
からなる樹脂組成物を用いた。また、接着剤の役割を果
たす中間層として、MFRが 0.2(g/10min)である酸変
性ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業社製、アドマー
HB030)を用いた。さらに、内層を形成する樹脂とし
て、MFRが 1.0(g/10min)である架橋ポリエチレン樹
脂(三井石油化学工業社製、SH035 とSLMB20とを重量比
でSH035/SLMB20=25:1となるように配合したもの)を用
いた。ナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とか
らなる樹脂組成物については、L/D(長さ/直径)が
25で、口径45mmのスクリュー付き一軸押出し機を用い、
酸変性ポリエチレン樹脂についてはL/D(長さ/直
径)が20で、口径30mmのスクリュー付き一軸押出し機を
用い、架橋ポリエチレン樹脂についてはL/D(長さ/
直径)が25で、口径45mmのスクリュー付き一軸押出し機
を用いて、それぞれの樹脂を別々に溶融した。そして、
架橋ポリエチレン樹脂、酸変性ポリエチレン樹脂、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の順で供給し、先端部に設けられた3層構造を形
成するダイスによりパイプ状に溶融押出し成形した。そ
の後、成形パイプの内層を架橋する目的で、70℃の温水
中に24時間浸漬処理して供試パイプを得た。なお、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の溶融温度は 200〜220 ℃、酸変性ポリエチレン
樹脂及び架橋ポリエチレン樹脂の溶融温度は150 〜160
℃とした。得られた供試パイプは、外層、中間層、内層
のそれぞれの厚みL1、L2、L3がL1=1mm、L2
=0.05mm、L3=1mmであり、外径17mm、肉厚2mmの3
層構造の樹脂製パイプであった。この樹脂製パイプを上
記試験法に適した長さに切断して、外観、断面、剥離の
状態、アスファルト施工時の耐熱性、耐塩化カルシウム
性を評価した。得られた供試パイプの物性を表1に示
す。
ロン612 樹脂(デュポン社製、ザイテル151L)75重量%
とMFR 0.5(g/10min)の変性ポリオレフィン樹脂(三
井石油化学工業社製、Nタフマー MC1307 )25重量%と
からなる樹脂組成物を用いた。また、接着剤の役割を果
たす中間層として、MFRが 0.2(g/10min)である酸変
性ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業社製、アドマー
HB030)を用いた。さらに、内層を形成する樹脂とし
て、MFRが 1.0(g/10min)である架橋ポリエチレン樹
脂(三井石油化学工業社製、SH035 とSLMB20とを重量比
でSH035/SLMB20=25:1となるように配合したもの)を用
いた。ナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とか
らなる樹脂組成物については、L/D(長さ/直径)が
25で、口径45mmのスクリュー付き一軸押出し機を用い、
酸変性ポリエチレン樹脂についてはL/D(長さ/直
径)が20で、口径30mmのスクリュー付き一軸押出し機を
用い、架橋ポリエチレン樹脂についてはL/D(長さ/
直径)が25で、口径45mmのスクリュー付き一軸押出し機
を用いて、それぞれの樹脂を別々に溶融した。そして、
架橋ポリエチレン樹脂、酸変性ポリエチレン樹脂、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の順で供給し、先端部に設けられた3層構造を形
成するダイスによりパイプ状に溶融押出し成形した。そ
の後、成形パイプの内層を架橋する目的で、70℃の温水
中に24時間浸漬処理して供試パイプを得た。なお、ナイ
ロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂
組成物の溶融温度は 200〜220 ℃、酸変性ポリエチレン
樹脂及び架橋ポリエチレン樹脂の溶融温度は150 〜160
℃とした。得られた供試パイプは、外層、中間層、内層
のそれぞれの厚みL1、L2、L3がL1=1mm、L2
=0.05mm、L3=1mmであり、外径17mm、肉厚2mmの3
層構造の樹脂製パイプであった。この樹脂製パイプを上
記試験法に適した長さに切断して、外観、断面、剥離の
状態、アスファルト施工時の耐熱性、耐塩化カルシウム
性を評価した。得られた供試パイプの物性を表1に示
す。
【0028】実施例2、3及び比較例1、2 外層を形成するナイロン612 樹脂と変性ポリオレフィン
樹脂とからなる樹脂組成物の配合割合をそれぞれ表1に
示すようにした。そしてそれ以外は実施例1と同様にし
て、供試パイプを作製し、その物性を測定した。得られ
た供試パイプの物性を表1に示す。
樹脂とからなる樹脂組成物の配合割合をそれぞれ表1に
示すようにした。そしてそれ以外は実施例1と同様にし
て、供試パイプを作製し、その物性を測定した。得られ
た供試パイプの物性を表1に示す。
【0029】実施例4、5及び比較例3、4 中間層を形成する酸変性ポリエチレン樹脂のMFRをそ
れぞれ表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例
1と同様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定
