JP2001012955A - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents
振動型ジャイロスコープInfo
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Abstract
ジャイロスコープの環境温度が変化した場合にも、振動
子の検出振動のQ値の変動を抑制し、振動型ジャイロス
コープの温度特性を減少させること。 【解決手段】振動型ジャイロスコープは、振動子30、
振動子30を支持する支持部材31、31A、31B、
32、33、および支持部材と振動子との間に介在し、
振動子を支持部材へと接着する接着剤部20を備えてい
る。振動子に駆動振動を与えたときに回転角速度に応じ
て振動子に励起される検出振動から回転角速度を求め
る。接着剤部20を形成する接着剤のtanδが、振動
型ジャイロスコープの使用温度範囲内において0.1以
下である。
Description
コープに関するものである。
角速度センサとして、圧電体を用いた振動型ジャイロス
コープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位置の確認用
として利用されてきた。最近では、民生用の分野として
カーナビゲーションや、VTRやスチルカメラの手振れ
の検出などに使用されている。
は、振動している物体に角速度が加わると、その振動と
直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そ
して、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、
「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491
〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープと
しては、これまでに種々のものが提案されている。例え
ば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型
ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、
円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
ク式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振動
型ジャイロスコープを使用することが検討されている。
こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハ
ンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実
際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコー
プによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車
体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車
輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定し
た車体制御を実現する。
スコープの所定の容器内に収容し、固定基板などの固定
部材に対して固定することによって、車体へと取り付け
可能とする必要がある。この場合には、通常、振動子を
基板に対して接着し、固定している。
テムにおいては、振動型ジャイロスコープおよびその振
動子は、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされ
る。このような使用温度範囲は、通常は−40℃−+8
0℃の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に広
い温度範囲にわたる場合もある。特に、振動子を圧電性
単結晶によって形成した場合には、圧電性単結晶の有す
る温度特性の影響がある。本発明者は、こうした振動子
それ自体の有する温度特性をできる限り除去したが、振
動子を基板に接着し、−40℃−+80℃の温度範囲
で、駆動振動の共振尖鋭度(Q値)を測定すると、やは
りQ値に大きな変動が見得られた。即ち、室温の近傍で
はほぼ一定のQ値を示していた場合であっても、環境温
度が高温側あるいは低温側へと大きく変動すると、Q値
も大きく変動することがあった。
着した場合に、振動型ジャイロスコープの環境温度が変
化した場合にも、振動子の駆動振動のQ値の変動を抑制
し、振動型ジャイロスコープの温度特性を減少させるこ
とである。
所定温度範囲内で検出するための振動型ジャイロスコー
プであって、振動子、振動子を支持する支持部材、およ
び支持部材と振動子との間に介在し、振動子を支持部材
へと接着する接着剤部を備えており、振動子に駆動振動
を与えたときに回転角速度に応じて振動子に励起される
検出振動から回転角速度を求めるように構成されてお
り、接着剤部を形成する接着剤の弾性率tanδが所定
温度範囲内において0.1以下であることを特徴とす
る。
動子の駆動振動のQ値の変動の原因を探索していたが、
その過程で、接着剤のtanδを、目的とする使用温度
範囲において0.1以下とすることによって、使用温度
範囲の全体においてQ値を大きくでき、かつその変動を
最小限とできることを見いだし、本発明に到達した。
−40℃−+80℃、特に好ましくは−40℃−+85
℃)の全体においてQ値を大きくでき、かつその変動を
小さくするという観点から、0.03以下が更に好まし
い。また、tanδの下限は特になく、0.00であっ
てもよい。
の最大値と最小値との差は、0.03以下であることが
好ましい。
にするという観点から、接着剤の比重は1.1以下とす
ることが特に好ましい。このように接着剤の比重を1.
