JP2001009642A - 放電加工機及び放電加工機のジャンプ制御方法 - Google Patents

放電加工機及び放電加工機のジャンプ制御方法

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JP2001009642A
JP2001009642A JP11188785A JP18878599A JP2001009642A JP 2001009642 A JP2001009642 A JP 2001009642A JP 11188785 A JP11188785 A JP 11188785A JP 18878599 A JP18878599 A JP 18878599A JP 2001009642 A JP2001009642 A JP 2001009642A
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極とワークとの極間から加工屑を確実かつ
迅速に排除して、ワークの加工時間を短縮する。 【解決手段】 リブ加工用電極19とワークWとの極間
にパルス電圧を印加してワークWを放電加工すると共
に、ジャンプ要求に応じてリブ加工用電極19にジャン
プ動作を行わせる放電加工機において、ジャンプ動作制
御手段である放電加工制御装置31でリブ加工用電極1
9のジャンプ動作を上昇、下降の送り速度が20m/m
in以上で、送りの加減速加速度が1.0G以上で行う
よう制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電加工機及びその
ジャンプ制御方法に関し、特に加工効率を最大にする電
極のジャンプ周期及びジャンプ距離を自動的に決定する
放電加工機及びそのジャンプ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工機は、連続的に放電加工を行う
と加工間隙に加工屑(スラッジ)が溜まり加工不良が発
生する。この加工不良を防止するため、従来技術による
放電加工機は、加工液供給ノズルを設け該ノズルから加
工間隙に向けて加工液を噴出して加工屑を除去しながら
放電加工を行ったり、或いは、所定のジャンプ周期にて
放電加工を中断して電極を所定のジャンプ距離を以てワ
ークから短時間離反させ(ジャンプさせ)、その後電極
を再びワークに接近させ放電加工を再開する所謂ジャン
プ制御を行っている。このジャンプ動作中に加工間隙に
生じる加工液の流動動作によるポンピング作用により加
工屑を加工間隙から排出し、異常放電による電極やワー
クの損傷を防止するのである。従来技術では、放電加工
機のジャンプ制御における、ジャンプ周期とジャンプ距
離は、オペレータの経験に基づき設定されている。
【0003】特開平6−126534公報に開示された
放電加工装置は、ジャンプ周期毎の総電流を求め、これ
を基準にして加工状態の変化に応じた最適加工電流を供
給するよう制御すると共に、加工屑の発生量の変化に応
じてジャンプ動作としてのジャンプ所要時間またはジャ
ンプ距離のうち少なくとも一方を自動的に設定すること
により、加工の安定化、加工速度及び加工精度の向上を
図るものである。
【0004】特開平2−303720公報に開示の放電
加工機のジャンプ制御方法は、放電状態に応じてジャン
プ周期とジャンプ距離とをファジィ制御により自動的に
設定して加工速度と加工精度の向上を図るものである。
【0005】特開平10−309630公報に開示の放
電加工制御方法は、加工位置における電極の加工面積と
加工深さのデータから、ジャンプ距離とジャンプ速度を
ファジィ推論により自動設定しジャンプ動作を開始する
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、放電加工
機のジャンプ制御の従来技術として様々な技術開示がな
されているが、未だ適切な制御がなされるものが存しな
いため、実際には、オペレータが放電状態を監視しなが
ら手操作にて調整しているのが現状である。特に、リブ
加工のようなテーパ形状の深穴を形成する放電加工にお
いては、図16に示すように、電極Eの下方部位の側面
にタール状の加工屑Ct が付着し、このタール状の加工
屑Ct を介して2次放電が発生し、ワークWに加工され
た深穴の奥側、つまり、下方部位が目標とする加工面よ
りも過剰に加工され損傷を受けることがある。こうした
異常放電による加工面の損傷は、仕上加工を行っても損
傷を受けた粗加工面を仕上げきれず加工精度が低下す
る。従来技術はタール状の加工屑の付着を防止すること
には寄与しないため、加工精度の向上を図ることができ
ない。
【0007】また、加工効率向上の観点から、加工スト
ローク及び加工面積が大きい放電加工と細かい放電加工
とを同一の放電加工機により実施できるようにすること
が望まれている。一般的には加工形状によって電極を適
宜交換して使用するが、機械の大きさや仕様によって好
ましい加工エリアが異なる。一方、例えばリブ加工等の
細かい放電加工を行う場合には、放電加工中のジャンプ
動作の送り速度が加工精度や加工速度を左右するので、
大形の放電加工機で細かい放電加工を行おうとすると、
主軸頭の慣性のためにジャンプ動作の送り速度を上げら
れず、従って、小形の主軸頭に比較して加工性能が悪く
なる。
【0008】従って本発明は、電極とワークとの加工間
隙から加工屑を確実かつ迅速に排除して、ワークの加工
時間を短縮するジャンプ制御を行うことができる放電加
工機及びその放電加工機のジャンプ制御方法を提供する
ことを課題とする。本発明は、更に、大形の主軸頭で小
形電極を使用する際に生じる問題を解消し、放電加工機
の加工性能の向上を図ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、主軸頭に取り付けられた電極とワークとの極間にパ
ルス電圧を印加して前記ワークを放電加工すると共に、
ジャンプ要求に応じて前記電極にジャンプ動作を行わせ
る放電加工機において、前記電極のジャンプ動作を上
昇、下降の送り速度が20m/min以上で、送りの加
