JP2001017211A - イヤリング用止金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱いが容易で、しかもピンの抜け止め作用が
顕著であり、かつ装飾性にも充分配慮したイヤリング用
止金具を提供しようとするものである。 【解決手段】ピアス用ピンの挿通孔を備えた止金具本体
と、止金具本体の側縁から少なくとも一対延長し、さら
にその端部をカールさせた上で対向させた弾発片を有す
るピン挟着部とを備えたイヤリング用止金具において、
各弾発片の中間でつまみ片を少なくとも一対延長するこ
とにより、一端に装飾体を取り付けたピアス用ピンを上
記止金具本体の挿通孔からはめ込む際に、上記つまみ片
を利用して止金具本体を持つことができるようにしたこ
とを特徴とするイヤリング用止金具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、一端に装飾部を
取り付けたピンを、耳たぶの裏側で抜け止めするための
ピアスイヤリングのキャッチに関するものであり、取扱
いが容易で、しかもピンの抜け止め作用が顕著なイヤリ
ング用止金具を提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ピアスイヤリング用の止金具とし
ては、通称キャッチと呼ばれる貴金属片からなるものが
よく知られている。このキャッチは、貴金属板の中央に
ピンを挿通する開口を形成するとともに、その側縁を裏
面方向に少なくとも一対延長させて弾発片とし、さらに
弾発片の延長部分の端部をカールさせて挟着部を形成す
るとともに、この挟着部を対向させたものであり、上記
ピン挿通口から挿通されたピンをこの挟着部で挟着し、
保持するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなイヤリング
用止金具は、コストやピンの抜け止め機能の面で非常に
優れたものであるが、機能のみからなるものであるため
装飾性に難点があった。さらに、コストの問題で通常小
さいため、指で掴みずらい上、耳たぶのピアス用に開け
た穴にくい込んでしまうという問題があった。しかも、
使用を繰り返すうちに弾発片がゆがんでしまい、ピンの
周溝から抜けなくなってしまうという欠点もあった。

【０００４】また、上記イヤリング用止金具の使用に当
たっては、イヤリング用止金具を指で持つ際に、弾発片
部分が持ちやすかった。そのため弾発片部分に負荷がか
かってピンが強く加圧、保持され、ピンの挿通や抜き取
りに支障が生じるという欠点があった。

【０００５】そこでシリコン樹脂や合成ゴムその他の弾
性材料からなるイヤリング用止金具が開発されてきてい
る。例えば、実開昭６０−６４１７号公報には弾性材料
のみからなるピアスキャッチが、実開昭６１−１３６１
５号公報には中空の球体内に弾性材料を充填してなるピ
アスが、実用新案登録第３０４５８１２号公報には釣り
鐘状の金属カバー内に弾性材料を収納したピアス用キャ
ッチが、実開平１−１０３３０７号公報には弾性材料の
ピン挿通口側端部に部分的に筒状の金属製殻体をはめ込
んだ抜け止め金具を有する耳飾りがそれぞれ示されてい
る。

【０００６】しかしながら、上記シリコン樹脂や合成ゴ
ムその他の弾性材料を用いたイヤリング用止金具は、い
ずれのものにおいてもピンを挟着する力が弱いためにピ
ンが外れやすいという欠点があった。

【０００７】そこでこの発明は、取扱いが容易で、しか
もピンの抜け止め作用が顕著であり、かつ装飾性にも充
分配慮したイヤリング用止金具を提供しようとするもの
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明のイ
ヤリング用止金具は、ピアス用ピンの挿通孔を備えた止
金具本体と、止金具本体の側縁から少なくとも一対延長
し、さらにその端部をカールさせた上で対向させた弾発
片を有するピン挟着部とを備えたイヤリング用止金具に
おいて、各弾発片の中間でつまみ片を少なくとも一対延
長することにより、一端に装飾体を取り付けたピアス用
ピンを上記止金具本体の挿通孔からはめ込む際に、上記
つまみ片を利用して止金具本体を持つことができるよう
にしたことを特徴とするものである。

【０００９】この発明のイヤリング用止金具は、上記止
金具本体が、弾性材料内に一体的に保持され、つまみ片
を弾性材料の外周に位置させるようにしたことをも特徴
とするものである。