した。得られた供試パイプの物性を表1に示す。
れぞれ表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例
1と同様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定
した。得られた供試パイプの物性を表1に示す。
【0030】実施例6、7 外層を形成するナイロン612 樹脂の相対粘度をそれぞれ
表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例1と同
様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定した。
得られた供試パイプの物性を表1に示す。
表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例1と同
様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定した。
得られた供試パイプの物性を表1に示す。
【0031】実施例8、9 外層を形成する変性ポリオレフィン樹脂のMFRをそれ
ぞれ表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例1
と同様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定し
た。得られた供試パイプの物性を表1に示す。
ぞれ表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例1
と同様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定し
た。得られた供試パイプの物性を表1に示す。
【0032】比較例5 外層を形成する相対粘度2.2 のナイロン612 樹脂の代わ
りに、相対粘度2.3 のナイロン6樹脂(ユニチカ社製、
A1025 )を用いた。そしてそれ以外は実施例1と同様に
して、供試パイプを作製し、その物性を測定した。得ら
れた供試パイプの物性を表1に示す。
りに、相対粘度2.3 のナイロン6樹脂(ユニチカ社製、
A1025 )を用いた。そしてそれ以外は実施例1と同様に
して、供試パイプを作製し、その物性を測定した。得ら
れた供試パイプの物性を表1に示す。
【0033】比較例6 外層を形成する相対粘度2.2 のナイロン612 樹脂の代わ
りに、相対粘度2.3 のナイロン12樹脂(東レ社製、リル
サン AMN O)を用いた。そしてそれ以外は実施例1と同
様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定した。
得られた供試パイプの物性を表1に示す。
りに、相対粘度2.3 のナイロン12樹脂(東レ社製、リル
サン AMN O)を用いた。そしてそれ以外は実施例1と同
様にして、供試パイプを作製し、その物性を測定した。
得られた供試パイプの物性を表1に示す。
【0034】実施例1〜9及び比較例1〜6における結
果をまとめて表1に示す。
果をまとめて表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜5は、いずれも外層がナイロン
612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂1 〜50
重量%とからなる樹脂組成物、中間層がMFR 0.1〜1
(g/10min)の酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメル
ト接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹脂で構成された3
層構造パイプであったため、得られた樹脂製パイプは、
表面に波打ちがなく、その断面は偏肉や層間剥離がな
く、耐熱性、耐塩化カルシウム性にも問題のないもので
あった。実施例6〜9は、いずれも外層を形成するナイ
ロン612 樹脂の相対粘度と変性ポリオレフィン樹脂のM
FRが、本発明の好ましい範囲内にあったため、これも
波打ち、偏肉や層間剥離がなく、耐熱性、耐塩化カルシ
ウム性にも問題のないものであった。
612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹脂1 〜50
重量%とからなる樹脂組成物、中間層がMFR 0.1〜1
(g/10min)の酸変性ポリオレフィン樹脂系のホットメル
ト接着剤、内層が架橋ポリエチレン樹脂で構成された3
層構造パイプであったため、得られた樹脂製パイプは、
表面に波打ちがなく、その断面は偏肉や層間剥離がな
く、耐熱性、耐塩化カルシウム性にも問題のないもので
あった。実施例6〜9は、いずれも外層を形成するナイ
ロン612 樹脂の相対粘度と変性ポリオレフィン樹脂のM
FRが、本発明の好ましい範囲内にあったため、これも
波打ち、偏肉や層間剥離がなく、耐熱性、耐塩化カルシ
ウム性にも問題のないものであった。
【0037】これに対して比較例1〜6では、次のよう
な問題点があった。比較例1は、外層をナイロン612 樹
脂のみで形成させたため、得られた樹脂製パイプの表面
は波打ちが大きく、またその横断面には外層に偏肉が生
じていた。比較例2は、外層を形成する樹脂組成物中の
変性ポリオレフィン樹脂の配合割合が本発明の上限より
多かったため、得られた樹脂製パイプは耐熱性に劣るも
のであった。比較例3、4は、中間層を形成する酸変性