減速加速度が1.0G以上で行うよう制御するジャンプ
動作制御手段を具備することを特徴とした放電加工機を
要旨とする。
【0010】請求項2に記載の本発明は、主軸頭に取り
付けられた電極とワークとの極間にパルス電圧を印加し
て前記ワークを放電加工すると共に、ジャンプ要求に応
じて前記電極にジャンプ動作を行わせる放電加工機にお
いて、前記主軸頭に、前記主軸頭の軸線方向と平行な方
向へ送り移動し、該送り移動が前記主軸頭と独立して制
御可能な副主軸と、前記副主軸に取り付けられた電極の
ジャンプ動作を上昇、下降の送り速度が20m/min
以上で、送りの加減速加速度が1.0G以上で行うよう
制御するジャンプ動作制御手段とを具備することを特徴
とした放電加工機を要旨とする。
【0011】好ましくは、前記副主軸は前記主軸頭の内
部または側面に送り移動可能に設けられる。また、前記
主軸頭または副主軸の送り駆動手段はリニアモータで構
成することができる。更に好ましくは、前記ジャンプ動
作制御手段は、前記電極のジャンプ動作の毎回の上昇を
ワーク表面の加工開始点以上の位置まで行うよう制御す
る。
【0012】請求項6に記載の本発明は、前記ジャンプ
動作制御手段は、前記電極が放電加工中かジャンプ動作
中かを判別する極間状態検出手段と、前記極間状態検出
手段で前記電極が放電加工中と判別されたとき、前記極
間に印加されるパルス電圧の有効放電パルス数を計数
し、所定のサンプリング周期ごとに読み取る有効放電カ
ウンタと、ジャンプ周期における放電加工開始からその
サンプリング時刻までに計数された前記有効放電パルス
数を累積し、前記累積した有効放電パルス数とジャンプ
周期におけるジャンプ所要時間と放電加工開始からその
サンプリング時刻までの放電加工時間とから加工効率を
演算する加工効率演算手段と、前記加工効率演算手段で
演算した加工効率と前回の加工効率との比較結果に応じ
て前記ジャンプ要求を指令する時期を設定するジャンプ
時期設定手段と、を備えて構成される請求項1から5の
何れか1項に記載の放電加工機を要旨とする。
【0013】好ましくは、前記ジャンプ動作制御手段
は、前記電極が予め設定された第1ジャンプ距離でジャ
ンプ動作を実行したときの第1ジャンプ周期における第
1最大加工効率を演算し、前記電極が前記第1ジャンプ
距離に所定長さを加減した第2ジャンプ距離でジャンプ
動作を実行したときの第2ジャンプ周期における第2最
大加工効率を演算し、前記第1最大加工効率と前記第2
最大加工効率との比較結果に応じて前記電極のジャンプ
距離を設定するジャンプ距離設定手段を更に備えて構成
される。
【0014】請求項8に記載の本発明は、電極とワーク
との極間にパルス電圧を印加して前記ワークを放電加工
すると共に、ジャンプ要求に応じて前記電極にジャンプ
動作を行わせる放電加工機のジャンプ制御方法におい
て、前記電極のジャンプ動作を上昇、下降の送り速度が
20m/min以上で、送りの加減速加速度が1.0G
以上で行うことを特徴とした放電加工機のジャンプ制御
方法を要旨とする。
【0015】好ましくは、前記電極のジャンプ動作の毎
回の上昇をワーク表面の加工開始点以上の位置まで行う
ようにする。また、前記電極が放電加工中かジャンプ制
御中かを判別し、前記電極が放電加工中と判別されたと
き、前記極間に印加されるパルス電圧の有効放電パルス
数を累積し、前記累積した有効放電パルス数とジャンプ
周期におけるジャンプ所要時間と放電加工開始からその
サンプリング時刻までの放電加工時間とから加工効率を
演算し、前記演算した加工効率と前回の加工効率との比
較結果に応じて前記ジャンプ要求を指令する時期を設定
することができる。
【0016】更に、前記電極が予め設定された第1ジャ
ンプ距離でジャンプ動作を実行したときの第1ジャンプ
周期における第1最大加工効率を演算し、前記電極が前
記第1ジャンプ距離に所定長さを加減した第2ジャンプ
距離でジャンプ動作を実行したときの第2ジャンプ周期
における第2最大加工効率を演算し、前記第1最大加工
効率と前記第2最大加工効率との比較結果に応じて前記
電極のジャンプ距離を設定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の実施の形態について説明する。図1は、本発明によ
る放電加工機の一実施形態を示す概略ブロック構成図で
ある。
【0018】本実施形態において、ジャンプ動作制御手
段としての放電加工制御装置31は、加工条件設定部3
3、表示装置35、入力装置37、軸送り制御部39、
ジャンプパラメータ演算部41、サーボ信号演算部4
3、パルス演算部45、ジャンプ時期決定部47、加工
電源制御部49、極間状態検出部53、加工効率演算部
57及びこれらのブロックを制御するためのマイクロコ
ンピュータを備えた公知の制御部(図示せず)を主要構
成要素として含んでいる。
【0019】図1に一例として示す放電加工機11は、
ワークWに対してX、Y、Zの直交3軸方向に相対移動
可能に設けられた主軸13、該主軸13の先端に絶縁プ
レート15、電極クランプ17を介して取り付けられた
リブ加工用電極19とを具備している。放電加工機11
は主軸13をX、Y、Z軸方向に移動可能とするため
に、各々の軸方向に主軸13を駆動するサーボモータ及
びその駆動装置を具備しているが、特に、図1には主軸
13をZ軸方向へ送るための駆動装置としてリニアモー
タ23と、該リニアモータ23のためのモータ駆動装置
51と、主軸13のZ軸方向の位置を検出するためのス
ケール25が図示されており、後述するように、非放電
加工中における電極19のZ軸方向の位置決めと放電加
工中における極間距離(ギャップ)の制御とが行われ
る。
【0020】ワークWは、電極19に対面するように加
工槽21に貯留された加工液内に浸漬、固定されてい
る。電極19とワークWとの極間には加工電源装置55
からパルス電圧が印加され、これにより発生する放電に
よりワークWが加工される。加工電源装置55は、放電
加工中に使用されるメイン電圧を供給する主電源と、極
間における放電を点弧させるために使用されるサーチ電
