JP5414583B2 - マイクロ構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体プロセスによってウエハから作製される微小電気機械構造体(MicroElectro Mechanical Systems;MEMS)などのマイクロ構造体、それを複数配列したマイクロ構造体アレイ、それらの製造方法などに関する。ここで、マイクロ構造体とは、主に、マイクロメータオーダ等の微細なサイズの構造体で、可動部を有し、例えば、力学量センサ(加速度センサ、圧力センサ、ジャイロセンサなど)、光偏向器、光スイッチ、光変調素子等に用いることができるものである。
従来、微小電気機械構造体(MEMS)は、アクチュエータ、センサなどとして利用されている(特許文献1、特許文献2参照)。例えば、基板上に可動部を形成し、基板と可動部を静電容量可変なコンデンサとするものがある。このコンデンサを、静電アクチュエータとしたり、容量変化を検出するセンサとしたりすることができる。また、集積回路を含む基板上にマイクロ構造体を集積化したものがある。こうしたマイクロ構造体は、例えば、光を偏向する光偏向器として利用される。また、マイクロ構造体は、複数配列してアレイとして利用される。特に、反射面を有する可動部を含むマイクロ構造体が2次元に光を偏向するMEMSデバイスは、光スイッチ、空間的な強度変調器や位相変調器として用いることができる。
特開2008−122955号公報 WO06−112387号公報
従来、可動部を有するマイクロ構造体は、マイクロ構造体とそれが形成される基板との温度差や基板の伸びで、ねじりバネのバネ定数などが変化し、可動部の変位運動が安定しないということがあった。また、2次元にねじり変位可能な可動部を有するマイクロ構造体は、2つのねじり変位方向へのバネ定数を小さくするとその他の方向へのバネ定数も小さくなってしまい、ねじり変位と共に不要な変位が生じ易かった。
上記課題に鑑み、本発明のマイクロ構造体は、基板と、前記基板に支持部を固定する1つのポストと、前記支持部の外周に枠状に配置される可動部と、前記可動部と前記支持部とを弾性的に連結する弾性支持部と、を有する。そして、前記弾性支持部は、前記支持部の外周に枠状に配置された連結部と第1のねじりバネと第2のねじりバネと、を含み、前記第1のねじりバネは、前記支持部に対して、第1のねじり軸の回りにねじり変位可能に前記連結部を支持し、前記第2のねじりバネは、前記連結部に対して、第2のねじり軸の回りにねじり変位可能に前記可動部を支持し、前記可動部は可動電極を有し、前記可動電極と前記基板上の固定電極とで、静電容量の変化するコンデンサを形成する様に構成されている。
本発明のマイクロ構造体によれば、中央部の1箇所の固定支持部が基板と固定されているため、枠状の可動部と支持部とを弾性的に連結する弾性支持部への、基板の伸びとマイクロ構造体の伸びの差などによる応力の伝達が低減された構成とできる。この様な部材の伸びの差は、例えば、基板とマイクロ構造体の線膨張係数差、使用時の温度差、基板の変形等で生じ、ねじりバネ、弾性変形可能な連結部などを含む弾性支持部にこれらによる応力がかかると、バネ定数などが変化してしまう。本発明のマイクロ構造体では、中央部の1箇所の固定支持部のみが基板と固定されるので、たとえ上記の如き伸びの差などが生じても、弾性支持部への基板からの応力の伝達が低減される。そのため、製造個体や使用環境などが異なることによる弾性支持部の機能の変化や不均一を低減でき、可動部の変位運動を安定化できる。
本発明のマイクロ構造体の実施形態を説明する図。 ねじりバネの概念及び連結部の近似モデルを示す図。 連結部の周長と垂直方向バネ定数の関係を示すグラフ。 比較例のマイクロ構造体を説明する図。 本発明のマイクロ構造体の実施例及びマイクロ構造体アレイを説明する図。 本発明のマイクロ構造体の他の実施例を説明する図。 本発明のマイクロ構造体アレイの製造方法の実施例を説明する図。 本発明のマイクロ構造体アレイの製造方法の他の実施例を説明する図。 本発明のマイクロ構造体アレイの製造方法の他の実施例を説明する図。
本発明のマイクロ構造体は、固定支持部とこれの外周に枠状に配置される可動部とを弾性的に連結して可動部を固定支持部に対して可動に支持する弾性支持部を有する構成において、1箇所で固定支持部を基板に固定する。これにより、上記の如き応力が弾性支持部に殆ど伝達されない構成とできる。
以下、図を用いて本発明の実施形態及び実施例を説明する。
図1(a)〜(c)は本発明のMEMSデバイスであるマイクロ構造体の一実施形態1を示す。図1において、(a)は上面図、(b)は図1(a)のC−C’線での断面図、(c)は電極基板の固定電極付近の上面図である。図1(b)に示す様に、本実施形態は、電極基板9と、破線で囲んだマイクロ構造体18を有する。可動部5を含むマイクロ構造体18の支持部1は、ポスト10を介して電極基板9に固定されている。ポスト10は導電性の材料で形成されており、電極基板9上の受け部17と支持部1を電気的に接続している。マイクロ構造体18の可動部5は、図1(a)のA−A線、B−B線を夫々第1のねじり軸、第2のねじり軸として、支持部1に対して2次元ねじり変位可能に弾性支持されている。すなわち、A−A線をねじり軸として、第1のねじりバネ2により連結部3が支持部1に対してねじり変位自在に弾性支持されている。更に、B−B線をねじり軸として、第2のねじりバネ4により可動部5が連結部3に対してねじり変位自在に弾性支持されている。この様に、連結部3によって2組のねじりバネ2、4を連結することで、2次元ねじり変位可能に可動部5を弾性支持することができる。本実施形態では、MEMSデバイスの中央に支持部1、その外周を順次取り囲む様に周長15の枠状の連結部3、枠状の可動部5が形成されている。本明細書では、この様な特徴的な連結構造を中央固定ジンバル構造とも呼ぶ。ここでは、支持部1の外周に枠状に配置される弾性変形可能な連結部3と第1のねじりバネ2と第2のねじりバネ4が、弾性支持部を構成している。また、支持部1が円形状、連結部3が円環状、可動部5が、中央部の刳り貫かれた四角形状をしているが、これらの形状は場合に応じて種々に設計することができる。
