JP2001017569A - ソリッドゴルフボール - Google Patents

ソリッドゴルフボール

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JP2001017569A JP11195161A JP19516199A JP2001017569A JP 2001017569 A JP2001017569 A JP 2001017569A JP 11195161 A JP11195161 A JP 11195161A JP 19516199 A JP19516199 A JP 19516199A JP 2001017569 A JP2001017569 A JP 2001017569A
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高志 丸子
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久 山岸
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 コアと、4層のカバーとからなる多層ゴ
ルフボールにおいて、コアを被覆する第1層カバーのシ
ョアD硬度が60以下、この第1層カバーを被覆する第
2層カバーのショアD硬度が45以上、この第2層カバ
ーを被覆する第3層カバーのショアD硬度が45以下で
あり、第2層カバーを第1層カバーより硬く形成すると
共に、上記第3層カバーを被覆する第4層カバーを第3
層カバーより硬く形成したことを特徴とする多層ソリッ
ドゴルフボール。 【効果】 本発明のゴルフボールは、高・低ヘッドスピ
ードに拘わらず、飛距離性能が良好で、特にヘッドスピ
ードが低い場合であっても飛距離の向上を図ることがで
きると共に、フィーリングが良好なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアに少なくとも
4層のカバーが形成された多層構造のソリッドゴルフボ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ソリッドゴルフボールの構造としてコアやカバーを
多層化した多層構造ソリッドゴルフボールが提案されて
いる(特開平8−336617号、同8−336618
号、同9−56848号、同9−299510号、同1
1−417号、同11−4916号公報等)。
【0003】ソリッドゴルフボールの多層化の目的は、
一方では糸巻きゴルフボールと同等のフィーリングを得
ると共に、他方では、飛距離を向上させることにある
が、一般にフィーリングを重視すると飛距離が満足せ
ず、飛距離を満足させるとフィーリングが低下すること
が多い上、従来の提案の多くは主として高ヘッドスピー
ドのプレーヤーを対象としたものであり、このため低ヘ
ッドスピードでショットした場合でも十分な飛距離を与
え、かつ良好なフィーリングを有するゴルフボールの開
発が更に望まれる。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
高ヘッドスピードの場合は勿論、低ヘッドスピードでシ
ョットした場合でも十分な飛距離を与え、かつフィーリ
ングが良好な多層ソリッドゴルフボールを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は上記目的を達成するため、下記ゴルフボールを提
供する。 請求項1 コアと、4層のカバーとからなる多層ゴルフボールにお
いて、コアを被覆する第1層カバーのショアD硬度が6
0以下、この第1層カバーを被覆する第2層カバーのシ
ョアD硬度が45以上、この第2層カバーを被覆する第
3層カバーのショアD硬度が45以下であり、第2層カ
バーを第1層カバーより硬く形成すると共に、上記第3
層カバーを被覆する第4層カバーを第3層カバーより硬
く形成したことを特徴とする多層ソリッドゴルフボー
ル。 請求項2 第1層及び第3層カバーのショアD硬度がそれぞれ10
〜45であり、第2層カバーのショアD硬度が45〜7
0である請求項1記載のソリッドゴルフボール。 請求項3 コアの直径が26〜35mmであり、コア表面のショア
D硬度が40以上であり、第4層カバーの厚さが0.5
〜3.0mmである請求項1又は2記載のソリッドゴル
フボール。 請求項4 第1層及び第2層カバーがそれぞれポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー
の1種又は2種以上にて形成された請求項1乃至3のい
ずれか1項記載のソリッドゴルフボール。 請求項5 第4層カバーがアイオノマー樹脂により形成された請求
項1乃至4のいずれか1項記載のソリッドゴルフボー
ル。
【0006】即ち、本発明者は、上述した目的に鑑み鋭
意検討を行った結果、上述した4層のカバーを形成する
ことにより、硬軟カバーのサンドイッチ構造を2層化す
ることができ、この場合、サンドイッチされた軟らかい
カバー層は、硬いカバー層との境界部分が拘束を受ける
ため、軟らかい材料でありながら硬い材料の挙動を示
し、このため変形量が最適化されるため、軟らかいボー
ルでありながら、高反撥性のボールを得ることができ、
他方でこのように2層の軟らかいカバーを用いること
で、良好なフィーリングが得られ、更にはスピン特性も
最適化できることを見出し、本発明をなすに至ったもの
である。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、少なくとも一層以上のコア
と、4層のカバーとを有するもので、図1に示したよう
に、コア1を覆って第1層カバー2が形成され、更に順
次第2層カバー3、第3層カバー4、第4層カバー5が
被覆、形成されたものとすることができる。
【0008】ここで、上記コアは、直径が26mm以
上、特に29mm以上で、35mm以下、特に33.5
mmに形成することができる。
【0009】コアは、ゴム組成物、熱可塑性樹脂又はこ
れらの混合物にて形成することができる。ゴム組成物と
しては、公知の組成のものを使用することができるが、
基材としてポリブタジエンを使用したものが好ましい。
このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくとも4
0%以上有する1,4−シスポリブタジエンが好適に挙
げられる。また、この基材ゴム中には、所望により該ポ
リブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴムなどを適宜配合することができる。ゴ
ム成分を多くすることにより、ゴルフボールの反撥性を
向上させることができる。
【0010】また、上記ゴム組成物には、架橋剤として
メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の
亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリ
レート等のエステル化合物を配合し得るが、特にアクリ
ル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量
は、上記基材ゴム100重量部に対し、10重量部以上
30重量部以下とすることが好ましい。
【0011】上記ゴム組成物中には、通常、加硫剤が配
合されるが、パーオキサイド(有機過酸化物)が加硫剤
として好適に用いられる。このようなパーオキサイドと
しては、市販品を挙げることができ、例えばパークミル
D、パーヘキサ3M(日本油脂社製)等が挙げられる。
その配合量は、基材ゴム100重量部に対し、0.6重
量部以上2重量部以下とすることができる。
【0012】更に、必要に応じて、老化防止剤や比重調
整の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウム等を配合する
ことができる。
【0013】上記コアは、その表面のショアD硬度が4
0以上、より好ましくは45以上、更に好ましくは49
以上であり、また65以下、より好ましくは63以下で
あることが好ましく、更に後述する第1層カバーより硬
いことが好ましい。
【0014】この場合、コアは2層以上の多層構造に形
成でき、例えば最内芯をゴム組成物にて形成すると共
に、これを覆ってアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂に
て外側コアを形成し、この外側コアのショアD硬度を上
記値とする形態などに形成し得る。
【0015】第1層〜第4層カバーは、それぞれ熱可塑
性樹脂にて形成することが好ましいが、ゴムを基材とす
る材料でも形成できる。熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリウレタン樹脂(ポリウレタン系熱可塑性エラス
トマー)、ポリエステル樹脂(ポリエステル系熱可塑性
エラストマー)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、
アイオノマー樹脂などを挙げることができ、市販品とし
ては、パンデックス(大日本インキ(株)製ポリウレタ
ン系熱可塑性エラストマー)、ハイトレル(東レ・デュ
ポン社製ポリエステル系熱可塑性エラストマー)、サー
リン(デュポン社製アイオノマー樹脂)、ハイミラン
(三井・デュポン社製アイオノマー樹脂)、リルサン
(東レ社製ポリアミド系樹脂)、ペパックス(東レ社製
ポリアミド系熱可塑性エラストマー)などを好適に使用
し得る。
【0016】ここで、第1層カバーは、ショアD硬度を
60以下、好ましくは55以下、より好ましくは45以
下に形成する。この場合、その下限はショアD硬度10
以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは25以
上とすることが好ましい。ショアD硬度が高すぎると、
軟らかいフィーリングを得ることができなくなるという
不利が生じる。
【0017】この第1層カバーは、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマ
ー、或いはこれらの混合物にて形成することが好まし
い。また必要に応じ、アイオノマー樹脂を混合してもよ
い。
【0018】第1層カバーの厚さは、0.5mm以上、
より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0
mm以上であり、また4.0mm以下、より好ましくは
3.0mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である
ことが好ましい。
【0019】次に、第2層カバーは、ショアD硬度を4
5以上、好ましくは55以上、より好ましくは60以上
に、かつ第1層カバーより硬く形成する。第2層カバー
が第1層カバーより軟らかいか又は上記値より軟らかい
と、第1層カバーを拘束する効果が十分得られなくな
り、反撥性が低下するという不利が生じる。なお、第2
層カバーのショアD硬度の上限は70以下、特に65以
下とすることが好ましい。上記第2層カバーは、上記硬
度を与える熱可塑性樹脂であればいずれのものであって
もよいが、アイオノマー樹脂、特に高酸アイオノマー樹
脂を用いることが好ましい。
【0020】第2層カバーの厚さは、0.5mm以上、
より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0
mm以上であり、また4.0mm以下、より好ましくは
3.0mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である
ことが好ましい。
【0021】第3層カバーは、ショアD硬度が45以
下、特に40以下に形成する。この場合、その下限はシ
ョアD硬度が10以上、より好ましくは20以上、更に
好ましくは25以上とすることがよく、また第2層カバ
ーより軟らかく形成すると共に、後述する第4層カバー
より軟らかく形成する。第3層カバーのショアD硬度が
45より大きいと軟らかいフィーリングを得ることがで
きなくなるという不利が生じる。
【0022】この第3層カバーも、第1層カバーと同様
に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
系熱可塑性エラストマーやこれらの混合物にて形成する
ことが好ましい。また必要に応じ、アイオノマー樹脂を
混合してもよい。
【0023】第3層カバーの厚さは、0.5mm以上、
より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0
mm以上であり、また4.0mm以下、より好ましくは
3.0mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である
