JP2001013310A - 反射面およびその形成方法 - Google Patents
反射面およびその形成方法Info
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- JP2001013310A JP2001013310A JP11184926A JP18492699A JP2001013310A JP 2001013310 A JP2001013310 A JP 2001013310A JP 11184926 A JP11184926 A JP 11184926A JP 18492699 A JP18492699 A JP 18492699A JP 2001013310 A JP2001013310 A JP 2001013310A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の反射板では金属光沢の影響のため見る
人が自然な表示と感じることができない、あるいは明る
さが不十分であるという問題があった。 【解決手段】 基板表面に異なる大きさの谷型の形状が
異なる間隔で連続的に存在するように形成し、かつ谷型
形状の大きさおよび間隔の分布の様式が異なる複数の領
域が存在するようにし、必要に応じて光反射率の高い金
属薄膜で被覆する。また、この形成には結晶基板の特定
の面方位における異方性エッチングを用いる。
人が自然な表示と感じることができない、あるいは明る
さが不十分であるという問題があった。 【解決手段】 基板表面に異なる大きさの谷型の形状が
異なる間隔で連続的に存在するように形成し、かつ谷型
形状の大きさおよび間隔の分布の様式が異なる複数の領
域が存在するようにし、必要に応じて光反射率の高い金
属薄膜で被覆する。また、この形成には結晶基板の特定
の面方位における異方性エッチングを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光を利用する部品に
関するものであり、とくに外光を利用する各種の表示素
子に関するものである。
関するものであり、とくに外光を利用する各種の表示素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光を反射するもっとも一般的な物は鏡で
ある。これはガラス板の裏面に光をよく反射する金属皮
膜を形成したものであり、日常生活の使用には特に支障
はない。また、反射式天体望遠鏡などのようにきわめて
精度の高い反射を必要とする場合には裏面ではなく表面
に直接皮膜を形成し、たとえわずかであっても光がガラ
スを通過することにより吸収されることを避けている。
ある。これはガラス板の裏面に光をよく反射する金属皮
膜を形成したものであり、日常生活の使用には特に支障
はない。また、反射式天体望遠鏡などのようにきわめて
精度の高い反射を必要とする場合には裏面ではなく表面
に直接皮膜を形成し、たとえわずかであっても光がガラ
スを通過することにより吸収されることを避けている。
【0003】同じ反射という一言で表現されることがら
でも、表示素子においては事情が異なってくる。たとえ
ば液晶パネルは原理的には光の透過と遮断を制御するこ
とにより表示を行うので、背面に光源(バックライト)
を設置するかまたは反射板を設置することにより表示の
明るさを得ている。反射方式に用いる反射板としては大
きく2つの取り組みがある。(1)反射板の光反射率が
高いほど明るい表示が得られるため、パネル裏面にAlや
Agなどの高反射率の物質を用いて被覆した反射板を貼り
付ける。(2)鏡面ではなく光の散乱性を取り入れた散
乱反射フィルムを貼り付ける。
でも、表示素子においては事情が異なってくる。たとえ
ば液晶パネルは原理的には光の透過と遮断を制御するこ
とにより表示を行うので、背面に光源(バックライト)
を設置するかまたは反射板を設置することにより表示の
明るさを得ている。反射方式に用いる反射板としては大
きく2つの取り組みがある。(1)反射板の光反射率が
高いほど明るい表示が得られるため、パネル裏面にAlや
Agなどの高反射率の物質を用いて被覆した反射板を貼り
付ける。(2)鏡面ではなく光の散乱性を取り入れた散
乱反射フィルムを貼り付ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者では金属
光沢の影響のため見る人が自然な表示と感じることがで
きないと言う問題があり、後者では明るさが不十分であ
るという問題があった。
光沢の影響のため見る人が自然な表示と感じることがで
きないと言う問題があり、後者では明るさが不十分であ
るという問題があった。
【0005】本発明は上記の欠点を解消し、できる限り
自然な見かけと明るい表示を実現するための反射面およ
びその作成方法を提供することを目的とする。
自然な見かけと明るい表示を実現するための反射面およ
びその作成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の第一の構成は、基板表面上に谷型形状が連続的
に存在し、前記谷型形状の斜面は前記基板表面に対しあ
る特定の角度をなし,前記谷型形状が複数種類の異なる
大きさを有し,前記谷型形状の間隔が複数種類の異なる
大きさを有し,前記異なる大きさの谷型形状および間隔
の分布の様式が異なる複数の領域が存在することを特徴
とする反射面というものである。
本発明の第一の構成は、基板表面上に谷型形状が連続的
に存在し、前記谷型形状の斜面は前記基板表面に対しあ
る特定の角度をなし,前記谷型形状が複数種類の異なる
大きさを有し,前記谷型形状の間隔が複数種類の異なる
大きさを有し,前記異なる大きさの谷型形状および間隔
の分布の様式が異なる複数の領域が存在することを特徴
とする反射面というものである。
【0007】また、本発明の第二の構成は、基板表面上
に谷型形状が連続的に存在し、前記谷型形状の斜面は前
記基板表面に対しある特定の角度をなし,前記谷型形状
が複数種類の異なる大きさを有し,前記谷型形状の間隔
が複数種類の異なる大きさを有し,前記異なる大きさの
谷型形状および間隔の分布の様式が異なる複数の領域が
存在し,前記表面は所望の光を反射する物質の薄膜にて
覆われていることを特徴とする反射面というものであ
る。
に谷型形状が連続的に存在し、前記谷型形状の斜面は前
記基板表面に対しある特定の角度をなし,前記谷型形状
