JP2001013559A - カメラのフラッシュ制御装置 - Google Patents

カメラのフラッシュ制御装置

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JP2001013559A
JP2001013559A JP11181555A JP18155599A JP2001013559A JP 2001013559 A JP2001013559 A JP 2001013559A JP 11181555 A JP11181555 A JP 11181555A JP 18155599 A JP18155599 A JP 18155599A JP 2001013559 A JP2001013559 A JP 2001013559A
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flash
lens
built
camera
light
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JP11181555A
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Tetsuo Hosokawa
哲生 細川
Hisahiro Hamamura
寿宏 浜村
Shigeru Iwamoto
茂 岩本
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フラッシュ撮影において、より失敗の少ない撮
影を可能にするカメラのフラッシュ制御装置を提供す
る。 【構成】収納位置と発光位置とに移動可能な発光部11
1を有する内蔵フラッシュ53を有するカメラであっ
て、CPU11は、自動発光モードにおいてはレンズC
PU63から入力したレンズデータと、予めEEPROM39
に書き込んである内蔵フラッシュデータとから撮影レン
ズ61による内蔵フラッシュ光のケラレ長Kを演算し、
その演算結果からケラレを生じると判断したときは、自
動発光を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、カメラのフラッシュ制御
装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】フラッシュを内蔵したカ
メラ、特に撮影レンズの交換が可能な一眼レフカメラの
場合は、装着された撮影レンズによっては、内蔵フラッ
シュのフラッシュ光が撮影レンズの鏡枠にケラレて、撮
影画面の中央下部に鏡枠の影がでる場合があり、撮影レ
ンズが超広角の場合は撮影画角の方がフラッシュの照射
画角よりも大きくて撮影画面の周辺にフラッシュ光が届
かず、周辺光量が落ち込んでしまう場合がある。また、
撮影距離が近すぎると、フラッシュの光量調整が有効に
働かずオーバー露光になってしまい、逆に撮影距離が遠
すぎると、フラッシュ光が十分に届かず、アンダー露出
になってしまう場合もある。このような場合に、フラッ
シュをそのまま自動発光させて露光すると、撮影者が意
図しない失敗撮影になってしまう。
【0003】
【発明の目的】本発明は、フラッシュ撮影において、よ
り失敗の少ない撮影を可能にするカメラのフラッシュ制
御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】この目的を達成する本発明は、レンズ情
報の通信が可能な撮影レンズの着脱が可能で、内蔵フラ
ッシュを備えたカメラであって、内蔵フラッシュデータ
が予め記憶された記憶手段と、装着された撮影レンズか
ら通信を介して入力したレンズ情報と、前記記憶手段か
ら読み込んだ内蔵フラッシュデータとに基づいて、前記
撮影レンズによる前記内蔵フラッシュ光のケラレ状況を
演算して求める演算手段と、を備えたことに特徴を有す
る。この構成によれば、レンズ情報に基づいて内蔵フラ
ッシュのケラレ状況を判断できる。したがって、ケラレ
ありと判断したときは、内蔵フラッシュの自動発光を禁
止してケラレによる陰の発生を予防できる。外部フラッ
シュからフラッシュ情報を入力できるときは、外部フラ
ッシュについてもケラレ状況を判断できる。さらに、強
制発光選択手段を備え、強制発光が選択されているとき
は、前記発光禁止手段がケラレを生じると判断したに拘
わらずそのフラッシュの自動発光を禁止させれば、使用
者の望むフラッシュ制御が可能になる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を説明
する。図1は、本発明を適用したAF(自動焦点)一眼
レフカメラのカメラボディの実施の形態の外観を示す斜
視図である。カメラボディ101の上飾り板103上に
は、カメラボディ101に向かって左側にレリーズボタ
ン105が設けられ、その後方にメインスイッチボタン
107、撮影枚数、シャッタ速度、絞り値などの撮影情
報を表示する外部LCD109が設けられ、ほぼ中央の
ペンタ部には内蔵フラッシュ53の発光部111が設け
られ、その後方にアクセサリーシュー113が設けられ
ている。発光部111は、詳細は図示しないが、反射
傘、クセノン管およびフレネルレンズを備えた発光部筐
体がペンタプリズム上部にポップアップ機構によって支
持されていて、このポップアップ機構により、図1の収
納位置と、ペンタプリズム上方であって、発光部面が被
写体方向を向くポップアップ位置(発光位置)とに移動
可能である。なお、ポップアップ機構は、発光部111
を常時ポップアップ方向に移動付勢するばね部材と、発
光部111が収納位置に移動したときにばね部材の付勢
力に抗して発光部111を収納位置に係止する係止機構
を備えている。
【0006】さらに上飾り板103の右側には、複数の
露出モードの中から一つのモードを選択操作する操作手
段としてモードダイヤル121が設けられている。カメ
ラボディ101の正面には、撮影レンズを装着するボデ
ィマウント115、装着された撮影レンズのレンズCP
Uとの間で通信を実行してレンズ情報、例えば開放絞り
値、焦点距離などの情報を入力するボディ接点群117
が設けられている。
【0007】モードダイヤル121は、上飾り板103
に対して固定された、複数の絵文字が表示された円形の
モード盤(表示板)123と、そのモード盤123の外
周に回転自在に装着されたベゼル125を備えている。
このベゼル125には指標127が設けられていて、こ
の指標127は、モード盤123の表面に設けられた絵
文字群123a、123bの一つを指し示す位置で停止
するように形成されていて、指標127が指し示す絵文
字に対応するモードが選択される。一方の絵文字群12
3aは半透明に形成されていて、指標127で指し示さ
れた絵文字を、モード盤123の背面(ボディ内側)か
ら発光素子によって照明し、光らせることに特徴を有す
る。他方の絵文字群123bは照明を有していない。