一方、可動部5の電極基板9側の面と一定の空隙を隔てて対向して、固定電極8が絶縁層16を介して電極基板9上に形成されている。従って、この部分で、可動部5の変位に応じて静電容量が変化するコンデンサを形成している。この空隙は、図1(b)に示す様に、ポスト10の高さ、受け部17の厚さで規定される。固定電極8は、図1(c)に示す様に、導電性の受け部17の回りに4枚の扇型で形成される。4枚の扇型は、A−A線とB−B線に沿った部分で夫々分離されている。ここで、固定電極8とマイクロ構造体18との間に電位差を発生させると、固定電極8と可動部5との間で静電引力が発生する静電アクチュエータとできる。可動部5に対して静電引力が発生する箇所は、固定電極8と対向する位置付近となる。この位置付近は、固定されているポスト10から離れているので、静電引力は可動部5をねじり変位するモーメントとなる。このモーメントのアームは、比較的長く設定することができる。第1、第2のねじり軸の伸長方向と扇型の固定電極8の分離形態が上述した様になっているので、4枚の固定電極8のうちの1枚または隣接する2枚に夫々任意の電圧を印加することによって、可動部6を2次元的にねじり変位することが可能となる。可動部5上に図示の如く光反射面6を設ければ、この静電アクチュエータを光スキャナ、光スイッチ、光変調素子などとして用いることができる。
一方、可動部5の変位に応じた静電容量の変化を容量検出回路で検出することにより、センサを構成することが可能となる。特に、可動部5が外部から力(例えば、力、加速度、角速度等)を受けることで生じる変位を検出することで、これらの力を検出するセンサとできる。
本実施形態の効果について図を用いて詳細に説明する。
第一に、中央固定ジンバル構造により、使用環境などが異なることによるバネ定数の変化を低減することが可能となる。これは、2組のねじりバネの何れにもねじり軸方向の応力が印加されない構成により達成できる。ねじりバネの断面の模式図である図2(a)を用いて説明する。ねじり軸に平行なねじりバネの長さをLとし、断面の幅t、厚さbを図2(a)の様に定義する。ねじり軸方向の応力σが印加されたとすると、ねじりバネ定数Kは以下の式1の関係で近似される。
K=(Gbt/3L)*(1+(b/4Gt)*σ) 式1
ここで、Gは構成部材の横弾性係数である。式1に示す様に、応力σによりねじりバネ定数Kは変化する。応力σは、電極基板9とマイクロ構造体18の変形量の差によりねじりバネが伸縮されることで生じる。この様な変形量の差は、製造工程での電極基板9の変形、機器への固定時の変形などで生じる。これらの変形は製造個体毎にばらつきを有する。また、光偏向器の場合は、光の照射で、マイクロ構造体18と電極基板9が昇温することが考えられる。昇温が生じた場合、線膨張係数の差や温度の差により伸び量が異なるため、光照射の状況により応力σが変化してしまう。更に、使用環境温度が変化する場合や、マイクロ構造体の冷却のために背面から吸熱する場合も、環境毎にマイクロ構造体18と電極基板9の伸びの差が異なるため、応力σが変化してしまう。従って、ねじりバネ定数Kもこれらの要因で変化することとなる。
中央固定ジンバル構造によれば、電極基板9に対してマイクロ構造体18は1つのポスト10で固定される。そして、第1、第2のねじりバネ2、4のいずれも、一端が外側に向かっているのみで、電極基板9へ固定される箇所が存在しない。従って、電極基板9の変形により2組のねじりバネにねじり軸方向の応力σが伝達されることがない構成とできる。つまり、応力σが第1、第2のねじりバネ2、4に殆ど発生しないため、この要因によるねじりバネ定数の変化が低減可能となる。この効果は、中央固定ジンバル構造などの様に、中央部の1箇所の支持部のみが基板と固定される構成であれば、達成される。
また、断面アスペクト比の大きいねじりバネは、ねじり軸方向への応力によるバネ定数変化が大きくなるが、本実施形態では、電極基板から応力が伝達されないため、この様なねじりバネを用いてもバネ定数の変化を低減することが可能となる。また、ねじりバネ定数が基板からの応力の影響を受けないので、光照射でマイクロ構造体や電極基板に温度変化が生じても、応力を要因とするねじりバネ定数変化を低減できる。そのため、高出力の光を偏向しても安定動作が可能となる。また、電極基板からの応力が伝達されないので、複数配列されたマイクロ構造体間でのバネ定数のばらつきの応力要因を取り除くことが可能となる。例えば、光変調器として用いる場合、隣接するマイクロ構造体の偏向軸に偏芯が生じて、意図しない回折光が発生するのを低減することができる。また、光偏向器アレイとして用いる場合、微小な可動ミラーをアレイ状に配列し、各ミラーの変位量を個別に精度良く制御することで、ミラーアレイに照射した光を所望の位置(ないし形状)に偏向できる。この様なミラーアレイによりマスクレス露光等ができる。更に、大規模なアレイを構成した場合も、マイクロ構造体間でのバネ定数のばらつきや経時変化を小さくできる。特に、アレイの面積が大きい場合、アレイ内の温度や基板の変形の分布が生じ易いが、本実施形態の構成を用いれば、こうした分布の悪影響を低減でき、効果が大きい。