が複数種類の異なる大きさを有し,前記谷型形状の間隔
が複数種類の異なる大きさを有し,前記異なる大きさの
谷型形状および間隔の分布の様式が異なる複数の領域が
存在し,前記表面は所望の光を反射する物質の薄膜にて
覆われていることを特徴とする反射面というものであ
る。
【0008】また、本発明の第一の作成方法は、基板表
面にエッチング液に対する耐久性のある材料で所望のパ
ターンを形成し,前記エッチング液に前記所望のパター
ンを形成した前記基板を浸すことにより前記所望のパタ
ーン部分は溶解せずにそのまま残し、それ以外の部分は
徐々に特定方向に向かってのみエッチングを進行させ、
前記パターン幅で規定される点でエッチングを終了させ
ることにより前記基板表面に対して斜面がある特定の角
度をなす谷型形状が連続的に存在するように前記基板表
面にエッチングを施す方法において,前記所望のパター
ン幅および間隔が複数の異なる大きさを有し,前記複数
の異なる大きさを有する所望のパターン幅および間隔の
分布が異なる複数の領域を有するパターンを用いてエッ
チングすること特徴とする反射面の形成方法というもの
である。
面にエッチング液に対する耐久性のある材料で所望のパ
ターンを形成し,前記エッチング液に前記所望のパター
ンを形成した前記基板を浸すことにより前記所望のパタ
ーン部分は溶解せずにそのまま残し、それ以外の部分は
徐々に特定方向に向かってのみエッチングを進行させ、
前記パターン幅で規定される点でエッチングを終了させ
ることにより前記基板表面に対して斜面がある特定の角
度をなす谷型形状が連続的に存在するように前記基板表
面にエッチングを施す方法において,前記所望のパター
ン幅および間隔が複数の異なる大きさを有し,前記複数
の異なる大きさを有する所望のパターン幅および間隔の
分布が異なる複数の領域を有するパターンを用いてエッ
チングすること特徴とする反射面の形成方法というもの
である。
【0009】また、本発明の第二の作成方法は、基板表
面にエッチング液に対する耐久性のある材料で所望のパ
ターンを形成し,前記エッチング液に前記所望のパター
ンを形成した前記基板を浸すことにより前記所望のパタ
ーン部分は溶解せずにそのまま残し、それ以外の部分は
徐々に特定方向に向かってのみエッチングを進行させ、
前記パターン幅で規定される点でエッチングを終了させ
ることにより前記基板表面に対して斜面がある特定の角
度をなす谷型形状が連続的に存在するように前記基板表
面にエッチングを施す方法において,前記所望のパター
ン幅および間隔が複数の異なる大きさを有し,前記複数
の異なる大きさを有する所望のパターン幅および間隔の
分布が異なる複数の領域を有するパターンを用いてエッ
チングし,金属薄膜による被覆を施すことを特徴とする
反射面の形成方法というものである。
面にエッチング液に対する耐久性のある材料で所望のパ
ターンを形成し,前記エッチング液に前記所望のパター
ンを形成した前記基板を浸すことにより前記所望のパタ
ーン部分は溶解せずにそのまま残し、それ以外の部分は
徐々に特定方向に向かってのみエッチングを進行させ、
前記パターン幅で規定される点でエッチングを終了させ
ることにより前記基板表面に対して斜面がある特定の角
度をなす谷型形状が連続的に存在するように前記基板表
面にエッチングを施す方法において,前記所望のパター
ン幅および間隔が複数の異なる大きさを有し,前記複数
の異なる大きさを有する所望のパターン幅および間隔の
分布が異なる複数の領域を有するパターンを用いてエッ
チングし,金属薄膜による被覆を施すことを特徴とする
反射面の形成方法というものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本願の目的のための反射面は特殊
な散乱性を持たせることにより光がある限られた範囲に
集光されるように反射され、その限られた範囲内では平
坦面による反射よりも明るくなるという性質を有するも
のである(図1参照)。こうした特性を得るためには,
ミクロなレベルで表面の傾斜が特有の分布を有する必要
がある。しかし,このような反射特性を実現するために
必要な表面形状を特定することはできず,理論的に可能
なアプローチはある表面形状を数式で記述し,それに基
づいて反射特性を調べるというものである.表面形状を
記述する関数が与えられたとすると,その表面のミクロ
な傾斜角度の確率密度関数を求め,それがある範囲内に
おいて定数関数に近ければその表面は光を一定の範囲内
に集中的に散乱しうる.したがって唯一絶対のものが存
在するわけではなく,いかにこのような理想的な反射特
性に近いものを実現するかが現実の課題であるといえ
る.本願の発明者の予備的な試算によれば,表面がたと
えば正弦波類似の形状を有する場合には前述の確率密度
関数が特定範囲の境界近傍を除けばかなりの程度一定値
に近いことが明らかとなっている(図2参照)。また,
正弦波状の異なる形状を混合することによりさらにこの
特性は改善される。
な散乱性を持たせることにより光がある限られた範囲に
集光されるように反射され、その限られた範囲内では平
坦面による反射よりも明るくなるという性質を有するも
のである(図1参照)。こうした特性を得るためには,
ミクロなレベルで表面の傾斜が特有の分布を有する必要
がある。しかし,このような反射特性を実現するために
必要な表面形状を特定することはできず,理論的に可能
なアプローチはある表面形状を数式で記述し,それに基
づいて反射特性を調べるというものである.表面形状を
記述する関数が与えられたとすると,その表面のミクロ
な傾斜角度の確率密度関数を求め,それがある範囲内に
おいて定数関数に近ければその表面は光を一定の範囲内
に集中的に散乱しうる.したがって唯一絶対のものが存
在するわけではなく,いかにこのような理想的な反射特
性に近いものを実現するかが現実の課題であるといえ
る.本願の発明者の予備的な試算によれば,表面がたと
えば正弦波類似の形状を有する場合には前述の確率密度
関数が特定範囲の境界近傍を除けばかなりの程度一定値
に近いことが明らかとなっている(図2参照)。また,
正弦波状の異なる形状を混合することによりさらにこの
特性は改善される。
【0011】このような形状を作成するためには,たと
えばレーザー光や電子ビームをコンピューターコントロ
ールで走査することにより基材の表面に所望の微細加工
を施すような手法が理想的である.こうした方法は実験
的には有効であるが,工業的な生産を考慮すると不適当