【0008】このカメラボディ101の制御系の構成に
ついて、図2および図3に示したブロック図を参照して
より詳細に説明する。カメラボディ101は、カメラの
動作を統括的に制御し、フラッシュ制御手段、ケラレ演
算手段、発光禁止手段、強制発光手段としてまたはその
一部として機能するCPU11を備えている。CPU1
1は、カメラの機能に関するプログラム等が書き込まれ
たROMおよび各種パラメータ、レンズ情報などを一時
的に記憶するRAMを内蔵している。さらにCPU11
には、撮影枚数や、各種書き換え可能なパラメータ、モ
ードを書き込むEEPROM39が接続されている。CPU1
1には、カメラボディ101のバッテリ室(図示せず)
に装填されたバッテリ13の電圧が電圧レギュレータ1
5を介して定電圧として供給される。CPU11は、電
圧レギュレータ15から供給された定電圧によって発振
子17を作動させ、発振子17から出力されるクロック
パルスに同期して動作する。
【0009】CPU11には、スイッチ手段として、メ
インスイッチSWM、測光スイッチSWS、レリーズス
イッチSWR、強制ポップアップスイッチSWPu、ポ
ップアップ検知スイッチSWPud、ベゼル125に連
動するモードダイヤルスイッチSWModが接続されて
いる。
【0010】メインスイッチSWMはメインスイッチボ
タン107に連動するスイッチであって、スイッチボタ
ン107がオン操作されてメインスイッチSWMがオン
するとCPU11が起動する。そしてCPU11は、周
辺部材に電力供給するとともに、操作されたスイッチに
応じた処理を開始する。
【0011】測光スイッチSWSおよびレリーズスイッ
チSWRはそれぞれレリーズボタン105に連動し、レ
リーズボタン105の半押し、全押しでそれぞれオンす
るスイッチである。測光スイッチSWSがオンするとC
PU11は、測光用IC41から測光信号を入力して被
写体輝度を求め、選択された露出モードで最適なシャッ
タ速度および絞り値を算出するAE演算を実行し、さら
に位相差方式のAF用CCD33から被写体像のビデオ
信号を入力してデフォーカス量を演算し、モータドライ
バIC27を介してAFモータ29を駆動して、撮影レ
ンズ61の焦点調節レンズ群Lを合焦位置まで移動させ
るAF処理を実行する。AFモータ29の回転は、ジョ
イント30を介して撮影レンズ61のジョイント66に
伝達され、このジョイント66を介して焦点調節機構6
7を駆動して焦点調節レンズ群Lを合焦位置に移動させ
る。焦点調節レンズ群Lの移動量は、AFモータ29の
回転に連動してAFパルスを出力するAF用フォトイン
タラプタ31のパルス数として求め、AF用フォトイン
タラプタ31が出力するAFパルス数によってAFモー
タ29の駆動量を制御する。なお、測光用IC41はい
わゆる分割測光センサを備えていて、撮影範囲を複数の
エリアに分割して各測光エリア毎に分割測光ができる。
【0012】レリーズスイッチSWRがオンするとCP
U11は、モータドライバIC19を介してメカチャー
ジモータ21をミラーアップ方向に回動させてミラーを
アップさせるとともに、AE演算で設定した絞り値に基
づいて絞り制御回路37を作動させて撮影レンズ61の
絞りを絞り込み、シャッタ速度に基づいてシャッタ回路
35を作動させて露出する。露出が終了すると、モータ
ドライバIC19を介してメカチャージモータ21をチ
ャージ方向に回動させて、ミラーをダウンさせるととも
に、シャッタ機構の先幕、後幕走行ばねをチャージさせ
る。さらにCPU11は、モータドライバIC23を介
してフィルムモータ25を作動させてフィルムを1コマ
分巻き上げる。
【0013】強制ポップアップスイッチSWPuは、カ
メラボディ101の発光部111近傍に設けられた強制
ポップアップボタン(図示せず)に連動するスイッチで
ある。強制ポップアップスイッチSWPuがオンすると
CPU11は、スイッチングトランジスタTr1をオンし
てポップアップマグネットPuMgに通電し、発光部1
11を係止している係止機構の係止を解除させる。する
と発光部111は、不図示のばね部材の付勢力によって
発光位置までポップアップする。CPU11は、発光部
111が発光位置までポップアップしたときにオンする
ポップアップ検知スイッチSWPudを介して、発光部
111が発光位置までポップアップしたことを検知す
る。ポップアップ検知スイッチSWPudは、発光部1
11がポップアップ位置から収納位置方向に移動してい
るときはオフする。
【0014】また、本発明の実施の形態は、CPU11
が測光用IC41から得た被写体輝度データ、フィルム
ISO感度データ等に基づいて被写体が低輝度であると判
断したときは、ポップアップマグネットPuMgに通電
して発光部111をポップアップさせて、内蔵フラッシ
ュ53を自動発光させることができる。なお、アクセサ
リーシュー113に外部フラッシュ71が装着されてい
るときは、発光部111をポップアップさせると発光部
111が外部フラッシュ71に衝突する可能性があるの
で発光部111はポップアップさせずに、外部フラッシ
ュ71を内蔵フラッシュ53同様に発光制御する。
【0015】アクセサリーシュー113には種々の外部
フラッシュが装着可能であり、CPU11は外部フラッ
シュの発光、発光停止を制御している。フラッシュCP
U73を内蔵した外部フラッシュ71が装着されたとき
は、CPU11はこのフラッシュCPU73とフラッシ
ュ通信を実行してフラッシュデータを入力する。
【0016】モードダイヤルスイッチSWModは、ベ
ゼル125の回転停止位置に応じてオン/オフする、4
ビットのコードスイッチであって、CPU11は、その
オン/オフの組合せでベゼル125の停止位置、つまり
ベゼル125の指標127が指し示す一つの絵文字群1
23a、123bの絵文字に対応するモード、機能また
はパラメータを選択する。
【0017】CPU11には、撮影情報など、撮影に必
要な情報を表示する表示手段として、外部LCD109
およびファインダ内LCD45が接続されている。CP
U11は、メインスイッチボタン107と連動するメイ
ンスイッチSWMがオフした状態では、ファインダ内L
CD45には何も表示せず、外部LCD109には撮影
前に必要な情報を表示する。撮影前に必要な情報とは、
例えば、フィルムが装填されているか否か、装填されて
いなときはその旨、装填されているときは正常に巻き上
げられているか否か、ローディング中はローディング状
態、正常に巻き上げているときは撮影枚数、撮影終了し
て巻き戻しているときはその巻き戻し状態、巻き戻しが
完了したときは巻き戻し完了状態があり、それぞれの状
態に応じた表示をする。メインスイッチSWMがオンし
た状態では、外部LCD109には撮影枚数の他、選択
されたシャッタ速度、モードなどを表示し、ファインダ
内LCD45には、測光スイッチSWSが半押しされた
とき、またはモードダイヤル121が操作されてAE演