0に近づけるためには、接着剤中の充填剤(フィラー)
の含有量を7重量%以下とすることが好ましい。
TVゴム、シリコーンゲル、シリコーン樹脂、エチレン
プロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムなどの合成
ゴム、テフロン、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹
脂、塩化ビニール、ナイロン、ポリエチレンなどがあ
る。
が好ましく、動的損失は101 −108 Paが好まし
い。接着剤の厚さは、動的粘弾性の大きさにほぼ反比例
するように調整できる。
温度範囲において、動的粘弾性変化の小さい粘弾性体で
あることが好ましく、使用温度範囲における動的粘弾性
の変化率が3倍以内であることが望ましい。
ば、未硬化の液状原料を、接着箇所に塗布、ポッティン
グ、スプレー塗布することで、塗布膜を形成できる。例
えば、脱アルコール型、脱アセトン型、脱オキシム型、
脱酢酸型、付加反応型などの種々のシリコーン接着剤
を、ディスペンサーによって接着箇所にポッティング
し、付着させることができる。液状原料を接着箇所に塗
布またはポッティングする場合には、液状原料の粘性を
100Pa・s以下とすることによって、液状原料の付
着面積を容易に広くでき、かつ塗布膜の厚さを均一にで
きる。また、高分子材料からなるシートや平板状成形体
を、接着箇所に接着、粘着することができる。
による付加反応型接着剤、加熱による付加反応型接着
剤、脱アルコール型接着剤を例示できる。
部の厚さは、振動子を確実に固定するという観点からは
0.05mm以上とすることが好ましく、0.1mm以
上とすることが更に好ましい。支持部材と振動子との間
に介在する接着剤部の厚さは、使用温度範囲の全体にわ
たって振動子のQ値の変化を一層少なくし、また検出振
動の感度を向上させるという観点から、1mm以下とす
ることが好ましく、0.4mm以下とすることが更に好
ましい。
領域で振動子を支持することが好ましい。これによっ
て、検出振動片における検出振動の共振尖鋭度(Q値)
が向上し、感度を上昇させえる。
を、検出振動が最も小さい領域と駆動振動が最も小さい
領域とが重なる重複領域で行うと、駆動振動だけでなく
検出振動のQ値も高くなり、さらに感度を上昇させるこ
とができる。
て、振動子における検出振動または駆動振動の振幅の、
振動子における検出振動または駆動振動の最大振幅に対
する比率を算出し、振動子の各点における前記比率の分
布から、検出振動または駆動振動が最も小さい領域を検
出できる。
とは、他に一層小さい領域が見当たらないような一つま
たは複数の領域を示す。好ましくは、検出振動時または
駆動振動時の振動振幅が、振動子における最大振動振幅
点の1000分の2以下であり、特に好ましくは100
0分の1以下である。
出振動とが振動子の面内振動である。
動子の重心(振動子が振動していないときの重心)GO
の近傍領域内で支持されている。これによって、振動子
の外部から加わる振動や加速度による振動子の歪みが振
動状態に及ぼす影響を、軽減することができる。
はるかに大きいので、駆動振動から検出振動への影響を
小さくすることが重要である。このため、好適な態様に
おいては、振動子が、振動子の駆動振動の重心GDの近
傍領域内で支持されている。これによって、駆動振動に
よる検出振動への影響を最小限とすることができる。
振動の重心GDの近傍領域内で支持されている」とは、
実質的に重心GO、GD上で支持されていてもよいが、
重心GO、GDから直径1mmの円内で支持されている
場合を含む。
着剤層を介在させ、この接着剤層によって振動子を接着
できる。しかし、振動子に支持孔を形成し、この支持孔
の中に支持部材の固定部を挿入し、支持孔の内壁面と固
定部との間に接着剤層を介在させ、これによって振動子
を支持できる。また、前記の両方を同時に行うこともで
きる。
が、突起または棒状であることことが好ましい。支持孔
は、いわゆる盲孔でも良いが、貫通孔であることが最も
好ましい。支持孔が盲孔である場合には、盲孔が振動子
の厚さの1/2以上の深さを有することが好ましい。こ
れは、振動子の内部の方が、検出振動が最も小さい領域
が、振動子の表面よりも広いからである。
持孔を設け、複数の支持孔で前述のように振動子を支持
する。これによって、振動子に対して外部振動が加わっ
たときに、この外部振動による擾乱の影響を著しく低減
できる。
て点対称の位置にある複数の支持孔で、振動子を支持す
ることが好ましい。これによって、外部振動による擾乱
の影響が一層減衰する。
領域を囲むように複数の支持孔を設けることができる。
この場合には、振動子の重心から見て点対称の位置にあ
る複数の支持孔で、振動子を支持することが特に好まし
い。
圧電セラミックスや圧電性単結晶を用いることが好まし
く、その中でも水晶、LiTaO3 単結晶、LiNbO
3 単結晶などの圧電性単結晶を用いることがさらに好ま
しい。これは、単結晶自体の高いQ値を、効果的に適用
できるためである。
の振動型ジャイロスコープに対して、特に好適に適用で
きる。
回転させるための振動子であって、この振動子が少なく