な事項が多く出てくる.本発明は必ずしも所望の表面形
状そのものではないがそれに許容される程度に近い形状
を作成することができ,しかも工業生産においても利用
可能な方法を提供するものである。
えばレーザー光や電子ビームをコンピューターコントロ
ールで走査することにより基材の表面に所望の微細加工
を施すような手法が理想的である.こうした方法は実験
的には有効であるが,工業的な生産を考慮すると不適当
な事項が多く出てくる.本発明は必ずしも所望の表面形
状そのものではないがそれに許容される程度に近い形状
を作成することができ,しかも工業生産においても利用
可能な方法を提供するものである。
【0012】以下、具体例について詳細に述べる。図3
は本発明による反射面の断面を示すものである。基板1
の表面にミクロなV字谷2が形成されている。この谷の
斜面と表面とのなす角3は全体にわたって均一である。
谷の大きさおよび間隔は反射表面全体としての散乱性と
反射性のかねあいに影響するものであり、特定値に決め
られるものではないが、光の波長との関連でその寸法が
極端に大きい場合には異なる方向を向いた鏡が並んでい
るようにしか見えず、また、極端に小さい場合には光に
影響を与えなくなってしまう。したがって、光の波長程
度から数十ミクロン程度が望ましい。
は本発明による反射面の断面を示すものである。基板1
の表面にミクロなV字谷2が形成されている。この谷の
斜面と表面とのなす角3は全体にわたって均一である。
谷の大きさおよび間隔は反射表面全体としての散乱性と
反射性のかねあいに影響するものであり、特定値に決め
られるものではないが、光の波長との関連でその寸法が
極端に大きい場合には異なる方向を向いた鏡が並んでい
るようにしか見えず、また、極端に小さい場合には光に
影響を与えなくなってしまう。したがって、光の波長程
度から数十ミクロン程度が望ましい。
【0013】表示に用いる光の波長は可視全域であり、
本発明はそれらの光の散乱性および集光性をミクロな形
状によって操作しようとするものである。したがって、
このV字谷がある1種類のみの場合には特定波長の光が
必要以上に強く見える、干渉縞が見えるなどの不都合が
生ずる可能性を否定できない。そこで、本願はV字谷の
大きさ及びそれらの間隔を複数種類とりまぜ、さらにこ
れらの混ざり方が異なる領域を設けることによりいっそ
う均一な見かけを実現しようとするものである。
本発明はそれらの光の散乱性および集光性をミクロな形
状によって操作しようとするものである。したがって、
このV字谷がある1種類のみの場合には特定波長の光が
必要以上に強く見える、干渉縞が見えるなどの不都合が
生ずる可能性を否定できない。そこで、本願はV字谷の
大きさ及びそれらの間隔を複数種類とりまぜ、さらにこ
れらの混ざり方が異なる領域を設けることによりいっそ
う均一な見かけを実現しようとするものである。
【0014】通常の平坦な反射面と本発明のような起伏
を有する反射面とを比較すると、顕著な相異が見られ
る。図4は反射光の強度分布を示すものである。反射面
4が平坦である場合には5に示すような広がりのある均
一な反射強度分布を示す。一方、反射面4が本発明のよ
うな起伏を有する場合には6に示すような方向性のある
反射強度分布となる。平面における光の反射は入射角度
と反射角度の大きさが全面にわたり一定であるために入
射光分布と反射光分布に差異を生じないが、本発明のよ
うな特殊な散乱性を持たせた反射表面では光がある限ら
れた範囲に集光されるように反射されるため、その限ら
れた範囲内では平坦面による反射よりも明るくなる。ま
た、凹面鏡を用いて集光した場合のような鏡のようなぎ
らついた印象が低減され、より自然な明るさに近い感じ
が得られる。
を有する反射面とを比較すると、顕著な相異が見られ
る。図4は反射光の強度分布を示すものである。反射面
4が平坦である場合には5に示すような広がりのある均
一な反射強度分布を示す。一方、反射面4が本発明のよ
うな起伏を有する場合には6に示すような方向性のある
反射強度分布となる。平面における光の反射は入射角度
と反射角度の大きさが全面にわたり一定であるために入
射光分布と反射光分布に差異を生じないが、本発明のよ
うな特殊な散乱性を持たせた反射表面では光がある限ら
れた範囲に集光されるように反射されるため、その限ら
れた範囲内では平坦面による反射よりも明るくなる。ま
た、凹面鏡を用いて集光した場合のような鏡のようなぎ
らついた印象が低減され、より自然な明るさに近い感じ
が得られる。
【0015】さらに、表示画面に向かって上下および左
右の両方向のある範囲内において良好な明るさ分布を実
現したい場合がある。このようにある程度の視野角を得
るためには特定の1断面においてのみ上記のような特性
を有するのではなく、任意断面において前述の形状特性
を有することが望ましい。
右の両方向のある範囲内において良好な明るさ分布を実
現したい場合がある。このようにある程度の視野角を得
るためには特定の1断面においてのみ上記のような特性
を有するのではなく、任意断面において前述の形状特性
を有することが望ましい。
【0016】このような構造を作成するには、様々な方
法が可能であり、その全てを列挙することはできない
が、たとえば金属金型を作り変形可能な材料表面にプレ
スするなどがあろう。いずれも一長一短があるが、本発
明の方法は比較的簡便にしかも精度良く所望の構造を作
成しうるものである。結晶性基板のある特定の面方位を
用い、異方性エッチングを施すことにより、ミクロなス
ケールのV字谷を精度良く形成する。単結晶基板におい
てはその表面全域にわたって原子配列が一定であるの
で、これに異方性エッチングを施した場合にはある特定
方向の断面においては一定の形状分布が得られる。一
方、多結晶基板ではその表面において原子配列の向きが
異なる領域(グレイン)が多数存在する。したがって後
者を用いるならば、ある断面において向きが異なる形状
が得られる。これらはその使用目的に応じて使い分けれ
ばよい。
法が可能であり、その全てを列挙することはできない
が、たとえば金属金型を作り変形可能な材料表面にプレ
スするなどがあろう。いずれも一長一短があるが、本発
明の方法は比較的簡便にしかも精度良く所望の構造を作
成しうるものである。結晶性基板のある特定の面方位を
用い、異方性エッチングを施すことにより、ミクロなス
ケールのV字谷を精度良く形成する。単結晶基板におい
