JP2001009798A - 静電マイクロアクチュエータの製造方法 - Google Patents
静電マイクロアクチュエータの製造方法Info
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Abstract
に、駆動力の発生点が駆動中において変化することのな
い、新たな静電マイクロアクチュエータを製造する方法
を提供する。 【解決手段】 基板1と、基板電極絶縁層2と、基板電
極3と、駆動電極絶縁層5と、過冷却液体域を有する非
晶質材料からなる平面電極11とがこの順に積層されて
なるアセンブリを設置治具12に上下逆向きに設置す
る。そして、平面電極11を前記非晶質材料の過冷却液
体域に加熱することにより軟化させ、平面電極11自身
の自重によって下方に向かって変形させる。これによっ
て、螺旋状の駆動電極14を得、静電マイクロアクチュ
エータを完成させる。
Description
チュエータの製造方法に関し、さらに詳しくは、MO駆
動装置やDVD駆動装置などにおける各種光ピックアッ
プのマイクロレンズ駆動用アクチュエータ、マイクロス
テージ、及びマイクロ除振台などの各種マイクロ機構用
のアクチュエータとして好適に使用することのできる、
静電マイクロアクチュエータの製造方法に関する。
高性能なマイクロアクチュエータの要求が高まってい
る。特に、上記MO駆動装置などにおいては極めて小型
で制御性に優れる、高性能な静電アクチュエータが求め
られている。かかる観点から、近年、これらの分野にお
いて静電マイクロアクチュエータの需要が高まってい
る。静電マイクロアクチュエータとしては、回転型、櫛
歯型、及び片持ち梁型など多くの種類が存在する。しか
しながら、上記のような分野においては、光ピックアッ
プなどを面内から面外、すなわち、ある一定の面から垂
直方向へ駆動させる必要があることから、主に片持ち梁
型及び両持ち梁型の静電マイクロアクチュエータが用い
られてきた。
梁型の静電マイクロアクチュエータは、駆動力の発生点
が垂直方向への駆動途中において駆動方向の軸より大き
くずれてしまうという問題があった。また、両持ち梁型
の静電アクチュエータは両端が固定されているため、梁
の長さに比してその厚さ方向のストロークが小さい。し
たがって、駆動すべき物体に対して理論上必要とされる
大きさよりも大型の静電マイクロアクチュエータを使用
する必要があった。これは上記MO駆動装置などの大型
化の要因にもなっていた。
であるとともに、駆動力の発生点が駆動中において変化
することのない、新たな静電マイクロアクチュエータを
製造する方法を提供することを目的とする。
クチュエータの製造方法は、上記目的を達成すべく、過
冷却液体域を有する非晶質材料からなる薄膜を所定の基
板上に形成する工程と、前記薄膜をエッチングすること
により渦巻状の平面電極を形成する工程と、前記平面電
極を前記非晶質材料の過冷却液体域まで加熱し、前記平
面電極を立体的に変形させて螺旋状の駆動電極を形成す
る工程とを含むことを特徴とする。
検討を重ねた。その結果、基板と、基板電極絶縁層と、
基板電極と、駆動電極絶縁層と、螺旋状の駆動電極とを
具えるとともに、これらがこの順に積層されてなる静電
マイクロアクチュエータを想到した。そして、前記螺旋
状の駆動電極の中心部分に駆動すべき物体を取り付け、
前記螺旋状の駆動電極を基板面に垂直な方向に上下動さ
せる。すると、前記物体は常に基板面に対して垂直方向
の駆動力を受けるため、静電マイクロアクチュエータの
駆動中において駆動力の発生点が変化することがない。
また、単純な梁構造と比較して上下方向のストロークが
大きくなることを見出した。
にポリシリコンやニッケル、タングステンなどの材料か
ら形成すると、これら材料の弾性限界が小さいことに起
因して、立体的な変形の途中において破壊してしまう場
合があった。さらには、前記静電マイクロアクチュエー
タの駆動中に前記駆動電極が破壊に至ってしまう場合も
多々あった。そこで、本発明者らは、駆動電極として使
用することのできる材料について広範な探索を行った。
その結果、過冷却液体域を有する非晶質材料から前記駆
