JP2001009780A - スリット装置 - Google Patents

スリット装置

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JP2001009780A
JP2001009780A JP11178993A JP17899399A JP2001009780A JP 2001009780 A JP2001009780 A JP 2001009780A JP 11178993 A JP11178993 A JP 11178993A JP 17899399 A JP17899399 A JP 17899399A JP 2001009780 A JP2001009780 A JP 2001009780A
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cutting
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Toshiaki Yamaoku
利昭 山奥
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリット装置において、断裁刃の摩耗を抑制
できるようにして、装置のメンテナンス負担を軽減する
とともに、断裁性能の劣化を抑制することにより、ウエ
ブの断裁品質を向上させることができるようにする。 【解決手段】 該ウエブの走行経路上に設けられて走行
中の該ウエブを走行方向に沿って断裁するスリット装置
において、該ウエブを断裁する回転式の断裁刃9と、断
裁刃9に対向して該ウエブの反対側に配設される回転式
の受刃10と、断裁刃9を受刃10の内側面10cに対
して離接する方向に駆動するアクチュエータ14と、断
裁刃9が受刃10の内側面10cに近接する限度を設定
するためのストッパ33とをそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機等におい
て、ウエブの走行経路上に設けられて走行中のウエブを
走行方向に沿って断裁する、スリット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図4に示すような輪転印刷機
(以下、単に印刷機という)等において、走行中のウエ
ブを走行方向に沿って断裁するスリット装置(以下、ス
リッタとも言う)50が装備されている。スリッタ50
は、図示するように、ウエブ1の走行経路上に設けら
れ、断裁刃9と、断裁刃9に対向するようにウエブ1の
反対側に配設される受刃10とをそなえて構成されてい
る。
【0003】つまり、印刷機には、ウエブ1に印刷を施
す印刷装置2と、印刷装置2により印刷されたウエブ1
のインキを乾燥させる乾燥装置3と、乾燥装置3で加熱
されたウエブ1を冷却する冷却装置4と、折機5とがそ
なえられ、スリッタ50は、図示するように、複数のガ
イドローラ7やドラグローラ8とともに、折機5よりも
ウエブ搬送方向上流側の冷却装置4内に配置され、ウエ
ブ1の幅方向に沿って一セット又は複数セット設けられ
ている。図4に示すこの場合には、複数のスリッタ50
が設けられており、これらのスリッタ50により、ウエ
ブ1は、折機5で製作される折帳の形状に応じて、走行
方向に沿って複数のウエブ1a〜1nに断裁される。そ
して、これらのウエブ1a〜1nは、折機5へ搬送され
るが、折機5では、ウエブ1a〜1nを、幅方向に断裁
したり、折って重ねる等して、折帳として単列や並列に
排出する。
【0004】なお、印刷装置2では、ブランケット胴2
aは、版胴2bから転写された絵柄をウエブ1に転写す
るが、ここでは、ウエブ1の両面(図中では上下各面)
に、このようなブランケット胴2a及び版胴2bを設け
て、ウエブ1の両面に印刷を施すようになっている。ま
た、冷却装置4には、適宜の数(ここでは、2つ)の冷
却シリンダ4aが設けられ、ウエブ1は、この冷却シリ
ンダ4a上を走行することで冷却される。
【0005】ここで、スリッタ50についてさらに詳し
く説明すると、図5(a),(b)に示すように、スリ
ッタ50の断裁刃9は、略円板状の回転式のものであ
り、この断裁刃9に対向するようにウエブ1の反対側に
配設される受刃10は略円柱状の回転式のものであり、
断裁刃9と受刃10とは、その軸心線が互いに平行にな
るように配設されている。また、図5(b)に示すよう
に、受刃10の外周面には全周にわたって凹部(環状凹
部)10aが形成されており、ウエブ1を断裁するとき
には、断裁刃9の外周がこの環状凹部10aに入り込む
ようになっている。断裁刃9及び受刃10は、それぞ
れ、ウエブ1の走行方向に沿って回転しながら、断裁刃
9と受刃10との間を走行するウエブ1を協働して断裁
する。
【0006】この断裁時には、図5(a)に示すよう
に、断裁刃9の外周(刃面)と受刃10の外周面10b
との側面視上での交点のうちウエブ1の走行方向上流側
の交点11が、ウエブ1を断裁する位置、即ちカッティ
ングポイントとなる。そして、このカッティングポイン
ト11で、スリッタ50の切れ味がよくなるように、断
裁刃9と受刃10との相対的な位置関係を調整できるよ
うになっており、ここでは、受刃10の位置は固定、断
裁刃9は、軸方向及び径方向に沿って移動可能に構成さ
れている。
【0007】つまり、断裁刃9は、図5(b)に示すよ
うに、ブラケット13の先端に回動自在に支持され、
又、ブラケット13は、図5(a)に示すように、断裁
刃9をその径方向に駆動する径方向アクチュエータ12
のピストンロッド12aに結合されている。また、径方
向アクチュエータ12は、ブラケット20を介して印刷
