JP2001008415A

JP2001008415A - 直流型回転電機

Info

Publication number: JP2001008415A
Application number: JP11168419A
Authority: JP
Inventors: Naoki Uruma; 直樹閏間
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1999-06-15
Filing date: 1999-06-15
Publication date: 2001-01-12

Abstract

(57)【要約】【課題】直流モータの初期段階（馴染み工程中）の異
音発生を防止する。【解決手段】ブラシ１０９のうち整流子１０１ｂに面
する側に第１、２突起部１０９ａ、１０９ｂを設けると
ともに、そのピッチ寸法Ｘをブラシ１０９の幅寸法Ｙの
３／４とする。これにより、本発明においては、第１、
２突起部１０９ａ、１０９ｂが摩耗消滅するまでの間が
馴染み工程となるが、馴染み工程中においては、ピッチ
寸法Ｘによって短絡時間が決定するので、馴染み工程中
における短絡時間を略一定とすることができる。したが
って、馴染み工程中であっても、回転子１０１で供給さ
れる電流波形が変化する（乱れる）ことを防止できるの
で、直流モータから異音発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシと整流子と
を有する直流回転電機に関するもので、直流電動機（直
流モータ）に適用して有効である。

【０００２】

【従来の技術】直流モータでは、例えば特開平１−３１
１８４８号公報に記載のごとく、整流子にブラシを摺動
可能に接触させることにより回転子（ロータ）に電力を
供給している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ブラシは整
流子と摺動可能に接触しているので、直流モータの使用
とともに、ブラシのうち整流子（セグメント）との接触
面（以下、この接触面をブラシ接触面と呼ぶ。）側が摩
耗していくので、ブラシと整流子との接触面積が変化し
ていく。

【０００４】そして、上記公報に記載されているよう
に、ブラシと整流子との接触面積が変化すると、ブラシ
を介して隣り合うセグメント間の短絡時間が変化して回
転子に供給される電力（電流波形）が、図３（ｂ）に示
すように変化する（乱れる）ので、回転子に異常振動が
発生し、直流モータから異音が発生してしまう。

【０００５】一方、ブラシが摩耗する前の初期段階にお
いては、ブラシ接触面の曲率半径を整流子の曲率半径よ
り大きくすることにより、ブラシと整流子との接触面積
を意図的に小さくして、ブラシを整流子に対して馴染ま
せるようにしながらブラシ接触面を摩耗させて、最終的
には図５に示すように、ブラシ１０９のブラシ接触面の
曲率半径が整流子１０１ｂの曲率半径と同一になるよう
にしている。以下、このような工程を馴染み工程と呼
ぶ。

【０００６】このため、初期段階（馴染み工程）におい
ては、ブラシと整流子との接触面積が変化するので、回
転子に異常振動が発生し、直流モータから異音が発生し
てしまう。

【０００７】本発明は、上記点に鑑み、馴染み工程中に
おける異音発生を防止することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項１、２に記載の発明では、少なく
ともブラシ（１０９）が摩耗する前においては、ブラシ
（１０９）のうち整流子（１０１ｂ）に面する側に整流
子（１０１ｂ）に向けて突出して整流子（１０１ｂ）に
接触する第１、２突起部（１０９ａ、１０９ｂ）が設け
られていることを特徴とする。

【０００９】これにより、本発明においては、第１、２
突起部（１０９ａ、１０９ｂ）が摩耗消滅するまでの間
が馴染み工程となるが、馴染み工程中においては、第
１、２突起部（１０９ａ、１０９ｂ）間の寸法によって
短絡時間が決定するので、馴染み工程中における短絡時
間を略一定とすることができる。

【００１０】したがって、馴染み工程中であっても、回
転子（１０１）で供給される電流波形が変化する（乱れ
る）ことを防止できるので、回転子（１０１）が異常振
動してしまうことを防止でき、馴染み工程中の直流回転
電機から異音発生が発生してしまうことを防止できる。

【００１１】なお、第１、２突起部（１０９ａ、１０９
ｂ）間のピッチ寸法（Ｘ）は、請求項２に記載のごと
く、ブラシ（１０９）の幅寸法（Ｙ）の３／４以上とす
ることが望ましい。

【００１２】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。

【００１３】

【発明の実施の形態】本実施形態は、本発明に係る直流
型回転電機を車両用空調装置の送風機（ブロワ）用直流
モータ（以下、モータと略す。）に適用したものであ
り、図１は本実施形態に係るモータ１００の断面図であ
る。

【００１４】図１中、１０１はモータ１００の回転子
（ロータ）であり、１０２は永久磁石製の固定子であ
り、１０３はモータ１００のヨーク（継鉄）を兼ねると
ともに回転子１０１を収納する金属製のハウジングであ
る。

【００１５】このハウジング１０３の軸方向一端部に
は、モータ１００の組立工程時に回転子１０１をハウジ
ング１０３内に挿入するための開口部１０３ａが形成さ
れており、この開口部１０３ａは、エンドプレート１０
４によって閉塞されている。

【００１６】そして、このエンドプレート１０４は、後
述するブラシ１０９を保持するブラシホルダ部１１０を
兼ねており、ブラシホルダ部１１０とともに樹脂にて一
体成形されている。因みに、モータ１００はハウジング
１０３に溶接されたホルダ１０３ｂを介して送風機のケ
ーシングに固定される。