動電極を構成し、過冷却液体域に加熱した状態で変形を
行って立体的に加工することにより、上記問題点を解決
できることを見出した。
形成した後、この薄膜にエッチング処理を施すことによ
って予め渦巻状の平面電極を形成する。そして、この平
面電極を立体的に変形させて前記螺旋状の駆動電極を形
成する際に、前記非晶質材料の過冷却液体域に加熱す
る。すると、前記平面電極は変形過程において108 〜
1013Pa・Sの粘性流動を示すようになる。したがっ
て、立体的な変形の途中における前記平面電極の破壊を
防止することができる。また、過冷却液体域に加熱し冷
却して得た前記非晶質材料は、内部ひずみなどがなく極
めて柔軟性に富み、高い弾性限界を示すようになる。し
たがって、静電マイクロアクチュエータの駆動中におい
て、駆動電極を上下方向に駆動させた場合においても、
前記駆動電極が破壊してしまうようなことがない。
ュエータの製造方法によれば、駆動電極を基板面に対し
て垂直な方向に駆動させることができ、駆動中における
駆動力の発生点の変化を防止することができる。このた
め、静電マイクロアクチュエータを小型化することが可
能となり、この静電マイクロアクチュエータを搭載する
装置自体の大きさをも小さくすることができる。なお、
本発明における「過冷却液体域」とは、ガラス転移温度
(Tg)から結晶化開始温度(Tx)までの温度領域
(△Tx)をいう。
に則して詳細に説明する。本発明の静電マイクロアクチ
ュエータの製造方法の好ましい態様は、平面電極の立体
的な変形方法に依存して、以下のように分類することが
できる。
に変形させる場合)図1〜11は、平面電極をその自重
により立体的に変形させて駆動電極を形成する場合の各
工程を示す断面図及び平面図である。最初に、図1に示
すように半導体材料からなる基板1上に熱酸化法などに
より、基板電極絶縁層2を厚さ0.01〜10μmに形
成する。次いで、基板電極絶縁層2上にスパッタリング
法などによって基板電極層を厚さ0.01〜5μmに形
成する。この基板電極層をフォトリソグラフィによって
パターニングすることにより、基板電極パッド部4を有
する基板電極3を形成する。次いで、基板電極3上にC
VD法などによって駆動電極絶縁層5を厚さ10〜10
0nmに形成する。そして、真空蒸着法などにより駆動
電極絶縁層5上に犠牲層6を厚さ1〜50μmに形成
し、パターニングする。
見た場合の平面図である。図2から明らかなように、駆
動電極絶縁層5は基板電極パッド部4を露出させるよう
にして基板電極3上に形成する。さらに、犠牲層6のパ
ターニングは、駆動電極絶縁層3上において一辺が階段
状となるように行う。次いで、図3に示すように、スピ
ンコート法などによって基板1上に形成された基板電極
3などの全体を覆うようにして高分子層7を厚さ1〜2
00μmに形成する。次いで、高分子層7上に渦巻状に
パターニングされたマスク層8をスパッタリング法など
によって厚さ0.01〜1μmに形成する。
介して高分子層7をRIE(リアクティブイオンエッチ
ング)などによってエッチングする。次いで、過冷却液
体域を有する非晶質金属からなる薄膜9をスパッタリン
グ法などによって厚さ0.5〜100μmに形成する。
その後、図5に示すように、高分子層7を酸溶液を用い
て除去することにより、平面電極パターン10を形成す
る。図6は、図5に示すアセンブリを上側から見た場合
の平面図である。図6から明らかなように、平面電極パ
ターン10は渦巻状であることが分かる。
空赤外線加熱装置(図示せず)に設置する。そして、装
置内を好ましくは10-4Pa以下まで排気した後、図7
に示すように前記アセンブリに赤外線を照射し前記非晶
質材料の過冷却液体域に加熱する。その後、室温にまで
冷却し、図8に示すように犠牲層6を酸溶液を用いてエ
ッチング除去し、平面電極11を形成する。
おいて必須のものではない。しかしながら、過冷却液体
域を有する非晶質材料からなる平面電極パターン10を
前記過冷却液体域にまで加熱することにより、平面電極
パターン10の内部応力が緩和される。したがって、犠
牲層6を除去して平面電極11を形成する際に、平面電