機のフレーム(図示略)に設けられた支持梁21aに支
持されている。したがって、断裁刃9は、径方向アクチ
ュエータ12により、ブラケット13と一体に駆動され
て、その径方向(即ち、受刃10と離接する方向)に移
動可能となっている。なお、このとき、ブラケット13
は、ピストンロッド12aの両側に設けられたガイド部
材15,15に案内される。
【0008】また、ブラケット13には、さらに、図5
(a),(b)に示すように、断裁刃9を軸方向へ移動
させるための軸方向アクチュエータ14が付設されてい
る。つまり、断裁刃9の一面から突設された軸(断裁刃
軸)16は、軸受17を介してハウジング18に軸支さ
れ、また、ハウジング18は、ブッシュ19を介してブ
ラケット13に軸方向(軸16の軸心線方向)移動可能
に支持されている。なお、断裁刃9の軸16が片持ち支
持されているのは、断裁刃9のハウジング18への着脱
性を確保して断裁刃9の交換作業を容易にするためであ
る。
【0009】そして、軸方向アクチュエータ14は、ブ
ラケット13に軸16の軸心線方向に向けて固設された
シリンダ14aと、このシリンダ14a内を移動可能な
ピストン14bと、ピストン14bに固設されたピスト
ンロッド14cとをそなえている。そして、ハウジング
18がピストンロッド14cに結合されており、ピスト
ンロッド14cの進退に応じてハウジング18及び軸受
17と共に断裁刃9が軸方向へ移動するようになってい
る。
【0010】軸方向アクチュエータ14のシリンダ14
a内には、ピストン14bで仕切られて、チャンバ14
d,14eが形成され、チャンバ14d内には、空気配
管27を通じて圧縮空気が供給され、チャンバ14e内
には、リターンスプリング14fが介装されている。空
気配管27には、減圧弁26及び着脱用電磁弁22が介
装されており、着脱用電磁弁22への制御信号をオンに
すると、減圧弁26により所定圧力PAに減圧された圧
縮空気が、チャンバ14d内に供給される。そして、チ
ャンバ14d内に圧縮空気が供給されると、リターンス
プリング14fの弾性力に抗して、ピストン14bが前
進し、ピストンロッド14c等を介して断裁刃9が押圧
され、断裁刃9は、図5(b)中に実線で示すように、
受刃10の内側面10cと接するまで移動する。
【0011】一方、着脱用電磁弁22への制御信号をオ
フにすることにより、チャンバ14dは外部開放状態と
なって、ピストン14bは、リターンスプリング14f
の付勢力により後退する。これにより、断裁刃9は、図
5(b)中に二点鎖線で示すように、受刃10の内側面
10cから離隔した位置に移動する。なお、断裁刃9
は、受刃10及びウエブ1の動きに応じて、ウエブ1の
走行方向と同方向に従動回転しながら断裁を行なうよう
になっている。
【0012】一方、受刃10は、図5(a)に示すよう
に、ブラケット24に回転可能に軸支されている。ブラ
ケット24は、印刷機のフレーム(図示略)に取り付け
られた支持梁21bに固設されている。ブラケット24
の上方には、図示しないモータ等により駆動される駆動
軸25と、ギヤ25a,25b等からなる駆動力伝達機
構とが設けられ、受刃10は、この駆動力伝達機構を介
して、駆動軸25に入力される駆動力によりウエブ1の
走行方向と同方向に回転駆動されるようになっている。
【0013】そして、このような構成のスリッタ50に
おいて、ウエブ1の断裁を行なうときは、まず、図6
(a)に示すように断裁刃9が受刃10から離隔した状
態から、径方向アクチュエータ12〔図5(a)参照〕
を作動させて、図6(b)に示すように、断裁刃9の外
周が、受刃10の環状凹部10aに入り込む所定の位置
まで、径方向に沿って断裁刃9を受刃10側へ移動させ
る。次に、着脱用電磁弁22を作動させて、圧縮空気を
軸方向アクチュエータ14〔図5(a),(b)参照〕
に供給する。これにより、断裁刃9は、図6(c)に示
すように、軸方向に沿って移動して受刃10の内側面1
0cに押圧される。このような軸方向アクチュエータ1
4による押圧力は、ウエブ1の緩動時や加減速時等のよ
うに、ウエブ1の張力変動が大きい時においても、スリ
ッタ50がウエブ1を円滑に断裁できるように、ウエブ
1の通常走行時に必要とされる押圧力よりも高めに且つ
一定に設定される。
【0014】そして、この後、図6(c)中に二点差線
で示すように、ウエブ1を、断裁刃9と受刃10との間
で走行させ、ウエブ1を走行方向に沿って断裁する。図
4に示すように、断裁されたウエブ1a〜1nは、所定
の経路を通って、上述したように折機5へと搬送され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
スリット装置では、ウエブ1の緩動時や加減速時等にも
ウエブ1を円滑に断裁できるように、断裁刃9を受刃1
0に押圧する押圧力は、通常運転時(ウエブ1の通常走
行時)に必要とされる圧力よりも高め且つ一定に設定さ
れているため、断裁刃9の摩耗も、これに応じて激しい
ものとなってしまう。つまり、断裁刃9の先端(外周)
は、切れ味が良くなるように鋭利に尖っているため、も
ともと摩耗し易い上、最も運転時間の長い通常運転時に
おいて、断裁刃9は受刃10に過剰な圧力で押圧される
ことになるため、断裁刃9の摩耗が、この押圧力に応じ
て増大してしまうのである。
【0016】図5(a)に示すように、スリッタ50の
切れ味(断裁性能)を最適なものとするように、カッテ
ィングポイント11は、ウエブ1の走行経路上に位置す
るように初期設定されているが、断裁刃9が摩耗して径
が小さくなってしまうと、断裁刃9の外周と受刃10の
外周10bとの側面視上での交点であるカッティングポ