てはその表面全域にわたって原子配列が一定であるの
で、これに異方性エッチングを施した場合にはある特定
方向の断面においては一定の形状分布が得られる。一
方、多結晶基板ではその表面において原子配列の向きが
異なる領域(グレイン)が多数存在する。したがって後
者を用いるならば、ある断面において向きが異なる形状
が得られる。これらはその使用目的に応じて使い分けれ
ばよい。
【0017】図5は本発明の方法による反射表面の形成
過程を示す。なお、本図はミクロな形状を表示するため
に1個のグレインの断面を扱っているが、マクロには様
々な方向を向いたグレインの集合体である。また、先に
述べたように本願はV字谷の大きさ及びそれらの間隔を
複数種類とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領
域を設けるという構成をとっているので利用する反射面
全体としては様々な断面形状が存在する。
過程を示す。なお、本図はミクロな形状を表示するため
に1個のグレインの断面を扱っているが、マクロには様
々な方向を向いたグレインの集合体である。また、先に
述べたように本願はV字谷の大きさ及びそれらの間隔を
複数種類とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領
域を設けるという構成をとっているので利用する反射面
全体としては様々な断面形状が存在する。
【0018】まず、基板11の表面にエッチング液に対
する耐久性のある材料で所望のパターン12を形成す
る。このパターンの間隔を変えることによりV字谷の幅
を、また、パターン自体の幅を変えることによりV字谷
の間隔を所望の大きさに設定することができる。
する耐久性のある材料で所望のパターン12を形成す
る。このパターンの間隔を変えることによりV字谷の幅
を、また、パターン自体の幅を変えることによりV字谷
の間隔を所望の大きさに設定することができる。
【0019】次に、エッチング液13に全体を浸すこと
によりパターン12の部分は溶解せずにそのまま残り、
それ以外の部分は徐々に特定方向に向かってのみエッチ
ングが進行するので14のようなくぼみができ、これが
徐々に深くなっていく。そしてパターン幅で規定される
点でエッチングは終了し、15のようなV字谷が形成さ
れる。
によりパターン12の部分は溶解せずにそのまま残り、
それ以外の部分は徐々に特定方向に向かってのみエッチ
ングが進行するので14のようなくぼみができ、これが
徐々に深くなっていく。そしてパターン幅で規定される
点でエッチングは終了し、15のようなV字谷が形成さ
れる。
【0020】たとえばこの間隔を異なる値m種類に設定
することによりm種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅をn種類にすることによ
り、n種類の異なる間隔でV字谷が並んだ表面が形成さ
れる。これらの間隔および幅の値の組み合わせを任意に
かつ異なる複数のものを設定することによりランダム性
を増すことができる。一例として異なる断面を模式的に
示すものが図6である。今、a−sまでの合計s種類の
異なる断面形状があるとすると、たとえば図7のように
これらの異なる断面形状の部分が平面内においてランダ
ムに分布するように配置することができる。
することによりm種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅をn種類にすることによ
り、n種類の異なる間隔でV字谷が並んだ表面が形成さ
れる。これらの間隔および幅の値の組み合わせを任意に
かつ異なる複数のものを設定することによりランダム性
を増すことができる。一例として異なる断面を模式的に
示すものが図6である。今、a−sまでの合計s種類の
異なる断面形状があるとすると、たとえば図7のように
これらの異なる断面形状の部分が平面内においてランダ
ムに分布するように配置することができる。
【0021】結晶性の基板材料、とくに半導体のSi、G
e,GaAs,GaSb,GaP,InSb,あるいはInPなどはそれ自体が相
当程度光を反射するので、用途によっては表面の形状加
工のみで充分であるが、さらに明るさが要求される場合
には本発明の第二の構成のように形成したミクロな谷型
形状を反射率の高い金属などの薄膜により被覆すること
が有効である。金属薄膜の形成方法も千差万別である
が、ミクロに見た金属面の平坦性、純度などから真空中
での成膜が望ましい。スパッタリング、真空蒸着、CV
D、電子ビーム蒸着などが利用できる。これらはそれぞ
れに特徴があり、一概にいずれかが優れているというこ
とではない。この金属被膜形成の前後に行う各種のプロ
セス条件、たとえば温度、直接接触する物質など様々の
要因を考慮し、適当と考えられるものを選択すればよ
い。
e,GaAs,GaSb,GaP,InSb,あるいはInPなどはそれ自体が相
当程度光を反射するので、用途によっては表面の形状加
工のみで充分であるが、さらに明るさが要求される場合
には本発明の第二の構成のように形成したミクロな谷型
形状を反射率の高い金属などの薄膜により被覆すること
が有効である。金属薄膜の形成方法も千差万別である
が、ミクロに見た金属面の平坦性、純度などから真空中
での成膜が望ましい。スパッタリング、真空蒸着、CV
D、電子ビーム蒸着などが利用できる。これらはそれぞ
れに特徴があり、一概にいずれかが優れているというこ
とではない。この金属被膜形成の前後に行う各種のプロ
セス条件、たとえば温度、直接接触する物質など様々の
要因を考慮し、適当と考えられるものを選択すればよ
い。
【0022】(実施例1)GaAs基板の(100)面上に
Al2O3の薄膜を用い
Al2O3の薄膜を用い
【0023】
【外1】
【0024】方向に(すなわち、
【0025】
【外2】
【0026】面に垂直に)ストライプパターンを形成
し、これをエッチングマスクとして使用する。このよう
な金属酸化物を使用する利点はエッチング液として有機
溶剤を使用できることである。
し、これをエッチングマスクとして使用する。このよう
な金属酸化物を使用する利点はエッチング液として有機
溶剤を使用できることである。
【0027】エッチング液はCH3OHに Br2を混合したも
のを用いる。Br2 の混合比率とエッチング速度とは関連
しており、ある特定値が最適というわけではないが、お