極11が湾曲したり破壊したりすることを効果的に防止
することができる。
する場合、その昇温速度は1〜10℃/分であることが
好ましく、到達温度における保持時間は0.5〜10分
であることが好ましい。
の真空赤外線加熱装置(図示せず)に入れ、図9に示す
ように設置治具12によって前記装置内に上下逆向きに
設置する。なお、設置治具12には前記アセンブリに赤
外線を照射するための開口部13が形成されている。次
いで、開口部13を介して前記アセンブリの前面から赤
外線を照射するとともに、基板1側からも前記アセンブ
リに赤外線を照射して過冷却液体域を有する非晶質材料
からなる平面電極11を前記過冷却液体域に加熱する。
すると、平面電極11は粘性流動を示すようになるた
め、図10に示すように、平面電極11自体の自重によ
って立体的に変形するようになる。そして、所定の時間
が経過した後に前記の加熱操作を中止することによって
立体的な変形が中止され、図11に示すような螺旋状の
駆動電極14を得ることができ、最終的な静電マイクロ
アクチュエータを得ることができる。
100℃/分の昇温速度で行うことが好ましく、さらに
到達温度における保持時間は1〜10分であることが好
ましい。また、過冷却液体域を有する非晶質材料からな
る平面電極11の前記過冷却液体域への加熱は、上記赤
外線加熱の他に誘導加熱、抵抗加熱などによって行うこ
ともできる。
極14を構成する過冷却液体域を有する非晶質材料とし
ては、過冷却液体域のガラス転移温度が200〜600
℃の範囲にあるものが好ましく、さらには250〜40
0℃の範囲にあるものが好ましい。そして、過冷却液体
域の温度幅が20℃以上であることが好ましい。これに
より、このような非晶質材料からなる平面電極の加熱工
程を簡素化することができるとともに、加熱時の温度変
動の影響を低減することができる。さらには、前記非晶
質材料を成膜する下地やこの下地を保持する治具の材料
選択の幅を広げることができる。このような非晶質材料
としては、Zr−Cu−Al、Pd−Cu−Si、Pd
−Ni−P、及びAu−Siを例示することができる。
ても、シリコンやガリウムなどの半導体材料、パイレッ
クスや酸化シリコンなどのガラス材料、ポリイミドやベ
ークライトなどの高分子材料、及び銅、アルミニウムな
どの金属材料を使用することができる。同様に基板電極
3についてもクロム、ニッケル、及びアルミニウムな
ど、公知の導電性材料から構成することができる。基板
電極絶縁層2及び駆動電極絶縁層5についても酸化シリ
コン、窒化シリコン及びポリイミドなど、公知の絶縁材
料から構成することができる。さらに、犠牲層6にはニ
ッケル、酸化シリコン、アルミニウム、及びクロムなど
を用いることができる。高分子層7にはポリイミドやベ
ークライト、及びレジストなどを用いることができる。
マスク層8にはクロムやアルミニウム、及び酸化シリコ
ンなどを用いることができる。
変形させる場合)図12〜14は、平面電極を機械的な
外力によって変形させて駆動電極を形成する場合の各工
程を示す断面図である。最初に、図12に示すように、
基板21の両面に熱酸化法などにより基板電極絶縁層2
2及びマスク層26を、それぞれ厚さ0.01〜10μ
m及び0.01〜1μmに形成する。次いで、基板電極
絶縁層22及びマスク層26をパターニングして開口部
28及び30を形成する。次いで、スパッタリング法及
びフォトリソグラフィの手段を用いることにより、基板
電極絶縁層22上に基板電極23を厚さ0.01〜5μ
mに形成する。
層25及び保護層27を、それぞれ厚さ10〜100n
m及び0.01〜5μmに形成する。次いで、保護層2
7をパターニングにして開口部28と同形状の開口部2
9を形成する。その後、開口部29を覆うようにして犠
牲層を形成し、図3〜8に示す各工程を経ることによ
り、過冷却液体域を有する非晶質材料からなる渦巻状の
平面電極31を形成する。次いで、図13に示すように
図12に示すアセンブリをアルカリ水溶液に浸漬させて
基板21に異方性ウエットエッチングを行い、エッチピ
ット32を形成する。続いて、酸水溶液に浸漬させるこ
とにより、基板電極23及び駆動電極絶縁層25に異方