イント11がずれてウエブ走行経路上から外れてしま
い、断裁性能が低下してしまう。スリッタ50の断裁性
能を維持するためには、断裁刃9の位置又はウエブ1の
走行経路を調節するなどして、カッティングポイント1
1をウエブ走行経路上に戻すための調節が必要となる
が、上述の従来技術では、断裁刃9の摩耗が激しいた
め、このような調節作業を頻繁に行なわなければなら
ず、断裁性能を良好に保持することは困難である。
【0017】さらに、断裁刃9が摩耗しきってしまう
と、断裁刃9を交換しなければならないが、断裁刃9の
摩耗が激しいと、このような断裁刃9の交換作業を頻繁
に行なわなければならくなり、作業負担が増大する上、
断裁刃9の損耗費が増大してしまうという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、断
裁刃の摩耗を抑制できるようにして、装置のメンテナン
ス負担を軽減するとともに、断裁性能の劣化を抑制する
ことにより、ウエブの断裁品質を向上させることができ
るようにした、スリット装置を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のスリット装置は、ウエブの走行経路上に設け
られて走行中の該ウエブを走行方向に沿って断裁するス
リット装置において、該ウエブを断裁する回転式の断裁
刃と、該断裁刃に対向して該ウエブの反対側に配設され
る回転式の受刃と、該断裁刃を該受刃の内側面に対して
離接する方向に駆動するアクチュエータと、該断裁刃が
該受刃の該内側面に近接する限度を設定するためのスト
ッパとをそなえて構成されていることを特徴としてい
る。
【0019】請求項2記載の本発明のスリット装置は、
請求項1記載のスリット装置において、該断裁刃の支持
軸が、該断裁刃の両側で支承されるように構成されてい
ることを特徴としている。請求項3記載の本発明のスリ
ット装置は、ウエブの走行経路上に設けられて走行中の
該ウエブを走行方向に沿って断裁するスリット装置にお
いて、該ウエブを断裁する回転式の断裁刃と、該断裁刃
に対向して該ウエブの反対側に配設される回転式の受刃
と、該断裁刃を該受刃の内側面に対して離接する方向に
駆動するアクチュエータとをそなえ、該アクチュエータ
により該断裁刃を該受刃の該内側面に押圧する押圧力を
可変に設定できるようにしたことを特徴としている。
【0020】請求項4記載の本発明のスリット装置は、
請求項3記載のスリット装置において、該アクチュエー
タにより該断裁刃を該受刃の該内側面に押圧する該押圧
力が、該ウエブの緩動時又は加減速時よりも、該ウエブ
の通常走行時に低くなるように制御されることを特徴と
している。請求項5記載の本発明のスリット装置は、請
求項3記載のスリット装置において、該アクチュエータ
により該断裁刃を該受刃の該内側面に押圧する該押圧力
が、該ウエブの通常走行時に、該ウエブの紙継部分が通
過するときには、増加するように制御されることを特徴
としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。まず、第1実施形態について
説明すると、図1は本発明の第1実施形態としてのスリ
ット装置(以下、スリッタとも言う)の要部構成を示す
模式図であり、(a)は圧縮空気の給排系統を付加して
示す断面図〔図5(a)のA−A矢視断面図に相当する
図〕、(b)は(a)のB矢視図(但し、軸受17及び
ブッシュ19は図示略)である。なお、図1において、
従来技術として説明した構成部と同一の構成部について
は、同一の符号を付し説明を一部省略する。
【0022】本実施形態としてのスリッタは、既に従来
技術として説明した図4に示すような印刷機に適用され
る。そこで、以下では、印刷機のスリッタ以外の部分に
ついては、図4を参照しながら説明する。本実施形態の
スリッタは、図4に示す従来のスリッタと同様に、折機
5のウエブ1の搬送方向上流側の冷却装置4内に配置さ
れ、ウエブ1の幅方向に沿って一セット又は複数セット
設けられており、回転式の断裁刃9及び回転式の受刃1
0をそなえて構成されている。
【0023】断裁刃9は、図1(b)に示すように、従
来のスリッタ〔図5(a),(b)の符号50参照〕と
同様に、ブラケット13aを介して径方向アクチュエー
タ12のピストンロッド12aに接続されている。断裁
刃9は、ガイド部材15,15に案内されつつ、径方向
アクチュエータ12に駆動されて、ブラケット13aと
一体に、径方向〔図1(b)中の左右方向〕に移動可能
に構成されている。そして、断裁刃9は、ウエブ断裁時
には、図1(a)に実線及び二点鎖線で示すように、径
方向移動により受刃10の環状凹部10aに入り込むよ
うに位置設定される。
【0024】また、図1(a),(b)に示すように、
断裁刃9の中心部には、断裁刃9のの両側から突出する
ように断裁刃軸(支持軸)16aが固設されている。こ
の断裁刃軸16aは、軸受17,17を介してハウジン
グ18a,18bに回転自在に且つ軸方向に拘束されて
支持されている。したがって、断裁刃9は、断裁刃軸1
6aを介して、ハウジング18a,18bにより回動可
能に両側で支承されている(両持ちで支持されてい
る)。これは、このように両持ちで支持する構造によれ
ば、従来のスリッタ〔図5(b)の符号50参照〕のよ
うに片持ちで支持する構造に比べて、断裁刃軸16aの
撓みを大幅に低減させることができるためである。
【0025】ここで、本実施形態により断裁刃軸16a
の撓みを低減させることができる理由について説明す
る。従来のスリッタ50のように軸を片持ちで支持した
場合にその自由端に軸直交方向への荷重Pが加わった時
に軸に発生する最大撓みδ1 は以下の式(1)のように