よそ数%程度であれば数μm/minであり、本実施例
では4%とした。
のを用いる。Br2 の混合比率とエッチング速度とは関連
しており、ある特定値が最適というわけではないが、お
よそ数%程度であれば数μm/minであり、本実施例
では4%とした。
【0028】基板表面すなわち(100)面とV字谷の
斜面、すなわち(111)面とのなす角は54゜44´
で一定であるが、形成するV字谷の大きさはストライプ
パターンの間隔によって制御することができる。たとえ
ばこの間隔を6、8、10、12および14μmに設定
することにより5種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅を3、4および5μmに
することにより、3種類の異なる間隔でV字谷が並んだ
表面が形成される。これらの間隔および幅の値はここに
例示したものに限られるわけではなく、また、組み合わ
せを任意にかつ異なる複数のものを設定することにより
ランダム性を増すことができる。フォトマスクのパター
ンをこれらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を
有するように配置することにより、形成するストライプ
パターンをV字谷の大きさ及びそれらの間隔を複数種類
とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領域を有す
るようにすることができる。
斜面、すなわち(111)面とのなす角は54゜44´
で一定であるが、形成するV字谷の大きさはストライプ
パターンの間隔によって制御することができる。たとえ
ばこの間隔を6、8、10、12および14μmに設定
することにより5種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅を3、4および5μmに
することにより、3種類の異なる間隔でV字谷が並んだ
表面が形成される。これらの間隔および幅の値はここに
例示したものに限られるわけではなく、また、組み合わ
せを任意にかつ異なる複数のものを設定することにより
ランダム性を増すことができる。フォトマスクのパター
ンをこれらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を
有するように配置することにより、形成するストライプ
パターンをV字谷の大きさ及びそれらの間隔を複数種類
とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領域を有す
るようにすることができる。
【0029】最後にエッチングマスクとして使用したAl
2O3の薄膜ストライプパターンを除去するために加熱し
たH3PO4溶液を用いる。
2O3の薄膜ストライプパターンを除去するために加熱し
たH3PO4溶液を用いる。
【0030】(実施例2)GaAs基板の異方性エッチング
液としてC3H4(OH)(COOH)3・H2O 、 H2O2 、 H2Oの混合
液を用いる。本エッチング液の利点は有機溶剤を含有し
ないので通常のフォトレジストを使用して簡便な方法に
よりエッチングを行えることである。フォトレジストは
ポジタイプおよびネガタイプともに各種のものが販売さ
れており、たとえば東京応化工業社のOMRシリーズやOFP
Rシリーズ、シプレー社のSシリーズ、SPRシリーズやLC
シリーズなどがある。
液としてC3H4(OH)(COOH)3・H2O 、 H2O2 、 H2Oの混合
液を用いる。本エッチング液の利点は有機溶剤を含有し
ないので通常のフォトレジストを使用して簡便な方法に
よりエッチングを行えることである。フォトレジストは
ポジタイプおよびネガタイプともに各種のものが販売さ
れており、たとえば東京応化工業社のOMRシリーズやOFP
Rシリーズ、シプレー社のSシリーズ、SPRシリーズやLC
シリーズなどがある。
【0031】GaAs基板(100)面上にフォトレジスト
を用い
を用い
【0032】
【外3】
【0033】方向に(すなわち、
【0034】
【外4】
【0035】面に垂直に)ストライプパターンを形成す
る。エッチング速度はエッチング液の各成分の混合比率
に依存しているので、目的に応じて条件を設定するわけ
だが、生産性およびパターン精度の観点から極端に遅い
あるいは早いものは好ましくない。室温にてC3H4(OH)(C
OOH)3・H2O :H2O2がおよそ1:1のときにおよそ60
nm/secが得られた。
る。エッチング速度はエッチング液の各成分の混合比率
に依存しているので、目的に応じて条件を設定するわけ
だが、生産性およびパターン精度の観点から極端に遅い
あるいは早いものは好ましくない。室温にてC3H4(OH)(C
OOH)3・H2O :H2O2がおよそ1:1のときにおよそ60
nm/secが得られた。
【0036】形成するV字谷の大きさはストライプパタ
ーンの間隔によって、また、V字谷の並ぶ間隔はストラ
イプ自体の幅によって制御することができる点、さらに
これらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を有す
るように形成しうる点などの詳細は実施例1と同様なの
で省略する。最後に、レジストのストライプパターンを
レジストに指定の剥離液を用いて除去する。
ーンの間隔によって、また、V字谷の並ぶ間隔はストラ
イプ自体の幅によって制御することができる点、さらに
これらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を有す
るように形成しうる点などの詳細は実施例1と同様なの
で省略する。最後に、レジストのストライプパターンを
レジストに指定の剥離液を用いて除去する。
【0037】(実施例3)Si基板の(100)面上にSi
O2の薄膜を用いたストライプパターンを形成し、このSi
O2パターンをマスクとしてSiの異方性エッチングを行
う。まず、清浄なSi基板の熱酸化により厚さがおよそ1
500ÅのSiO2膜を形成する。次に、フォトレジストを
塗布し、
O2の薄膜を用いたストライプパターンを形成し、このSi
O2パターンをマスクとしてSiの異方性エッチングを行
う。まず、清浄なSi基板の熱酸化により厚さがおよそ1
500ÅのSiO2膜を形成する。次に、フォトレジストを
塗布し、
【0038】
【外5】
【0039】方向に(すなわち、
【0040】
【外6】