性ウエットエッチングを行って、エッチピット33を形
成する。
すアセンブリを突起部36を有する治具35に取り付
け、突起部36をエッチピット32及び33を貫通させ
て平面電極31を持ち上げる。そして、この状態におい
て平面電極31を前記非晶質材料の過冷却液体域に加熱
し、所定の時間が経過した後に加熱を中止して室温にま
で冷却して、螺旋状の駆動電極34を得、最終的な静電
マイクロアクチュエータを得ることができる。
び保持時間については前記「平面電極の自重により平面
電極を立体的に変形させる場合」と同様の手段及び条件
によって行うことができる。また、過冷却液体域を有す
る非晶質材料や基板材料などについても、「平面電極の
自重により平面電極を立体的に変形させる場合」と同様
のものを使用することができる。
変形させる方法)図15及び16は、平面電極を静電的
な外力によって立体的に変形させて駆動電極を形成する
場合の各工程を示す断面図である。最初に、図1〜8に
示す工程にしたがって基板41上に基板電極絶縁層4
2、基板電極43、駆動電極絶縁層45、及び過冷却液
体域を有する非晶質材料からなる渦巻状の平面電極51
を「平面電極の自重により平面電極を立体的に変形させ
る場合」と同様にして形成する。
縁層42及び平面電極51と一端が接触するようにして
導電性支柱47−1及び47−2を設け、さらに、導電
性支柱47―1及び47−2の他端に絶縁部48を介し
て対向電極49を形成する。そして、外部電源50から
平面電極51と接触している導電性支柱47−1と対向
電極49との間に所定の電圧を印加する。さらに、平面
電極51を前記非晶質材料の過冷却液体域に加熱する。
すると、平面電極51は粘性流動を示して軟化するた
め、対向電極49と平面電極51との間に発生した静電
力によって対向電極49に引き付けられる。そして、所
定時間保持した後冷却すると、図16に示すような螺旋
状の駆動電極54が形成され、最終的な静電マイクロア
クチュエータが形成される。
平面電極を立体的に変形させる場合」で述べたのと同様
の手段を用いることができる。なお、平面電極51の過
度の変形を防止するために、平面電極が変形を開始した
後の印加電圧は上記電圧の1/2〜1/10にすること
が好ましい。
様を示す断面図及び平面図である。図17及び18で
は、導電性支柱47−1及び47−2の他端に絶縁物4
8を介して絶縁板55を形成し、この絶縁板55の中心
部分に部分電極56を形成している。すなわち、図17
及び18では、対向電極を絶縁板51と部分電極52と
から形成している。これによって、平面電極51の中心
部分にのみ静電力が作用するようになるため、静電力が
最適化され、上述のように平面電極が変形を開始した後
に印加電圧値を低減させる必要がなくなる。
する場合は、絶縁板55をシリコンや酸化シリコンなど
の赤外線透過性の材料から形成することが必要である。
また、平面電極51及び駆動電極54を構成する過冷却
液体域を有する非晶質材料や基板41を構成する半導体
材料などについては、前記「平面電極の自重により平面
電極を立体的に変形させる場合」と同様のものを使用す
ることができる。
変形させる場合)図19及び20は、平面電極を磁気的
な外力により立体的に変形させて駆動電極を形成する各
工程を示す断面図である。最初に、図1〜8に示す工程
にしたがって基板61上に基板電極絶縁層62、基板電
極63、駆動電極絶縁層65、及び過冷却液体域を有す
る非晶質材料からなる渦巻状の平面電極71を「平面電
極の自重によって平面電極を立体的に変形させる場合」
と同様にして形成する。
台72上に設置する。次いで、図19に示すように、平
面電極71上にスパッタリング法などにより磁性層を厚
さ1〜100μmに形成した後、パターニングすること
によって磁性体67を形成する。次いで、磁性体67に
対向するようにして永久磁石68を設置する。なお、永
久磁石68は水冷管69によって水冷されている。その
後、このアセンブリを真空赤外線加熱装置(図示せず)
に入れ、「平面電極の自重によって平面電極を立体的に
変形させる場合」と同様の条件で、設置台72の開口部