第二に、本実施形態では、2次元変位と共に発生する不要な変位を低減することが可能となる。特に、本実施形態では、可動部5と電極基板9が平行状態のままで近接する方向への変位を低減することが可能となる。これは、第1のねじり軸、第2のねじり軸が含まれる平面の法線方向で特にこの方向を垂直方向と呼ぶ。これは、マイクロ構造体の垂直方向のバネ定数を大きくし、且つ、駆動トルクと共に発生する垂直方向の力を低減することで達成できる。この効果について、図2(b)、(c)、図3、及び比較例を示す図4を用いて説明する。図4は、2次元ねじり変位を行うMEMSデバイスの比較例を示し、(a)はMEMSデバイスの上面図、(b)はC−C’線での断面図、(c)は電極基板の固定電極付近の上面図である。本実施形態と同じ機能を有する個所には同じ符号が付してある。符号21は、支持部1を支えるスペーサである。本実施形態と比較例とは、支持部1、連結部3、可動部5の位置関係が逆となっている。つまり、本実施形態の中央固定ジンバル構造に対し、比較例は、可動部5の外周を取り囲む様に連結部3、支持部1が形成されている。
まず、中央固定ジンバル構造により、マイクロ構造体の垂直方向のバネ定数を大きくできることを説明する。可動部5はコンデンサの可動電極となるので、静電容量変化を大きくするには、可動部5を大きくする必要がある。また、光偏向器となる場合には、可動部5には光反射面が設けられるので、開口率の増大のためには可動部5を大きくする必要がある。よって、比較例では、周長15の小さい連結部3の構成が困難である。一方、本実施形態では、図1(a)に示す様に、周長15は可動部5のサイズには依らない構成となっている。つまり、本実施形態では、連結部3の周長15を長くすることなく、大きな可動部5を構成できる。特に、可動部5の垂直方向からみた面積が、弾性支持部の垂直方向から見た面積より大きい構成とすることによって、マイクロ構造体全体のサイズに占める可動部面積を大きくすることができる。このことは、可動電極の面積を大きくすることができるため、マイクロ構造体を低電圧で駆動可能となる。また、反射面を有する可動部で光学的な偏向や変調を行う場合、有効な開口率を向上することができる。
周長15を小さくすると、垂直方向のバネ定数を著しく向上できることを、図2(b)、(c)、及び図3を用いて説明する。図2(b)は連結部3の近似モデルの上面図、図2(c)は図2(b)のD−D’線での断面図を示す。近似モデル12は、枠状の連結部3の周長15と垂直方向のバネ定数の関係を明示するため、幅P、厚さQのドーナツ型を考える。これは、図1(a)の様な連結部3を含む2次元ねじり変位機構において可動部5がねじり変位している状態での垂直方向の力による連結部3の釣り合い状態を近似的に示している。固定端19、試験荷重20の場所は、図1(a)の、夫々、第1のねじりバネ2及び第2のねじりバネ4と連結部3との接続部分に相当している。固定電極8と可動部5との静電引力により、駆動トルクと共に、垂直方向の力が印加される。第2のねじりバネ4を介して連結部3は垂直方向へ変位される。これは、ここでの近似モデルの試験荷重20に相当する。そして、連結部3は第1のねじりバネ2を介して支持部1に固定されている。これは近似モデルの固定端19に相当している。従って、試験荷重20による近似モデル12のバネ定数は、弾性支持部の2次元ねじり変位時の不要な垂直方向の変位に対するバネ定数、つまり垂直方向のバネ定数のうち連結部3のバネ定数に相当する。近似モデル12の垂直方向のバネ定数は、幅P、厚さQが大きいほど、そして周長15が小さいほど増大する。ここで、幅Pは、可動部5を大きくして光の開口率や静電容量を増大するためには小さくする必要があるが、こうしようとすると、連結部3の垂直方向のバネ定数が低下してしまう。また、厚さQは、微細構造を得るための厚みの加工限界が存在するので、上限が製法により規定されてしまう。以上のことから、2次元ねじり変位を行うMEMSデバイスの垂直方向のバネ定数を大きくするためには、周長15を小さくすることが好適な手段となる。比較例のように周長15が大きいと、弾性支持部の垂直方向のバネ定数(つまり第1のねじりバネ2、第2のねじりバネ4、連結部3の3つのバネ定数の合成バネ定数)のうち、連結部3のバネ定数が最も小さくなり、不要な変位は連結部3の変形によって主に生じてしまう。周長15を小さくすることにより、2つのねじりバネの垂直方向のバネ定数より連結部3の垂直方向のバネ定数を大きくすることができるため、効果的に弾性支持部の不要な変位を低減することができる。