ポリオレフィン樹脂のMFRがいずれも本発明の範囲か
らはずれていたため、得られた樹脂製パイプは中間層に
偏肉が生じ、外層と内層の接着性が悪く、層間剥離がみ
られた。比較例5は、外層をナイロン6樹脂と変性ポリ
オレフィン樹脂とからなる樹脂組成物で形成させたた
め、得られた樹脂製パイプは耐塩化カルシウム性に劣る
ものであった。比較例6は、外層をナイロン12樹脂と変
性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂組成物で形成させ
たため、得られた樹脂製パイプは耐熱性に劣るものであ
った。
な問題点があった。比較例1は、外層をナイロン612 樹
脂のみで形成させたため、得られた樹脂製パイプの表面
は波打ちが大きく、またその横断面には外層に偏肉が生
じていた。比較例2は、外層を形成する樹脂組成物中の
変性ポリオレフィン樹脂の配合割合が本発明の上限より
多かったため、得られた樹脂製パイプは耐熱性に劣るも
のであった。比較例3、4は、中間層を形成する酸変性
ポリオレフィン樹脂のMFRがいずれも本発明の範囲か
らはずれていたため、得られた樹脂製パイプは中間層に
偏肉が生じ、外層と内層の接着性が悪く、層間剥離がみ
られた。比較例5は、外層をナイロン6樹脂と変性ポリ
オレフィン樹脂とからなる樹脂組成物で形成させたた
め、得られた樹脂製パイプは耐塩化カルシウム性に劣る
ものであった。比較例6は、外層をナイロン12樹脂と変
性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂組成物で形成させ
たため、得られた樹脂製パイプは耐熱性に劣るものであ
った。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製パイプの外層に
ナイロン612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹
脂1〜50重量%とからなる樹脂組成物を用いることで、
押出し加工時に外層を形成する樹脂組成物が内層及び中
間層に沿って流れやすくなり、長手方向に沿う波打ちや
横断面における偏肉が解消され、内層と外層とが中間層
によって良好に接着される。また、中間層をメルトフロ
ーレート0.1 〜1(g/10min) の酸変性ポリオレフィン樹
脂系のホットメルト接着剤にて形成したため、この接着
剤の流動性が悪くなったり、この接着剤がパイプ成形時
に内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂の周囲に均一に
周り込むことができなくなったりして、その肉厚が不均
一になることを防止でき、従って、このような肉厚の不
均一に基づく内層と外層との接着不良が生じることを防
止できる。さらに、本発明の樹脂製パイプは、外層がナ
イロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹
脂組成物で形成されているため、ロードヒーティングシ
ステムにおいて160 ℃程度の高温のアスファルト施工を
しても、樹脂製パイプが変形したり脆くなったりするこ
とがなく、さらに道路に散布される凍結防止剤中に含ま
れている塩化カルシウムに対する耐性も良好である。ま
た、内層が吸水性が低く寸法安定性に優れた架橋ポリエ
チレン樹脂で形成されているため、樹脂製パイプ内に温
水や不凍液を長時間循環させても吸水による大きな寸法
変化が生じることがなくなる。従って、本発明の樹脂製
パイプを管路として用いる温水循環装置は、フロアーヒ
ーティングシステムやロードヒーティングシステムとし
て好適に使用することができ、特にロードヒーティング
システムとして好適に使用できる。
ナイロン612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオレフィン樹
脂1〜50重量%とからなる樹脂組成物を用いることで、
押出し加工時に外層を形成する樹脂組成物が内層及び中
間層に沿って流れやすくなり、長手方向に沿う波打ちや
横断面における偏肉が解消され、内層と外層とが中間層
によって良好に接着される。また、中間層をメルトフロ
ーレート0.1 〜1(g/10min) の酸変性ポリオレフィン樹
脂系のホットメルト接着剤にて形成したため、この接着
剤の流動性が悪くなったり、この接着剤がパイプ成形時
に内層を形成する架橋ポリエチレン樹脂の周囲に均一に
周り込むことができなくなったりして、その肉厚が不均
一になることを防止でき、従って、このような肉厚の不
均一に基づく内層と外層との接着不良が生じることを防
止できる。さらに、本発明の樹脂製パイプは、外層がナ
イロン612 樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とからなる樹
脂組成物で形成されているため、ロードヒーティングシ
ステムにおいて160 ℃程度の高温のアスファルト施工を
しても、樹脂製パイプが変形したり脆くなったりするこ
とがなく、さらに道路に散布される凍結防止剤中に含ま
れている塩化カルシウムに対する耐性も良好である。ま
た、内層が吸水性が低く寸法安定性に優れた架橋ポリエ
チレン樹脂で形成されているため、樹脂製パイプ内に温
水や不凍液を長時間循環させても吸水による大きな寸法
変化が生じることがなくなる。従って、本発明の樹脂製
パイプを管路として用いる温水循環装置は、フロアーヒ
ーティングシステムやロードヒーティングシステムとし
て好適に使用することができ、特にロードヒーティング