圧を供給するサーチ電源とを有し、加工条件設定部33
にて設定された極間への印加電圧、τON(放電時間)、
τOFF (休止時間)等の加工電源用パラメータを加工電
源制御部49を介して受け、これらに従って電極19と
ワークWとの極間にパルス電圧を供給する。
【0021】加工条件設定部33には入力装置37が接
続されており、該入力装置37から入力されるNCプロ
グラムや各種パラメータに基づき、ワークWを加工する
ために必要な加工電源パラメータ、各サーボモータへの
制御パラメータ及び目標基準値を設定する。入力装置3
7は、加工条件設定部33に種々のデータを入力するた
めの手段であり、不図示のキーボード、フロッピーディ
スクドライブまたは光磁気ディスクドライブ等の読取装
置、またはLAN経由にて加工条件設定部33に接続さ
れたCAD、CAM装置等から構成することができる。
表示装置35は、入力装置37から入力される各種パラ
メータ、電極19の現在のX、Y、Z座標値等を表示す
る液晶表示装置やCRT等から構成することができる。
【0022】極間状態検出部53は、加工電源装置55
に対して並列的に電極19及びワークWの極間に接続さ
れている。極間状態検出部53は、極間に印加されたパ
ルス電圧を検出する。すなわち、放電加工制御装置31
は、極間状態検出部53が検出する極間電圧から、電極
19とワークWとの極間の現在の状態が、(1) 加工電源
装置55から極間にサーチ電圧を印加した後で未だ放電
を開始していない状態か、(2) 短絡状態か、(3) 極間に
メイン電圧を印加した後の有効放電状態か、或いは(4)
異常放電状態か等を検出することが可能となっている。
【0023】サーボ信号演算部43は、極間状態検出部
53から受けた検出量と加工条件設定部33からの目標
基準値との差分からサーボ信号を軸送り制御部39に出
力する。軸送り制御部39は、加工条件設定部33から
送られた制御パラメータとサーボ信号演算部43から送
られたサーボ信号とに基づいて主軸13の前進、後退量
をモータ駆動装置51に出力する。
【0024】パルス演算部45は、極間状態検出部53
から出力される有効放電パルスを所定のサンプリング周
期、例えば10ms毎に計数すると共に、これを所定の
周期、例えば10ms毎にその間の5回分の有効放電パ
ルス数を平均化した平均有効放電パルス数を演算する。
また、パルス演算部45は、1回のジャンプ周期を1フ
レームとして、複数のフレーム間で平均有効放電パルス
数を更に平均化してフレーム平均有効放電パルス数を演
算し、加工効率演算部57へ出力する。パルス演算部4
5は、更に、極間状態検出部53から極間の異常状態を
示す異常放電パルス信号を受け、これを計数する。
【0025】加工効率演算部57は、パルス演算部45
から平均有効放電パルス数とフレーム平均有効放電パル
ス数とを各々受け、後述する処理に従って加工効率と平
均加工効率とを演算し、これをジャンプ時期決定部47
及びジャンプパラメータ演算部41へ出力する。ジャン
プ時期決定部47は、加工効率演算部57からの加工効
率と平均加工効率とに基づいて後述するようにジャンプ
時期を決定し、ジャンプパラメータ演算部41にジャン
プ要求信号を出力する。このジャンプ要求信号は、極間
の状態に応じて略所定のジャンプ周期毎に生成される。
またジャンプ時期決定部47は、パルス演算部45から
の極間の異常状態を示す異常放電パルス数が所定値を越
えたとき、極間が異常放電であると判定し、ジャンプパ
ラメータ演算部41にジャンプ要求信号を出力する。
【0026】ジャンプ時期決定部47は、所定のワーク
Wの放電加工開始時に加工条件設定部33からジャンプ
周期に関するジャンプパラメータの初期設定値を受け、
放電加工開始後はジャンプ周期を演算して、ジャンプパ
ラメータ演算部41へジャンプ要求信号を送出する。ジ
ャンプパラメータ演算部41は、後述するようにジャン
プ距離LJMP 、ジャンプ速度VJMP 及びジャンプ加減速
時定数TJMP 等のジャンプパラメータを演算し、ジャン
プ時期決定部47からのジャンプ要求信号に応じて、電
極19のジャンプ動作開始の信号及び上記ジャンプパラ
メータを軸送り制御部39に送出する。
【0027】上述した各手段の機能を遂行する放電加工
制御装置31は、例えば不図示の双方向バスにより相互
に接続されたCPU、RAM、バックアップROM、各
種入力インターフェース及び各種出力インターフェース
を備えたマイクロコンピュータシステムで構成できる。
入力インターフェースは、例えば入力装置37や、A/
Dコンバータを介してが接続される。前記A/Dコンバ
ータには、例えば極間のアナログ電圧がアッテネータを
介してローレベルで入力され、デジタルデータに変換さ
れる。出力インターフェースには表示装置35及びD/
Aコンバータ等が接続される。
【0028】次に、図1に示す本発明による放電加工機
により実行されるジャンプ制御について説明する。図2
は、本実施形態によるジャンプ制御のメインルーチンを
示すフローチャートであり、起動指令により、加工条件
設定部33が加工プログラムを解読し、加工電源装置5
5、軸送り制御部39へのパラメータ設定等、必要な前
処理を行った後の放電加工主要部の制御を、加工工程の
開始から終了までの流れを記したものである。このメイ
ンフローは所定の周期毎、例えば10ms毎に実行する
ことができる。
【0029】先ず、ステップS201において、加工条
件設定部33は、加工中であることを示すフラグEDFLG
を1に設定し、かつ、ジャンプ中であることを示すフラ
グJPFLG を0に設定する。次いで、加工条件設定部33
は、ジャンプ動作中か否かをフラグJPFLG により判定し
JPFLG =1のときはジャンプ動作中と判定してステップ
S209へ進み(ステップS202においてYes)、
JPFLG =0のときはジャンプ動作終了と判定してステッ
プS203へ進む(ステップS202においてNo)。
ステップS209のジャンプ制御については図5を参照
して後述する。
【0030】ステップS203では、ジャンプ時期決定