とも複数の振動系を備えており、これら複数の振動系が
回転軸に対して交差する所定面内に延びるように形成さ
れており、振動系が、振動系の振動の重心が振動子の重
心から見て所定面内で径方向に振動する径方向振動成分
を含む第一の振動系と、振動系の振動の重心が振動子の
重心から見て所定面内で周方向に振動する周方向振動成
分を含む第二の振動系とを備えている。
心GOから見て所定面内で円周方向に振動する振動成分
のことを指している。径方向に振動する成分とは、重心
GOからみて所定面内で円の直径方向に振動する振動成
分のことを指しており、つまり、重心GOに対して遠ざ
かる方向と近づく方向とに対して交互に振動する成分の
ことを言う。
は、すべて何らかの形で連結され、所定面内に延びる振
動子を形成している。こうした振動子を、回転軸Zを中
心として矢印ωのように回転させることで、回転角速度
の検出を行える。
動子1を備えた振動型ジャイロスコープを、概略的に示
す平面図である。基部8は、振動子の重心GOを中心と
して、4回対称の正方形をしている。基部8の周縁部8
aから、四方に向かって放射状に、二つの駆動振動系9
A、9B(本例では第一の振動系)と検出振動系10
A、10B(本例では第二の振動系)とが突出してお
り、各振動系は互いに分離されている。駆動振動系9A
と9Bとは、重心GOを中心として2回対称であり、検
出振動系10Aと10Bとは、重心GOを中心として2
回対称である。
8aから突出する支持部2A、2Bと、支持部2A、2
Bの先端2b側から支持部に直交する方向に延びる屈曲
振動片3A、3B、3C、3Dを備えている。各屈曲振
動片には、それぞれ駆動電極4A、4B、4C、4Dが
設けられている。検出振動系10A、10Bは、細長い
周方向屈曲振動片からなり、各屈曲振動片には検出電極
5A、5Bが設けられている。
振動および検出振動モードが振動子の全体に及ぼす影響
を調べるため、有限要素法による固有モード解析を実施
した。そして、振動子を水晶によって作製し、振動子の
各点の振動の振幅を、最大振動振幅点に対する比率の分
布として求めた。
(図1における矢印Aの方向)における最大振動時の振
幅の相対比率を示し、図3には、振動子の各点の検出振
動モード(図1における矢印Bの方向)における最大振
動時の振幅の相対比率を示している。図2の駆動モード
においては、各屈曲振動片が、支持部2A、2Bの先端
部分2b付近を中心として屈曲振動している。図3の検
出モードにおいては、支持部2A、2Bが、固定部2a
を中心として周方向に屈曲振動し、これに対応して、検
出振動系の屈曲振動片10A、10Bが屈曲振動してい
る。
なる領域は、各別に異なる最大振動振幅点との比率の領
域を示す。橙色の部分が、振幅が最小の領域となる。
8に対する固定部2aの近辺では、各駆動振動系の振動
に伴って引っ張り応力が加わり、変形が見られる。しか
し、この変形の影響は、各駆動振動系9Aと9Bとが2
回対称の位置に配置されていることから、基部内におい
て互いに相殺し合う。このため、基部の中心付近、そし
て駆動振動系に挟まれた検出振動系10A、10Bにお
いては、駆動振動による影響が見られなくなっている。
から基部に加わる影響が相殺し合っている。しかも、各
検出振動系10A、10Bから基部に加わる影響も、各
検出振動系が2回対称の位置に配置されていることか
ら、基部内において互いに相殺し合う。この結果、基部
の中心付近6A(図1および図3参照)においては、検
出振動による影響が見られなくなっている。
に、駆動振動が最も小さい領域内に、振動子の重心GO
が位置している。また、検出振動が最も小さい領域内
に、振動子の重心GOが位置しており、重複領域内に、
支持孔7Aを設ける。
て、本発明に従って振動子1を支持し、固定し、および
/または、支持孔7Aにおいて振動子1を支持し、固定
する。
概略的に示す平面図である。駆動振動系9A、9B、検
出振動系10A、10Bおよびこれらの動作について
は、図1に示したものと同様である。この基部13の検
出振動系側の2片の周縁13aから枠部12A、12B
が延びており、各枠部の中に各検出振動系が包囲されて
いる。各枠部は、それぞれ、各検出振動系と平行に延び
る接続部分12aと、振動子の支持、固定を必要に応じ
て行うための支持枠12bとを備えている。枠部12
A、12Bの中で、駆動振動時および検出振動時の振幅
が最小の領域を支持、固定する。
においては、各支持部2A、2Bの基部13に対する固
定部2aの近辺では、各駆動振動系の振動に伴って引っ
張り応力が加わり、変形が見られる。この影響は、枠部
の接続部分12aにおいても若干見られる。しかし、こ
れらの影響は相殺し合うために、基部の中心付近、駆動
振動系の各屈曲振動片および枠部の支持枠12bにおい
ては、駆動振動による影響が見られなくなっている。
振動系、各検出振動系から基部13に加わる影響は互い
に相殺し合い、この結果、基部13の中心付近6Aにお
いては、検出振動による影響が見られなくなっている。
また、本例においては、駆動振動時の振動子の微小変位
部分内に、振動子の重心GOと駆動振動系の全体の重心
GDとが位置している。また、検出振動時の振動子の微
小変位部分6A内に、振動子の重心GOと駆動振動系の