ここで、具体的な計算値を示す。例示のため、材質を、微細加工が可能な材料である単結晶シリコンとし、幅Pを3μm、厚さQを1.6μmとする。周長を47μm(内径12μmに相当)から173μm(内径52μmに相当)へと変化させたときの垂直方向バネ定数の算出結果を図3に示す。図3の様に、垂直方向バネ定数は、周長のおよそ−2.8乗に比例して減少する。周長15を小さくすると垂直方向のバネ定数が著しく向上するのが分かる。中央固定ジンバル構造により、周長15が可動部5に影響されない構成とできるので、可動部5を大きくしつつ連結部3の周長15を小さくでき、これにより静電容量変化や光の開口率などを大きくしながら垂直方向のバネ定数を向上することができる。比較例の変形例として、垂直方向のバネ定数が低い場合、可動部5を電極基板9側から接触支持するピポット構造を用いるものもあるが、上記中央固定ジンバル構造では、この種の接触構造を必要としない。そのため、本実施形態では、繰り返し変位による接触部分の磨耗や接触部分の摩擦抵抗の変化といった現象がなく、駆動安定性の高いMEMSデバイスを実現できる。
次に、中央固定ジンバル構造により、アクチュエータとして利用する際の駆動トルクに伴う垂直方向の力を低減できることを説明する。図1と図4を用いて中央固定ジンバル構造と比較例との固定電極8を比較する。図1(b)、(c)に示す様に、中央固定ジンバル構造では、静電トルクを作用させる可動電極となる可動部5は、マイクロ構造体の最外周にある。それに対応する位置に固定電極8が図示の様に配置される。よって、ねじり軸A−A線、B−B線から遠い位置で静電引力を作用させることができ、小さな静電引力で大きな駆動トルクを発生できる。従って、2次元ねじり変位に伴う垂直方向の静電引力を小さくするのに、好適な構成となる。同時に、小さな静電引力で大きな駆動トルクを得られるため、低電圧で2次元ねじり変位が可能となる。また、センサとして利用する場合は、作用点とねじり軸との距離が大きいため、小さな面積で、単位ねじり変位あたりの静電容量変化を大きくすることができる。
一方、図4(b)、(c)に示す様に、比較例では、可動部5は、2つのねじり軸A−A線、B−B線が交差する中央付近にある。そして、固定電極8と可動部5との間の静電引力のA−A線、B−B線まわりのトルクが夫々のねじり変位方向の駆動トルクとなる。そのため、静電引力の作用点とA−A線、B−B線の距離を大きくできず、2次元ねじり変位に伴う垂直方向の静電引力を低減することが難しくなる。
以上のことから、少ない面積で連結部の剛性を高くすることができ、マイクロ構造体のねじり変位方向以外の不要変位を低減することが可能となる。そして、ねじり軸が異なる2本のねじりバネを連結部で接続することにより、ねじり易く撓み難いバネ構成とできる。特に、ねじりバネの断面の縦横比を大きくし、長辺方向への剛性を高めることで、最大許容ねじり角が大きく、撓み難いバネとできる。また、例えば、光偏向器として用いる場合、ねじり易く撓み難いため、光を偏向する軸の偏芯や倒れが少ない正確な光偏向が可能となる。
第三に、中央固定ジンバル構造により、2次元ねじり変位を低電圧で行い得ることについて説明する。これは、2次元ねじり変位を行うねじりバネをねじり易く、撓み難く構成し、且つ、静電引力の作用点をねじり軸から離れた箇所にすることで達成できる。静電引力の作用点の効果は前述した通りである。ねじりバネをねじり易く撓み難い構成とできることについて、図2(a)で示すねじりバネで説明する。これは、幅tを小さく厚さbを大きくして断面の縦横比を大きくするか、長さLを短くすることで実現可能である。ただし、長さLを短くすると最大ねじり角が制限されてしまうので、最大ねじり角が大きく撓み難いバネとするためには、断面の縦横比を大きくするのが望ましい。その場合、比較例では、前述の式1の通り、応力σの影響が大きくなってしまうが、中央固定ジンバル構造を用いれば、前述の理由で応力σの変化は著しく低減できるので、ねじりバネ定数を安定にできる。
以上のことより、本実施形態をアクチュエータとして用いる場合、静電力によるトルクのモーメントアームが大きく小さな静電力で大きな駆動トルクが得られ、ねじりバネ定数が小さくできるため、低電圧駆動が可能となる。低電圧駆動が可能であるため、アレイ化した場合、アレイを駆動する駆動回路を簡略化することが可能となる。また、アレイを駆動するための引き出し配線間の絶縁構造を簡略化することが可能となる。更に、配線間の電流リークの影響も小さくすることができる。また、センサとして用いる場合も、可動部の変位角あたりの静電容量変化を大きくし、感度を向上することができる。
また、単結晶シリコンでねじりバネを構成する場合、これはほぼ理想的な弾性特性を有するので、繰り返し硬化や、バネの変形時の塑性変形、応力緩和(短時間で生じるクリープひずみ)によるねじり変位のドリフトを低減することが可能となる。特に、単結晶シリコンは微細加工が可能であるため、マイクロオーダーのねじりバネを精度良く製造可能となる。そのため、バネ定数の製造ばらつきを低減することができる。また、縦横比の高い断面を有するバネを製造可能となるため、ねじり易く撓み難いバネとすることができる。従って、マイクロミラーアレイとした場合、光偏向角のドリフトが低減されたミラーが作製可能となる。更に、マイクロミラーアレイの製造ばらつきや駆動電圧のばらつきを低減できるため、駆動ばらつきが小さい空間的な位相変調器や強度変調器を構成可能となる。
以下、より具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