算処理が実行されるまでは何も表示しない。AE演算処
理後は、外部LCD109およびファインダ内LCD4
5に演算された最適シャッタ速度、絞り値など撮影に有
用な情報を表示する。
【0018】ファインダ内LCD45は、その液晶パネ
ルが表示した情報を照明する照明手段として緑色LED
47aおよび赤色LED47bを備えている。CPU1
1は、通常の撮影状態では緑色LED47aをオンする
が、使用者に警告した方がよいとき、例えばシャッタ速
度が手ぶれ限界速度よりも遅いときなど、所定の警告時
には赤色LED47bの方をオンして赤色表示し、照明
色の変化によって使用者に注意を促す。
【0019】さらにCPU11には、モードダイヤル1
21の絵文字を光らせる照明手段としてのピクチャーモ
ード表示LED51(ピクチャーモード表示LED51
a〜51h)を独立して駆動するトランジスタTrが接
続されている。本発明の実施の形態では、メインスイッ
チSWMがオンしたときや、ベゼル125によっていず
れかのプログラムモードが選択されたときなどに、それ
ぞれ対応する形態でトランジスタTrをオンして各ピク
チャーモード表示LED51a〜51hを点灯して選択
されたモードを表示する。
【0020】カメラボディ101にレンズCPUを備え
た撮影レンズ61が装着されているときは、CPU11
はレンズCPU63との間でレンズデータ通信を実行
し、焦点距離、撮影レンズ61がズームレンズの場合は
現在の焦点距離、撮影距離(焦点調節レンズ群Lの位
置)、開放絞り値などのレンズデータを入力する。レン
ズCPU63は、焦点距離コード板64を介して焦点距
離を検知し、距離コード板65を介して撮影距離(焦点
調節レンズ群Lの位置)を検知し、カメラボディ101
のCPU11に通信する。
【0021】さらにこのレンズCPU63は、内蔵フラ
ッシュ53、外部フラッシュ71のフラッシュ光を撮影
レンズ61の鏡枠がケルかどうかを演算によって求める
のに必要なレンズデータをカメラボディ101のCPU
11に通信する。内蔵フラッシュ53のフラッシュ光が
撮影レンズの鏡枠(鏡筒)でケラレを生じる様子を、図
4に示した。この図を参照して、ケラレ情報の演算方法
の実施例について説明する。説明を簡単にするため、内
蔵フラッシュの53の照射角は撮影レンズ61の画角よ
りも大きいものとする。
【0022】フラッシュの発光部111のフレネルレン
ズの上端および下端から射出したフラッシュ光のうち、
撮影レンズ61側(下方)に進む光束は、撮影レンズ6
1を照射する。ここでは、説明を簡単にするため、撮影
レンズ61の前枠上端Pを通るフラッシュ光上光線14
1および下光線142について考察する。図において、
符号の意義は下記の通りである。
【0023】FU:撮影距離 HH:物体高(撮影距離FUにおいて撮影できる被写体
の光軸Oよりも下の高さ) HL:前枠半径 FU1:ワーキングディスタンス(撮影レンズの前枠か
ら被写体までの距離) TL:レンズ全長(フィルム面140から撮影レンズの
前枠までの長さ) Hs:フラッシュ高(光軸Oからフラッシュの発光面
(フレネルレンズ)までの高さ) Ds:フラッシュ位置(フィルム面140からフレネル
レンズまでの長さ) FL:フレネルレンズ半径(フレネルレンズの短辺方向
の半分長) K:ケラレ長(短辺方向) ここで、レンズ全長TL、前枠半径HL、撮影距離FU
1、物体高HHは撮影レンズ61の不揮発性メモリに書
き込み、検知手段で検知してまたは演算によって求めて
レンズ通信でカメラボディ101に通信する値である。
【0024】ケラレ長Kは、下記式によって算出でき
る。 K=HH+FU1×(HL−HS±FL)/(TL−DS) ここで、±FLの+FLはフラッシュ上光線141の場
合、−FLはフラッシュ下光線142の場合である。図
4では、フラッシュ下光線142がケラレ長Kだけケラ
レを生じている。本実施の形態では、このフラッシュ下
光線のケラレ長Kを演算して、算出したケラレ長Kから
ケラレの有無を判定している。
【0025】したがって撮影レンズ61によるフラッシ
ュ光のケラレ長Kを演算するためには、撮影レンズ61
から入力するレンズ固有情報としては、撮影距離FU、
物体高HH、前枠半径HLおよびレンズ全長TLが必要
であり、外付けフラッシュ71から入力するフラッシュ
固有情報としては、フラッシュ高Hs、フラッシュ位置
Ds、およびフレネルレンズ半径FLが必要である。撮
影レンズ61の内蔵ROMには、上記情報のうち、前枠
半径HLおよびレンズ全長TLが予め書き込まれてい
て、撮影距離FU、物体高HHはコード板65、64を
介して入力したデータに基づいてレンズCPU63が演
算し、レンズ通信によってCPU11に転送する。外付
けフラッシュ71は、フラッシュ高Hs、フラッシュ位
置Dsおよびフレネルレンズ半径FLが予め書き込まれ
たROMを備えていて、フラッシュ通信でカメラボディ
101(CPU11)にフラッシュデータとして通信さ
れる。また、内蔵フラッシュ53に関するフラッシュ高
Hs、フラッシュ位置Ds、およびフレネルレンズ半径
FLは、予めEEPROM39に書き込まれている。
【0026】この一眼レフカメラ(カメラボディ10
1)の動作について、図5から図12に示したフローチ
ャートを参照してより詳細に説明する。これらのフロー
チャートは、CPU11が、内蔵ROMに書き込まれた
プログラムによって制御する処理である。
【0027】『メイン処理』図5は、カメラボディ10
1のメイン処理であって、バッテリが装填されていると
きの処理である。バッテリ室にバッテリ13が装填さ
れ、バッテリ蓋が閉じられると、CPU11は各入出力
ポート、内蔵RAMなどを初期化し(S11)、各入出
力ポートに接続された周辺回路を初期化し(S13)、
基準タイマをスタートさせる(S15)。以上の処理
は、バッテリが装填されたときに入るが、バッテリが装
填されている状態では、以下の処理を繰り返す。
【0028】まず、250ms(ミリ秒)インターバルタイ
マをスタートさせ(S17)、各スイッチのオン/オフ
状態を入力してメインスイッチSWMがオンしているか
どうかをチェックする(S19、S21)。250msイン
ターバルタイマは、メインスイッチSWMがオンしたか
どうかをCPU11が定期的にチェックする周期を設定
するタイマである。
【0029】メインスイッチSWMがオフしているとき
は(S21;N)、外部LCD109に電源オフ時の表
示をし、ピクチャーモード表示LED51を消灯させる
(S23、S25)。そして250ms経過するのを待ち
(S27)、経過したら(S27;Y)、S17に戻っ
て再び250msインターバルタイマをスタートさせてS1
9〜S27の処理を繰り返す。以上のS17〜S27の
処理を、メインスイッチSWMがオフしている間繰り返
す。
【0030】メインスイッチSWMがオンすると(S2
1;Y)、前回メインスイッチSWMがオフしていたか
