JP2001013627A - フォトサーモグラフィー要素用の安定化剤化合物 - Google Patents

フォトサーモグラフィー要素用の安定化剤化合物

Info

Publication number
JP2001013627A
JP2001013627A JP2000177139A JP2000177139A JP2001013627A JP 2001013627 A JP2001013627 A JP 2001013627A JP 2000177139 A JP2000177139 A JP 2000177139A JP 2000177139 A JP2000177139 A JP 2000177139A JP 2001013627 A JP2001013627 A JP 2001013627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
photothermographic
image
silver halide
photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000177139A
Other languages
English (en)
Inventor
C Lynch Doreen
シー.リンチ ドリーン
G Sukougu Paul
ジー.スコウグ ポール
Steven H Kong
エイチ.コング スティーブン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JP2001013627A publication Critical patent/JP2001013627A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • G03C1/34Fog-inhibitors; Stabilisers; Agents inhibiting latent image regression

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カブリ形成が最低限に抑えられたプリント安
定性に優れたフォトサーモグラフィー要素を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)感光性ハロゲン化銀;(b)非感
光性還元性銀源;(c)前記非感光性還元性銀源用の還
元剤;及び(d)バインダーを含む画像形成性被覆でコ
ーティングされた支持体を含んでなるフォトサーモグラ
フィー要素であって、一般構造式(I): 【化1】 [式中、XはO又はSであり、YはNH2 、OH又はO
- + (M+ は金属原子である)である]により表され
る化合物をさらに含むことを特徴とするフォトサーモグ
ラフィー要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトサーモグラ
フィー要素において安定化剤として有用な化合物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体現像液を使用せずに熱により現像さ
れるハロゲン化銀含有フォトサーモグラフィー画像形成
材料(すなわち熱現像可能な写真要素)は当該技術分野
において古くから知られている。これらの材料は「ドラ
イシルバー」組成物又は乳剤としても知られており、一
般的に、(a)照射された場合に銀原子を生成する感光
性化合物と;(b)比較的又は完全に非感光性還元性銀
源と;(c)銀イオン用の、例えば前記非感光性還元性
銀源中の銀イオン用の還元剤(すなわち現像剤)と;
(d)バインダー、でコーティングされた支持体を含
む。
【0003】フォトサーモグラフィー要素において、感
光性化合物は概して、非感光性還元性銀源に対して触媒
的近傍(catalytic proximity )に存在していなくては
ならない写真型感光性ハロゲン化銀である。触媒的近傍
は、感光性ハロゲン化銀の照射又は露光により銀原子
(銀微粒子、クラスター又は核としても知られている)
が生成する場合にそれらの核が銀微粒子の周りの影響が
及ぶ触媒球(catalyticsphere)内に存在する還元性銀
源の還元を触媒できるように、これらの2種の材料の密
接な物理的会合を必要とする。銀原子(Ag0 )が、銀
イオン還元用の触媒であること、及び種々の態様で感光
性ハロゲン化銀を非感光性還元性銀源の触媒的近傍に存
在させられることは古くから知られている(例えばRese
arch Disclosure (1978年6月)第17029項参
照)。
【0004】例えば還元性銀源にハロゲン含有源を添加
して部分複分解を行うことにより銀石鹸全体にわたって
ハロゲン化銀(AgX)粒子のin situ 形成をもたらす
ことによりハロゲン化銀をin situ 調製できる(例えば
米国特許第3,457,075号参照)。
【0005】ハロゲン化銀(AgX)粒子を水性溶剤又
は有機溶剤中で調製及び成長させるex situ 法によりハ
ロゲン化銀を予備形成及び調製してもよい。ハロゲン化
銀がex situ で調製される場合に、粒度、粒度分布、ド
ーパントレベル及び組成をかなり正確に制御できるた
め、in situ 法を用いる場合よりもかなりむらなくフォ
トサーモグラフィー要素により特殊な性質を付与できる
ことが従来技術で報告されている。
【0006】次に、ex-situ 調製されたハロゲン化銀粒
子を還元性銀塩に加えて還元性銀塩と物理的に混合す
る。ex-situ 調製された粒子の存在下で還元性銀塩を調
製することがより好ましい方法である。この方法におい
て、予備形成された粒子は、銀石鹸の形成に先立って導
入され、銀石鹸の形成の間存在する。ハロゲン化銀と還
元性銀源の共沈は、それらの2種の材料のより均質な混
合物を提供する(例えば、M. J. Simonsの米国特許第
3,839,049号参照)。
【0007】非感光性還元性銀源は銀イオンを含む物質
である。典型的には、好ましい非感光性還元性銀源は、
炭素原子数10〜30の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩で
ある。ベヘン酸の銀塩又は同様な分子量を有する酸の混
合物の銀塩が概して使用される。他の有機酸又は他の有
機化合物の塩、例えば銀イミダゾレート類も提案されて
いる。米国特許第4,260,677号は、非感光性還
元性銀源としての無機又は有機銀塩錯体の使用を開示し
ている。
【0008】写真乳剤及びフォトサーモグラフィー乳剤
の両方の場合において、写真用ハロゲン化銀の露光によ
って、銀原子(Ag0 )の小さなクラスターが生成す
る。これらのクラスターの像様分布は当該技術分野で潜
像として知られている。この潜像は通常の手段では一般
的に見えない。従って、可視画像が生じるように感光性
乳剤をさらに現像しなくてはならない。これは、銀原子
のクラスター(すなわち潜像)を支持するハロゲン化銀
粒子に対して触媒的近傍に存在する銀イオンの還元によ
り達成される。これによって、白黒画像が生じる。写真
要素において、このハロゲン化銀は、還元されると、従
来の白黒ネガティブ画像形成法で白黒ネガティブ画像を
形成する。フォトサーモグラフィー要素において、非感
光性銀源は、還元されると、可視白黒ネガティブ画像を
形成するが、ハロゲン化銀の大部分はハロゲン化銀のま
ま残って還元されない。
【0009】フォトサーモグラフィー要素において、し
ばしば「現像剤」と呼ばれる非感光性銀塩の銀イオン用
の還元剤は、銀イオンを金属銀に還元できる任意の化合
物、好ましくは任意の有機化合物であってよく、この還
元剤は好ましくは100℃よりも高い温度に加熱される
までは比較的活性が低いものである。高温では、潜像の
存在下で、非感光性還元性銀源(例えば銀カルボキシレ
ート)の銀イオンは、銀イオン用の還元剤により還元さ
れる。これによって、元素状銀のネガティブ白黒画像が
形成される。
【0010】没食子酸メチル、ヒドロキノン、置換ヒド
ロキノン類、カテコール、ピロガロール、アスコルビン
酸及びアスコルビン酸誘導体等の常用の写真現像剤は有
用であるが、それらは非常に反応性の高いフォトサーモ
グラフィー配合物並びにフォトサーモグラフィー要素の
調製及びコーティングの間のカブリをもたらす傾向があ
る。その結果、ヒンダードフェノール現像剤(すなわち
還元剤)が従来好まれていた。
【0011】フォトサーモグラフィーと写真の違い 画像形成分野では、フォトサーモグラフィーの属する分
野が写真の属する分野とはっきりと異なると長い間理解
されてきた。フォトサーモグラフィー要素は、湿式現像
処理を必要とする従来のハロゲン化銀写真要素とは著し
く異なる。
【0012】フォトサーモグラフィー画像形成要素にお
いて、可視画像は、要素内に含められた現像剤の反応に
より生じた熱によって生成する。現像に熱が不可欠であ
る。100℃を超える温度が通常必要とされる。対照的
に、従来の湿式現像処理型写真画像形成要素は、可視画
像を得るには水性現像処理浴(例えば、現像浴及び定着
浴)中での現像処理を必要とする。現像は、通常、より
穏やかな温度(例えば30℃〜50℃)で行われる。
【0013】フォトサーモグラフィー要素において、光
を捕捉するのにほんのわずかな量のハロゲン化銀が使用
され、熱により画像を生成させるために銀の種々の形態
物(例えば銀カルボキシレート)が使用される。すなわ
ち、非感光性還元性銀源の物理的現像に対してハロゲン
化銀が触媒としての作用を果たす。対照的に、従来の湿
式現像処理にかけられる白黒写真要素はただ1つの形態
の銀(例えばハロゲン化銀)を使用し、この銀は、化学
的現像の場合にはそれ自体が銀像に変換され、また物理
的現像の場合には外的銀源の添加を必要とする。さら
に、フォトサーモグラフィー要素は、単位面積当たりあ
る所定量のハロゲン化銀を必要とし、この量は、従来の
湿式現像処理ハロゲン化銀に使用される量の100分の
1程度の少量である。
【0014】フォトサーモグラフィーシステムは、銀カ
ルボキシレートのような非感光性銀塩を使用し、この非
感光性銀塩は潜像を現像する際に現像剤と協働する。対
照的に、化学的に現像される写真システムは、画像形成
プロセスに非感光性銀塩を直接使用することはない。そ
の結果、フォトサーモグラフィー要素において画像は、
非感光性銀源(銀カルボキシレート)の還元により主に
生じるが、写真白黒要素において画像はハロゲン化銀に
よって主に生じる。
【0015】フォトサーモグラフィー要素において、系
の「成分」の全てが要素自体に含まれる。例えば、フォ
トサーモグラフィー要素はその要素内に現像剤(すなわ
ち、非感光性還元性銀源用の現像剤)を含むが、従来の
写真要素は含まない。いわゆるインスタント写真におい
ても、現像剤の成分は、現像が望まれるまで感光性ハロ
ゲン化銀から物理的に分離される。フォトサーモグラフ
ィー要素への現像剤の導入は、種々のタイプの「カブ
リ」の形成の増大をもたらしうる。フォトサーモグラフ
ィー乳剤の調製の際並びにフォトサーモグラフィー要素
のコーティング、貯蔵及び現像処理後の取り扱いの際の
カブリの形成が最低限に抑えられるように、フォトサー
モグラフィー要素の調製及び生産に多大な努力が費やさ
れている。
【0016】フォトサーモグラフィー要素において、露
光されなかったハロゲン化銀は現像後に本質的に残留
し、要素はさらなる現像に対して安定化されていなくて
はならない。対照的に、ハロゲン化銀は現像後に写真要
素から除去され、さらなる画像形成を妨げる(すなわ
ち、定着工程)。
【0017】フォトサーモグラフィー要素において、バ
インダーは種々の態様をとることができ、多くのバイン
ダーがこれらの要素を調製するのに有用である。対照的
に、写真要素はゼラチンのような親水性コロイド状バイ
ンダーにほとんど専ら限られている。
【0018】フォトサーモグラフィー要素は熱現像処理
を必要とするため、生産及び使用の観点で種々の考慮す
べき事柄があり、はっきりと異なる問題がある。さら
に、画像形成プロセスに対して直接的作用を及ぼすこと
を意図した添加剤(例えば、安定化剤、カブリ防止剤、
感度増強剤、増感剤、超色増感剤等)の効果は、それら
の添加剤がフォトサーモグラフィー要素に含められたか
どうか又は写真要素に含められたかどうかに非常に依存
する場合がある。
【0019】これらの違い及び他の違いのために、従来
のハロゲン化銀写真においてある効果を有する添加剤
は、基本的な化学作用がかなり複雑であるフォトサーモ
グラフィー要素においては、全く違うように作用しう
る。例えば、カブリ防止剤に関し、フォトサーモグラフ
ィー要素に含まれた場合にハロゲン化銀システム用のカ
ブリ防止剤が種々のタイプのカブリを生じることが知ら
れていないわけではない。
【0020】フォトサーモグラフィー要素と写真要素の
違いは、J. Sturge 等編集のImaging Processes and Ma
terials (Neblette's Eighth Edition); Van Nostrand
Reinhold, New York, 1989) のChapter 9 に、E. Brinc
kman等編集のUnconventionalImaging Processes (The F
ocal Press, London and New York, 1978), pp.74-75
に、並びにC-f Zou, M. R. V. Shayun, B. Levy 及びN.