システムとして好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L070 BC11 4F100 AK03A AK03B AK04C AK24B AK48A AK70 AL05A AL06A AL07B BA03 BA07 DA11 DD31 GB07 GB90 JA06A JA06B JB01 JB20C JD15 JK06 JK15 JL04 JL12B YY00A YY00B
Claims (5)
- 【請求項1】 3層構造からなる樹脂製パイプであっ
て、外層がナイロン612 樹脂99〜50重量%と変性ポリオ
レフィン樹脂1〜50重量%とからなる樹脂組成物、中間
層がメルトフローレート0.1 〜1(g/10min) の酸変性ポ
リオレフィン樹脂系のホットメルト接着剤、内層が架橋
ポリエチレン樹脂で構成されていることを特徴とする樹
脂製パイプ。 - 【請求項2】 外層が、相対粘度 2.0〜5.0 のナイロン
612 樹脂とメルトフローレート 0.1〜10(g/10min)の変
性ポリオレフィン樹脂とからなる樹脂組成物であること
を特徴とする請求項1記載の樹脂製パイプ。 - 【請求項3】 中間層のホットメルト接着剤を形成する
酸変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリ
オレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2
記載の樹脂製パイプ。 - 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項記載
の樹脂製パイプにて構成される管路に、水もしくは多価
アルコールを含む水溶液が通されていることを特徴とす
る温水循環装置。 - 【請求項5】 地中に埋設されるとともに、その埋設部
の地表面がアスファルト処理されていることを特徴とす
る請求項4記載の温水循環装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11191657A JP2001018307A (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11191657A JP2001018307A (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001018307A true JP2001018307A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16278303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11191657A Pending JP2001018307A (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 樹脂製パイプ並びにこれを用いた温水循環装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001018307A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013058027A1 (ja) * | 2011-10-21 | 2013-04-25 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びそれを含む中空成形体 |
WO2024179859A1 (en) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | Envalior B.V. | Polyamide composition, process for preparation, process for producing an article, and article made of the composition |
-
1999
- 1999-07-06 JP JP11191657A patent/JP2001018307A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013058027A1 (ja) * | 2011-10-21 | 2013-04-25 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びそれを含む中空成形体 |
JPWO2013058027A1 (ja) * | 2011-10-21 | 2015-04-02 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びそれを含む中空成形体 |
WO2024179859A1 (en) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | Envalior B.V. | Polyamide composition, process for preparation, process for producing an article, and article made of the composition |
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|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081104 |
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