表せる。また、本実施形態のスリッタのように軸を両持
ちで支持した場合にその中央に軸直交方向への荷重Pが
加わった時に軸に発生する最大撓みδ2 は以下の式
(2)のように表せる。なお、式(1),(2)におい
て、Eは縦弾性係数、Iは断面二次モーメント、L1
2 は支持部から力Pの作用点までの距離、即ち、断裁
刃9を支持する軸受17から断裁刃9までの距離〔L1
は従来のスリッタ50(片持ち支持)の場合、L2 は本
実施形態のスリッタ(両持ち支持)の場合〕をそれぞれ
示す。
【0026】 δ1 =P×L1 3 /(3×E×I) ・・・(1) δ2 =P×L2 3 /(6×E×I) ・・・(2) したがって、従来のスリッタ50における軸受17から
断裁刃9までの距離L 1 と本実施形態のスリッタにおけ
る軸受17から断裁刃9までの距離L2 とが等しいとし
ても、本実施形態のように両持ち支持によるスリッタに
おける最大撓みδ2 は、従来のように片持ち支持による
スリッタ50における最大撓みδ1 の半分に低減できる
のである。
【0027】また、片持ち支持の場合、一つの支持部に
荷重Pが集中するので支持部の負担が大きいが、両持ち
支持の場合、各支持部に荷重Pが分散するので支持部の
負担が軽減され、このため、片持ち支持の場合よりも支
持部の構造を小さくしやすい。したがって、本実施形態
の両持ち支持によるスリッタにおける軸受17から断裁
刃9までの距離L2 は、従来の片持ち支持によるスリッ
タ50における軸受17から断裁刃9までの距離L1
りも短くでき、その短縮比(L2 /L1 )の3乗に比例
するように、本実施形態のスリッタの最大撓みδ2 を、
従来のものに比べて更に小さくすることができるのであ
る。
【0028】なお、本実施形態では、このように断裁刃
9を両持ち支持しても、断裁刃9の交換を容易に行なう
ことができるように、ブラケット13aの先端の断裁刃
軸16a装着部には、着脱自在のキャップ13bが設け
られている。ブラケット13aとキャップ13bとは、
断裁刃軸16aの軸心線に沿って分割可能な2つ割れの
軸受として構成され、キャップ13bは例えばボルト等
によりブラケット13aに装着されており、キャップ1
3bを外せば、断裁刃9を断裁刃軸16a等と一体に取
り出すことが容易にできるようになっている。
【0029】さて、断裁刃軸16aを支承するハウジン
グ18a,18bは、ブラケット13a及びキャップ1
3bの内周に、ブッシュ19を介して軸方向に移動可能
に支持されており、ブラケット13aに取り付けられた
軸方向アクチュエータ(アクチュエータ)14が、ハウ
ジング18a,18bと一体に、断裁刃9を、受刃10
の内側面10cに対して離接する方向に駆動するように
なっている。
【0030】そして、ブラケット13aには、図1
(a),(b)に示すように、ストッパ33が付設され
ており、断裁刃9が、軸方向アクチュエータ14により
駆動されて所定位置まで移動すると、断裁刃9と一体に
移動するハウジング18bが、このストッパ33に当接
するようになっている。これにより、断裁刃9が、受刃
10の内側面10c側に過剰に移動することが規制され
て、確実に所定位置に保持されるようになっている。こ
のストッパ33の規制する所定位置とは、例えば、断裁
刃9と受刃10の内側面10cとの間に隙間が殆ど無く
なるような位置であり、断裁刃9と受刃10の内側面1
0cとが接触せずに且つ可能な限り接近するような位置
が好ましい。
【0031】なお、軸方向アクチュエータ14は、従来
技術と同様に、ブラケット13aに断裁刃軸16aの軸
心線方向に向けて固設されたシリンダ14aと、このシ
リンダ14a内を移動可能なピストン14bと、ピスト
ン14bに固設されたピストンロッド14cとをそな
え、ハウジング18aがピストンロッド14cに結合さ
れており、ピストンロッド14cの進退に応じてハウジ
ング18a,18b及び軸受17と共に断裁刃9及び断
裁刃軸16aが軸方向へ移動するようになっている。ま
た、シリンダ14a内は、ピストン14bにより2つの
チャンバ14d,14eに分割され、チャンバ14d内
には空気配管27等を通じて圧縮空気が給排され、チャ
ンバ14d内にはこの圧縮空気に対抗するリターンスプ
リング14fが介装されている。
【0032】そして、ウエブ1を断裁する時には、空気
配管27に介装された着脱用電磁弁22への制御信号を
オンとして、軸方向アクチュエータ14に圧縮空気を供
給し、図1(a)に実線で示すように、ハウジング18
bがストッパ33に当接するまで、断裁刃9を受刃10
の内側面10c側に前進させ、一方、ウエブ1を断裁し
ない時には、着脱用電磁弁22への制御信号をオフとし
て、軸方向アクチュエータ14に介装されたリターンス
プリング14fの作用により、図1(a)に二点鎖線で
示すように断裁刃9を後退させる(内側面10cから離
隔させる)ようになっている。
【0033】なお、断裁時に、ウエブ1には瞬間的に張
力変動が生じ、特に、ウエブ1の厚みが仕様最大厚の場
合、張力変動が大きいが、このように張力変動が大きい
場合であっても、断裁刃9の位置が変動することのない
ように、軸方向アクチュエータ14に供給される圧縮空
気は、十分な圧力に設定されている。また、断裁刃9
は、受刃10及びウエブ1の動きに応じてウエブ走行方
向に沿って従動回転しながらウエブ1の断裁を行なうよ
うになっている。もちろん、駆動装置によりウエブ1の
走行に合わせて断裁刃9を回転駆動するように構成して
もよい。
【0034】なお、受刃10は、図5(a)に示す従来
技術と同様に、ブラケット24の先端に取り付けられて
おり、ギヤ25a,25b等からなる駆動力伝達機構を