【0041】面に垂直に)ストライプ状のパターンを形
成する。このときのレジストは実施例1に列挙したよう
に様々なものが使用可能であり、何れのタイプでも差し
支えない。通常市販されているバッファート゛弗化水素酸
によりレジストでカバーされていない部分のSiO2を除去
する。次にこのSiO2パターンをマスクとしてSiの異方性
エッチングをKOH:H2O:(CH3)2CHOH=20g:60m
l:100mlの溶液を用いて行う。
成する。このときのレジストは実施例1に列挙したよう
に様々なものが使用可能であり、何れのタイプでも差し
支えない。通常市販されているバッファート゛弗化水素酸
によりレジストでカバーされていない部分のSiO2を除去
する。次にこのSiO2パターンをマスクとしてSiの異方性
エッチングをKOH:H2O:(CH3)2CHOH=20g:60m
l:100mlの溶液を用いて行う。
【0042】形成するV字谷の大きさはストライプパタ
ーンの間隔によって、また、V字谷の並ぶ間隔はストラ
イプ自体の幅によって制御することができる点、さらに
これらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を有す
るように形成しうる点などの詳細は実施例1と同様なの
で省略する。最後にエッチングマスクとして使用したSi
O2の薄膜ストライプパターンを除去するためにバッファ
ート゛弗化水素酸を用いる。
ーンの間隔によって、また、V字谷の並ぶ間隔はストラ
イプ自体の幅によって制御することができる点、さらに
これらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を有す
るように形成しうる点などの詳細は実施例1と同様なの
で省略する。最後にエッチングマスクとして使用したSi
O2の薄膜ストライプパターンを除去するためにバッファ
ート゛弗化水素酸を用いる。
【0043】(実施例4)半導体基板表面自体を用いた
場合よりも明るさが要求される場合には形成したミクロ
な谷型形状を反射率の高い金属などの薄膜により被覆す
ることが有効である。まず、実施例1と同様にGaAs基板
の(100)面上にAl2O3の薄膜を用い
場合よりも明るさが要求される場合には形成したミクロ
な谷型形状を反射率の高い金属などの薄膜により被覆す
ることが有効である。まず、実施例1と同様にGaAs基板
の(100)面上にAl2O3の薄膜を用い
【0044】
【外7】
【0045】方向に(すなわち、
【0046】
【外8】
【0047】面に垂直に)ストライプパターンを形成
し、これをエッチングマスクとして使用する。エッチン
グ液はCH3OHに Br2を混合したものを用い、Br2 の混合
比率はおよそ4%とした。これによるエッチング速度は
およそ数μm/minである。
し、これをエッチングマスクとして使用する。エッチン
グ液はCH3OHに Br2を混合したものを用い、Br2 の混合
比率はおよそ4%とした。これによるエッチング速度は
およそ数μm/minである。
【0048】基板表面すなわち(100)面とV字谷の
斜面、すなわち(111)面とのなす角は54゜44´
で一定であるが、形成するV字谷の大きさはストライプ
パターンの間隔によって制御することができる。たとえ
ばこの間隔を6、8、10、12および14μmに設定
することにより5種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅を3、4および5μmに
することにより、3種類の異なる間隔でV字谷が並んだ
表面が形成される。これらの間隔および幅の値はここに
例示したものに限られるわけではなく、また、組み合わ
せを任意にかつ異なる複数のものを設定することにより
ランダム性を増すことができる。フォトマスクのパター
ンをこれらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を
有するように配置することにより、形成するストライプ
パターンをV字谷の大きさ及びそれらの間隔を複数種類
とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領域を有す
るようにすることができる。
斜面、すなわち(111)面とのなす角は54゜44´
で一定であるが、形成するV字谷の大きさはストライプ
パターンの間隔によって制御することができる。たとえ
ばこの間隔を6、8、10、12および14μmに設定
することにより5種類の異なる大きさのV字谷が形成さ
れ、また、ストライプ自体の幅を3、4および5μmに
することにより、3種類の異なる間隔でV字谷が並んだ
表面が形成される。これらの間隔および幅の値はここに
例示したものに限られるわけではなく、また、組み合わ
せを任意にかつ異なる複数のものを設定することにより
ランダム性を増すことができる。フォトマスクのパター
ンをこれらの間隔および幅の組み合わせが異なる領域を
有するように配置することにより、形成するストライプ
パターンをV字谷の大きさ及びそれらの間隔を複数種類
とりまぜ、さらにこれらの混ざり方が異なる領域を有す
るようにすることができる。
【0049】そして、加熱したH3PO4溶液を用いてエッ
チングマスクとして使用したAl2O3の薄膜ストライプパ
ターンを除去する。
チングマスクとして使用したAl2O3の薄膜ストライプパ
ターンを除去する。
【0050】このような表面の上に可視光の反射率が高
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
【0051】(実施例5)実施例2と同様にGaAs基板
(100)面上にフォトレジストを用い
(100)面上にフォトレジストを用い
【0052】
【外9】
【0053】方向に(すなわち、
【0054】
【外10】
【0055】面に垂直に)ストライプパターンを形成す
る。エッチング液は室温にてC3H4(OH)(COOH)3・H2O :H
2O2がおよそ1:1のものを用い、およそ60nm/s
ecのエッチング速度である。形成するV字谷の大きさ
はストライプパターンの間隔によって、また、V字谷の
並ぶ間隔はストライプ自体の幅によって制御することが
できる点、さらにこれらの間隔および幅の組み合わせが
異なる領域を有するように形成しうる点などの詳細は実
施例2と同様なので省略する。最後に、レジストのスト
ライプパターンをレジストに指定の剥離液を用いて除去
する。