【００１０】この発明のイヤリング用止金具は、上記つ
まみ片が、その長さ方向に直交する方向に凹凸を形成し
たことをも特徴とするものである。

【００１１】この発明のイヤリング用止金具によれば、
取扱いが容易で、しかもピンの抜け止め作用が顕著であ
り、かつ装飾性にも充分配慮したイヤリング用止金具を
提供できるようになった。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明に
係るイヤリング用止金具の実施の形態を詳細に説明す
る。図１はこの発明のイヤリング用止金具の第１の実施
例を示す正面図、図２はその下面図、図３はその使用状
態を示す側面図、図４は第２の実施例を示す正面図、図
５はその透視図、図６はその使用状態を示す側面図であ
る。

【００１３】第１の実施例を示す図１ないし図３におい
て、イヤリング用止金具１は、ピアス用ピンの挿通孔３
を備えた止金具本体２と、止金具本体２の側縁から裏面
に向けて少なくとも一対延長した弾発片４とを有してい
る。そしてこの弾発片４は、その端部をカールさせた上
で対向させることにより、ピン挟着部５を形成してい
る。６は上記弾発片４の長さ方向に沿って形成したガイ
ドリブである。

【００１４】この実施例においては、上記イヤリング用
止金具１の各弾発片４の中間に一対のつまみ片７を延長
して形成している。このつまみ片７は、上記弾発片４と
ほぼ同様に止金具本体２の側縁から裏面に向けて形成さ
れており、その長さ方向に直交する方向に凹凸８を形成
している。９はつまみ片７の長さ方向に沿って形成した
補強リブである。

【００１５】他方、一端に装飾体１１を取り付け、他端
に周溝１２を設けたピアス用ピン１０が用意される。そ
してこのピアス用ピン１０の先端を上記止金具本体２の
挿通孔３からはめ込む際、上記つまみ片７に指をかけて
止金具本体２を持つことができる。したがって上記イヤ
リング用止金具１の使用に当たり、イヤリング用止金具
１を指で持つ際に、弾発片４部分には負荷がかかること
がなく、ピアス用ピン１０が強く加圧されないので無理
な負荷がかかっておらず、ピアス用ピン１０を挿通して
弾発片４のピン挟着部５をその周溝１２に係合させた
り、ピアス用ピン１０を抜き取る際に、何も支障が生じ
ることがない。

【００１６】また、つまみ片７には補強リブ９が形成さ
れているので剛性が高く、つまみ片７を指で持ってもほ
とんど変形することがない。しかもつまみ片７には凹凸
８が形成してあるので、指で持った際に滑りにくく、非
常に扱いやすい。

【００１７】上記においてイヤリング用止金具１として
は、金や銀、プラチナ、あるいはこれらの合金等からな
る貴金属素材で構成することが望ましいが、これらの貴
金属素材に限られるものではない。

【００１８】第２の実施例を示す図４ないし図６におい
て、イヤリング用止金具２１は、ピン挟着部２３を設け
た止金具本体２２と、この止金具本体２２を内蔵し、上
記ピン挟着部２３に連通するピン挿通口２５を形成した
弾性材料２４とで構成されている。そして、一端に装飾
体２７を取り付けたピン２６を、上記弾性材料２４のピ
ン挿通口２５から先端をはめ込んだ上、止金具本体２２
の上記ピン挟着部２３でピン２６の外周に設けた周溝２
８部分を抜け止めするようになっている。

【００１９】すなわち、上記止金具本体２２はその側縁
から一対の弾発片３１を延長し、さらに裏面側に折り返
してループ３２を形成するとともに、このループ３２を
対向させて、弾性材料２４のピン挿通口２５から挿通さ
れてくるピン２６先端の周溝２８部分を挟着するように
なっている。３３は弾発片５１の長さ方向に沿って形成
した凹溝状のリブである。

【００２０】上記止金具本体２２には、その側縁から少
なくとも一対延長させて形成した上記弾発片３１のほぼ
中間に、上記弾性材料２４を包み込み、指がかりともな
るつまみ片３４が延長形成してある。もちろん、つまみ
片３４には補強リブ３５のみならず、ローレット加工に
よる滑り止め３６が施してある。

【００２１】この実施例におけるイヤリング用止金具３
１の使用方法も、上記第１の実施例と同様である。

【００２２】上記弾性材料２４としては、素材の弾性度
やアレルギーの面からシリコン樹脂（シリコンゴム）が
望ましいが、同様の機能を備えた素材であればそれ以外
の素材を使用してもよい。この弾性材料２４は、少なく
とも上記止金具本体２２のピン挟着部２３を中央に内蔵
し、かつ上記一対の弾発片２１が全体の周縁部分に位置
するように成形されている。もちろん、弾性材料２４の
中心には上記ピン挟着部２３に連通するピン挿通口２５
が形成されている。