【００１７】また、１０７は回転子１０１の回転軸（シ
ャフト）１０１ａの一端側を回転可能に支持する軸受で
り、１０８は回転子１０１の回転軸１０１ａの他端側を
回転可能に支持する軸受である。

【００１８】１０９は回転子１０１の整流子１０１ｂに
接触して外部電源（図示せず）からの電力を回転子１０
１に供給する一対の炭素系のブラシであり、このブラシ
１０９は、その長手方向を回転子１０１の径方向に一致
させた状態でブラシホルダ部１１０内に配置されて、コ
イルスプリング１１１によって整流子１０１ｂに向けて
押し付けられている。

【００１９】因みに、整流子１０１ｂは、図２に示すよ
うに、回転子１０１の巻き線（図示せず）の端部が接続
された複数個のセグメント（導体部）１０１ｃを所定の
隙間δを介して円柱状の絶縁部１０１ｄの円周外壁部に
配置した周知のものであり、ブラシ１０９、整流子１０
１ｂ及び軸受１０７はエンドプレート１０４にねじ止め
固定されたハウジングカバー１０３ｃにより覆われてい
る。

【００２０】ところで、少なくともブラシ１０９が摩耗
する前（以下、この状態を初期段階と呼ぶ。）において
は、ブラシ１０９のうち整流子１０１ｂ（セグメント１
０１ｃ）に面する側には、整流子１０１ｂに向けて突出
して整流子１０１ｂに接触する第１、２突起部１０９
ａ、１０９ｂが形成されているとともに、第１、２突起
部１０９ａ、１０９ｂ間のピッチ寸法Ｘが、ブラシ１０
９の幅寸法Ｙの３／４以上、幅寸法Ｙ以下（本実施形態
では、３／４）となるように選定されている。

【００２１】ここで、ピッチ寸法Ｘとは、第１、２突起
部１０９ａ、１０９ｂの先端間の距離を言い、幅寸法Ｙ
とは、ブラシ１０９のうちブラシ１０９の可動方向（図
２の上下方向）と直交する方向の寸法を言う。

【００２２】次に、本実施形態の特徴を述べる。

【００２３】本実施形態によれば、第１、２突起部１０
９ａ、１０９ｂが摩耗消滅するまでの間が馴染み工程と
なる。そして、馴染み工程中においては、第１、２突起
部１０９ａ、１０９ｂ間のピッチ寸法Ｘによって短絡時
間が決定するので、馴染み工程中における短絡時間を略
一定とすることができる。

【００２４】そこで、回転子１０１に供給される電流波
形が、図３（ａ）に示される馴染み工程終了後の正常波
形となるように、第１、２突起部１０９ａ、１０９ｂ間
のピッチ寸法Ｘを選定すれば、馴染み工程中であって
も、回転子１０１で供給される電流波形が変化する（乱
れる）ことを防止できる。

【００２５】したがって、馴染み工程中に回転子１０１
が異常振動してしまうことを防止できるので、馴染み工
程中のモータ１００から異音発生が発生してしまうこと
を防止できる。

【００２６】ところで、上述の実施形態では、第１、２
突起部１０９ａ、１０９ｂ間のピッチ寸法Ｘがブラシ１
０９の幅寸法Ｙの３／４であったが、本発明は、ピッチ
寸法Ｘがブラシ１０９の幅寸法Ｙの以上であればよいの
で、両突起部１０９ａ、１０９ｂをブラシ１０９の幅方
向両端側に位置させてもよい。

【００２７】また、上述の実施形態では、ブラシ１０９
は単純な角柱形状であったが、図４に示すように、第
１、２突起部１０９ａ、１０９ｂ側の幅寸法Ｙがその他
の部に比べて大きいものであってもよい。なお、この場
合の幅寸法Ｙは、整流子１０１ｂ側の部分の幅寸法を言
う。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るモータの断面図であ
る。

【図２】本発明の実施形態におけるブラシと整流子との
接触部分を示す拡大図である。

【図３】整流子を流れる電流の波形図である。

【図４】本発明の変形例に係るブラシの正面図である。

【図５】馴染み工程終了後のブラシと整流子との接触部
分を示す拡大図である。

【符号の説明】

１０１ｂ…整流子、１０１ｃ…セグメント、１０９…ブ
ラシ、１０９ａ…第１突起部、１０９ｂ…第２突起部、
１１０…ブラシホルダ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数個のセグメント（１０１ｃ）からな
る整流子（１０１ｂ）及び前記整流子（１０１ｂ）と摺
動可能に接触しながら摩耗するブラシ（１０９）を有す
る直流型回転電機であって、少なくとも前記ブラシ（１０９）が摩耗する前において
は、前記ブラシ（１０９）のうち前記整流子（１０１
ｂ）に面する側に前記整流子（１０１ｂ）に向けて突出
して前記整流子（１０１ｂ）に接触する第１、２突起部
（１０９ａ、１０９ｂ）が設けられていることを特徴と
する直流型回転電機。
【請求項２】前記第１、２突起部（１０９ａ、１０９
ｂ）間のピッチ寸法（Ｘ）は、前記ブラシ（１０９）の
幅寸法（Ｙ）の３／４以上であることを特徴とする請求
項１に記載の直流回転電機。