る。エッチング液は室温にてC3H4(OH)(COOH)3・H2O :H
2O2がおよそ1:1のものを用い、およそ60nm/s
ecのエッチング速度である。形成するV字谷の大きさ
はストライプパターンの間隔によって、また、V字谷の
並ぶ間隔はストライプ自体の幅によって制御することが
できる点、さらにこれらの間隔および幅の組み合わせが
異なる領域を有するように形成しうる点などの詳細は実
施例2と同様なので省略する。最後に、レジストのスト
ライプパターンをレジストに指定の剥離液を用いて除去
する。
【0056】このような表面の上に可視光の反射率が高
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
【0057】(実施例6)実施例3と同様にSi基板の
(100)面上にSiO2の薄膜を用いたストライプパター
ンを形成し、このSiO2パターンをマスクとしてSiの異方
性エッチングを行う。まず、清浄なSi基板の熱酸化によ
り厚さがおよそ1500ÅのSiO2膜を形成する。次に、
フォトレジストを塗布し、
(100)面上にSiO2の薄膜を用いたストライプパター
ンを形成し、このSiO2パターンをマスクとしてSiの異方
性エッチングを行う。まず、清浄なSi基板の熱酸化によ
り厚さがおよそ1500ÅのSiO2膜を形成する。次に、
フォトレジストを塗布し、
【0058】
【外11】
【0059】方向に(すなわち、
【0060】
【外12】
【0061】面に垂直に)ストライプ状のパターンを形
成する。このときのレジストは実施例1に列挙したよう
に様々なものが使用可能であり、何れのタイプでも差し
支えない。通常市販されているバッファート゛弗化水素酸
によりレジストでカバーされていない部分のSiO2を除去
する。次にこのSiO2パターンをマスクとしてSiの異方性
エッチングをKOH:H2O:(CH3)2CHOH=20g:60m
l:100mlの溶液を用いて行う。形成するV字谷の
大きさはストライプパターンの間隔によって、また、V
字谷の並ぶ間隔はストライプ自体の幅によって制御する
ことができる点、さらにこれらの間隔および幅の組み合
わせが異なる領域を有するように形成しうる点などの詳
細は実施例3と同様なので省略する。最後にエッチング
マスクとして使用したSiO2の薄膜ストライプパターンを
除去するためにバッファート゛弗化水素酸を用いる。
成する。このときのレジストは実施例1に列挙したよう
に様々なものが使用可能であり、何れのタイプでも差し
支えない。通常市販されているバッファート゛弗化水素酸
によりレジストでカバーされていない部分のSiO2を除去
する。次にこのSiO2パターンをマスクとしてSiの異方性
エッチングをKOH:H2O:(CH3)2CHOH=20g:60m
l:100mlの溶液を用いて行う。形成するV字谷の
大きさはストライプパターンの間隔によって、また、V
字谷の並ぶ間隔はストライプ自体の幅によって制御する
ことができる点、さらにこれらの間隔および幅の組み合
わせが異なる領域を有するように形成しうる点などの詳
細は実施例3と同様なので省略する。最後にエッチング
マスクとして使用したSiO2の薄膜ストライプパターンを
除去するためにバッファート゛弗化水素酸を用いる。
【0062】このような表面の上に可視光の反射率が高
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
い金属、例えばAl、Agの薄膜を堆積させる。これに
適した真空中での成膜方法は各種有り、スパッタリン
グ、真空蒸着、CVD、電子ビーム蒸着などが利用でき
る。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明は比較的簡便な方
法で自然な見かけとかぎられた視野範囲においては入射
光と同等あるいはそれ以上の明るさの得られる散乱反射
表面を提供するものであり、反射型表示パネルなどへの
利用が可能である。
法で自然な見かけとかぎられた視野範囲においては入射
光と同等あるいはそれ以上の明るさの得られる散乱反射
表面を提供するものであり、反射型表示パネルなどへの
利用が可能である。
【図1】反射光強度の角度分布を示す図
【図2】反射面の傾斜角度の確率密度関数を示す図
【図3】本発明による反射面の断面を示す図
【図4】通常の平坦面と本発明の散乱性集光反射面の光
反射の様子を比較する図
反射の様子を比較する図
【図5】本発明による反射面の形成過程を示す図
【図6】V字谷の間隔および幅の値の組み合わせが異な
る複数のものの断面を模式的に示す図
る複数のものの断面を模式的に示す図
【図7】異なる断面形状の部分が平面内においてランダ
ムに分布するような配置例を示す図
ムに分布するような配置例を示す図
1 基板 2 谷型形状 3 傾斜角度 4 反射面 5 平坦反射面からの光反射強度分布 6 本発明による散乱反射面からの光反射強度分布 11 基板 12 エッチングマスクパターン 13 エッチング液 14 エッチングの進行により形成されていくくぼみ 15 V字型形状
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河栗 真理子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山中 泰彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA03 DA02 DA04 DA12 DB08 DC02 2H091 FA14Z FB08 FC01 FC02 FC10 FC14 FC26 LA16 LA19 2K009 AA12 BB01 CC14 DD03 DD08 DD12
Claims (4)
- 【請求項1】 基板表面上に谷型形状が連続的に存在
し、前記谷型形状の斜面は前記基板表面に対しある特定
の角度をなし,前記谷型形状が複数種類の異なる大きさ
を有し,前記谷型形状の間隔が複数種類の異なる大きさ
を有し,前記異なる大きさの谷型形状および間隔の分布
の様式が異なる複数の領域が存在することを特徴とする
反射面。 - 【請求項2】 基板表面上に谷型形状が連続的に存在
し、前記谷型形状の斜面は前記基板表面に対しある特定
の角度をなし,前記谷型形状が複数種類の異なる大きさ
を有し,前記谷型形状の間隔が複数種類の異なる大きさ
を有し,前記異なる大きさの谷型形状および間隔の分布