73及び前記アセンブリの上面から前記アセンブリに赤
外線を照射し、平面電極71を前記非晶質材料の過冷却
液体域に加熱する。
軟化し、磁性体67と永久磁石68との間に生じた磁力
によって永久磁石68の方向に引き付けられる。永久磁
石68は水冷されているため、変形した平面電極71が
永久磁石68に接触すると直ちに冷却されて変形が終了
する。そして、図20に示すような螺旋状の駆動電極7
4が形成されるとともに、最終的な静電マイクロアクチ
ュエータが形成される。
外線を用いて平面電極を加熱したが、抵抗加熱や誘導加
熱を用いて行うこともできる。また、過冷却液体域を有
する非晶質材料及び基板を構成する半導体材料などにつ
いても、前記「平面電極の自重によって平面電極を立体
的に変形させる場合」と同様のものを使用することがで
きる。さらに、本態様においては永久磁石を水冷してい
るが、永久磁石のキュリー点が上記のような加熱温度と
比較して十分高い場合は、冷却する必要はない。
た応力により平面電極を立体的に変形させる場合)図2
1〜24は、内部応力層との界面に生じた応力によって
平面電極を立体的に変形させて、駆動電極を形成する場
合の各工程を示す断面図及び平面図である。最初に、図
1〜6に示す工程にしたがって基板81上に基板電極絶
縁層82、基板電極83、駆動電極絶縁層85、及び過
冷却液体域を有する非晶質材料からなる渦巻状の平面電
極91を「平面電極の自重によって平面電極を立体的に
変形させる場合」と同様にして形成する。
ト法などにより高分子層87を厚さ1〜200μmに形
成する。次いで、スパッタリング法及びウエットエッチ
ングの手段によりマスク層88を0.01〜1μmに形
成する。次いで、マスク層88を介して高分子層87を
リアクティブイオンエッチングなどでドライエッチング
処理し、凹凸パターンを形成する。そして、この凹凸パ
ターン上にスパッタリング法などによって内部応力層8
9を形成する。その後、高分子層87を酸溶液を用いて
除去し、図22に示すようなアセンブリを得る。図23
は、図22に示すアセンブリを上側から見た場合の平面
図である。基板電極83には、「平面電極の自重によっ
て平面電極を立体的に変形させる場合」と同様に基板電
極パッド部84を形成する。また、内部応力層89は平
面電極91上にほぼ均等な間隔で形成する。
て犠牲層86を除去した後、前記した赤外線加熱や抵抗
加熱、誘導加熱などによって平面電極91を前記非晶質
材料の過冷却液体域まで加熱する。すると、図24に示
すように、平面電極83及び内部応力層89の界面に生
じた応力によって平面電極91が持ち上がる。所定時間
が経過した後加熱を終了すると、螺旋状の駆動電極94
が形成される。
応力を有していることが必要であり、その大きさが1M
Pa〜3GPaであることが好ましく、さらには10M
Pa〜100MPaであることが好ましい。これによ
り、平面電極91から駆動電極94への変形速度を最適
にすることができ、制御性を容易にすることができる。
このような内部応力層は、直流スパッタ法により、スパ
ッタ時のアルゴン雰囲気圧力を0.3Pa、スパッタ電
圧を500Vとして形成したクロム層などにより得るこ
とができる。
さは、平面電極91の厚さの1/100以下であること
が好ましく、さらには10〜200nmであることが好
ましい。過冷却液体域を有する非晶質材料及び基板を構
成する半導体材料などについては、前記「平面電極の自
重によって平面電極を立体的に変形させる場合」と同様
のものを使用することができる。
た場合について説明したが、内部応力層の代わりに、平
面電極と異なる熱膨脹係数を有する熱膨脹層を用いるこ
ともできる。この場合は、内部応力層89の代わりに熱
膨脹層を形成した図22に示すようなアセンブリを加熱
して、平面電極91の温度が過冷却液体域に達するよう
にすると、熱膨脹層と平面電極との熱膨脹差によって両
者の界面に応力が発生する。一方、平面電極91は粘性
流動を示して軟化しているため、平面電極91は前記応
力によって容易に変形し、図24同様の螺旋状の駆動電
極が形成される。
ける熱膨脹係数が5×10-6以下、又は15×10-6〜
40×10-6の範囲であることが好ましい。これによっ
て、平面電極の変形速度を最適にすることができ、駆動
電極を形成する際の制御性が良好となる。さらに、同様
の理由から、熱膨脹層の厚さは平面電極91の厚さの1
/100以下であることが好ましく、さらには10〜2
00nmであることが好ましい。
の実施に形態に則して説明してきたが、本発明は上記内
容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しな
い限りにおいて、あらゆる変形や変更可能である。
製造方法によれば、弾性限界が高く、基板面に対して垂
直方向に上下動することが可能な螺旋状の駆動電極を容
易に形成することができる。このため、基板、基板電極
絶縁層、基板電極、駆動電極絶縁層、及び駆動電極とか
ら静電マイクロアクチュエータを形成し、前記駆動電極
の中心部分に駆動すべき物体を取り付けて前記駆動電極
を駆動させることによって、前記物体は常に基板面に対
して垂直方向の駆動力を受けるため、静電マイクロアク
チュエータの駆動中において駆動力の発生点が変化する
ことがなくなる。このため、静電マイクロアクチュエー
タの小型化が可能となり、これを搭載装置の大きさをも
小さくすることができる。
方法の一例において、最初の工程を示す断面図である。
図である。
る。
る。
図である。
る。
る。
ある。
である。
造方法の他の例において、最初の工程を示す断面図であ
る。
である。
である。
造方法のその他の例ににおいて、最初の工程を示す断面
図である。
である。
造方法の別の例において、最初の工程を示す断面図であ
る。
である。
製造方法の一例において、最初の工程を示す断面図であ
る。
ある。
す断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 過冷却液体域を有する非晶質材料からな
る薄膜を所定の基板上に形成する工程と、 前記薄膜をエッチングすることにより渦巻状の平面電極
を形成する工程と、 前記平面電極を前記非晶質材料の過冷却液体域まで加熱
し、前記平面電極を立体的に変形させて螺旋状の駆動電
極を形成する工程と、を含むことを特徴とする、静電マ
イクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項2】 前記平面電極は、前記薄膜をエッチング
して所定のパターンを形成した後、このパターンを前記
非晶質材料の過冷却液体域に加熱して形成することを特
徴とする、請求項1に記載の静電マイクロアクチュエー
タの製造方法。 - 【請求項3】 前記過冷却液体域のガラス転移温度が2
00〜600℃の範囲にあり、前記過冷却液体域の温度
幅が20℃以上であることを特徴とする、請求項1又は
2に記載の静電マイクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項4】 前記駆動電極は、前記平面電極をその自
重により立体的に変形させて形成することを特徴とす
る、請求項1〜3のいずれか一に記載の静電マイクロア
クチュエータの製造方法。 - 【請求項5】 前記駆動電極は、前記平面電極を機械的
な外力により立体的に変形させて形成することを特徴と
する、請求項1〜3のいずれか一に記載の静電マイクロ
アクチュエータの製造方法。 - 【請求項6】 前記駆動電極は、前記平面電極を静電的
な外力により立体的に変形させて形成することを特徴と
する、請求項1〜3のいずれか一に記載の静電マイクロ
アクチュエータの製造方法。 - 【請求項7】 前記駆動電極は、前記平面電極と対向さ
せて対向電極を形成し、前記平面電極と前記対向電極と
の間に所定の電圧を印加することにより、前記平面電極
と前記対向電極との間に発生した静電力によって前記平
面電極を立体的に変形させて形成することを特徴とす
る、請求項6に記載の静電マイクロアクチュエータの製
造方法。 - 【請求項8】 前記駆動電極は、前記平面電極を磁気的
な外力により立体的に変形させて形成することを特徴と
する、請求項1〜3のいずれか一に記載の静電マイクロ
アクチュエータの製造方法。 - 【請求項9】 前記駆動電極は、前記平面電極上に磁性