どうかをチェックし(S29)、前回オフしていたら、
つまりメインスイッチSWMがオンされて1回目の処理
のときは、ピクチャーモード表示LED51の点灯によ
るオープニング表示処理を実行する(S29;Y、S3
1)。オープニング表示処理は、ピクチャーモード表示
LED51の各LED51a〜51hを所定のアルゴリ
ズムで順番に点灯させ、消灯する(最後にベゼル125
で選択されているプログラムモードに対応するピクチャ
ーモード表示LED51のみを点灯させる)表示処理で
ある。メインスイッチSWMが前回オフしていなければ
オープニング表示処理をスキップしてS33に進む(S
29;N、S33)。
【0031】S33のステップでは、内蔵フラッシュポ
ップアップ処理を実行する。内蔵フラッシュポップアッ
プ処理とは、詳細は後述するが、ここでは、強制ポップ
アップスイッチSWPuがオンしていればポップアップ
トランジスタTr1をオンしてポップアップマグネットP
uMgに通電し、内蔵フラッシュ53の発光部111を
ポップアップさせる処理である。
【0032】ポップアップ検知スイッチSWPudがオ
ンしていたら、つまり発光部111がポップアップして
いたら、内蔵フラッシュ充電処理を実行してS39に進
み(S35;Y、S37、S39)、ポップアップ検知
スイッチSWPudがオンしていなければ充電処理をス
キップしてS39に進む(S35;N、S39)。
【0033】S39のステップでは、電源オン時のLC
D表示処理を実行する。電源オン時のLCD表示処理で
は、外部LCD109には、設定されたシャッタ速度な
どの撮影に有用な情報を表示し、ファインダ内LCD4
5には何も表示しない。
【0034】そして、測光スイッチSWS、レリーズス
イッチSWRがオンしているかどうかをチェックする
(S41、S43)。いずれのスイッチもオンしていな
ければ(S41;N、S43;N)、モードダイヤルス
イッチSWModの状態が変化したかどうかをチェック
し(S45)、変化していなければS27に戻る(S4
5;N、S27)。
【0035】測光スイッチSWS若しくはレリーズスイ
ッチSWRがオンしているとき、またはモードダイヤル
スイッチSWModの状態が変化しているときは、S4
9に進む(S41;Y、S49、若しくはS43;Y、
S49、またはS45;Y、S49)。
【0036】S49のステップでは、測光タイマ設定処
理を実行する。この測光タイマ設定処理は、250msイン
ターバルタイマよりも短いインターバルでスイッチチェ
ック処理などを実行しながらレリーズスイッチSWRが
オンするのを待ち、所定回数スイッチチェック処理を実
行してもレリーズスイッチSWRがオンしないときにS
17のステップに戻るための、インターバルタイマおよ
びチェック回数を設定する処理である。本実施例のイン
ターバルタイマは125msインターバルタイマであり、
チェック回数は80回であり、チェック回数はカウンタ
ー(COUNTER)にセットされる。
【0037】測光タイマ設定処理を実行したら(S4
9)、125msインターバルタイマをスタートさせる
(S51)。そして、各スイッチのオン/オフ状態を入
力してメインスイッチSWMがオンしているかどうかを
チェックする(S53、S55)。メインスイッチSW
Mがオフしているときは、S89に抜けて発光禁止フラ
グをクリアし、ファインダ内LCDバックライトを消灯
し(S91)、ピクチャーモード表示LED51を消灯
して(S93)、S17に戻る。メインスイッチSWM
がオンしているときは、以下の処理を実行する。
【0038】まず、撮影レンズ61のCPU63から、
開放F値、現在の焦点距離、内蔵フラッシュによるケラ
レを演算するための情報などのレンズデータを入力する
(S57)。測光IC41から測光値(被写体輝度B
v)を入力し(S59)、設定絞り値を入力する(S6
1)。設定絞り値は、撮影レンズ61の絞り環によって
設定された絞り値を、絞り値検出ボリューム43の抵抗
値から検出する。撮影レンズ61の絞り環がオート
(A)位置の場合は、絞り値検出ボリューム43の抵抗
値の情報は用いず、次のステップS63で実行されるA
E演算処理において絞り値Avを演算する。
【0039】次に、AE演算処理によってシャッタ速度
Tvおよび絞り値Avを演算する(S63)。AE演算
処理では、詳細は後述するが、測光値、フィルム感度、
露出補正値に基づいて、選択された露出モードに応じた
アルゴリズムによって適正なシャッタ速度Tv、絞り値
Avを演算し、設定する。
【0040】設定したシャッタ速度Tvおよび絞り値A
vに基づいて、内蔵フラッシュポップアップ処理を実行
する(S65)。内蔵フラッシュポップアップ処理は、
詳細は後述するが、内蔵フラッシュ53の発光部111
をポップアップするかどうか判断し、ポップアップする
場合はポップアップマグネットPuMgに通電して発光
部111をポップアップさせる処理である。次に内蔵フ
ラッシュ53の発光部111がポップアップしたかどう
かをチェックし(S67)、ポップアップしていれば内
蔵フラッシュ53に充電処理を実行させてS71に進み
(S67;Y、S69、S71)、ポップアップしてい
なければ充電処理をスキップしてS71に進む(S6
7;N、S71)。
【0041】S71のステップでは、ファインダ内LC
D45、外部LCD109の表示処理を実行する。この
LCD表示処理では、外部LCD109には、設定され
たシャッタ速度などの撮影に有用な情報を表示し、ファ
インダ内LCD45には、合焦状態、設定されたシャッ
タ速度や、手ぶれ警告、フラッシュ発光モードなど、使
用者がファインダを介して被写体を観察しているときに
有用な情報を表示する。
【0042】そして、ファインダ内LCDバックライト
点灯処理を実行する(S73)。このバックライト点灯
処理では、通常の撮影条件のときは緑色LED47aを
点灯し、手ぶれ警告、合焦できないときなど、警告を要
するときは赤色LED47bを点灯する。さらに、ピク
チャーモード表示点灯処理を実行する(S75)。この
表示点灯処理では、オートピクチャーモード、または発
光禁止オートピクチャーモードが選択されていた場合
に、S63のAE演算処理で選択されたプログラムモー
ドに対応するピクチャーモード表示LED51を点灯す
る処理である。
【0043】点灯処理が終了すると、CCD33を駆動
して被写体像のビデオ信号を入力してAFモータ29の
駆動方向および駆動量を求めてAFモータ29を駆動
し、撮影レンズ61の焦点調節レンズ群Lを合焦位置ま
で移動させるAF処理を実行する(S77)。
【0044】次に、レリーズスイッチSWRがオンして
いるかどうかをチェックし(S79)、オンしていれば
レリーズ処理を実行してS49に戻る(S79;Y、S
95、S49)。レリーズスイッチSWRがオンしてい
なければ(S79;N)、125ms経過したかどうか
(125msインターバルタイマがタイムアップしたかど