【００２３】上記イヤリング用止金具２１の使用に際し
ては、装飾体２７を一端に取り付けたピン２６を、弾性
材料２４の中心に設けたピン挿通口２５から突き刺し、
ピン挟着部２３の上記ピン挟着部２３部分へ圧入すれば
よい。こうすることにより、ピン２６の外周に設けた周
溝２８がピン挟着部２３にはめ込まれ、ピン挟着部２３
の弾性で抜け止めされるのである。なお、ピン２６はピ
ン挟着部２３の弾発力で確実に保持されるのであり、そ
の際、弾性材料２４はピン２６をガイドすることはあっ
ても、その保持にはほとんど機能していない。

【００２４】この実施例においても、ピアス用ピン２６
の先端を上記止金具本体２２の挿通孔２３からはめ込む
際、上記つまみ片３４に指をかけて止金具本体２２を持
つことができる。したがって上記イヤリング用止金具２
１の使用に当たり、イヤリング用止金具２１を指で持つ
際に、つまみ片３４部分には負荷がかかることがなく、
ピアス用ピン２６が強く加圧されないので、ピアス用ピ
ン１６の挿通や抜き取りには何も支障が生じることがな
い。

【００２５】上記実施例において使用した弾性材料は、
シリコン樹脂等の素材に香料や蓄光材料を配合すること
により、心地の良い香りを発生させたり、暗い所で光を
発するようにしてイヤリングをより強調し、かつ紛失し
にくくしたりすることができる。

【００２６】また上記各実施例におけるイヤリング用止
金具１，２１は、上記従来例のピアス式イヤリングと同
様にして使用することができる。その場合、つまみ片３
４を指で持つことができるので、非常に扱いやすいイヤ
リング用止金具１，２１を提供することが可能となっ
た。

【００２７】

【発明の効果】この発明のイヤリング用止金具によれ
ば、取扱いが容易で、しかもピンの抜け止め作用が顕著
であり、かつ装飾性にも充分配慮したイヤリング用止金
具を提供できるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のイヤリング用止金具の第１の実施例
を示す正面図である。

【図２】その下面図である。

【図３】その使用状態を示す側面図である。

【図４】この発明のイヤリング用止金具の第２の実施例
を示す正面図である。

【図５】その透視図である。

【図６】その使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１ イヤリング用止金具 ２ 止金具本体 ３ 挿通孔 ４ 弾発片 ５ ピン挟着部 ６ ガイドリブ ７ つまみ片 ８ 凹凸 ９ 補強リブ １０ ピアス用ピン １１ 装飾体 １２ 周溝 ２１ イヤリング用止金具 ２２ 止金具本体 ２３ ピン挟着部 ２４ 弾性材料 ２５ ピン挿通口 ２６ ピン ２７ 装飾体 ２８ 周溝 ３１ 弾発片 ３２ ループ ３３ 凹溝状のリブ ３４ つまみ片 ３５ 補強リブ ３６ 滑り止め

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 久司 山梨県甲府市中小河原町229−３ (72)発明者 長坂 雄司 山梨県甲府市中町380−２ Ｆターム(参考） 3B114 AA02 AA03 AA11 EA02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピアス用ピンの挿通孔を備えた止金具本
   体と、止金具本体の側縁から少なくとも一対延長し、さ
   らにその端部をカールさせた上で対向させた弾発片を有
   するピン挟着部とを備えたイヤリング用止金具におい
   て、各弾発片の中間でつまみ片を少なくとも一対延長す
   ることにより、一端に装飾体を取り付けたピアス用ピン
   を上記止金具本体の挿通孔からはめ込む際に、上記つま
   み片を利用して止金具本体を持つことができるようにし
   たことを特徴とするイヤリング用止金具。
2. 【請求項２】 止金具本体が、弾性材料内に一体的に保
   持され、つまみ片を弾性材料の外周に位置させるように
   してなる請求項１に記載のイヤリング用止金具。
3. 【請求項３】 つまみ片が、その長さ方向に直交する方
   向に凹凸を形成してなる請求項１または２に記載のイヤ
   リング用止金具。