部47からジャンプパラメータ演算部41にジャンプ要
求指令が入力された否かを判定し、その判別結果がYe
sの場合は、放電加工中フラグEDFLG を0にリセットし
(ステップS206)、次いでステップS207におい
てジャンプ動作中を示すフラグJPFLG を1に設定した
後、ステップS208に進みジャンプ設定を行う。ステ
ップS208のジャンプ設定については図4を参照して
後述する。ステップS203においてNoのときは、ス
テップS204に進み電極送り制御を実行する。ステッ
プS204の電極送り制御については図3を参照して後
述する。
【0031】加工条件設定部33は、ステップS205
においてワークWの加工が終了したか否かを電極19の
Z軸方向の位置から判定し、電極19が所定の加工深さ
に到達したとき加工終了と判定し本ルーチンが終了す
る。一方、電極19が所定の加工深さまで到達していな
いとき、加工終了と判定しステップS202に戻る。
【0032】ステップS210では、電極19がジャン
プ動作を終了し、ジャンプ終了位置に到達した否かを判
定し、その判定結果がYesのときは、ステップS21
1に進み、ジャンプ中フラグJPFLG を0にリセットし、
次いでステップS212に進み、計測されたジャンプ所
要時間を例えばRAMに格納し、その後ステップS21
3へ進む。ステップS210の判定結果がNoのときは
ステップS213に進む。ステップS213において、
加工中フラグEDFLG を1に再設定した後、ステップS2
02に戻り加工を再開する。ステップS210における
電極19がジャンプ終了位置に到達したことの判定は、
例えば電極19をZ軸方向に移動させるZ軸用モータ
(リニアモータ23)を制御するモータ駆動装置51へ
の移動指令値がジャンプ終了位置に到達したことで行う
ことができる。すなわち、ジャンプ要求指令の発生から
電極19が後述するジャンプ距離LJMP だけZ軸方向に
ワークWから離反し、再びジャンプ距離LJMP だけワー
クWに接近したことを上記移動指令値を読み取り、記憶
されているジャンプ終了位置と比較して、上記判定を行
う。
【0033】次に、ステップS204の電極送り制御に
ついて説明する。図3はステップS204の電極送り制
御を示すフローチャートであり、先ず、サーボ信号演算
部43において、極間状態検出部53により検出された
極間パルス電圧が読み取られる(ステップS301)。
次いで、サーボ信号演算部43において、極間状態検出
部53が検出した極間の間隙長データと加工条件設定部
33を介して設定した目標基準値との差分が演算され
る。サーボ信号演算部43は演算されたサーボ信号を軸
送り制御部39に送出し、軸送り制御部39は、加工条
件設定部33から送られた制御パラメータに基づいて、
リニアモータ23の前進、後退(F/B)の移動量に変
換してモータ駆動装置51に出力する(ステップS30
2)。ステップS303では、モータ駆動装置51が補
間演算を行い、各軸への移動量を演算する。ステップS
304において、モータ駆動装置51は各軸モータを駆
動し電極19の位置決め制御を行う。
【0034】ステップS305では、パルス演算部45
から出力される有効放電パルス数をパルス演算部45に
より所定の周期、例えば10ms毎に計数した計数値を
複数回読み取ると共に、これらを平均して平均有効放電
パルス数を演算する有効放電数フィルタ処理を実行す
る。ステップS306では、前記平均有効放電パルス数
を読み取り、1回のジャンプ周期を1フレームとする複
数のフレーム間で更に平均してフレーム平均有効放電パ
ルス数を演算する有効放電フレームフィルタ処理を実行
し、その演算結果をジャンプ時期決定部47に出力す
る。
【0035】ジャンプ時期決定部47は以下の式に従っ
て加工効率ηを演算する(ステップS307)。 η=ΣNi (t) /(JT + MT ) … (1) ここで、Ni (t) はサンプリング周期毎の平均有効放電
パルス数の計数値を示し、ΣNi (t) は今回のジャンプ
周期TJ の放電加工開始時期からそのサンプリング時期
までのNi (t) の累積値を示し、JT は今回のジャンプ
周期の放電加工直前のジャンプ動作におけるジャンプ所
要時間を示し、MT は、今回のジャンプ周期の放電加工
直前の放電加工開始時期からそのサンプリング時期まで
の放電加工時間を示している。
【0036】再び図3を参照すると、ジャンプ時期決定
部47は、一回のジャンプ周期を1フレームとする複数
のフレーム間でステップS307で演算されたηを更に
平均化して平均加工効率ηF を演算し(ステップS30
8)、最大加工効率を与える加工サイクル終了時期か否
かを判定する(ステップS309)。すなわち、本ルー
チンの前回の処理周期に演算した加工効率η(i-1) と今
回の処理周期に演算した加工効率η(i) とを比較してη
(i-1) >η(i) であるとき(ステップS309において
Yesの場合)は、加工効率が最大値に到達したのでス
テップS310に進み、ジャンプ時期決定部47からジ
ャンプパラメータ演算部41にジャンプ要求指令を出力
する。或いは、ステップS309において加工効率η
(i) <<η F となる状態が継続する場合には、加工を継
続すべきではないと判断してステップS310に進み、
ジャンプ時期決定部47からジャンプパラメータ演算部
41にジャンプ要求指令を出力する。一方、η(i-1)
η(i) のとき(ステップS309においてNoの場合)
は、加工効率はまだ最大値に達していないので加工を継
続すべきと判断し本ルーチンを終了する。
【0037】図6は放電加工中の有効放電パルス数と加
工効率の実験結果を示す図である。横軸はジャンプ周期
において放電加工を開始する時期を0とした加工時間を
示し、縦軸は単位時間あたりの、例えば10ms内の有
効放電パルス数と加工効率を示す。単位時間あたりの有
効放電パルス数は、加工速度を示す。曲線51は平均有
効放電パルス数を示し、曲線52はフレーム平均有効放
電パルス数を示す。曲線53は単位時間当りの加工効率