全体の重心GDとが位置している。
て、本発明に従って振動子11を支持し、固定し、およ
び/または、支持孔7A(図示せず)において振動子1
1を支持し、固定する。また、支持枠12b内の領域6
Bも振幅が最小となるので、この領域6B内において、
本発明に従って振動子11を支持し、固定できる。ま
た、領域6B内に、図示しない支持孔を形成し、この支
持孔において振動子11を支持し、固定できる。
ようにして行う。支持台22の上には、スペーサー2
8、制御部29および支持部材23が載置されている。
スペーサー28の上に振動子30が載置されており、振
動子30の支持孔27に、支持部材23の突起23aが
挿入されている。支持孔27の内壁面と突起23aとの
隙間は、接着剤20によって充填されている。制御部2
9の上には所定のワイヤー26が接続されており、ワイ
ヤー26が振動子30上の所定の電極パターンに接続さ
れている。また、固定台24から固定治具25が突出し
ており、固定治具25によって振動子30がスペーサー
上の所定箇所に機械的に固定されている。
形態を中心として、図7を参照しつつ更に述べる。
1を支持孔27の下方に配置し、振動子の表面と突起3
1とを、接着剤層20を介して接合する。図7(b)に
おいては、振動子の支持孔27を挟むように、振動子の
上下に突起31A、31Bを設置し、支持孔27の中に
接着剤20を充填し、かつ振動子30と突起31Aおよ
び突起31Bとの間に接着剤20を充填する。
32の突起32aを支持孔27中に挿入し、挿通し、支
持部材32の端面と振動子30との間、および突起32
aと支持孔27の内壁面との間に、接着剤層20を形成
する。また、図7(d)においては、図7(b)と同様
に、突起32の方にピン32aを設け、他方の突起33
の方に孔33aを設け、突起32と33とを、振動子3
0の支持孔27を挟むように上下に配置し、ピン32a
を支持孔27に挿入し、貫通させ、更に突起33の孔3
3aに挿入する。そして、突起32および33の各端面
と振動子30との間、および支持部材32aと支持孔2
7の内壁面との間に、接着剤20を充填する。
液型の接着剤を所定箇所に塗布、印刷等の方法によって
充填し、硬化させる。また、図7(a)に示すような平
坦な接着剤層を形成する場合には、予め接着剤層の成形
用の型の中に、一液型または二液型などの液状の接着剤
を充填することによって平板形状の接着剤層を形成し、
この接着剤層を、振動子と支持部材との間に挟み、この
状態で接着剤層を更に硬化させることができる。この場
合には、図7(a)において、支持品27はなくともよ
い。こうした成形方法を採用することによって、接着剤
層の厚さおよび平面的形状を一定に保持することができ
る。振動子の検出振動の振幅は一般に微小であり、振動
子に対して直接に接触する接着剤層の形状および物性に
よって大きく影響を受ける。従って、振動型ジャイロス
コープの各製品ごとの特性の変動を最小限にするために
は、接着剤層の硬化後の材質だけでなく、接着剤層の寸
法を一定にすることが、振動型ジャイロスコープの製品
の歩留りを向上させる上で重要である。この観点から見
て、前記の成形方法はきわめて有益である。
接着剤層を介在させる場合には、振動子の固定強度を向
上させ、振動型ジャイロスコープに対して外部から加わ
る外乱の影響を最小限とするという観点からは、接着剤
層の面積を2mm 2 以上とすることが好ましい。検出振
動のQ値を大きくするという観点からは、接着剤層の面
積を10mm2 以下とすることが好ましい。
した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエ
ハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200
オングストロームのクロム膜と、厚さ5000オングス
トロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジス
トをコーティングした。
との水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって
除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との
水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチン
グして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに
20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、
振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚
さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜
として形成した。
m×6.0mmであり、各検出振動片10A、10Bの
寸法は、幅1.0mm×長さ6.0mmであった。検出
電極5A、5Bの寸法は、幅0.6mm×長さ2.8m
mであり、検出振動片10A、10Bの付け根から1.