の様式が異なる複数の領域が存在し,前記表面は所望の
光を反射する物質の薄膜にて覆われていることを特徴と
する反射面。 - 【請求項3】 基板表面にエッチング液に対する耐久性
のある材料で所望のパターンを形成し,前記エッチング
液に前記所望のパターンを形成した前記基板を浸すこと
により前記所望のパターン部分は溶解せずにそのまま残
し、それ以外の部分は徐々に特定方向に向かってのみエ
ッチングを進行させ、前記パターン幅で規定される点で
エッチングを終了させることにより前記基板表面に対し
て斜面がある特定の角度をなす谷型形状が連続的に存在
するように前記基板表面にエッチングを施す方法におい
て,前記所望のパターン幅および間隔が複数の異なる大
きさを有し,前記複数の異なる大きさを有する所望のパ
ターン幅および間隔の分布が異なる複数の領域を有する
パターンを用いてエッチングすること特徴とする反射面
の形成方法。 - 【請求項4】 基板表面にエッチング液に対する耐久性
のある材料で所望のパターンを形成し,前記エッチング
液に前記所望のパターンを形成した前記基板を浸すこと
により前記所望のパターン部分は溶解せずにそのまま残
し、それ以外の部分は徐々に特定方向に向かってのみエ
ッチングを進行させ、前記パターン幅で規定される点で
エッチングを終了させることにより前記基板表面に対し
て斜面がある特定の角度をなす谷型形状が連続的に存在
するように前記基板表面にエッチングを施す方法におい
て,前記所望のパターン幅および間隔が複数の異なる大
きさを有し,前記複数の異なる大きさを有する所望のパ
ターン幅および間隔の分布が異なる複数の領域を有する
パターンを用いてエッチングし,金属薄膜による被覆を
施すことを特徴とする反射面の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18492699A JP3293595B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 反射板およびその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18492699A JP3293595B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 反射板およびその形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001013310A true JP2001013310A (ja) | 2001-01-19 |
JP3293595B2 JP3293595B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=16161766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18492699A Expired - Fee Related JP3293595B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 反射板およびその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3293595B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7098137B2 (en) | 2001-12-13 | 2006-08-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array, and display device |
US7098976B2 (en) | 2001-06-15 | 2006-08-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array and reflective type display device |
WO2007142186A1 (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-13 | Panasonic Corporation | 光学部材 |
-
1999
- 1999-06-30 JP JP18492699A patent/JP3293595B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7098976B2 (en) | 2001-06-15 | 2006-08-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array and reflective type display device |
US7518676B2 (en) | 2001-06-15 | 2009-04-14 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array and reflective type display device |
US7098137B2 (en) | 2001-12-13 | 2006-08-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array, and display device |
US7360907B2 (en) | 2001-12-13 | 2008-04-22 | Sharp Kabushiki Kaisha | Micro corner cube array, method of making the micro corner cube array, and display device |
WO2007142186A1 (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-13 | Panasonic Corporation | 光学部材 |
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JP3293595B2 (ja) | 2002-06-17 |
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Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |