JP2001006000A - 画像生成システム及び情報記憶媒体 - Google Patents

画像生成システム及び情報記憶媒体

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JP2001006000A JP11171314A JP17131499A JP2001006000A JP 2001006000 A JP2001006000 A JP 2001006000A JP 11171314 A JP11171314 A JP 11171314A JP 17131499 A JP17131499 A JP 17131499A JP 2001006000 A JP2001006000 A JP 2001006000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 よりリアルなモーション表現を少ないデータ
量で実現できる画像生成システム及び情報記憶媒体を提
供すること。 【解決手段】 接地している左足50を支点として倒れ
るように動くと共に倒れるのを制限する移動目標位置5
4に接地していない右足52が移動するように、敵キャ
ラクタのモーションを生成する。敵キャラクタの仮想重
心に仮想重力を作用させることで得られる力を腰60に
作用させることで、敵キャラクタに倒れ動作を行わせ
る。仮想重心の接地面への投影位置に関して左足と点対
称の位置に移動目標位置54を設定する。両足が接地し
ている場合には腰に近い方の足を浮かせる。敵キャラク
タの部位がヒットされると、物理シミュレーションでそ
の前腕を動かすと共にヒット力ベクトルを順次伝達して
親の部位を動かす。ヒット時や所与の時間が経過したり
体力パラメータが0になった時に、モーション生成、モ
ーション再生間の切り替えを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像生成システム
及び情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内の所
与の視点から見える画像を生成する画像生成システムが
知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとし
て人気が高い。ガンゲームを楽しむことができる画像生
成システムを例にとれば、プレーヤ(操作者)は、銃な
どを模して作られたガン型コントローラ(シューティン
グデバイス)を用いて、画面に映し出される敵キャラク
タ(オブジェクト)などの標的オブジェクトをシューテ
ィングすることで、3次元ゲームを楽しむ。
【0003】さて、このような画像生成システムでは、
プレーヤの仮想現実感の向上のために、よりリアルな画
像を生成することが重要な技術的課題になっている。従
って、敵キャラクタのモーションについてもリアルに表
現できることが望まれる。そして、これまでの画像生成
システムでは、予め用意されたモーションデータを選択
し、選択されたモーションデータに基づきモーション再
生することで敵キャラクタのモーションを表現してい
た。
【0004】しかしながら、このようにモーションデー
タに基づきモーション再生する手法には、以下のような
問題点があった。 (1)敵キャラクタを撃っても、敵キャラクタはいつも
同じ動きしか行わないため、モーションの表現が単調に
なる。 (2)敵キャラクタに追い撃ちをかけた場合に、1発目
のショット(弾)のヒットにより開始したモーション再
生が、2発目のショットのヒットにより打ち切られてし
まい、敵キャラクタのモーションが不自然になる。 (3)敵キャラクタのモーションのバリエーションを増
やすためには、それに比例してモーションデータを増や
す必要がある。しかしながら、モーションデータを記憶
するメモリの容量は有限であるため、モーションのバリ
エーションの増加には限界がある。
【0005】また、これまでの画像生成システムでは、
多数のショットがヒットすることにより、敵キャラクタ
がよろけながら後ずさりするというようなリアルなモー
ション表現を実現できなかったという課題もある。
【0006】本発明は、以上のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、よりリアル
なモーション表現を少ないデータ量で実現できる画像生
成システム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、画像を生成するための画像生成システム
であって、複数の部位により構成されるオブジェクト
が、接地している第1の部位を支点として倒れるように
動くと共に、オブジェクトが倒れるのを制限する位置に
設定された移動目標位置に、接地していない第2の部位
が移動するように、オブジェクトのモーションを生成す
る手段と、モーションが生成されたオブジェクトの画像
を含む画像を生成する手段とを含むことを特徴とする。
また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより
使用可能な情報記憶媒体であって、上記手段を実現(実
行)するための情報(プログラム或いはデータ等)を含
むことを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、
コンピュータにより使用可能なプログラムであって、上
記手段を実現(実行)するための処理ルーチンを含むこ
とを特徴とする。
【0008】本発明によれば、まず、接地している第1
の部位(例えば左足)を支点として倒れるようにオブジ
ェクトが動く。そして、それと同時に、オブジェクトが
倒れる(傾く)のを制限する位置(支える位置)である
移動目標位置に、接地していない第2の部位(例えば右
足)が移動する。このようにオブジェクトのモーション
を生成することで、例えば、倒れそうでなかなか倒れ
ず、よろけながら動くオブジェクトのモーションを表現
できるようになる。これにより、モーション再生では得
られないリアルで多様なモーション表現を実現できる。
【0009】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、オブジェクトの仮想重心に
仮想重力を作用させることで得られる力を、オブジェク
トの代表点に作用させることで、前記第1の部位を支点
として倒れるようにオブジェクトを動かすことを特徴と
する。このようにすれば、あたかも本当の重力の作用に
よりオブジェクトがバランスを崩して倒れているかのよ
うに見せることができ、画像のリアル度を増すことがで
きる。
【0010】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、前記第2の部位の前記移動
目標位置が、オブジェクトの仮想重心を接地面に投影し
た位置に関して前記第1の部位と点対称の位置であるこ
とを特徴とする。このようにすれば、倒れそうなオブジ
ェクトを安定的に支えることができるようになり、倒れ
そうでなかなか倒れないというオブジェクトの動きを表
現できるようになる。
【0011】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、前記第1、第2の部位が共
に接地している場合には、前記第1、第2の部位のいず
れか一方を浮かせることを特徴とする。このようにすれ
ば、第1、第2の部位が接地した状態でオブジェクトが
全く動かなくなるという事態を防止できるようになる。
【0012】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、オブジェクトの第Nの部位
がヒットされた場合に、ヒット情報に基づく物理シミュ
レーションにより第Nの部位を動かすと共に第N+1の
部位、第N+2の部位、第N+3の部位・・・・にヒッ
ト情報を順次伝達し、伝達されたヒット情報に基づく物
理シミュレーションにより第N+1の部位、第N+2の
部位、第N+3の部位・・・・を順次動かして、オブジ
ェクトのモーションを生成することを特徴とする。
【0013】本発明によれば、オブジェクトの第Nの部
位がヒットされると、ヒット情報に基づく物理シミュレ
ーション(疑似的な物理シミュレーションを含む)によ
り、第Nの部位が動く(回転又は移動する)ようにな
る。また、ヒット情報が第N+1、第N+2の部位等に
順次伝達され、伝達されたヒット情報に基づいて第N+
1、第N+2の部位等が動くようになる。本発明によれ
ば、このようにしてオブジェクトのモーションが生成さ
れるため、例えばヒット位置、ヒット方向等に応じて、
オブジェクトが異なったモーションを行うようになる。
この結果、リアルで多様なモーション表現を実現でき
る。
【0014】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、ヒット情報が、ヒット方向
に向く力ベクトルであり、前記力ベクトルにより求めら
れる回転モーメントにより各部位を動かすことを特徴と
する。このようにすれば、力ベクトルで各部位を動かし
たり、力ベクトルを各部位に伝達するだけという簡素な
処理で、リアルで多様なモーション表現を実現できるよ
うになる。
【0015】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、各部位に力ベクトルを伝達
する際に、伝達する力ベクトルの大きさを順次減衰させ
ることを特徴とする。このようにすれば、ヒット位置に
近い部位ほど大きく動くようになり、リアルなモーショ
ン変化を簡素な処理で実現できるようになる。
【0016】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、各部位の角速度に応じた回
転抵抗力を、各部位に作用させることを特徴とする。こ
のようにすれば、各部位の角速度が過大になって、生成
されるモーションが不自然なものになってしまう事態を
防止できるようになる。
【0017】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、オブジェクトを所与の姿勢
に戻すための復元力を、各部位に作用させることを特徴
とする。このようにすれば、例えば、連続してヒットさ
れた場合にも、なかなか倒されないようなオブジェクト
を表現できるようになる。
【0018】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、オブジェクトがヒットされ
た場合に、オブジェクトのモーションをモーションデー
タに基づき再生する処理から、オブジェクトのモーショ
ンを物理シミュレーションにより生成する処理に切り替
えることを特徴とする。
【0019】本発明によれば、例えばオブジェクトがヒ
ットされる前は、モーション再生によりオブジェクトが
動き、オブジェクトがヒットされると、モーション生成
によりオブジェクトが動くようになる。従って、ヒット
前においては、モーション生成によってはその実現が難
しいオブジェクトの動きを、モーション再生を利用して
簡易に実現できるようになる。一方、ヒット後において
は、モーション再生によっては多くのモーションデータ
量が必要になるオブジェクトの多彩な動きを、モーショ
ン生成を利用して少ないデータ量で実現できるようにな
る。
【0020】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、所与の条件が成立した場合
に、オブジェクトのモーションを物理シミュレーション
により生成する処理から、オブジェクトのモーションを
モーションデータに基づき再生する処理に切り替えるこ
とを特徴とする。
【0021】本発明によれば、所与の条件が成立する前
は、モーション生成によりオブジェクトが動き、所与の
条件が成立すると、モーション再生によりオブジェクト
が動くようになる。このようにすれば、モーション生成
によってはその実現が難しいオブジェクトの動きが必要
な状況が生じた場合にも、容易にこれに対処できるよう
になる。
【0022】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、オブジェクトがヒットされ
てから所与の時間が経過した場合及びオブジェクトのパ
ラメータが所与の値になった場合の少なくとも一方の場
合に、オブジェクトのモーションを物理シミュレーショ
ンにより生成する処理から、オブジェクトのモーション
をモーションデータに基づき再生する処理に切り替える
ことを特徴とする。但し、本発明における所与の条件
は、このような、所与の時間が経過したという条件や、
パラメータが所与の値になったという条件に限定される
ものではない。
【0023】また本発明に係る画像生成システム、情報
記憶媒体及びプログラムは、物理シミュレーションによ
り生成されるモーションとモーションデータに基づき再
生されるモーションとを繋ぐ繋ぎモーションを、オブジ
ェクトに行わせることを特徴とする。このようにすれ
ば、モーション生成、モーション再生間の切り替え時に
おいて、モーションを滑らかに且つ自然に変化させるこ
とができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を用いて説明する。なお以下では、本発明
を、ガン型コントローラを用いたガンゲーム(シューテ
ィングゲーム)に適用した場合を例にとり説明するが、
本発明はこれに限定されず、種々のゲームに適用でき
る。
【0025】1.構成 図1に、本実施形態を業務用ゲームシステムに適用した
場合の構成例を示す。
【0026】プレーヤ500は、本物のマシンガンを模
して作られたガン型コントローラ(広義にはシューティ
ングデバイス)502を構える。そして、画面504に
映し出される敵キャラクタ(広義にはオブジェクト)な
どの標的オブジェクトを狙ってシューティングすること
でガンゲームを楽しむ。
【0027】特に、本実施形態のガン型コントローラ5
02は、引き金を引くと、仮想的なショット(弾)が高
速で自動的に連射される。従って、あたかも本物のマシ
ンガンを撃っているかのような仮想現実感をプレーヤに
与えることができる。
【0028】なお、ショットのヒット位置(着弾位置)
は、ガン型コントローラ502に光センサを設け、この
光センサを用いて画面の走査光を検知することで検出し
てもよいし、ガン型コントローラ502から光(レーザ
ー光)を発射し、この光の照射位置をCCDカメラなど
を用いて検知することで検出してもよい。
【0029】図2に、本実施形態のブロック図の一例を
示す。なお同図において本実施形態は、少なくとも処理
部100を含めばよく(或いは処理部100と記憶部1
40、或いは処理部100と記憶部140と情報記憶媒
体150を含めばよく)、それ以外のブロック(例えば
操作部130、画像生成部160、表示部162、音生
成部170、音出力部172、通信部174、I/F部
176、メモリーカード180等)については、任意の
構成要素とすることができる。
【0030】ここで処理部100は、システム全体の制
御、システム内の各ブロックへの命令の指示、ゲーム演
算などの各種の処理を行うものであり、その機能は、C
PU(CISC型、RISC型)、DSP、或いはAS
IC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与の
プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0031】操作部130は、プレーヤが操作データを
入力するためのものであり、その機能は、図1のガン型
コントローラ502、レバー、ボタンなどのハードウェ
アにより実現できる。
【0032】記憶部140は、処理部100、画像生成
部160、音生成部170、通信部174、I/F部1
76などのワーク領域となるもので、その機能はRAM
などのハードウェアにより実現できる。
【0033】情報記憶媒体(コンピュータにより使用可
能な記憶媒体)150は、プログラムやデータなどの情
報を格納するものであり、その機能は、光ディスク(C
D、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディス
ク、ハードディスク、磁気テープ、或いは半導体メモリ
(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理
部100は、この情報記憶媒体150に格納される情報
に基づいて本発明(本実施形態)の種々の処理を行う。
即ち情報記憶媒体150には、本発明(本実施形態)の
手段(特に処理部100に含まれるブロック)を実現
(実行)するための種々の情報(プログラム、データ)
が格納される。
【0034】なお、情報記憶媒体150に格納される情
報の一部又は全部は、システムへの電源投入時等に記憶
部140に転送されることになる。また情報記憶媒体1
50に記憶される情報は、本発明の処理を行うためのプ
ログラムコード、画像情報、音情報、表示物の形状情
報、テーブルデータ、リストデータ、プレーヤ情報や、
本発明の処理を指示するための情報、その指示に従って
処理を行うための情報等の少なくとも1つを含むもので
ある。
【0035】画像生成部160は、処理部100からの
指示等にしたがって、各種の画像を生成し表示部162
に出力するものであり、その機能は、画像生成用ASI
C、CPU、或いはDSPなどのハードウェアや、所与
のプログラム(画像生成プログラム)、画像情報により
実現できる。
【0036】音生成部170は、処理部100からの指
示等にしたがって、各種の音を生成し音出力部172に
出力するものであり、その機能は、音生成用ASIC、
CPU、或いはDSPなどのハードウェアや、所与のプ
ログラム(音生成プログラム)、音情報(波形データ
等)により実現できる。
【0037】通信部174は、外部装置(例えばホスト
装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うため
の各種の制御を行うものであり、その機能は、通信用A
SIC、或いはCPUなどのハードウェアや、所与のプ
ログラム(通信プログラム)により実現できる。
【0038】なお本発明(本実施形態)の処理を実現す
るための情報は、ホスト装置(サーバー)が有する情報
記憶媒体からネットワーク及び通信部174を介して情
報記憶媒体150に配信するようにしてもよい。このよ
うなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本
発明の範囲内に含まれる。
【0039】また処理部100の機能の一部又は全部
を、画像生成部160、音生成部170、又は通信部1
74の機能により実現するようにしてもよい。或いは、
画像生成部160、音生成部170、又は通信部174
の機能の一部又は全部を、処理部100の機能により実
現するようにしてもよい。
【0040】I/F部176は、処理部100からの指
示等にしたがってメモリーカード(広義には、携帯型ゲ
ーム機などを含む携帯型情報記憶装置)180との間で
情報交換を行うためのインターフェースとなるものであ
り、その機能は、メモリーカードを挿入するためのスロ
ットや、データ書き込み・読み出し用コントローラIC
などにより実現できる。なお、メモリーカード180と
の間の情報交換を赤外線などの無線を用いて実現する場
合には、I/F部176の機能は、半導体レーザ、赤外
線センサーなどのハードウェアにより実現できる。
【0041】処理部100は、ゲーム演算部110を含
む。
【0042】ここでゲーム演算部110は、コイン(代
価)の受け付け処理、各種モードの設定処理、ゲームの
進行処理、選択画面の設定処理、オブジェクト(キャラ
クタ、移動体)の位置や回転角度(X、Y又はZ軸回り
回転角度)を決める処理、視点位置や視線角度を決める
処理、オブジェクトのモーションを再生又は生成する処
理、オブジェクト空間へオブジェクトを配置する処理、
ヒットチェック処理、ゲーム結果(成果、成績)を演算
する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイ
するための処理、或いはゲームオーバー処理などの種々
のゲーム演算処理を、操作部130からの操作データ、
メモリーカード180からのデータ、ゲームプログラム
などに基づいて行う。
【0043】ゲーム演算部110は、ヒットチェック部
112、モーション再生部114、モーション生成部1
16、切り替え部122を含む。
【0044】ここで、ヒットチェック部112は、ガン
型コントローラを用いてプレーヤが発射したショットが
オブジェクトにヒットしたか否かを調べるヒットチェッ
ク処理を行う。なお、処理負担の軽減化のためには、オ
ブジェクトの形状を簡易化した簡易オブジェクトを用い
てヒットチェック処理を行うことが望ましい。
【0045】モーション再生部114は、オブジェクト
(敵キャラクタ等)のモーションを、モーションデータ
記憶部142に記憶されているモーションデータに基づ
いて再生する処理を行う。即ち、モーションデータ記憶
部142には、オブジェクトの各基準モーションでの各
部位(パーツ)の位置データや角度データを含むモーシ
ョンデータが記憶されている。モーション再生部114
は、このモーションデータを読み出し、このモーション
データに基づいてオブジェクトの各部位を動かすこと
で、オブジェクトのモーションを再生する。
【0046】モーション生成部116は、オブジェクト
のモーションを、物理シミュレーション(物理計算を利
用したシミュレーション。物理計算は擬似的な物理計算
でもよい)により生成する処理を行う。即ち本実施形態
では、ヒット(被弾)時等における、オブジェクト(敵
キャラクタ等)のモーションを、モーションデータに基
づくモーション再生ではなく、物理シミュレーションに
よりリアルタイムに生成するようにしている。このよう
に物理シミュレーションによりモーションを生成するこ
とで、モーションデータに基づくモーション再生に比べ
て、バラエティ度が高くリアルなモーション表現を、使
用データ量を抑えながら実現できるようになる。
【0047】モーション生成部116は、ヒット(被
弾)時モーション生成部118と下半身モーション生成
部120を含む。
【0048】ここで、ヒット時モーション生成部118
は、ヒット時におけるオブジェクトのモーションを生成
する処理を行う。より具体的には、オブジェクトの第N
の部位がヒットされた場合には、ヒット情報(ヒット方
向を向く力ベクトル等)に基づく物理シミュレーション
により、その第Nの部位を動かすと共に、隣の第N+
1、第N+2、第N+3の部位等にヒット情報を順次伝
達(伝搬)する(例えばその大きさを順次減衰させなが
ら伝達する)。そして、伝達されたヒット情報に基づく
物理シミュレーションにより、これらの第N+1、第N
+2、第N+3の部位等を動かす。このようにしてオブ
ジェクトのモーションを生成すれば、高速連射によりシ
ョットが連続してヒットした場合におけるオブジェクト
のリアルなモーションを、少ない処理負担で表現できる
ようになる。
【0049】また下半身モーション生成部120は、ヒ
ット時のオブジェクトのよろけ動作をリアルに表現する
ために、オブジェクトの下半身についてのモーションを
特別なアルゴリズムを用いて生成している。より具体的
には、接地している第1の部位(例えば左足)を支点と
して倒れるようにオブジェクトを動かす。そして、オブ
ジェクトが倒れるのを制限する位置(例えば仮想重心を
接地面に投影した位置に関して第1の部位と点対称の位
置)に、接地していない第2の部位(例えば右足)の移
動目標位置を設定し、この移動目標位置に第2の部位を
移動させる。このようにしてオブジェクトのモーション
を生成すれば、よろけながらもなかなか倒れないという
オブジェクトのモーション表現が可能になる。
【0050】切り替え部122は、例えばオブジェクト
がヒットされた場合に、モーション再生からモーション
生成に切り替える処理を行う。或いは、所与の条件が成
立した場合(ヒットされてから所与の時間が経過した
り、体力パラメータが零になった場合)に、モーション
生成からモーション再生に切り替える処理を行う。この
ようにすれば、モーション生成による表現が難しい場面
では、モーション再生によりオブジェクトの動きを表現
し、少ないデータ量でバラエティ度の高い動きが要請さ
れる場面では、モーション生成によりオブジェクトの動
きを表現できるようになる。
【0051】なお、本実施形態の画像生成システムは、
1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモ
ード専用のシステムにしてもよいし、このようなシング
ルプレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイ
できるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしても
よい。
【0052】また複数のプレーヤがプレイする場合に、
これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム
音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワ
ーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の
端末を用いて生成してもよい。
【0053】2.本実施形態の特徴 さて、本実施形態では、図3に示すように、敵キャラク
タ(オブジェクト)10が、複数の部位(右手12、右
前腕14、右上腕16、胸18、腰20、左手22、左
前腕24、左上腕26、頭30、右足32、右すね3
4、右股36、左足42、左すね44、左股46)によ
り構成されている。なお、これらの部位(パーツ)の位
置や回転角度(方向)は、スケルトンモデルを構成する
関節J0〜J13の位置や骨(アーク)A0〜A18の
回転角度として表すことができる。但し、これらの骨、
関節は仮想的なものであり、現実に表示されるオブジェ
クトではない。
【0054】本実施形態では、敵キャラクタを構成する
部位が親子(階層)構造を有している(実際には関節が
親子構造を有する)。即ち、手12、22の親は前腕1
4、24であり、前腕14、24の親は上腕16、26
であり、上腕16、26の親は胸18であり、胸18の
親は腰20となる。また、頭30の親は胸18となる。
また、足32、42の親はすね34、44であり、すね
34、44の親は股36、46であり、股36、46の
親は腰20となる。
【0055】モーションデータ記憶部には、これらの部
位(関節、骨)の位置及び回転角度が、モーションデー
タとして記憶されている。例えば、歩きモーションが、
MP0、MP1、MP2・・・・MPNという基準モー
ションにより構成されているとする。するとこれらの各
基準モーションMP0、MP1、MP2・・・・MPN
での各部位の位置及び回転角度が、モーションデータと
して予め記憶されている。そして、例えば基準モーショ
ンMP0の各部位の位置及び回転角度を読み出し、次に
基準モーションMP1の各部位の位置及び回転角度を読
み出すというように、基準モーションのモーションデー
タを時間経過に伴い順次読み出すことで、モーション再
生が実現される。
【0056】なお、モーションデータ記憶部に記憶する
モーションデータは、一般的には、モーションキャプチ
ャにより取得したり、デザイナが作成する。また、部位
(関節、骨)の位置、回転角度は、親の部位の位置、回
転角度に対する相対的な位置、相対的な回転角度で表さ
れる。
【0057】本実施形態の第1の特徴は、ヒット時にお
ける敵キャラクタ(オブジェクト)のモーションを、物
理シミュレーションを用いて生成する点にある。
【0058】例えば図4において、敵キャラクタの前腕
14にプレーヤのショット(弾)がヒットすると、ま
ず、ヒット力ベクトルFH0(広義にはヒット情報)に
基づき前腕14を動かす(回転させる、移動させる)。
更に、このヒット力ベクトルFH0を、FH1、FH
2、FH3、FH4として親の部位である上腕16、胸
18、腰20に順次伝達(伝搬)する。そして、伝達さ
れたヒット力ベクトルFH1〜FH4により、上腕1
6、胸18、腰20を動かす。本実施形態では、このよ
うにして、ヒット時における敵キャラクタのモーション
をリアルタイムに生成している。
【0059】より具体的には、ヒット力ベクトルFH0
は、その方向が、ヒットの方向(ショットの軌道方向)
に向き、その大きさが、ヒットの威力を表すベクトルで
ある。そして、関節J1とヒット位置(着弾位置)HP
を結ぶベクトルHVと、ヒット力ベクトルFH0との外
積をとることで、回転モーメントが求められる。
【0060】次に、この回転モーメントと前腕14の仮
想質量に基づき、前腕14の角加速度が算出される。そ
して、算出された角加速度に基づき、前腕14の角速度
が算出され、この角速度で前腕14がR0に示すように
回転する。
【0061】ヒット力ベクトルFH0(ヒット情報)
は、その大きさが減衰されてFH1として親の部位であ
る上腕16に伝達される。より具体的には、このFH1
は関節J1に作用し、このFH1による回転モーメント
で、上腕16がR1に示すように回転する。
【0062】次に、胸18に伝達されたFH2は関節J
2に作用し、このFH2による回転モーメントで、胸1
8がR2に示すように回転する。
【0063】次に腰20に伝達されたFH3は関節J3
に作用し、このFH3による回転モーメントで、腰20
がR3に示すように回転する。また、腰20に伝達され
たFH4は代表点RPに作用し、このFH4により、腰
20がMT0に示すように移動する。なお、腰20がM
T0の方向に移動すると、腰20以外の他の部位もMT
0の方向に移動することになる。但し、この場合にも、
腰20と他の部位との間の相対的な位置関係は変化しな
い。
【0064】本実施形態により生成されたモーションの
例を図5(A)、(B)、図6(A)、(B)に示す。
このモーションは、敵キャラクタ10の頭にショットが
ヒットした場合に生成されたモーションの例である。
【0065】図5(A)〜図6(B)に示すように、本
実施形態によれば、ヒット時における敵キャラクタ10
のリアルなモーションを生成できる。そして、生成され
るモーションは、ヒット位置やヒット方向やヒット力の
大きさなどに応じて異なったものとなり、モーションデ
ータに基づくモーション再生の手法に比べて、モーショ
ンのバリエーションを格段に増すことができる。
【0066】即ち、モーション再生の手法では、ヒット
位置に応じた何種類ものモーションデータを予め別々に
用意しておく必要がある。例えば、図4のように前腕が
ヒットされた場合用のモーションデータと、図5(A)
〜図6(B)のように頭がヒットされた場合用のモーシ
ョンデータとを別々に用意する必要がある。また、同じ
頭がヒットされた場合も、前方向から頭がヒットされた
場合用のモーションデータ、右方向から頭がヒットされ
た場合用のモーションデータ、後ろ方向から頭がヒット
された場合用のモーションデータ、左方向から頭がヒッ
トされた場合用のモーションデータを別々に用意してお
く必要がある。
【0067】ところが、モーションデータを記憶するメ
モリの容量は有限である。従って、モーション再生の手
法では、モーションのバリエーションの増加には限界が
ある。
【0068】これに対して、本実施形態によれば、上記
のようなモーションデータを用意することなく、ヒット
位置やヒット方向やヒット力の大きさなどに応じて異な
る多様なモーションを生成できる。例えばショットのヒ
ット位置に応じて、敵キャラクタの反応が細かく変化す
るようになる。従って、リアルで多様なモーション表現
を少ないデータ量で実現できるようになる。
【0069】また、モーション再生の手法では、図5
(A)〜図6(B)のような、頭ヒット時用のモーショ
ンを再生している際に、例えば前腕がヒットされると、
頭ヒット時用のモーションの再生が途中で打ち切られて
しまい、敵キャラクタの動きが不自然なものになってし
まう。
【0070】これに対して、本実施形態によれば、頭が
ヒットされた後に前腕がヒットされても、モーションが
途中で打ち切られるという事態が生じない。従って、ヒ
ット時における敵キャラクタの動きを滑らかで連続的な
ものにすることができる。
【0071】特に本実施形態では、図1で説明したよう
に、プレーヤ500が所持するガン型コントローラ50
2は、マシンガンのようにショットを高速連射できるよ
うになっているため、敵キャラクタに対して何発ものシ
ョットが連続してヒットする状況が生じる。更に本実施
形態では、一発のショットが命中しただけでは敵キャラ
クタは消滅しないようになっている。従って、何発もの
ショットがヒットし、ショットがヒットする毎に、ヒッ
ト位置やヒット方向に応じてその動きが細かく変化する
ような敵キャラクタのモーションを表現する必要があ
る。
【0072】モーション再生の手法により、このような
高速連射時のモーション表現を実現しようとすると、必
要なモーションデータの量が過大になってしまう。この
ため、モーション再生の手法では、このようなモーショ
ン表現は実質的に実現不可能となる。これに対して、図
4で説明したモーション生成の手法によれば、このよう
なモーション表現を容易に実現できるようになる。
【0073】さて、本実施形態では、各部位を動かすヒ
ット情報として、ヒット力ベクトルを採用している。そ
して、図7(A)に示すように、例えばヒット力ベクト
ルFHNにより回転モーメントLN×FHNを求め、求め
られた回転モーメントにより、第Nの部位を動かす(回
転させる)。そして、ヒット力ベクトルFHN+1、FHN
+2を、隣の第N+1、第N+2の部位に順次伝達し、こ
れらのヒット力ベクトルで第N+1、第N+2の部位を
動かす。より具体的には、フレームKでは、FHNを第
Nの部位に作用させ、フレームK+1ではFHN+1を第
N+1の部位に作用させ、フレームK+2ではFHN+2
を第N+2の部位に作用させる。
【0074】このようにすることで、ヒット力ベクトル
の衝撃により敵キャラクタの各部位が動く様子を、ヒッ
ト力ベクトルを隣の部位に順次伝達するだけという簡易
な処理で、リアルに表現できるようになる。
【0075】そして、この場合に本実施形態では、各部
位にヒット力ベクトルを順次伝達する際に、伝達するヒ
ット力ベクトルの大きさを順次減衰(減衰率は例えば9
0%程度)させている。即ち、|FHN|>|FHN+1|
>|FHN+2|というように、ヒット力ベクトルの大き
さを減衰させる。このようにすることで、ヒット位置に
近い部位ほど大きく動くようになり、現実世界の事象に
より近いリアルなモーション変化を、ヒット力ベクトル
の大きさを減少させるだけという簡易な処理で実現でき
るようになる。
【0076】また本実施形態では、各部位の角速度に応
じた回転抵抗力を、各部位に作用させるようにしてい
る。
【0077】例えば図7(B)に示すように、第Nの部
位には、第Nの部位の角速度ωNの大きさに応じた回転
抵抗力FRNを作用させる。また、第N+1の部位に
は、第N+1の部位の角速度ωN+1の大きさに応じた回
転抵抗力FRN+1を回転と逆方向に作用させる。また、
第N+2の部位には、第N+2の部位の角速度ωN+2の
大きさに応じた回転抵抗力FRN+2を回転と逆方向に作
用させる。
【0078】このような回転抵抗力を作用させること
で、各部位の角速度が急激に変化してしまい不自然なモ
ーションになってしまう事態を効果的に防止できるよう
になる。
【0079】また本実施形態では、敵キャラクタを所与
の姿勢に戻すための復元力を、各部位に作用させてい
る。
【0080】例えば図8に示すように、ヒット力ベクト
ルFHにより敵キャラクタの姿勢が変化した場合に、敵
キャラクタを、点線で示されるデフォルトの姿勢に戻す
ようにする。
【0081】このようにすれば、高速連射により何発も
のショットがヒットすることで、敵キャラクタの姿勢が
極端に崩れてしまうというような事態を防止できる。シ
ョットが連続してヒットしても、ヒットする毎に復元力
により敵キャラクタが元のデフォルト姿勢に少しずつ戻
るようになるからである。これにより、多くのショット
がヒットしても、なかなか倒されないような敵キャラク
タを表現できるようになり、マシンガンゲームに好適な
敵キャラクタをゲームに登場させることができるように
なる。
【0082】なお、敵キャラクタをデフォルト姿勢に戻
す処理は、各部位のデフォルトの回転角度を記憶部に保
持しておき、このデフォルトの角度に、各部位の角度を
戻すように処理することで実現できる。
【0083】本実施形態の第2の特徴は、敵キャラクタ
のヒット時に、モーションデータに基づくモーション再
生から物理シミュレーションによるモーション生成に切
り替える点にある。
【0084】例えば図9(A)のE1に示すように、敵
キャラクタがヒットされる前においては、モーション再
生により敵キャラクタの動きが表現される。即ち、所定
の場所に移動したり、物陰に隠れたり、プレーヤの前に
出現したりする敵キャラクタの動きについては、モーシ
ョンデータに基づくモーション再生により表現する。
【0085】一方、E2に示すように、敵キャラクタが
ヒットされると、モーション再生からモーション生成に
切り替わる。即ち、例えば図4で説明したようなモーシ
ョン生成手法により、ヒット時の敵キャラクタの動きを
表現する。
【0086】ヒット前における敵キャラクタの動きに対
しては、プレーヤのゲーム操作の影響がそれほど及ばな
い。従って、モーションデータに基づくモーション再生
だけで、敵キャラクタの動きを十分に表現できる。ま
た、物陰に隠れたり、プレーヤの前に出現する動きなど
を、モーション生成で実現しようとすると、処理の複雑
化、処理負担の増大化を招く。
【0087】一方、ヒット時における敵キャラクタの動
きに対しては、プレーヤのゲーム操作の影響が強く及
ぶ。即ち、プレーヤがどの敵キャラクタをどの方向から
どのように射撃するかは、プレーヤの任意であり、ゲー
ム前には全く予期できない。このため、ヒット時におい
ては、プレーヤのゲーム操作(射撃操作)に応じて、敵
キャラクタの動きを細かく変化させる必要がある。従っ
て、モーション再生よりも、図4で説明したようなモー
ション生成により敵キャラクタの動きを表現する方が望
ましい。また、ヒット時の動きについては、物陰に隠れ
たり、プレーヤの前に出現する動きなどに比べて、物理
シミュレーションに基づくモーション生成に適してい
る。
【0088】本実施形態では、以上の点に着目して、図
9(A)のE2に示すように、敵キャラクタのヒット時
に、モーション再生からモーション生成に切り替えてい
る。これにより、状況に応じた適切な処理で、敵キャラ
クタを動かすことができるようになる。
【0089】本実施形態の第3の特徴は、所与の条件が
成立した場合に、物理シミュレーションによるモーショ
ン生成からモーションデータに基づくモーション再生に
切り替える点にある。
【0090】例えば図9(A)のE3では、ヒット後に
所与の時間TMが経過したため、モーション生成からモ
ーション再生に切り替えている。
【0091】即ち、E4のように短時間で連続して敵キ
ャラクタにショットがヒットしている場合には、図4で
説明したようなモーション生成により敵キャラクタを動
かす。これにより、ショットがヒットする毎にヒット位
置やヒット方向に応じてその動きが細かく変化する敵キ
ャラクタを表現できる。
【0092】一方、E3のように、ショットがヒットし
た後に所与の時間TMが経過した場合には、敵キャラク
タに対する連射はもはや行われていないと考えられる。
従って、この場合には、モーションデータに基づくモー
ション再生を行うようにする。このようにすることで、
プレーヤにより攻撃された後に、他の場所に移動した
り、物陰に隠れたりするなどの敵キャラクタの動きを表
現できるようになる。
【0093】また図9(B)のE5では、敵キャラクタ
の体力パラメータが0(所与の値)になったため、モー
ション生成からモーション再生に切り替えている。即
ち、この場合には、敵キャラクタを完全に転倒させるモ
ーションを再生し、敵キャラクタを消滅させる。
【0094】このように、体力パラメータが0になった
場合には、その敵キャラクタの運命は、消滅するという
運命にもはや決まっており、プレーヤのゲーム操作の影
響が及ぶ余地がない。従って、この場合には、モーショ
ン生成ではなくモーション再生により敵キャラクタの動
きを表現する。このようにすれば、予め用意されたモー
ションデータに基づいてリアルに敵キャラクタを転倒さ
せることが可能になり、ゲームの演出効果を高めること
ができる。
【0095】なお、モーション生成とモーション再生を
切り替える場合には、物理シミュレーションにより生成
されるモーションとモーションデータに基づき再生され
るモーションとを繋ぐ繋ぎモーションを再生(或いは生
成)することが望ましい。
【0096】例えば図10(A)では、F1が、モーシ
ョン生成とモーション再生の切り替えポイントになって
いる。従って、この場合には、生成された最後のモーシ
ョンMGMと、再生される最初のモーションMP0とを
繋ぐ繋ぎモーションを再生(又は生成)するようにす
る。
【0097】また図10(B)では、F2が、モーショ
ン生成とモーション再生の切り替えポイントになってい
る。従って、この場合には、生成された最後のモーショ
ンMGNと、再生される最初のモーションMP0とを繋
ぐ繋ぎモーションを再生(又は生成)するようにする。
【0098】このようにすれば、モーション生成のどの
時点で切り替わっても、モーションを滑らかに繋ぐこと
が可能となり、生成される画像の画質やリアル度を高め
ることができる。
【0099】なお、繋ぎモーションの再生は、図11に
示すようなモーション補間により実現することが望まし
い。即ち、モーションM0、M1を、重み係数αを0か
ら1に変化させながら、例えばM2=α×M0+(1−
α)×M1という計算式により補間して、モーションM
2を得る(実際には、位置や回転角度を上記計算式によ
り補間する)。この場合、図10(A)、(B)のMG
M、MGNが図11のM0になり、MP0がM1にな
り、得られる繋ぎモーションがM2になる。
【0100】本実施形態の第4の特徴は、接地している
方の足(第1の部位)を支点として倒れるように敵キャ
ラクタ(オブジェクト)が動くと共に、敵キャラクタが
倒れるのを制限する位置に、接地していない方の足(第
2の部位)が移動するように、敵キャラクタのモーショ
ンを生成する点にある。
【0101】例えば図12のG1では、左足50が接地
しており、右足52が非接地になっている。この場合に
は、FD0に示すように、接地している左足50を支点
として倒れる(傾く)ように敵キャラクタの下半身を動
かす。更に、敵キャラクタが倒れるのを制限する位置
(支える位置)である移動目標位置54に、非接地の右
足52を移動させる。
【0102】そして、図12のG2に示すように両足5
0、52が接地すると、腰60から遠い方の足である左
足50を浮かせる。次に、G3のFD1に示すように、
接地している右足52を支点として倒れるように敵キャ
ラクタの下半身を動かすと共に、敵キャラクタが倒れる
のを制限する移動目標位置56に、非接地の左足50を
移動させる。そして、G4に示すように両足50、52
が接地する。
【0103】このようにすることで、ショットの連続ヒ
ットにより敵キャラクタがよろけながら後ずさりする様
子をリアルに表現できるようになる。
【0104】本実施形態により生成されたモーションの
例を図13(A)〜図17(B)に示す。ここで、図1
3(A)〜図15(B)は、生成されたモーションを左
前方から見た図であり、図16(A)〜図17(B)
は、生成されたモーションを下方から見た図である。こ
れらの図から理解されるように、本実施形態では、倒れ
そうで倒れず、よろめきながら腰をふらふらさせて後ず
さりする敵キャラクタの動きを、リアルに表現すること
に成功している。
【0105】即ち、前述の図4の手法でヒット時におけ
るモーションを生成すると、ショットのヒットにより敵
キャラクタがバランスを崩して、不自然な姿勢で床(接
地面)に立ったままになるという事態が生じる。例え
ば、敵キャラクタの右足だけがヒットされた場合には、
右足だけが宙に浮いた状態で敵キャラクタが床に立った
ままの状態になる可能性がある。
【0106】図12の手法により敵キャラクタの下半身
を特別なアルゴリズムで動作させれば、上記のような事
態を防止できる。即ち、図12のG1に示すように右足
52が宙に浮いた場合には、FD0に示すように敵キャ
ラクタは倒れるように動くと共に、倒れるのを支える移
動目標位置54に右足52が移動する。従って、敵キャ
ラクタの右足52だけが長時間にわたり宙に浮いたまま
になるという事態が防止されると共に、ヒットの衝撃に
より敵キャラクタが後ずさりしたかのように見せること
ができるようになる。
【0107】特に、敵キャラクタに連続してショットが
ヒットした場合には、この連続ヒットの衝撃により敵キ
ャラクタが徐々に後ずさりしているかのように見せるこ
とができ(図13(A)〜図17(B)参照)、これま
でにないリアルなモーションを生成できる。しかも、敵
キャラクタの接地していない方の足は、倒れるのを支え
る位置に常に移動するようになる。従って、敵キャラク
タは、体力パラメータが0にならない限り、転倒しない
ようになる。従って、マシンガンのように高速でショッ
トを連射できるガンゲームに最適なモーション表現を実
現できる。
【0108】さて、本実施形態では図18(A)に示す
ように、敵キャラクタの仮想重心62に仮想重力Gを作
用させる。そして、この仮想重力Gにより得られる力F
Gを腰60(敵キャラクタの代表点)に作用させること
で、左足50を支点として倒れるように敵キャラクタを
動かしている。なお、仮想重心62は、敵キャラクタの
上半身の部位の位置(関節位置)とそれらの部位の仮想
質量とに基づいて求められる。
【0109】このように、仮想重心62に仮想重力Gを
作用させることにより得られる力FGを腰60に作用さ
せて敵キャラクタを倒すようにすれば、あたかも、敵キ
ャラクタがバランスを崩して倒れているかのように見せ
ることができ、モーションのリアル度を格段に向上でき
る。
【0110】また本実施形態では、接地していない右足
52の移動目標位置を以下のようにして設定している。
即ち、まず、仮想重心62の床(接地面)63への投影
位置64を求める。そして、この投影位置64に関し
て、接地している左足50と点対称の位置に、右足52
の移動目標位置54を設定する。このような移動目標位
置54に右足52を移動すれば、仮想重心62に仮想重
力が作用した場合にも、敵キャラクタを安定的に支える
ことができ、敵キャラクタが完全に転倒してしまうのを
防止できる。これにより、倒れそうでなかなか倒れず、
徐々に後ずさりするという敵キャラクタの動きを表現で
きるようになる。
【0111】また本実施形態では、両足(第1、第2の
部位)が共に接地している場合には、片方の足を浮かせ
るようにしている。
【0112】即ち図19(A)に示すように、左足5
0、右足52が共に接地している場合には、図19
(B)に示すように、腰60から遠い方の足である左足
50を浮かせる。このようにすることで、両足が接地し
た状態で敵キャラクタが全く動かなくなるという事態を
防止できる。そして、プレーヤからのショットがヒット
する毎に、徐々に後ずさりするという敵キャラクタのリ
アルな動きを表現できるようになる。
【0113】3.本実施形態の処理 次に、本実施形態の詳細な詳細例について、図20、図
21、図22、図23、図24のフローチャートを用い
て説明する。
【0114】図20は、モーション再生とモーション生
成の切り替え処理に関するフローチャートである。
【0115】まず、モーションデータに基づくモーショ
ン再生を行う(ステップS1)。例えば、所定の場所に
移動したり、物陰に隠れたり、プレーヤの前に現れると
いうような敵キャラクタの動きは、モーション再生によ
り実現する。
【0116】次に、プレーヤからのショットがヒットし
たか否かを判断し(ステップS2)、ヒットしなかった
場合には、ステップS1に戻りモーション再生を続行す
る。一方、ヒットした場合には、体力パラメータが0か
否かを判断する(ステップS3)。そして、体力パラメ
ータが0でない場合には、図9(A)のE2に示すよう
に、物理シミュレーションによるモーション生成処理に
移行する(ステップS4)。
【0117】次に、ヒット後から所与の時間が経過した
か否かを判断し(ステップS5)、経過していない場合
には、プレーヤからのショットがヒットしたか否かを判
断する(ステップS6)。そして、ヒットした場合に
は、ステップS3で体力パラメータが0か否かを判断
し、0でない場合にはステップS4のモーション生成処
理を続行する。一方、ヒットしなかった場合には、ステ
ップS3の体力パラメータの判断処理を行うことなく、
ステップS4のモーション生成処理を続行する。
【0118】ステップS5で所与の時間が経過したと判
断された場合には、図10(A)、(B)で説明したよ
うに、繋ぎモーションを再生(又は生成)する処理を行
う(ステップS7)。そして、図9(A)のE3に示す
ように、モーション再生処理に切り替える。
【0119】ステップS3で、体力パラメータが0であ
ると判断された場合には、転倒モーションへの繋ぎモー
ションを再生(又は生成)する(ステップS8)。そし
て、図9(B)のE5に示すように、転倒モーションの
再生処理に移行し(ステップS9)、敵キャラクタを消
滅させる(ステップS10)。
【0120】図21、図22は、ヒット時のモーション
生成処理に関するフローチャートである。
【0121】まず、処理対象となる部位が、ヒットされ
た部位又はヒット力ベクトルが伝達された部位かを判断
し(ステップT1)、そのような部位でない場合にはス
テップT5に移行する。一方、そのような部位である場
合には、図4で説明したように、その部位におけるヒッ
ト位置HPとヒット力ベクトルFH0を得る(ステップ
T2)。なお、ステップT1での判断は、ヒットされた
又はヒット力ベクトルが伝達された場合にオンにセット
されるヒットフラグに基づいて行われることになる。
【0122】次に、図7(A)で説明したように、ヒッ
ト力ベクトルを、その大きさを減衰させながら、親の部
位に伝達する(ステップT3)。なお、ヒット力ベクト
ルが伝達された部位については、そのヒットフラグがオ
ンにセットされる。
【0123】次に、ヒット力ベクトルに基づき回転モー
メントを算出し、その回転モーメントに基づき部位の角
速度を算出する(ステップT4)。例えば図7(A)の
第Nの部位では、回転モーメントLN×FHNが算出さ
れ、この回転モーメントに基づき第Nの部位の角速度が
算出される。
【0124】次に、図7(B)で説明したように、部位
の角速度に比例した回転抵抗力を算出し、その回転抵抗
力に基づき部位の角速度を変化(減少)させる(ステッ
プT5)。そして、図8で説明したように、敵キャラク
タをデフォルトの姿勢に戻すための復元力を算出し、そ
の復元力に基づき部位の角速度を変化させる(ステップ
T6)。
【0125】次に、処理対象となる部位が腰である場合
には、ヒット力ベクトルに基づき腰の移動速度を算出す
る(ステップT7)。例えば図4において、FH4に基
づいて腰20(代表点RP)の移動速度を算出する。
【0126】次に、処理対象となる部位が腰の場合に
は、算出された移動速度と角速度に基づいて、その位置
と回転速度を更新し、それ以外の部位の場合には、算出
された角速度に基づき、その回転角度を更新する(ステ
ップT8)。即ち、当該フレームでの、各部位の位置や
回転角度を求める。
【0127】最後に、全ての部位についての処理が終了
したか否かを判断し(ステップT9)、終了していない
場合にはステップT1に戻る。
【0128】図23、図24は、敵キャラクタの下半身
モーションの生成処理に関するフローチャートである。
【0129】まず、両足とも浮いているか否かを判断す
る(ステップU1)。そして、両足が浮いている場合に
は、腰及び両足に仮想重力を作用させ、敵キャラクタを
自由落下させる(ステップU2)。
【0130】一方、いずれかの足が浮いている場合に
は、現在の上半身の各部位の位置と各部位の仮想質量に
基づき、図18(A)で説明したような仮想重心62を
算出する(ステップU3)。そして、接地している足の
位置(両足接地の場合には両足の中点)を支点として仮
想重心に仮想重力を作用させたときの力を算出する(ス
テップU4)。即ち図18(A)の力FGを算出する。
【0131】次に、算出された力を腰(代表点)に作用
させて、腰の移動速度を変化させる(ステップU5)。
即ち図18(A)の力FGにより腰を移動させる。
【0132】次に、図19(A)で説明したように、両
足が接地しているか否かを判断し(ステップU7)、両
足が接地している場合には腰から遠い方の足を浮かせる
(ステップU8)。即ち、図19(B)では左足50を
浮かせる。
【0133】次に、図18(B)で説明したように、仮
想重心の投影位置に関して接地している方の足と点対称
の位置に、接地していない方の足の移動目標位置を設定
する(ステップU9)。そして、接地していない方の足
を、移動目標位置に移動させる(ステップU10)。即
ち、図18(B)では、右足52を移動目標位置54に
移動させる。
【0134】そして最後に、両股及び両すねの位置及び
回転角度を、腰と両足の位置に基づきインバースキネマ
ティクスにより算出する(ステップU11)。
【0135】4.ハードウェア構成 次に、本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一
例について図25を用いて説明する。同図に示すシステ
ムでは、CPU1000、ROM1002、RAM10
04、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画
像生成IC1010、I/Oポート1012、1014
が、システムバス1016により相互にデータ送受信可
能に接続されている。そして前記画像生成IC1010
にはディスプレイ1018が接続され、音生成IC10
08にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1
012にはコントロール装置1022が接続され、I/
Oポート1014には通信装置1024が接続されてい
る。
【0136】情報記憶媒体1006は、プログラム、表
示物を表現するための画像データ、音データ等が主に格
納されるものである。例えば家庭用ゲームシステムでは
ゲームプログラム等を格納する情報記憶媒体としてDV
D、ゲームカセット、CDROM等が用いられる。また
業務用ゲームシステムではROM等のメモリが用いら
れ、この場合には情報記憶媒体1006はROM100
2になる。
【0137】コントロール装置1022はゲームコント
ローラ、操作パネル等に相当するものであり、プレーヤ
がゲーム進行に応じて行う判断の結果をシステム本体に
入力するための装置である。
【0138】情報記憶媒体1006に格納されるプログ
ラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム
(システム本体の初期化情報等)、コントロール装置1
022によって入力される信号等に従って、CPU10
00はシステム全体の制御や各種データ処理を行う。R
AM1004はこのCPU1000の作業領域等として
用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やR
OM1002の所与の内容、あるいはCPU1000の
演算結果等が格納される。また本実施形態を実現するた
めの論理的な構成を持つデータ構造は、このRAM又は
情報記憶媒体上に構築されることになる。
【0139】更に、この種のシステムには音生成IC1
008と画像生成IC1010とが設けられていてゲー
ム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになってい
る。音生成IC1008は情報記憶媒体1006やRO
M1002に記憶される情報に基づいて効果音やバック
グラウンド音楽等のゲーム音を生成する集積回路であ
り、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出
力される。また、画像生成IC1010は、RAM10
04、ROM1002、情報記憶媒体1006等から送
られる画像情報に基づいてディスプレイ1018に出力
するための画素情報を生成する集積回路である。なおデ
ィスプレイ1018として、いわゆるヘッドマウントデ
ィスプレイ(HMD)と呼ばれるものを使用することも
できる。
【0140】また、通信装置1024は画像生成システ
ム内部で利用される各種の情報を外部とやりとりするも
のであり、他の画像生成システムと接続されてゲームプ
ログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を
介してゲームプログラム等の情報を送受することなどに
利用される。
【0141】そして図1〜図24で説明した種々の処理
は、プログラムやデータなどの情報を格納した情報記憶
媒体1006、この情報記憶媒体1006からの情報等
に基づいて動作するCPU1000、画像生成IC10
10或いは音生成IC1008等によって実現される。
なお画像生成IC1010、音生成IC1008等で行
われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSP等
によりソフトウェア的に行ってもよい。
【0142】図1に示すような業務用ゲームシステムに
本実施形態を適用した場合には、内蔵されるシステムボ
ード(サーキットボード)1106に対して、CPU、
画像生成IC、音生成IC等が実装される。そして、本
実施形態の処理(本発明の手段)を実行(実現)するた
めの情報は、システムボード1106上の情報記憶媒体
である半導体メモリ1108に格納される。以下、この
情報を格納情報と呼ぶ。
【0143】図26(A)に、本実施形態を家庭用のゲ
ームシステムに適用した場合の例を示す。プレーヤはデ
ィスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見なが
ら、ゲームコントローラ1202、1204を操作して
ゲームを楽しむ。この場合、上記格納情報は、本体シス
テムに着脱自在な情報記憶媒体であるDVD1206、
メモリーカード1208、1209等に格納されてい
る。
【0144】図26(B)に、ホスト装置1300と、
このホスト装置1300と通信回線(LANのような小
規模ネットワークや、インターネットのような広域ネッ
トワーク)1302を介して接続される端末1304-1
〜1304-nとを含む画像生成システムに本実施形態を
適用した場合の例を示す。この場合、上記格納情報は、
例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装
置、磁気テープ装置、半導体メモリ等の情報記憶媒体1
306に格納されている。端末1304-1〜1304-n
が、CPU、画像生成IC、音処理ICを有し、スタン
ドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものであ
る場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、
ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1
304-1〜1304-nに配送される。一方、スタンドア
ロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲ
ーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304-1〜
1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0145】なお、図26(B)の構成の場合に、本発
明の処理を、ホスト装置(サーバー)と端末とで分散し
て処理するようにしてもよい。また、本発明を実現する
ための上記格納情報を、ホスト装置(サーバー)の情報
記憶媒体と端末の情報記憶媒体に分散して格納するよう
にしてもよい。
【0146】また通信回線に接続する端末は、家庭用ゲ
ームシステムであってもよいし業務用ゲームシステムで
あってもよい。そして、業務用ゲームシステムを通信回
線に接続する場合には、業務用ゲームシステムとの間で
情報のやり取りが可能であると共に家庭用ゲームシステ
ムとの間でも情報のやり取りが可能な携帯型情報記憶装
置(メモリーカード、携帯型ゲーム機)を用いることが
望ましい。
【0147】なお本発明は、上記実施形態で説明したも
のに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0148】例えば、本発明のうち従属請求項に係る発
明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略
する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立
請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させ
ることもできる。
【0149】また、各部位を動かす物理シミュレーショ
ンの手法は、図4などで説明した手法が特に望ましい
が、これに限定されるものでなく種々の変形実施が可能
である。また、ヒット情報は、処理の簡素化のためには
ヒット力ベクトルであることが特に望ましいが、これに
限定されるものではなく、少なくとも各部位を動かすた
めの情報であればよい。
【0150】また、本実施形態では、敵キャラクタにつ
いてのモーション生成やモーション再生について主に説
明したが、モーション生成やモーション再生の対象とな
るオブジェクトは敵キャラクタに限定されず、プレーヤ
キャラクタや移動体など種々のオブジェクトを考えるこ
とができる。
【0151】また、本実施形態では、ショットによりオ
ブジェクトがヒットされる場合を例にとり説明したが、
本発明におけるオブジェクトのヒットは、これに限定さ
れず、例えば、剣によるヒットや、パンチやキックによ
るヒット等も含まれる。
【0152】また、モーション生成とモーション再生を
切り替える発明においては、モーション生成の手法は、
図4などで説明した手法に限定されるものではなく、何
らかの物理シミュレーション(疑似物理シミュレーショ
ン)の要素を含むものであればよい。また、モーション
生成とモーション再生の切り替えイベントとしては、本
実施形態で説明したイベント(オブジェクトのヒット
等)以外にも種々のイベントを考えることができる。
【0153】また、図18(A)の手法では、仮想重心
に仮想重力を作用させることで得られる力を、オブジェ
クト(敵キャラクタ)の代表点(腰)に作用させること
で、オブジェクトに倒し動作を行わせているが、オブジ
ェクトに倒し動作を行わせる手法は、このような手法に
限定されるものではない。例えば、オブジェクトの代表
点など、仮想重心以外の点に仮想重力を作用させてオブ
ジェクトに倒し動作を行わせたり、このような仮想重力
を用いないでオブジェクトに倒し動作を行わせるなど、
種々の手法を採用できる。
【0154】また、本実施形態では、第1、第2の部位
が足である場合について主に説明したが、第1、第2の
部位は足に限定されず、手などでもよい。
【0155】また、接地していない第2の部位の移動目
標位置は、図18(B)で説明した位置が特に望ましい
が、これとは異なる位置に第2の部位を移動させるよう
にすることもできる。
【0156】また本発明はガンゲーム以外にも種々のゲ
ーム(ガンゲーム以外のシューティングゲーム、格闘ゲ
ーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲー
ム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンス
ゲーム等)に適用できる。
【0157】また本発明は、業務用ゲームシステム、家
庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型ア
トラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア
端末、画像生成システム、ゲーム画像を生成するシステ
ムボード等の種々の画像生成システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態を業務用ゲームシステムに適用した
場合の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の画像生成システムのブロック図の
例である。
【図3】複数の部位により構成される敵キャラクタ(オ
ブジェクト)の例について示す図である。
【図4】本実施形態におけるヒット時のモーション生成
手法について説明するための図である。
【図5】図5(A)、(B)は、本実施形態により生成
されるモーションの例について示す図である。
【図6】図6(A)、(B)も、本実施形態により生成
されるモーションの例について示す図である。
【図7】図7(A)、(B)は、ヒット力ベクトルの大
きさを減衰させながら親の部位に伝達する手法や、角速
度に応じた回転抵抗力を各部位に作用させる手法につい
て説明するための図である。
【図8】敵キャラクタをデフォルトの姿勢に戻す手法に
ついて説明するための図である。
【図9】図9(A)、(B)は、モーション生成とモー
ション再生を切り替える手法について説明するための図
である。
【図10】図10(A)、(B)は、繋ぎモーションを
再生(又は生成)する手法について説明するための図で
ある。
【図11】モーション補間について説明するための図で
ある。
【図12】敵キャラクタの下半身モーションの生成につ
いて説明するための図である。
【図13】図13(A)、(B)は、本実施形態により
生成された下半身モーションを左前方から見た図であ
る。
【図14】図14(A)、(B)も、本実施形態により
生成された下半身モーションを左前方から見た図であ
る。
【図15】図15(A)、(B)も、本実施形態により
生成された下半身モーションを左前方から見た図であ
る。
【図16】図16(A)、(B)は、本実施形態により
生成された下半身モーションを下方から見た図である。
【図17】図17(A)、(B)も、本実施形態により
生成された下半身モーションを下方から見た図である。
【図18】図18(A)、(B)は、仮想重心に仮想重
力を作用させる手法や、接地していない足の移動目標位
置を設定する手法について説明するための図である。
【図19】図19(A)、(B)は、両足接地の場合に
片方の足を浮かせる手法について説明するための図であ
る。
【図20】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図21】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図22】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図23】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図24】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図25】本実施形態を実現できるハードウェアの構成
の一例を示す図である。
【図26】図26(A)、(B)は、本実施形態が適用
される種々の形態のシステムの例を示す図である。
【符号の説明】
10 敵キャラクタ(オブジェクト) 12、22 手 14、24 前腕 16、26 上腕 18 胸 20 腰 30 頭 32、42 足 34、44 すね 36、46 股 50 左足 52 右足 54、56 移動目標位置 60 腰 62 仮想重心 63 床(接地面) 64 仮想重心の投影位置 A0〜A18 骨 J0〜J13 関節 RP 代表点 FH、FH0〜FH4、FHN〜FHN+2 ヒット力ベク
トル ωN〜ωN+2 角速度 FRN〜FRN+2 回転抵抗力 100 処理部 110 ゲーム演算部 112 ヒットチェック部 114 モーション再生部 116 モーション生成部 118 ヒット時モーション生成部 120 下半身モーション生成部 122 切り替え部 130 操作部 140 記憶部 142 モーションデータ記憶部 150 情報記憶媒体 160 画像生成部 162 表示部 170 音生成部 172 音出力部 174 通信部 176 I/F部 180 メモリーカード

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を生成するための画像生成システム
    であって、 複数の部位により構成されるオブジェクトが、接地して
    いる第1の部位を支点として倒れるように動くと共に、
    オブジェクトが倒れるのを制限する位置に設定された移
    動目標位置に、接地していない第2の部位が移動するよ
    うに、オブジェクトのモーションを生成する手段と、 モーションが生成されたオブジェクトの画像を含む画像
    を生成する手段と、 を含むことを特徴とする画像生成システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 オブジェクトの仮想重心に仮想重力を作用させることで
    得られる力を、オブジェクトの代表点に作用させること
    で、前記第1の部位を支点として倒れるようにオブジェ
    クトを動かすことを特徴とする画像生成システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記第2の部位の前記移動目標位置が、オブジェクトの
    仮想重心を接地面に投影した位置に関して前記第1の部
    位と点対称の位置であることを特徴とする画像生成シス
    テム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記第1、第2の部位が共に接地している場合には、前
    記第1、第2の部位のいずれか一方を浮かせることを特
    徴とする画像生成システム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 オブジェクトの第Nの部位がヒットされた場合に、ヒッ
    ト情報に基づく物理シミュレーションにより第Nの部位
    を動かすと共に第N+1の部位、第N+2の部位、第N
    +3の部位・・・・にヒット情報を順次伝達し、伝達さ
    れたヒット情報に基づく物理シミュレーションにより第
    N+1の部位、第N+2の部位、第N+3の部位・・・
    ・を順次動かして、オブジェクトのモーションを生成す
    ることを特徴とする画像生成システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 オブジェクトがヒットされた場合に、オブジェクトのモ
    ーションをモーションデータに基づき再生する処理か
    ら、オブジェクトのモーションを物理シミュレーション
    により生成する処理に切り替えることを特徴とする画像
    生成システム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、 所与の条件が成立した場合に、オブジェクトのモーショ
    ンを物理シミュレーションにより生成する処理から、オ
    ブジェクトのモーションをモーションデータに基づき再
    生する処理に切り替えることを特徴とする画像生成シス
    テム。
  8. 【請求項8】 コンピュータが使用可能な情報記憶媒体
    であって、 複数の部位により構成されるオブジェクトが、接地して
    いる第1の部位を支点として倒れるように動くと共に、
    オブジェクトが倒れるのを制限する位置に設定された移
    動目標位置に、接地していない第2の部位が移動するよ
    うに、オブジェクトのモーションを生成する手段と、 モーションが生成されたオブジェクトの画像を含む画像
    を生成する手段と、 を実現するための情報を含むことを特徴とする情報記憶
    媒体。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 オブジェクトの仮想重心に仮想重力を作用させることで
    得られる力を、オブジェクトの代表点に作用させること
    で、前記第1の部位を支点として倒れるようにオブジェ
    クトを動かすことを特徴とする情報記憶媒体。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9において、 前記第2の部位の前記移動目標位置が、オブジェクトの
    仮想重心を接地面に投影した位置に関して前記第1の部
    位と点対称の位置であることを特徴とする情報記憶媒
    体。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至10のいずれかにおい
    て、 前記第1、第2の部位が共に接地している場合には、前
    記第1、第2の部位のいずれか一方を浮かせることを特
    徴とする情報記憶媒体。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至11のいずれかにおい
    て、 オブジェクトの第Nの部位がヒットされた場合に、ヒッ
    ト情報に基づく物理シミュレーションにより第Nの部位
    を動かすと共に第N+1の部位、第N+2の部位、第N
    +3の部位・・・・にヒット情報を順次伝達し、伝達さ
    れたヒット情報に基づく物理シミュレーションにより第
    N+1の部位、第N+2の部位、第N+3の部位・・・
    ・を順次動かして、オブジェクトのモーションを生成す
    ることを特徴とする情報記憶媒体。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12のいずれかにおい
    て、 オブジェクトがヒットされた場合に、オブジェクトのモ
    ーションをモーションデータに基づき再生する処理か
    ら、オブジェクトのモーションを物理シミュレーション
    により生成する処理に切り替えることを特徴とする情報
    記憶媒体。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至13のいずれかにおい
    て、 所与の条件が成立した場合に、オブジェクトのモーショ
    ンを物理シミュレーションにより生成する処理から、オ
    ブジェクトのモーションをモーションデータに基づき再
    生する処理に切り替えることを特徴とする情報記憶媒
    体。
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