介して、駆動軸25に入力される駆動力により、ウエブ
1の走行方向と同方向に回転駆動されるようになってい
る。本発明の第1実施形態としてのスリット装置は、上
述のように構成されているので、断裁刃9は、断裁時に
は、軸方向アクチュエータ14により、ストッパ33に
規制された所定位置に保持されて、安定した状態で、断
裁刃9と受刃10との間を走行するウエブ1を、走行方
向に沿って断裁する。このとき、断裁刃9は、ストッパ
33により所定位置に保持され、受刃10の内側面10
c側の移動を規制されるので、受刃10(内側面10
c)との接触が防止される。さらに、断裁刃9は両持ち
で支持されているので、従来のスリッタ〔図5(b)参
照〕のような片持ちで支持するのに較べ、断裁刃軸16
aの撓みが減少する。これにより、断裁刃軸16aが撓
んで、断裁刃9が、受刃10の周面10dに接触するこ
とが減少し、しかも、断裁刃9は、受刃10に対して常
に適切な位置に保持される。
【0035】したがって、本実施形態のスリット装置に
よれば、断裁時の断裁刃9と受刃10との接触が減少
し、これにより、断裁刃9及び受刃10の互いの削りあ
いによる摩耗が低減するので、カッティングポイント1
1の変動による断裁性能の劣化が抑制されて、ウエブ
(印刷物)1の断裁品質を向上させることができるとい
う利点がある。また、断裁刃軸16aの撓みの抑制によ
り、断裁刃9が、受刃10に対して適切な位置を保持す
るため、この点からも断裁品質を向上させることができ
る。
【0036】さらに、断裁刃9の断裁性能を維持するた
めには、カッティングポイント11をウエブ走行経路上
に位置させるための調整が、断裁刃9の摩耗に応じて必
要となるが、断裁性能を良好に保持しやすいので、この
ような調整作業の頻度を減少させることができ、そのた
めのメンテナンスによる負担を軽減できる利点もある。
また、断裁刃9及び受刃10の寿命も延びるため、交換
作業の頻度が減少するという利点もある。もちろん、断
裁刃9の損耗費を削減できるという利点もある。
【0037】次に、第2実施形態について説明すると、
図2及び図3は本発明の第2実施形態としてのスリット
装置を示す図であり、図2はその要部構成を圧縮空気の
給排系統を付加して示す模式図〔図1(a)に対応する
図〕、図3はその変形例の要部構成を圧縮空気の給排系
統を付加して示す模式図〔図1(a)に対応する図〕で
ある。なお、従来技術又は第1実施形態で説明した構成
部と同一の構成部については、同一の符号を付し説明を
一部省略する。
【0038】本実施形態としてのスリッタは、従来技術
及び第1実施形態のスリッタと同様に図4に示すような
印刷機に適用され、折機5のウエブ1の搬送方向上流側
に設けられ、又、ウエブ1の走行経路の幅方向に沿って
一セット又は複数セット設けられている。第1実施形態
のスリッタでは、図1(a),(b)に示すように、ス
トッパ33を設けて、このストッパ33により、断裁刃
9と受刃10の内側面10cとの接触を防止して、断裁
刃9の摩耗を抑制するようにしていたのに対し、本第2
実施形態のスリッタでは、軸方向アクチュエータ14に
より断裁刃9を受刃10の内側面10cに押圧する押圧
力を、運転状態に応じて調整する(可変に設定する)こ
とにより、断裁刃9の摩耗を抑制するようになってい
る。
【0039】つまり、本実施形態のスリッタは、図2に
示すように、ウエブ1を断裁する断裁刃9と、受刃10
とをそなえて構成され、受刃10は、従来のスリッタ
(図5の符号50参照)と同様に、ブラケット24の先
端に取り付けられ、又、駆動軸25に入力される駆動力
によりウエブ1の走行方向と同方向に回転駆動されるよ
うになっている。
【0040】断裁刃9は、従来のスリッタ(図5の符号
50参照)及び第1実施形態〔図1(a),(b)参
照〕と同様に、径方向アクチュエータ12に駆動されて
径方向に沿って移動可能に構成されており、ウエブ断裁
時には、図2に示すように、径方向で受刃10の環状凹
部10aに入り込むように位置設定される。また、第1
実施形態と同様に、断裁刃9は、断裁刃軸16aを介し
て、ハウジング18a,18bにより両持ちで支持さ
れ、ハウジング18a,18bは、ブラケット13a,
13b内に摺動可能に介装されている〔図1(a)参
照〕。また、ハウジング18aは、軸方向アクチュエー
タ14のピストンロッド14cに結合されており、断裁
刃9は、軸方向アクチュエータ14のピストンロッド1
4cの進退に応じて駆動され、ハウジング18a,18
b等と一体に軸方向に移動するようになっている。そし
て、断裁刃9は、ウエブ断裁時には、図2に示すように
受刃10の内側面10cに当接するまで移動するように
なっている。
【0041】ところで、軸方向アクチュエータ14で
は、従来技術と同様に、チャンバ14d内に圧縮空気が
供給されていないときには、チャンバ14e内のリター
ンスプリング14fにより、ピストン14bがチャンバ
14d側に付勢されて、断裁刃9は、受刃10の内側面
10cから離隔した位置とされ、チャンバ14dに圧縮
空気が供給されると、ピストン14bがチャンバ14e
側に付勢されて、断裁刃9は、上述したように、受刃1
0の内側面10cと接する位置まで移動するようになっ
ている。
【0042】そして、本実施形態としてのスリッタは、
軸方向アクチュエータ14のチャンバ14dに、エア圧
の異なる2系統の圧縮空気のいずれかを供給できるよう
に構成されている。このような圧縮空気の切り換えは、
印刷機の運転状況に応じて行なわれるようになってい
る。つまり、ウエブ1の緩動時や加減速時や、ウエブ1
が一定速度で走行する通常運転時においてもウエブ1の
紙継部が通過する時等のように、ウエブ1に大きな張力