図5(a)〜(c)を用いて本発明のマイクロ構造体アレイに係る実施例1を説明する。図5において、(a)は実施例1の各マイクロ構造体の上面図、(b)はマイクロ構造体アレイの上面図、(c)は断面図である。前述の実施形態と同じ機能を有する個所には同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、中央固定ジンバル構造を構成する2組のねじりバネ2、4が、図示の通り、蛇行したミアンダ構造を有する。各マイクロ構造体の断面構造は図1(b)と同じである。そして、図5(b)、(c)に示す様に、電極基板9上に、図5(a)のマイクロ構造体が複数配列され、マイクロ構造体アレイ22を構成している。電極基板9は、上記実施形態で示した通り、各マイクロ構造体18に対応した固定電極8を有する。電極基板9は、半導体集積回路で構成された駆動回路を予め有し、各マイクロ構造体18の固定電極8へ印加する電圧を制御することができる。電極基板9が駆動回路を有するため、アレイの各々の固定電極8を制御するための配線を減らすことができる。本実施例では、支持部1、第1のねじりバネ2、連結部3、第2のねじりバネ4、可動部5は、単結晶シリコンで一体的に形成されている。また、ポスト10は金で形成され、受け部17も金で形成されている。
マイクロ構造体18の1辺Rは64μm、厚さは1.6μmである。ポスト10の直径は10μm、支持部1の直径は15μm、連結部3の幅は3μmとなっている。更に、隣接するマイクロ構造体18の間隔、及び支持部1、第1のねじりバネ2、連結部3、第2のねじりバネ4、可動部5を夫々離間する間隔(隙間)は、0.5μmである。蛇行したミアンダ構造のねじりバネ2、4は、折り返される直線部分のねじり軸方向に垂直な幅が0.5μm、長さが5μmである。可動部5と固定電極8の間には、4μmの空隙が形成されている。マイクロ構造体アレイ22は、縦横夫々32個のマイクロ構造体が配列され、1024個のアレイである。各々、4枚の固定電極8を有している。固定電極8に最大40Vまでの電圧を印加することで、各可動部5を独立に最大±1度の変位角で2次元ねじり変位することができる。また、第1のねじりバネ2、第2のねじりバネ4の垂直方向のバネ定数に対して、連結部3の垂直方向のバネ定数は約2.3倍となっている。こうしたマイクロ構造体アレイ22に光を照射して、空間的な光強度変調器や位相変調器とできる。本実施例の各マイクロ構造体でも、上記実施形態と同じ効果が得られる。
(実施例2)
図6(a)、(b)を用いて本発明のマイクロ構造体に係る実施例2を説明する。図6(a)は実施例2のMEMSデバイスの上面図、(b)は電極基板の上面図である。前述の実施形態、実施例1と同じ機能を有する個所には同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。本実施例では、電極基板9は1つのマイクロ構造体18を有している。そして、図示の如く、固定電極8及び受け部17には、夫々、電極基板9上に引き出し配線13と電極パッド14が形成されている。電極パッド14を駆動回路と電気的に接続することにより、マイクロ構造体18を2次元ねじり変位させることができる。
マイクロ構造体18の1辺は250μmである。ポスト10の直径は30μmであり、可動部5と固定電極9の間には10μmの空隙が形成されている。こうして、可動部8を最大±2.5度の変位角で2次元ねじり変位させることができる。マイクロ構造体18に光を照射して、小型の光偏向器とすることができる。一定の電圧を印加して角度保持することもできる。また、マイクロ構造体18の共振周波数付近の交流電圧を印加して光走査を行うこともできる。中央固定ジンバル構造では、可動部を接触支持する構造がないため、共振駆動を行っても、高い振幅増幅率で可動部5を駆動可能となる。また、環境温度が変化しても、電極基板8からの応力の影響でねじりバネ定数が変化しない。そのため、バネ定数変化は、バネを構成する部材のヤング率変化と膨張のみを考慮すればよく、共振周波数の環境温度による変化やバネ定数の変化を予測し易くなる。よって、制御精度が向上し、制御方法と制御回路を簡略化できる。特に、この様に、環境温度が変化しても走査性能を安定化できるため、小型の光偏向器を利用して、温度制御機構なしで小型光学機器を構成することができる。
本実施例のMEMSデバイスによれば、固定電極8と可動電極(可動部5)から夫々1対1で配線を外部の駆動回路へ引き出す必要がなく、配線を低減し、配列数の大きい大規模なアレイを構成することが可能となる。また、センサとして用いるときは、検出するコンデンサと検出回路とを結ぶ配線を短くできるため、ノイズを低減することができる。
(実施例3)
次に、図7(a)〜(c)を用いて、本発明のマイクロ構造体アレイ(マイクロミラーアレイなどとして用いられる)の製造方法に係る実施例3を説明する。 図7は図1(a)のC−C’線でのマイクロ構造体の断面図であり、ここでは、3個のマイクロ構造体アレイを作製する工程として説明する。図7(a)において、後に、中央固定ジンバル構造が形成されるデバイス層103を含むSOI基板100は、単結晶シリコンのSOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板である。