うか)をチェックし(S81)、125ms経過するのを
待つ。125ms経過したら(S81;Y)、カウンター
(COUNTER)が0になったかどうかをチェックし(S8
3)、0になっていなければカウンターを1デクリメン
トしてS53に戻る(S83;N、S85、S53)。
つまり、メインスイッチSWMがオンでレリーズスイッ
チSWRがオフの間は、初期値80のカウンターの値が
0になるまでS53〜S85の処理を80回繰り返すの
である。なお、80回繰り返すと、10秒(125(ms)×8
0=10(sec.))経過する。
【0045】カウンターの値が0になったら(S83;
Y)、測光スイッチSWSがオンしているかどうかをチ
ェックし(S87)、測光スイッチSWSがオンしてい
たらS53に戻る(S87;Y)。つまり、10秒経過
しても、測光スイッチSWSがオンの間は、S53〜S
83、S87、S53の処理を繰り返すのである。測光
スイッチSWSがオンしていなかったら(S87;
N)、発光禁止フラグをクリアする(S89)。なお、
発光禁止フラグは、内蔵フラッシュ53および外部フラ
ッシュ71の発光を禁止するか否かを設定するフラグで
ある。そして、ファインダ内LCDバックライトを消灯
し(S91)、ピクチャーモード表示LED51を消灯
してS17に戻る(S93、S17)。ピクチャーモー
ド表示LED51の消灯とは、全てのピクチャーモード
表示LED51を消灯する処理である。
【0046】『内蔵フラッシュポップアップ処理』メイ
ン処理(図5)のS33またはS65のステップで実行
される内蔵フラッシュポップアップ処理に詳細につい
て、図6に示したフローチャートを参照してより詳細に
説明する。この処理は、フラッシュの発光を禁止する発
光禁止オートピクチャーモード以外のモードが選択され
ていて、かつ内蔵フラッシュ発光条件が整ったときに、
トランジスタTr1をオンしてポップアップマグネットP
uMgに通電し、発光部111を発光位置にポップアッ
プさせる処理である。そして、一旦自動ポップアップさ
せたが使用者などによって強制的に収納位置に収納され
たときは、測光タイマがタイムアップするまでは自動ポ
ップアップを禁止していることに、特徴の一つがある。
【0047】内蔵フラッシュポップアップ処理に入る
と、まず、モードダイヤルスイッチSWModによって
発光禁止オートピクチャーモードが選択されているかど
うかをチェックし(S201)、このモードが選択され
ている場合はフラッシュを発光させないのでリターンす
る(S201;Y)。
【0048】発光禁止オートピクチャーモード以外のモ
ードが選択されているときは(S201;N)、発光禁
止フラグに1がセットされているかどうかをチェックし
(S203)、発光禁止フラグに1がセットされていな
いときは(S203;N)、内蔵フラッシュ53がポッ
プアップしているかどうかをチェックする(S20
5)。ただし発光禁止フラグは、デフォルトでは0がセ
ットされている。発光禁止フラグに1がセットされてい
るとき(S203;Y)、またはすでに内蔵フラッシュ
53がポップアップしているとき(S205;Y)はリ
ターンする。内蔵フラッシュ53がポップアップしてい
ないときは(S205;N)、オートポップアップフラ
グに1がセットされているかどうかをチェックする(S
207)。オートポップアップフラグは、デフォルトで
は0がセットされている。
【0049】オートポップアップフラグに1がセットさ
れていなければ(S207;N)、強制ポップアップ処
理を実行し(S213)、フラッシュ発光許可フラグに
1がセットされているかどうかをチェックして、許可さ
れていれば自動ポップアップ処理を実行してリターンし
(S215;Y、S217)、許可されていなければそ
のままリターンする(S215;N)。オートポップア
ップフラグに1がセットされていれば(S207;
Y)、発光禁止フラグに1をセットし(S209)、オ
ートポップアップフラグをクリア(0をセット)してリ
ターンする(S211)。
【0050】『強制ポップアップ処理』内蔵フラッシュ
ポップアップ処理(図6)のS213で実行される強制
ポップアップ処理では、そのフローチャートを図7に示
したように、強制ポップアップスイッチSWPu(強制
発光スイッチ)がオンしているときに(S231;
Y)、ポップアップマグネットPuMgに所定時間(5
ms間)通電して発光部係止機構の係止を解除し(S23
3、S235、S237)、ばね部材の弾性復元力によ
って発光部111をポップアップさせる。発光部111
がポップアップすると、ポップアップ検知スイッチSW
Pudがオンするので、このスイッチのオンによりCP
U11は発光部111がポップアップしたことを検知で
きる。強制ポップアップスイッチSWPuがオンしてい
ないときは(S231;N)、そのままリターンする。
【0051】『自動ポップアップ処理』内蔵フラッシュ
ポップアップ処理(図6)のS217で実行される自動
ポップアップ処理は、そのフローチャートを図8に示し
たように、内蔵フラッシュ53の発光部111がポップ
アップしていないときは、所定条件が整ったときにポッ
プアップさせる処理である。この自動ポップアップ処理
に入ると、まず、内蔵フラッシュ53がポップアップし
ているかどうかをポップアップ検知スイッチSWPud
がオンしているかどうかでチェックする(S241)。
ポップアップ検知スイッチSWPudがオンしていた
ら、発光部111はすでにポップアップしている状態な
のでそのままリターンする(S241;Y)。オンして
いなければ、オートポップアップ許可フラグがセットさ
れているかどうか、かつ測光スイッチSWSがオンして
いるかどうかをチェックする(S241;N、S24
3)。
【0052】オートポップアップ許可フラグは、AE演
算処理(自動発光判断処理)でフラッシュを発光したほ
うがよいと判断されたときに内蔵フラッシュ53がポッ
プアップしていなければ、セットされる。オートポップ
アップ許可フラグがクリアされているか、または測光ス
イッチSWSがオンしていなければそのままリターンす
る(S243;N)。オートポップアップ許可フラグが
セットされていて、かつ測光スイッチSWSがオンして
いたら、ポップアップマグネットPuMgに5ms間通電
して係止を解除し(S243;Y、S245、S24
7、S249)、発光部111をばね部材の弾性復元力
によってポップアップさせる。そして、オートポップア
ップフラグに1をセットしてリターンする(S25
1)。
【0053】メイン処理(図5)のS65のステップで
実行される内蔵フラッシュポップアップ処理において発
光部111をポップアップさせたら、ポップアップ検知
スイッチSWPudがオンし、オートポップアップフラ
グに1がセットされるので、その後、内蔵フラッシュポ
ップアップ処理に入ったときに、S205からこの処理
を抜ける。一方、自動ポップアップさせた発光部111