変動が生じたり、ウエブ1の厚みに変化が生じるような
場合には、軸方向アクチュエータ14には、2系統の圧
縮空気のうち、高圧側の圧縮空気が供給され、これによ
り、断裁刃9は、比較的強い圧力で受刃10の内側面1
0cに押圧された安定した状態でウエブ1を断裁できる
ようになっている。一方、通常運転時には、ウエブ1の
張力変動は比較的小さいので、ウエブ1を円滑に断裁す
るのに必要な押圧力は、ウエブ1の緩動時等よりも低い
圧力でよい。このため、軸方向アクチュエータ14に
は、低圧側の圧縮空気が供給されるようになっている。
【0043】つまり、軸方向アクチュエータ14のチャ
ンバ14dには、図示しない圧縮空気供給源から空気配
管40,27a,28,27を介して圧縮空気が供給さ
れるようになっている。そして、空気配管27には、軸
方向アクチュエータ14に圧縮空気を供給するか否かを
制御する着脱用電磁弁22aが介装され、空気配管27
と、空気配管27a及び空気配管28との間には、供給
圧力切換用の切換用電磁弁23が介装されている。さら
に、空気配管27aには第1減圧弁26aが介装され、
空気配管28には第2減圧弁26bが介装されており、
圧縮空気は第1減圧弁26aにより高圧な圧力PAに圧
力調整され、第2減圧弁26bにより低圧な圧力PBに
圧力調整されるようになっている。
【0044】そして、圧縮空気の切り換えは、この切換
用電磁弁23の状態を制御装置34により制御すること
で行なわれる。制御装置34には、例えば、印刷機全体
を制御する制御装置から、運転信号,ウエブ緩動信号,
ウエブ加速信号,ウエブ減速信号及び紙継信号などが入
力されるようになっており、制御装置34は、これらの
信号に基づいて、印刷機の運転状態(ウエブ1の走行状
態)を判定し、これに応じて、切換用電磁弁23の作動
を制御するように構成されている。
【0045】つまり、ウエブ1が通常走行中の時には、
制御装置34から切換用電磁弁23のS2側へ制御信号
が出力されて、空気配管28から低圧(圧力PB)側の
圧縮空気が空気配管27を介して軸方向アクチュエータ
14に供給され、一方、ウエブ1の緩動時や加減速時
や、或いはウエブ1が通常走行中であってもウエブ1の
紙継部が通過する時には、切換用電磁弁23のS1側へ
制御信号が出力されて、空気配管27aから高圧(圧力
PA)の圧縮空気が軸方向アクチュエータ14に供給さ
れるようになっているのである。
【0046】なお、ウエブ1の紙継部が通過する時に
は、ウエブ1の紙継部が、スリッタの断裁位置を通過す
るタイミングをはかって、軸方向アクチュエータ14へ
の圧縮空気の供給が高圧側に切り換えられるようになっ
ている。このようなタイミングは、例えば、印刷機全体
の制御装置により、ウエブ1を送り出すローラの回転速
度信号と、新品の巻取紙1個あたりのウエブ巻回量から
演算される。
【0047】また、ウエブ断裁時には、制御装置34か
ら、着脱用電磁弁22aのS4側へ制御信号が出力さ
れ、切換用電磁弁23から流れてくる圧縮空気が、軸方
向アクチュエータ14に供給される。一方、ウエブ1が
走行していない時には、着脱用電磁弁22aのS3側へ
制御信号が出力され、これにより、軸方向アクチュエー
タ14と空気配管27とが遮断されるとともに軸方向ア
クチュエータ14と外部とが連通状態となってチャンバ
14d内の圧力が開放される。このため、断裁刃9が、
チャンバ14e内のリターンスプリング14fに付勢さ
れて、受刃9から離隔するようになっている。
【0048】本発明の第2実施形態としてのスリット装
置は、上述のように構成されているので、断裁刃9は、
軸方向アクチュエータ14により、受刃10の内側面1
0cに所定の押圧力で押圧されながら、ウエブ1を走行
方向に沿って断裁する。このとき、かかる押圧力は、切
換用電磁弁23の作動を制御して軸方向アクチュエータ
14に供給する圧縮空気の供給系統を切り換えることに
より、印刷機が通常運転中の場合には低圧側に、一方、
ウエブ1の緩動時や、加減速時や、印刷機が通常運転中
であってもウエブ1の紙継部が通過する時には高圧側に
切り換えられる。したがって、断裁刃9は、印刷機の運
転状況に応じて適切な押圧力で受刃10の内側面10c
に押圧されて安定した状態でウエブ1を断裁することが
できる。また、運転時間の最も長い通常運転中について
は、押圧力は低圧側に設定されるので、過剰な押圧力に
よる断裁刃9の摩耗が防止されて、第1実施形態のスリ
ット装置と同様の効果を得ることができるという利点が
ある。
【0049】なお、断裁刃9を、受刃10の内側面10
cに対して離接する方向に駆動するアクチュエータは、
断裁刃9を受刃10に押圧する押圧力を可変に設定でき
るものであればよく、例えば、図3に示すように構成し
てもよい。この場合、図3に示すように、軸方向アクチ
ュエータ44のシリンダ44a内では、ピストン44b
で仕切られる2つのチャンバ44d,44eはいずれも
空気室として構成され、各チャンバ44d,44eに
は、空気配管27,37がそれぞれ接続され、空気配管
27からチャンバ44dに圧縮空気を供給し、その内部
の空気圧を、チャンバ44e内の空気圧よりも大きくす
ることにより、ピストン44b及びピストンロッド44
c等を介して、断裁刃9が、受刃10の内側面10c側
に駆動され(受刃10に押し付けられ)、一方、空気配
管37からチャンバ44eに圧縮空気を供給し、その内
部の空気圧を、チャンバ44d内の空気圧よりも大きく
することにより、断裁刃9が、受刃10の内側面10c
から離隔する側に駆動される(押し戻される)ようにな
っている。
【0050】さらに、図3に示すように、空気配管27