2−4.0mmの位置に形成されていた。
部に0.75mm×0.75mmの正方形の支持孔7A
(図7では27)を形成し、金属製の支持部材(突起)
32の先端の直径0.6mmの金属ピン32aを支持孔
7Aに通し、金属ピン32aに対して振動子1を接着し
た。この際には、表1に示す各接着剤を使用した。
anδの最大値、tanδの最小値、および動的弾性率
の最大値と最小値との比率を、表2に示す。また、各振
動型ジャイロスコープについて、駆動電極間および検出
電極間の各々について、インピーダンスアナライザを用
いて、電気インピーダンスの周波数変化を測定し、共振
先鋭度(Q値)を見積もり、表2に示す。
によれば、振動子を支持部材へと接着した場合に、振動
型ジャイロスコープの環境温度が大きく変化した場合に
も、振動子の検出振動のQ値の変動を抑制し、振動型ジ
ャイロスコープの温度特性を減少させることができる。
を説明するための、概略的正面図である。
要素法による固有モード解析の結果の一例を示す図であ
る。
要素法による固有モード解析の結果の一例を示す図であ
る。
明するための、概略的正面図である。
示す断面図である。
る。
子を支持手段に接合し、支持する態様を示す要部断面図
である。
動振動片,4A、4B、4C、4D 駆動電極,5A、
5B 検出電極,6A 駆動振動の振幅および検出振動
の振幅が最小の領域,7A、27 支持孔,9A、9B
駆動振動系,10A、10B 検出振動系,20 接着
剤部,23、31、31A、31B、32、33 支持
部材,A 駆動振動,B 検出振動
Claims (7)
- 【請求項1】回転角速度を所定温度範囲内で検出するた
めの振動型ジャイロスコープであって、 振動子、この振動子を支持する支持部材、およびこの支
持部材と前記振動子との間に介在し、この振動子を前記
支持部材へと接着する接着剤部を備えており、振動子に
駆動振動を与えたときに前記回転角速度に応じて前記振
動子に励起される検出振動から前記回転角速度を求める
ように構成されており、前記接着剤部を形成する接着剤
のtanδが前記所定温度範囲内において0.1以下で
あることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項2】前記接着剤がシリコーンゴムであることを
特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項3】前記接着剤の比重が1.1以下であること
を特徴とする、請求項1または2記載の振動型ジャイロ
スコープ。 - 【請求項4】前記振動子のうち前記検出振動の振幅が最
も小さい領域で前記振動子が支持されていることを特徴
とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の
振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項5】前記振動子が、前記検出振動の振幅が最も
小さい領域と、前記駆動振動の振幅が最も小さい領域と
が重なる重複領域で支持されていることを特徴とする、
請求項4記載の振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項6】前記振動子が、前記振動子の重心の近傍領
域内で支持されていることを特徴とする、請求項1−5
のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコー
プ。 - 【請求項7】前記振動子が圧電性単結晶からなることを
特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請求項に記
載の振動型ジャイロスコープ。
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Cited By (15)
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