Serpone, J. ImagingSci. Technol. (1996) 40, 94-10
3に記載されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】フォトサーモグラフィ
ー要素におけるカブリ フォトサーモグラフィー要素においてより高い感光性が
得られるように、種手の技術が典型的に使用されてい
る。フォトサーモグラフィー要素の感光性をより高くし
ようとする試みにおいて、非常に低いレベルに保つのが
最も困難なパラメーターの1つは種々のタイプのカブリ
又はDmin である。カブリは、現像後の要素の非画像形
成領域に現れる正しくない画像濃度であり、往々にして
Dmin として感度測定値で記される。写真乳剤及び他の
感光性システムにおけるようにフォトサーモグラフィー
乳剤はカブリの影響を受けやすい。
【0022】フォトサーモグラフィー要素は、フォトサ
ーモグラフィー乳剤の調製及び貯蔵の間にカブリの影響
を受ける場合がある。これは「ポットライフ(pot-lif
e)」カブリと呼ばれる。さらに、フォトサーモグラフ
ィク要素は、フォトサーモグラフィー要素のコーティン
グ及び乾燥によって、カブリが増大する場合がある。こ
れは、「コーティングカブリ」と呼ばれている。「ポッ
トライフ」カブリ及びコーティングカブリによりもたら
される調製されたばかりのフォトサーモグラフィー要素
のカブリレベルを本明細書において初期カブリ又は初期
Dmin と呼ぶことにする。
【0023】さらに、フォトサーモグラフィー要素のカ
ブリ度は、要素が貯蔵されるか又は「老化」すると、往
々にして増加する。この種のカブリを、本明細書におい
て貯蔵老化カブリ(shelf-aging fog)と呼ぶことにす
る。貯蔵老化の際のカブリ制御の困難性に加えて、フォ
トサーモグラフィー要素に現像剤を含めることに関する
困難性がある。フォトサーモグラフィー要素の貯蔵寿命
特性を改良することに多大な労力が費やされている。
【0024】フォトサーモグラフィーシステムにおける
第3のタイプのカブリは、現像処理後の画像及び/又は
背景の不安定性に帰因する。非画像形成領域の画像の濃
度又はDmin は経時的に増加する。このタイプのカブリ
は「プリント不安定性」、「現像処理後カブリ」又は
「銀焼出し」のように、様々に知られている。現像処理
後カブリの1つの原因は、現像された画像に依然として
存在する感光性ハロゲン化銀が金属銀の形成を触媒し続
けることにある。もう1つの原因は、増感剤、ハレーシ
ョン防止材料、安定化剤等のフォトサーモグラフィー要
素中の他の材料の分解にある。現像処理後カブリは、往
々にして長時間の室内光下での取り扱いから生じる。現
像処理後カブリは、画像形成及び現像されたフォトサー
モグラフィー要素がライトボックス上に放置されたり、
例えば宅配便業者又は患者によって熱い乗物内で輸送さ
れる間のように長期間貯蔵されたり、フォトマスクとし
て使用される場合に、特に顕著な場合があり、グラフィ
ックアート用コンタクトフレーム(contact flame )に
おけるような現像処理後露光を必要とする。
【0025】カラーフォトサーモグラフィー要素におい
て、往々にして、未反応の色素形成又は色素放出性化合
物は、徐々に酸化して露光されなかった領域に着色領域
を形成する。これらの要素において、「ロイコ色素背
景」を減少させるために、安定化剤が往々にして添加さ
れる。
【0026】米国特許第5,686,228号には、白
黒フォトサーモグラフィー要素及びサーモグラフィー要
素用のカブリ防止剤としてのプロペンニトリル化合物の
使用が記載されている。米国特許第5,460,938
号には、フォトサーモグラフィー要素におけるカブリ防
止剤としての2−(トリブロモメチルスルホニル)キノ
リンの使用が記載されている。2−(4−クロロベンゾ
イル)安息香酸、ベンゾトリアゾール及びテトラクロロ
フタル酸もフォトサーモグラフィー要素におけるカブリ
防止剤として使用された。
【0027】あらゆるタイプのカブリを抑制するととも
にフォトサーモグラフィー要素に対して悪影響を及ぼさ
ない改良された安定化剤化合物が依然として必要とされ
ている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般構造式
(I)又は(II)により表される化合物をフォトサー
モグラフィー要素において、好ましくは白黒フォトサー
モグラフィー要素においてカブリ防止剤及び安定化剤と
して使用できることを示す。前記化合物は、「ポットラ
イフ」カブリ及び現像処理後カブリを減少させることに
特に有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のフォトサーモグラフィー
要素は、 (a)感光性ハロゲン化銀; (b)非感光性還元性銀源; (c)前記非感光性還元性銀源用の還元剤;及び (d)バインダー;を含む画像形成性被覆(具体的に
は、感光性の画像形成性フォトサーモグラフィーコーテ
ィング)でコーティングされた支持体を含んでなり、一
般構造式(I):
【0030】
【化5】
【0031】[式中、XはO又はSであり、YはN
2 、OH又はO- + (M+ は金属原子である)であ
る]により表される化合物をさらに含むことを特徴とす
る。
【0032】もう1つの態様において、一般構造式
(I)により表される化合物のベンゼン環は、一般構造
式(II):
【0033】
【化6】
【0034】(式中、X及びYは上記定義の通りであ
り、Rは水素、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原
子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数1〜10、好
ましくは炭素原子数1〜6のアルコキシ基であり、Zは
H、COOH又はCONH2 である)により表される化
合物に示されるように置換されている。
【0035】本発明は、高写真感度、高解像度で良好な
鮮鋭度を有する安定な高濃度画像、乾式急速現像処理を
用いる良好な貯蔵性を提供することのできる熱現像可能
なフォトサーモグラフィー要素を提供する。
【0036】本発明のフォトサーモグラフィー要素を、
例えば、従来の白黒フォトサーモグラフィーに、電気的
に生成する白黒ハードコピー記録に、グラフィック技術
分野(例えばイメージセッティング及びフォトタイプセ
ッティング)に、デジタルプルーフィングに、及びデジ
タルラジオグラフィック画像形成に使用できる。さら
に、350ナノメートル(nm)〜450nmの間のこ
れらのフォトサーモグラフィー要素の吸収(0.50未
満)は、密着焼付け、プルーフィング及び複製(デュー
ピング)等のグラフィックアート分野でそれらを使用で
きるほど十分に低い。
【0037】本発明のフォトサーモグラフィー要素にお
いて、画像形成性被覆の構成要素は、1層以上の層状形
態をとることができる。感光性ハロゲン化銀及び非感光
性還元性銀源を含む層を本明細書において乳剤層と呼
ぶ。ハロゲン化銀と非感光性還元性銀源とは触媒的近傍
に存在し、好ましくは同一乳剤層中に存在する。本発明
によると、一般構造式(I)又は(II)により表され
る化合物を、乳剤層に添加しても乳剤層に隣接する1つ
以上の層に添加してもよい。乳剤層に隣接する層は、例
えば保護トップコート層、プライマー層、中間層、不透
明化層、帯電防止層、ハレーション防止層、バリヤー
層、補助層等であってよい。一般構造式(I)又は(I
I)により表される化合物がフォトサーモグラフィー乳
剤層又はトップコート層中に存在することが好ましい。
【0038】本発明は、本発明のフォトサーモグラフィ
ー要素をまず電磁波に暴露してその後に加熱することに
よる可視画像の形成方法も提供する。本発明は、1つの
態様において、 (a)紫外線又は短波長可視光に対して透明な支持体上
の本発明のフォトサーモグラフィー要素を、この要素の
感光性ハロゲン化銀が感じる電磁波に暴露して潜像を生
成させ; (b)暴露された要素を加熱して潜像を可視画像に現像
し; (c)可視画像をその上に有する要素を紫外線又は短波
長可視光エネルギー源と紫外線又は短波長可視光に感光
性の画像形成可能な媒体との間に配置し; (d)その後、前記要素上の可視画像を通して前記画像
形成可能な媒体を紫外線又は短波長可視光に暴露するこ
とによって、可視画像が存在する前記要素の領域におい
て紫外線又は短波長可視光を吸収させるとともに前記要
素上の可視画像が存在しない領域において紫外線又は短
波長紫外線を透過させること;を含む方法を提供する。
【0039】本発明において使用されるフォトサーモグ
ラフィー要素が、実質的に水が存在しない条件で、像様
露光後又は像様露光と同時に、好ましくは80℃〜25
0℃(176°F〜482°F)の温度で、1秒間〜2
分間を要して熱現像される場合に、白黒銀画像が得られ
る。フォトサーモグラフィー要素は、工程(a)におい
て、可視光、赤外線、又は例えば赤外レーザー、レーザ
ーダイオード又は赤外レーザーダイオードからのレーザ
ー放射線に暴露されてもよい。
【0040】本発明のフォトサーモグラフィー要素に関
する記述において、ある成分が記載されている場合に
は、その成分の1種以上をも包含する。例えば、上記要
素において、一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる化合物は、一般構造式(I)により表される1種以
上の化合物であっても、一般構造式(II)により表さ
れる1種以上の化合物であっても、そのような化合物の
混合物であってもよい。
【0041】実質的に水が存在しない条件での加熱なる
表現は、本明細書で用いる場合に、せいぜい周囲水蒸気
程度の水が存在する80℃〜250℃の温度での加熱を
意味する。「実質的に水が存在しない条件」なる用語
は、反応系が空気中の水とほぼ平衡を保った関係にあ
り、反応を誘導又は促進するための水が要素の外部から
特別に又は積極的に供給されないことを意味する。その
ような条件は、T. H. James, The Theory of the Photo
graphic Process (Fourth Edition, Macmillan 1977) p
age 374 に記載されている。
【0042】本明細書において、「フォトサーモグラフ
ィー要素」とは、少なくとも1つのフォトサーモグラフ
ィー乳剤層又は層の2トリップフォトサーモグラフィー
集合体(two trip photothermographic set )(「ハロ
ゲン化銀及び還元性銀源が1つの層に存在し、他の必須
成分又は望ましい添加剤が隣接コーティング層中に望ま
しいように分布する2トリップコーティング」)及び任
意の支持体、トップコート層、像受容層、ブロッキング
層、ハレーション防止層、下塗り層又は下引き層等を含
む構造体を意味する。
【0043】「乳剤層」又は「フォトサーモグラフィー
乳剤層」とは、感光性ハロゲン化銀及び非感光性還元性
銀源材料を含むフォトサーモグラフィー要素の層を意味
する。「スペクトルの紫外領域」とは、400nm以下
のスペクトル領域、好ましくは100nm〜400nm
のスペクトル領域(場合によっては405又は410n
mまでの周辺の値を含むが、これらの範囲は往々にして
人間の肉眼に見える)を意味し、好ましくは100nm
〜400nmのスペクトル領域を意味する。より好まし
くは、スペクトルの紫外領域は190nm〜400nm
の領域である。
【0044】「スペクトルの可視領域」とは、400n
m〜750nmを意味する。「スペクトルの短波長可視
領域」とは、400nm〜450nmのスペクトル領域
を意味する。「スペクトルの赤領域」とは、640nm
〜750nmを意味する。好ましくはスペクトルの赤領
域は650nm〜700nmである。「スペクトルの赤
外領域」とは、750nm〜1400nmを意味する。
【0045】この分野でよく認識されているように、本
発明に使用される化合物に対する置換は許容されるばか
りか往々にして推奨され、本発明に使用される化合物に
対する置換を考慮する。
【0046】本明細書で開示される化合物において、あ
る化合物について所与の式の「一般構造式により表され
る」と記されている場合には、その式の結合構造又はそ
の構造中の示されている原子を変えない任意の置換基
が、言葉によって(例えば「カルボキシ置換アルキルを
含まない」というような言葉によって)そのような置換
基が明確に排除されると断らない限り、その式の中に含
まれている。例えば、ベンゼン環構造が示されている場
合に、ベンゼン環構造に置換基が存在していても良い
が、ベンゼン環構造を構成している原子が置換されてい
てもよいわけではない。すなわち、前記一般構造式にお
いて、ベンゼン環はさらなる置換基を含んでいる場合が
ある。
【0047】ここでの議論及び特定の置換基に関する詳
述を簡略化するために、「基」及び「部分」なる用語を
使用して置換されていても良い化学種と置換されていて
はならない化学種とを区別する。「基」なる用語を使用