には、切換用電磁弁23が介装されており、この切換用
電磁弁23の作動を制御装置34aで制御することによ
り、減圧弁26cで圧力調整された空気配管29からの
高圧(エア圧PC)側の圧縮空気と、減圧弁26dで圧
力調整された空気配管30からの低圧(エア圧PD)側
の圧縮空気とを切り換えて軸方向アクチュエータ44に
供給するようになっている。同様に、空気配管37に
は、切換用電磁弁23が介装され、減圧弁26eで圧力
調整された空気配管31からの低圧(エア圧PE)側の
圧縮空気と、減圧弁26fで圧力調整された空気配管3
2からの高圧(エア圧PF)側の圧縮空気とを切り換え
て軸方向アクチュエータ44に供給するようになってい
る。
【0051】そして、ウエブ1の緩動時や加減速時やウ
エブ1の紙継部が通過する時のように、ウエブ1の張力
変動が大きいときには、断裁刃9を受刃10に押し付け
る力として、空気配管29から高圧(エア圧PC)側の
圧縮空気を供給し、断裁刃9を受刃10から押し戻す力
として、空気配管31から低圧(エア圧PE)側の圧縮
空気を供給し、これにより、エア圧PCとエア圧PEと
の大きな差圧P1(P1=PC−PE)で断裁刃9を受
刃10に押圧するようになっている。また、通常運転時
には、空気配管30から低圧(エア圧PD)側の圧縮空
気を供給し、空気配管31から低圧(エア圧PE)側の
圧縮空気を供給し、これにより、ウエブ1の緩動時等よ
りも低い差圧P2(P2=PD−PE)で断裁刃9を受
刃10に押圧するようになっている。また、印刷機の停
止時に断裁刃9を受刃10から離隔させるようなときに
は、空気配管30から低圧(エア圧PD)側の圧縮空気
を供給し、空気配管32から高圧(エア圧PF)側の圧
縮空気を供給し、これにより、エア圧PDとエア圧PF
との差圧P3(P3=PD−PF)を負(ピストン44
bの後退側)として断裁刃9を押し戻すようになってい
る。
【0052】例えば、PCを5kg/cm2,PDを3
kg/cm2,PEを1kg/cm2,PFを5kg/c
2に設定した場合には、断裁刃9は、ウエブ1の緩動
時等には、4kg/cm2 (=PC−PE)で押圧さ
れ、通常運転時には、2kg/cm2 (=PD−PE)
で押圧され、また、断裁刃9を受刃10から離隔させる
ときには、2kg/cm2 (=PF−PD)の圧力で押
し戻される。このような各空気配管29〜32を流れる
圧縮空気のエア圧は、各空気配管29〜32に介装され
た減圧弁26c〜26fによって、適宜に調節できるよ
うになっている。
【0053】なお、図2及び図3に示す構成では、軸方
向アクチュエータ14,44に圧縮空気を供給する空気
配管27,37に切換用電磁弁23を介装することによ
り、軸方向アクチュエータ14,44に異なるエア圧の
圧縮空気を切り換えて供給するように構成されている
が、空気配管27,37に圧力調整弁を設けて、この圧
力調整弁により、適宜に圧縮空気の圧力を調整するよう
に構成してもよい。
【0054】さらに、本発明は、上述の各実施形態のよ
うに印刷機に適用できるだけでなく、ウエブをスリット
装置により断裁する方式の各種装置に広く適用しうるも
のである。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のスリット装置によれば、ウエブ断裁時には、断裁
刃は、アクチュエータにより、受刃の内側面側に前進駆
動されて、ストッパに規制された所定位置に維持され、
安定した状態でウエブを断裁するので断裁性能が向上す
る。また、このとき、ストッパにより、断裁刃が受刃に
接触しないように位置規制することにより、断裁刃の摩
耗が低減され、この摩耗によるカッティングポイントの
変動が抑制される。したがって、断裁刃の断裁性能の劣
化を抑制することができ、ウエブの断裁品質を向上させ
ることができるという利点がある。
【0056】さらに、摩耗によりカッティングポイント
が変動してしまうと、断裁刃の断裁性能を再生するため
にカッティングポイントをウエブ走行経路上に戻す調整
が必要となるが、断裁刃の摩耗を抑制できるため、この
ような調整作業の頻度を減少させることができ、、装置
のメンテナンス負担を軽減できるという利点もある。ま
た、断裁刃の交換作業の頻度が減少するため、この点で
もメンテナンスが容易になり、さらに、断裁刃の損耗費
を削減できるという利点もある。
【0057】請求項2記載の本発明のスリット装置によ
れば、断裁刃の支持軸が、断裁刃の両側で支承されるの
で、従来のスリット装置のように片側で支承するのに較
べ、支持軸の撓みが減少する。これにより、断裁刃軸が
撓んで受刃に接触してしまうことが減少するので、断裁
刃の摩耗が抑制されて、請求項1記載のスリット装置と
同様の効果をさらに効果的に得ることができるという利
点がある。また、断裁刃軸が撓むと断裁刃の受刃に対す
る位置が不適切になってしまうが、これも防止され、断
裁性能を良好に保つことができる利点もある。
【0058】請求項3記載の本発明のスリット装置によ
れば、断裁刃は、ウエブを断裁する際に、アクチュエー
タにより受刃の内側面に向けて押圧力を加えられるが、
このとき、かかる押圧力は可変なので、断裁刃を、ウエ
ブの走行状態に応じて適切な押圧力で受刃の内側面に押
圧しながら、安定した状態でウエブを断裁することがで
きるとともに、過剰な押圧力で受刃の内側面に押圧され
ることが防止されるので、断裁刃の摩耗が抑制されて、
請求項1記載のスリット装置と同様の効果をより確実に
得ることができるという利点がある。
【0059】請求項4記載の本発明のスリット装置によ
れば、アクチュエータにより断裁刃を受刃の内側面に押
圧する押圧力が、ウエブの緩動時又は加減速時よりも、