を示し、曲線54は平均加工効率を示す。
【0038】次に、図2のステップS208のジャンプ
設定について説明する。図4は、ジャンプ制御サブルー
チンを示すフローチャートであり、図4に示すジャンプ
距離の設定は図2から理解されるように、ジャンプ要求
によりジャンプ動作が開始される毎に1回だけ実行され
る。
【0039】先ず、軸送り制御部39からモータ駆動装
置51への放電加工時の移動指令の出力を一時停止する
(ステップS601)。次いで、その加工サイクルにお
ける放電加工時間を例えばRAMに格納する(ステップ
S602)。ステップS603では、ジャンプ距離評価
フラグJPLFLGが0(ステップS603においてNo)の
とき、ジャンプパラメータ演算部41により設定された
ジャンプ距離LJMP が適切に設定されたか、つまり、ジ
ャンプ距離LJMP の評価を実行するか否かを判定し、そ
の判定結果がNoのときはステップS604に進む。ス
テップS604では、ジャンプ距離の評価、その修正を
行うか、また、例えば加工位置が0.5mm進む毎にジ
ャンプ距離等を調査するか否かを判定し、その判定結果
がNoのときはジャンプ距離LJMP が適切に設定された
と判定し、ステップS605に進みジャンプ距離LJMP
を設定し、本ルーチンを終了する。
【0040】ステップS603でジャンプ距離評価フラ
グJPLFLGが1(ステップS603においてYES)のと
き、ジャンプ距離LJMP の評価を行うと判定した場合
は、ステップS606に進む。ステップS606では、
前回の処理周期に演算された平均加工効率ηF(i-1)と、
前々回の処理周期に演算された平均加工効率η(i-2)
がRAMから読み込まれ、ステップS607においてη
F(i-1)とη(i-2) とが比較され、ηF(i-1)≧ηF(i-2)
とき、つまりステップS607においてNoのときは、
前回の平均加工効率が前々回の平均加工効率以上となっ
たものと判定し本ルーチンを終了する。
【0041】また、ステップS607においてηF(i-1)
<η(i-2) のときは前回の平均加工効率が前々回よりも
低下したものと判定し、ステップS608に進み、ジャ
ンプ距離LJMP から所定距離αだけ減算して(LJMP
α)を前々回のジャンプ距離LJMP として、ジャンプパ
ラメータ演算部41は、最大加工効率を与えるジャンプ
距離LJMP を演算する。そして、ステップS609に進
み、ジャンプ距離評価フラグJPLFLGを0にリセットし、
本ルーチンを終了する。
【0042】更に、ステップS604では、ジャンプ距
離フラグにより、或いは、ジャンプ距離の調査を行うと
判定した場合は、ステップS610に進み、ジャンプ要
求が指定されたときの電極19のZ軸上の現在位置から
電極19をワークWから離反させるべくZ軸方向に戻す
距離、いわゆるジャンプ距離LJMP を予めRAMに格納
したジャンプ距離LJMP に所定距離αだけ加算して(L
JMP +α)を新たなジャンプ距離LJMP として設定す
る。そして、ステップS611に進み、ジャンプ距離評
価フラグJPLFLGを1に設定し、本ルーチンを終了する。
【0043】つまり、本実施形態によれば、加工効率演
算部57は、電極19が予め設定された第1ジャンプ距
離LJMP でジャンプ動作を実行したときの第1ジャンプ
周期における第1最大加工効率を演算し、電極19が第
1ジャンプ距離LJMP に所定長さαを加減した第2ジャ
ンプ距離(LJMP ±α)でジャンプ動作を実行したとき
の第2ジャンプ周期における第2最大加工効率を演算
し、第1最大加工効率と第2最大加工効率との比較結果
に応じて電極19のジャンプ距離を設定するのである。
【0044】次に、図2のフローチャートにおけるステ
ップS209のジャンプ制御について説明する。上述し
たジャンプ距離設定の実施形態では、連続する2つのジ
ャンプ周期おける各加工効率を比較してジャンプ距離を
設定する例を説明したが、連続する複数回のジャンプ周
期における加工効率に基づき、ジャンプ距離を設定する
こともでき、これにより信頼性の高いジャンプ距離の決
定が可能となる。
【0045】図5は、ジャンプ制御のサブルーチンを示
すフローチャートである。図5のジャンプ制御サブルー
チンはジャンプパラメータ演算部41により実行され、
ジャンプ距離LJMP 、ジャンプ速度VJMP 及びジャンプ
加減速時定数TJMP が設定される。モータ駆動装置51
は、ジャンプパラメータ演算部41により設定されたジ
ャンプ距離LJMP 、ジャンプ速度VJMP 及びジャンプ加
減速時定数TJMP を受け、これらに基づいてジャンプブ
ロックの加減速を演算する(ステップS701)。
【0046】ここで、本願出願人は、ジャンプ距離L
JMP は、電極19が少なくともワークWの表面の加工開
始点、好ましくは、ワークWの表面の加工開始点よりも
上方の位置まで移動できる距離とし、ジャンプ速度V
JMP は20m/min 以上で、かつ、送りの加減速加速度
が1.0G(Gは重力加速度)以上とすることにより良
好な加工屑の排出が可能となることを見いだした。
【0047】ステップS702では、ステップS701
で演算したジャンプブロックの加減速に基づき、ジャン
プブロックの補間を演算する。ステップS703では、
ステップS702における補間演算に基づき送り指令デ
ータをモータ駆動装置51に出力し、リニアモータ23
を駆動して電極19のZ軸方向位置決め制御を行う。
【0048】図7はジャンプ周期の説明図であり、本実
施形態によるジャンプ制御方法を適用してジャンプ動作
を行いながら放電加工を進捗しているときの電極19の
位置と、それに対応させて加工電源のオン、オフ、すな
わち放電加工中か放電加工休止中かを示す加工電源装置
55の波形を表わした図である。図7において、横軸は
時間t、縦軸は電極19とワークWとの極間距離Lを示
す。1つのジャンプ周期TJ は、ジャンプ所要時間JT
と放電加工時間MT とから成り、本発明ではジャンプ時
期決定部47により加工効率が最大となった時を判定
し、ジャンプ要求の指令をジャンプパラメータ演算部4