する場合に、例えば「アリール基」なる用語は置換基を
表すために使用する用語であり、そのような場合の置換
基は文字通り定義される基本的な基に加えてさらなる置
換基の使用も包含する。「部分」なる用語を使用して置
換基を表す場合に、置換されていない基のみが包含され
る。例えば、「アルキル基」なる表現は、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、
iso −オクチル、オクタデシル等の純粋な炭化水素アル
キル鎖だけでなく、当該技術分野で知られている置換
基、例えばヒドロキシル、アルコキシ、フェニル、ハロ
ゲン原子(F,Cl,Br及びI)、シアノ、ニトロ、
アミノ、カルボキシ等を有するアルキル鎖も包含され
る。例えば、アルキル基はエーテル基(例えばCH3
CH2 −CH2 −O−CH2 −)、ハロアルキル、ニト
ロアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキ
ル、スルホアルキル等を含む。一方、「アルキル部分」
なる表現は、例えばメチル、エチル、プロピル、t−ブ
チル、シクロヘキシル、iso −オクチル、オクタデシル
等の純粋な炭化水素アルキル鎖のみを包含するにとどま
る。他の活性成分と意に添わないように反応する置換
基、例えば非常に求電子性の強い置換基又は非常に酸化
作用の強い置換基も、当業者によって不活性又は無害で
あるとみなされない限り、当然のことながら排除され
る。
【0048】本発明の他の側面、長所及び利点は詳細な
説明、実施例及び請求の範囲から明らかである。医用画
像は、医学的診断を行うために放射線技術者により使用
される。従って、医用画像をライトボックス上に放置し
たり、例えば宅配便業者又は患者によって熱い乗物内で
輸送される間のような長期間保存されたりした場合に生
じる画像の劣化は望ましくない。
【0049】この理由から、ほんの最近になって、画像
形成システムにおける湿式ハロゲン化銀に代わる、フォ
トサーモグラフィーシステムの幅広い使用が見いだされ
始めた。ヨーロッパ特許出願公開第0627660号及
び米国特許第5,434,043号には、例えばハレー
ション防止システムと、平均粒度0.10μm未満のハ
ロゲン化銀粒子と、医用又はグラフィックアートレーザ
ー記録用途に関する要件を満足する赤外フォトサーモグ
ラフィー製品をもたらす赤外超色増感剤とを含むフォト
サーモグラフィー要素の特徴及び特性のほとんどが記載
されている。
【0050】我々は、下記一般構造式(I)により表さ
れる化合物が種々のタイプのカブリに対してフォトサー
モグラフィー要素を安定化させることを見いだした。そ
れらの化合物が一般構造式(I):
【0051】
【化7】
【0052】[式中、XはO又はSであり、YはN
2 、OH又はO- + (M+ は金属原子である)であ
る]により表される。
【0053】一般構造式(I)により表される化合物中
のベンゼン環には種々の置換が可能である。非限定的な
置換基として、アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、iso −プロピル等);アルケニル基;アルカ
リール基(例えば、p−トリル);アラルキル基(例え
ば、ベンジル);カルボン酸基又はカルボン酸エステル
基(例えば、C(O)OH、C(O)O−R1 );アミ
ド基及び窒素置換アミド基(例えば、C(O)NH2
C(O)NHR1 、C(O)NR1 2 );ハロゲン基
(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);アルコキシ
基又はアリールオキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、フェノキシ等);シアノ;アルキルスルホニル基又
はアリールスルホニル基が挙げられる。ベンゼン環上に
1つ以上の置換基が存在することも考慮する。この種の
化合物並びにそれらの調製及び導入方法は有機化学分野
の通常の知識を有する者に知られている。多くが商業的
に入手可能である。
【0054】もう1つの態様において、一般構造式
(I)により表される化合物のベンゼン環は、一般構造
式(II):
【0055】
【化8】
【0056】(式中、X及びYは上記定義の通りであ
る)により表される化合物で示されるように置換されて
いる。好ましくは、ベンゼン環上の置換基Rは水素、炭
素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6のアル
キル基、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1
〜6のアルコキシ基である。好ましくは、ベンゼン環上
の置換基ZはH、COOH又はCONH2 である。
【0057】一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる化合物において、Yが金属原子である場合には、そ
の金属が周期表第Ia族又は第Ib族に属する金属であ
ることが好ましい。金属原子がリチウム、ナトリウム又
はカリウムのようなアルカリ金属原子であることがより
好ましい。Yが金属原子である場合に、一般構造式
(I)又は(II)の化学量論は示されているものと若
干異なる場合があることが理解される。Yが金属原子で
ある場合に、その金属原子が一般構造式(I)又は(I
I)により表される化合物に色を付与すべきでないこと
も、金属が感光性若しくは感熱性のものでないことも理
解されるべきである。
【0058】画像形成科学における一般構造式(I)又
は(II)により表される化合物の使用はあまり報告さ
れていないようである。Kodak に譲渡された"Control o
f the Electrostatic Properties of Photographic Mat
erial"と題されたDE2,234,736(Chem. Abst
r. 79:85,631)には、写真フィルムが摩擦接触のもとで
静電荷を生じる傾向を低減するための剤として化合物I
−3(以下に示す)が記載されている。富士写真フィル
ムに譲渡された"Photographic Metal-Chelating Compou
nd" と題されたEP743558には、写真フィルムの
漂白の間に金属キレート化化合物として有用な化合物が
記載されている。関連する化合物が見られるOriental P
hotoに譲渡された特開昭57−147627号公報に
は、XがCH2 、YがOH、ZがC(O)CC2 5
ある化合物のフォトサーモグラフィー要素における使用
が記載されている。
【0059】前述のように、フォトサーモグラフィー要
素は、フォトサーモグラフィー乳剤の調製及び貯蔵の間
に「ポットライフ」カブリを被る場合がある。我々は、
フォトサーモグラフィー要素に一般構造式(I)又は
(II)により表される化合物を導入することによっ
て、「ポットライフ」カブリに対するフォトサーモグラ
フィー乳剤の安定化を促進できることを見いだした。
【0060】前述のように、フォトサーモグラフィー要
素は、「現像処理後」カブリを被る傾向がある。これ
は、ライトボックス上で又は高温の暗室内に貯蔵された
場合に、数日間後にDmin が増加していることから確認
される。Dmin の増加速度は、ライトボックスの光度及
び温度に依存する。我々は、フォトサーモグラフィー要
素に一般構造式(I)又は(II)により表される化合
物を含めることによって、プリント安定性を保ち、か
つ、Dmin の増加開始を遅らせるとともに、他のカブリ
防止剤及び安定化剤のより少ない量での使用が可能であ
ることを見いだした。
【0061】理論に束縛されるわけではないが、出願人
は、X及びY基が、所望せずに形成された銀原子と錯化
して非感光性還元性銀源の触媒的現像を妨げ、それによ
ってフォトサーモグラフィー要素に安定性を付与しうる
と考える。
【0062】一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる化合物は、当該技術分野で周知の手法により及び以
下に記載の手法により調製できる。本発明において有用
な代表的な化合物を以下に示す。これらの代表的なもの
は例示を目的としたものであって、限定を意図したもの
ではない。
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】以下の化合物は、望ましいコーティング溶
剤(例えば、MEK又はメタノール)に不溶であり、被
覆されるフォトサーモグラフィー乳剤をカブらせる比較
用化合物である。
【0066】
【化11】
【0067】XがNHである化合物も、フォトサーモグ
ラフィー乳剤に含まれた場合に、カブリ防止性を与えな
いようである。
【0068】本発明のフォトサーモグラフィー要素を、
カブリの生成に対してさらに保護することができ、ま
た、貯蔵中の感度の低下に対してさらに安定化すること
もできる。本発明の実施化に必要ではないが、乳剤層に
カブリ防止剤として水銀(II)塩を添加することが都
合良い場合がある。この目的に対して好ましい水銀(I
I)塩は酢酸水銀及び臭化水銀である。
【0069】単独で又は本明細書に記載の化合物との組
み合わせで使用できる他の適切なカブリ防止剤及び安定
化剤としては、米国特許第2,131,038号及び第
2,694,716号に記載されているチアゾリウム塩
類;米国特許第2,886,437号に記載されている
アザインデン類;米国特許第2,444,605号に記
載されているトリアザインドリジン類;米国特許第2,
728,663号に記載されている水銀塩;米国特許第
3,287,135号に記載されているウラゾール類;
米国特許第3,235,652号に記載されているスル
ホカテコール類;英国特許第623,448号に記載さ
れているオキシム類;米国特許第2,839,405号
に記載されている多価金属塩;米国特許第3,220,
839号に記載されているチウロニウム塩類;米国特許
第2,566,263号及び第2,597,915号に
記載されているパラジウム塩、白金塩及び金塩;米国特
許第5,460,938号に記載されている2−(トリ
ブロモメチルスルホニル)キノリン化合物が挙げられ
る。現像の間に熱を加えることで安定化剤を放出できる
安定化剤前駆体化合物を、本発明の安定化剤と組み合わ
せて使用してもよい。そのような前駆体化合物は例えば
米国特許第5,158,866号、第5,175,08
1号、第5,298,390号及び第5,300,42
0号に記載されている。
【0070】感光性ハロゲン化銀 前述のように、本発明は、感光性ハロゲン化銀を含む。
感光性ハロゲン化銀は、例えば臭化銀、ヨウ化銀、塩化
銀、臭ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀、塩臭化銀等の任意の感
光性ハロゲン化銀であってよい。ハロゲン化銀は、限定
するわけではないが、立方晶、8面体晶、斜方12面体
晶、斜方晶、4面体晶、その他の多面体晶癖等を含む、
感光性である任意の形態であってもよく、エピタキシャ
ル成長結晶を有していても良い。ハロゲン化銀粒子はハ
ロゲン化物の全体にわたって均一なハロゲン化物比を有
しうる。ハロゲン化銀粒子は、例えば臭化銀とヨウ化銀
についての比が連続的に変化する勾配のついたハロゲン
化物含有量を有していても、ハロゲン化銀粒子が、ある
ハロゲン化物比を有する別個のコアと、別のハロゲン化
物比を有する別個のシェルを有するコア−シェル型のも
のであってもよい。フォトサーモグラフィー要素及びこ
れらの材料を調製する方法において有用なコア−シェル
型ハロゲン化銀粒子は米国特許第5,382,504号
に記載されている。イリジウムドープしたコアを有する
コア−シェル型ハロゲン化銀粒子は特に好ましい。この
種のイリジウムドープしたコア−シェル型ハロゲン化銀
粒子は米国特許第5,434,043号に記載されてい
る。
【0071】感光性ハロゲン化銀が還元性銀源として作
用する非感光性還元性銀化合物に対して触媒的近傍に位
置する限り、任意の態様で感光性ハロゲン化銀を乳剤層
に添加することができる。
【0072】ハロゲン化銀はex situ 法により予備形成
及び調製されることが好ましい。exsitu 調製されたハ
ロゲン化銀粒子を、次に還元性銀源に添加して還元性銀
源と物理的に混合してよい。ex situ 調製されたハロゲ
ン化銀の存在下で非感光性還元性銀源を形成することが
より好ましい。この方法において、予備形成されたハロ
ゲン化銀粒子の存在下で銀石鹸が形成される。ハロゲン
化銀と還元性銀源の共沈は、この2種の材料のより均質
な混合物を提供する(例えば、M. J. Simonsの米国特許
第3,839,049号参照)。この種の材料は往々に
して「予備形成された乳剤(pre-formed emulsions)」
と呼ばれる。
【0073】フォトサーモグラフィー要素を使用する本
発明の実施化において、赤外増感されたフォトサーモグ
ラフィー材料では0.10μm未満の予備形成されたハ