ことが好ましい。
【0024】第4層カバーは、第3層カバーより硬く形
成することが必要で、第4層カバーが第3層カバーより
軟らかいと、本発明の目的を達成し得ない。この場合、
第4層カバーのショアD硬度は45以上、より好ましく
は50以上、更に好ましくは55以上であり、また70
以下、より好ましくは65以下であることが好ましい。
【0025】第4層カバーの材料は特に制限されない
が、アイオノマー樹脂にて形成することが好ましい。
【0026】第4層カバーの厚さは、0.5mm以上、
より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0
mm以上であり、また3.0mm以下、より好ましくは
2.5mm以下であることが好ましい。
【0027】本発明において、コア及び第1〜第4層カ
バーの硬度分布は以上の通りであるが、これらの中で第
2層カバーが最大硬度を有する場合、コントロール性と
フィーリングがより良好になる。
【0028】なお、第1〜第4層カバーは、上述したよ
うに熱可塑性樹脂にて形成することが好ましいが、これ
には比重調整などの目的で無機充填剤を配合したり、そ
の他適宜の添加剤を加えることは任意である。
【0029】本発明のゴルフボールは、通常のゴルフボ
ールと同様に、公知の配列態様に従って300〜600
個のディンプルを形成することができる。
【0030】なお、本発明のゴルフボールは、その直
径、重さはゴルフ規則に従い、直径42.65mm以
上、特に42.67mm以上で、42.75mm以下に
形成でき、重量は45.93g以下、特に45.90g
以下で、45.10g以上に形成することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明のゴルフボールは、高・低ヘッド
スピードに拘わらず、飛距離性能が良好で、特にヘッド
スピードが低い場合であっても飛距離の向上を図ること
ができると共に、フィーリングが良好なものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0033】[実施例、比較例]表1に示すゴム配合、
表2に示す樹脂配合により、表3に示すファイブピース
ソリッドゴルフボールを製造し、その飛び性能、フィー
リングを下記方法により評価した。結果を表3に示す。飛び性能 スイングロボットを用い、ドライバーでヘッドスピード
45m/sec及び35m/secにてそれぞれ打撃
し、初速度、キャリー及びトータル飛距離をそれぞれ測
定した。フィーリング 3人のプロゴルファーが実際に試打して評価した。 ◎:非常に優れている ○:優れている △:普通 ×:劣る
【0034】
【表1】 *加硫条件 コア:155℃,15分 内層・中間層:130℃,10分(半加硫)→155
℃,15分(全加硫)
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア 2 第1層カバー 3 第2層カバー 4 第3層カバー 5 第4層カバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月17日(1999.11.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は上記目的を達成するため、下記ゴルフボールを提
供する。 請求項1 コアと、4層のカバーとからなる多層ゴルフボールにお
いて、コアを被覆する第1層カバーのショアD硬度が6
0以下、この第1層カバーを被覆する第2層カバーのシ
ョアD硬度が45以上、この第2層カバーを被覆する第
3層カバーのショアD硬度が45以下であり、第2層カ
バーを第1層カバーより硬く形成すると共に、上記第3
層カバーを被覆する第4層カバーを第3層カバーより硬
く形成したことを特徴とする多層ソリッドゴルフボー
ル。 請求項2 第1層及び第3層カバーのショアD硬度がそれぞれ10
〜45であり、第2層カバーのショアD硬度が45〜7
0である請求項1記載のソリッドゴルフボール。 請求項3 コアの直径が26〜35mmであり、コア表面のショア
D硬度が40以上であり、第4層カバーの厚さが0.5
〜3.0mmである請求項1又は2記載のソリッドゴル
フボール。 請求項4 第1層及び第3層カバーがそれぞれポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー
の1種又は2種以上にて形成された請求項1乃至3のい
ずれか1項記載のソリッドゴルフボール。 請求項5 第4層カバーがアイオノマー樹脂により形成された請求
項1乃至4のいずれか1項記載のソリッドゴルフボー
ル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと、4層のカバーとからなる多層ゴ
    ルフボールにおいて、コアを被覆する第1層カバーのシ
    ョアD硬度が60以下、この第1層カバーを被覆する第
    2層カバーのショアD硬度が45以上、この第2層カバ
    ーを被覆する第3層カバーのショアD硬度が45以下で
    あり、第2層カバーを第1層カバーより硬く形成すると
    共に、上記第3層カバーを被覆する第4層カバーを第3
    層カバーより硬く形成したことを特徴とする多層ソリッ
    ドゴルフボール。
  2. 【請求項2】 第1層及び第3層カバーのショアD硬度
    がそれぞれ10〜45であり、第2層カバーのショアD
    硬度が45〜70である請求項1記載のソリッドゴルフ
    ボール。
  3. 【請求項3】 コアの直径が26〜35mmであり、コ
    ア表面のショアD硬度が40以上であり、第4層カバー
    の厚さが0.5〜3.0mmである請求項1又は2記載
    のソリッドゴルフボール。
  4. 【請求項4】 第1層及び第2層カバーがそれぞれポリ
    エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑
    性エラストマーの1種又は2種以上にて形成された請求
    項1乃至3のいずれか1項記載のソリッドゴルフボー
    ル。
  5. 【請求項5】 第4層カバーがアイオノマー樹脂により
    形成された請求項1乃至4のいずれか1項記載のソリッ
    ドゴルフボール。
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