1に出力する。ジャンプ所要時間JT は、ジャンプ要求
の指令が出力されてからジャンプ距離LJMP だけ電極1
9をワークWから離反させ、電極19を再びワークWに
接近させて放電加工を再開するまでに要する時間であ
る。
【0049】既述したように、本実施形態では、ジャン
プ動作は、ジャンプ動作の上昇、下降の送り速度を20
m/min 以上、送りの加減速加速度を1.0G以上で、
予め設定されたワークWの表面の加工開始点以上の位置
まで行う。こうした条件下では、より長いストロークを
より高速かつ俊敏にジャンプ動作させることができる。
つまり、図7から明らかなように、ジャンプ動作の時間
が短く、放電加工時間が放電加工休止時間より長くな
る。図8に示す従来のジャンプ動作における放電加工と
比較しても、加工効率の差は歴然としている。
【0050】次に、図9から図14を参照して、本発明
の方法を実施するために適した放電加工機の一例を説明
する。図9は、本発明の一実施形態の放電加工機を示す
正面図、図10は、図9の放電加工機の側面図である。
【0051】本実施形態による放電加工機11は、ベッ
ド101上にワーク103を載置するテーブル105が
設けられ、テーブル105上にワーク103を加工液に
浸すための加工槽107が設けられ、加工槽107に充
満させる加工液が漏れないようテーブル105と加工槽
107との間にシール109が設けられている。そして
放電加工は加工液中のワークWとリブ加工用電極131
との間で行われる。図9から図13は、加工槽107が
上下動する形式のものを示しているが、加工槽107を
上下動させずにテーブル105上に固定した形式のもの
を採用してもよい。
【0052】図10において、ベッド101の後方には
コラム111が設けられている。コラム111の上面を
サドル113がX軸方向へ移動するよう設けられ、サド
ル113の上面をY軸方向へ移動するようラム115が
設けられている。また、ラム115の前面には主軸頭1
17が適当な駆動手段(図示省略、例えばリニアモータ
またはサーボモータ)によりZ軸方向へ移動するよう設
けられており、結局、主軸頭117がワーク103に対
してX、Y、Z軸方向へ移動可能な構成となっている。
【0053】図9、10に示す本発明実施形態の放電加
工機においては、図10の矢視線A−Aに沿う断面図で
ある図11及び図11の矢視線B−Bに沿う断面図であ
る図12に示すように、主軸頭117内にZ軸と平行な
W軸方向に移動できるよう副主軸125を設け、副主軸
125の下端に絶縁プレート127及び電極ホルダ12
9を介してリブ加工用電極131が取り付けられてい
る。ここで、リブ加工用電極とは、先端部に向かって勾
配を持っている薄板形状、例えば図14に示すように、
先端部の厚みが2mm、幅が50mm、先端部に向かって片
側1°のテーパを有するよう形成された電極のことをい
う。なお、副主軸125を使用しない場合は、従来の放
電加工機と同様の状態となるよう主軸頭117内に副主
軸125を収納して主軸頭117の下端図13に示すよ
う形彫加工用電極123を取り付けてワークWを放電加
工するようにできる。
【0054】なお、絶縁プレート119及び電極ホルダ
121は着脱自在となっており、細かい放電加工を行う
ときは、これらを取り外して主軸頭117内に収納され
ている副主軸125を主軸頭117より突出させ、その
下端にリブ加工用電極131を取り付けてW軸方向に駆
動することにより、ワーク103に細くて深い放電加工
を行うようになっている。ここで、副主軸125のX、
Y、Z軸方向の位置決めは主軸頭117の場合と同様に
行われるが、位置決め後の放電加工に際しては、W軸方
向の移動は、図1の実施形態の如く適当な送り駆動手段
であるリニアモータ23を用いて行うことができる。然
しながら、前記送り駆動手段は他の構成、例えばボール
ねじとサーボモータとの組み合わせによる送り駆動装置
を用いてもよい。
【0055】本発明において、副主軸125を用いてリ
ブ溝等の細かい放電加工を行うのは、主軸頭117は慣
性が大きく細かい放電加工におけるジャンプ動作に適し
ておらず、主軸頭117に比べ慣性の小さい副主軸12
5を用い、加工屑排除のためのジャンプ動作を効率よく
行うためである。よって、主軸頭117を停止させ副主
軸125だけを移動させるするように構成し、主軸頭1
17と副主軸125とを併用するという考えはない。つ
まり、大形の放電加工機でも細かい放電加工に適した状
態にして使用できる放電加工機を得ることが本発明の1
つの要旨である。
【0056】次に、図11、12を参照して、副主軸1
25の構成について説明する。図11、12において、
斜線部分が主軸頭117の外筐となるZ軸クイル133
であり、Z軸クイル133の背面に設けられたZ軸レー
ル135がラム115に設けられたZ軸ガイド137に
沿ってZ軸方向へ案内され、適当な送り駆動手段(リニ
アモータまたはサーボモータ等)により主軸頭117が
Z軸方向へ移動するよう構成されており、更に、Z軸ク
イル133内を副主軸125がW軸方向へZ軸クイル1
33の下部開口部を通って移動する。
【0057】Z軸クイル133の内部奥側、つまり、図
11においてZ軸クイル133内部の上方部位には、副
主軸125の案内、移動のためのW軸レール139及び
リニアモータ用マグネット141を取り付けるブラケッ
ト143が設けられ、副主軸125の外筐となるW軸ク
イル145には、W軸レール139に係合するW軸ガイ
ド147、リニアモータ用マグネット141と対をなす
コイル149が取り付けられ、コイル149とマグネッ
ト141との係合によりリニアモータを形成し、副主軸
125のW軸方向の送り駆動手段となっている。図11
に示すように、副主軸125外筐となるW軸クイル14
5の下端には、絶縁プレート127及び電極ホルダ12
9を介してリブ加工用電極131が取り付けられてい
る。
【0058】なお、図9、10に示す本発明実施形態の
放電加工機は、主軸頭117内に副主軸125が内蔵さ
れた形式のものが示されているが、これに限定されるこ