が使用者によって収納位置まで押し下げられると、ポッ
プアップ検知スイッチSWPudがオフするので、オフ
してから1回目の内蔵フラッシュポップアップ処理でS
207からS209に進み、発光禁止フラグに1をセッ
トし、S211でオートポップアップフラグをクリアし
てこの処理を抜ける。したがって、その後測光スイッチ
SWSをオンしている間、および測光スイッチSWSを
オフして測光タイマ時間が経過するまでは発光禁止フラ
グに1がセットされている。そして、メイン処理(図
5)のS65のステップで内蔵フラッシュポップアップ
処理(図6)に入ってもS203のステップからリター
ンするので、オートポップアップ許可フラグがセットさ
れていてかつ測光スイッチSWSをオンしていても発光
部111が自動的にポップアップすることがない。測光
タイマ時間が経過すると、メイン処理(図5)のS89
のステップにおいて発光禁止フラグがクリアされるの
で、その後内蔵フラッシュポップアップ処理(図6)に
入ったときに、オートポップアップ許可フラグがセット
されていてかつ測光スイッチSWSがオンしていれば、
発光部111が自動的にポップアップする。
【0054】『AE演算処理』メイン処理(図5)のS
63のステップで実行されるAE演算処理について、図
9を参照してより詳細に説明する。このAE演算処理に
入るとまず、手ぶれ速以下フラグ等AE演算処理に関係
するフラグをすべてクリアする(S301)。CPU1
1は、レンズCPU63との間で、所定のレンズ通信を
ステップS57で実行しており、開放絞り値、最小絞り
値等のレンズデータを用いて補正を行う(S303)。
次に、測光IC41から入力した測光信号に基づいて、
各測光エリア毎に被写体輝度を算出し(S305)、分
割測光アルゴリズムによって露出値Lv´を算出する
(S307)。そして、フィルム感度Sv、露出補正値
Xv、露出値Lv´に基づいて、制御用露出値Lvを算
出する(S309)。
【0055】そして、モードダイヤル121によって選
択された露出モードを設定するピクチャーモード設定処
理を実行する(S311)。そして、撮影レンズ61か
ら入力したレンズデータと、EEPROM39から読み込んだ
内蔵フラッシュデータから内蔵フラッシュ53のケラレ
長Kを、外部フラッシュ71から不図示のフラッシュ通
信によって入力した外部フラッシュデータから外部フラ
ッシュ71のケラレ長を演算し、それぞれフラッシュ光
が撮影レンズ61の前枠によってケラレるかどうかを判
定する(S313)。ここでケラレとは、図4を参照し
て説明したように、フラッシュ光の一部が、装着された
レンズ鏡筒により遮られてしまい、撮影画面の中央下部
にフラッシュ光が届かず、レンズ鏡筒の影が出てしまう
ことをいう。本実施の形態では、このような失敗を防ぐ
ために、外部フラッシュ71、内蔵フラッシュ53につ
いてケラレを生じると判定したときは、外付ケラレ、内
ケラレが有る旨をCPU11の内蔵RAMに設定し、後
述の自動発光判断処理において、フラッシュを発光させ
ないようにする。
【0056】次に、自動発光判断処理を実行する(S3
15)。詳細は後述するが、自動発光判断処理において
フラッシュ発光許可フラグがセットされると、プログラ
ム演算処理においてCPU11が所定条件に基づいてフ
ラッシュを発光させるか否か判断して、フラッシュを発
光させると判断したときには、レリーズ処理(S95)
の際に内蔵フラッシュ53または外部フラッシュ71を
発光させる。
【0057】フラッシュ発光許可フラグがセットされて
いないときは、フラッシュを発光させない定常光プログ
ラム演算を実行してシャッタ速度および絞り値を求め
(S317;N、S321)、フラッシュ発光許可フラ
グがセットされているときは、所定の条件を満たしたと
きにフラッシュを発光させるフラッシュプログラム演算
処理を実行して適正シャッタ速度および絞り値を求め
(S317;Y、S319)、手ぶれ速以下判定処理
(S323)を実行する。
【0058】手ぶれ速以下判定処理では、定常光プログ
ラム演算処理またはフラッシュプログラム演算処理で求
めたシャッタ速度が手ぶれ限界速度より遅いかどうかを
判定する。シャッタ速度が手ぶれ限界速度より遅い場合
には、S73のファインダ内LCDバックライト点灯処
理で赤色LED47bを点灯させる。
【0059】『自動発光判断処理』AE演算処理(図
9)のS315のステップで実行される自動発光判断処
理について、図10に示したフローチャートを参照して
より詳細に説明する。この処理に入るとまず、モードダ
イヤルスイッチSWModの状態により発光禁止オート
ピクチャーモードが選択されているかどうかをチェック
する(S341)。発光禁止オートピクチャーモードが
選択されている場合は、内蔵フラッシュ53および外部
フラッシュ71の発光を禁止しているので、そのままリ
ターンする(S341;Y)。発光禁止オートピクチャ
ーモード以外の撮影モードが設定されている場合は、自
動発光モードであるかどうかをチェックする(S34
1;N、S343)。
【0060】自動発光モードではないとき、つまり、強
制発光モードであるときはS345へ進み(S343;
N、S345)、外部フラッシュ71の充電電圧が充電
完了レベルに達しているかどうかチェックする(S34
5)。
【0061】外部フラッシュ71の充電が完了している
ときは(S345;Y)、自動発光モードであるかどう
かをチェックし(S346)、自動発光モードであると
きはS313のステップで判定した外付ケラレ(外部フ
ラッシュ光がケラレる)か否かをチェックし(S34
6;Y、S347)、外付ケラレのときはフラッシュの
発光を許可しないでリターンする(S347;Y)。外
付ケラレでないときは(S347;N)、レリーズ処理
(S95)の際にフラッシュ光の発光を許可するフラッ
シュ発光許可フラグをセットしてリターンする(S35
5)。自動発光モードでないときは、フラッシュ発光許
可フラグをセットしてリターンする(S346;N、S
355)。
【0062】外部フラッシュ71の充電が完了していな
いとき(外部フラッシュ71が装着されていないときも
含む)は(S345;N)、自動発光モードであるかど
うかをチェックし(S348)、自動発光モードである
ときは内ケラレ(内蔵フラッシュ光がケラレる)か否か
をチェックし(S348;Y、S349)、内ケラレの
ときはフラッシュの発光を許可しないでリターンする
(S349;Y)。自動発光モードでないとき、または
内ケラレでないときは、内蔵フラッシュポップアップ検
知スイッチSWPudの状態により内蔵フラッシュ53
の発光部111がポップアップしているかどうかをチェ
ックする(S348;NまたはS349;N、S35
0)。
【0063】発光部111がポップアップしているとき
は、内蔵フラッシュ53の充電電圧が充電完了レベルに
達しているかどうかをチェックする(S350;Y、S
351)。内蔵フラッシュ53の充電が完了していると
きはフラッシュ発光許可フラグをセットしてからリター
ンする(S351;Y、S355)。充電が完了してい
ないときはそのままリターンする(S351;N)。発
光部111がポップアップしていないときは、発光部1
11が収納位置にあるか、途中までポップアップしてい
るが正常な向きではないので、オートポップアップ許可
フラグをセットしてリターンする(S350;N、S3
53)。
【0064】オートポップアップ許可フラグがセットさ
れると、測光スイッチSWSがオンされていることを条
件に、自動ポップアップ処理(図8)においてS243
からS245に進み、内蔵フラッシュ53が自動的にポ
ップアップされる。
【0065】自動発光モードのときは(S343;
Y)、レンズデータ通信で得た撮影距離が所定距離より
も近いかどうか判断し(S357)、近距離の場合はそ
のままリターンする(S357;Y)。撮影距離が近す
ぎると、フラッシュ光の自動調光機能が有効に働かず、
露出オーバーになる場合があるからである。本実施形態
では、撮影距離のアペックス換算値が−1(約70cm)
以下の場合を近距離としてこの場合はフラッシュ光の自
動発光は行わない。
【0066】撮影距離が所定距離よりも長い場合は(S
357;N)、プログラムモードであるかどうかをチェ
ックする(S359)。プログラムモードでない場合
(S359;N)、つまり絞り優先モード、シャッタ速
度優先モード、マニュアルモード等であるときは、各使
用者の判断に任せるため、そのままリターンする(S3
59;N)。
【0067】プログラムモードが設定されているとき
は、定常光プログラム演算処理を実行する(S36
1)。そして、演算したシャッタ速度が手ぶれ限界速度
以下であるかどうか(S363)、および逆光かどうか
を判断する(S365)。演算したシャッタ速度が手ぶ
れ限界速度以下でなく、かつ逆光撮影でもないときは、
そのままリターンする(S363;N、S365;
N)。演算したシャッタ速度が手ぶれ限界速度以下であ
るとき(S363;Y)、または逆光撮影であるときは
(S365;Y)、フラッシュを発光させるためにS3
45に進む。なお、手ぶれ限界速度とは、手ぶれがあっ
ても露光像のぼけが目立たないであろうシャッタ速度で
あって、手ぶれ限界速度以上であれば通常、鮮明な露光
像が得られる。
【0068】『レリーズ処理』メイン処理(図5)のS
95で実行されるレリーズ処理について、図11に示し
たフローチャートを参照してより詳細に説明する。
【0069】レリーズ処理に入ると、まず、ミラー係止
解除マグネット(図示せず)に通電してミラー係止を解
除し、ミラーをミラーアップばねの復元力によってアッ
プさせるとともに、絞り制御回路37を作動させて、ミ
ラーアップに連動して絞り込まれる絞り込み機構を、設
定した絞り値で停止させる(S601)。ミラーアップ
が完了したことをミラーアップ検知スイッチ(図示せ
ず)によって検知したら、詳細は後述するが、シャッタ
回路35を作動させて、設定したシャッタ速度でフォー
カルプレーンシャッタ装置を作動させる露光処理を実行
する(S603)。
【0070】シャッタ装置の動作が終了したらメカチャ
ージモータ21を作動させてミラーをダウンさせるとと
もにミラーチャージばねをチャージするミラーチャージ
処理、およびシャッタ幕を作動開始位置まで移動させる
とともシャッタチャージばねをチャージするシャッタチ
ャージ処理を実行し、さらにフィルムモータ25を作動
させてフィルムを1コマ分巻き上げるフィルム巻上げ処
理を実行する(S605)。そして、発光禁止フラグを
クリアしてリターンする(S607)。
【0071】『露光処理』レリーズ処理(図11)のS
603で実行される露光処理について、図12に示した
フローチャートを参照してより詳細に説明する。
【0072】露光処理に入ると、まず、AE演算処理で
設定したシャッタ速度(露出時間)をシャッタタイマー
に設定してシャッタタイマーをスタートさせ(S62
1)、先幕をスタート(走行)させる(S623)。
【0073】次に、設定したシャッタ速度がフラッシュ
同調速度以下かどうかをチェックする(S625)。フ
ラッシュ同調速度以下でなければフラッシュを発光させ
ないので、シャッタタイマーがタイムアップしたかどう
かをチェックし(S625;N、S639)、タイムア
ップしたら後幕をスタートさせてリターンする(S63
9;Y、S641)。
【0074】設定したシャッタ速度がフラッシュ同調速
度以下であれば(S625;Y)、先幕の走行が完了す
るのを待ち(S627)、先幕の走行が完了したことを
検知したら(S627;Y)、発光禁止オートピクチャ
ーモードが選択されているかどうかをチェックする(S
629)。発光禁止オートピクチャーモードが選択され
ていればフラッシュは発光させないのでS639に進み
(S629;Y、S639)、選択されていなければフ
ラッシュ発光が可能かどうか(フラッシュ発光許可フラ
グがセットされているかどうか)をチェックする(S6
29;N、S631)。フラッシュ発光可でなければ
(フラッシュ発光許可フラグがセットされていなけれ
ば)S639に進み(S631;N、S639)、フラ
ッシュ発光可であれば、アクセサリーシュー113に外
部フラッシュ71が装着されている場合は、外部フラッ
シュ71に発光信号を送信して外部フラッシュ装置71
を発光させる外部フラッシュ発光処理を実行する(S6
31;Y、S633)。
【0075】そして、内蔵フラッシュ53の発光部11
1がポップアップしているかどうかをポップアップ検知
スイッチSWPudがオンしているかどうかでチェック
する(S635)。発光部111がポップアップしてい
たら(S635;Y)、内蔵フラッシュ発光処理を実行
してS639に進む(S637、S639)。内蔵フラ
ッシュ53がポップアップしていなければ内蔵フラッシ
ュ53を発光させずにS639に進む(S635;N、
S639)。なお、アクセサリーシュー113に外部フ
ラッシュ71が装着されているときは、発光部111を
ポップアップさせないので、S639に進む。なお、通
常、内、外フラッシュ発光処理では、図示しないTTL
測光センサによってフィルム面の受光光量を測定し、受
光光量が演算した露光量に達したら発光停止信号を内、
外フラッシュ53、71に出力して発光を停止させる。
【0076】以上、本発明について、内蔵フラッシュ5
3を備えた一眼レフカメラに適用した実施の形態につい
て説明したが、本発明は、内蔵フラッシュ53を備えて
いないカメラに適用できる。要するに、撮影レンズ61
によるフラッシュ光のケラレ状況を算出できればよいの
である。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、
撮影レンズから入力したレンズデータおよび内蔵フラッ
シュデータまたは外部フラッシュから入力した外部フラ