デバイス層103上に、バンプ105a〜105c(以下、105で代表する)をAuめっきで形成する工程を説明する。まず、シード部104a〜104c(以下、104で代表する)を形成する。ここで、シード部104は、AuとCrと2層で構成されている。Crは、SOI基板100のデバイス層103のシリコンとAuの密着性を向上させるためと、バンプ105のAuとシリコンが相互に拡散するのを低減するバリア層の役目を果たすために形成される。AuとCrの成膜には、スパッタ法や蒸着法などを用いることができる。Crの膜厚は30nm〜50nm、Auの膜厚は200nm〜400nmである。また、Cr、Pd、Auの3層構造として、相互拡散の効果を高めることもできる。次に、AuとCrを成膜した後、各マイクロ構造体のシード部105をエッチングによって形成する。シード部104を形成した後、Auめっきの型となるパターンをめっき用の厚膜レジストを用いて形成した後、めっきによって各マイクロ構造体のバンプ105を形成する。このとき、シード部104により通電させ、電気めっきを行うことができる。本実施例のバンプ105の形状は、高さ10μm、直径10μmの円柱である。Auめっきを形成する前に、TiWを成膜し、バンプのAuとシリコンが相互に拡散するのを低減することもできる。一方、電極基板9には、単結晶シリコン基板上の絶縁層16に、固定電極8と受け部17を形成する。固定電極8と受け部17は、デバイス層103上のシード部104と同様に、AuとCrから成る2層で構成されている。この形成のために、AuとCrを成膜し、パターニングする。配線材料は、Au/Crに限定されるものではなく、Au、Pd、Crの3層構成などでもよい。バンプ105の材料も、Auに限定するものではなく、Cu、Al、AuSnなどの比較的つぶれ易い材料を用いてもよい。また、バンプ105の材料は、1種類とは限らず、Cuめっき上にAuをめっきする様な2層構造でもよい。バンプ形状は、上記円柱形状に限らず、直方体、三角柱などの柱状、多角形などでもよい。電極材料も、Au/Crに限定されるものではなく、一般的な集積回路で用いられている材料などでもよい。更に、上述の固定電極8と受け部17は、集積回路基板上に形成されてもよく、その場合は、外部の駆動回路へ引き出す必要がないため、配線を低減し、集積度の大きい大規模なアレイを容易に構成することが可能となる。また、上記の数値は一例であって、必ずしもこれらに限定するものではない。上記工程においては、デバイス基板と電極基板のいずれか一方にバンプなどの連結部となる金属の突起を形成し、他方に突起と接合するためのパッドなどの受け部を形成すればよい。よって、バンプを形成する基板と受け部を形成する基板とを上記製造方法とは逆にしてもよい。以上の工程が、マイクロ構造体の製造方法における、2つの基板のいずれか一方にポストとなる金属の突起を形成する突起形成工程と、2つの基板の他方に突起と接合するための受け部を形成する受け部形成工程である。
次に、SOI基板100上のバンプ105の接合面と電極基板9上の受け部17の接合面に対して、真空チャンバ内でアルゴンプラズマを照射する活性化により、洗浄・活性化を行う。この活性化工程において、接合面の水分やゴミを除去できるため、表面の原子の結合手同士を直接結合でき、常温でも強固な接合をすることができる。洗浄・活性化を行う手段としては、アルゴンイオンビームや原子ビームを照射する方法を用いてもよい。また、活性化工程で用いるガスは、窒素やヘリウムなどの不活性ガスを用いてもよい。次に、SOI基板100上のバンプ105の形成面と、電極基板9上の受け部17の形成面を対向して配置し、接合可能になる様に、各基板に形成されたアライメントマーク(不図示)によって位置決めを行う。次に、図7(b)に示す如く、バンプ105を受け部17へ押し付ける様に、SOI基板100と電極基板9に対して常温で加圧し、SOI基板100と電極基板9との間に空隙を形成する接合を行う。例えば、常温で、25kgfから50kgfの荷重で300秒間、加圧する。ここで常温とは、室温から100℃以下の温度とする。以上の工程が、突起と受け部が形成された面を対向させて2つの基板を配置し、突起と受け部が接合可能になる様に位置決めした後に、突起と受け部を押し付ける様に加圧し、2つの基板の間に空隙を形成して突起と受け部を常温で接合する工程である。
本実施例の接合工程は、常温で加圧してSOI基板100と電極基板9を接合するため、接合時に上下基板には熱膨張が発生しない。つまり、加熱をしながら接合する場合と異なり、上下基板の熱膨張の差による基板の伸びの差を低減することができる。従って、接合後の上下基板に位置ずれが発生せず、高精度に接合することができる。
また、バンプ105を押しつぶしながら接合を行うため、接合面はバンプの常に新しい面で接合されることとなる。つまり、接合表面の原子の結合手同士での直接結合となり、より強固な接合ができる。また、つぶされて最終的に達する寸法より小さいゴミを乗り越えて接合を行うことができる。そのため、接合工程の歩留まりを向上することができる。バンプ105と受け部17の形状の大小関係は、パッドである受け部17に押しつぶされて広がる分と、接合時に発生するアライメント誤差分を考慮して、バンプ105よりも受け部17を大きくしておくとよい。例えば、バンプ105よりも受け部17を各辺とも10μm以上長くしておく。支持部1の直径はポスト10より大きくなっており、製造工程で支持部1の範囲内でポスト10の位置がずれても、第1のねじりバネ2の固定される箇所には影響しない(図1参照)。また、上述のSOI基板100と電極基板9との空隙は、バンプ105を押しつぶす量によって決まるため、バンプ105の高さや幅(形状)、加圧する大きさを調整することによって、所望の空隙距離を設けることができる。バンプの数も押しつぶす量に影響をするので、空隙の距離を制御するためには、必要なパラメータである。また、本実施例では、平面の基板の状態で貼り合わせを行っているため、基板全体を均一な力で押すことができ、SOI基板100と電極基板9との空隙を均一に形成できる。