ロゲン化銀粒子を使用することが望ましい。前掲のヨー
ロッパ特許出願公開第0627660号及び前記米国特
許第5,434,043号に開示されているイリジウム
ドープしたハロゲン化銀粒子及びイリジウムドープした
コア−シェル型ハロゲン化銀粒子を使用することも好ま
しい。
【0074】本発明の材料中で使用される予備形成され
たハロゲン化銀乳剤は、洗浄されていなくても、可溶性
塩を除去するために洗浄されたものであってもよい。後
者の場合、可溶性塩は、冷却固化及び滲出により除去す
るか、又は乳剤を凝固洗浄(例えば米国特許第2,61
8,556号、第2,614,928号、第2,56
5,418号、第3,241,969号及び第2,48
9,341号に記載されている手法により)してもよ
い。
【0075】ハロゲン含有化合物を有機銀塩に添加して
その有機銀塩の銀をハロゲン化銀に部分的に転化させる
in situ 法を利用することも有効である。これらのハロ
ゲン化銀及び有機銀塩のさらなる調製方法及びそれらを
ブレンドする手法はResearch Disclosure (1978年
6月)第17029項;米国特許第3,700,458
号及び第4,076,539号;並びに特願昭第49−
13224号、第51−42529号及び第50−17
216号公報に記載されている。
【0076】本発明のフォトサーモグラフィー要素で使
用される感光性ハロゲン化銀は、非感光性還元性銀塩1
モル当たり好ましくは0.005モル〜0.5モル、よ
り好ましくは0.01モル〜0.15モル、最も好まし
くは0.03モル〜0.12モルの量で存在する。
【0077】増感剤 本発明において使用されるハロゲン化銀は、従来の湿式
現像処理ハロゲン化銀写真材料又は最新の熱現像可能な
フォトサーモグラフィー要素を増感するのに使用される
ものと同様に化学増感及び分光増感されてもよい。
【0078】例えば、本発明において使用されるハロゲ
ン化銀を、化学増感剤、例えば硫黄、セレン若しくはテ
ルル等を含む化合物又は金、白金、パラジウム、ルテニ
ウム、ロジウム、イリジウム若しくはそれらの組み合わ
せ等を含む化合物、還元剤、例えばハロゲン化錫等、又
はそれらの組み合わせを使用して化学増感してもよい。
これらの方法の詳細は、T. H. James, The Theory of t
he Photographic Process, Fourth Edition, Chapter
5, pp. 149-169 に記載されている。適切な化学増感法
は、米国特許第1,623,499号、第2,399,
083号、第3,297,447号及び第3,297,
446号にも開示されている。化学増感の1つの好まし
い方法は、フォトサーモグラフィー乳剤の存在下での分
光増感色素の酸化的分解によるものである。そのような
方法は、Winslow 等のPCT 公開第WO98/45754
号(1997年4月8日に出願された米国特許出願第0
8/841,953号)に記載されている。
【0079】感光性ハロゲン化銀への増感色素の添加
は、分光増感による可視光及び赤外光に対する高い感度
を感光性ハロゲン化銀に付与する働きがある。従って、
ハロゲン化銀を分光増感する種々の既知の色素により感
光性ハロゲン化銀を分光増感することができる。使用で
きる増感色素の非限定的な例として、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、錯体シアニン色素、錯体メロシアニン
色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、
スチリル色素及びヘミオキサノール色素が挙げられる。
これらの色素のうちで、シアニン色素、メロシアニン色
素及び錯体メロシアニン色素が特に有用である。例えば
米国特許第3,719,495号、第5,393,65
4号、第5,441,866号及び第5,541,05
4号に記載されているような適切な増感色素が特に有効
である。添加される増感色素の適切な量は概して、ハロ
ゲン化銀1モル当たり10-10〜10-1モル、好ましく
は10-8〜10-3モルである。
【0080】超色増感剤 フォトサーモグラフィー要素の感度及び感光度を向上さ
せるために、往々にして超色増感剤を使用することが望
ましい。光に対する感度を高める任意の超色増感剤を使
用できる。例えば、好ましい赤外超色増感剤はヨーロッ
パ特許出願公開第0559228号に記載されており、
好ましい赤外増感剤としては、式:Ar−S−M及びA
r−S−S−Ar(式中、Mは水素原子又はアルカリ金
属原子を表す)により表される複素芳香族メルカプト化
合物又は複素芳香族ジスルフィド化合物が挙げられる。
【0081】前述の超色増感剤において、Arは1個以
上の窒素、硫黄、酸素、セレン又はテルル原子を含む複
素芳香環又は縮合複素芳香環を表す。好ましくは、複素
芳香環は、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、
ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾ
ール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベン
ゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾ
ール、トリアゾール、チアゾール、チアジアゾール、テ
トラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピ
ラジン、ピリジン、プリン、キノリン又はキナゾリノン
を含む。しかしながら、他の複素芳香環を有する化合物
も、本発明の要素における使用に適する超色増感剤とし
て考えられる。
【0082】複素芳香環は置換基を有していても良い。
好ましい置換基の例は、ハロゲン(例えばBr及びC
l)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例
えば炭素原子数1以上、好ましくは1〜4のアルキル)
及びアルコキシ(例えば炭素原子数1以上、好ましくは
1〜4のアルコキシ)からなる群から選ばれるものであ
る。
【0083】最も好ましい超色増感剤は、2−メルカプ
トベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベ
ンゾイミダゾール(MMBI)、2−メルカプトベンゾ
チアゾール及び2−メルカプトベンゾオキサゾール(M
BO)である。
【0084】使用される場合には、超色増感剤は乳剤層
中の銀1モル当たり少なくとも0.001モルの量で乳
剤層中に存在することが好ましい。より好ましくは、超
色増感剤はハロゲン化銀1モル当たり0.001モル〜
1.0モル、最も好ましくはハロゲン化銀1モル当たり
0.01モル〜0.3モルの範囲内の量で存在する。
【0085】非感光性の還元性銀源材料 本発明の要素において使用される非感光性還元性銀源
は、還元性銀イオン源を含む任意の物質であってよい。
好ましくは、非感光性還元性銀源は、光に対して比較的
安定であり、露光された光触媒(例えばハロゲン化銀)
及び還元剤の存在下で80℃以上に加熱されると銀像を
形成する銀塩である。
【0086】有機酸の銀塩、特に長鎖脂肪族カルボン酸
の銀塩が好ましい。その鎖は、典型的には10〜30、
好ましくは15〜28個の炭素原子を含む。適切な有機
銀塩としては、カルボキシル基を有する有機化合物の銀
塩が挙げられる。それらの例としては、脂肪族カルボン
酸の銀塩及び芳香族カルボン酸の銀塩が挙げられる。脂
肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸
銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、
ラウリン酸銀、カプリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミ
チン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ
酸銀、リノレン酸銀、酪酸銀、樟脳酸銀、及びこれらの
混合物が挙げられる。ハロゲン原子又はヒドロキシル基
で置換できる銀塩も有効に使用できる。芳香族カルボン
酸の銀塩及び他のカルボキシル基含有化合物の好ましい
例としては、安息香酸銀、置換安息香酸銀、例えば3,
5−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、
m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4
−ジクロロ安息香酸銀、アセトアミド安息香酸銀、p−
フェニル安息香酸銀等;没食子酸銀;タンニン酸銀;フ
タル酸銀;テレフタル酸銀;サリチル酸銀;フェニル酢
酸銀;ピロメリット酸銀;米国特許第3,785,83
0号に記載されているような3−カルボキシメチル−4
−メチル−4−チアゾリン−2−チオン等の銀塩;米国
特許第3,330,663号に記載されているようなチ
オエーテル基を含有する脂肪族カルボン酸の銀塩が挙げ
られる。コーティング溶剤への可溶性が高く光散乱性が
低いコーティングが得られる可溶性カルボン酸銀塩を使
用することもできる。そのようなカルボン酸銀塩は米国
特許第5,491,059号に記載されている。
【0087】メルカプト基又はチオン基を含有する化合
物及びそれらの誘導体の銀塩を使用することもできる。
これらの化合物の好ましい例としては、3−メルカプト
−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩;2
−メルカプトベンゾイミダゾールの銀塩;2−メルカプ
ト−5−アミノチアジアゾールの銀塩;2−(2−エチ
ルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩;チオグ
リコール酸の銀塩、例えばS−アルキルチオグリコール
酸(アルキル基の炭素原子数12〜22)の銀塩;ジチ
オカルボン酸の銀塩、例えばジチオ酢酸の銀塩;チオア
ミドの銀塩;5−カルボキシル−1−メチル−2−フェ
ニル−4−チオピリジンの銀塩;メルカプトトリアジン
の銀塩;2−メルカプトベンゾオキサゾールの銀塩;米
国特許第4,123,274号に記載されているような
銀塩、例えば3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−チアゾールの銀塩のような1,2,4−メルカプト
チアゾール誘導体の銀塩;及びチオン化合物の銀塩、例
えば米国特許第3,201,678号に開示されている
ような3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4
−チアゾリン−2−チオンの銀塩が挙げられる。
【0088】さらに、イミノ基を含有する化合物の銀塩
を使用できる。それらの化合物の好ましい例として、ベ
ンゾトリアゾール及びそれらの置換誘導体の銀塩、例え
ば銀メチルベンゾトリアゾール及び銀5−クロロベンゾ
トリアゾール等;米国特許第4,220,709号に記
載されているような1,2,4−トリアゾール類又は1
−H−テトラゾールの銀塩;並びにイミダゾール類及び
イミダゾール誘導体の銀塩が挙げられる。
【0089】アセチレンの銀塩を使用することもでき
る。銀アセチリドは、米国特許第4,761,361号
及び第4,775,613号に記載されている。銀ハー
フ石鹸(half soap )を使用することが便利であること
も分かっている。銀ハーフ石鹸の好ましい例は、銀カル
ボキシレートとカルボン酸の等モルブレンドであって、
ブレンド中の銀固形分が約14.5質量%と分析され、
市販のカルボン酸ナトリウム塩の水溶液からの沈澱によ
り調製されたものである。
【0090】透明フィルム裏地上に調製される透明シー
ト材料は透明コーティングを必要とする。この目的に対
し、15%以下の遊離カルボン酸を含み、銀分析値が2
2%であるカルボン酸銀塩フル石鹸(full soap )を使
用できる。
【0091】銀石鹸乳剤の調製に使用される方法は当該
技術分野で周知であり、Research Disclosure (198
3年4月)第22812項、Research Disclosure (1
983年10月)第23419項、及び米国特許第3,
985,565号に開示されている。
【0092】現像の出発点を形成するハロゲン化銀及び
非感光性還元性銀源は、触媒的近傍(すなわち反応性会
合)していなければならない。「触媒的近傍」又は「反
応性会合」とは、ハロゲン化銀と非感光性還元性銀源と
が、同一層内、隣接層内、又は厚さ1マイクロメートル
(μm)未満の中間層によって互いに分離されている層
内に存在すべきことを意味する。ハロゲン化銀及び非感
光性還元性銀源が同一層内に存在することが好ましい。
【0093】予備形成されたハロゲン化銀を含むフォト
サーモグラフィー乳剤を、前述のように化学増感剤及び
/又は分光増感剤により増感できる。還元性銀源は、乳
剤層の全質量を基準にして好ましくは5質量%〜70質
量%、より好ましくは10質量%〜50質量%の量で存
在する。
【0094】非感光性の還元性銀源のための還元剤シス
テム 有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元で
きる任意の化合物、好ましくは有機化合物であってよ
い。常用の写真現像剤、例えばフェニドン、ヒドロキノ
ン類及びカテコールが有用であるが、ヒンダードフェノ
ール還元剤又はヒンダードフェノール還元剤の混合物が
好ましい。
【0095】ヒンダードフェノール現像剤は、1つの特
定のフェニル環上にヒドロキシ基を1個だけ含み、か
つ、そのヒドロキシ基に対してオルト位に位置するさら
なる置換基を少なくとも1個有する化合物である。ヒン
ダードフェノール現像剤は、(ヒドロキノン類において
確認されるように)同一フェニル環上の2個のヒドロキ
シ基を含む従来の写真現像剤とは異なる。ヒンダードフ
ェノール現像剤は、各ヒドロキシ基が異なるフェニル環
上に存在する限り1個よりも多くのヒドロキシ基を含ん
でいても良い。ヒンダードフェノール現像剤としては、
例えば、ビナフトール類(すなわちジヒドロキシビナフ
チル類)、ビフェノール類(すなわちジヒドロキシビフ
ェニル類)、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン類、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)メタン類、ヒンダードフェノ
ール類、及びヒンダードナフトール類が挙げられ、これ
らはさまざまに置換されたものであってもよい。
【0096】非限定的な代表的ビナフトール類として
は、1,1’−ビ−2−ナフトール;1,1’−ビ−4
−メチル−2−ナフトール;及び6,6’−ジブロモ−
ビ−2−ナフトールが挙げられる。さらなる化合物につ
いては、米国特許第5,262,295号の第6欄第1
2〜13行を参照されたい。
【0097】非限定的な代表的ビフェノール類として
は、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチ
ル−5,5−ジメチルビフェニル;2,2’−ジヒドロ
キシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−ビフ
ェニル;2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−
ブチル−5,5’−ジクロロビフェニル;2−(2−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4
−メチル−6−n−ヘキシルフェノール;4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’5,5’−テトラ−t−ブチルビ
フェニル;及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’5,
5’−テトラメチルビフェニルが挙げられる。さらなる
化合物については、米国特許第5,262,295号の
第4欄第17〜47行を参照されたい。
【0098】非限定的な代表的ビス(ヒドロキシナフチ
ル)メタン類としては、4,4’−メチレンビス(2−
メチル−1−ナフトール)が挙げられる。さらなる化合
物については、米国特許第5,262,295号第6欄
第14〜16行を参照されたい。
【0099】非限定的な代表的ビス(ヒドロキシフェニ
ル)メタン類としては、ビス(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−メチルフェニル)メタン(CAO−
5);1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(NONO
X;PERMANAX WSO);1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;
4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチ
ルフェノール);1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)イソブタン(LOWINOX 22IB4
6);及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンが挙げられる。さらなる化合
物については、米国特許第5,262,295号の第5
欄第63行〜第6欄第8行を参照されたい。
【0100】非限定的な代表的ヒンダードフェノール類
としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,4−ジ
−t−ブチルフェノール;2,6−ジクロロフェノー
ル;2,6−ジメチルフェノール;及び2−t−ブチル
−6−メチルフェノールが挙げられる。
【0101】非限定的な代表的ヒンダードナフトール類
としては、1−ナフトール;4−メチル−1−ナフトー
ル;4−メトキシ−1−ナフトール;4−クロロ−1−
ナフトール;及び2−メチル−1−ナフトールが挙げら
れる。さらなる化合物については、米国特許第5,26
2,295号の第6欄第17〜20行を参照されたい。
【0102】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
補助現像剤、又はヒンダードフェノール現像剤若しくは
ヒンダードフェノール現像剤の混合物と組み合わされた
補助現像剤の混合物を含んでよい。高コントラストフォ
トサーモグラフィー要素の調製に関して補助現像剤の添
加は特に有用である。例えば、米国特許第5,496,
695号に記載されているトリチルヒドラジド又はホル
ミルフェニルヒドラジン化合物が使用されても、米国特
許第5,545,505号に記載のアミン化合物が使用
されても、米国特許第5,545,507号に記載のヒ
ドロキサム酸化合物が使用されても、米国特許第5,5
45,515号に記載のアクリロニトリル化合物が使用
されても、米国特許第5,635,339号に記載の3
−複素芳香族置換アクリロニトリル化合物が使用されて
も、米国特許第5,637,449号に記載の水素原子
ドナー化合物が使用されても、米国特許第5,654,
130号に記載の2−置換マロンジアルデヒド化合物が
使用されても、及び/又は米国特許第5,705,32
4号に記載の4−置換イソオキサゾール化合物が使用さ
れてもよい。
【0103】本発明のフォトサーモグラフィー要素に添
加される前述の還元剤の量は、使用される個々の化合物
や、乳剤層の種類や、還元剤の成分が乳剤層又はトップ
コート層中に存在するかどうかということに依存して変
わる。しかしながら、フォトサーモグラフィーシステム
に関し、乳剤層に存在する場合に、ヒンダードフェノー
ルはハロゲン化銀1モル当たり好ましくは0.01モル
〜50モル、より好ましくは0.05モル〜25モルの
量で存在し、補助現像剤は、存在する場合に、ハロゲン
化銀1モル当たり好ましくは0.0005モル〜25モ
ル、より好ましくは0.0025モル〜10モルの量で
存在する。
【0104】ヒンダードフェノール現像剤は、乳剤層
や、トップコート等を含みうる画像形成性被覆の1質量
%〜15質量%の量で存在することが好ましい。補助現
像剤(使用される場合)が、画像形成性被覆の好ましく
は0.01質量%〜1.5質量%の量で存在することが
好ましい。
【0105】多層フォトサーモグラフィー構造体におい
て、還元剤のうちの1つが乳剤層以外の層に添加される
場合には、わずかに高い割合が必要であろう。そのよう
な構造体では、ヒンダードフェノール現像剤は好ましく
はそのヒンダードフェノール現像剤が存在する層の2質
量%〜20質量%の量で存在し、補助現像剤(使用され
る場合)は好ましくはその補助現像剤が存在する層の
0.2質量%〜20質量%の量で存在する。
【0106】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
追加の保存安定化剤、トナー、現像促進剤、アキュータ
ンス色素、現像処理後安定化剤又は安定化剤前駆体、及
び他の画質調節剤を含んでもよい。
【0107】バインダー 本発明において使用される感光性ハロゲン化銀、非感光
性還元性銀源、還元剤システム及び任意の他の添加剤は
概して少なくとも1つのバインダーに添加される。本発
明において使用できるバインダーを、別個に使用しても
互いに組み合わせて使用してもよい。バインダーが、例
えば溶液又は懸濁液中の他の成分を保持するのに十分な
極性を有する天然及び合成樹脂のようなポリマー材料か
ら選ばれることが好ましい。
【0108】典型的な親水性バインダーは、透明又は半
透明の親水性コロイドである。親水性バインダーの例と
しては、天然物質、例えばゼラチンのようなタンパク
質、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体等;スターチの
ような多糖、アラビアガム、プルラン、デキストリン
等;及び合成ポリマー、例えば水溶性ポリビニル化合
物、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミドポリマー等が挙げられる。親水性バ
インダーの別の例は、写真要素の寸法安定性を高めるた
めに使用されるラテックスの形態にある分散ビニル化合
物である。
【0109】典型的な疎水性バインダーの例は、ポリビ
ニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、酢
酸セルロース、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリス
チレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、メ
タクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポ
リマー、ブタジエン−スチレンコポリマー等が挙げられ
る。このポリマーの定義には共重合体(例えばターポリ
マー)も含まれる。例えばポリビニルブチラール及びポ
リビニルホルマールのようなポリビニルアセタール、並
びにポリ酢酸ビニル及びポリ塩化ビニルのようなビニル
共重合体が特に好ましい。
【0110】バインダーは親水性であっても疎水性であ
ってもよいが、バインダーは銀含有層において疎水性の
ものであることが好ましい。場合に応じてこれらのポリ
マーは、それらの2種以上の組み合わせで使用されても
よい。
【0111】非感光性還元性銀源に対する還元剤の比率
及び活性度が特定の現像時間及び温度を必要とする場合
に、バインダーは、それらの条件に耐えられるものでな
くてはならない。概して、バインダーが250°F(1
21℃)で60秒間分解しないか又はその構造保全性を
失わないことが好ましく、バインダーが350°F(1
77℃)で60秒間分解しないか又はその構造保全性を
失わないことがより好ましい。
【0112】ポリマーバインダーは、その中に分散され
た成分を保持するのに十分な量で、すなわちバインダー
としての作用を果たすのに有効な範囲内の量で使用され
る。有効な範囲は、当業者により適切に求められるであ
ろう。バインダーが含まれている層の全質量を基準にし
て、バインダーは、好ましくは30質量%〜90質量%
のレベル、より好ましくは45質量%〜85質量%のレ
ベルで使用される。
【0113】フォトサーモグラフィー配合物 フォトサーモグラフィー乳剤層用の配合物は、バインダ
ーと感光性ハロゲン化銀と、非感光性還元性銀源と、非
感光性還元性銀源用の還元剤と、任意の添加剤を、例え
ばトルエン、2−ブタノン又はテトラヒドロフランのよ
うな不活性有機溶剤に溶解及び分散させることにより調
製できる。
【0114】画像を向上させる「トナー」又はその誘導
体の使用は非常に望ましいが、要素に必須ではない。ト
ナーが使用される場合に、トナーが含まれる層の全質量
を基準にしてトナーは好ましくは0.01質量%〜10
質量%、より好ましくは0.1質量%〜10質量%の量
で存在することができる。通常、トナーはフォトサーモ
グラフィー乳剤層に含められる。トナーは、米国特許第
3,080,254号、第3,847,612号及び第
4,123,282号に示されているようにフォトサー
モグラフィー技術において周知の材料である。
【0115】トナーの例としては、フタルイミド及びN
−ヒドロキシフタルイミド;環状イミド類、例えばスク
シンイミド、ピラゾリン−5−オン類、キナゾリノン、
1−フェニルウラゾール、3−フェニル−2−ピラゾリ
ン−5−オン及び2,4−チアゾリジンジオン;ナフタ
ルイミド類、例えばN−ヒドロキシ−1,8−ナフタル
イミド;コバルト錯体、例えばコバルトヘキサミントリ
フルオロアセテート;メルカプタン類、例えば3−メル
カプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカ
プト−ピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニ
ル−1,2,4−トリアゾール及び2,5−ジメルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール;N−(アミノメチ
ル)アリールジカルボキシイミド類、例えば(N,N−
ジメチルアミノメチル)フタルイミド及びN−(ジメチ
ルアミノメチル)ナフタレン−2,3−ジカルボキシイ
ミド;ブロックトピラゾール類とイソチウロニウム誘導
体と特定の光漂白剤の組み合わせ、例えばN,N’−ヘ
キサメチレン−ビス(1−カルバモイル−3,5−ジメ
チルピラゾール)と1,8−(3,6−ジアザオクタ
ン)ビス(イソチウロニウム)トリフルオロアセテート
と2−(トリブロモメチルスルホニルベンゾチアゾー
ル)の組み合わせ;メロシアニン色素、例えば3−エチ
ル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデ
ン)−1−メチル−エチリデン]−2−チオ−2,4−
o−アゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘
導体、またはそれらの誘導体の金属塩、例えば4−(1
−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、
5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ
−1,4−フタラジンジオン;フタラジンと1種以上の
フタル酸誘導体、例えばフタル酸、4−メチルフタル
酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水
物との組み合わせ、キナゾリンジオン類、ベンゾオキサ
ジン又はナフトキサジン誘導体;色調調節剤としてだけ
ではなくハロゲン化銀のin situ 形成のためのハロゲン
化物イオン源としての作用も果たすロジウム錯体、例え
ばヘキサクロロロジウム酸(III)アンモニウム、臭
化ロジウム、硝酸ロジウム及びヘキサクロロロジウム酸
(III)カリウム;無機過酸化物及び過硫酸塩、例え
ばアンモニウムペルオキシジスルフェート及び過酸化水
素;ベンゾオキサジン−2,4−ジオン類、例えば1,
3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−
1,3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオン及び6−ニ
トロ−1,3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオン;ピ
リミジン類及び不斉トリアジン類、例えば2,4−ジヒ
ドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリ
ミジン及びアザウラシル;並びにテトラアザペンタレン
誘導体、例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフ
ェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザ
ペンタレン及び1,4−ジ−(o−クロロフェニル)−
3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6
a−テトラアザペンタレンが挙げられる。
【0116】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
可塑剤及び滑剤、例えば米国特許第2,960,404
号に記載されている種類のポリアルコール及びジオー
ル;米国特許第2,588,765号及び第3,12
1,060号に記載されているもののような脂肪酸又は
エステル;並びに英国特許第955,061号に記載さ
れているののようなシリコーン樹脂を含むことができ
る。
【0117】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
艶消し剤、例えばスターチ、二酸化チタン、酸化亜鉛、
シリカ、及び米国特許第2,992,101号及び第
2,701,245号に記載されている種類のビーズを
包含するポリマービーズを含むことができる。
【0118】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
帯電防止層又は導電性層を含んでよい。そのような層
は、可溶性塩(例えば、塩化物、硝酸塩等)、蒸着金属
層、米国特許第2,861,056号及び第3,20
6,312号に記載されているもののようなイオン性ポ
リマー、又は米国特許第3,428,451号に記載さ
れているもののような不溶性無機塩を含んでよい。
【0119】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
帯電効果を抑え、現像処理装置内での輸送を促進するた
めに導電性下地層を含んでいても良い。そのような層は
米国特許第5,310,640号に記載されている。
【0120】フォトサーモグラフィー構造体 本発明のフォトサーモグラフィー要素は、支持体上の1
層以上の層から構成されてよい。単層要素は、ハロゲン
化銀、非感光性還元性銀源材料、非感光性還元性銀源用
の還元剤、バインダー、並びにトナー、アキュータンス
色素、コーティング助剤及び他の補助剤等の任意の材料
を含むべきである。
【0121】2層構造体(支持体上の2つの別個の層か
らなるコーティングのために、往々にして2トリップ構
造体(two-trip constructions)と呼ばれる)は好まし
くは1つの乳剤層(通常、支持体に隣接する層)中にハ
ロゲン化銀と非感光性還元性銀源を含み、例えば還元剤
と他の成分は第2の層に存在するか又は両方の層に配分
される。所望であれば還元剤又は還元剤の混合物が別の
層に存在していてもよい。所望であれば、還元剤が1つ
の層中に存在し、補助現像剤(使用される場合)が別の
層に存在していても良い。全ての成分を含む単一乳剤層
コーティングと保護トップコートを含んでなる2層構造
体も考えられる。
【0122】本発明において使用されるフォトサーモグ
ラフィー乳剤は、線巻ロッドコーティング、ディップコ
ーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーテ
ィング、又は米国特許第2,681,294号に記載さ
れている種類のホッパーを使用する押出コーティングを
含む種々のコーティング手法によりコーティングでき
る。所望であれば、米国特許第2,761,791号及
び第5,340,613号並びに英国特許第837,0
95号に記載されている手法によって、2層以上の層を
同時にコーティングできる。乳剤層の典型的なコーティ
ングギャップは10マイクロメートル(μm)〜150
μmであり、対流空気中20〜100℃の温度で層を乾
燥させることができる。マクベス・カラー・デンシトメ
ーター(MacBeth Color Densitometer)TD 504型により
測定した場合に最大画像濃度が0.2よりも高くなるよ
うに、より好ましくは0.5〜4.0の範囲内になるよ
うに、層の厚さが選ばれることが好ましい。
【0123】本発明のフォトサーモグラフィー要素は、
アキュータンス色素及びハレーション防止色素を含むこ
とができる。これらの色素を、既知の技術に従ってアキ
ュータンス色素としてフォトサーモグラフィー乳剤層中
に含めることができる。これらの色素は、既知の技術に
したがって、ハレーション防止用裏地層、ハレーション
防止用下地層又はオーバーコートとしてハレーション防
止層に含められてもよい。本発明のフォトサーモグラフ
ィー要素が、乳剤層及びトップコート層がコーティング
される側とは反対側の支持体上にハレーション防止コー
ティングを含むことが好ましい。本発明において有用な
ハレーション防止色素及びアキュータンス色素は米国特
許第5,135,842号、第5,266,452号、
第5,314,795号及び第5,380,635号に
記載されている。
【0124】現像条件は、使用する構造体に依存して変
わりうるが、典型的には像様露光された材料を適切な高
温で加熱することを伴う。露光後に得られた潜像を、例
えば材料を80℃〜250℃、好ましくは100℃〜2
00℃の適当な高温で、十分な時間、概して1秒間〜2
分間加熱することにより現像できる。典型的な加熱手
段、例えばホットプレート、アイロン、ホットローラ
ー、炭素又はチタン白を使用する熱発生源、要素中の抵
抗層等により加熱をおこなうことができる。
【0125】所望であれば、画像形成された要素を、潜
像の安定性を向上及び高めるのに十分な温度及び時間で
はあるが可視画像を生成させるのは不十分な温度及び時
間での第1加熱工程にかけ、その後に可視画像を生成さ
せるのに十分な温度及び時間での第2加熱工程にかけて
もよい。そのような方法及びそのような方法の利点は米
国特許第5,279,928号に記載されている。
【0126】支持体 本発明において使用されるフォトサーモグラフィー乳剤
を多様な種々の支持体上にコーティングすることができ
る。画像形成要件に依存して種々の材料から支持体又は
基材を選択できる。支持体は透明であっても少なくとも
半透明であってもよい。典型的な支持体としては、ポリ
エステルフィルム、下塗りされたポリエステルフィルム
(例えば、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレ
ンナフタレート)、酢酸セルロースフィルム、セルロー
スエステルフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、
ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン又はポ
リプロピレン又はそれらのブレンド)、ポリカーボネー
トフィルム、及び同類の又は樹脂状の材料、並びにガラ
ス、紙等が挙げられる。典型的には、柔軟な支持体が使
用され、特にポリマーフィルム支持体が使用され、ポリ
マーフィルム支持体は部分的にアセチル化されていても
よく、特にポリマー下塗り剤又はプライマー剤でコーテ
ィングされていてもよい。支持体に好ましいポリマー材
料としては、加熱及び現像の際に良好な寸法安定性を示
すポリマー、例えばポリエステルが挙げられる。特に好
ましいポリエステルはポリエチレンテレフタレート及び
ポリエチレンナフタレートである。
【0127】フォトサーモグラフィー要素がフォトマス
クとして使用される場合には、支持体は透明であるか又
は最終画像形成プロセスで使用される放射線(すなわ
ち、紫外線又は短波長可視光)に対して高度に透過性で
あるべきである。
【0128】米国特許第4,374,921号に示され
ているように、フォトサーモグラフィー画像形成システ
ムにおいて裏面抵抗加熱層を有する支持体を使用するこ
ともできる。
【0129】フォトマスクとしての使用 本発明のフォトサーモグラフィー要素が非画像形成領域
において350nm〜450nmの範囲内の吸収が可能
であることによって、紫外線又は短波長可視光に感じる
画像形成可能な媒体をその後に露光するプロセスにおい
て本発明のフォトサーモグラフィー要素を使用すること
が容易となる。例えば、フォトサーモグラフィー要素の
画像形成及びその後の現像によって可視画像が得られ
る。現像されたフォトサーモグラフィー要素は、可視画
像が存在する領域で紫外線又は短波長可視光を吸収し、
可視画像が存在しない領域で紫外線又は短波長可視光を
透過する。次に、現像された要素をマスクとして使用
し、紫外線又は短波長可視光エネルギー源と、例えばフ
ォトポリマー、ジアゾ材料又はフォレジスト等の紫外線
又は短波長可視光に感光性の画像形成可能な媒体との間
に配置してもよい。このプロセスは、画像形成可能な媒
体が印刷版を構成し、フォトサーモグラフィー要素が画
像設定フィルムとして機能する場合に特に有用である。
【0130】本発明の目的及び利点を以下の実施例によ
り例示するが、本発明を不当に限定するようにこれらの
実施例に列挙した特定の材料及びそれらの量並びに他の
条件及び詳細が解釈されるべきではない。
【0131】
【実施例】以下の実施例で使用した材料は全て、特に断
らないかぎり、標準的な商業的供給元、例えばAldrich
Chemical Co.[ワイオミング州ミルウォーキー(Milwau
kee )所在]から容易に入手できる。特に断らないかぎ
り、全ての百分率を質量%で記載する。さらに以下の用
語及び材料を使用した。
【0132】ACRYLOID A-21 はRohm and Haas [ペンシ
ルヴァニア州フィラデルフィア(Philadelphia)所在]
から入手可能なアクリルコポリマーである。BUTVAR B-7
9 はMonsanto Company[ミズーリ州セントルイス(St.
Louis )所在]から入手可能なポリビニルブチラール樹
脂である。CAB 171-15S はEastman Kodak Co. から入手
可能なセルロースアセテートブチレート樹脂である。C
BBAは2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸であ
る。DESMODUR N3300はBayer Chemicals [パンシルヴァ
ニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)所在]から入手可能
な脂肪族ヘキサメチレンジイソシアネートである。ME
Kはメチルエチルケトン(2−ブタノン)である。Me
OHはメタノールである。
【0133】MNBIは2−メルカプト−5−メチルベ
ンゾイミダゾールである。4−MPAは4−メチルフタ
ル酸である。PERMANAX WSOは1,1−ビス(2−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリ
メチルヘキサン[CAS登録番号7292−14−0]
であり、St-Jean Photo Chemicals, Inc. [ケベック
(Quebec)所在]から入手可能である。PERMANAX WSOは
非感光性の還元性銀源のための還元剤(すなわちヒンダ
ードフェノール現像剤)である。PERMANAX WSOはNON
OXとしても知られている。PETはポリエチレンテレ
フタレートである。PHPはピリジニウムヒドロブロミ
ドペルブロミドである。PHZはフタラジンである。T
CPAはテトラクロロフタル酸である。TCPANはテ
トラクロロフタル酸無水物である。増感色素1は米国特
許第5,541,054号に記載されており、下記構造
式:
【0134】
【化12】
【0135】により表される。化合物Pr−01は米国
特許第5,686,228号に記載されており、下記構
造式:
【0136】
【化13】
【0137】により表される。カブリ防止剤Aは2−
(トリブロモメチルスルホニル)キノリンであり、これ
はは米国特許第5,460,938号に記載されてい
る。この化合物は下記構造式:
【0138】
【化14】
【0139】により表される。ビニルスルホン1(VS
−1)はヨーロッパ特許出願公開第0600589A2
号に記載されており、下記構造式:
【0140】
【化15】
【0141】により表される。ハレーション防止用色素
1(AH−1)はPCT特許出願第WO95/23,3
57号(1995年1月11日出願)に記載されてお
り、下記構造式:
【0142】
【化16】
【0143】により表されると考えられる。以下の実施
例によって、本発明の化合物を使用する例示的合成手順
及び予備手順を示す。
【0144】一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる安定化剤化合物の供給源 化合物I−1は[2−(アミノカルボニル)フェノキ
シ]酢酸(CAS登録番号[25395−22−6])
である。この化合物はTCI America から市販入手可能で
ある。化合物I−2は[2−(アミノカルボニル)フェ
ノキシ]酢酸一ナトリウム塩(CAS登録番号[378
5−32−8])である。この化合物はTCI Americaか
ら市販入手可能である。化合物I−3は2−(カルボキ
シメトキシ)安息香酸(CAS登録番号[635−53
−0])である。この化合物はLancaster Synthesis か
ら市販入手可能である。化合物I−4は(2,4−ジ−
tert−ペンチルフェノキシ)酢酸(CAS登録番号[1
3402−96−5])である。この化合物はTCI Amer
ica から市販入手可能である。化合物I−5は2−
[(カルボキシメチル)チオ]安息香酸(CAS登録番
号[135−13−7])である。この化合物はMaybri
dge から市販入手可能である。化合物C−1は2−(2
−エトキシ−2−オキソエトキシ)安息香酸エチルエス
テル(CAS登録番号[56424−77−2])であ
る。この化合物はLancaster Synthesis から市販入手可
能である。化合物C−2は[2−(アミノカルボニル)
フェノキシ]酢酸エチルエステル(CAS登録番号[9
0074−90−1])である。この化合物はC−1を
HCl(g)及びエタノールを用いてエステル化するこ
とにより調製した。化合物C−3は2−カルボキシベン
ゼンプロパン酸(CAS登録番号[776−79−
4])である。
【0145】乳剤の調製 以下の実施例によって、ヒンダードフェノール現像剤と
組み合わせて本発明の安定化剤化合物を使用することを
示す。実施例で使用した予備形成ヨウ臭化銀乳剤、銀石
鹸分散体、ホモジネート及びハロゲン化物化されたホモ
ジネート溶液の調製を以下で説明する。
【0146】フォトサーモグラフィー配合物 以下の記載は、一バッチのフォトサーモグラフィー配合
物の調製を説明するものである。各実施例における全て
のコーティング用に十分なバッチのこの配合物を調製し
た。一般構造式(I)又は(II)により表される化合
物を乳剤層に含めた。予備形成したイリジウムドープコ
ア−シェル型銀カルボキシレート石鹸を米国特許第5,
434,043号に記載されているように調製した。
【0147】予備形成した石鹸は2.0質量%の直径
0.05マイクロメートル(μm)イリジウムドープコ
ア−シェル型ヨウ臭化銀乳剤(25%コアが8%のヨウ
化物、92%の臭化物を含み、75%全臭化物シェルが
1×10-5モルのIr4+を含む)を含んでいた。25.
2%の固形分(石鹸)、1.3%のBUTVAR B-79 ポリビ
ニルブチラール樹脂及び73.5%の2−ブタノンを含
むこの銀カルボキシレート石鹸の分散体を均質化した。
【0148】67°F(19℃)に保たれたこの銀石鹸
分散体170gに、40gの2−ブタノンと、1.00
gのメタノール中の0.23gのピリジニウムヒドロブ
ロミドペルブロミドの溶液を添加した。1時間の混合
後、0.35gのメタノール中の0.05gの臭化カル
シウムの溶液及び1.02gのメタノール中の0.15
gの臭化亜鉛の溶液を添加した。30分後、以下の赤外
増感色素プレミックスを添加した。
【0149】
【表1】
【0150】1時間の混合後、さらに30分間攪拌しな
がら温度を52°F(11℃)に下げ、攪拌をさらに3
0分間続け、それに続いて45gのBUTVAR B-29 ポリビ
ニルブチラールを添加した。15分間の攪拌に続き、
1.3gの2−(トリブロモメチルスルホニル)キノリ
ンを添加した。15分後、0.4gのDESMODUR N3300を
添加した。さらに15分後、1.05gのフタラジンを
添加し、この15分後に0.36gのテトラクロロフタ
ル酸を添加した。さらに15分間攪拌し、0.53gの
4−メチルフタル酸を添加した。これに続き、10.6
gの1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(PERMAN
AX WSO)を添加した。
【0151】トップコート溶液を次のように調製した:
0.56gのACRYLOID-21 ポリメチルメタクリレート及
び15gのCAB 171-15S セルロースアセテートブチレー
トを183gの2−ブタノン中で溶解するまで混合し
た。次にこのプレミックスに0.27gのビニルスルホ
ン−1(VS−1)、0.57gの化合物Pr−01及
び0.100gのテトラクロロフタル酸無水物を添加し
た。
【0152】試料のコーティング及び乾燥 試料を赤外線安全光のもとでデュアルナイフコーターを
使用してコーティングした。フォトサーモグラフィー乳
剤及びトップコート溶液を、CAB 171-15S 樹脂中にAH
−1を含むハレーション防止用裏地コーティングを施し
た7ミル(177.8μm)の青色を帯びたポリエチレ
ンテレフタレート支持体上にコーティングした。蝶番の
ついたナイフを上昇させた後、コーター床上の位置に支
持体を配置した。次にナイフを下げて所定の位置に固定
した。スクリューノブで制御され且つ電子ゲージにより
測定されるウェッジによりナイフの高さを調節した。ナ
イフ#1を10.3ミル(261.62マイクロメート
ル)(支持体の望ましい厚さとフォトサーモグラフィー
乳剤層#1の湿潤厚さの合計に相当するクリアランス)
まで上昇させた。ナイフ#2を12.0ミル(304.
8マイクロメートル)(支持体の望ましい厚さとフォト
サーモグラフィー乳剤層#1の湿潤厚さとトップコート
層#2の湿潤厚さの合計に等しい高さ)まで上昇させ
た。
【0153】溶液#1及び#2のアリコートを、対応す
るナイフの手前で同時に支持体上に流延した。即座に支
持体にナイフを引いてオーブンに入れ、2層コーティン
グを生じさせた。次に、BLUE-Mオーブン内で回転してい
るベルトに支持体を送り出すことによって、コーティン
グされたフォトサーモグラフィー要素を乾燥させた。全
ての試料を185°F(85℃)で5分間乾燥させた。
【0154】感光度 コーティングし乾燥させて上記のように調製したフォト
サーモグラフィー要素を1.5インチ×11インチ
(3.8cm×27.9cm)試験片に切断し、811
nmレーザーダイオードを組み込んだ走査型レーザー感
光度計を使用して露光した。試料の全走査時間は6秒間
であった。熱ロール現像処理装置を使用して試料を25
5°F(124℃)で15秒間又は255°F(124
℃)で25秒間を要して現像した。
【0155】フォトサーモグラフィー要素の感度に適切
なフィルターを使用する特別仕様のコンピューター走査
型感光度計により感光度測定値を得た。この感光度測定
値は、市販の感光度計から得られる測定値と同等である
と考えられる。Dmin は、現像後の非露光領域の濃度で
ある。Dmin は、基準マークの露光側での最も低い8つ
の濃度の値の平均である。Dmax は、基準マークの露光
側での最高濃度の値である。感度2は、Dmin よりも
1.00大きい濃度値に対応するLog1/E+4であ
る。ここでEはerg/cm2 単位で表した露光量であ
る。
【0156】平均コントラスト1(AC−1)は、Dmi
n よりも0.60大きい濃度点とDmin よりも2.00
大きい濃度点とを結ぶ直線の傾きの絶対値である。平均
コントラスト2(AC−2)は、Dmin よりも1.00
大きい濃度点とDmin よりも2.40大きい濃度点とを
結ぶ直線の傾きの絶対値である。平均コントラスト3
(AC−2)は、Dmin よりも2.40大きい濃度点と
Dmin よりも2.90大きい濃度点とを結ぶ直線の傾き
の絶対値である。足部コントラスト1(TC−1)は、
Dmin よりも0.30大きい濃度点からlogE上を−
0.45移動した濃度点とDmin よりも0.30大きい
濃度点からlogE上を−0.20移動した濃度点とを
結ぶ直線の傾きの絶対値である。足部コントラスト2
(TC−2)は、Dmin よりも0.30大きい濃度点か
らlogE上を−0.20移動した濃度点とDmin より
も0.30大きい濃度点とを結ぶ直線の傾きの絶対値で
ある。コントラストAは、Dmin よりも0.07大きい
濃度点とDmin よりも0.17大きい濃度点とを結ぶ線
の傾きの絶対値である。ヒンダードフェノール現像剤と
してPERMANAX WSOを使用して本発明の安定化剤化合物を
検証した。検証した安定化剤化合物の構造を以下に示
す。
【0157】実施例1 前述のように、フォトサーモグラフィー要素を調製する
際に生じる1つの問題は「ポットライフ」カブリ及びコ
ーティングカブリである。安定化剤化合物I−1及びI
−3を300gのフォトサーモグラフィー乳剤に含める
ことにより前述のようにフォトサーモグラフィー配合物
を調製した。幾つかの配合物を、調製直後にコーティン
グし、乾燥させ、画像形成した。他の配合物は、調製後
のコーティング、乾燥及び画像形成前に24時間貯蔵し
た。
【0158】試料1−1〜1−6は、255℃で15秒
間加熱することにより現像処理した。試料1−7〜1−
12は、255℃で25秒間加熱することにより現像処
理した。以下に示す結果から、一般構造式(I)又は
(II)により表される化合物を含めることが、「ポッ
トライフ」カブリ及びコーティングカブリに対して安定
化されたと同時に他の感度特性にあったとしてもほとん
ど影響を及ぼさないフォトサーモグラフィー要素を提供
することが分かる。
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】実施例2 先に記載したように0.350gの安定化剤化合物I−
1を300gのフォトサーモグラフィー乳剤に含めたが
少量のカブリ防止剤A(AF−A)も含めてフォトサー
モグラフィー配合物を調製した。幾つかの配合物を、調
製直後にコーティングし、乾燥させ、画像形成した。他
の配合物は、調製後のコーティング、乾燥及び画像形成
前に24時間貯蔵した。
【0162】試料2−1〜2−6は、255℃で15秒
間加熱することにより現像処理した。試料2−7〜2−
9は、255℃で25秒間加熱することにより現像処理
した。
【0163】以下に示す結果から、一般構造式(I)又
は(II)により表される化合物の添加によって、「ポ
ットライフ」カブリ又は他の初期感度特性に対しあった
としてもほとんど影響を及ぼさずにカブリ防止剤の量の
低減が可能であることが分かる。
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】
【表6】
【0167】
【表7】
【0168】実施例3 先に記載した通りであるが、以下に示す量の安定化剤化
合物I−1,I−4,I−5を、配合物に通常添加され
る量のわずかに25%の量のカブリ防止剤A(AF−
A)とともに乳剤のアリコート40gに含めた。化合物
C−3を含めた比較例も調製した。幾つかの配合物を、
調製直後にコーティングし、乾燥させ、画像形成した。
他の配合物は、調製後のコーティング、乾燥及び画像形
成前に24時間貯蔵した。
【0169】試料3−1〜3−9は、255℃で15秒
間加熱することにより現像処理した。試料3−10〜3
−18は、255℃で25秒間加熱することにより現像
処理した。
【0170】以下に示す結果から、少量の他のカブリ防
止剤とともに一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる化合物を添加することによって、「ポットライフ」
カブリ及びコーティングカブリに対してさらに保護され
たフォトサーモグラフィー要素が提供されることが分か
る。他の感度特性に対して、あったとしてもほとんど影
響がないことが確認された。
【0171】
【表8】
【0172】
【表9】
【0173】
【表10】
【0174】