ッシュデータに基づいてフラッシュ光のケラレ状況を演
算により求めることが可能になり、さらにケラレを生じ
る場合にはそのフラッシュの発光を禁止してケラレによ
る失敗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した一眼レフカメラのカメラボ
ディの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 同一眼レフカメラの制御系の回路構成の一実
施例をブロックで示す図である。
【図3】 同一眼レフカメラに撮影レンズを装着した状
態の主要構成部材をブロックで模式的に示す図である。
【図4】 内蔵フラッシュ光が撮影レンズの鏡枠によっ
てケラレを生じる様子およびケラレ長を求める原理を説
明する図である。
【図5】 同一眼レフカメラのカメラ動作に関するメイ
ン処理の一実施例をフローチャートで示す図である。
【図6】 同一眼レフカメラの内蔵フラッシュポップア
ップ処理をフローチャートで示す図である。
【図7】 同一眼レフカメラの強制ポップアップ処理を
フローチャートで示す図である。
【図8】 同一眼レフカメラの自動ポップアップ処理を
フローチャートで示す図である。
【図9】 同一眼レフカメラのAE演算処理をフローチ
ャートで示す図である。
【図10】 同一眼レフカメラの自動発光判断処理をフ
ローチャートで示す図である。
【図11】 同一眼レフカメラのレリーズ処理をフロー
チャートで示す図である。
【図12】 同一眼レフカメラの露光処理をフローチャ
ートで示す図である。
【符号の説明】
11 CPU 15 電圧レギュレータ 17 発振子 19 23 27 モータドライバIC 21 メカチャージモータ 25 フィルムモータ 29 AFモータ 31 AF用フォトインタラプタ 33 CCD 35 シャッタ回路 37 絞り制御回路 39 EEPROM 41 測光用IC 45 ファインダ内LCD 47a 緑色LED 47b 赤色LED 51 ピクチャーモード表示LED 51a〜51h ピクチャーモード表示LED 53 内蔵フラッシュ 63 レンズCPU 71 外部フラッシュ 73 フラッシュCPU 101 カメラボディ 103 上飾り板 105 レリーズボタン 107 メインスイッチボタン 109 外部LCD 111 発光部(外飾枠) 113 アクセサリーシュー 115 ボディマウント 117 ボディ接点群 121 モードダイヤル 123 モード盤(表示板) SWM メインスイッチ SWS 測光スイッチ SWR レリーズスイッチ SWPu 強制ポップアップスイッチ SWPud ポップアップ検知スイッチ SWMod モードダイヤルスイッチ PuMg ポップアップマグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 茂 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H053 AA00 AA02 AA08 AB02 AB03 AD21 BA72 BA75 BA82

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ情報の通信が可能な撮影レンズの
    着脱が可能で、内蔵フラッシュを備えたカメラであっ
    て、 内蔵フラッシュデータが予め記憶された記憶手段と、 装着された撮影レンズから通信を介して入力したレンズ
    情報と、前記記憶手段から読み込んだ内蔵フラッシュデ
    ータとに基づいて、前記撮影レンズによる前記内蔵フラ
    ッシュ光のケラレ状況を演算して求める演算手段と、を
    備えたカメラのフラッシュ制御装置。
  2. 【請求項2】 レンズ情報の通信が撮影レンズの着脱お
    よびフラッシュ情報の通信が可能な外部フラッシュの着
    脱が可能なカメラであって、 装着された撮影レンズから通信を介して入力したレンズ
    情報と、前記装着された外部フラッシュから通信を介し
    て入力したフラッシュ情報に基づいて、前記撮影レンズ
    による前記外部フラッシュ光のケラレ状況を演算して求
    める演算手段と、を備えたカメラのフラッシュ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 レンズ情報の通信が撮影レンズの着脱お
    よびフラッシュ情報の通信が可能な外部フラッシュの使
    用が可能な、内蔵フラッシュを備えたカメラであって、
    内蔵フラッシュデータが予め記憶された記憶手段と、装
    着された撮影レンズから通信を介して入力したレンズ情
    報および前記記憶手段から読み込んだ内蔵フラッシュデ
    ータとに基づいて前記撮影レンズによる前記内蔵フラッ
    シュ光のケラレ状況を演算し、前記レンズ情報および外
    部フラッシュから通信を介して入力したフラッシュ情報
    に基づいて前記撮影レンズによる前記外部フラッシュ光
    のケラレ状況を演算して求める演算手段と、を備えたカ
    メラのフラッシュ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段の演算結果に基づいてケラ
    レを生じると判断したときは、そのフラッシュの自動発
    光を禁止する発光禁止手段を備えたことを特徴とする請
    求項1から3のいずれか一項記載のカメラのフラッシュ
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記フラッシュ制御手段は強制発光選択
    手段を備え、該強制発光選択手段によって強制発光が選
    択されているときに前記発光禁止手段は、ケラレを生じ
    ると判断したときはそのフラッシュの発光を許可しない
    請求項4記載のカメラのフラッシュ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記カメラは逆光判断が可能な分割測距
    手段を備え、前記フラッシュ制御手段は、自動発光モー
    ドが選択されているときは、撮影距離が所定距離よりも
    長く、かつ設定されたシャッタ速度が手ぶれ限界速度以
    下であることを条件に、前記演算手段にフラッシュのケ
    ラレ状況を演算させる請求項1または2記載のカメラの
    フラッシュ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記フラッシュ制御手段は、自動発光モ
    ードが選択されているときに撮影距離が所定距離よりも
    短いと判断したとき、または前記シャッタ速度が手ぶれ
    限界速度よりも速いときは自動発光を許可しない請求項
    6記載のカメラのフラッシュ制御装置。
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