次に、図7(c)に示す様に、SOI基板100のハンドル層101とSiO層102をウエットエッチングまたはドライエッチングによって除去し、デバイス層103だけを残して薄板化する。その後、フォトリソグラフとエッチングを行い、支持部1、第1のねじりバネ2、連結部3、第2のねじりバネ4、可動部5を形成する。また、図示の通り、シード部104とバンプ105は、固定支持部1を電極基板9に対して固定するポスト10に相当する構造となる。以上の工程が、2つの基板のいずれか一方を加工することによって、支持部と可動部と弾性支持部を含む構造体を形成する工程である。以上の様にして、電極基板9上にマイクロ構造体アレイが作製される。
本実施例のMEMSデバイスによれば、高い熱伝導性を有する金でポストを構成することにより、光吸収などでマイクロ構造体に熱が発生しても、電極基板へ熱を逃がすことが可能となる。そのため、マイクロ構造体の昇温を低減することが可能となる。また、熱的な接続が良好なので、電極基板側から良好に温度調整を行うことも可能となる。特に、金でポストを構成することにより、金―金の常温接合により強固な接合が得られて機械的にも強く接続されたMEMSデバイスを製造できる。金は電気抵抗も低いので、電気的にも良好な接続となる。この様に、ポスト10が金で構成されているので、マイクロ構造体18と電極基板9を、電気的、熱的、機械的に良好に接続できる。
また、電極基板とマイクロ構造体を別々に作製して接合することによりMEMSデバイスとできる。電極基板とマイクロ構造体を別々に作製することによりMEMSデバイスの歩留まりを向上できる。更に、電極基板に凹凸があってもマイクロ構造体の平坦性に影響を及ぼさないため、研磨などの平坦化工程を省略して、平坦なコンデンサのギャップを形成することが可能となる。また、接合時に大きな昇温がないため、接合前後での電極基板やマイクロ構造体の反りや伸びが低減でき、マイクロ構造体と電極基板を高い位置精度で接合できる。特に、複数のマイクロ構造体のアレイを形成する場合、マイクロ構造体間の可動電極(可動部)及び固定電極の位置ばらつきを低減できる。そのため、静電アクチュエータとして用いる場合、駆動電圧のばらつきを低減できる。また、センサとして用いる場合、検出容量のばらつきを低減できる。そして、駆動回路を有する電極基板と接合する場合も、大きな昇温がないため、駆動回路特性を劣化させずに形成可能となる。
また、本実施例では、デバイス層と電極基板とを接合した後に構造体分割工程を行う。そのため、デバイス層の構造体パターンを、電極基板に対して、一般的なアライナーのアライメント精度で位置合わせを行うことができ、固定電極に対して高精度にマイクロ構造体を作製できる。その効果として、駆動電圧に対して、構造体の駆動を高精度に制御することができる様になる。一般的なアライナーのアライメント精度は、接合装置のアライメント精度よりも高いため、接合時に特殊なアライメント精度向上のための措置を行わなくてよい。また、常温で加圧しているため、加熱をした場合に生じる電極基板のアライメントマークの変形などを防ぐことができ、固定電極に対して高精度にマイクロミラーなどのマイクロ構造体のアレイを作製できる。また、マイクロ構造体アレイを形成した後に、電極基板と接合する場合と比較して、マイクロ構造体アレイには不要な応力が発生しないため、接合時にマイクロ構造体が破損するということが起きない。
(実施例4)
次に、図8(a)〜(c)を用いて、本発明のマイクロ構造体アレイの製造方法に係る実施例4を説明する。 図8は図1(a)のC−C’線でのマイクロ構造体の断面図であり、ここでも、3個のマイクロ構造体アレイを作製する工程として説明する。また、前述の実施形態や実施例と同じ機能を有する個所には、同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。本実施例は、実施例3と以下の点で異なる。
本実施例では、電極基板9の固定電極8とパッド(受け部)17をウエットエッチングによって形成した後、SOI基板100と電極基板9の間の空隙を規定するためのスペーサ204を形成する。スペーサ204は、Plasma−CVDを用いて、SiOで成膜する。SiOの厚さは、Auバンプ105が十分な接合強度で押しつぶされる時の高さよりも低い高さにする必要がある。こうすることで、Auバンプ105に高さばらつきが生じた場合においても、SOI基板100と電極基板9の空隙をスペーサ204の高さ精度で高精度に規定することができる。その効果として、マイクロ構造体アレイが形成された時に、同一駆動電圧に対する、マイクロミラーなどのマイクロ構造体間の偏向角ばらつきを低減することができる。
次に、図8(b)に示す如く、バンプ105を受け部17へ押し付ける様に、SOI基板100と電極基板9に対して常温で加圧し、SOI基板100と電極基板9との間に空隙を形成する接合を行う。この後、デバイス基板100のSOIウエハのハンドル層101とSiO層102をドライエッチングによって除去し、図8(c)で示す様に、デバイス層103だけを残して薄板化した後、スペーサ204を除去する。この薄板化の工程において、スペーサ204がある場合には、シード層104、バンプ105、固定電極8、受け部17には長時間エッチングガスが晒されないため、スペーサ204は、エッチング保護層としての役割も果たす。なお、上記製造方法において、スペーサを形成する基板をデバイス基板にしてもよい。