とはなく、図13に示すように、主軸頭117の側面部
に内蔵形の副主軸125と同様の副主軸をW軸方向へ移
動可能に設けることもできる。
【0059】また、既述したように、副主軸125を移
動させるW軸の送り駆動手段(図1の実施形態ではリニ
アモータ23)は、その送り速度が20m/min 以上、
送りの加減速加速度が1.0G(Gは重力加速度)以上
を出せるような能力を有している。また、本実施形態の
如く副主軸125を設けたことから、その慣性質量が小
さいために、既述した本発明のジャンプ制御方法を効果
的に実施することが可能となる。
【0060】図15は、本発明の放電加工機におけるジ
ャンプ制御を適用して図14に示すようなリブ加工用電
極131でワークWを放電加工したときと、従来の放電
加工機におけるジャンプ制御を適用したときの実験結果
とを比較した図である。図15において、縦軸は放電加
工が進捗するときの加工深さ、横軸はそのときの加工時
間を示している。ジャンプ動作における具体的な条件と
しては、従来の技術は、図8に示すような大きなストロ
ークの後に小さなストロークを行うジャンプ動作のパタ
ーンで、かつ例えば10m/min 、0.2Gという標準
的な送り速度及び送りの加減速加速度で行い、本発明
は、図7に示すようなあらかじめ設定されたワーク10
3の表面の加工開始点以上の位置まで上昇させるジャン
プ動作のパターンで、かつ20m/min 以上、1.0G
以上という送り速度及び送りの加減速加速度で行った。
【0061】図15から明らかなように、本発明のジャ
ンプ制御を適用したときの方が、従来のジャンプ制御を
適用したときと比較して、同一の加工深さまでの放電加
工時間がはるかに短い。つまり、1往復のジャンプ動作
の間に、リブ加工用電極131をワーク103の表面の
加工開始点以上の位置まで上昇させて、広い加工屑排出
通路を確保するとともに、高速かつ俊敏なジャンプ動作
で十分なポンピング作用を働かせて、リブ加工用電極1
31とワーク103との加工間隙から加工屑を加工液の
液流で確実、迅速に排除できたことを意味している。よ
って、加工屑介在の異常放電による放電加工速度の低下
が起こらないのである。
【0062】なお、大型の電極による放電加工を行う場
合は、形彫加工用電極123を主軸頭117の下端に取
り付け、主軸頭117のZ軸の駆動手段として大形のリ
ニアモータを用い、Z軸方向にジャンプ動作を行わせる
ことも可能である。このときにも、送り速度を20m/
min 以上で、送りの加減速加速度を1.0G以上で、ワ
ーク103の表面の加工開始点以上の位置まで毎回上昇
させるジャンプ動作を行えば、大きな放電加工でも、副
主軸125を用いた放電加工と同様に効率よく放電加工
を行うことができる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の放電加工機のジャンプ制御方法によれば、オペレータ
の経験に頼らずに加工効率を最大にするジャンプ周期及
びジャンプ距離を自動的に決定できる。
【0064】更に、本発明の放電加工機では、大形の放
電加工に際しては主軸頭に取り付けた電極を用いてワー
クを放電加工し、比較的小形の放電加工に際しては、W
軸方向に移動する副主軸に切り換えてワークを放電加工
するよう構成した。このため、小形の放電加工に際して
は副主軸の使用により慣性が小さく、加工屑排除のため
のジャンプ動作の送り速度及び加減速加速度を大きくす
ることが容易となり、加工効率のよい放電加工機を提供
することができる。
【0065】更に、本発明の放電加工機においては、小
形の放電加工に際して慣性の小さい副主軸を用いてW軸
方向の移動を行わせるようにしたので、位置決めなどは
従来通りのX、Y、Z軸移動を利用し、比較的小形の放
電加工やそのときのジャンプ動作はW軸方向の駆動手段
を用いるので、ジャンプ動作を短時間で行い効率のよい
放電加工を行うことができる。
【0066】更に、本発明の放電加工機のジャンプ制御
方法を用いてワークの放電加工を行うと、電極とワーク
との加工間隙から加工屑を確実かつ迅速に排除でき、ワ
ークの加工時間の短縮及び加工面品位の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電加工機の一実施形態を示す概
略ブロック構成図である。
【図2】本発明によるジャンプ制御のメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図3】電極送り制御のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図4】ジャンプ設定のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図5】ジャンプ制御のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図6】放電加工中の有効放電パルス数と加工効率の実
験結果を示す図である。
【図7】本発明の放電加工機のジャンプ制御を適用して
ジャンプ動作を行いながら放電加工を進捗しているとき
の電極の位置を、それに対応させて加工電源のオン、オ
フ、すなわち放電加工中か放電加工休止中かを示す加工
電源の波形と共に表わした図である。
【図8】従来の放電加工機におけるジャンプ制御を適用
した場合の図7と同様の図である。
【図9】本発明の放電加工機の一実施形態を示す正面図
である。
【図10】図9の放電加工機の側面図である。
【図11】図10の矢視線A−Aに沿う断面図である。
【図12】図11の矢視線B−Bに沿う断面図である。
【図13】本発明の放電加工機の他の実施形態を示す正
面図である。
【図14】リブ加工用の電極の斜視図である。
【図15】本発明の放電加工機におけるジャンプ制御を
適用してリブ加工用電極ワークWを放電加工したとき
と、従来の放電加工機におけるジャンプ制御を適用した
ときの実験結果とを比較した図である。
【図16】従来技術の問題点を説明するための、リブ加
工におけるリブ加工用電極とワークとの部分拡大断面図
である。
【符号の説明】