体を形成するとともに、前記平面電極と対向させて対向
磁石を形成し、前記磁性体と前記対向磁石との間に発生
する磁力により前記平面電極を立体的に変形させて形成
することを特徴とする、請求項8に記載の静電マイクロ
アクチュエータの製造方法。 - 【請求項10】 前記駆動電極は、前記平面電極に隣接
するようにして内部応力を有する内部応力層を形成し、
前記平面電極と前記内部応力層との内部応力差により、
前記平面電極と前記内部応力層との界面に生じる応力に
よって前記平面電極を立体的に変形させて形成すること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の静電
マイクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項11】 前記内部応力層は、圧縮又は引張りの
内部応力を有し、この内部応力の絶対値が1MPa〜3
GPaであることを特徴とする、請求項10に記載の静
電マイクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項12】 前記内部応力層の厚さが、前記平面電
極の厚さの1/100以下であることを特徴とする、請
求項10又は11に記載の静電マイクロアクチュエータ
の製造方法。 - 【請求項13】 前記駆動電極は、前記平面電極と隣接
するように前記非晶質材料と熱膨脹係数の異なる熱膨脹
層を形成し、前記平面電極と前記熱膨脹層との熱膨脹差
により前記平面電極と前記熱膨脹層との界面に生じる応
力によって前記平面電極を立体的に変形させて形成する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の
静電マイクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項14】 前記熱膨脹層は、200℃以上におけ
る熱膨脹係数が5×10 -6以下、又は15×10-6〜4
0×10-6の範囲であることを特徴とする、請求項13
に記載の静電マイクロアクチュエータの製造方法。 - 【請求項15】 前記熱膨脹層の厚さが、前記平面電極
の厚さの1/100以下であることを特徴とする、請求
項13又は14に記載の静電マイクロアクチュエータの
製造方法。
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JP18375399A JP3210968B2 (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | 静電マイクロアクチュエータの製造方法 |
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JP18375399A JP3210968B2 (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | 静電マイクロアクチュエータの製造方法 |
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JP18375399A Expired - Lifetime JP3210968B2 (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | 静電マイクロアクチュエータの製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 1999-06-29 JP JP18375399A patent/JP3210968B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US9393404B2 (en) | 2012-04-20 | 2016-07-19 | Medtronic Bakken Research Center B.V. | Freestanding thin film for a system for neural applications |
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