(実施例5)
図9を用いて本発明の実施例5を説明する。本実施例では、スペーサ304として、図8のSiOのスペーサ204でなく、ポリイミドなどの樹脂材料を用いている。その他の点は、実施例4と同じである。
本実施例では、スピンコートによってポリイミドを塗付し、フォトリソグラフィによってスペーサ304のパターンを形成する。パターンを形成した後のポリイミドは、最終的に350℃で1時間以上焼き固められることによって、形状を安定させると同時に耐薬品性も高めることができる。次に、実施例4と同様に、バンプ105と受け部17に対して活性化工程を行い、接合可能になる様にし、各基板に形成されているアライメントマーク(図示せず)によって位置決めを行う。この時、ポリイミド製のスペーサ304は、SiOと比較すると、アルゴンプラズマに対するエッチングレートが早いため、エッチングレートを考慮して初期の膜厚を厚めに設定する必要がある。その後、デバイス基板100と電極基板9との間に空隙を形成しつつ、機械的かつ電気的に、強固に接合する。実施例4と同様に、その後の薄板化工程において、ポリイミド製のスペーサ304は、デバイス基板100のハンドル層101とSiO層102の除去時のエッチング保護層としての役割も果たす。また、ポリイミドはOによって除去できるため、スペーサの除去が実施例4と比較すると容易である。また、他の材料に対するエッチングダメージを低減することができ、電極材料の選択肢を広げることができる。
1…固定支持部、2…第1のねじりバネ(弾性支持部)、3…連結部(弾性支持部)、4…第2のねじりバネ(弾性支持部)、5…可動部、9…電極基板(基板)、10…ポスト、18…マイクロ構造体

Claims (9)

  1. 基板と、支持部と、前記基板に支持部を固定する1つのポストと、前記支持部の外周に枠状に配置された可動部と、前記可動部と前記支持部とを弾性的に連結する弾性支持部と、を有し、
    前記弾性支持部は、前記支持部の外周に枠状に配置された連結部と第1のねじりバネと第2のねじりバネと、を含み、
    前記第1のねじりバネは、前記支持部に対して、第1のねじり軸の回りにねじり変位可能に前記連結部を支持し、
    前記第2のねじりバネは、前記連結部に対して、第2のねじり軸の回りにねじり変位可能に前記可動部を支持し、
    前記可動部は可動電極を有し、
    前記可動電極と前記基板上の固定電極とで、静電容量の変化するコンデンサを形成することを特徴とするマイクロ構造体。
  2. 前記第1のねじり軸と前記第2のねじり軸は1つの平面上に配され、
    前記平面の法線方向を垂直方向としたとき、前記連結部の前記垂直方向へのバネ定数は、前記第1のねじりバネおよび前記第2のねじりバネの前記垂直方向へのバネ定数よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体。
  3. 前記垂直方向からみた前記可動部の面積は、前記垂直方向からみた前記弾性支持部の面積より大きいことを特徴とする請求項2に記載のマイクロ構造体。
  4. 前記可動部は、光を反射する反射面を有し、
    前記可動部の電極と前記基板上の固定電極との間に電圧を印加することで前記可動部を駆動して前記光を偏向することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のマイクロ構造体。
  5. 前記基板上に、前記支持部と前記ポストと前記可動部と前記弾性支持部を含む構造体が複数配列されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のマイクロ構造体。
  6. 前記弾性支持部は単結晶シリコンで形成されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のマイクロ構造体。
  7. 前記ポストは金を含んで形成されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のマイクロ構造体。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載のマイクロ構造体の製造方法であって、
    2つの基板のいずれか一方に前記ポストとなる金属の突起を形成する突起形成工程と、
    前記2つの基板の他方に前記突起と接合するための受け部を形成する受け部形成工程と、
    前記突起と前記受け部が形成されている面を対向させて前記2つの基板を配置し、前記突起と前記受け部が接合可能になる様に位置決めする位置決め工程と、
    前記突起と前記受け部を押し付ける様に加圧し、前記2つの基板の間に空隙を形成して前記突起と前記受け部を常温で接合する接合工程と、
    前記2つの基板のいずれか一方を加工することによって、前記支持部と前記可動部と前記弾性支持部を含む構造体を形成する構造体分割工程と、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  9. 前記2つの基板のいずれか一方に前記空隙を規定するためのスペーサを形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
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