11…放電加工機 13…主軸 19…電極 23…リニアモータ 31…放電加工制御装置 33…加工条件設定部 39…軸送り制御部 41…ジャンプパラメータ演算部 43…パルス電圧差分演算部 45…パルス演算部 47…ジャンプ時期判定部 49…加工電源制御部 53…極間状態検出部 57…加工効率演算部 117…主軸頭 125…副主軸 131…リブ加工用電極 133…Z軸クイル 135…Z軸レール 137…Z軸ガイド 139…W軸レール 141…マグネット 145…W軸クイル 147…W軸ガイド 149…コイル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸頭に取り付けられた電極とワークと
    の極間にパルス電圧を印加して前記ワークを放電加工す
    ると共に、ジャンプ要求に応じて前記電極にジャンプ動
    作を行わせる放電加工機において、 前記電極のジャンプ動作を上昇、下降の送り速度が20
    m/min以上で、送りの加減速加速度が1.0G以上
    で行うよう制御するジャンプ動作制御手段を具備するこ
    とを特徴とした放電加工機。
  2. 【請求項2】 主軸頭に取り付けられた電極とワークと
    の極間にパルス電圧を印加して前記ワークを放電加工す
    ると共に、ジャンプ要求に応じて前記電極にジャンプ動
    作を行わせる放電加工機において、 前記主軸頭に、前記主軸頭の軸線方向と平行な方向へ送
    り移動し、該送り移動が前記主軸頭と独立して制御可能
    な副主軸と、 前記副主軸に取り付けられた電極のジャンプ動作を上
    昇、下降の送り速度が20m/min以上で、送りの加
    減速加速度が1.0G以上で行うよう制御するジャンプ
    動作制御手段と、 を具備することを特徴とした放電加工機。
  3. 【請求項3】 前記副主軸は前記主軸頭の内部または側
    面に送り移動可能に設けられる請求項2に記載の放電加
    工機。
  4. 【請求項4】 前記主軸頭または副主軸の送り駆動手段
    はリニアモータで構成される請求項1から3の何れか1
    項に記載の放電加工機。
  5. 【請求項5】 前記ジャンプ動作制御手段は、前記電極
    のジャンプ動作の毎回の上昇をワーク表面の加工開始点
    以上の位置まで行うよう制御する請求項1から4の何れ
    か1項に記載の放電加工機。
  6. 【請求項6】 前記ジャンプ動作制御手段は、前記電極
    が放電加工中かジャンプ動作中かを判別する極間状態検
    出手段と、 前記極間状態検出手段で前記電極が放電加工中と判別さ
    れたとき、前記極間に印加されるパルス電圧の有効放電
    パルス数を計数し、所定のサンプリング周期ごとに読み
    取る有効放電カウンタと、 ジャンプ周期における放電加工開始からそのサンプリン
    グ時刻までに計数された前記有効放電パルス数を累積
    し、前記累積した有効放電パルス数とジャンプ周期にお
    けるジャンプ所要時間と放電加工開始からそのサンプリ
    ング時刻までの放電加工時間とから加工効率を演算する
    加工効率演算手段と、 前記加工効率演算手段で演算した加工効率と前回の加工
    効率との比較結果に応じて前記ジャンプ要求を指令する
    時期を設定するジャンプ時期設定手段と、を備えて構成
    される請求項1から5の何れか1項に記載の放電加工
    機。
  7. 【請求項7】 前記ジャンプ動作制御手段は、前記電極
    が予め設定された第1ジャンプ距離でジャンプ動作を実
    行したときの第1ジャンプ周期における第1最大加工効
    率を演算し、 前記電極が前記第1ジャンプ距離に所定長さを加減した
    第2ジャンプ距離でジャンプ動作を実行したときの第2
    ジャンプ周期における第2最大加工効率を演算し、 前記第1最大加工効率と前記第2最大加工効率との比較
    結果に応じて前記電極のジャンプ距離を設定するジャン
    プ距離設定手段を更に備えて構成される請求項6に記載
    の放電加工機。
  8. 【請求項8】 電極とワークとの極間にパルス電圧を印
    加して前記ワークを放電加工すると共に、ジャンプ要求
    に応じて前記電極にジャンプ動作を行わせる放電加工機
    のジャンプ制御方法において、 前記電極のジャンプ動作を上昇、下降の送り速度が20
    m/min以上で、送りの加減速加速度が1.0G以上
    で行うことを特徴とした放電加工機のジャンプ制御方
    法。
  9. 【請求項9】 前記電極のジャンプ動作の毎回の上昇を
    ワーク表面の加工開始点以上の位置まで行う請求項8に
    記載の放電加工機のジャンプ制御方法。
  10. 【請求項10】 前記電極が放電加工中かジャンプ制御
    中かを判別し、 前記電極が放電加工中と判別されたとき、前記極間に印
    加されるパルス電圧の有効放電パルス数を累積し、前記
    累積した有効放電パルス数とジャンプ周期におけるジャ
    ンプ所要時間と放電加工開始からそのサンプリング時刻
    までの放電加工時間とから加工効率を演算し、 前記演算した加工効率と前回の加工効率との比較結果に
    応じて前記ジャンプ要求を指令する時期を設定する請求
    項8または9に記載の放電加工機のジャンプ制御方法。
  11. 【請求項11】 前記電極が予め設定された第1ジャン
    プ距離でジャンプ動作を実行したときの第1ジャンプ周
    期における第1最大加工効率を演算し、 前記電極が前記第1ジャンプ距離に所定長さを加減した
    第2ジャンプ距離でジャンプ動作を実行したときの第2
    ジャンプ周期における第2最大加工効率を演算し、 前記第1最大加工効率と前記第2最大加工効率との比較
    結果に応じて前記電極のジャンプ距離を設定する請求項
    10に記載の放電加工機のジャンプ制御方法。
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