ウエブの通常走行時に低くなるように制御されるので、
ウエブの通常走行時において、断裁刃が、過剰な押圧力
で受刃の内側面に押圧されることが防止され、断裁刃の
摩耗が抑制されて、請求項1及び請求項3記載のスリッ
ト装置と同様の効果をより確実に得ることができるとい
う利点がある。
【0060】請求項5記載の本発明のスリット装置によ
れば、ウエブの通常走行時にウエブの紙継部分が通過す
るときには、断裁刃を受刃の内側面に押圧する押圧力が
増加するように制御されるので、紙継部分ではウエブの
厚みが変化して断裁刃の負荷が増加するが、この時にも
断裁刃は安定した状態でウエブを断裁することができ、
これにより、ウエブの断裁品質を向上させることができ
るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのスリット装置の
要部構成を示す模式図であり、(a)は圧縮空気の給排
系統を付加して示す断面図〔図5(a)のA−A矢視断
面図に相当する図〕、(b)は(a)のB矢視図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態としてのスリット装置の
要部構成を圧縮空気の給排系統を付加して示す模式図
〔図1(a)に対応する図〕である。
【図3】本発明の第2実施形態としてのスリット装置の
変形例の要部構成を圧縮空気の給排系統を付加して示す
模式図〔図1(a)に対応する図〕である。
【図4】従来のスリット装置をそなえた印刷機の全体構
成を示す模式的な側面図である。
【図5】従来のスリット装置の構成を示す模式図であ
り、(a)はその全体構成を示す側面図、(b)は圧縮
空気の給排系統を付加して示す(a)のA−A矢視断面
図である。
【図6】従来のスリット装置における断裁刃の位置設定
手順を説明するための図であり、(a)〜(c)はそれ
ぞれウエブ走行方向から見た断裁刃の位置を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,1a〜1n ウエブ 2 印刷装置 3 乾燥装置 4 冷却装置 5 折機 9 断裁刃 10 受刃 10a 受刃の環状凹部 10b 受刃の外周面 10c 受刃の内側面 10d 受刃の周面 11 カッティングポイント 12 径方向アクチュエータ 12a,14c,44c ピストンロッド 13a,20,24 ブラケット 13b キャップ 14,44 軸方向アクチュエータ(アクチュエータ) 14a,44a シリンダ 14b,44b ピストン 14d,14e,44d,44e チャンバ 14f リターンスプリング 15 ガイド部材 16a 断裁刃軸(支持軸) 17 軸受 18,18a,18b ハウジング 19 ブッシュ 21a,21b 支持梁 22,22a 着脱用電磁弁 23 切換用電磁弁 25 駆動軸 25a,25b ギヤ 26,26a〜26f 減圧弁 27〜32,27a,37,40 空気配管 33 ストッパ 34,34a 制御装置 L2 軸受から断裁刃までの距離 PA〜PB 圧縮空気の圧力

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブの走行経路上に設けられて走行中
    の該ウエブを走行方向に沿って断裁するスリット装置に
    おいて、 該ウエブを断裁する回転式の断裁刃と、 該断裁刃に対向して該ウエブの反対側に配設される回転
    式の受刃と、 該断裁刃を該受刃の内側面に対して離接する方向に駆動
    するアクチュエータと、 該断裁刃が該受刃の該内側面に近接する限度を設定する
    ためのストッパとをそなえて構成されていることを特徴
    とする、スリット装置。
  2. 【請求項2】 該断裁刃の支持軸が、該断裁刃の両側で
    支承されるように構成されていることを特徴とする、請
    求項1記載のスリット装置。
  3. 【請求項3】 ウエブの走行経路上に設けられて走行中
    の該ウエブを走行方向に沿って断裁するスリット装置に
    おいて、 該ウエブを断裁する回転式の断裁刃と、 該断裁刃に対向して該ウエブの反対側に配設される回転
    式の受刃と、 該断裁刃を該受刃の内側面に対して離接する方向に駆動
    するアクチュエータとをそなえ、 該アクチュエータにより該断裁刃を該受刃の該内側面に
    押圧する押圧力を可変に設定できるようにしたことを特
    徴とする、スリット装置。
  4. 【請求項4】 該アクチュエータにより該断裁刃を該受
    刃の該内側面に押圧する該押圧力が、該ウエブの緩動時
    又は加減速時よりも、該ウエブの通常走行時に低くなる
    ように制御されることを特徴とする、請求項3記載のス
    リット装置。
  5. 【請求項5】 該アクチュエータにより該断裁刃を該受
    刃の該内側面に押圧する該押圧力が、該ウエブの通常走
    行時に、該ウエブの紙継部分が通過するときには、増加
    するように制御されることを特徴とする、請求項3記載
    のスリット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2479309A1 (en) 2004-03-25 2012-07-25 Topy Kogyo Kabushiki Kaisha Metallic glass laminates, production methods and applications thereof

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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