【表11】
【0175】実施例4 先に記載した通りであるが、種々の量の安定化剤化合物
I−1,I−3,I−5及びI−6を乳剤に通常添加さ
れる量のわずかに25%の量のカブリ防止剤A(AF−
A)とともにフォトサーモグラフィー乳剤のアリコート
40gに含めた。化合物C−2を含めた比較例も調製し
た。幾つかの配合物を、調製直後にコーティングし、乾
燥させ、画像形成した。他の配合物は、調製後のコーテ
ィング、乾燥及び画像形成前に24時間貯蔵した。
【0176】試料4−1〜3−10は、255℃で15
秒間加熱することにより現像処理した。試料4−11〜
3−20は、255℃で25秒間加熱することにより現
像処理した。
【0177】以下に示す結果から、少量の他のカブリ防
止剤とともに一般構造式(I)又は(II)により表さ
れる化合物を添加することによって、「ポットライフ」
カブリ及びコーティングカブリに対してさらに保護され
ることが分かる。
【0178】
【表12】
【0179】
【表13】
【0180】
【表14】
【0181】
【表15】
【0182】実施例5 前述のように、画像形成されたフォトサーモグラフィー
要素をライトボックス上に放置した場合に画像の劣化が
生じることは望ましくない。一般構造式(I)又は(I
I)により表される安定化剤化合物を含めたフォトサー
モグラフィー要素のプリント安定性をPickerライトボッ
クス上で試験した。ライトボックス表面の種々の位置で
の光度及び温度を測定した。
【0183】
【表16】
【0184】先に記載したように種々の量の化合物I−
1を300gのフォトサーモグラフィー乳剤に含めるこ
とによりフォトサーモグラフィー配合物を調製した。こ
れらの実施例において、トップコート溶液にPr−01
は含めなかった。フォトサーモグラフィー配合物及びト
ップコート溶液を先に記載したようにコーティングし、
乾燥させた。フォトサーモグラフィー要素の感度試験片
を調製し、画像形成し、そして現像した。次に試験片の
Dmax 側がクリップに近いほうに存在するようにPicker
ライトボックスに試験片を取り付けた。試験片をライト
ボックス上に11日間放置した。クリップからおよそ5
インチ(12.7cm)下方で、試験片のDmin 領域で
感度測定を行った。青色フィルターを使用する特別仕様
のコンピューター走査型感度計により測定値を得た。こ
の感度測定値は、市販の感度計から得られる測定値と同
等であると考えられる。
【0185】以下に示す結果から、少量のカブリ防止剤
を含むフォトサーモグラフィー要素に一般構造式(I)
又は(II)により表される安定化剤化合物を含めるこ
とによって、ライトボックス上でのフォトサーモグラフ
ィー要素のプリント安定性が改善されることが分かる。
【0186】
【表17】
【0187】特許請求の範囲により規定される本発明の
真意又は範囲から離れずに、上記開示から相応な改良及
び変更が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール ジー.スコウグ アメリカ合衆国,ミネソタ 55082,ステ ィルウォーター,パレード アベニュ ノ ース 12180 (72)発明者 スティーブン エイチ.コング アメリカ合衆国,ミネソタ 55125,ウッ ドベリー,ペニー レーン 7832

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)感光性ハロゲン化銀; (b)非感光性還元性銀源; (c)前記非感光性還元性銀源用の還元剤;及び (d)バインダー;を含む画像形成性被覆でコーティン
    グされた支持体を含んでなるフォトサーモグラフィー要
    素であって、一般構造式(I): 【化1】 [式中、XはO又はSであり、YはNH2 、OH又はO
    - + (M+ は金属原子である)である]により表され
    る化合物をさらに含むことを特徴とするフォトサーモグ
    ラフィー要素。
  2. 【請求項2】 一般構造式(I)により表される化合物
    のベンゼン環が、一般構造式(II): 【化2】 (式中、Rは水素、炭素原子数1〜10のアルキル基又
    は炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、ZはH、
    COOH又はCONH2 である)により表される化合物
    に示されるように置換されている請求項1記載のフォト
    サーモグラフィー要素。
  3. 【請求項3】 一般構造式(I)により表される化合物
    が、 【化3】 【化4】 及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のフォトサーモグラフィー要
    素。
  4. 【請求項4】 (a)紫外線又は短波長可視光に対して
    透明な支持体上の請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    フォトサーモグラフィー要素を、この要素の感光性ハロ
    ゲン化銀が感じる電磁波に暴露して潜像を生成させ、そ
    の後に前記要素を加熱して前記要素上に可視画像を形成
    させ; (b)可視画像をその上に有する前記要素を、紫外線又
    は短波長可視光源と、紫外線又は短波長可視光に感光性
    の画像形成可能な媒体との間に配置し; (c)次に、前記要素上の可視画像を通して前記紫外線
    又は短波長可視光に感光性の画像形成可能な媒体を紫外
    線又は短波長可視光に暴露することによって、可視画像
    が存在する前記要素の領域において紫外線又は短波長可
    視光を吸収させるとともに前記要素上の可視画像が存在
    しない領域において紫外線又は短波長可視光を透過させ
    ること;を含む可視画像の形成方法。
JP2000177139A 1999-06-10 2000-06-08 フォトサーモグラフィー要素用の安定化剤化合物 Pending JP2001013627A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/329,693 US6083681A (en) 1999-06-10 1999-06-10 Stabilizer compounds for photothermographic elements
US09/329693 1999-06-10

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001013627A true JP2001013627A (ja) 2001-01-19

Family

ID=23286581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000177139A Pending JP2001013627A (ja) 1999-06-10 2000-06-08 フォトサーモグラフィー要素用の安定化剤化合物

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6083681A (ja)
EP (1) EP1059561A1 (ja)
JP (1) JP2001013627A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007010777A1 (ja) 2005-07-20 2007-01-25 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 画像形成方法
EP1953592A1 (en) 2007-02-02 2008-08-06 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Photothermographic material

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458525B1 (en) * 1999-11-11 2002-10-01 Konica Corporation Preparation method of photothermographic material
US6610469B2 (en) 2001-01-16 2003-08-26 Fuji Photo Film, Co., Ltd. Photothermographic material
US6620577B1 (en) 2002-02-25 2003-09-16 Eastman Kodak Company High speed photothermographic materials containing selenium compounds and methods of using same
US7169543B2 (en) * 2004-12-29 2007-01-30 Eastman Kodak Company Blocked aliphatic thiol stabilizers for photothermographic materials
WO2017123444A1 (en) 2016-01-15 2017-07-20 Carestream Health, Inc. Method of preparing silver carboxylate soaps

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58193541A (ja) * 1982-05-07 1983-11-11 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 熱現像画像記録材料
GB9311790D0 (en) * 1993-06-08 1993-07-28 Minnesota Mining & Mfg Photothermographic materials
US5464738A (en) * 1995-01-06 1995-11-07 Minnesota Mining And Manufacturing Company Sulfonyl hydrazide developers for photothermographic and thermographic elements
US5686228A (en) * 1996-07-25 1997-11-11 Imation Corp. Substituted propenitrile compounds as antifoggants for black-and-white photothermographic and thermographic elements

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007010777A1 (ja) 2005-07-20 2007-01-25 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 画像形成方法
EP1953592A1 (en) 2007-02-02 2008-08-06 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Photothermographic material

Also Published As

Publication number Publication date
US6083681A (en) 2000-07-04
EP1059561A1 (en) 2000-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3650124B2 (ja) 共現像剤としてのアクリロニトリル化合物を含有する白黒光熱写真および感熱写真エレメント
JP3810803B2 (ja) 置換されたプロペンニトリル化合物をかぶり防止剤として含有する白黒光熱写真および熱転写要素
JP3638954B2 (ja) 白黒光熱写真用の共現像剤として有用なヒドラジド化合物
JP3820528B2 (ja) 共現像剤として4−置換イソオキサゾール化合物を含有する白黒光熱写真および熱写真要素
JP3647469B2 (ja) 白黒光熱写真用および熱転写用要素用の現像剤としての2―置換されたマロンジアルデヒド化合物
EP0852024B1 (en) Black-and-white photothermographic and thermographic elements comprising hydrogen atom donor compounds as contrast enhancers
JP3650130B2 (ja) 3―ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物を共現像剤として含有する白黒光熱写真要素および熱転写要素
EP0852025B1 (en) Black-and-white photothermographic and thermographic elements comprising n-acyl-hydrazine compounds as contrast enhancers
EP0852027B1 (en) Black-and-white photothermographic and thermographic elements comprising amine compounds as contrast enhancers
EP0852028B1 (en) Black-and-white photothermographic and thermographic elements comprising hydroxamic acid compounds as contrast enhancers
US6171767B1 (en) 1-sulfonyl-1H-benzotriazole compounds as print stabilizers in photothermographic elements
JP4116089B2 (ja) フォトサーモグラフィ用ハロゲン化銀乳剤の化学増感
JPH08234393A (ja) 光熱写真および感熱写真成分用のスルホニルヒドラジド現像剤
JP4053608B2 (ja) イリジウムと銅でドーピングされたハロゲン化銀粒子を有するフォトサーモグラフィー要素
JP2001013627A (ja) フォトサーモグラフィー要素用の安定化剤化合物
US6387605B1 (en) Co-developers for black-and-white photothermographic elements
JPH09114036A (ja) ヒドロキサム酸現像剤を含有する光熱写真成分